JPH0230966B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は仕分装置、特に搬送経路の一部となる
水平姿勢と斜め前方下方に傾斜した荷送り出し姿
勢との間で上下揺動自在な可動コンベヤを搬送経
路途中に複数配設して成る仕分装置に関するもの
である。

この種の仕分装置は、例えば実公昭56−24652
号公報等により知られているが、従来のこの種の
仕分装置では、全ての可動コンベヤが１台の駆動
ユニツトに連動連結されているのが普通であるか
ら、この駆動ユニツトが有する減速機の減速比を
変えることにより全ての可動コンベヤの搬送速度
を変えることは出来るが、可動コンベヤ個々の搬
送速度を変えることは考えられていなかつた。従
つて、特定の可動コンベヤが仕分信号により荷送
り出し姿勢に傾斜したときの搬送速度（荷送り出
し速度）は、当然他の水平姿勢にある可動コンベ
ヤの搬送速度と同一になる。このため、搬送経路
上での荷の搬送ピツチは、可動コンベヤの長さよ
りも十分に大きくして、荷送り出し姿勢に傾斜し
た可動コンベヤにより搬送経路下に送り出される
仕分対象の荷の直後に位置する後続の荷は、前記
可動コンベヤが元の水平姿勢に復帰した後に当該
可動コンベヤ上に乗り移るようにしなければなら
ない。

即ち、従来のこの種の仕分装置では、荷の搬送
ピツチを小さくして単位時間当たりの仕分能力を
高めることが出来なかつた。

本発明は上記のような従来の問題点を解決する
ために、搬送経路の一部となる水平姿勢と斜め前
方下方に傾斜した荷送り出し姿勢との間で上下揺
動自在な可動コンベヤを搬送経路途中に複数配設
して成る仕分装置に於いて、前記各可動コンベヤ
の搬送速度を低速とに切り換える速度切換手段を
各可動コンベヤ毎に設け、更に各可動コンベヤ毎
に、当該可動コンベヤを水平姿勢から荷送り出し
姿勢に傾動させた後、再び元の水平姿勢に復帰さ
せる姿勢切り替え手段を設け、前記各速度切換手
段を高速に切り換えたときにのみ回転する伝動軸
と各姿勢切り替え手段とを連動連結させて成る仕
分装置を提案するものである。

以下、本発明の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明すると、１は夫々可動コンベヤであつ
て、搬送方向２に対して上手側の端部を両側の固
定フレーム３ａ，３ｂ間に回転自在な支軸４を介
して上下揺動自在を支承されたコンベヤフレーム
５と、このコンベヤフレーム５の遊端部に軸支さ
れたローラー６と前記支軸４に固定されたローラ
ー７との間に掛張された無端コンベヤベルト８と
から成り、搬送経路９の一部となる水平姿勢Ａと
斜め前方下方に傾斜した荷送り出し姿勢Ｂとの間
で上下揺動自在である。

１０は一側方の固定フレーム３ａに搬送方向２
と平行に支承された揺動用転軸であり、図外の駆
動用モーターによつて矢印１１方向に駆動され
る。１２は前記駆動用回転軸１０との間にたすき
掛けされた伝動ベルト１３によつて駆動される受
動輪であつて、前記支軸４の固定フレーム３ａ側
端部に回転可能に支承され、当該支軸４との間に
介装された一方固定クラツチ１４を介して前記支
軸４を駆動する。１５は前記受動輪１２と一体に
回転する伝動輪であつて、クラツチ１６の受動軸
１６ａに固定の受動輪１７と伝動ベルト１８を介
して連動連結されている。１９は前記クラツチ１
６の伝動軸に接続された出力軸であつて、ブレー
キ装置２０を備えている。この出力軸１９には、
他方の固定フレーム３ｂ内に配置された増速用伝
動手段２１を介して前記支軸４の固定フレーム３
ｂ側端部に連動連結されている。前記増速用伝動
手段２１は、前記出力軸１９との間に介装された
一方向回転クラツチを内装する大径伝動輪２２、
前記支軸４に固定の小径受動輪２３、及び伝動輪
２２と受動輪２３との間に掛張された伝動ベルト
２４から構成されている。前記伝動輪２２が内装
する一方向回転クラツチは、出力軸１９側から当
該伝動輪２２への伝動のみを可能にし、伝動輪２
２側から、出力軸１９への伝動は不能とするもの
である。

２５は可動コンベヤ姿勢切り替え手段であつ
て、前記可動コンベヤフレーム５に軸支されたカ
ム従動ローラー２６を介して当該コンベヤフレー
ム５を支持する偏心回転カム２７と、このカム２
７と前記出力軸１９とを連動される伝動手段２８
とから構成され、この伝動手段２８は、前記出力
軸１９に固定の小径伝動輪２９、前記カム２７と
同軸の大径受動輪３０、及び伝動輪２９と受動輪
３０との間に掛張された伝動ベルト３１から構成
されている。

上記ように構成された仕分装置の使用方法を説
明すると、各可動コンベヤ１を偏心回転カム２７
によつて上昇限位置まで持ち上げた水平姿勢Ａと
した状態に於て、クラツチ１６をOFF状態（非
伝動状態）とし且つブレーキ装置２０により出力
軸１９をロツクし、かかる状態に於て駆動用回転
軸１０を矢印１１方向に回動させることにより、
その回転が伝動ベルト１３、受動輪１２、一方向
回転クラツチ１４、及び支軸４を介して各可動コ
ンベヤ１のローラー７に伝達されるため、各可動
コンベヤ１のコンベヤベルト８が搬送方向２に回
動する。従つて水平姿勢Ａにある各可動コンベヤ
１によつて形成される搬送経路９上に供給された
荷３２は、各可動コンベヤ１のコンベヤベルト８
によつて搬送方向２に搬送される。このとき、各
可動コンベヤ１のコンベヤベルト８上に２個以上
の荷３２が乗らないように荷３２の供給ピツチが
定められる。尚、増速伝動手段２１の伝動輪２２
の内装一方向回転クラツチの存在により、支軸４
回転が増速伝動手段２１を介して出力軸１９に逆
方向から伝達されることはない。

前記荷３２が所定の仕分先に対応する可動コン
ベヤ１の始端部上に到達すれば、当該可動コンベ
ヤ１に所属するクラツチ１６をON状態（伝動状
態）に切り替えると共に、ブレーキ装置２０を開
放状態に切り替えることにより、伝動輪１５、伝
動ベルト１８、及び受動輪１７を介してクラツチ
１６の受動軸１６ａに伝達されている回転が当該
クラツチ１６を介して出力軸１９に伝達され、こ
の出力軸１９に伝動手段２８を介して連動する偏
心回転カム２７が回転する。従つてこの偏心回転
カム２７によつて上昇限位置まで持ち上げられて
いた可動コンベヤ１が当該偏心回転カム２７の回
転につれて支軸４を中心に下方へ揺動し始める。
同時に出力軸１９の回転は増速伝動手段２１の伝
動輪２２に内装の一方向回転クラツチを介して当
該伝動輪２２に伝達されるため、出力輪１９の回
転は前記増速伝動手段２１によつて増速された状
態で支軸４に伝達され、この下降揺動する可動コ
ンベヤ１のコンベヤベルト８が増速状態に切る替
えられる。即ち、支軸４は受動輪１２の回転を一
方向回転クラツチ１４より受動する状態ではある
が、増速伝動手段２１により前記受動輪１２の回
転速度よりも高速で同方向に強制駆動されるた
め、一方向回転クラツチ１４の外側伝動輪側（受
動輪１２側が内側受動輪側（支軸４側）に対して
相対的に逆回転する空廻り状態となり、支軸４は
支障なく増速伝動手段２１側からの高速回転力を
受けて高速回転することになる。

上記作用により、下降揺動する可動コンベヤ１
上に乗り移つた荷３２は、水平姿勢Ａにある可動
コンベヤ１上で搬送されていたときよりも高速で
搬送され、荷送り出し姿勢Ｂになつた状態の当該
可動コンベヤ１の遊端部より送り出され、各可動
コンベヤ１毎に配置されたバケツト３３等の適当
な荷受取手段に受け取られる。偏心回転カム２７
の回転が180°を越えることにより、可動コンベヤ
１は上昇揺動に切り替わり、偏心回転カム２７が
一回転したとき当該可動コンベヤ１は元の水平姿
勢Ａに復帰する。このときクラツチ１６がOFF
状態（非伝動状態）に自動復帰すると共にブレー
キ装置２０がON状態（制動状態）に自動復帰す
るように制御することによつて、上昇限位置に戻
つた可動コンベヤ１が水平姿勢Ａに保持されると
同時に、当該可動コンベヤ１の搬送速度が再び通
常の搬送速度に減速復帰する。

尚、各可動コンベヤ１間に水平に位置固定され
た固定コンベヤを介装しても良い。

又、上記実施例では、前記各可動コンベヤ１毎
に設ける速度切換手段、即ち各可動コンベヤ１の
搬送速度を低速と高速とに切り換える速度切換手
段を、一方向回転クラツチ１４、伝動輪１５、伝
動ベルト１８、受動輪１７、クラツチ１６、ブレ
ーキ装置２０、出力軸１９、及び増速伝動手段２
１（一方向回転クラツチ内装の伝動輪２２、受動
輪２３、伝動ベルト２４）によつて構成し、前記
クラツチ１６の入りにより可動コンベヤ１が低速
状態から高速状態に切り換わり、前記クラツチ１
６の切りにより可動コンベヤ１が高速状態から低
速状態に切り換わるように構成したが、要する
に、前記各可動コンベヤ１を各別に低速と高速に
切り換えることの出来る手段であれば良く、上記
実施例の構成に限定されない。

以上のように本発明の仕分装置によれば、搬送
経路の一部となる水平姿勢と斜め前方下方に傾斜
した荷送り出し姿勢とに切り換え可能な各可動コ
ンベヤの搬送速度を低速と高速とに切り換える速
度切換手段を各可動コンベヤ毎に設けたので、仕
分けのために水平姿勢から荷送り出し姿勢に傾斜
させるべき特定の可動コンベヤのみ、その搬送速
度を前記速度切換手段により高速に切り換え、当
該可動コンベヤが元の水平姿勢に復帰した後は、
その搬送速度を前記速度切換手段により元の低速
に戻すことが出来る。

従つて、荷送り出し姿勢にある可動コンベヤで
搬送経路下に送り出される荷を、搬送経路上での
搬送速度よりも高速で搬出して、当該荷送り出し
姿勢にある可動コンベヤ上に荷が乗つている時間
を短かくすることが出来る。このため、当該可動
コンベヤを速やかに元の水平姿勢に復帰させ、仕
分け動作のために可動コンベヤが水平姿勢にない
時間を短かくすることが出来るので、搬送経路上
での荷の搬送ピツチを縮小し、単位時間当たりの
仕分け能力の増大を図ることが出来る。

しかも本発明によれば、各可動コンベヤ毎に、
当該可動コンベヤを水平姿勢から荷送り出し姿勢
に傾動させた後、再び元の水平姿勢に復帰させる
姿勢切り替え手段を設けると共に、前記各速度切
換手段を高速に切り換えたときにのみ回転する伝
動軸（実施例では、クラツチ１６の出力軸１９）
と各姿勢切り替え手段とを連動連結したので、仕
分動作させるべき特定の可動コンベヤの搬送速度
を前記速度切換手段により低速から高速に切り換
えたとき、自動的に当該特定可動コンベヤの姿勢
切り替え手段が作動して当該特定可動コンベヤが
水平姿勢から荷送り出し姿勢に切り換えられ後、
再び元の水平姿勢に復帰し、このように可動コン
ベヤが元の水平姿勢に復帰したとき、前記特定可
動コンベヤの搬送速度を前記速度切換手段により
高速から低速に切り換えると、自動的に当該特定
可動コンベヤの姿勢切り替え手段が停止し、当該
特定可動コンベヤが水平姿勢に保持される。

即ち、可動コンベヤを仕分けのために上下に揺
動させている間だけ、当該可動コンベヤを自動的
に高速運転させることが出来るにも拘わらず、速
度切換手段と姿勢切り替え手段とを各別に制御す
る必要がないので、制御系が簡単になり、しかも
誤動作の恐れもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は側面図、第２図は縦断正面図である。 １……可動コンベヤ、４……可動コンベヤ１の
揺動中心支軸、８……コンベヤベルト、１０……
駆動用回転軸、１２，１７，２３，３０……受動
輪、１３，１８，２４，３１……伝動ベルト、１
４……一方向回転クラツチ、１５，２９……伝動
輪、１６……クラツチ、１９……出力軸、２０…
…ブレーキ装置、２１……増速伝動手段、２２…
…一方向回転クラツチ内装の伝動輪、２５……可
動コンベヤ姿勢切り替え手段、２６……カム従動
ローラー、２７……偏心回転カム、３２……荷、
３３……バケツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 搬送経路の一部となる水平姿勢と斜め前方下
   方に傾斜した荷送り出し姿勢との間で上下揺動自
   在な可動コンベヤを搬送経路途中に複数配設して
   成る仕分装置に於いて、前記各可動コンベヤの搬
   送速度を低速と高速とに切り換える速度切換手段
   を各可動コンベヤ毎に設け、更に各可動コンベヤ
   毎に、当該可動コンベヤを水平姿勢から荷送り出
   し姿勢に傾動させた後、再び元の水平姿勢に復帰
   させる姿勢切り替え手段を設け、前記各速度切換
   手段を高速に切り換えたときにのみ回転する伝動
   軸と前記各姿勢切り替え手段とを連動連結して成
   る仕分装置。