JP4189063B2 - 穀物用貯溜槽の攪拌装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、角ビンと呼ばれる角型の穀物用貯溜槽内に貯蔵されている穀物を等しく上下方向に攪拌することができる攪拌具を持つ攪拌装置に係り、より詳細には、攪拌具を貯溜槽内で直交する2方向に同時に又は選択的に往復動させながら貯留穀物を攪拌するようにされたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
穀物、特に、米や麦は収穫後に所定の水分まで乾燥させた後貯留及び貯蔵することが食味等の品質を維持し劣化をおさえるために必要であり、そのために多くの処理施設が提案され利用され、また各種の穀物用貯留槽が用いられている。
それらのうち、比較的小容量の角型の穀物用貯溜槽は、従来、単に予備乾燥あるいは一次貯溜槽として用いられているに過ぎなかったが、最近、かかる比較的少容量の角型の穀物用貯溜槽で主乾燥等をも行い得るようにすべく、該貯溜槽に貯留穀物をむらなく均一に攪拌することができる攪拌装置を設置することが強く要望されてきた。
【0003】
このような要望に応えるべく、本願の出願人は、先に、例えば特許第2677946号公報等に所載のように、前記角型の穀物用貯溜槽に好適な攪拌装置を提案した。
この攪拌装置は、貯留穀物を上下方向に等しく攪拌できるオーガー(オーガースクリュー)と呼ばれる攪拌具を角型の穀物用貯溜槽内で直交する2方向に同時に又は選択的に往復動させるようにしたもので、基本的には、図6〜図11に例示される如くの構成となっており、これを以下に簡単に説明する。
【0004】
図示例の攪拌装置100は、角形の貯溜槽1における左右の側壁部4,5間を橋絡するように該両側壁部4,5に設置されたレール14,15上に走行可能な状態で乗架された第1の台車10と、この第1の台車10の本体部10Aに設けられた一対のレール18,19上に横移動可能な状態で搭載された第2の台車20と、この第2の台車20の両端付近に軸支された状態で前記貯溜槽1内に挿入されて回転せしめられる2本のオーガー23,24と、このオーガー23,24をそれぞれベルト・プーリー式動力伝達機構28,29を介して回転駆動するためのモーター21,22と、前記第1の台車10を前記貯溜槽1における前後の側壁部2,3間を横切る方向に往復動させる第1の走行駆動機構30と、前記第2の台車20を前記左右の側壁部4,5間を横切る方向に往復動させる第2の走行駆動機構40と、を具備している。
【0005】
そして、前記第1の台車10にあっては、左右両側端に一対の車輪10a、10aが設けられた左右で一対の車輪支持部10f、10fと本体部10Aの両端に設けられた門形支持部10dとを貫通するように後述するスプロケットホイール53、54の回転軸53a、54aがベアリングを介して挿通せしめられており、この第1の台車10の本体部10A全体が図7(図6のA矢視図)において鎖線で示される如くに前記回転軸53a、54aを枢軸として走行方向に沿って揺動し得るようにされている。
【0006】
また、前記第1の走行駆動機構30は、前記貯溜槽1の両側壁部4、5の前後方向両端部に配設された一対の巻掛回転部材としてのスプロケットホイール31A、31B及び31B、32Bと、これら一対のスプロケットホイールに巻き掛けられてそれらの間を循環回転移動する無端環状の伝動部材とされる走行用チェーン33、34を有する第1の巻掛伝動装置30A,30Bと、この第1の巻掛伝動装置30A,30Bのスプロケットホイール32Aを回転駆動するモーター36と、前記走行用チェーン34,35と前記第1の台車10とを連結する連結具としてのターンアーム45,46と、からなっている。
【0007】
前記第1のターンアーム45,46は、同一構成とされており、左側面(図6のA視図)を表す図7及び右側面(図6のB視図)を表す図8〜図10を参照すればよくわかるように、一端側寄りに長穴42が形成されてこの長穴42に第1の台車10に固定されたピン44が遊挿されるとともに、他端側が走行用チェーン33,34の特定ヶ所に相対回転可能にピン47で連結され、前記ピン44を支点にして旋回可能とされるとともに、該ピン44に案内されて長手方向に沿ってスライドできるようにされている。
【0008】
なお、前記走行用チェーン33,34は、その上半分(往路部分)がチェーンガイド73により支承案内されるとともに、第1の台車10の両側部に立設された支持壁部10dに回転可能に配されたアイドラー38,39と動力取出用のスプロケットホイール53及びアイドラー54にも掛け回されており、一定の張力が得られるようにされている。
【0009】
一方、第2の走行駆動機構40は、図11を参照すればよくわかるように、前記第1の台車10の支持壁部10dに配されて左側の走行用チェーン33に係合し、それとの相対速度差に応じて回転せしめられる動力取出用のスプロケットホイール53と、このスプロケットホイール53が固定された入力軸55及びこの入力軸55のトルクが伝達される出力軸56を有する、第1の台車10の左端部に設けられた台座部10c上に設置された減速用のギヤボックス57と、前記出力軸56に固定されたスプロケットホイール51及び第1の台車10に取り付けられたブラケット10eに回転可能に軸着されたスプロケットホイール52,59とそれらのスプロケットホイール51,52,59に巻き掛けられて穀物用貯溜槽1の左右方向に循環回転移動するようにされた無端環状の横移動用チェーン58とからなる第2の巻掛伝動装置40と、一端側が第2の台車20(の仕切りガイド板67)に相対回転可能に連結され、他端側が横移動用チェーン58の特定ヶ所に相対回転可能に連結された第2のターンアーム65と、からなっている。 なお、前記ギヤボックス57の出力軸56の位置、すなわちスプロケットホイール51の位置は第2の台車20の左端部近傍とされているが、もう一方のスプロケットホイール52はその中心軸線が第2の台車20の中央部、すなわち穀物用貯溜槽1を左右に2分割する縦断面上に位置するようにされている。
【0010】
また、第2の台車20における第2のターンアーム65と横移動用チェーン58との間には仕切りガイド板67が配設されており、この仕切りガイド板67には、第2のターンアーム65の中央部近傍に突設されたピン68が挿入された円弧状の長穴69が形成されおり、この長穴69は、第2のターンアーム65の第2の台車20側の連結部を支点とする上下方向の揺動を規制する役目を果たす。
【0011】
上述の如くの構成とされた本実施例の攪拌装置100においては、それをセットする際、例えば、第1の台車10を前側壁部2に最も近い位置に寄せるとともに、第2の台車20を第1の台車10の最も左端に寄せておき、第1のターンアーム45及び第2のターンアーム65のチェーン33,58側の軸着部をそれぞれ例えばスプロケットホイール32A,32B及び51における側端付近に位置させておく。このようにすると、第2の台車20に配されたオーガー23,24は、初期位置が図12において符号S,S'で示される如くに、前側壁部2の左コーナー部付近と貯溜槽1を左右に2分割する縦断面上に位置することになる。
【0012】
そして、準備が整ったら、走行用のモーター36及び攪拌用のモーター28,29を起動する。そうすると、第1の巻掛伝動装置30A,30Bが作動し、第1の台車10が第1のターンアーム45,46を介して走行用チェーン33,34に引っ張られて該チェーン33,34と同じ速度で前後の側壁部2,3間を横切る方向に走行(前進)するとともに、オーガー23,24が回転して貯蔵穀物の攪拌作業を行いつつ第1の台車10及び第2の台車20と共に移動する。
【0013】
このときには、第1のターンアーム45,46と走行用チェーン33,34との連結部がチェーン33,34の上半分(往路部分)の位置にあるので、動力取出用のスプロケットホイール53は、チェーン33,34の往路部分と下半分(復路部分)とが逆方向に移動している関係上、第1の台車10の前進速度にチェーン33,34の移動速度を加算した回転速度、すなわちチェーン33,34の移動速度の2倍の速さで回転せしめられる。
【0014】
動力取出用のスプロケットホイール53が回転すると、そのトルクがギヤボックス57を介して第2の巻掛伝動装置40に伝達され、図11に示される如くに、第2の台車20が第2のターンアーム65を介して横移動用チェーン58の上半分(往路部分)に押されて該チェーン58と同じ速度で左右の側壁部4,5間を横切る方向に走行(横移動)する。この場合、第2の台車20の横移動速度は、動力取出用のスプロケットホイール53の回転がギヤボックス57で大きく減速されるので、第1の台車10の走行速度よりかなり遅くされる。
このようにして、第1の台車10が走行用チェーン33,34の往路部分に位置せしめられたときには、第2の台車20に配されたオーガー23,24の軌跡は上から見ると左右の側壁部4,5に対して第1の台車10と第2の台車20との速度比に応じた傾斜角度をもつものとなる(図12参照)。
【0015】
そして、第1のターンアーム45,46と走行用チェーン33,34との連結部が図8及び図9(図1のB視図)の右側面図で代表して示される如くに、スプロケットホイール31A,31Bにおける側端付近まで来ると第1の台車10にチェーン33,34の引っ張り力が作用しなくなるので第1の台車10は停止する。この場合、第1の台車10は停止してもチェーン33,34は移動しているので、第1のターンアーム45,46は、該チェーン33,34に引っ張られて、図9において一点鎖線で示される如くに、長穴42がピン44に案内されて下向きスライドしつつピン44を支点にして旋回し、次いで上向きスライドしつつ旋回して、図9において実線で示される如くに、再び第1の台車10がチェーン33,34に第1のターンアーム45,46を介して引っ張られる状態となる。
【0016】
このように第1のターンアーム45,46のみがチェーン33,34に引っ張られて第1の台車10が停止している期間は、オーガー23,24は、後側壁部3近傍から離れることはない。従って、かかる第1の台車10の停留期間には、オーガー23,24により貯溜槽1の後側壁部3に位置する穀物がその停留時間に応じて上下方向に充分に攪拌されることになる。
【0017】
そして、第1のターンアーム45,46が図9において実線で示される位置まで旋回して、長穴42の底部がピン44に当たると、第1の台車10が第1のターンアーム45,46を介してチェーン33,34の下半分(復路部分)に引っ張られてその走行方向が反転し、前側壁部2方向に走行する。このときには、チェーン33,34の移動速度と第1の台車10の移動速度は同一であるので、動力取出用のスプロケットホイール53とチェーン33,34との相対速度差が0となり、動力取出用のスプロケットホイール53は回転しないので、第2の台車20は横移動せず、停止したままとなる。それにより、第2の台車20に配されたオーガー23,24の軌跡は上から見ると左右の側壁部4,5に対して平行な直線を描くことになる(図12参照)。
【0018】
続いて、第1の台車10が上述とは反対側のスプロケットホイール32A,32B近傍まで来ると、図10に示される如くに、第1の台車10に第1のターンアーム45,46を介してのチェーン33,34の引っ張り力が作用しなくなるので、前記した場合と同様に、第1の台車10は停止する。この場合も、第1の台車10は停止してもチェーン33,34は移動しているので、第1のターンアーム45,46は、該チェーン33,34に引っ張られて、図10において一点鎖線で示される如くに、長穴42がピン44に案内されて下向きスライドしつつピン44を支点にして旋回し、次いで上向きスライドしつつ旋回して、図10において実線で示される如くに、再び第1の台車10がチェーン33,34に第1のターンアーム45,46を介して引っ張られる状態となる。
【0019】
このように第1のターンアーム45,46のみがチェーン33,34に引っ張られて第1の台車10が停止いる期間は、動力取出用のスプロケットホイール53が回転せしめられるので、第2の台車20はわずかに横移動するが、オーガー23,24は、前側壁部2近傍からは離れることない。従って、かかる場合も台車10の停留期間には、オーガー23,24により前側壁部2の近傍に位置する穀物が上下方向に充分に攪拌されることになる。
【0020】
そして、第1の台車10及び第2の台車20は、引き続き上述と同様に走行移動するので、オーガー23,24は、図12に示される如くに左右方向にジクザク状の軌跡を描いて移動する。この場合、第2のターンアーム65と横移動用チェーン58との連結部が第1の台車10の中央部に配されたスプロケットホイール52の側端まで来ると、その連結部が横移動用チェーン58の下半分(復路部分)に位置することになるので、第2の台車20が第2のターンアーム65を介して押される状態から引っ張られる状態に変化し、第2の台車20の移動方向が反転する。この反転時には、オーガー23,24は、例えば図12おいて符号e,e'で示される如くに,貯溜槽1の中心と右側壁部5中央に近接した部位に位置し、以後は図の一点鎖線で示される如くに、それまでの軌跡(実線)に対して対称的な軌跡を描いて移動することになる。
【0021】
なお、本実施例においては、オーガー23,24は、図12に示される如くに、左右の側壁部4,5に対しては距離La,Lb(約20cm程度)まで近づけられ、前後の側壁部2,3に対しても距離Lc,Ld(約20cm程度)まで近づけられてそこで前記のように停留せしめられ、また、第1の台車10が前側壁部2と後側壁部3との間を横切る方向に走行する間に距離Le,Lf(30cm程度)だけ左右方向に移動せしめられる。なお、かかる軌跡は一例であってオーガー23,24の移動パターンは貯蔵穀物の乾燥状態等に応じて適宜変更できる。 このような構成を有する本実施例の攪拌装置100においては、第1の台車10を走行させる第1の走行駆動機構に備えられるモーター36の動力の一部が動力取出用のスプロケットホイール53を介して第2の台車20を横移動させる第2の走行駆動機構に伝達されるので、第1の台車10と第2の台車20を相互に直交する方向に走行させ得、動力源の共用化が図られる。従って、単一の動力源36で第2の台車20に設けられたオーガー23,24を貯溜槽1の前後方向に移動させながら左右方向にも移動させることができ、貯留槽1内の穀物を全域にわたって等しく上下方向に攪拌することが可能となる。
【0022】
また、第1の走行駆動機構が第1の台車10を前後の側壁部2,3近傍にて所定の期間停留させるようにされているので、オーガー23,24を近づけることが難しい貯溜槽1の内壁面の近傍に位置する穀物をも充分に攪拌することができる。
さらに、第1の台車を巻掛伝動装置30A,30Bと特定形態のターンアーム45,46とを用いて構成することにより、リミットスイッチ等の制御部品を使用することなく、第1の台車10を側壁部2,3近傍にて所定の期間停留させることができるとともに、2つの台車10,20の走行移動方向を反転することができるので、前記動力源の共用化を図れることと相まって全体が簡素で合理的な構成となり、装置コストの低減化が図られる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した如くの従来提案の攪拌装置100においては、次のような問題が生じるおそれがあった。
すなわち、前記装置100では、走行用チェーン33、34と第1の台車10とは、ターンアーム45、46で機械的に連結されており、ターンアーム45、46は、スプロケットホイール31A、32A、及び31B、32Bを通ってその向きが反転せしめられるとき(旋回時)、その下端が台車10の車輪10aより下方に突き出るように(図9参照)大きな旋回半径を伴う複雑な軌跡を描くので、該ターンアーム45、46が周辺の機器部材等に干渉しやすく、また、その動作の確実性、信頼性も低く、前記旋回時等には該ターンアーム45、46が円滑に旋回移動せず、甚だしくは全く動かなくなって、第1の台車の停止、脱輪、転落等の事故が発生し、攪拌作業が滞ってしまい、貯留穀物の乾燥が進行せず、その品質が著しく低下してしまうという問題を生じることもあった。
【0024】
さらに、走行用チェーンと第1の台車10とを連結するターンアームが存在することで、車輪やスプロケットホイール、アイドラー等の装置各部のレイアウトに大きな制約が課せられ、設計自由度が制限される。
以上は第1の台車を走行させるための第1の走行駆動機構についての問題であるが、第2の台車を横移動させるための第2の走行駆動機構においても、横移動用チェーン58と第2の台車20とはターンアーム65で機械的に連結されているので、略同様な問題が生じる。
【0025】
前記に加え、通常の穀物貯留施設では多数の貯溜槽が隣り合わせに連設されるが、それらに個々に設置される攪拌装置については、隣接するもの同士が干渉し合わないようになすことが要求される。しかしながら、前記した従来提案されている攪拌装置では、前後方向に並ぶ二つの貯留槽間に比較的大きなスペースを開けなければ、攪拌装置同志が干渉するおそれがあり、この点でも改善が望まれている。
【0026】
本発明は、上述した如くの問題に鑑みてなされたもので、その目的とすることろは、攪拌具が装備された第1の台車及び第2の台車を貯溜槽内で直交する2方向に同時に又は選択的に往復動させながら貯留穀物を攪拌するようにされたもとで、第1の台車及び第2の台車の走行移動をより円滑に行うことができるとともに、隣接する貯留槽に設置される攪拌装置相互間及び装置各部材間での干渉を効果的に回避でき、もって、装置の信頼性を向上させることができるとともに、装置コストや設置コストの低減化等も図ることができるようにされた穀物用貯溜槽の攪拌装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成すべく、本発明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置は、基本的には、角型の穀物用貯溜槽における左右の側壁部間を橋絡するように該両側壁部に走行可能な状態で乗架された第1の台車と、該第1の台車に横移動可能な状態で搭載された第2の台車と、この第2の台車に取り付けられて前記貯溜槽内に挿入される攪拌具と、この攪拌具を回転駆動するためのモーターと、前記第1の台車を前記貯溜槽における前後の側壁部間を横切る方向に往復動させる第1の走行駆動機構と、前記第2の台車を前記左右の側壁部間を横切る方向に往復動させる第2の走行駆動機構と、が備えられる。
【0028】
そして、前記第1の走行駆動機構は、前記貯溜槽の前後方向両端部に配設された一対のスプロケットホイール等の巻掛回転部材と、これら一対の巻掛回転部材間に巻き掛けられた無端環状のチェーン等の第1の伝動部材と、前記巻掛回転部材を回転駆動するモーターと、前記第1の伝動部材に突設されてそれと共に循環回転移動せしめられるローラー等のプッシュ部材と、からなり、また、前記第1の台車の側部に設けられた押送板の上下2箇所に、前記プッシュ部材が前記一対の巻掛回転部材間を直線移動しているときはそれに押動され、前記プッシュ部材が前記巻掛回転部材を通ってその進行方向が反転されるときはそれから離間するように、前後方向に所定距離だけずらした状態で、それぞれ上側係合フック及び下側係合フックが設けられていることを特徴としている。
本発明装置の好ましい態様では、前記第1の走行駆動機構における台車走行用の動力の一部が前記第2の走行駆動機構に伝達されて前記第2の台車の横移動用の動力として用いられるようにされる。
【0029】
また、より好ましい態様では、前記第2の走行駆動機構は、前記第1の伝動部材に係合し、それとの相対速度差に応じて回転せしめられる動力取出用回転部材と、前記第1の台車の両側部付近に配設されて前記動力取出用回転部材により変速機等を介して回転駆動される一対のスプロケットホイール等の巻掛回転部材と、これら一対の巻掛回転部材間に巻き掛けられた無端環状のチェーン等の第2の伝動部材と、この第2の伝動部材に突設されてそれと共に循環回転移動するローラー等のプッシュ部材と、からなり、前記第2の台車の押送板の上下2箇所に、前記プッシュ部材が前記一対の巻掛回転部材間を直線移動しているときはそれに押動され、前記プッシュ部材が前記巻掛回転部材を通ってその進行方向が反転されるときはそれから離間するように、前後方向に所定距離だけずらした状態で、それぞれ上側係合フック及び下側係合フックが設けられる。
【0030】
上述の如くの構成とされた本発明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置の好ましい態様においては、第1の走行駆動機構に備えられるモーターにより巻掛回転部材が回転駆動せしめられると、一対の巻掛回転部材間に巻き掛けられている第1の伝動部材が一方向に循環回転移動し、該伝動部材に設けられているプッシュ部材もそれと一緒に循環回転移動する。
【0031】
ここで、仮に、第2の走行駆動機構に備えられている動力取出用回転部材が前記第1の伝動部材の上側部分(例えば往路部分)に係合せしめられてそれとの相対速度差に応じて回転せしめられるようにされ、かつ、前記プッシュ部材も前記第1の伝動部材の上側部分に位置して直線移動しているときは、該プッシュ部材が第1の台車の押送板に設けられている上側係合フックに衝接してこれを押動するので、第1の台車は伝動部材及びプッシュ部材と同速度で貯留槽の前後方向(正方向)に走行する。
【0032】
このとき、第2の台車に設けられている攪拌具も回転せしめられて攪拌作業を行いつつ第1の台車及び第2の台車と共に移動するが、前記動力取出用回転部材は、前記第1の台車、伝動部材及びプッシュ部材と同速度(速度差が0)で移動するので、回転せず停止したままであり、第2の台車は第1の台車に対して停止している。
【0033】
そして、前記プッシュ部材が前記巻掛回転部材を通ってその進行方向が反転されるとき(旋回時)、すなわち、第1の台車が貯留槽の前後の側壁部付近まで移動せしめられたときは、前記プッシュ部材が前記上側係合フック(及び第1の台車)を最端位置に押動した後、下方にすり抜けるようにしてそれから離間する。これにより、第1の台車は停止するが、第1の伝動部材は動いているので、前記動力取出用回転部材は、前記第1伝動部材との速度差に応じて回転せしめられる。
【0034】
続いて、前記プッシュ部材の進行方向が反転されて、該プッシュ部材が前記第1の伝動部材の下側部分(例えば復路部分)で直線移動するときは、該プッシュ部材が第1の台車の押送板に設けられている下側係合フックに衝接してこれを押動するので、第1の台車は伝動部材及びプッシュ部材と同速度で貯留槽の前後方向(逆方向)に走行する。
この場合、第1の台車は、プッシュ部材が上側係合フックから離間して下側係合フック に衝接するまでの期間、言い換えれば、前記上側係合フックと下側係合フックとの前後方向の離隔距離に応じて、前側壁部又は後側壁部近傍にて停止せしめられていることになる。
【0035】
第1の台車が前記とは逆方向に走行するときは、動力取出用回転部材は、第1の伝動部材の上側部分と下側部分とが逆方向に移動している関係上、第1の台車の走行速度に第1の伝動部材の移動速度を加算した回転速度、すなわち、第1の台車及び第1の伝動部材の移動速度の2倍の速さ(倍速)で回転せしめられる。動力取出用回転部材が回転すると、そのトルクが変速機等を介して第2の巻掛回転部材に伝達されて該巻掛回転部材が回転駆動せしめられ、それに伴い、前記第1の走行駆動機構と同様に、第2の走行駆動機構においても、一対の巻掛回転部材間に巻き掛けられている第2の伝動部材が一方向に循環回転移動し、該伝動部材に設けられているプッシュ部材もそれと一緒に循環回転移動する。この場合、前記プッシュ部材が前記第2の伝動部材の上側部分に位置して直線移動しているときは、第2の台車の押送板に設けられている上側係合フックに衝接してこれを押動するので、第2の台車は伝動部材及びプッシュ部材と同速度で貯留槽の左右方向(正方向)に走行し、前記プッシュ部材が前記巻掛回転部材を通ってその進行方向が反転されるとき(旋回時)は、該プッシュ部材が前記上側係合フックを最側端位置に押動した後、下方にすり抜けるようにしてそれから離間し、続いて、前記プッシュ部材の進行方向が反転されて、該プッシュ部材が前記第2の伝動部材の下側部分で直線移動するときは、該プッシュ部材が第2の台車の押送板に設けられている下側係合フックに衝接してこれを押動するので、第2の台車は伝動部材及びプッシュ部材と同速度で貯留槽の左右方向(逆方向)に走行する。
【0036】
そして、第1の台車が反対側の側壁部付近まで走行せしめられたときも前記と同様にして、第1の台車が一旦停止せしめられた後、その走行方向が反転せしめられ、第2の台車についても同様である。
前記のように、第1の台車が前後の側壁部近傍で停止している期間は、攪拌具は、その側壁部近傍から離れることはない。従って、かかる第1の台車の停留期間には、一般に攪拌不良、乾燥遅れの生じやすい貯溜槽の前後の側壁部近傍に位置する穀物が攪拌具によりその停留時間に応じて上下方向に充分に攪拌されることになる。
【0037】
このような構成を有する本発明の攪拌装置においては、従来装置のように第1の伝動部材と第1の台車とをターンアーム等で機械的に連結せず、第1の台車側に設けた上側係合フック及び下側係合フックを第1の伝動部材に設けたプッシュ部材で押動することによって第1の台車を走行させるようにしているので、走行方向反転時等においても、上側係合フック、下側係合フック、プッシュ部材等が周辺の機器部材等に干渉することはなく、第1の台車の走行をより円滑に行うことができ、また、各部のレイアウト上の制約が軽減されて設計自由度が高められ、しかも、前後の側壁部近傍において第1の台車を所要の期間だけ停留させることができるとともに、その動作の確実性、信頼性を高めることができ、第1の台車の不整走行、脱輪、転落等の事故を生じ難くできる。
【0038】
さらに、第2の台車を横移動させるための第2の走行駆動機構においても、第2の伝動部材と第2の台車とをターンアーム等で機械的に連結せず、第2の台車側に設けた上側係合フック及び下側係合フックを第2の伝動部材に設けたプッシュ部材で押動することによって第2の台車を走行させるようになすことにより、第1の台車を走行させる第1の走行駆動機構側と略同様な作用効果が得られる。前記に加え、本発明の攪拌装置は、前後方向に並ぶ二つの貯留槽間に比較的大きなスペースを開けなくても、攪拌装置同志の干渉を避けることができ、装置の信頼性を向上させることができるとともに、装置コストや設置コストの低減化等も図ることができる。
【0039】
また、第1の台車を走行させる第1の走行駆動機構に備えられるモーターの動力の一部を動力取出用回転部材を介して第2の台車を横移動させる第2の走行駆動機構で使用することで、動力源の共用化が図られ、装置コストを低減できる。さらに、リミットスイッチ等の制御部品を使用することなく、第1の台車を前後の側壁部近傍にて所定の期間停留させることができるとともに、第1の台車及び第2の台車の走行移動方向を反転することができるので、前記動力源の共用化を図れることと相まって全体が簡素で合理的な構成となり、装置コストの低減化を一層促進できる。
【0040】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1〜図5は、本発明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置の一実施形態を示しており、これら図において前述した図6〜図11の攪拌装置100の各部に対応する部分及び同一機能を有する部分には同一の符号を付している。
図1は本発明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置の一実施形態を、仕切壁部6で仕切られた前後に隣接する二つの貯留槽1A、1Bにそれぞれ設置した状態を示している。
【0041】
前記貯留槽1A、1Bに設置された本実施形態の攪拌装置200、200は、同一構成ではあるが、その設置態様が相互に前後及び左右に反転している。
以下、主として貯留槽1Aに設置された攪拌装置200を説明する。なお、貯留槽1Aに設置された攪拌装置200は、貯留槽1Bに設置されたものから台車カバー等のカバー類101、102等を取り去った状態で示されている。
図示実施形態の攪拌装置200は、一対の車輪10aが両端に取り付けられた狭幅枠形の第1の台車10を有している。この第1の台車10は、貯溜槽1Aの左右の側壁部4、5間を橋絡するように、側壁部2、4、5、6(仕切壁部)上に設置された枠状のレール付きフレーム12における左右一対のレール部14、15に走行可能な状態で乗架されている。この第1の台車10においては、図1に加えて図2の概略構成図を参照すればよくわかるように、左右両側端に一対の車輪10a、10aが取り付けられた押送板10s、10sが設けられ、これらのうちの左側の押送板10sには、動力取出用回転部材としてのスプロケットホイール53が回転自在に配設されている。
【0042】
第1の台車10には、それに設けられたレール部18に、トロリーの形態をとる第2の台車20の車輪20a、20aが乗せられている。該第2の台車20の両端部には、貯留槽1B内の穀物を上下方向に攪拌するための攪拌具としての2本のオーガー23、24が配されている。このオーガー23、24は自然状態では穀物用貯溜槽1内に鉛直に垂下された状態で該第2の台車20に搭載された攪拌用のモーター21、22によりベルト・プーリ式動力伝達機構28、29を介して回転駆動されるようになっている。
【0043】
そして、本実施例においては、第1の台車10を穀物用貯溜槽1における前後の側壁部2、6(仕切壁部)間を横切る方向に往復動させる第1の走行駆動機構30と、第2の台車20を前記左右の側壁部4、5間を横切る方向に往復動させる第2の走行駆動機構40と、が備えられている。
第1の走行駆動機構30は、フレーム12における、穀物用貯溜槽1の左側壁部4両端上隅部上に配された一対のスプロケットホイール31A、32A及びそれに巻き掛けられて前後方向に循環回転移動するようにされた無端環状の走行用チェーン33とからなる左側巻掛伝導装置30Aと、この巻掛伝導装置30Aのスプロケットホイール31Aをチェーン式動力伝達機構49を介して駆動するギアードモーター36と、フレーム12における、穀物用貯溜槽1の右側壁部4両端上隅部上に配された一対のスプロケットホイール31B、32B及びそれに巻き架けられて前後方向に循環回転移動するようにされた無端環状の走行用チェーン34とからなる右側巻掛伝導装置30Bと、左右のスプロケットホイール32A−32Bを連結するドライブシャフト48と、を有する。
【0044】
そして、前記走行用チェーン33、34の特定箇所には、図3を参照すればよくわかるように、チェーン要素を繋ぐピンを支軸76としてその両側にプッシュ部材としてのプッシュローラ75がチェーン33、34の幅方向に突出して配設されている。
また、前記第1の台車10の両側端に位置する矩形の押送板10sの対角線上に位置する上下2箇所に、前記走行用チェーン33、34は通すが前記プッシュローラ75は通さない切欠開口部73が形成されたh状の上側係合フック71及び下側係合フック72が設けられている。
【0045】
この上側係合フック71及び下側係合フック72は、プッシュローラ75が前記一対のスプロケットホイール31A、32A及び31B、32B間を直線移動しているときはそれに押動され、プッシュローラ75がが前記スプロケットホイール31A、32A及び31B、32Bを通ってその進行方向が反転されるときはそれから離間するように、前後方向に所定距離だけずらした状態で配設されている。また、前記上側係合フック71及び下側係合フック72は、前記走行用チェーン33、34が幅方向に振れるの防ぐガイドの役目も果たす。
【0046】
一方、第2の走行駆動機構40は、図1、図2を参照すればよくわかるように、第1の台車10の左端側において前記押送板10sを貫通するように配されて左側の走行用チェーン33に噛合し、それとの相対速度差に応じて回転せしめられるようにされた動力取出用のスプロケットホイール53と、このスプロケットホイール53の軸53aが継手を介して連結された入力軸55及びこの入力軸55のトルクが伝達される出力軸56を有する第1の台車10の本体部10A上に設けられた減速用の変速機57と、前記出力軸56に固定されたスプロケットホイール51及び第1の台車10に取り付けられたブラケット(図示省略)に回転可能に軸着されたスプロケットホイール52とそれらのスプロケットホイール51、52に巻き掛けられて貯溜槽1Aの左右方向に循環回転移動するようにされた無端環状の横移動用チェーン58とからなる第2の巻掛伝導装置40Aと、を有し、前記横移動用チェーン58には、前記走行用チェーン33、34に設けられているものと同様なプッシュローラ85が設けられ、第2の台車20の押送板80には、前記第1の台車10に設けられているものと略同様な構成の上側係合フック81及び下側係合フック82が設けられている。
【0047】
上述の如くの構成とされた本実施形態の攪拌装置200においては、第1の走行駆動機構に備えられるモーターによりスプロケットホイール32Aが回転駆動せしめられると、一対のスプロケットホイール31A、32A及び31B、32B間に巻き掛けられている走行用チェーン33、34が一方向に循環回転移動し、該走行用チェーン33、34に設けられているプッシュ部材75もそれと一緒に循環回転移動する。
【0048】
ここでは、図4(A)に示される如くに、第2の走行駆動機構40に備えられている動力取出用スプロケットホイール53が前記走行用チェーン33の上側部分に噛合せしめられ、前記プッシュ部材75が前記走行用チェーン33(34)の上側部分に位置して直線移動しているときは、該プッシュ部材75が第1の台車10の押送板10sに設けられている上側係合フック71に衝接してこれを押動するので、第1の台車10は走行用チェーン33(34)及びプッシュ部材75と同速度で貯留槽1Aの前後方向(正方向)に走行する。
【0049】
このとき、第2の台車20に設けられているオーガー23、24もモーター21、22により回転せしめられて攪拌作業を行いつつ第1の台車10及び第2の台車10と共に移動するが、前記動力取出用スプロケットホイール53は、前記第1の台車10、走行用チェーン33、34及びプッシュ部材75と同速度(速度差が0)で移動するので、回転せず停止したままであり、第2の台車20は第1の台車10に対して停止している。
【0050】
そして、図4(B)に示される如くに、前記プッシュ部材75が前記スプロケットホイール31A(31B)を通ってその進行方向が反転されるとき(旋回時)、すなわち、第1の台車10が貯留槽1Aの前後の側壁部(仕切壁部6)付近まで移動せしめられたときは、前記プッシュ部材75が前記上側係合フック71(及び第1の台車10)を最端位置に押動した後、下方にすり抜けるようにしてそれから離間する。これにより、第1の台車10停止するが、走行用チェーン33(34)は動いているので、前記動力取出用スプロケットホイール53は、前記走行用チェーン33(34)との速度差に応じて回転せしめられる。
【0051】
続いて、図4(C)に示される如くに、前記プッシュ部材75の進行方向が反転されて、該プッシュ部材75が前記走行用チェーン33(34)の下側部分(復路部分)で直線移動するときは、該プッシュ部材75が第1の台車10の押送板10sに設けられている下側係合フック72に衝接してこれを押動するので、第1の台車10は走行用チェーン33(34)及びプッシュ部材75と同速度で貯留槽1Aの前後方向(逆方向)に走行する。
【0052】
この場合、第1の台車10は、プッシュ部材75が上側係合フック71から離間して下側係合フック72に衝接するまでの期間、言い換えれば、前記上側係合フック71と下側係合フック72との前後方向の離隔距離に応じて、側壁部(仕切壁部6)近傍にて停止せしめられていることになる。
第1の台車10が図4(C)に示される如くに前記とは逆方向に走行するときは、動力取出用スプロケットホイール53は、走行用チェーン33の上側部分と下側部分とが逆方向に移動している関係上、第1の台車10の走行速度に走行用チェーン33の移動速度を加算した回転速度、すなわち、第1の台車10及び走行用チェーン33の移動速度の2倍の速さ(倍速)で回転せしめられる。
【0053】
その後、図4(D)に示される如くに、前記プッシュ部材75が前記スプロケットホイール32A(32B)を通ってその進行方向が反転されるとき(旋回時)、すなわち、第1の台車10が貯留槽1Aの前側壁部2付近まで移動せしめられたときは、前記プッシュ部材75が前記下側係合フック72(及び第1の台車10)を最端位置に押動した後、上方にすり抜けるようにしてそれから離間する。これにより、第1の台車10は停止するが、走行用チェーン33(34)は動いているので、前記動力取出用スプロケットホイール53は、前記走行用チェーン33(34)との速度差に応じて回転せしめられ、その後は、前記プッシュ部材75の進行方向が反転されて、前記した図4(A)に示される如くの動作状態に戻り、以後、図4(A)〜図4(D)に示される動作を繰り返す。
【0054】
一方、図4(C)に示される如くに動力取出用スプロケットホイール53が回転すると、そのトルクが変速機57を介して第2のスプロケットホイール51に伝達されて該スプロケットホイール51が回転駆動せしめられ、それに伴い、前記第1の走行駆動機構20と同様に、第2の走行駆動機構40においても、一対のスプロケットホイール51、52間に巻き掛けられている横移動用チェーン58が一方向に循環回転移動し、該横移動用チェーン58に設けられているプッシュローラ85もそれと一緒に循環回転移動する。
【0055】
この場合、前記プッシュローラ85が前記横移動用チェーン58の上側部分に位置して直線移動しているときは、第2の台車20の押送板80に設けられている上側係合フック81に衝接してこれを押動するので、第2の台車20は横移動用チェーン58及びプッシュローラ85と同速度で貯留槽1Aの左右方向(正方向)に走行し、前記プッシュローラ85が前記スプロケットホイール51、52を通ってその進行方向が反転されるとき(旋回時)は、該プッシュローラ85が前記上側係合フック81を最側端位置に押動した後、下方にすり抜けるようにしてそれから離間し、続いて、前記プッシュローラ85の進行方向が反転されて、該プッシュローラ85が横移動用チェーン58の下側部分で直線移動するときは、該プッシュローラ85が第2の台車20の押送板80に設けられている下側係合フックに衝接してこれを押動するので、第2の台車10は横移動用チェーン58及びプッシュローラ85と同速度で貯留槽の左右方向(逆方向)に走行する。そして、第2の台車が反対側の側壁部付近まで走行せしめられたときも前記第1の台車10とと同様にして、第2の台車20が一旦停止せしめられた後、その走行方向が反転せしめられる。
【0056】
前記のように、第1の台車10が前後の側壁部2、6(仕切壁部)近傍で停止している期間は、オーガー23、24は、その側壁部2、6(仕切壁部)近傍から離れることはない。従って、かかる第1の台車10の停留期間には、一般に攪拌不良、乾燥遅れの生じやすい貯溜槽1Bの前後の側壁部2、6(仕切壁部)近傍に位置する穀物が攪拌具によりその停留時間に応じて上下方向に充分に攪拌されることになる。
また、オーガー23、24の移動パターンは、前述した従来提案の装置と略同様に、図12に示される如くのものとなる。
【0057】
このような構成を有する本発明の攪拌装置においては、従来装置のように走行用チェーン33、34と第1の台車10とをターンアーム等で機械的に連結せず、第1の台車10側に設けた上側係合フック71及び下側係合フック72を走行用チェーン33、34に設けたプッシュローラ75で押動することによって第1の台車10を走行させるようにしているので、走行方向反転時等においても、上側係合フック71、下側係合フック72、プッシュローラ75等が周辺の機器部材等に干渉することはなく、第1の台車10の走行をより円滑に行うことができ、また、各部のレイアウト上の制約が軽減されて設計自由度が高められ、しかも、前後の側壁部2、6(仕切壁部)近傍において第1の台車10を所要の期間だけ停留させることができるとともに、その動作の確実性、信頼性を高めることができ、第1の台車10の不整走行、脱輪、転落等の事故を生じ難くできる。
【0058】
さらに、第2の台車20を横移動させるための第2の走行駆動機構40においても、横移動用チェーン58と第2の台車20とをターンアーム等で機械的に連結せず、第2の台車側20に設けた上側係合フック81及び下側係合フック82を横移動用チェーン58に設けたプッシュローラ85で押動することによって第2の台車20を走行させるようにしたことにより、第1の台車10を走行させる第1の走行駆動機構側30と略同様な作用効果が得られる。
前記に加え、本実施形態の攪拌装置200は、図5に示される如くに、前後方向に並ぶ二つの貯留槽1A、1B間にスペースを開けなくても、攪拌装置200同志の干渉を避けることができ、装置の信頼性を向上させることができるとともに、装置コストや設置コストの低減化等も図ることができる。
【0059】
また、第1の台車10を走行させる第1の走行駆動機構30に備えられるモーター36の動力の一部を動力取出用スプロケットホイール53を介して第2の台車20を横移動させる第2の走行駆動機構40で使用することで、動力源の共用化が図られ、装置コストを低減できる。
さらに、リミットスイッチ等の制御部品を使用することなく、第1の台車10を前後の側壁部2、6(仕切壁部)近傍にて所定の期間停留させることができるとともに、第1の台車10及び第2の台車20の走行移動方向を反転することができるので、前記動力源の共用化を図れることと相まって全体が簡素で合理的な構成となり、装置コストの低減化を一層促進できる。
【0060】
なお、上記実施形態では、第1の台車10の走行安定性を向上させるべく、図1に示される如くに、スプロケットホイール53が備えられた左側の押送板10sに、腕時計の金属バンドの如き多数の角型駒をチェーン状に連結してなるランナーフレックス83の一端が連結され、このランナーフレックス83の他端が支持ガイド板84における貯留槽1Aの前後方向中央部に連結されており、このランナーフレックス83は、第1の台車10の走行に合わせてその先端が引き廻されるようになっている。
【0061】
また、図2に示される如くに、貯留槽1Aの左端側には、第1の台車10が前後方向最端位置まで来たか否かを検出するための、定位置停止用リミットスイッチ111、112が配設され、また、第2の台車20の中央部には、横傾斜検出器115が配設され、さらに、第1の台車10の右端側には走行ズレ検知用リミットスイッチ114等が配設されており、それらの検出手段から得られる信号に基づいて、第1の台車10、第2の台車20等に故障、不整走行、脱輪、転落、等の不具合が生じた場合には、直ちにそれを検知して、修復処置等をとり得るようにされている。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置は、攪拌具が装備された第1の台車及び第2の台車を貯溜槽内で直交する2方向に同時に又は選択的に往復動させながら貯留穀物を攪拌するようにされたもとで、第1の台車及び第2の台車の走行移動をより円滑に行うことができるとともに、隣接する貯留槽に設置される攪拌装置相互間及び装置各部材間での干渉を効果的に回避でき、装置の信頼性を向上させることができるとともに、装置コストや設置コストの低減化等も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置の一実施形態の斜視図。
【図2】図1に示される攪拌装置の概略構成図。
【図3】図1に示される攪拌装置の要部を拡大して示す斜視図。
【図4】図1に示される攪拌装置の動作説明に供される図。
【図5】図1のA矢視図。
【図6】従来の穀物用貯溜槽の攪拌装置の一例の斜視図。
【図7】図6に示される例の左側面図(図1のA矢視図)。
【図8】図6に示される例の動作説明に供される部分右側面図(図1のB矢視図)。
【図9】図6に示される例の動作説明に供される部分右側面図(図1のB矢視図)。
【図10】図6に示される例の動作説明に供される部分右側面図(図1のB矢視図)。
【図11】図6に示される例の要部の構成及び動作説明に供される正面図。
【図12】図6に示される例のオーガーの移動パターンの一例を示す図。
【符号の説明】
1A、1B−穀物用貯溜槽
2,6−前後の側壁部(仕切壁部)
4,5−左右の側壁部
10−第1の台車
10s−押送板
20−第2の台車
21−攪拌用のモーター
23−オーガー
30−第1の走行駆動機構
33、34−走行用チェーン
40−第2の走行駆動機構
53−動力取出用スプロケットホイール
57−変速機
58−横移動用チェーン
71−上側係合フック
72−下側係合フック
75−プッシュローラ
80−押送板
81−上側係合フック
82−下側係合フック
85−プッシュローラ
200−攪拌装置

Claims (3)

  1. 角型の穀物用貯溜槽における左右の側壁部間を橋絡するように該両側壁部に走行可能な状態で乗架された第1の台車と、該第1の台車に横移動可能な状態で搭載された第2の台車と、この第2の台車に取り付けられて前記貯溜槽内に挿入される攪拌具と、この攪拌具を回転駆動するためのモーターと、前記第1の台車を前記貯溜槽における前後の側壁部間を横切る方向に往復動させる第1の走行駆動機構と、前記第2の台車を前記左右の側壁部間を横切る方向に往復動させる第2の走行駆動機構と、が備えられ、
    前記第1の走行駆動機構は、前記貯溜槽の前後方向両端部に配設された一対のスプロケットホイール等の巻掛回転部材と、これら一対の巻掛回転部材間に巻き掛けられた無端環状のチェーン等の第1の伝動部材と、前記巻掛回転部材を回転駆動するモーターと、前記第1の伝動部材に突設されてそれと共に循環回転移動するローラー等のプッシュ部材と、からなり、
    前記第1の台車の側部に設けられた押送板の上下2箇所に、前記プッシュ部材が前記一対の巻掛回転部材間を直線移動しているときはそれに押動され、前記プッシュ部材が前記巻掛回転部材を通ってその進行方向が反転されるときはそれから離間するように、前後方向に所定距離だけずらした状態で、それぞれ上側係合フック及び下側係合フックが設けられていることを特徴とする穀物用貯溜槽の攪拌装置。
  2. 前記第1の走行駆動機構における台車走行用の動力の一部が前記第2の走行駆動機構に伝達されて前記第2の台車の横移動用の動力として用いられるようにされていることを特徴とする請求項1に記載の穀物用貯溜槽の攪拌装置。
  3. 前記第2の走行駆動機構は、前記第1の伝動部材に係合し、それとの相対速度差に応じて回転せしめられる動力取出用回転部材と、前記第1の台車の両側部付近に配設されて前記動力取出用回転部材により変速機等を介して回転駆動される一対のスプロケットホイール等の巻掛回転部材と、これら一対の巻掛回転部材間に巻き掛けられた無端環状のチェーン等の第2の伝動部材と、この第2の伝動部材に突設されてそれと共に循環回転移動するローラー等のプッシュ部材と、からなり、
    前記第2の台車の押送板の上下2箇所に、前記プッシュ部材が前記一対の巻掛回転部材間を直線移動しているときはそれに押動され、前記プッシュ部材が前記巻掛回転部材を通ってその進行方向が反転されるときはそれから離間するように、前後方向に所定距離だけずらした状態で、それぞれ上側係合フック及び下側係合フックが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の穀物用貯溜槽の攪拌装置。
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