JPH0749508A - 2端子非線形素子 - Google Patents

2端子非線形素子

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JPH0749508A
JPH0749508A JP5199790A JP19979093A JPH0749508A JP H0749508 A JPH0749508 A JP H0749508A JP 5199790 A JP5199790 A JP 5199790A JP 19979093 A JP19979093 A JP 19979093A JP H0749508 A JPH0749508 A JP H0749508A
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敏幸 吉水
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稔章 福山
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Masakazu Matoba
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バラツキのない優れた非線形性と、熱安定性
とを両立させた2端子非線形素子を得る。 【構成】 基板6上に下部電極2、陽極酸化膜3および
上部電極4からなるMIM素子が形成されて、画素電極
5と接続されている。下部電極4は、窒素含有量の少な
いTa部(poor部)および窒素含有量の多いTa部
(rich部)を交互に有する構造となっている。この
構造により、poor部とrich部とで挙動が異な
り、β−Ta薄膜に近い良好な初期非線形性と、優れた
熱安定性とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置などのス
イッチング素子として用いられる2端子非線形素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置は、AV(Audio Vi
sual)、OA(Office Automation)用途を初めとした
様々な分野に用いられている。特に、Low endの
製品にはTN(Twisted Nematic)、STN(Super Twi
sted Nematic)パッシブタイプの液晶表示装置が搭載さ
れ、High qualityの製品には3端子非線形
素子であるTFT(Thin Film Transistor)をスイッチ
ング素子として用いたアクティブマトリクス駆動方式の
液晶表示装置が搭載されている。
【0003】このアクティブマトリクス駆動方式の液晶
表示装置においては、CRT(Cathode Ray Tube)を凌
駕する色再現性、薄型・軽量性および低消費電力の特徴
を有しており、その用途が急速に拡大している。しか
し、スイッチング素子としてTFTを用いた場合には、
その製造に関して、6〜8回以上の薄膜成膜工程および
フォトリソ工程が必要であり、コスト低減が最大の課題
となっている。これに対して、スイッチング素子として
2端子非線形素子を用いた液晶表示装置は、TFTを用
いた液晶表示装置に対してコスト面で優位性を有し、か
つ、バッシブタイプの液晶表示装置に対して表示品位面
で優位性を有しているので、急速な展開を示している。
【0004】上記2端子非線形素子としては、古くはシ
ョットキーダイオード方式、バリスタ方式およびMIM
(Metal-Insulator-Metal)方式のものが知られてお
り、近年においては、D2R(Double diode plus rese
t)方式および有機強誘電薄膜方式のものが研究開発さ
れている。しかし、現状実用化されているのは、MIM
方式とD2R方式の2端子非線形素子である。このう
ち、MIM方式の2端子非線形素子(MIM素子)は、
下部電極の上に、絶縁層を間に介して上部電極が形成さ
れた構成を有しており、例えば特公61−32673号
公報、特公61−32674号公報およびUSP4,4
13,883に開示されているように、Ta薄膜を下部
電極として用い、これを陽極酸化法により陽極酸化して
絶縁層(この場合Ta25層)を形成し、さらに、この
上にTa、Cr、Ti、Alなどからなる上部電極を形
成した構造とすることができる。上記MIM素子は、T
FTに比べて3分の1以下の製造工程で作られ得る。よ
って、スイッチング素子としてMIM素子を用いた液晶
表示装置は、2端子非線形素子液晶表示装置の主流を占
めている。
【0005】上記MIM素子を用いた液晶表示装置にお
いては、MIM素子と画素電極とが設けられた素子側基
板と、素子側基板に形成された配線に直交する状態で、
ストライプ状にITO透明導電膜などからなる配線が形
成された対向基板とを有しており、両基板が貼り合わせ
られて液晶セルが形成される。
【0006】この液晶セルを作製する工程は、以下のよ
うにして行われる。まず、上記素子側基板および対向基
板の上に、各々液晶分子を配向すべく、ポリイミド系有
機高分子配向膜を形成し、ラビング処理を行う。その
後、一方の基板にシール剤を塗布し、他方の基板にスペ
ーサーを散布する。この状態の両基板を対向して貼り合
わせて加熱圧着する。その後、両基板の間隙に液晶を注
入して、封止することにより、液晶セルが完成する。
【0007】なお、液晶表示装置においては、素子の電
圧−電流特性の正負非対称性に起因する残像の問題や、
素子容量および液晶層容量に起因するクロストークの問
題に対処するために、種々の改良研究が行われている。
例えば、絶縁層の形成は、通常、下部電極を陽極酸化す
ることにより行われる。陽極酸化法は、その技術自体と
しては、特公昭46−17267号公報に開示されてい
るように古くから確立されている技術であるが、スルー
プットの高い、生産性に優れたInsulator層を得ること
ができる方法である。また、表示装置の大型化・高精細
化のために配線を低抵抗化する検討も行われており、例
えばTa薄膜に窒素をドープして比抵抗を低減すること
が行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た液晶セル作製工程においては、加熱圧着する際に、上
記両基板に比較的高温(約150〜200℃)の熱処理
が行われるため、図33に示すように、この熱処理の処
理時間に対してMIM素子の非線形性は積算的に低下す
るという問題があった。この問題は、特に、β相構造の
Ta(β−Ta)を下部電極として用いた素子側基板に
顕著に見られる。
【0009】β−Taは、従来より広く使用されている
材料であり、純度99.99%のpure Taターゲ
ットを用いて、Ar(アルゴン)ガス雰囲気中でスパッ
タリングを行う、つまり一枚ターゲットを用いたリアク
ティブ方式スパッタリング法により得ることができる。
β−Taを下部電極として用いた場合には、MIM素子
形成直後の素子の非線形性は良好であるが、MIM素子
形成後の液晶セル作製工程で上述のような熱処理を行う
と、素子の非線形性が著しく低下する。よって、液晶セ
ル作製工程での熱処理温度を低く抑える必要がある。し
かし、熱処理温度を低くした場合には、基板同士の加熱
圧着が充分行われず、液晶表示装置としての信頼性を確
保することができない。
【0010】一方、上述したようにTa薄膜に窒素をド
ープして比抵抗を低減することが従来より行われている
が、このことによりMIM素子の熱処理による非線形性
の低下を防止することもできるということも判ってきて
いる。図34に、一枚ターゲットを用いたリアクティブ
方式スパッタリング法において、雰囲気ガス中に窒素ガ
スを加えると共に窒素ガス濃度を変化させて窒素をドー
ピングしたTa薄膜を形成し、これらを用いて液晶セル
を作製した場合について、MIM素子の非線形性を調べ
た結果を示す。
【0011】この図から理解されるように、窒素ガス濃
度が低い場合、即ちTa薄膜中の窒素含有量が少ない場
合には、MIM素子の非線形性は総じて低い。また、窒
素ガス濃度が高い場合、即ち窒素含有量が多い場合に
は、熱処理に対するMIM素子の非線形性低下を防止す
ることができるが、非線形性にバラツキが生じて不安定
である。
【0012】上記非線形性の不安定化は、MIM素子を
構成する絶縁層の膜厚ムラを一因として起こり、非線形
性の不安定化の原因である絶縁層の膜厚ムラは以下のよ
うにして発生する。例えば、雰囲気ガス中に窒素ガスを
加えるリアクティブ方式スパッタリング法においては、
窒素をスパッタリング中に反応させて形成膜中に取り込
む方式であるため、窒素ガスをスパッタチャンバー内に
均一に流すことが重要である。
【0013】ところが本願発明者等の検討では、窒素の
Arに対するガス流量比が4%付近より高くなるとTa
膜中に取り込まれる窒素量が不均一になり、スパッタリ
ング装置の操作技術では均一化制御が極めて困難となる
からである。より詳細に説明すると、雰囲気ガス中に窒
素ガスを加えるリアクティブ方式スパッタリング法にお
いて、スパッタガス中における窒素ガスの流量比と、素
子特性と、Ta抵抗値の均一性との相関を示す表1より
理解されるように、ガス流量比が4%付近より高くなる
とTa薄膜の窒素量が不均一になって抵抗値も不均一と
なり、更に抵抗値の不均一化により陽極酸化時に影響を
及ぼし、陽極酸化後において絶縁層の膜厚が不均一とな
るからである。
【0014】
【表1】
【0015】また、このように窒素をドープしたTa薄
膜を用いたMIM方式の2端子非線形素子の液晶表示装
置は、その窒素ドープ量がMIM素子の特性、特に非線
形性の熱安定化に寄与すると共に、図35に示すように
コントラストの温度依存性の改善にも寄与する。つま
り、図35の破線(窒素ガスを2.9vol%)のもの
よりも、一点鎖線(窒素ガスを4.3vol%)の方
が、温度によるコントラストの変化が少ない。しかしな
がら、窒素のドープ量が多い場合には、Ta薄膜におけ
る窒素含有量の不均一性が難点であった。
【0016】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するためになされたものであり、バラツキのない優れ
た非線形性を有し、2端子非線形素子形成後の熱処理に
よる非線形性の低下を防ぐことができる、熱安定性と非
線形性とを両立させた2端子非線形素子を提供すること
を第1の目的とする。
【0017】また、上述の熱安定性と非線形性とを両立
させると共に、電流を流れ易くできる2端子非線形素子
を提供することを第2の目的とする。
【0018】更に、上述の熱安定性と非線形性とを両立
させ、かつ、電流が流れ易く、しかも残像および熱劣化
の発生を抑制することができる2端子非線形素子を提供
することを第3の目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の2端子非線形素
子は、窒素をドープしたTa薄膜からなる下部電極と金
属薄膜からなる上部電極との間に、該下部電極を陽極酸
化して陽極酸化膜が形成され、該下部電極が基板上に形
成された構成となっている2端子非線形素子において、
該下部電極が、窒素含有量の少ないTa部および窒素含
有量の多いTa部を交互に有するので、そのことにより
上記第1の目的が達成される。
【0020】この2端子非線形素子において以下のよう
にすることができる。即ち、前記窒素含有量の少ないT
a部における14+181Ta+に対する2次イオン強度
比:前記窒素含有量の多いTa層における14+181
+に対する2次イオン強度比=1:1.54〜1.7
1近傍であり、該下部電極における窒素を含有するTa
相構造の結晶格子ミラー指数(110)のX線強度:結
晶格子ミラー指数(200)のX線強度=1:0.24
8近傍であるようにすることができる。
【0021】また、前記下部電極は、3枚以上のターゲ
ットを直列に配置したリアクティブ方式スパッタリング
法を用い、アルゴンガスと窒素ガスとの総流量に対する
窒素ガス濃度が3%以上7%以下となるように窒素ガス
流量を調整しながら、基板を連続搬送した状態で形成さ
れたものとすることができる。
【0022】本発明の2端子非線形素子は、窒素をドー
プしたTa薄膜からなる下部電極と金属薄膜からなる上
部電極との間に、該下部電極を陽極酸化して陽極酸化膜
が形成され、該下部電極が基板上に形成された構成とな
っている2端子非線形素子において、該下部電極が、窒
素含有量が4mol%以上7mol%以下のTaN焼結
体ターゲットを使用して形成されているので、そのこと
により上記第2の目的が達成される。
【0023】この2端子非線形素子において、前記下部
電極が、DCスパッタリング法を使用して、前記上部電
極と該下部電極との間を流れるプールフレンケル電流で
示される抵抗係数1nAが−28以下−32以上の範囲
となるスパッタパワー条件で成膜された構成とすること
ができる。
【0024】また、前記下部電極が、スパッタパワーを
2.2kW以上3.2kW以下とし、また前記基板の加
熱温度を100℃、基板の加熱時間を180秒、基板の
搬送速度を100mm/min、基板と前記TaN焼結
体ターゲットとの間の距離を77mm、スパッタガス圧
を0.40Paとしたスパッタ条件によって成膜された
構成とすることができる。
【0025】本発明の2端子非線形素子は、窒素をドー
プしたTa薄膜からなる下部電極と金属薄膜からなる上
部電極との間に、該下部電極を陽極酸化して陽極酸化膜
が形成され、該下部電極が基板上に形成された構成とな
っている2端子非線形素子において、該下部電極が、ア
ルゴンガスと窒素ガスとの総流量に対する窒素ガス濃度
を4%以下に調整したガス雰囲気中で、5mol%以下
で窒素を含有するTaN焼結体ターゲットを用いてスパ
ッタリング法で形成されているので、そのことにより上
記第2の目的がより確実に達成される。
【0026】この2端子非線形素子において、前記下部
電極が、前記TaN焼結体ターゲットの単位面積当りス
パッタパワーを4W/cm2以上として形成されている
構成とすることができる。
【0027】また、前記下部電極が、複数のターゲット
を用いた直線搬送方式スパッタリング法、又は、単数若
しくは複数のターゲットを用いた回転搬送方式スパッタ
リング法により形成されている構成とすることができ
る。
【0028】本発明の2端子非線形素子は、窒素をドー
プしたTa薄膜からなる下部電極と金属薄膜からなる上
部電極との間に、該下部電極を陽極酸化して陽極酸化膜
が形成され、該下部電極が基板上に形成された構成とな
っている2端子非線形素子において、該下部電極の比抵
抗が70μΩcm以上165μΩcm以下であるので、
そのことにより上記第3の目的が達成される。
【0029】この場合、アルゴンガス又はクリプトンガ
スに窒素ガスを少量混合してなる反応ガスを用いたリア
クティブ方式スパッタリング法により下部電極を形成す
るときは、該下部電極の比抵抗を90μΩcm以上16
5μΩcm以下にする。特に、105μΩcm以上15
0μΩcm以下とするのが好ましい。
【0030】また、TaN焼結体ターゲットを使用して
下部電極を形成するとき、該下部電極の比抵抗を70μ
Ωcm以上165μΩcm以下にする。特に、85μΩ
cm以上150μΩcm以下とするのが好ましい。
【0031】また、アルゴンガス又はクリプトンガスに
窒素ガスを少量混合してなる反応ガスを用いたリアクテ
ィブ方式スパッタリング法と、TaN焼結体ターゲット
を使用したスパッタリング法とを組み合わせて下部電極
を形成するとき、下部電極の比抵抗を80μΩcm以上
165μΩcm以下にする。特に、95μΩcm以上1
50μΩcm以下とするのが好ましい。
【0032】更に、上述した各2端子非線形素子におい
て、陽極酸化膜は、アンモニア基を含む溶液による陽極
酸化法により形成することができる。また、この2端子
非線形素子は、基板上に島状構造からなる配置法を用い
て形成することができる。
【0033】
【作用】本発明にあっては、2端子非線形素子の下部電
極を、窒素含有量の少ないTa部および窒素含有量の多
いTa部を交互に有する構造とすることができる。この
構造により、窒素含有量の少ないTa部と窒素含有量の
多いTa部とで挙動が異なり、β−Ta薄膜に近い良好
な初期非線形性とTaNに近い優れた熱安定性とを有す
ることとなる。このような下部電極は、複数枚(実用的
には3〜4枚)のターゲットを直列に配置したリアクテ
ィブ方式スパッタリング法により作製することができ
る。
【0034】また、2端子非線形素子の下部電極を、4
mol%以上7mol%以下で窒素を含有するTaN焼
結体ターゲットを使用して形成する場合、得られた下部
電極は、β−Taのもつ良好な非線形性の初期特性と、
低濃度で窒素を含有するα相とβ相とが混在する構造の
Ta(αβ−Ta)のもつ良好な非線形性の熱安定性と
を具備する。また、下部電極が窒素を含有するので下部
電極の結晶構造が均一で緻密なものとなるものの、抵抗
係数1nAが−28〜−32の範囲となるスパッタパワ
ー条件で下部電極を成膜すると、スパッタレートが通常
の1.3〜1.9倍の高スパッタレートとなり、均一で
緻密な結晶構造であっても結晶格子間隔の広い結晶構造
を有するものとなり、得られた2端子非線形素子は電流
が流れ易くなる。
【0035】より電流を流れ易くするには、以下のよう
にすることがよい。即ち、窒素を含有する雰囲気ガスを
使用し、かつTaN焼結体ターゲットを用いたリアクテ
ィブ方式スパッタリング法により下部電極を形成する。
この場合には、雰囲気ガス中にも窒素を有するので、T
aN焼結体ターゲットの含有窒素量を少量とすることが
でき、Ta薄膜の結晶構造をTa格子間の距離が広くな
った状態にすることが可能となり、電流が流れ易くな
る。加えて、窒素のアルゴンに対するガス流量比を4%
付近より低くすることができ、これにより窒素ガスをス
パッタ装置のチャンバー内に均一に流すことが可能とな
り、スパッタ装置での均一化制御の精細な制御を行うこ
とができる。また、TaN焼結体ターゲットに含有され
ている窒素と、スパッタガスとしてのアルゴンに混合さ
れた窒素ガスとの存在により、熱処理に対する2端子非
線形素子の非線形性の低下を防止することが可能な窒素
を下部電極中に十分なレベルで取り込むことができる。
【0036】更に、残像および熱劣化の発生を防止する
には、以下のようにすることがよい。即ち、下部電極
は、その比抵抗が70μΩcm以上165μΩcm以下
とするのがよい。この場合において、アルゴンガス又は
クリプトンガスに窒素ガスを少量混合してなる反応ガス
を用いたリアクティブ方式スパッタリング法により下部
電極を形成するとき、下部電極の比抵抗は90μΩcm
以上165μΩcm以下とする。より好ましくは、10
5μΩcm以上150μΩcm以下とする。
【0037】また、TaN焼結体ターゲットを使用して
下部電極を形成するとき、下部電極の比抵抗は70μΩ
cm以上165μΩcm以下とする。より好ましくは、
85μΩcm以上150μΩcm以下とする。
【0038】また、アルゴンガス又はクリプトンガスに
窒素ガスを少量混合してなる反応ガスを用いたリアクテ
ィブ方式スパッタリング法と、TaN焼結体ターゲット
を使用したスパッタリング法とを組み合わせるとき、下
部電極の比抵抗は80μΩcm以上165μΩcm以下
とする。より好ましくは、95μΩcm以上150μΩ
cm以下とする。
【0039】更に、陽極酸化膜は、アンモニア基を含む
溶液による陽極酸化法により形成することができる。こ
のようにした場合には、2端子非線形素子のI−V特性
の正負対称性が向上することとなる。
【0040】また、2端子非線形素子は、基板上に島状
構造からなる配置法を用いて形成することができる。こ
のようにした場合には、2端子非線形素子をバラツキな
く均一に形成することが可能となる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0042】(実施例1)図1に、本発明の一実施例で
ある2端子非線形素子を、液晶表示装置のスイッチング
素子であるMIM素子として形成した場合の素子側基板
の平面図を示し、図2に図1のA−A’線断面図を示
す。
【0043】この素子側基板においては、ベースコート
絶縁膜7が形成された基板6の上に、Ta薄膜からなる
信号配線1および信号配線1から分岐された下部電極2
が形成されており、信号配線1および下部電極2の上を
覆うように、陽極酸化絶縁膜3が形成されている。その
上には、Ta、Cr、Ti、Alなどからなる上部電極
4が形成されてMIM素子となっており、ITO透明導
電膜などからなる画素電極5と電気的に接続されてい
る。信号配線1および下部電極2は、窒素含有量の少な
いTa部(poor部)および窒素含有量の多いTa部
(rich部)を交互に有する構造となっている。
【0044】この素子側基板は、例えば以下のようにし
て作製することができる。尚、この実施例では、液晶セ
ルの仕様を160×160ドット、0.25ピッチの反
射型モノクロTN液晶モードとし、信号配線1の幅を3
0μm、MIM素子サイズを5μm×5μmとし、MI
M容量と液晶の容量との比がほぼ1:10である条件を
設定した。
【0045】まず、ガラス基板6上に、スパッタリング
法などによりTa25などからなる厚み5000オング
ストロームのベースコート絶縁膜7を形成する。ガラス
基板6としては、例えば、無アルカリガラス、ホウケイ
酸ガラスまたはソーダガラスなどからなるガラス基板を
用いることができる。この実施例では、コーニングジャ
パン製#7059フュージョンパイレックスガラスを用
いた。ここで、ベースコート絶縁膜7の形成は省略する
こともできるが、形成されている場合には基板からの汚
染などを防ぐことができ、さらに良好な特性を得ること
ができる。
【0046】この状態のガラス基板6上に、リアクティ
ブ方式スパッタリング法により、信号配線1および下部
電極2となるTa薄膜を厚み3000オングストローム
に形成する。この時、Taターゲットとしては純度9
9.99%のTaを3枚使用し、これらを基板の流れる
方向に対して直列に配置しておく。また、反応ガスとし
てはアルゴンと窒素とを使用し、アルゴンガスと窒素ガ
スとの総流量に対して窒素ガス濃度を調節することによ
り、窒素含有量を変化させることができる。ここでは、
窒素ガス濃度を2.2%、2.9%、3.6%、4.1
%、4.3%、5.7%および8.3%となるように調
節してスパッタリングを行った。また、Taターゲット
同士の間隔、スパッタパワーおよび搬送速度などの条件
を適宜調節して、poor部およびrich部の厚みを
調節することもできる。この実施例では、ターゲット同
士の間隔10cm(ターゲットサイズ5inch×16
inch)、スパッタパワー4.5kw(電流8.5
A、電圧530V)、搬送速度460mm/minとし
てスパッタリングを行った。
【0047】上記のような方法で形成された本実施例の
Ta薄膜は、例えば図3に示すように、poor部およ
びrich部が交互に有する構造となっている。なお、
Taターゲット1枚を用いた従来のリアクティブ方式ス
パッタリング法では、図4に示すような均一なTa薄膜
が形成される。
【0048】次に、図3に示した構造のTa薄膜を、フ
ォトリソグラフィー法により所定の形状にパターニング
して、信号配線1および下部電極2とする。その後、1
%シュ石酸アンモニウム溶液を電解液として用い、信号
配線1および下部電極2における外部駆動回路との接続
を行う端子部分を除いた表面を陽極酸化して、陽極酸化
膜3を形成する。この実施例では、電解液の液温約25
℃、化成電圧約27V、電流0.7mAの条件で陽極酸
化を行い、厚み600オングストロームのTa25から
なる陽極酸化膜3を得た。
【0049】次に、この状態の基板全面にスパッタリン
グ法などにより上部電極4となる金属薄膜を形成し、こ
れをフォトリソグラフィー法により所定の形状にパター
ニングして、上部電極4とする。一般に、上部電極とな
る金属としてはTa、Cr、Ti、Alなどが知られて
いるが、この実施例ではTiを用いて厚み4000オン
グストロームに積層し、長さ20μm、幅5μmの長方
形の形状にパターニングして上部電極4を形成した。
【0050】次に、ITOなどからなる透明導電膜を積
層し、これをパターニングして画素電極5を形成して、
素子側基板とする。
【0051】次に、この素子側基板と貼り合わされて液
晶セルを構成する対向側基板を、以下のように作製す
る。即ち、ベースとなる基板上に、ITOなどからなる
ストライプ状の透明導電膜を複数並列に形成する。この
実施例では、0.25ピッチで透明導電膜を形成してい
る。この対向側基板において、カラーフィルター層を併
せて形成すると、カラー表示を行うこともできる。
【0052】上記のようにして得られた素子側基板と対
向側基板とから液晶セルを作製する工程は、以下のよう
にして行うことができる。
【0053】まず、素子側基板および対向基板の上に配
向膜を形成する。この時の処理温度は、約200℃であ
る。そして、この配向膜にラビング処理を行う。この実
施例では、90度ねじれとなるように配向処理を行っ
た。
【0054】その後、一方の基板にシール剤を塗布し、
他方の基板にスペーサーを散布し、両基板の配線が形成
された側を対向させて貼り合わせる。このとき、対向側
基板の透明導電膜と素子側基板に形成された信号配線1
とが直交するように、両基板を貼り合わせる。かかる貼
り合わせの後、加熱圧着する。この時の処理温度は、約
150〜200℃である。その後、両基板の間隙に液晶
を注入して封止することにより、液晶セルを作製する。
【0055】さらに、液晶セルの前面に、単体透過率4
4.5%、偏光度96.5%の透過偏光板を配置し、液
晶セルの背面に、同じ偏光板にAl反射板を設けた反射
偏光板を配置して、電気光学特性を付与する。これによ
り液晶表示装置が得られる。図5および表2は、本実施
例のMIM素子の非線形性を示す。表2には、本実施例
のMIM素子の非線形性に併せて、比較例が示されてい
る。その比較例は、1枚ターゲットを用いたリアクティ
ブ方式スパッタリング法によりTa薄膜からなる下部電
極を形成した以外は、実施例と同様にして液晶表示装置
を作製した場合であり、その比較例のMIM素子の非線
形性は前記図34に示したとおりである。なお、比較例
においては、アルゴンガスと窒素ガスとの総流量に対す
る窒素ガス濃度を、0%、3.8%、7.4%、10.
7%、13.8%、16.7%、20.0%、25.0
%および33.3%となるように調節してスパッタリン
グを行っている。尚、本願出願人の解析によれば、1枚
ターゲットを用いたリアクティブ方式スパッタリング法
による比較例の場合には、窒素ガス濃度に対して5%増
しの含有量で、窒素がTa薄膜に含有されることが判っ
ている。
【0056】
【表2】
【0057】比較例のMIM素子においては、図34お
よび表2の比較例から理解されるように、窒素ガスが低
濃度の場合、つまりTa薄膜中の窒素含有量が少ない場
合には、MIM素子の非線形性が不良であった。その理
由は、Ta薄膜はα相とβ相とが混在した構造となって
いるか、または多分にα相化された構造となっていると
考えられる。一方、窒素ガスが高濃度の場合には、MI
M素子の非線形性は比較的良好であるが、素子間のバラ
ツキが大きくなって均一な素子が得られなかった。その
理由は、Ta薄膜がTaNとなっていると考えられる。
また、窒素ガス濃度が0%の場合には、β−Taが形成
されてMIM素子の非線形性も良好であったが、図34
に示すように、MIM素子形成時(初期)の非線形性に
比べて、熱処理後(後期)の非線形性が著しく低下し
た。
【0058】これに対して、本実施例のMIM素子にお
いては、図5および表2の実施例から理解されるよう
に、良好な非線形性と熱安定性を有している。また、素
子間での特性のバラツキも見られなかった。特に、アル
ゴンガスと窒素ガスとの総流量に対する窒素ガス濃度を
3〜7%に調節してTa薄膜からなる下部電極を形成し
た場合には、β−Taと同程度以上の良好な非線形性を
有しており、熱処理による非線形性の低下が無く、液晶
表示装置完成時にも良好な非線形性が得られた。さら
に、窒素ガス濃度が4.3%から5.7%の場合に、最
も良好な非線形性および熱安定性が得られた。
【0059】図6に、窒素ガス濃度を4.3%として下
部電極を形成した場合のX線解析プロファイルを示し、
図7に窒素ガス濃度を8.3%として下部電極を形成し
た場合のX線解析プロファイルを示す。ここで、結晶格
子ミラー指数(110)のピークはα相構造のTa(α
−Ta)を示し、結晶格子ミラー指数(200)のピー
クはβ−Taを示す。図6より理解されるように、窒素
ガス濃度を本発明の範囲内の4.3%とした場合には、
(110)のX線強度:(200)のX線強度=1:
0.248となる。一方、図7より理解されるように、
窒素ガス濃度を本発明の範囲外の8.3%とした場合に
は、(110)のX線強度:(200)のX線強度=
1:0.064となった。また、窒素ガス濃度を本発明
の範囲内の4.3%として下部電極を形成した場合に
は、図3に示すように、poor部の14+2次イオン
強度比:rich部の14+2次イオン強度比=1:
1.54〜1.71倍となった。
【0060】図8に、本実施例のMIM素子の電圧−電
流特性を示す。この図から理解されるように、本実施例
のMIM素子においては、電圧−電流特性の正負対称性
も良好である。
【0061】図9に、このMIM素子をスイッチング素
子として用いた液晶表示装置について、電気光学特性
(コントラスト比のバイアス比依存性)を測定した結果
を示す。上記図9より理解されるように、この液晶表示
装置は、コントラスト20を有する。また、応答速度τ
r+τd=70msec、視野角=上下方向40度・左右
方向100度以上(但しCo≧2)の良好な特性を有す
る。さらに、2値表示では、2端子非線形素子をスイッ
チング素子として用いた液晶表示装置の最大の課題であ
る残像の問題が生じず、良好な表示が得られた。これ
は、上述したようにMIM素子の電圧−電流特性の正負
対称性が良好であるためと考えられる。
【0062】尚、上記実施例においては、下部電極をp
oor部とrich部とが交互に存在する構造とするた
めに、3枚のTaターゲットを用いて、窒素ガスを流入
しながらスパッタリングを行ったが、その他の方法を用
いてもよい。例えば、窒素ドープ量を異ならせた焼結体
TaNターゲットを用いて、窒素ドープ量の少ないター
ゲットと多いターゲットとを交互に配置してスパッタリ
ングを行うこともできる。
【0063】以上の説明から明らかなように、本実施例
1によれば、2端子非線形素子の下部電極が、窒素含有
量の少ないTa部(poor部)および窒素含有量の多
いTa部(rich部)を交互に有する構造となってい
るので、β−Ta薄膜に近いもしくはそれ以上の良好な
初期非線形性を有し、またTaNに近い優れた熱安定性
を有しており、また素子間でのバラツキも生じにくい。
さらに、この2端子非線形素子は、電圧−電流特性の正
負対称性にも優れている。この2端子非線形素子を、液
晶表示装置のスイッチング素子として用いることによ
り、残像が少なく、高コントラストで高品位な表示を得
ることができる。
【0064】(実施例2)次に、本発明の他の実施例に
ついて説明する。
【0065】本実施例2は、窒素ガスを使用せずにTa
N焼結体ターゲットを用いてスパッタリングを行う場合
である。
【0066】図10に本実施例である2端子非線形素子
を液晶表示装置のスイッチング素子として形成した場合
の素子側基板の斜視図を示し、図11に図10の素子側
基板を用いて作製した液晶表示装置の断面図を示す。こ
の素子側基板においては、ベースコート絶縁膜16が形
成されたガラス基板15の上に、Ta薄膜からなる信号
配線11および信号配線11から分岐された下部電極1
2が形成されており、信号配線11および下部電極12
の上を覆うように、陽極酸化絶縁膜が形成されている。
その上には、Ta、Ti、Cr、Alなどからなる上部
電極13が形成されてMIM素子となっており、ITO
透明導電膜などからなる画素電極14と電気的に接続さ
れている。
【0067】このような構成の素子側基板は、例えば以
下のようにして作製することができる。尚、この実施例
では、液晶セルの仕様を640×480ドット、0.3
mmピッチの反射型モノクロTN液晶モードとし、さら
に信号配線の幅を40μm、MIM素子サイズを6×5
μmとし、MIM素子の容量と液晶の容量との比がほぼ
1:10となるように条件を設定した。
【0068】まず、ガラス基板15上にスパッタリング
法などによりTa25などからなる厚み5000オング
ストロームのベースコート絶縁膜16を形成する。ガラ
ス基板15としては、例えば無アルカリガラス、ホウケ
イ酸ガラス、またはソーダライムガラスなどからなるガ
ラス基板を用いることができる。この実施例では、コー
ニング社製#7059のフュージョンパイレックスガラ
スを用いた。ベースコート絶縁膜16の形成は省略する
こともできるが、形成している場合にはその上に形成す
る薄膜へのガラス基板15からの汚染などを防ぐことが
でき、さらに良好な特性を得ることができる。
【0069】次に、この状態のガラス基板15の上に、
TaN焼結体ターゲットを用いたDCスパッタリング法
により、信号配線11および下部電極12となるTa薄
膜を厚み3000オングストロームに形成する。このス
パッタリングのとき、TaNターゲットとしては、窒素
濃度を5mol%含有する焼結体ターゲットを使用し
た。また、スパッタ条件としては、反応ガスにアルゴン
を使用し、ガス圧を4×10-1Pa、設定するDCパワ
ーを2.6kW、基板加熱温度100℃、基板加熱時間
180秒、搬送速度毎分100mm、基板とターゲット
との距離を77mmとした。
【0070】次に、上記のようにして形成したTa薄膜
を、フォトリソグラフィー法により所定の形状にパター
ニングして、信号配線11及び下部電極12とする。
【0071】その後、1%酒石酸アンモニウム溶液を電
解液として用い、信号配線11及び下部電極12の外部
駆動回路との接続を行う端子部分を除いた表面を陽極酸
化して、陽極酸化膜を形成する。この実施例では、電解
液の液温を約25℃、化成電圧を約27V、化成電流を
0.7mAとした条件で陽極酸化を行い、厚み600オ
ングストロームのTa25からなる陽極酸化膜を得た。
【0072】次に、この状態の基板全面にスパッタリン
グ法などにより上部電極13となる金属薄膜を、例えば
厚み4000オングストロームで形成し、これをフォト
リソグラフィー法などにより長さ20μm、幅6μmの
形状にパターニングして上部電極13とする。上記陽極
酸化膜を間に挟む上部電極13と下部電極12との間で
MIM素子17が形成される。上部電極13には、一般
にTa、Ti、Cr、Alなどが用いられるが、この実
施例ではTiを用いた。
【0073】さらに、ITOなどからなる透明導電膜を
積層し、これをパターニングして画素電極14を形成し
て素子側基板とする。
【0074】この素子側基板は、対向基板と貼り合わさ
れて、液晶セルを構成する。対向側基板21には素子側
基板15に形成された信号配線11に直交する状態でI
TOなどからなる透明導電膜がストライプ状に形成され
た対向側電極18が設けられる。この実施例では、厚み
1000オングストローム、0.3mmピッチの透明導
電膜を形成した。なお、更にカラーフィルタ層を併せて
形成しておくと、カラー表示を行うことも可能である。
【0075】上記のようにして得られた素子側基板と、
対向側基板とから液晶セルを作製する工程は、以下のよ
うにして行うことができる。
【0076】まず、素子側基板及び対向側基板の上に配
向膜19を形成する。この時の処理温度は、約200℃
とした。その後、この配向膜19にラビング処理を行
う。この実施例では90度ねじれとなるように配向処理
を行った。
【0077】次に、一方の基板に熱硬化性シール剤を塗
布し、他方の基板にスペーサを散布し、両基板の配線が
形成された側を対向させて貼り合わせ、加熱圧着する。
この時の処理温度は約150〜200℃である。その
後、両基板の間隙に液晶を注入して封止することによ
り、液晶セルとする。
【0078】更に、液晶セルの前面に、単体透過率4
4.5%、偏光度96.5%の透過型偏光板22を配置
する。また、液晶セルの背面に、同一の偏光板にAl反
射板を設けた反射板付偏光板23を配置して電気光学特
性を付与する。これにより、液晶表示装置が得られる。
【0079】図12に、このようにして作製された本実
施例のMIM素子の電流−電圧特性を示す。この図にお
いて下部電極12から上部電極13に電流が流れる場合
を正の電圧とした。また、本実施例のMIM素子の電流
−電圧特性を、図13に曲線24として示す。この図1
3には、アルゴンと窒素との混合ガスを用いてスパッタ
リングして得られたTa成膜を下部電極とし、以後実施
例と同様のプロセスにより作製した2種類のMIM素子
の電流−電圧特性を、比較例1、2として併せて示して
いる。図13において、曲線25は比較例1であり、ア
ルゴンと窒素との混合ガス中の窒素濃度が2.9vol
%の場合の特性を示す。曲線26は比較例2であり、同
窒素濃度が4.3vol%の場合の特性を示す。
【0080】ところで、MIM素子においては、下部電
極と上部電極との間の絶縁膜を流れる電流は、下記1式
に示すプールフレンケル(Poole−Frenke
l)電流に従って表される。
【0081】 ln(I/V)=lnA+B√(V)…(1) この式において、Iは電流、Vは電圧であり、係数Aは
MIM素子の電気伝導度を示す係数であり、係数Aが大
きい程MIM素子の抵抗が小さくなる。また、係数Bは
MIM素子の抵抗の非線形性を示し、係数Bが大きい
程、閾値電圧付近の電圧比VON/VOFFが大きくとれて
液晶表示装置の高コントラスト化が可能となる。
【0082】図14に、上記曲線24、25、26に関
するMIM素子のプールフレンケルプロットを示す。こ
の図において直線27は本実施例(曲線24)の場合の
プロット結果を示し、直線28は比較例1(曲線25)
の場合のプロット結果を、直線29は比較例2(曲線2
6)の場合のプロット結果を示す。なお、係数Aは直線
のY切片により表され、係数Bは直線の傾きにより表さ
れるため、それぞれの係数値を求めると図14に示す通
りとなった。
【0083】この図14から理解されるように、TaN
焼結体ターゲットを用いた本実施例(直線27)におい
ては、アルゴンと窒素との混合ガスを用いた比較例1、
2(直線28、29)と比べて係数A、Bがともに大き
くなっている。よって、実施例のMIM素子においては
リーク電流が小さく、非線形性が良好であることがわか
る。また、本実施例の場合は、TaN焼結体ターゲット
を用いるのでTa中に窒素がドープされ、その結果とし
て液晶セル作製上の熱履歴によるMIM素子の特性劣化
を防止できる。
【0084】図15に、実施例の2端子非線形素子をも
つ液晶表示装置の電気光学特性(コントラスト比の温度
依存性)を測定した結果を、比較例1、2、3と併せて
示す。比較例1はアルゴンと窒素との混合ガス中の窒素
濃度を2.9vol%でスパッタリングを行ったTaを
下部電極に用いた場合の液晶表示装置の電気光学特性で
あり、比較例2は同窒素濃度を4.3vol%でスパッ
タリングを行ったTaを下部電極に用いた場合の液晶表
示装置の電気光学特性であり、比較例3は同窒素濃度を
2.2vol%でスパッタリングを行ったTaを下部電
極に用いた場合の液晶表示装置の電気光学特性である。
【0085】この図15より理解されるように、アルゴ
ンと窒素との混合ガスを用いたリアクティブ方式により
成膜したTaを下部電極に用いる比較例1、2、3の場
合、いずれも室温以上の高温度側でコントラスト比がダ
ウンしている。一方、本実施例の液晶表示装置では、こ
のような現象がほとんど見られず、温度に対して安定な
表示特性となっている。
【0086】但し、上記リアクティブ方式による場合で
も、窒素ガスの混合比を6vol%程度まで大きくする
と、MIM素子の非線形性は良好になり、高温度側での
コントラスト比の低下はみられなくなる。しかし、窒素
ガスが高濃度になってくると、成膜面内のTa中にドー
プされる窒素量にバラツキが生じ、MIM素子間のバラ
ツキが大きくなって均一な表示が得られなくなる。
【0087】なお、上記実施例では窒素濃度を5mol
%含有するTaN焼結体ターゲットを使用しているが、
本発明はこれに限らず、窒素がドープされないβ−Ta
の場合のMIM素子と同等以上の非線形性が得られる範
囲内の窒素濃度を含有するTaN焼結体ターゲットを使
用することができる。
【0088】図16は、本発明で使用することができる
TaN焼結体ターゲットの窒素濃度の範囲を示す。この
図に示すように、窒素含有量が4〜7mol%の範囲に
あるTaN焼結体ターゲットを使用できる。この範囲に
限定する理由は、ターゲット中の窒素含有量が4〜7m
ol%の範囲を越えると、窒素がドープされないβ−T
aの場合のMIM素子よりも非線形性が劣るからであ
る。
【0089】図17に窒素をドープしないβ−Taのス
パッタパワー(kW)に対するTaの比抵抗ρ(μΩc
m)の変化を示す。また、図18に同様のβ−Taのス
パッタパワーに対するMIM素子のプールフレンケル特
性、すなわち電気伝導度lnAおよび非線形性Bの変化
を示す。
【0090】これら両図から理解されるように、スパッ
タパワー条件によりTa膜の比抵抗が変化し、またMI
M素子の電気伝導度および非線形性が変化する。この変
化は、スパッタパワーを上げてスパッタレートを高くす
ると、成膜時にTa格子間の距離が広くなり、自由電子
が移動し易くなって電流が流れ易くなることにより起こ
ると考えられる。
【0091】上記実施例ではスパッタパワーを2.6k
wとしたが、表3に示すようにスパッタパワーを1.7
kwに落とすと、素子抵抗が上がり、非線形性Bも低下
して、液晶表示装置とした場合、全くコントラストが取
れなくなった。よって、このことより、スパッタパワー
は高い方が好ましいことが理解される。
【0092】
【表3】
【0093】図19にTaN焼結体ターゲットを用いた
DC(Direct Current)スパッタリング法において、M
IM素子の電気伝導度を表す係数lnAとスパッタパワ
ーとの関係を示す。一般的には、MIM素子として良好
な特性を示す範囲は、すなわちプールフランケル電流で
示される係数lnAが−28以下−32以上の範囲であ
り、この範囲を満足するようにスパッタパワー条件とし
ては2.2kW以上3.2kW以下が該当する。よっ
て、本発明にあっては、2.2kW以上3.2kW以下
の高スパッタレートで成膜するとよい。このようにした
場合には、リアクティブ方式とは異なり窒素ガスを使用
しないので、窒素含有量の不均一を生じにくくでき、ま
た形成されたTa成膜が均一で緻密な結晶構造を持つが
故に電流が流れにくくなるのを防止することが可能とな
る。
【0094】以上の説明から明かなように、本実施例2
によれば、2端子非線形素子の下部電極が、均一に適量
の窒素がTaに混合されているので、β−Ta薄膜に近
いもしくはそれ以上の良好な初期非線形性を有してお
り、熱安定性にも優れている。また、アルゴンと窒素と
の混合ガスによるリアクティブ方式でのTa薄膜に比べ
ても、素子特性のバラツキを鑑みた成膜均一性に優れ
る。さらに表示特性でもコントラストの温度依存性がみ
られず、高コントラストで高品位な表示を得ることがで
きる。
【0095】(実施例3)本発明の更に他の実施例につ
いて説明する。
【0096】本実施例3は、アルゴンガスと窒素ガスと
の総流量に対する窒素ガス濃度を4%以下に調整したガ
ス雰囲気中で、5mol%以下で窒素を含有するTaN
焼結体ターゲットを用いたスパッタリング法により、2
端子非線形素子の下部電極を形成し、より確実に電流を
流れ易くする場合である。
【0097】図20は、本実施例の2端子非線形素子を
適用した液晶表示装置を示す断面図であり、図21はそ
の液晶表示装置を構成する素子側基板の平面図を示し、
図22は図21のA−A’線による断面図を示す。この
液晶表示装置は、液晶層40を挟んで対向配設された素
子側基板50と対向基板51とを備える。
【0098】上記素子側基板50は、ベースコート絶縁
膜37が形成されたガラス基板36の上に、Ta薄膜か
らなる信号配線31と、信号配線31から分岐された下
部電極32とが形成されており、信号配線31及び下部
電極32の上を覆うように、陽極酸化絶縁膜33が形成
されている。その上にはTa,Ti,Cr,Alなどか
らなる上部電極34が形成されている。これら下部電極
32、陽極酸化絶縁膜33及び上部電極34によりMI
M素子が構成されており、上部電極34はITO透明導
電膜などからなる画素電極35と電気的に接続されてい
る。
【0099】このような構成の素子側基板は、例えば以
下のようにして作製することができる。尚、この実施例
では、液晶セルの仕様を640×480ドット、0.3
mmピッチの反射型モノクロTN液晶モードとし、更
に、信号配線の幅を40μm、MIM素子サイズを6×
5μmとし、MIM素子の容量と液晶の容量との比がほ
ぼ1:10となるように条件を設定した。
【0100】まず、ガラス基板36の上にスパッタリン
グ法などによりTa25などからなる厚み5000オン
グストロームのベースコート絶縁膜37を形成する。ガ
ラス基板36としては、例えば無アルカリガラス、ホウ
ケイ酸ガラス、またはソーダライムガラスなどからなる
ガラス基板を用いることができる。この実施例では、コ
ーニング社製#7059のフィージョンパイレックスガ
ラスを用いた。また、上記ベースコート絶縁膜37は省
略することもできるが、形成している場合にはその上に
形成する薄膜へのガラス基板36からの汚染などを防ぐ
ことができ、更に良好な特性を得ることができる。
【0101】次に、この上に、スパッタリング法により
信号配線31及び下部電極32となるTa薄膜を厚み3
000オングストロームに形成する。この時、スパッタ
リング装置として、図23(a)に示すインライン(直
線搬送)スパッタ装置を使用した。また、条件として
は、窒素を3mol%含有するTaN焼結体ターゲット
52を3個使用し、また、反応ガスとしてアルゴンと窒
素とを使用した。アルゴンガスはチャンバ54内に図示
しない手段にて導入し、一方の窒素ガスは、タンク53
内に貯留されていたものを流量調節弁53aにより、ア
ルゴンガスと窒素ガスとの総流量に対して窒素ガス濃度
が2%となるように流量調節してチャンバ54内に図示
しない手段にて導入した。他の条件としては、チャンバ
54内のガス圧を0.4Paとし、設定するDCパワー
を5.3W/cm2、基板の加熱温度を100℃、基板の
加熱時間を180秒、基板の搬送速度を100mm/m
in、基板とターゲット52の距離を77mmとした。
【0102】以上の条件でスパッタリングを行った場
合、スパッタレートは300〜600オングストローム
/min程度となった。
【0103】次に、上記のようにして形成したTa薄膜
を、フォトリソグラフィー法により所定の形状にパター
ンニングして、信号配線1及び下部電極2とする。な
お、上記直線搬送スパッタ装置に代えて、図23(b)
に示す回転方式スパッタ装置を使用してTa薄膜を形成
することができる。この回転方式スパッタ装置による場
合のスパッタ条件の1例としては、スパッタ圧を7×1
-4〜10×10−3Torrとなし、設定するDCパ
ワーを5W/cm、基板の加熱温度を240℃、回転
速度を160秒/回、基板とターゲット52との距離を
200mmとなして行うことができる。また、回転方式
スパッタ装置においては、図示のように基板の回転域の
内側にターゲット52を4個、外側に4個設けている
が、内側にだけ、又は外側にだけターゲット52を設け
るようにしてもよく、その個数としては、単数でも複数
でもよい。
【0104】その後、1%シュ石酸アンモニウム溶液を
電解液として用い、信号配線31及び下部電極32の端
子部分を除いた表面を陽極酸化して、陽極酸化膜を形成
する。この端子部分は外部駆動回路と接続を行う箇所で
ある。この実施例では、電解液の液温度を約25℃、化
成電圧を約27V、化成電流を約0.7mAとした条件
で陽極酸化を行い、厚み600オングストロームのTa
25からなる陽極酸化膜を得た。
【0105】次に、この状態にある基板の上に、スパッ
タリング法などにより上部電極34となる金属薄膜を、
例えば厚み4000オングストロームで形成し、これを
フォトリソグラフィー法などにより長さ20μm、幅6
μmの形状にパターンニングして上部電極34とする。
上部電極34には、一般にTa,Ti,Cr,Alなど
が用いられるが、この実施例ではTiを用いた。
【0106】次に、ITOなどからなる透明導電膜を積
層し、これをパターンニングして画素電極35を形成し
て素子側基板50とする。
【0107】次に、対向基板51を作製する。詳細に
は、ガラス基板41上に、前記信号配線31と交差する
状態でITOなどからなる透明導電膜をストライプ状に
形成した対向側電極38を設ける。この実施例では、厚
み1000オングストローム、0.3mmピッチの透明
導電膜を形成した。尚、更にカラーフィルタ層を併せて
形成しておくと、カラー表示を行うことも可能である。
なお、素子側基板50と対向基板51との作製順序は、
上記とは逆でもよく、或は予め作製したものを使用して
もよい。
【0108】次に、素子側基板50及び対向基板51の
上に、配向膜39を形成する。この時の処理温度は約2
00℃とした。その後、この配向膜39にラビング処理
を行う。この実施例では90度ねじれとなるように配向
処理を行った。
【0109】次に、一方の基板に熱硬化性シール剤を塗
布し、他方の基板にスペーサを散布し、両基板の配線が
形成された側を対向させて貼り合わせ、加熱圧着する。
この時の処理温度は約150〜200℃とした。
【0110】その後、両基板の隙間液晶を注入して封止
し、液晶セルを得る。
【0111】次に、作製された液晶セルの前面に、単体
での透過率が44.5%、偏光度が96.5%の透過型偏
光板42を配置し、また液晶セルの背面に、同一の偏光
板にA1反射板を設けた反射板付き偏光板43を配置す
る。これにより本実施例の液晶表示装置が作製される。
【0112】したがって、このようにして作製された液
晶表示装置においては、窒素を含有するTaN焼結体タ
ーゲットを用いてスパッタリングを行うので、窒素のア
ルゴンに対するガス流量比を、流量制御が困難となる4
%付近より低くすることができ、これにより窒素ガスを
スパッタチャンバー内に均一に流すことが可能となり、
スパッタ装置での均一化制御の精細な制御を行うことが
できる。よって、絶縁層の膜厚ムラを防止でき、MIM
素子の非線形性のバラツキを極めて小さくすることがで
きる。
【0113】また、TaN焼結体ターゲットに含有され
ている窒素と、スパッタガスとしてのアルゴンに混合さ
れた窒素ガスとにより、熱処理に対するMIM素子の非
線形性の低下を防止することが可能な窒素をTa薄膜中
に十分に取り込むことができる。このため、図24に示
す非線形性Bを大きくできる窒素量となるように、Ta
薄膜中に窒素をドープできるため、液晶セル作製上の熱
履歴によるMIM素子の特性劣化を防止することができ
る。更には、TaN焼結体ターゲットの含有窒素量が少
量としてもよいので、Ta格子間の距離が広くなり、電
流が流れ易くなる。つまり、β−Ta薄膜に近い、それ
以上の良好な素子特性が得られる。
【0114】更に、図23(a)、(b)に示すスパッ
タ装置を用いる場合には、基板がターゲット52と対向
する部分と非対向部分とを交互に通過するため、Ta薄
膜の構造は、図3に示すように、窒素含有量が少ないT
a部(poor部)と窒素含有量が多いTa部(ric
h部)とが、交互に存在する状態とすることができる。
poor部とrich部とでは挙動が異なり、rich
部で熱安定性が得られ、poor部で電流を流れ易くで
きる。また、作製されたMIM素子の電圧−電流特性
は、図8に示した状態となり電圧−電流特性の対称性も
良好である。
【0115】図25は、本実施例で作製した下部電極
(Ta薄膜)の面抵抗のバラツキを示す。この図25に
おいて、(a)は窒素3mol%を含有した焼結ターゲ
ット、アルゴンガスに窒素ガス濃度2%に調整した本実
施例の場合である。また、(b)は窒素濃度5%を含有
した焼結ターゲットにアルゴンガスのみをスパッタガス
として使用した比較例3の場合、(c)は純度99.9
9%のTaをターゲットとして、アルゴンガスに窒素ガ
ス2.9%に調整した比較例4の場合、(d)は純度9
9.99%のTaをターゲットとして、アルゴンガスに
窒素ガス4.3%に調整した比較例5の場合である。
【0116】この図から理解されるように、本実施例で
は比較例3、4、5と比較して均一な膜厚が作成されて
おりバラツキの少ない素子特性が得られる。
【0117】図26は単位面積当りのスパッタパワーと
電気伝導係数lnAとの関係を示す。この図より理解さ
れるように、lnAは−32より小さい場合には、素子
の双方向性がなくなり、特性上好ましくない。この為、
スパッタパワーは、4W/cm2以上とするのがよい。
但し、lnAを大きくし過ぎると、スパッタパワーが大
きくなり、スパッタ装置への負担が大きくなるので好ま
しくない。また、係数BはMIM素子の抵抗の非線形性
を示すため、係数Bを大きくすることによりしきい値電
圧付近の電圧比(Von/Voff)を大きくとれ、こ
れにより液晶表示装置の高コントラスト化が可能とな
る。
【0118】表4は、本実施例の液晶表示装置における
MIM素子と比較例6〜9のMIM素子とにおける素子
特性及びコントラスト比を示す。なお、実施例1は直線
搬送スパッタ装置により素子を作製した場合であり、実
施例2は回転方式スパッタ装置により素子を作製した場
合である。また、比較例6はTaN焼結ターゲットを使
用しアルゴンガスのみ使用した場合、比較例7と8はア
ルゴンガスと窒素との混合ガスと純粋なTaターゲット
を使用した場合、比較例9はTaN焼結ターゲットを使
用せず、かつ、アルゴンガスのみ使用した場合である。
【0119】
【表4】
【0120】この表4より理解されるように、TaN焼
結ターゲットを用いて、かつ、スパッタガスにアルゴン
と窒素の混合ガスを用いた本実施例1、2の場合は、ア
ルゴンガスと窒素との混合ガスと純粋なTaターゲット
を使用した比較例7,8と比べて、係数A、Bとも良好
な特性が得られている。また、TaN焼結ターゲットを
使用せず、かつ、アルゴンガスのみ使用した比較例9よ
りも、係数A、Bとも良好な特性が得られている。よっ
て実施例1、2のMIM素子においては、リーク電流が
小さく、非線形性が良好である。なお、前述した図35
における実線は実施例1の場合であり、二点鎖線は比較
例6の場合、破線は比較例7の場合、一点鎖線は比較例
8の場合である。この図35からも、本発明による場合
には、温度による悪影響を余り受けず、コントラスト比
が良好であることが理解される。なお、上記実施例で
は、窒素を3mol%含有するTaN焼結体ターゲット
22を使用しているが、本発明はこれに限らず、窒素を
5mol%以下で含有するTaN焼結体ターゲットを使
用することができる。より好ましくは、窒素量は3mo
l%以下がよい。また、上記実施例ではアルゴンガスと
窒素ガスとの総流量に対して窒素ガス濃度が2%となる
ように窒素ガスをチャンバ24内に導入しているが、本
発明はこれに限らず、総流量に対して窒素ガス濃度が4
%以下となるように窒素ガスを導入してもよい。より好
ましくは、窒素ガス濃度は2%以下であるのがよい。
【0121】以上詳述したように、本実施例3によれ
ば、TaN焼結体ターゲットに含有されている窒素と、
スパッタガスとしてのアルゴンに混合された窒素ガスと
により、2端子非線形素子の下部電極を形成できるた
め、電流を流れ易くするのをより確実にすることが可能
となる。加えて、素子特性のバラツキを抑え、成膜均一
性に優れており、さらに熱安定性と非線形性とを両立さ
せて2端子非線形素子を提供することが可能となる。ま
た、表示特性でもコントラストの温度依存性がみられ
ず、高コントラストで高品位な表示を得ることができ
る。
【0122】(実施例4)本発明の更に他の実施例につ
いて説明する。
【0123】本実施例4は、熱安定性と非線型性とを両
立させ、かつ、電流を流れ易くし、しかも残像および熱
劣化の発生を防止する場合である。そのために、Poo
le−Frenkel電流効果が得られるようにし、ま
た残像を防止すべく、I−V特性の対称性をよくし、更
にI−V特性の熱劣化がないようにする。
【0124】図27に本発明の1実施例である2端子非
線型素子を液晶表示装置のスイッチング素子として形成
した場合の素子側基板の平面図を示し、図28に図27
のA−A′の断面図を示す。
【0125】この素子側基板においては、ベースコート
絶縁膜67が形成されたガラス基板66の上に、Ta薄
膜からなる信号配線61及び信号配線61から分岐され
た下部電極62が形成されており、信号配線61、下部
電極62の上を覆うように陽極酸化絶縁膜63が形成さ
れている。その上にはTa、Ti、Cr、Alなどから
なる上部電極64が形成されていて、MIM素子となっ
ており、ITO透明導電膜などからなる画素電極65と
電気的に接続されている。
【0126】このような構成の素子側基板は、例えば以
下のようにして作ることができる。尚、この実施例では
液晶セルの仕様を640×480ドット、0.3ミリピ
ッチの反射型モノクロTN液晶モードとし、更に、信号
配線の幅を40μm、MIM素子サイズを6×5μmと
し、MIM素子の容量と液晶の容量との比がほぼ1:1
0となるように条件を設定した。
【0127】まず、ガラス基板66の上に、スパッタリ
ング法などによりTa25 などからなる厚み5000
オングストロームのベースコート絶縁膜67を形成す
る。ガラス基板66としては、例えば無アルカリガラ
ス、ホウケイ酸ガラス又はソーダライムガラスなどから
なるガラス基板を用いることができる。この実施例では
コーニング社製#7059のフュージョンパイレックス
ガラスを用いた。ベースコート絶縁膜67は省略するこ
ともできるが、形成している場合には、その上に形成す
る薄膜へのガラス基板66からの汚染などを防ぐことが
でき、更に良好な特性を得ることができる。
【0128】次に、この状態のガラス基板66上に信号
配線61及び下部電極62となるTa薄膜を、例えばリ
アクティブ方式スパッタリング法により厚み3000〜
3500オングストロームに形成する。このとき、Ta
ターゲットとしては純度99.99%のTaを3枚使用
し、これらを基板の流れる方向に対して直列に配置して
おく。また、反応ガスとしては、アルゴンと窒素とを使
用し、アルゴンガスと窒素ガスとの総流量に対して窒素
ガス濃度を2.2%、2.9%、3.6%、4.3%、
8.3%となるように調整してスパッタリングを行っ
た。また、Taターゲット同士の間隔、スパッタパワー
および搬送速度などの条件を適宜調整して窒素含有量の
少ないTa部(poor部)および窒素含有量の多いT
a部(rich部)の厚みを調整することもできる。こ
の実施例ではターゲット同士の間隔を10cm、ターゲ
ットサイズを5インチ×16インチ、スパッタパワーを
3.5kW〜4.5kW(電流8.5A、電圧410V
〜530V)、搬送速度を460mm/minとしてス
パッタリングを行った。
【0129】次に、上記のようにして形成したTa薄膜
をフォトリソグラフィー法により所定の形状パターンニ
ングして信号配線61及び下部電極62とする。
【0130】その後、1%シュ石酸アンモニウム溶液を
電解液として用い、信号配線61及び下部電極62の外
部駆動回路との接続を行う端子部分を除いた表面を陽極
酸化して陽極酸化膜を形成する。この実施例では電解液
の液温度を約25℃、化成電圧を約27V、化成電流を
約0.7mAとした条件で陽極酸化を行い、厚み600
オングストロームのTa25からなる陽極酸化膜を得
た。なお、電解液としては、他にクエン酸、リン酸、ホ
ウ酸アンモニウムなどが知られているが、種々検討した
結果、アンモニウム基を有するホウ酸アンモニウム並び
に酒石酸アンモニウムを使用した場合、表5に示すよう
に、MIM素子のI−V特性の正負対称性が良好である
ことがわかった。尚、好ましくは、実施例で示した1w
t%の酒石酸アンモニウムが最も対称性の良いI−V特
性が得られる。このことは、上述した各実施例において
適用することができ、その場合にもMIM素子における
I−V特性の正負対称性を良好にすることが可能であ
る。
【0131】
【表5】
【0132】次に、この状態の基板前面にスパッタリン
グ法などにより、上部電極64となる金属薄膜を、例え
ば厚み4000オングストロームで形成し、これをフォ
トリソグラフィー法などにより、長さ20μm、幅6μ
mの形状にパターンニングして上部電極64とする。
【0133】上記陽極酸化膜を間に挟む上部電極64と
下部電極62との間でMIM素子が形成される。上部電
極64には、一般にTa、Ti、Cr、Alなどが用い
られるが、この実施例ではTiを用いた。
【0134】更に、ITOなどからなる透明導電膜を積
層し、これをパターンニングして画素電極5を形成して
素子側基板とする。
【0135】この素子側基板は、対向基板と貼り合わせ
て液晶セルを構成する。対向側基板には、素子側基板6
6に形成された信号配線61に直交する状態でITOな
どからなる透明導電膜がストライプ状に形成された対向
側電極が設けられる。この実施例では厚み1000オン
グストローム、0.3mmピッチの透明導電膜を形成し
た。尚、更にカラーフィルタ層を併せて形成しておく
と、カラー表示を行うことも可能である。
【0136】上記のようにして得られた素子側基板と、
対向側基板とから液晶セルを作製する工程は、以下のよ
うにして行うことができる。
【0137】まず、素子側基板及び対向側基板の上に配
向膜を形成する。このときの処理温度は約200℃とし
た。その後、この配向膜にラビング処理を行う。この実
施例では90度ねじれになるように配向処理を行った。
【0138】次に、一方の基板に熱硬化性シール剤を塗
布し、他方の基板にスペーサを散布し、両側基板の配線
が形成された側を対向させて貼り合わせ加熱圧着する。
このときの処理温度は約150〜200℃である。その
後、両基板の隙間に液晶を注入して封止することによ
り、液晶セルとする。
【0139】更に、液晶セルの前面に、単体透過率4
4.5%、偏光度96.5%の透過型偏光板を配置す
る。また、液晶セルの背面に、同一の偏光板にAl反射
板を設けた反射板付き偏光板を配置して電気光学特性を
付与する。
【0140】図29は、上述のように窒素ガス濃度を変
化させてリアクティブ方式スパッタリング法により成膜
されたTa薄膜の窒素濃度と比抵抗との関係をグラフ化
した図であり、併せてこの液晶セルを点灯評価したとき
の表示特性を示している。
【0141】この図29より理解されるように、下部電
極の比抵抗を一点鎖線にて示すように90μΩcm以上
165μΩcm以下(又は面抵抗を2.73Ω/口以上
5.00Ω/口以下)とすることにより、液晶セルを点
灯しても熱劣化および残像が発生するのを防止できる。
更には、破線にて示すように105μΩcm以上150
μΩcm以下(又は面抵抗を3.18Ω/口以上4.5
5Ω/口以下)にすることにより、より安定した領域を
確保することができ好ましい。なお、窒素ガス濃度が
8.3%の場合には、比抵抗が82.5μΩcm(又は
面抵抗が2.48Ω/口)前後の値を示しており、表示
としては残像の発生が顕著であった。
【0142】なお、上記実施例では信号配線61及び下
部電極62となるTa薄膜の形成にリアクティブ方式ス
パッタリング法を使用しているが、TaN焼結体ターゲ
ット方式スパッタリング法を用いることができる。この
TaN焼結体ターゲット方式スパッタリング法において
は、ベースコート膜形成ガラス基板66上に、信号配線
61および下部電極62となるTa薄膜を厚み3000
〜3500オングストロームに形成する。このとき、T
aN焼結体ターゲットとしては窒素ガス濃度を3mol
%、5mol%、7mol%、15mol%含有する焼
結体ターゲットを使用してスパッタリングを行った。ま
た、雰囲気ガスは窒素ガスを含まないArからなるもの
を使用した。
【0143】スパッタリング方法としては各種の方法が
知られているが、本実施例としてはインライン(直線搬
送)スパッタ方法を用いた。インラインスパッタ方式と
しての条件は、ガス圧を0.4Pa、設定するDCパワ
ーを5.3W/cm2 (ターゲット単位面積当りのスパ
ッタパワー)、基板加熱温度を100℃、基板加熱時間
を180秒、基板搬送速度を100mm/min、基板
とターゲットとの距離を77mmとした。
【0144】この条件下でスパッタリングを行った場
合、スパッタレートは300〜600オングストローム
/ min程度であった。
【0145】図30は、TaN焼結体ターゲット中の窒
素濃度と成膜されたTa薄膜の比抵抗との関係をグラフ
化した図であり、併せてこの液晶セルを点灯評価したと
きの表示特性を示している。なお、この図において、T
aN焼結体ターゲット中の窒素濃度を0mol%、3m
ol%、5mol%、7mol%、15mol%と変え
ている。
【0146】この図より理解されるように、下部電極の
比抵抗を一点鎖線にて示すように70μΩcm以上16
5μΩcm以下(又は面抵抗を2.12Ω/口以上5.
00Ω/口以下)とすることにより、液晶セルを点灯し
ても熱劣化および残像が発生するのを防止できる。更に
は、破線にて示すように85μΩcm以上150μΩc
m以下(又は面抵抗を2.58Ω/口以上4.55Ω/
口以下)にすることにより、より安定した領域を確保す
ることができ好ましい。また、窒素ガス濃度を15mo
l%にした場合には、比抵抗が75.9μΩcm(面抵
抗2.3Ω/口)前後の値を示し、表示に残像が発生し
不均一な表示を示した。
【0147】なお、上記実施例では、リアクティブ方式
スパッタリング法により、又はTaN焼結体ターゲット
方式スパッタリング法により下部電極を形成している
が、本発明はこれに限らず、リアクティブ方式スパッタ
リング法とTaN焼結体ターゲット方式スパッタリング
法を合わせた製造方法を採用することができる。
【0148】図31は、この製造方法による場合おい
て、チャンバに導入する窒素ガス濃度と得られた下部電
極の比抵抗との間の関係を示しており、TaN焼結体タ
ーゲット中の窒素ガス濃度を3mol%と5mol%と
で変えている。また、図35は、この製造方法による場
合おいて、TaN焼結体ターゲット中の窒素ガス濃度と
得られた下部電極の比抵抗との間の関係を示しており、
チャンバに導入した窒素ガス濃度を2%と4%とで変え
ている。
【0149】これら両図より理解されるように、リアク
ティブ方式スパッタリング法とTaN焼結体ターゲット
方式スパッタリング法とを組み合わせた製造方法による
場合には、80μΩcm以上165μΩcm以下(又は
面抵抗を2.42Ω/口以上5.00Ω/口以下)にす
るのがよく、特に95μΩcm以上150μΩcm以下
(又は面抵抗を2.88Ω/口以上4.55Ω/口以
下)にするのが好ましい。
【0150】以上詳述したように、本実施例4によれ
ば、2端子非線型素子を構成する下部電極の比抵抗の領
域を上述の範囲とすることにより、残像および熱劣化の
発生を防止することができることに加えて、素子特性の
熱安定性及びバラツキを抑えることができ、成膜均一性
に優れた下部電極を得ることが可能となる。更に、2端
子非線型素子は、電流−電圧特性の正負対称性にも優れ
ているので、表示特性においてもコントラストの温度依
存性が見られず、高コントラストで高品位な表示を得る
ことができる。
【0151】また、本実施例4においては、リアクティ
ブ方式スパッタリング法において用いるアルゴンガスの
代わりにクリプトンガスを使用することができ、その場
合においても同様な効果が得られることはもちろんであ
る。
【0152】上述した各実施例において明言していない
が、本発明においては、例えば代表して図1に示すよう
に、MIM素子等の2端子非線形素子を信号配線1から
分岐し、かつ、画素電極5から独立した島状構造とする
配置法を採用している。この配置法を採用した場合に
は、2端子非線形素子の形状をバラツキなく均一にして
2端子非線形素子を形成することが可能となる。
【0153】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明による場合
には、バラツキのない優れた非線形性を有し、2端子非
線形素子形成後の熱処理による非線形性の低下を防ぐこ
とができる、熱安定性と非線形性とを両立させた2端子
非線形素子を提供することができる。また、上述の熱安
定性と非線形性とを両立させると共に、電流を流れ易く
できる2端子非線形素子を提供することができる。更
に、上述の熱安定性と非線形性とを両立させ、かつ、電
流が流れ易く、しかも残像および熱劣化の発生を抑制す
ることができる2端子非線形素子を提供することができ
る。加えて、電解液として、アンモニウム基を有する溶
液を使用することにより、2端子非線形素子のI−V特
性の正負対称性を良好にすることができる。また、島状
構造とする配置法を採用した場合には、2端子非線形素
子の形状をバラツキなく均一にして2端子非線形素子を
形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のMIM素子を示す平面図である。
【図2】図1のA−A’線断面図である。
【図3】実施例のTa薄膜(窒素ガス濃度4.3%)14
+2次イオンプロファイル(Ta薄膜中の窒素の深さ
方向分布)を示す図である。
【図4】従来のTa薄膜(窒素ガス濃度5%)の14+
2次イオンプロファイル(Ta薄膜中の窒素の深さ方向
分布)を示す図である。
【図5】実施例のMIM素子について、窒素ガス濃度に
対する非線形性の関係を示す図である。
【図6】実施例のTa薄膜(窒素ガス濃度4.3%)の
X線強度プロファイルを示す図である。
【図7】実施例のTa薄膜(窒素ガス濃度8.3%)の
X線強度プロファイルを示す図である。
【図8】実施例のMIM素子(窒素ガス濃度4.3%)
の電圧−電流特性図である。
【図9】実施例のMIM素子(窒素ガス濃度4.3%)
を用いた液晶表示装置の電気光学特性(1/480Du
ty 70Hz)を示す図である。である。
【図10】MIM方式の2端子非線形素子を液晶表示装
置のスイッチング素子として形成した素子側基板を示す
斜視図である。
【図11】図10の素子側基板を用いて作製した液晶表
示装置を示す断面図である。
【図12】本実施例により得られたMIM素子の電流−
電圧特性を示す図である。
【図13】本実施例により得られたMIM素子と比較例
のMIM素子との電流−電圧特性を示す図である。
【図14】本実施例により得られたMIM素子と比較例
のMIM素子とのプールフレンケルプロットを示す図で
ある。
【図15】実施例及び比較例のMIM素子を用いた液晶
表示装置の表示コントラスト比の温度依存性を示す図で
ある。
【図16】TaN焼結体ターゲットを用いたスパッタリ
ングにより成膜したTa中の窒素濃度と、そのTaを下
部電極に使用して作製したMIM素子の非線形性Bとの
関係を示す図である。
【図17】窒素ノンドープでスパッタリングして成膜し
たTaの比抵抗とスパッタ時のパワーとの関係を示す図
である。
【図18】窒素ノンドープでスパッタリングして成膜し
たTaを使用して作製したMIM素子の電気伝導度ln
Aないしは非線形性Bとスパッタ時のパワーとの関係を
示す図である。
【図19】TaN焼結体ターゲットを用いたスパッタリ
ングにより成膜したTaを下部電極に使用して作製した
MIM素子の電気伝導度lnAとTaスパッタ時のパワ
ーとの関係を示す図である。
【図20】本発明に係る液晶表示装置を示す断面図であ
る。
【図21】本発明に係る液晶表示装置を構成する素子側
基板を示す平面図である。
【図22】図21のA−A’線による断面図である。
【図23】(a)は直線搬送スパッタ装置を示す模式正
面図、(b)は回転方式スパッタ装置を示す模式平面図
である。
【図24】窒素ガス濃度と非線形性Bとの関係を示す図
である。
【図25】本実施例の下部電極(Ta薄膜)の面抵抗の
バラツキを、比較例1、2、3と併せて示す図である。
【図26】単位面積当りのスパッタパワーと電気伝導係
数lnAとの関係を示す図である。
【図27】本発明に係る液晶表示装置を構成する素子側
基板を示す平面図である。
【図28】本発明に係る液晶表示装置を示す断面図であ
る。
【図29】リアクティブ方式スパッタリング法により成
膜されたTa薄膜の窒素濃度と比抵抗との関係をグラフ
化した図であり、併せてこの液晶セルを点灯評価したと
きの表示特性を示している。
【図30】TaN焼結体ターゲット中の窒素濃度と成膜
されたTa薄膜の比抵抗との関係をグラフ化した図であ
り、併せてこの液晶セルを点灯評価したときの表示特性
を示している。
【図31】リアクティブ方式スパッタリング法とTaN
焼結体ターゲット方式スパッタリング法を合わせた製造
方法による場合おいて、チャンバに導入する窒素ガス濃
度と得られた下部電極の比抵抗との間の関係を示した図
である。
【図32】リアクティブ方式スパッタリング法とTaN
焼結体ターゲット方式スパッタリング法を合わせた製造
方法による場合おいて、TaN焼結体ターゲット中の窒
素ガス濃度と得られた下部電極の比抵抗との間の関係を
示した図である。
【図33】従来のMIM素子(β−Ta)の各工程毎の
非線形性を示す図である。
【図34】従来のMIM素子の窒素ガス濃度に対する非
線形性の関係を示す図である。
【図35】温度とコントラスト比との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 信号配線 2 下部電極 3 陽極酸化膜 4 上部電極 5 画素電極 6 ガラス基板 7 ベースコート絶縁膜 11 信号配線 12 下部電極 13 上部電極 14 画素電極 15 素子側基板 16 ベースコート絶縁膜 17 MIM素子 18 対向側電極 19 配向膜 20 液晶層 21 対向側基板 22 表側偏光板 23 裏側偏光板 24 本実施例のI−V特性 25 比較例(窒素2.9vol%、ドープTa)のI
−V特性 26 比較例(窒素4.3vol%、ドープTa)のI
−V特性 27 本実施例のプールフレンケルプロット 28 比較例(窒素2.9vol%、ドープTa)のプ
ールフレンケルプロット 29 比較例(窒素4.3vol%、ドープTa)のプ
ールフレンケルプロット 31 信号配線 32 下部電極 33 陽極酸化絶縁膜 34 上部電極 35 画素電極 36 ガラス基板 37 ベースコート絶縁膜 38 対向側電極 39 配向膜 42 偏光板 43 反射板付き偏光板 50 素子側基板 51 対向基板 52 ターゲット 53 タンク 53a 流量調節弁 54 チャンバ 61 信号配線 62 下部電極 63 陽極酸化絶縁膜 64 上部電極 65 画素電極 66 ガラス基板 67 ベースコート絶縁膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】この2端子非線形素子において以下のよう
にすることができる。即ち、前記窒素含有量の少ないT
a部における14+181Ta+に対する2次イオン強度
比:前記窒素含有量の多いTa層における14+181
+に対する2次イオン強度比=1:1.54〜1.7
1近傍であり、該下部電極における窒素を含有するTa
相構造の結晶格子ミラー指数(110)のX線強度:結
晶格子ミラー指数(002)のX線強度=1:0.24
8近傍であるようにすることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】図6に、窒素ガス濃度を4.3%として下
部電極を形成した場合のX線解析プロファイルを示し、
図7に窒素ガス濃度を8.3%として下部電極を形成し
た場合のX線解析プロファイルを示す。ここで、結晶格
子ミラー指数(110)のピークはα相構造のTa(α
−Ta)を示し、結晶格子ミラー指数(002)のピー
クはβ−Taを示す。図6より理解されるように、窒素
ガス濃度を本発明の範囲内の4.3%とした場合には、
(110)のX線強度:(002)のX線強度=1:
0.248となる。一方、図7より理解されるように、
窒素ガス濃度を本発明の範囲外の8.3%とした場合に
は、(110)のX線強度:(002)のX線強度=
1:0.064となった。また、窒素ガス濃度を本発明
の範囲内の4.3%として下部電極を形成した場合に
は、図3に示すように、poor部の14+2次イオン
強度比:rich部の14+2次イオン強度比=1:
1.54〜1.71倍となった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正内容】
【0119】
【表4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図26
【補正方法】変更
【補正内容】
【図26】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石本 佳久 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 清家 武士 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 的場 正和 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素をドープしたTa薄膜からなる下部
    電極と金属薄膜からなる上部電極との間に、該下部電極
    を陽極酸化して陽極酸化膜が形成され、該下部電極が基
    板上に形成された構成となっている2端子非線形素子に
    おいて、 該下部電極が、窒素含有量の少ないTa部および窒素含
    有量の多いTa部を交互に有する2端子非線形素子。
  2. 【請求項2】 前記窒素含有量の少ないTa部における
    14+181Ta+に対する2次イオン強度比:前記窒素
    含有量の多いTa層における14+181Ta+に対する
    2次イオン強度比=1:1.54〜1.71近傍であ
    り、該下部電極における窒素を含有するTa相構造の結
    晶格子ミラー指数(110)のX線強度:結晶格子ミラ
    ー指数(200)のX線強度=1:0.248近傍であ
    る請求項1に記載の2端子非線形素子。
  3. 【請求項3】 前記下部電極が、3枚以上のターゲット
    を直列に配置したリアクティブ方式スパッタリング法を
    用い、アルゴンガスと窒素ガスとの総流量に対する窒素
    ガス濃度が3%以上7%以下となるように窒素ガス流量
    を調整しながら、基板を連続搬送した状態で形成された
    ものである請求項1または2に記載の2端子非線形素
    子。
  4. 【請求項4】 窒素をドープしたTa薄膜からなる下部
    電極と金属薄膜からなる上部電極との間に、該下部電極
    を陽極酸化して陽極酸化膜が形成され、該下部電極が基
    板上に形成された構成となっている2端子非線形素子に
    おいて、 該下部電極が、窒素含有量が4mol%以上7mol%
    以下のTaN焼結体ターゲットを使用して形成されてい
    る2端子非線形素子。
  5. 【請求項5】 前記下部電極が、DCスパッタリング法
    を使用して、前記上部電極と該下部電極との間を流れる
    プールフレンケル電流で示される抵抗係数1nAが−2
    8以下−32以上の範囲となるスパッタパワー条件で成
    膜された請求項4に記載の2端子非線形素子。
  6. 【請求項6】 前記下部電極が、スパッタパワーを2.
    2kW以上3.2kW以下とし、また前記基板の加熱温
    度を100℃、基板の加熱時間を180秒、基板の搬送
    速度を100mm/min、基板と前記TaN焼結体タ
    ーゲットとの間の距離を77mm、スパッタガス圧を
    0.40Paとしたスパッタ条件によって成膜された請
    求項5に記載の2端子非線形素子。
  7. 【請求項7】 窒素をドープしたTa薄膜からなる下部
    電極と金属薄膜からなる上部電極との間に、該下部電極
    を陽極酸化して陽極酸化膜が形成され、該下部電極が基
    板上に形成された構成となっている2端子非線形素子に
    おいて、 該下部電極が、アルゴンガスと窒素ガスとの総流量に対
    する窒素ガス濃度を4%以下に調整したガス雰囲気中
    で、5mol%以下で窒素を含有するTaN焼結体ター
    ゲットを用いたスパッタリング法で形成されている2端
    子非線形素子。
  8. 【請求項8】 前記下部電極が、前記TaN焼結体ター
    ゲットの単位面積当りスパッタパワーを4W/cm2
    上として形成されている請求項7記載の2端子非線形素
    子。
  9. 【請求項9】 前記下部電極が、複数のターゲットを用
    いた直線搬送方式スパッタリング法、又は、単数若しく
    は複数のターゲットを用いた回転搬送方式スパッタリン
    グ法により形成されている請求項7記載の2端子非線形
    素子。
  10. 【請求項10】 窒素をドープしたTa薄膜からなる下
    部電極と金属薄膜からなる上部電極との間に、該下部電
    極を陽極酸化して陽極酸化膜が形成され、該下部電極が
    基板上に形成された構成となっている2端子非線形素子
    において、 該下部電極の比抵抗が70μΩcm以上165μΩcm
    以下である2端子非線形素子。
  11. 【請求項11】 前記下部電極が、アルゴンガス又はク
    リプトンガスに窒素ガスを混合してなる反応ガスを用い
    たリアクティブ方式スパッタリング法により形成され、
    該下部電極の比抵抗が90μΩcm以上165μΩcm
    以下である請求項10に記載の2端子非線形素子。
  12. 【請求項12】 前記下部電極の比抵抗が105μΩc
    m以上150μΩcm以下である請求項11に記載の2
    端子非線形素子。
  13. 【請求項13】 前記下部電極が、TaN焼結体ターゲ
    ットを使用して形成され、該下部電極の比抵抗が70μ
    Ωcm以上165μΩcm以下である請求項10に記載
    の2端子非線形素子。
  14. 【請求項14】 前記下部電極の比抵抗が85μΩcm
    以上150μΩcm以下である請求項13に記載の2端
    子非線形素子。
  15. 【請求項15】 前記下部電極が、アルゴンガス又はク
    リプトンガスに窒素ガスを混合してなる反応ガスを用い
    たリアクティブ方式スパッタリング法と、TaN焼結体
    ターゲットを使用するスパッタリング法とを組み合わせ
    て形成され、該下部電極の比抵抗が80μΩcm以上1
    65μΩcm以下である請求項10に記載の2端子非線
    形素子。
  16. 【請求項16】 前記下部電極の比抵抗が95μΩcm
    以上150μΩcm以下である請求項15に記載の2端
    子非線形素子。
  17. 【請求項17】 前記陽極酸化膜が、アンモニア基を含
    む溶液による陽極酸化法により形成されている請求項1
    乃至16に記載の2端子非線形素子。
  18. 【請求項18】 前記基板上に、島状構造からなる配置
    法を用いて形成されている請求項1乃至17に記載の2
    端子非線形素子。
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