JP2546785Y2 - 廻り階段踏板用支持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、廻り階段踏板の鋭角
部を直接壁面に取り付ける為の支持具の構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、階段の踏板を取り付ける際、ささ
ら桁や柱に切り込み加工を施した踏板取り付け凹所に踏
板の端部を嵌合固定させていた。在来工法に対して２×
４工法等の柱を用いない住宅やささら桁を用いない階段
の施工方法としては、壁パネルに桟木を取り付けてその
上に踏板の端部を載置して釘等で打ち付けて固定してい
た。

【０００３】しかしながら、上記桟木を用いて踏板を固
定する場合は、桟木は現場でその都度作製する必要があ
って施工に非常に手間を要するとともに、強度的にも信
頼性に欠けていた。さらに、それぞれの桟木は取り付け
によって強度のバラつきが生じやすく、施工後、長期に
わたって階段の昇降を繰り返していると、取り付け強度
の弱い桟木に集中的に荷重がかかり踏み鳴りが発生する
ようになり、ついには壁パネルから桟木が外れて踏板が
脱落する危険性もあった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】この考案は、２×４工
法等の柱を用いない住宅やささら桁を用いない階段の廻
り部において、踏板の鋭角部の取り付け強度がきわめて
高く、かつ、短時間で容易に確実に取り付けることがで
きる廻り階段踏板用支持具を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案は、上記課題を
解決する為に考案されたもので、複数の取り付け用孔が
形成された全体が略Ｌ字状で廻り階段踏板の鋭角部と同
角度にねじれた支持体と、支持体のねじれた略Ｌ字状に
対して支持体の両端部間を略対角線状に結び、かつ、そ
の両端部はねじれた支持体の両端部を支持する為の支持
片が形成されるとともに、取り付け用孔に同調した取り
付け用孔が形成された補強体からなることを特徴とす
る。

【０００６】

【作用】この考案において、踏板の鋭角部を固定する
際、支持体を補強する補強体が支持体のＬ字状に対して
支持体の両端部間を略対角線状に結ぶ構成とするのは、
固定具全体が略三角形状となり、それぞれの辺の応力が
つり合いきわめて頑丈にできる為である。また、支持体
と補強体を別体とするのは、支持体を踏板、および、壁
パネルの固定を容易に、かつ、確実にする為である。

【０００７】以下、この考案を実施例の図面に基づいて
説明する。

【０００８】

【実施例】図１は支持体と補強体と斜視図、図２は施工
例の側断面図、図３は廻り部の踏板の固定状態を下面か
ら見た図である。１は支持体、２は補強体、３、３’は
取り付け用孔、４はネジ、５は踏板、６は壁パネル、７
は制振材である。

【０００９】この考案の廻り階段踏板用支持具は、支持
体１と補強体２をそれぞれ踏板５の鋭角部と同じ角度に
屈曲させたものを用いる。図１に示すように支持体１の
略Ｌ字状屈曲部、補強体２では支持片の屈曲部をそれぞ
れ屈曲方向に対して踏板５の鋭角部の角度と同じ角度に
回転してねじれ形成する。

【００１０】支持体１はスチールやアルミニウム等の金
属からなる略Ｌ字状で、厚さは４ｍｍ程度で、それぞれ
の方向の長さは１００ｍｍ程度、幅は３０ｍｍ程度であ
る。また、その所定位置には、踏板５、および壁パネル
６にネジ４で取り付ける為の取り付け用孔３が等間隔に
複数形成されている。

【００１１】支持体を略Ｌ字状となるように形成する方
法は、曲げてもよく、直角に溶接固着させてもよい。方
法は特に限定されない。なお、支持体１の屈曲部は非常
に荷重がかかるので、曲げ加工法や溶接固着法ともに屈
曲部に適宜形状の小さな補強体（図示せず）を溶接して
おくと強度がさらに向上して好ましい。

【００１２】補強体２は支持体１と同様にスチールやア
ルミニウム等の金属からなり、略Ｌ字状の支持体１の両
端部間を略対角線状に結ぶ形状で、補強体２の両端部は
約１３５度に屈曲された支持体１の両端部を支持する支
持片が形成されている。その支持片には支持体１の取り
付け用孔３と同調する取り付け用孔３’が形成されてい
る。なお、寸法は支持体１と同様で厚さは４ｍｍ程度、
幅は３０ｍｍ程度で、長さは両端部支持片がそれぞれ３
０ｍｍ程度で、略対角線状部が７０．２ｍｍ程度であ
る。

【００１３】そして、施工例を示すと、図２及び図３の
ように壁パネル６の所定位置に支持体１の一片を最端部
の取り付け用孔３を残してネジ４で固定した後、踏板５
を他片に載置して最端部の取り付け用孔３を残してネジ
４で固定する。ついで、補強体２を支持体１と組み合わ
せて略三角形状となるように位置して、前記した残して
おいた最端部の取り付け用孔３、３’をネジ４でそれぞ
れ固定することにより、きわめて頑丈な固定部が形成さ
れる。

【００１４】また、最端部のネジ４が緩んだ場合、支持
体１と補強体２の接触部間に、不快な金属摩擦音を軽減
させる為に、図２に示すように制振材７を介在させてお
くとよい。制振材７としては、ゴム系、繊維系等あらゆ
るものが使用可能であり、適宜接着剤で接着するか粘着
テープ等で貼着してもよい。

【００１５】なお、廻り階段踏板の直角部の取り付けに
ついては、図４に示すように略Ｌ字状に屈曲させた支持
体１と支持体１の両端部間を対角線状に結ぶ補強体２と
から構成された公知の支持具を用いることができる。

【００１６】

【考案の効果】この考案は、以上説明した通り、特に２
×４工法等の柱を用いない住宅における廻り階段の踏板
の鋭角部を短時間で容易に、かつ、確実に取り付けるこ
とができる廻り階段踏板支持具を提供することにより、
施工する際、踏板の鋭角部を支持する桟木を現場でその
都度作製する必要がなく施工時間を大幅に短縮させるこ
とができるとともに、取り付け強度が大きい為、施工
後、長期にわたって階段の昇降を繰り返しても局部的集
中荷重がかからないから安全性がきわめて高く、さら
に、支持体と補強体を別体とすることにより、支持体を
踏板、および、壁パネルの固定を容易に、かつ、確実に
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例になる支持体と補強体と斜視
図

【図２】施工例の側断面図

【図３】廻り部の踏板の固定状態を下面から見た図

【図４】従来の踏板支持具の斜視図

【符号の説明】

１ 支持体 ２ 補強体 ３ 取り付け用孔 ３’取り付け用孔 ４ ネジ ５ 踏板 ６ 壁パネル ７ 制振材

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の取り付け用孔（３）が形成された
   全体が略Ｌ字状で廻り階段踏板の鋭角部と同角度にねじ
   れた支持体（１）と、支持体（１）のねじれた略Ｌ字状
   に対して支持体（１）の両端部間を略対角線状に結び、
   かつ、その両端部はねじれた支持体（１）の両端部を支
   持する為の支持片が形成されるとともに、取り付け用孔
   （３）に同調した取り付け用孔（３’）が形成された補
   強体（２）から構成されたことを特徴とする廻り階段踏
   板用支持具。
2. 【請求項２】 支持体（１）と補強体（２）との接触部
   間に制振材（７）が介在された実用新案登録請求の範囲
   請求項１記載の廻り階段踏板用支持具。