JPH0748842Y2 - 溶接階段 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ささら桁と階段部材とを溶接により固着す
る溶接階段に関する。

（従来の技術） 従来、踏板と蹴上板からなる階段部材をささら桁に溶接
してなる溶接階段においては、階段部材をささら桁に当
接し、ささら桁に溶接位置を指示する為の卦書きを施
し、階段部分とささら桁の当接部を全長に亘って溶接し
ていた。

（考案により解決すべき課題） 前記従来の技術によれば、溶接の際にささら桁に卦書き
を施す手間がかかり、かつ階段部材とささら桁の当接部
を確実に固着する為には、当接部を全長に亘って溶接し
なければならなかった。従って、熟練した技術を要する
のみならず、溶接箇所が多くなる問題点があった。

（課題を解決する為の手段） 然るにこの考案は、階段部材にナットを固着し、ささら
桁にボルト孔を設け、このボルト孔を挿通したボルトを
前記ナットに螺合して仮着した後溶接することにより、
前記問題点を解決したのである。

即ちこの考案は、１組の踏板と蹴上板を構成する断面Ｌ
字型の階段部材の該踏板の先端屈曲部内側の両縁部に、
ささら桁を貫通したボルトと螺合するナットを固着し、
前記ボルトとナットを螺合して所定数の階段部材とささ
ら桁を階段状に固着し、上下に隣接する階段部材では下
側の蹴上板の上端を、上側の踏板の下面で前記ナットに
近接した位置に当接してなると共に、前記階段部材とさ
さら桁及び階段部材相互の当接部を所定間隔で溶接して
なる溶接階段である。

前記におけるナットは、ボルトとの螺合による支持強度
に耐え得る長さならばよく、仮着用と実質的補強効果を
有する。

（作用） 階段部材とささら桁を溶接の前にボルトで仮着し、つい
で、ささら桁と階段部材の当接部を所定間隔で溶接する
ので、階段部材とささら桁とは、ボルトと、とびとびの
溶接部に堅固に支持される。

（実施例） 踏板２と蹴上板３を構成する断面Ｌ字型の階段部材１の
踏板２の先端屈曲部2aの内側の左右両縁部に、それぞれ
ナット４を溶着する。ささら桁５にボルト取付孔を穿設
し、ささら桁５の所定部に前記階段部材１を、下側の階
段部材１の蹴上板３の上端を、上側の階段部材１の踏板
２の下面で前記ナット４に近接した位置に当接するよう
に、階段状に配置し、前記ナット４とささら桁５を貫通
したボルト６とを螺合させる。

このようにして、前記階段部材１とささら桁５が正しい
位置に当接したならば、前記当接部の適所を溶接し、階
段部材とささら桁を堅固に固着する。

階段部材１とささら桁５及び階段部材１相互の溶接は、
前記実施例では、第２図及び第３図で示したように所定
間隔の溶接部７、７で行ったが、階段の強度を確保でき
れば、前記位置及び溶接長さに限定されない。

（考案の効果） この考案によれば、階段部材とささら桁を溶接する前に
ボルトで仮着し、ついで、階段部材とささら桁の当接部
及び階段部材相互を適当な間隔で溶接するので、溶接部
分が少なくて済み、溶接時の歪を可及的に小さくできる
効果がある。また、上下に位置する階段部材では、下側
の蹴上板の上端を、上側の踏板の下面でナットに近接し
た位置に当接しているので、上下の階段部材は強固に固
定されると共に、接合部分が歩行者に見えないので、見
栄えがよい階段を構成できる効果がある。また、ささら
桁へボルト孔を設ける為の卦書きが必要なのみであり、
作業量を軽減すると共に、溶接の為の労力時間等も少な
くてよいことになり、かつ作業性の向上も考えられるな
どの諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の階段部材の斜視図、第２図
は同じく溶接階段の一部を省略した背面図、第３図は同
じく一部を省略した第２図中Ａ−Ａ断面図である。 １……階段部材、２……踏板 2a……先端屈曲部、４……ナット ５……ささら桁、６……ボルト ７……溶接部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】１組の踏板と蹴上板を構成する断面Ｌ字型
   の階段部材の該踏板の先端屈曲部内側の両縁部に、ささ
   ら桁を貫通したボルトと螺合するナットを固着し、前記
   ボルトとナットを螺合して所定数の階段部材とささら桁
   を階段状に固着し、上下に隣接する階段部材では下側の
   蹴上板の上端を、上側の踏板の下面で前記ナットに近接
   した位置に当接してなると共に、前記階段部材とささら
   桁及び階段部材相互の当接部を所定間隔で溶接してなる
   溶接階段。