JPH0340972Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、集合住宅等において建物本体の外
面に沿つて設けた階段の取付構造に関するもので
ある。

〔背景技術〕

従来、建物本体の外面に沿つて階段を設ける場
合には、建物本体の外面に沿つて階段支持柱を立
設し、この階段支持柱に階段の建物本体側の側桁
を固定して階段を設置していた。

しかし、このように構成された階段取付構造に
よると、階段と建物本体との間に階段支持柱が存
在しているため、階段と建物本体との間に隙間が
でき階段の納まりが悪いという問題があつた。ま
た、階段の建物本体側の側桁を支持するために階
段支持柱を新たに立設しなければならないため、
部品点数が多くなり外観も悪かつた。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、階段と建物本体との間に隙
間が発生せず階段の納まりが向上し、かつ部品点
数の削減が図れ外観も向上する階段取付構造を提
供することである。

〔考案の開示〕

この考案の階段取付構造は、建物本体の外周部
に設けられ前記建物本体を構成する建物本体柱
と、この建物本体柱に設けた階段支持具と、この
階段支持具に前記建物本体側の側桁の上端を固定
した階段とを備えたものである。

この考案の構成によれば、階段の建物本体側の
側桁を階段支持具を介して直接建物本体柱に固定
するので、階段と建物本体との間に隙間が発生せ
ず階段の納まりが向上すると共に、階段の建物本
体側の側桁を支持するための新たな柱が不要とな
り、部品点数の削減が図れ外観が向上する。

実施例 この考案の一実施例を第１図ないし第６図に基
づいて説明する。この実施例の階段取付構造は、
第１図に示すように、建物本体１０の外周部に設
けられ前記建物本体１０を構成する建物本体柱１
２と、この建物本体柱１２に設けた階段支持具１
７と、この階段支持具１７に前記建物本体１０側
の側桁４４の上端を固定した階段２２とを備えた
ものである。

建物本体１０は２階建ての集合住宅からなり、
建物本体１０の妻側面に沿つて階段２２が設けら
れ、階段２２を昇り切つた所から建物本体１０の
棟行き方向に延びて廊下が設けられている。建物
本体柱１２は、角鋼管からなり建物本体１０のコ
ーナ部に建物本体１０の１，２階を貫いて立設さ
れている。また、建物本体柱１２との間に階段２
２の幅に等しい空間を介して建物本体１０の外方
に角鋼管からなる階段支持柱１４が立設されてい
る。

階段支持具１７は、建物本体柱１２の階段支持
柱１４側の外面２６に設けられている。階段支持
具１７は、第２図に示すように、梁取付部材１８
と階段取付部材４０とから構成されている。梁取
付部材１８は、４隅にボルト挿通孔２８を有した
鋼製の柱取付板２４と、この柱取付板２４の表面
に溶接して突設され上下に並んだ２個のボルト挿
通孔３０を有した鋼製の梁取付片１６とから構成
されている。また、階段取付部材４０はＬ形鋼か
らなり、片３９には梁取付片１６のボルト挿通孔
３０に対向して上下に並んで２個のボルト挿通孔
４１が設けられており、片４３にも上下に並んで
２個のボルト挿通孔４２が設けられている。梁取
付具部材１８は、ボルト挿通孔２８にボルトを挿
通しかつ建物本体柱１２のボルト孔に螺合し、柱
取付板２４を建物本体柱１２に固定して建物本体
柱１２に固設されている。

梁取付部材１８を建物本体柱１２に設けた後、
建物本体１０の妻側面にサイデイングボード３２
を取付ける。サイデイングボード３２は、第３図
に示すように、梁取付片１６が挿入するスリツト
３４を有しており、このスリツト３４に梁取付片
１６を挿入して建物本体１０の妻側面に設置され
る。なお、妻側面には胴縁３６が設けられてお
り、サイデイングボード３２はこの胴縁３６に釘
止めして固定されている。

また、２０は溝形鋼からなる階段取付梁であ
り、ウエブ片２１の建物本体柱１２側端部に梁取
付片１６のボルト挿通孔３０に対向して２個のボ
ルト挿通孔３８が設けられている。階段取付梁２
０は、ウエブ片２１と梁取付片１６との間に階段
取付部材４０の片３９を介装して梁取付片１６の
ボルト挿通孔３０から片３９のボルト挿通孔４１
およびウエブ片２１のボルト挿通孔３８にボルト
を挿通しかつウエブ片２１の内面からナツトを螺
合して一端を梁取付部材１８に固着すると共に、
他端のエンドプレート（図示せず）を階段支持柱
１４にボルト止めして、建物本体柱１２と階段支
持柱１４の間に架設されている。

階段２２は、高さ方向途中に階段踊場を設けた
構造となつており、両側の外向き溝形鋼からなる
階段側桁４４，４６間に複数枚の階段踏板４８
（第５図に断面図を示す）を順次架設してなる。
また、階段踊場部分には踊場梁５０が架設されて
おり、階段踊場（図示せず）が設けられる。な
お、５２，５４は階段柱であり、５６は階段口支
柱、５８は階段継ぎ梁である。階段２２は、階段
側桁４４の上端部の外面に階段取付部材４０の片
４３を当接し、ボルトを階段取付部材４０のボル
ト挿通孔４２および階段側桁４４のボルト挿通孔
６０に挿通してナツトで締結すると共に、階段側
桁４６の上端部の外面に階段支持柱１４に固着し
たＬ形鋼の階段取付具６２を当接し、同じくボル
トを階段取付具６２のボルト挿通孔６４および階
段側桁４６のボルト挿通孔６６に挿通してナツト
で締結して固定する。そして、第４図の断面図に
示すように、後部に立下り片７０を有した階段踏
板６８を、階段側桁４４，４６の上端の内面にそ
れぞれ固着した踏板受板７２に両端を載せ、かつ
立下り片７０を階段取付梁２０と踏板受板７２と
の間に挿入して設ける。

また、第１図および第６図に示すように、建物
本体１０の外面にて棟方向に延びる廊下７４の外
側には、複数本の廊下柱７６，７８，８０が立設
されている。階段支持柱１４と廊下柱７６の間お
よび廊下柱７６と７８の間には階段取付梁２０と
同一高さにおいて、外向き溝形鋼からなる踊場梁
８２，８４が架設されている。踊場梁８２，８４
は、両端をそれぞれ階段支持柱１４，廊下柱７
６，７８に固着したＬ形鋼の梁取付具８６にボル
ト止めして固定されている。また、踊場梁８４と
階段取付梁２０との間には踊場継ぎ梁８８が架設
されている。踊場継ぎ梁８８は、一端のエンドプ
レート９０を踊場梁８４にボルトナツトで固定
し、他端の突片９２を階段取付梁２０の内面に固
着した突片９４にボルトナツトにて固定して固設
されている。また、建物本体柱１２と廊下柱７８
間および建物本体柱９８と廊下柱８０間に下向き
溝形鋼の廊下継ぎ梁９６，１００が架設されてい
る。廊下継ぎ梁９６，１００は、一端の突片１０
２，１０４をそれぞれ廊下柱７８，８０に突設し
た突片１０６，１０８にボルトナツトで固定する
と共に、他端のエンドプレート１１０を建物本体
柱１２，９２にボルト止めして固設されている。
さらに、廊下柱７８，８０間に架設した外向き溝
形鋼の廊下梁１１２と建物本体１０の棟行き側の
梁１１４との間に、両端をボルト止めして大小の
廊下継ぎ梁１１６，１１８を架設する。なお、建
物本体１０の妻側面のサイデイングボード３２の
裏側にも、胴縁１２２を介してサイデイングボー
ド１２０が設けられている。また、建物本体柱１
２，９８には柱カバー１２４，１２６が被せられ
ている。

このように構成された階段取付構造によると、
階段２２の建物本体１０側の側桁４４は、階段支
持具１７を介して直接建物本体柱１２に固定され
ているので、階段２２と建物本体１０との間に隙
間が発生せず、階段２２の納まりが向上する。

また、階段２２の建物本体１０側の側桁４４を
支持する新たな柱が不要となるので、部品点数の
削減が図れ外観が向上する。

なお、階段支持具１７の梁取付部材１８と階段
取付部材４０が一体に形成されていてもよい。さ
らに、階段取付部材４０は階段取付梁２０に固着
されていてもよい。

〔考案の効果〕

この考案の階段取付構造によれば、階段の建物
本体側の側桁を階段支持具を介して直接建物本体
柱に固定するので、階段と建物本体との間に隙間
が発生せず階段の納まりが向上すると共に、階段
の建物本体側の側桁を支持するための新たな柱が
不要となり、部品点数の削減が図れ外観が向上す
るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の部分分解斜視
図、第２図はその梁取付具の斜視図、第３図はそ
の部分斜視図、第４図はその階段の最上段の階段
踏板の断面図、第５図はその階段の最上段以外の
階段踏板の断面図、第６図はその平面図である。 １０……建物本体、１２……建物本体柱、１４
……階段支持柱、１６……梁取付片、１７……階
段支持具、２２……階段、４４，４６……側桁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物本体の外周部に設けられ前記建物本体を構
   成する建物本体柱と、この建物本体柱に設けた階
   段支持具と、この階段支持具に前記建物本体側の
   側桁の上端を固定した階段とを備えた階段取付構
   造。