JPH0750507Y2 - 桁なしらせん階段 - Google Patents

桁なしらせん階段

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JPH0750507Y2
JPH0750507Y2 JP1990001045U JP104590U JPH0750507Y2 JP H0750507 Y2 JPH0750507 Y2 JP H0750507Y2 JP 1990001045 U JP1990001045 U JP 1990001045U JP 104590 U JP104590 U JP 104590U JP H0750507 Y2 JPH0750507 Y2 JP H0750507Y2
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和雄 森
匡司 杉本
勝治 後藤
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三井木材工業株式会社
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【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は木製の桁なしらせん階段に関し、詳しくは、
心柱の周りにらせん方向上下に踏み板を設けたらせん階
段において、心柱と踏み板との支持構造を工夫すること
で、従来構造において踏み板の外周に設けられている簓
桁あるいは側桁(以下「簓桁」と称する。)をなくすよ
うにした、木製の桁なしらせん階段に関するものであ
る。
〈従来の技術〉 2階家などで上下階の間を昇降するために使用される階
段としては、設置のための占有空間が少なくてデッドス
ペースが必要最小限で済み、また見た目も良いことか
ら、特に高級住宅においてはらせん階段が用いられるこ
とが多い。
この種のらせん階段としては、下階床面から上階床面ま
での間に一本ものの心柱を設け、この心柱の外周に適宜
な間隔でらせん方向上下に踏み板を順次固着するととも
に、歩行時等において踏み板にかかる荷重を外側で支持
することで踏み板の撓み低減等を目的として、踏み板の
階段外周に簓桁を取付け、更にこの簓桁の上に親柱ない
し手摺子,並びに手摺を設ける構成が一般的に採られて
いる。
上記のように心柱の外周に踏み板を固着する場合、通常
は、心柱外周に深さ10mm程度の欠込みをらせん状に順次
設け、この欠込みに踏み板の階段中心側の端部を嵌合す
る方法が用いられている。
また、踏み板の階段外周に簓桁を取付ける方法として
は、簓桁内周に順次間隔を空けて設けられた横溝(簓彫
り)内に、踏み板の階段外周側の端部を嵌合する方法が
採られている。
〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、上記従来構造の場合、施工現場等で心柱
外周や簓桁内周に多数の欠込みや横溝を設け、またこれ
らに踏み板を嵌込んで組立てるため、施工の手間が煩雑
となり、特に簓桁を踏み板外周に取付けるためには、簓
桁内側面に形成した多数の横溝内に各踏み板の外周端部
をそれぞれ嵌合する作業を一度にしなければならず、作
業が非常に煩雑且つ困難であった。
また、このように階段外周に簓桁を設けているために階
段のデザインが画一化となりがちで、シンプル化したデ
ザインのものが得られないという問題もあった。
この他、欠込み加工による心柱の機械強度の低下を防ぐ
ためには心柱を太くて長ものの良材を用いることが必要
となり、これもコスト高の原因となるし、また一本もの
の心柱を用いていることから、階高寸法や段数等に対応
した欠込みや横溝加工の現場作業が極めて煩雑となる欠
点もあった。
そこで、心柱を縦方向に複数のユニットに分割し、これ
ら心柱ユニットの間に踏み板の階段中心側の端部を嵌合
する構造も提案されているが、特に手間のかかる簓桁内
周面への横溝加工、並びにこの横溝内への踏み板端部の
嵌合の手間は変わらず、上記問題が改善される度合は少
なかった。
この考案は、心柱と踏み板との支持構造を工夫すること
で簓桁を省く構成とし、施工現場等での加工作業が不要
で、施工手間が少なく、またコストが安く、しかもシン
プル化されたデザインとすることが可能な、桁なしらせ
ん階段を提供することを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 この考案の桁なしらせん階段は、上下方向に順次設けら
れた複数の心柱ユニットと、階段中央側の端部が前記心
柱ユニット相互間に挟着された状態でらせん方向上下に
順次設けられた複数の踏み板と、前記踏み板相互間に両
者を連結する形で設けられた複数の受け材とからなり、
前記各受け材は、その階段中央側の端部が前記各心柱ユ
ニットの外周の上下方向に設けた第1嵌合溝に嵌着さ
れ、またその階段上側の端部が前記各踏み板の下面に設
けられた第2嵌合溝に、更にその階段下側の端部は前記
各踏み板の上面に設けられた第3嵌合溝に、それぞれ嵌
着されていることを要旨とする。
また、上記の第3嵌合溝が上記の第2嵌合溝に対して段
割りに応じた所定の角度だけ段尻側にずれていることを
要旨とする。
〈作用〉 上記のように踏み板間に受け材を設け、また受け材を心
柱ユニット及び踏み板に嵌着させることで、この受け板
に踏み板にかかる荷重が負担され、踏み板に生じる撓み
が低減される結果、簓桁をなくす構造が可能となる。
また、一本ものの心柱に代えて心柱ユニットを組合せて
心柱を構成し、且つ簓桁をなくす構造にしたので、心柱
や簓桁の欠込みや溝加工の作業が不要となる。
このため、前記したような施工現場等での加工作業が不
要となり、施工手間が少なく、またコストを安く抑える
ことができ、更に簓桁がないためにシンプル化された、
しかも多様なデザインに対応することができる。
そして、階高寸法や段数が異なる場合にも、心柱ユニッ
ト,踏み板,並びに受け材の使用個数を増減するのみで
ただちに対応することができる。
〈実施例〉 以下に実施例を説明する。尚、この実施例は「たも」材
等の木製の階高寸法約3mで円周を14分割した段数15段の
ものである。
尚、本考案はこの実施例に限定されるものでない。
第1図(A)に、実施例に用いる踏み板1,心柱ユニット
2,並びに受け材3を示した。
踏み板1は厚さ36mm,長さ1,000mm程度の木製の板材から
できており、階段外周側の端部11は幅が500mm程度の円
弧状、また階段中心側の端部12は直径170mm程度の円形
状の形状である。更に端部12の中心部には、心柱ユニッ
ト2の中央部に形成された小径の導孔21と略同径の導孔
13が形成されている。
また踏み板1の裏側には、心柱ユニット2の外径と同径
でまた深さが3mm程度の円形溝14と、段鼻15より20〜30m
m内側位置に設けられ、また受け材3の厚みと同じ幅で
且つ踏み板1の長手方向に延在し且つ円形溝14に連通し
た、長さ500mm,深さ3mm程度の嵌合溝16とが形成されて
いる。このように嵌合溝16を内側位置に設けることで、
らせん階段を昇降する際の荷重を受け材3で確実に支持
することができる結果、踏み板面のねじれに対する剛性
が高まって昇降時などにおける踏み板のゆれがなくな
る。
踏み板1の表側には、心柱ユニット2の外径と同径で深
さ3mm程度の円形溝17,並びに長手方向に受け材の厚みと
同一幅で且つ踏み板1の長手方向に延在する長さ100mm,
深さ3mm程度の嵌合溝18が形成されている。この嵌合溝1
8は上記円形溝17と連通しており、また導孔13の中心と
踏み板裏面の嵌合溝16とを結んだ線に対し所定の角度
θ,即ち円周360度の1/14=25.7度程度の角度だけ段尻1
9側に形成されている。この所定の角度θは、上記の段
割りに応じて適宜に設定すれば良い。
一方、心柱ユニット2は、直径160mm,高さ160mm程度の
寸法の木製円柱物で、この円柱物の上側中心部に直径32
mm程度の小径の導孔21を、また下側中心部には直径60mm
程度で、導孔21と連通した大径の導孔22がそれぞれ形成
されている。心柱ユニット2の外周には、受け材3の厚
みと同一の幅で、深さ3mm程度の嵌合溝23が上下方向に
設けられている。
また受け材3は厚み30mmで、上側部分31の長さが500m
m、下側部分32の長さが100mm程度の木製板材で、段階中
央側には心柱ユニット2と同じ高さの嵌合部33が、また
階段外周側には円弧状の端面34を有する略台形状のもの
である。
第1図(B)は以上の踏み板1,心柱ユニット2,並びに受
け材3の一体化部材を示したもので、心柱ユニット外周
の嵌合溝23に受け材3の嵌合部33を嵌着し、また心柱ユ
ニット上面及び受け材上面を踏み板1の円形溝14及び嵌
合溝16にそれぞれ嵌着し一体化して構成される。この
際、溝部等に接着剤を塗布して上記嵌着部分を接着固定
し、また木ネジ10により心柱ユニット2,受け材3を踏み
板1と固着する。
この他、踏み板1の上面の円形溝17及び嵌合溝18に心柱
ユニット2及び受け材3の下側部分をそれぞれ接着固定
させた一体化部材の構成にしても良い。
次に、らせん階段を組立てる具体的手順について説明す
る。尚、以下の説明は踏み板1の裏面に心柱ユニット及
び受け材を嵌着した一体化部材を用いた例であるが、踏
み板上面に心柱ユニット2及び受け材3の下側部分を嵌
着させた一体化部材を用いた場合も同様である。
即ち、第2図(A),(B)において、下階床面に位置
する床材5の上に、高さ60mm程度で後述する締付けボル
ト4の雄ネジ44に螺合する雌ネジ片61を鉄板表面に溶接
などでその中央部に固着させて構成された,厚さ10mm程
度で心柱ユニット2と略同径の下地板6を載せ、更にこ
の下地板6を、ラグボルト等の固着具62によって、床下
地材63に強固に留付ける。
次に、上記下地板6を構成する鉄板の厚さ分だけ短くし
た心柱ユニット2,並びに踏み板1と受け材3を上記のよ
うに一体化した部材を用い、その心柱ユニット2の中央
部に設けた大径の導孔22が下にくるようにしてこれを雌
ネジ片61の上に被せ、下地板6の鉄板部分に密着させ
る。
次に、締付けボルト4によって上記一体化部材を下地板
6に固着する。この締付けボルト4は、第2図(C)に
示した通り、幅50mm程度の六角ボルト状の頭部41の内側
に内径30mm程度の雌ネジ42が穿設されており、また頭部
41に連結する軸部43の下端には上記雌ネジ42に螺合され
る雄ネジ44が形成されている。
そして、踏み板1の導孔13並びに心柱ユニット2の導孔
21に締付けボルト4をその雄ネジ44を下にした状態で挿
入する。次いでこの雄ネジ44を下地材6の雌ネジ片61
に、上記頭部41が踏み板1の円形溝17上面で係止される
まで捩込み、両者を螺着させる。この螺着によって、上
記一体化部材が鉄板に強固に留付けられた状態となる。
この際、その中央部を心柱ユニット2の外径と略同じ寸
法で取除いた、外径220mm,肉厚10mm,高さ40mm程度の皿
状のカバー7を、一体化部材の下側に設け、このカバー
7によって下地板6や固着具62の頭部分などがみえない
ように被覆する。
以上のようにして1段目の取付けを終えたなら、その上
に別の一体化部材を第2図(C)に示したように載せ
る。その際、この一体化部材を構成する心柱ユニット2
の下面に接着剤を塗布しておき、また受け材3の下側部
分32を、既に取付けた1段目の踏み板表面に設けた嵌合
溝18に嵌合して位置決めを行う。この場合、2段目の一
体化部材の踏み板1は、1段目の踏み板1に対して、左
周りのらせん方向上側に位置するようになる。
次いで、2段目の踏み板1の導孔13,心柱ユニット2の
導孔21に締付けボルト4をその雄ネジ44を下にした状態
で挿入し、この雄ネジ44をその頭部41が2段目の踏み板
1の円形溝17上面で係止されるまで、1段目の締付けボ
ルト上部の雌ネジ42に捩込んで両者を螺着させる。この
螺着によって、1段目と2段目の一体化部材が強固に留
付けられる そして、以上の工程を順次上方向に繰返し行い、上段に
いたるまで一体化部材の取付けを順次行うことで、らせ
ん階段の組立て施工が完了する。
第3図は、この組立て施工が完了した状態を示したもの
で、下階床面の床材5上、及び上階床面の床材9上に親
柱81をそれぞれ取付け、また踏み板1の階段外周側端部
に手摺子82を各々固着し、更にこれら親柱81並びに手摺
子82の上部に手摺83を取付けたものである。
尚、以上は締付けボルト4をその頭部41を上にして施工
した例であるが、頭部41を下向きにして用い、即ち既に
取付けた下側の締付けボルト4の雄ネジ44に上側に取付
けるべき締付けボルト4の雌ネジ42に螺合させ取付ける
構成としても良い。
更に、例えば第4図に示したように、心柱ユニット2を
逆向きの状態で使用し、また踏み板1の導孔13を心柱ユ
ニット2の大径の導孔22と同じ大きさとするとともに、
これら導孔13,22から挿入した締付けボルト4の雄ネジ4
4を既に施工した締付けボルト4の雌ネジ42に螺着させ
て締付ける構造にしても良い。
〈考案の効果〉 以上のように、この考案のらせん階段によれば、簓桁を
なくすことができる結果、施工手間が少なく、またコス
トを安く抑えることができるとともに、シンプル化され
た多様なデザインとすることができる 更に、階高寸法や段数が異なる場合にも、心柱ユニッ
ト,踏み板並び受け材の使用個数を増減するのみで容易
に対応可能である等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は実施例に用いる踏み板,心柱ユニット並
びに受け材の説明図、第1図(B)はこれらの一体化部
材の説明図、第2図(A)〜(C)はこの一体化部材を
用いたらせん階段の組立て手順を示した説明図、第3図
は実施例のらせん階段の説明図、第4図は他例の要部を
示した説明図である。 1……踏み板、2……心柱ユニット、3……受け材、16
……第2嵌合溝(嵌合溝)、18……第3嵌合溝(嵌合
溝)、19……段尻、23……第1嵌合溝(嵌合溝)、θ…
…所定の角度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−133923(JP,A) 実開 昭51−7926(JP,U) 実開 昭62−194840(JP,U)

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下方向に順次設けられた複数の心柱ユニ
    ットと、 階段中央側の端部が前記心柱ユニット相互間に挟着され
    た状態でらせん方向上下に順次設けられた複数の踏み板
    と、 前記踏み板相互間に両者を連結する形で設けられた複数
    の受け材とからなり、 前記各受け材は、その階段中央側の端部が前記各心柱ユ
    ニットの外周の上下方向に設けた第1嵌合溝に嵌着さ
    れ、またその階段上側の端部が前記各踏み板の下面に設
    けられた第2嵌合溝に、更にその階段下側の端部は前記
    各踏み板の上面に設けられた第3嵌合溝に、それぞれ嵌
    着されていることを特徴とする桁なしらせん階段。
  2. 【請求項2】第3嵌合溝が第2嵌合溝に対して段割りに
    応じた所定の角度だけ段尻側にずれていることを特徴と
    する請求項1記載の桁なしらせん階段。
JP1990001045U 1990-01-10 1990-01-10 桁なしらせん階段 Expired - Fee Related JPH0750507Y2 (ja)

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