JPS627782Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ユニツト建造物の１階ユニツトに配
設される廻り階段の改良に関するものであり、工
場生産される１階ユニツト内に予め組み付けるこ
とができ、その組み付け作業の作業性がよく、十
分な強度を有すると共に、１階ユニツトの階段取
付部分の内壁や床の補強構造も簡単なものたらし
めうる廻り階段を提供することを目的としてい
る。

階段の構造には、側桁構造のものと力桁構造の
ものとがあり、側桁構造では、桁の上端部を２階
の床面にかぶせなければならないため、階段本体
をセツト化しても、１階ユニツトと２階ユニツト
とを作業現場で据付けたのちでなければ階段の据
付けができず、階段据付け後でなければ上下階間
の往来が不便で作業に支障を来たし、ユニツト構
法の長所が減ずる欠点がある。

また力桁構造では、上述の欠点は無いもののそ
れが廻り階段の場合には、直登部の桁の下部の受
支に当り、１階ユニツトの壁側に受支力を伝達す
るための壁の補強構造が複雑となるため、１階ユ
ニツトの廻り階段取付部の構成に不具合が生ずる
のみでなく、階段取付けの作業性も悪く、ユニツ
ト構法の長所を減ずる欠点を有している。

本考案は、力桁構造の廻り階段を、実用新案登
録請求の範囲に記載する構成とすることにより、
工場内で良好な作業性のもとで、１階ユニツトに
予め階段を組み付けうるように、しかも１階ユニ
ツトの階段取付部分の補強構造も簡単なものたら
しめ得たものである。

以下図示例についてその構成を説明する。

図に示される廻り階段１は、下部の廻段部２
と、上部の直登部３との２部分で構成されてい
る。

廻段部２は、第２図、第３図に明示されるよう
に、１階ユニツトの床部４と天井部５との間に立
設、固定される心柱６と、この心柱６に対向し、
床部４に近い壁部に固定されるよう横断面Ｌ字形
に配置された腰板７，８と、心柱６と腰板７，８
との間に、登り方向を角度90度だけ変換するよう
配置された複数の踏板９，１０，１１と、最高位
置の踏板１１の背面１２部位において、心柱６と
腰板７との間に横架、固定された力桁受木１３と
で１ボツクス状に構成されている。

また前記直登部３は、力桁１４，１５と、これ
に受支された複数の踏板１６，１７…とで構成さ
れており、力桁１４，１５の上端部１８，１９に
は、ユニツト建造物の１階ユニツトの天井梁２０
への掛留部２１，２２が形成されている。また力
桁１４，１５の下端部２３，２４には、前記力桁
受木１３への係止部２５，２６が形成されてい
る。

上述のように、廻段部２と直登部３との２ブロ
ツクよりなる廻り階段１は、次のようにして１階
ユニツトに組み付けられる。

すなわち、１階ユニツトの廻り階段取付部位に
廻段部２を配置し、心柱６を床部４と天井部５と
に固定し、また腰板７，８を壁部に固定する。こ
の廻段部２の配置、固定により、力桁１４，１５
の下部を受支する構造材が１階ユニツトに組み付
けられたこととなる。

ついで直登部３の力桁１４，１５の上端部１
８，１９の掛留部２１，２２を天井梁２０に掛留
め、下端部２３，２４の係止部２５，２６を廻段
部２の力桁受木１３へ係止させ、それぞれ固定す
ることにより、廻り階段１の１階ユニツトへの組
付けが完了するものである。

以上説明したごとく、本考案によれば、廻り階
段が廻段部と直登部という２ブロツクに分けて製
作され、廻段部が１階ユニツトに固定されたの
ち、直登部が１階ユニツトの天井梁と廻段部の力
桁受木とに掛留め、係止されれば、１階ユニツト
への廻り階段の組み付けが完了するので、工場生
産される１階ユニツト内へ予め廻り階段を組み付
けることができ、その組み付けの作業性も著しく
良好ならしめうる効果を奏する。

また直登部の力桁が１ボツクス状に組み立てら
れた廻段部の力桁受木で受支されるので、十分な
強度を保有でき、しかも１階ユニツトの階段取付
部分の内壁や床には、階段取付のための格別の補
強構造を付設する必要がないので、該部分の構造
を簡単ならしめうる効果も有し、１階ユニツトの
製造工程をその分だけ減縮させうる効果も奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は１階ユニツトへの組み付け状態におけ
る廻り階段の縦断面図、第２図は第１図に示され
る廻り階段のみの分解斜視図、第３図は第２図に
示すものの廻段部の背面斜視図である。 １：廻り階段、２：廻段部、３：直登部、６：
心柱、７，８：腰板、９，１０，１１，１６，１
７：踏板、１２：背面、１３：力桁受木、１４，
１５：力桁、１８，１９：力桁の上端部、２０：
天井梁、２１，２２：掛留部、２３，２４：力桁
の下端部、２５，２６：係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 廻り階段が、下部の廻段部と上部の直登部との
   ２部分で構成されており、前記廻段部は、心柱
   と、心柱に対向して横断面Ｌ字形に配置された腰
   板と、心柱と腰板との間に、登り方向を角度90度
   だけ変換するよう配置された踏板と、最高位置の
   踏板の背面部位の心柱と腰板との間に横架、固定
   された力桁受木とで構成されており、前記直登部
   は、力桁と踏板とで構成され、該力桁の上端部に
   は、ユニツト建造物の１階ユニツトの天井梁への
   掛留部が形成されており、該力桁の下端部には、
   廻段部の力桁受木への係止部が形成されているこ
   とを特徴とする廻り階段。