JP3222649B2 - 2端子非線形素子 - Google Patents

2端子非線形素子

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JP3222649B2
JP3222649B2 JP21075093A JP21075093A JP3222649B2 JP 3222649 B2 JP3222649 B2 JP 3222649B2 JP 21075093 A JP21075093 A JP 21075093A JP 21075093 A JP21075093 A JP 21075093A JP 3222649 B2 JP3222649 B2 JP 3222649B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置などに用
いられる、MIM(Metal−Insulator−
Metal)構造を有する2端子非線形素子に関する。
【0002】
【従来の技術】上記液晶表示装置は、マン−マシン−イ
ンターフェースを狙うディスプレイの中でも、ブラウン
管を凌ぐ表示品位であり、薄型・軽量・低消費電力・長
寿命などの特性を有していることから、近年OA(オフ
ィス・オートメーション)、AV(オーディオ・ビジュ
アル)用途をはじめ、各分野の製品に搭載されるように
なってきた。特に表面画面の大型化、高解像度化に伴っ
て表示品位の更なる向上が望まれ、アクティブマトリク
ス駆動方式の液晶表示装置の需要がますます高まってい
る。
【0003】このアクティブマトリクス駆動方式の液晶
表示装置のうち、TFT(Thin-Film-Transistor)に代
表される3端子非線形素子をスイッチング素子として設
けた液晶表示装置は、その製造に関して6〜8回以上の
薄膜成膜工程およびフォトリソ工程が必要であり、製造
工程が煩雑であるため、コスト低減が最大の課題となっ
ている。これに対し、2端子非線形素子をスイッチング
素子として設けた液晶表示装置は、TFTなどの3端子
非線形素子を用いた液晶表示装置に対してコスト面で優
位性を有し、かつTN(Twisted−Nemati
c)タイプ、STN(Super-Twisted-Nematic)タイプ
などのパッシブタイプの液晶表示装置に対して表示品位
面で優位性を有しているので、急速な展開を示してい
る。
【0004】上記2端子非線形素子の代表的なものとし
ては、MIM(Metal-Insulator-Metal)型素子(以
下、MIM素子と称する)が知られている。このMIM
素子をスイッチング素子として設けた液晶表示装置にお
いては、画素電極およびMIM素子が設けられていた基
板と、対向電極が形成された基板との間に設けられた液
晶層に印加される電圧の急峻性が向上するので、表示画
面の大型化、高解像度化に伴う高デューティー駆動にお
いても高コントラストの表示が可能となる。
【0005】上記MIM素子は、下部電極と上部電極と
の間に絶縁膜が介装された構成を有している。例えば、
特公昭61−32673号公報、特公昭61−3267
4号公報、およびUSP4,413,883に開示され
ているように、タンタル薄膜を下部電極として用い、表
面を陽極酸化法により酸化して五酸化タンタル(Ta2
5)からなる絶縁層を形成し、さらにこの上部にチタ
ン、クロム、アルミニウムなどからなる上部電極を形成
することにより作製される。
【0006】上記MIM素子において非線形特性の双極
性の対称性を考慮した場合には、下部電極と上部電極と
は同一材料を使用し形成する方が望ましい。しかし、同
一材料を用いた場合には、上部電極のパターニングの際
に、下部電極を浸食することがあるので、フォトリソグ
ラフィーによるパターニングを行うことができない。よ
って、上部電極を形成する材料としては、上部電極のパ
ターニングの際に下部電極を浸食せず、かつMIM素子
の非線形特性の対称性を損なわない上記タンタル等のよ
うな材料を用いる必要がある。
【0007】図9は、液晶表示装置を構成する対向する
素子側基板と対向側基板とのうち、従来のMIM素子を
有する素子側基板の1画素分を示す。この素子側基板に
おいては、ガラス基板の上にタンタルからなる信号配線
1と、信号配線1から分岐された下部電極2とが形成さ
れており、下部電極2の表面を陽極酸化して得られた五
酸化タンタルからなる絶縁膜が形成されている。その上
にはチタンからなる上部電極5が形成され、絶縁膜を挟
む下部電極2と上部電極5とによりMIM素子が構成さ
れている。さらに、このMIM素子を覆って基板上に形
成されたITO(Indium-Tin-Oxide)などからなる画素
電極6が、MIM素子の上部電極5と電気的に接続され
ている。なお、図9中に示す島状部3は、信号配線1と
同一材料、同一工程で形成されており、この島状部3の
形成が無い場合に上部電極5が剥離しやすくなるのを防
止し、かつ上部電極5と画素電極6との電気的接触を良
好にし、オーミック接続としている。かかる基板は、素
子側基板と称されている。図10は、上述したMIM素
子9を有する素子側基板と、この素子側基板に対して間
に液晶層13を挟んで対向配設された対向側基板とを備
える液晶表示装置を示す断面図である。この図示例で
は、素子側基板は、ベースとなるガラス基板7の上にベ
ースコート絶縁膜8が形成され、このベースコート絶縁
膜8の上に、上述した構成のMIM素子9および信号配
線が形成されている。
【0008】一方、対向側基板は、ベースとなるガラス
基板10の上にベースコート絶縁膜8が形成され、この
ベースコート絶縁膜8の上に、信号配線に直交する状態
でITOなどからなるストライプ状の対向電極11が形
成されている。
【0009】これら両基板を貼り合わせ、間に液晶層1
3を設けることにより、液晶表示装置が構成されてい
る。
【0010】図10に示す液晶表示装置を作製する工程
は、以下のようにして行われる。
【0011】まず、素子側基板のガラス基板7上に、例
えば五酸化タンタルからなるベースコート絶縁膜8を形
成し、その上にスパッタリング法などにより信号配線お
よび下部電極となる、窒素ドープしたα相とβ相が混在
するタンタル薄膜を厚み3300オングストロームに積
層し、フォトリソグラフィー法により所定の形状にパタ
ーニングして、信号配線および下部電極を形成する。
【0012】その後、陽極酸化法により下部電極の表面
を酸化し、厚み600オングストロームの五酸化タンタ
ルからなる絶縁膜を形成する。
【0013】次に、この状態の基板全面にスパッタリン
グ法などにより上部電極となるチタンを厚み4000オ
ングストロームに積層し、フォトリソグラフィー法によ
り所定の形状にパターニングして上部電極とする。これ
により、MIM素子9が構成される。
【0014】さらに、ITO透明電極膜を厚み1000
オングストロームに積層し、これをパターニングして画
素電極6を形成する。
【0015】一方、対向側基板のガラス基板10上に、
前同様の材料からなるベースコート絶縁膜8を形成し、
その上に対向電極となるITO透明電極膜を厚み350
0オングストローム積層し、これをパターニングして対
向電極11を形成する。
【0016】次に、素子側基板および対向側基板上に、
それぞれ液晶分子を配向させるべくポリイミド系有機高
分子配向膜12を形成し、ラビング処理を行う。
【0017】次に、一方の基板にシール材を塗布し、他
方の基板にスペーサーを散布する。この状態の両基板を
対向させて貼り合わせ、加熱圧着する。
【0018】その後、両基板の隙間に液晶を注入して封
止し、液晶層13を設けることにより液晶表示装置が完
成する。なお、かかる構成の液晶表示装置の素子側基板
の外側に表側偏光板14が設けられ、対向側基板の外側
に裏側偏光板15が設けられる。
【0019】上記液晶表示装置においては、印加される
電圧は、2端子非線形素子であるMIM素子9の容量と
両基板により挟まれた液晶層13の容量との容量結合に
より分割される。よって、液晶を駆動し表示を得る為
に、MIM素子9の容量は液晶層13の容量の10分の
1以下に成るように設計される。例えば、液晶表示装置
の画素ピッチが360μm、液晶の比誘電率が8.6、
素子側基板と対向側基板との間の離隔距離(セルギャッ
プ)が4.5μm、五酸化タンタルの比誘電率が22、
厚みが600オングストロームの場合には、素子側基板
を法線方向から見たMIM素子9の面積は60μm2
度に形成される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した液
晶表示装置の作製工程において、素子側基板と対向側基
板とに形成される配向膜の配向処理を行うべくラビング
処理が行われるが、このラビング処理においては、MI
M素子が形成された基板表面をラビング布により擦られ
て発生する静電気により、MIM素子に過電圧が印加さ
れて素子破壊が起こり易い。
【0021】また、信号電極から分岐させて角状にパタ
ーニングされる下部電極の形成においては、角状パター
ンの線幅が数ミクロン以下になると、図11に示すよう
にエッチング後におけるMIM素子9のパターン線幅
(実線)が設計値(破線)より細くなる傾向がある。ま
た、図12に示すように、複数個のMIM素子9を隣接
して形成する場合、角状パターンの間隔がおよそ10ミ
クロン以下になると、図13に示すようにMIM素子9
の線間にエッチングされないで残った部分9aが存在
し、線間を十分にパターニングできない。
【0022】更に、上部電極の形成を行うフォトリソ工
程において、チタンエッチング時の寸法精度が下部電極
を形成するタンタルに比して悪く、オーバーエッチング
気味に仕上がるために、上部電極パターンの細りが発生
しやすい。また、該上部電極を形成するチタンは、ガラ
ス基板、或いはガラス基板表面を覆う、例えば五酸化タ
ンタルなどのベースコート膜、或いは下部電極を形成す
るタンタル膜に対し密着力が弱い。さらに、該上部電極
は、下部電極とのアライメント精度の問題から、アライ
メント精度を考慮し余裕を持たせた分だけの長さを必要
とするので、細長い形状となり剥離を生じやすい。
【0023】しかるに、従来の2端子非線形素子では、
静電気によって素子が破壊したりチタンからなる上部電
極がはがれたり、切れたりする欠陥が散見され、また下
部電極を形成するタンタルおよび上部電極を形成するチ
タンの線幅がばらつくために、形状の不均一に起因する
特性のばらつきによって、生産上の歩留まりが悪いとい
う問題点があった。
【0024】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するためのものであり、広い領域に渡って数多く均一
に、しかも欠陥の少ない状態で、歩留まりよく製造でき
る2端子非線形素子を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の2端子非線形素
子は、基板上に配線された信号配線と接続して下部電極
が設けられ、該下部電極との間に絶縁膜を介装して上部
電極が設けられた2端子非線形素子において、該下部電
極が、コの字状に、かつその両端を該信号配線に接続し
て形成され、該絶縁層が該下部電極の表面を陽極酸化法
により酸化して形成され、さらに該上部電極が下部電極
交差する状態形成されており、該下部電極のコの字
状の3辺のうち1辺の幅が他の辺の幅とは異なるので、
そのことにより上記目的が達成される。
【0026】
【0027】また、上部電極は、下部電極の材料である
金属よりもドライエッチング選択比の低い金属を使用
し、かつ上部電極の幅を下部電極の幅と同一以上にして
形成された構成とすることができる。
【0028】
【作用】本発明にあっては、下部電極がコの字状にかつ
その両端を該信号配線と接続した状態に形成されて
。このため、従来例の角状パターンに比べて、線間に
おけるパターニング精度を格段に向上させることが出来
る。従って、精度良くかつ詳細にパターニングを行うこ
とができるので、アライメント精度を考慮し余裕をもた
せた形状としても、開口率を高くすることができる。加
えて、剥離、破壊を生じにくい構造にもなっている。
【0029】さらに、下部電極と上部電極とを互いに複
数箇所で交差させた構成とした場合、その交差部で構成
される2端子非線形素子が並列に接続された冗長構造と
なっている。従って、一画素を駆動する2端子非線形素
子が2個以上設けられ、画素欠陥の低減をはかることが
出来る。また、下部電極を、コの字状に、かつその両端
を前記信号配線に接続して形成し、該下部電極上部電
極とを1箇所で交差する構成とすることにより、並列接
続された2端子非線形素子と同一素子容量を有し、サイ
ズの異なるシングル構造の2端子非線形素子を形成する
ことができる。
【0030】また、上部電極は、下部電極の材料である
金属よりもドライエッチング選択比の低い金属を使用
し、下部電極より電極幅を同じか、若しくはそれ以上と
することにより、エッチングの際のオーバーエッチング
が防止される。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基づき
説明する。
【0032】図1に本発明の一実施例である2端子非線
形素子を液晶表示装置のスイッチング素子として形成し
た場合の素子側基板の平面図を示し、図2に図1のA−
A’部の断面図を示す。この素子側基板は、ベースコー
ト絶縁膜8が形成されたガラス基板7上に、タンタル薄
膜からなる信号配線1および信号配線から分岐された下
部電極2が形成されており、信号配線1および下部電極
2の上を覆うように、絶縁膜4が形成されている。その
上には、チタン、クロムまたはアルミニウムなどからな
る上部電極5が形成されている。絶縁膜4を挟む下部電
極2および上部電極5によりMIM素子が構成されてい
る。更に、その上に形成されたITO透明電極などから
なる画素電極6が、上記MIM素子の上部電極5と電気
的に接続されている。なお、図1および図2中における
島状部3は、下部電極2と同一材料かつ同一工程で形成
され、上部電極5の剥離を防止し、上部電極5と画素電
極6との電気的接続を良好にしている。
【0033】このような構成の素子側基板は、例えば以
下のようにして作製することが出来る。尚、この実施
では、液晶表示装置の仕様を、画素数が640×400
ドット、画素ピッチが0.36mmの反射型モノクロT
N液晶モードとし、更に信号配線の幅を20μm、1個
のMIM素子サイズを5×6μmとし、MIM素子と液
晶層との容量比がほぼ1:10となるように条件設定し
た。
【0034】まず、ガラス基板7上にスパッタリング法
などにより五酸化タンタルなどからなる厚み3000オ
ングストロームのベースコート絶縁膜8を形成する。ガ
ラス基板としては、例えば石英ガラス、ホウケイ酸ガラ
ス、又はソーダライムガラスなどからなるガラス基板を
用いることが出来る。この実施例では、コーニング社製
#7059のフュージョンパイレックスガラスを用い
た。ベースコート絶縁膜は省略することができるが、形
成している場合にはその膜上に形成する薄膜へのガラス
基板内からの不純物汚染などを防ぐことができ、更に良
好な特性を得ることができる。
【0035】この状態のガラス基板上にスパッタリング
法により、信号配線、下部電極および島状部となるタン
タル薄膜を厚み3000オングストロームに形成する。
このとき、窒素濃度を5mol%含有する焼結体ターゲ
ットを使用し、反応ガスは流量200sccmでアルゴ
ンを使用し、スパッタガス圧は0.4Pa、DC−PO
WERは5.3W/cm2、基板加熱は100゜Cで3
分、基板搬送速度は100mm/min、基板とターゲ
ットとの間の距離は77mmとした条件で成膜した。
【0036】次に、上記のようにして形成したタンタル
薄膜をフォトリソグラフィー法により、図1に示すよう
な閉塞した形状にパターニングして信号配線1、下部電
極2および島状部3とする。この実施例では、下部電極
2の形状は、コの字状となし、その3辺2a、2b、2
cのうち2辺2a、2bの幅を5μm、もう1辺2cの
幅を6μmとし、中貫き(タンタル薄膜の無い部分)の
寸法が14μm角になるように設計した。このとき、3
辺とも幅を変えても良い
【0037】その後、1%酒石酸アンモニウム溶液を電
解液として用い、外部駆動回路との接続を行う信号配線
1の端部である端子部分を除き、信号配線1および下部
電極2の表面を陽極酸化して絶縁膜4を形成する。この
実施例では、電解液の液温を約25℃、化成電圧を31
ボルト、化成電流を約0.7mAとした条件で陽極酸化
を行い、厚み約600オングストロームの五酸化タンタ
ルからなる絶縁膜4を得た。
【0038】次に、この状態の基板上に、スパッタリン
グ法などにより上部電極となる金属薄膜を、例えば厚み
4000オングストロームで形成し、これをフォトリソ
グラフィー法などにより図1に示すような四角形をした
環状の閉塞した形状にパターニングして上部電極5とす
る。この実施例では、上部電極5は、下部電極2と交差
する2辺5a、5bの幅を6μm、中貫きの寸法を13
μmとなるように設計した。このとき、他の2辺5c、
5dの幅を変えても良い。
【0039】上記上部電極5および下部電極2が絶縁膜
4を間に挟んで対向する2箇所で5×6μmサイズのM
IM素子が形成され、2個のMIM素子が並列接続され
た状態となる。上部電極5には、一般にチタン、クロ
ム、アルミニウムなどが用いられるが、この実施例では
チタンを用いた。
【0040】続いて、ITOなどからなる透明導電膜を
積層し、これをパターニングして画素電極6を形成して
素子側基板とする。
【0041】一方、対向側基板は、素子側基板に形成さ
れた信号配線1に直交する状態でITOなどからなる透
明導電膜がストライプ状に形成され対向電極11を形成
する。この実施例では、厚み1000オングストロー
ム、0.36mmピッチの透明導電膜を形成した。尚、
更にカラーフィルター層を併せて形成しておくと、カラ
ー表示を行うことも出来る。
【0042】上記のように得られた素子側基板と対向基
板とから、液晶表示装置を作製する工程は以下のように
して行うことが出来る。
【0043】まず、素子側基板および対向側基板の上に
配向膜を12を形成する。この時の焼成温度は約200
℃とした。その後、この配向膜12にラビング処理を行
う。この実施例では、90度捻れとなるように配向処理
を行った。
【0044】次に、一方の基板に熱硬化性シール剤を塗
布し、他方の基板にスペーサを散布し、両側基板の配線
が形成された側を対向させて貼合わせて加熱圧着する。
このときの処理温度は、約150〜200℃である。そ
の後、両基板の隙間に液晶を注入して封止する。これに
より、液晶表示装置が完成する。
【0045】次に、液晶表示装置の前面に、単体透過率
44.5%、偏光度96.5%の透過型偏光板を配置す
る。また液晶表示装置の背面に、同一の偏光板にアルミ
の反射板を設けた反射板付き偏光板を配置して電気光学
特性を付与する。
【0046】したがって、本実施例の2端子非線形素子
においては、下部電極2がコの字状なった構造をして
おり、上部電極5が環状の閉塞した構造となっている。
このため、図3に示すように、従来例の角状パターンの
場合の線間におけるパターニング精度18に比べて、本
実施例による場合には線間におけるパターニング精度を
19に示すように格段に向上させることが出来る。加え
て、下部電極2及び上部電極5の形成面積が広いので、
剥離、破壊を生じにくい構造にもなっている。さらに、
下部電極2と上部電極5とを互いに2箇所で交差させた
構成としてあるので、その交差部で構成される2端子非
線形素子が並列に接続された冗長構造となっている。従
って、一画素を駆動する2端子非線形素子が2個以上設
けられ、画素欠陥の低減をはかることが出来る。また、
上部電極5を、下部電極2の材料である金属(タンタ
ル)よりもドライエッチング選択比の低い金属、例えば
チタンを使用し、下部電極2より電極幅を広くして形成
した場合には、エッチングの際のオーバーエッチングを
防止することができる。
【0047】また、線間におけるパターニング精度を格
段に向上させることが出来るので、精度良くかつ詳細に
パターニングを行うことができ、アライメント精度を考
慮し余裕をもたせた形状としても、開口率を高くするこ
とができる。例えば、図4[特開平4−165333公
報における第4図(b)]に示されているような、下部
電極および上部電極の形状が角状の場合、画素ピッチが
250μmのとき、液晶表示装置の開口率は約80%で
あるが本発明の場合、開口率は82%となり、開口率を
改善することができる。
【0048】また、図5に示すように、本実施例のMI
M素子の電圧−電流特性16は、正方向の特性16と負
方向の特性17とがほぼ一致しており、電圧−電流特性
の対称性も良好である。
【0049】上記実施例では下部電極2と上部電極5と
の交差位置を、下部電極2の辺2a、2bとしている
が、本発明はこれに限らず、図6に示すように下部電極
2の辺2a、2b、2cの3箇所としてもよく、或は図
7のように下部電極2の辺2b、2cの2箇所としても
よい。更には、同じ辺の上に2以上の交差位置が存在す
るようにしてもよい。このようにした場合においても、
上述実施例と同様の効果が得られる。
【0050】更に、本発明は図8のように下部電極2
に、環の一部が欠落した状態の上部電極5が1箇所で重
なるようにパターニング、重なり部分の面積を並列接
続された2つの2端子非線形素子の面積の合計と合わせ
ておくと、2端子非線形素子と液晶層との容量比を変え
ずに、つまり2端子非線形素子の特性を変えずに、シン
グル構造のMIM素子を形成することも可能である
【0051】また上記の特性を有するMIM素子をスイ
ッチング素子として設けた液晶表示装置は、静電気印
加、上部電極剥離による画素欠陥がなく、しかも下部電
極、上部電極を高精度にパターニングできることに起因
する表示面内の非線形素子形状の均一性が良好で、全面
に渡って均一な表示が得られる。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による場合には、非線形素子に静電気が印加されること
による素子破壊、非線形素子の一部の膜が剥がれたり切
れたりする欠陥や、非線形素子形状の不均一に起因する
特性のばらつきによって、生産上の歩留まりが低下する
という問題点を解決することができる。これによって、
非線形素子を数多く広い領域に均一に集積してなる液晶
表示装置を良好な品質でかつ歩留まりよく生産すること
が出来るという効果を有する。
【0053】また、本発明に係る2端子非線形素子の構
造は素子設計に対し拡張性があり、設計の自由度が高ま
るのみならず、既存の工程でかつパターン変更のみで達
成できるので、コストも従来と全く変わらないという量
産不可欠な要素も充足している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るMIM方式の2端子非線形素子
を液晶表示装置のスイッチング素子として並列構造に形
成した素子側基板を示す平面図である。
【図2】図1におけるA−A’部の断面図である。
【図3】本実施例における線間とパターニング精度との
関係を、従来例のそれと併せて示す図である。
【図4】特開平4−165333公報に記載されている
第4図(b)である。
【図5】本実施例のMIM素子の電流−電圧特性を示す
図である。
【図6】本発明の他の実施例に係る2端子非線形素子を
液晶表示装置のスイッチング素子として並列構造に形成
した素子側基板を示す平面図である。
【図7】本発明の更に他の実施例に係る2端子非線形素
子を液晶表示装置のスイッチング素子として並列構造に
形成した素子側基板を示す平面図である。
【図8】本発明の更に他の実施例に係る2端子非線形素
子を液晶表示装置のスイッチング素子として並列構造に
形成した素子側基板を示す平面図である。
【図9】従来の2端子非線形素子を液晶表示装置のスイ
ッチング素子としてシングル構造に形成した素子側基板
を示す平面図である。
【図10】従来の2端子非線形素子を液晶表示装置のス
イッチング素子としてシングル構造に形成した素子側基
板を示す断面図である。
【図11】従来の2端子非線形素子における問題点を説
明するための図である。
【図12】従来の2端子非線形素子における他の問題点
を説明するための図である。
【図13】従来の2端子非線形素子における他の問題点
を説明するための図である。
【符号の説明】
1 信号配線 2 下部電極 3 島状部 4 絶縁膜 5 上部電極 6 画素電極 7 素子側ガラス基板 8 ベースコート絶縁膜 9 MIM素子 10 対向側ガラス基板 11 対向電極 12 配向膜 13 液晶層 14 表側偏光板 15 裏側偏光板 16 本実施例の正方向電流−電圧特性 17 本実施例の負方向電流−電圧特性 18 従来例の角状パターンの場合におけるパターニン
グ精度 19 本実施例による場合の線間におけるパターニング
精度

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に配線された信号配線と接続して
    下部電極が設けられ、該下部電極との間に絶縁膜を介装
    して上部電極が設けられた2端子非線形素子において、 該下部電極が、コの字状に、かつその両端を該信号配線
    に接続して形成され、該絶縁層が該下部電極の表面を陽
    極酸化法により酸化して形成され、さらに該上部電極が
    下部電極交差する状態形成されており、該下部電極
    のコの字状の3辺のうち1辺の幅が他の辺の幅とは異な
    2端子非線形素子。
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