JPH0750482Y2 - 軽量気泡コンクリート用アンカ及び軽量気泡コンクリート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、軽量気泡コンクリート用アンカ及びそれを取
付てなる軽量気泡コンクリートに関する。

（従来の技術） 軽量気泡コンクリート用アンカとしては軽量気泡コンク
リートに埋設した補強用鋼材にアンカの先端部を固定す
るタイプと軽量気泡コンクリート自体に先端部を食込ま
せ固定するタイプとがある。後者のタイプのものは先端
近傍が大きく屈曲し軽量気泡コンクリートに大きく食込
むようにし、軽量気泡コンクリートとアンカとの固定強
度を発揮させるようになっている。

しかしながら、従来のものはアンカの先端近傍が屈曲す
る際大きい軌跡を形成するので、部位の軽量気泡コンク
リートが破壊され、その結果軽量気泡コンクリートとア
ンカとの固定強度が低下するという課題があった。

（考案の解決すべき課題） 本考案は従来技術が有していた上記課題を解消し、アン
カの先端近傍が屈曲する際に形成する軌跡を小さくし屈
曲の際に生ずる軽量気泡コンクリートの破壊を極めて少
量にしてアンカと軽量気泡コンクリートの固定が強固に
行なえる軽量気泡コンクリート用アンカ及びそれを使用
した軽量気泡コンクリートの提供を目的とする。

（課題を解決する手段） 本考案は雄ネジと、該雄ネジの先端近傍に設けられ放射
状に突出する複数個の突起部と、該雄ネジに挿入され軸
方向に設けた複数のスリットを有するスリーブと、該雄
ネジに螺合するナットとからなり、ナットを締付ること
によりスリーブの先端が突起部に当接し外側に屈曲し軽
量気泡コンクリートに食込むようにしてなるアンカーで
あって、該スリーブの肉厚を先端近傍においてより薄く
構成し又は該スリーブの外周面に周方向の溝部を軸方向
に複数個設けかつ先端寄の溝部の深さを他の溝部より深
く構成し、かつ、スリーブの先端が当接する突起部の部
位はスリーブと反対方向に窪む円弧形状をしていること
を特徴とする軽量気泡コンクリートアンカ及びそれを取
付てなる軽量気泡コンクリートを提供するものである。

以下図面に基づいて説明する。第１図は本考案によるア
ンカの分解斜視図、第２図は本考案によるアンカーを取
付た軽量気泡コンクリートの断面図、第３図はスリーブ
の一部拡大断面図である。図において１は雄ネジ、７は
スリーブ、３はナットである。

雄ネジ１は長さ方向の中央部で外径を相異しそれぞれネ
ジが切られている。この雄ネジの外径の大きい部位２に
はナット３が螺合し、外径の小さい部位４には突起部５
を有する先端部材６が螺合するようになっている。この
突起部は、後に説明するスリーブの先端が当接する部位
が、スリーブと反対方向に窪む円弧形状をしている。７
はスリーブで中空円筒状でその内径は雄ネジの部位２の
外径よりわずかに大きく構成されそこに挿入されるよう
になっている。このスリーブには軸方向に複数個のスリ
ット８が設けられると共に外周面には、周方向の溝部9,
10が軸方向に複数個設けられている。この溝部９即ちセ
ットした状態で先端部材６寄に位置するものが第３図の
ように反対側に位置する溝部10より深くなっている。こ
の溝部9,10深さはスリーブの材質及び肉厚並びに溝部の
間隔等により異り例えばステンレス鋼で肉厚１〜2mmの
スリーブの場合溝部の間隔５〜15mmのとき、溝部９の深
さは0.3〜1.0mm、溝部10の深さは0.2〜0.6mmが好まし
い。溝部は第４図の如く溝部11,12,13と軸方向に３個以
上設けてもよい。この場合溝部11は溝部12より深く形成
し溝部12は溝部13より深く形成することが好ましい。

溝部を複数個設ける代りに第５図の如く溝部14を設け、
スリーブの先端近傍の肉厚を薄くしてもよい。この場
合、先端近傍の肉厚は、溝部14の肉厚より薄くすること
が好ましい。

スリーブの長さは短か過ぎると軽量気泡コンクリートへ
の食込が不足し、軽量気泡コンクリートとの固定強度が
低下し、長過ぎると取扱性が低下するのでいずれも好ま
しくない。スリーブの長さは20〜60mmの範囲が好まし
い。スリーブの材質としては鋼性、耐食性に優れるもの
であれば特に限定されず、ステンレス鋼、普通鋼、アル
ミニウム、メッキ鋼板、等が例示される。

15はワッシャである。

かゝるアンカは雄ネジの部位４に先端部材６が螺合さ
れ、雄ネジの部位２にスリーブ7,15が挿入され、更に部
位２にナット３が螺合され、スリーブの先端が先端部材
の突起部５に当接された状態にセットされる。

かゝるアンカを軽量気泡コンクリートに取付る場合は、
第２図の如くなる。即ち、軽量気泡コンクリート15に孔
部16を設ける。この孔部の内径はナット３が回転自在に
なるような大きさであり、かつ、突起部５の先端は軽量
気泡コンクリートに食込み回転しない大きさに設けるこ
とが好ましい。また、孔部の深さは、セットした場合の
アンカの長さ即ちナットの後端から先端部材６の先端ま
でとほゞ等しくなることが好ましい。

この孔部にセットしたアンカを打込み、ナット３を締付
けるとスリーブは突起部５によって先ず溝部９に最大応
力が発生するのでそこで外側に屈曲し、その先端は軽量
気泡コンクリートに食込む。更にナットを締付けると溝
部10に最大応力が発生しそこで外側に屈曲しスリーブの
先端部は更に軽量気泡コンクリートに食込み第２図の状
態となる。このようにスリーブは各溝部で屈曲し、スリ
ーブの当接する突起部とほぼ同じ円弧形状になるので、
その先端の軌跡に極めて近軌跡でそれに続く部位が軽量
気泡コンクリートに食込む。その結果破壊される軽量気
泡コンクリートの量は極めて少なくなり軽量気泡コンク
リートとの固定が強固になる。

第４図、第５図に示す構造のスリーブを使用しても同様
の効果が得られる。

（考案の効果） 本考案によれば軽量気泡コンクリートとアンカとの固定
強度に優れたものが得られ、かゝる軽量気泡コンクリー
トを使用することにより強度に優れた施工を行なうこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるアンカの斜視図である。 第２図は本考案による軽量気泡コンクリートの断面図で
ある。 第３図は第１図の一部断面図である。 第４図、第５図は本考案による他のスリーブの断面図で
ある。 １……雄ネジ ３……ナット ５……突起 ８……スリット 9,10,11,12,13,14……溝部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】雄ネジと、該雄ネジの先端近傍に設けられ
   放射状に突出する複数個の突起部と、該雄ネジに挿入さ
   れ軸方向に設けた複数のスリットを有するスリーブと、
   該雄ネジに螺合するナットとからなり、ナットを締付る
   ことによりスリーブの先端が突起部に当接し外側に屈曲
   し軽量気泡コンクリートに食込むようにしてなるアンカ
   ーであって、該スリーブの肉厚を先端近傍においてより
   薄く構成し又は該スリーブの外周面に周方向の溝部を軸
   方向に複数個設けかつ先端寄の溝部の深さを他の溝部よ
   り深く構成し、かつ、スリーブの先端が当接する突起部
   の部位は、スリーブと反対方向に窪む円弧形状をしてい
   ることを特徴とする軽量気泡コンクリート用アンカ。
2. 【請求項２】請求項１記載のアンカを取付てなる軽量気
   泡コンクリート。