JPH0748179Y2 - 断熱調理器の調理用内鍋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、断熱容器を用いて調理
を行う断熱調理器の調理用内鍋に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、火等の熱の使用時間が短くて済む
調理器具として、調理材料を把手付きの調理用内鍋で予
め加熱して下ごしらえした後に、この調理用内鍋を断熱
性を有する外蓋と断熱性を有する外容器本体とから成る
断熱容器に収納，密閉して所要時間断熱状態に保持する
ことにより調理を行う断熱調理器が考案されているが、
断熱調理器に用いる調理用内鍋として、例えば実公平３
−１０９２０号公報に示すように、調理用内鍋の把手に
係合部を設け、把手の倒伏時に把手を蓋に係合するよう
にし、断熱容器から取出す際に把手に指を掛けやすくし
たものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし上述のもので
は、調理用内鍋の把手が倒伏時に蓋の一部に係合して止
まっているため、把手を起こさなければ調理用内鍋の蓋
を開けることができなかった。また、断熱調理終了後に
調理用内鍋を断熱容器から取出すときに、調理用内鍋と
一緒に把手が熱くなっているので立ち上げにくく火傷を
する虞があった。

【０００４】そこで本考案は、簡単な構造で、調理用内
鍋の把手を倒したまま調理用内鍋の蓋を取ることができ
ると共に、倒伏している把手を、指で楽に立ち上げるこ
とのできる断熱調理器の調理用内鍋を提供することを目
的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本考案の断熱調理器は、蓋と鍋本体とから成り、該鍋
本体の直径方向の相対する両側壁に一対の取付け金具を
介して把手を回動可能に取付けて、断熱性を有する外蓋
と断熱性を有する外容器本体とから成る断熱容器内に出
入れ自在に収納する、断熱調理器の調理用内鍋におい
て、前記把手を平板状となし、かつ前記鍋本体の開口部
外径より若干大きく湾曲させた半円状に形成すると共
に、少くとも一方の前記取付け金具の下縁に、前記把手
を一方向に回動させて倒伏させたときに、前記把手の一
側縁が当接して把手を水平状態よりも若干起立した状態
で保持する回動規制突起を設けたことを特徴とし、ま
た、前記調理用内鍋の把手に、長手方向のスリットを設
けたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】これにより、調理用内鍋の把手は、倒伏させる
と調理用内鍋の鍋本体の縁より若干高い位置で保持され
る。また、スリットにより、調理時に加熱された把手を
早く冷却できる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

【０００８】断熱調理器１は、図１に示すように、断熱
容器２とその内部に出入れ自在に収納される調理用内鍋
３とにより構成される。

【０００９】断熱容器２は、ステンレス製の真空断熱容
器から成る円筒状の外容器本体１０と、外容器本体１０
の上部開口を覆って着脱自在に外容器本体１０に取付け
られる、断熱層Ｐを有する合成樹脂製の外蓋１１と、外
容器本体１０の側壁に起立自在に取付けられる、略コ字
状に形成される合成樹脂製の把手１２とで構成されてい
る。

【００１０】外容器本体１０の開口部側壁と底部外面と
には、合成樹脂製の口縁部１３と底部保護部１４とがそ
れぞれ周設され、口縁部１３の直径方向の相対向する側
壁には、把手取付用の軸部１５，１５が口縁部１３と一
体に突設されている。また、口縁部１３の、軸部１５，
１５との一方の中間位置には、外蓋１１取付け用の雌型
のヒンジ連結具１６が口縁部１３と一体に設けられてい
る。

【００１１】外蓋１１は、前記軸部１５，１５に対応す
る側部に、ロック片１７，１７がそれぞれ突設されてお
り、また、前記ヒンジ連結具１６に対応する位置には、
雄型のヒンジ連結具１８が設けられている。前記断熱層
Ｐを覆う内面１９の略中央部には、外蓋１１を閉じた際
に、後述する調理用内鍋３の蓋３１に設けられた摘み部
３３を押圧する深さに設けた凹部２０が形成される。ま
た、内面１９のヒンジ連結具１８側には、蓋３１を載置
する湾曲した突片２１が形成され、さらに内面１９には
突起２２が適宜設けられている。

【００１２】把手１２は、両端の取付け部２３，２３が
半円状にそれぞれ形成され、その中心にそれぞれ設けた
取付け孔を、前記軸部１５，１５にそれぞれ挿通するこ
とによって、軸部１５，１５を中心として起伏自在に外
容器本体１０に取付けられている。また、取付け部２３
の外周側には、把手１２の下部から約半周に亘って容器
本体１０側に突出する周壁が連設され、把手１２を反ヒ
ンジ側に倒伏したときに、この周壁の内面にロック片１
７の上面が係合して外蓋１１を閉じた状態に保持する。

【００１３】調理用内鍋３は、熱をよく伝える炭素鋼を
ステンレスでサンドイッチした三層構造の鍋本体３０
と、鍋本体３０の上部開口を覆って着脱自在なステンレ
ス製の蓋３１とで構成され、鍋本体３０の側壁には、平
板状の把手３２が起伏自在に取付けられている。

【００１４】蓋３１は、中央部に合成樹脂製の摘み部３
３が突設されると共に、外周側に鍋本体３０の上部開口
縁内に挿入される段部３４が周設されている。

【００１５】把手３２は、平板よりなり、そして鍋本体
３０の開口部の外径３０ａより若干大きく湾曲させて形
成し、鍋本体３０の直径方向の相対する両側壁に設けら
れた取付け金具３５，３５を介して鍋本体３０に取付け
られる。

【００１６】この取付け金具３５は、その一側縁に回動
規制突起３６が突設されている。そして、一方の取付け
金具３５は、図３に示すように、回動規制突起３６を設
けた一側縁が下縁となるように回動規制突起３６を下方
にして鍋本体３０開口側の側壁に取付けられる。これに
より、把手３２を一方向に回動させて倒伏させたとき
に、把手３２の一側縁が下縁の回動規制突起３６に当接
して、把手３２を水平状態よりも若干起立した状態で保
持する。

【００１７】他方の取付け金具３５は、図２に示すよう
に、回動規制突起３６を設けた一側縁が上縁となるよう
に回動規制突起３６を上方にして鍋本体３０開口側の一
方の取付け金具３５と相対向する側壁に取付けられる。
これにより、把手３２を反対方向に回動させて起立させ
たときに、把手３２の他側縁が上縁の回動規制突起３６
に当接して、把手３２を略垂直状態で保持する。

【００１８】また、把手３２の中間部には、把手３２を
早く冷却させるためのスリット３７が形成されている。

【００１９】このような断熱調理器１を使用する際は、
調理材料を調理用内鍋３で予め加熱して下ごしらえした
後に蓋３１を装着し、把手３２を倒伏して、調理用内鍋
３を断熱容器２に収納する。調理用内鍋３を断熱容器２
に収納した後に、断熱容器２の外蓋１１を閉めて、把手
１２を一方に回動し、把手１２の周壁内面をロック片１
７の上面に係合させる。これにより外容器本体１０と外
蓋１１とが密着すると同時に、外蓋１１の凹部２０が調
理用内鍋３の摘み部３３を押圧し、蓋３１を鍋本体３０
に固定する。この際、調理用内鍋３は、平板状の把手３
２の一側縁が一方の取付け金具３５の下縁の回動規制突
起３６に当接して、把手３２を水平状態よりも若干起立
した状態で保持し、この状態により、平板状の把手３２
は、断熱容器２の内面や蓋３１に接触せずに断熱容器２
内に収納されるから、把手３２は断熱容器２の内面や調
理用内鍋３の温度まで加熱されない。

【００２０】調理が完了して内容物を盛り付けるとき
は、把手１２をヒンジ側に倒伏させ、ロック片１７と把
手１２の周壁内面との係合を解除して外蓋１１を開け、
調理用内鍋３の把手３２は倒伏させたままでも蓋３１を
外すことができ内容物を取り出すことができる。また、
この時調理用内鍋３の蓋３１を外蓋１１の突片２１に載
置でき、さらに突起２２によって外蓋１１の内面１９を
汚すことなく、蓋３１の内面についた雫を突片２１に集
めることができる。

【００２１】また、調理用内鍋３を断熱容器２から取出
した後に内容物を盛り付ける場合には、調理用内鍋３の
把手３２が鍋本体３０の縁より若干高い位置で止まって
いるので、スリット３７に指を引っ掛けて把手３２を起
立させることができ、調理用内鍋３を断熱容器２から簡
単に取出すことができる。また、スリット３７によって
把手３２は早く冷却されるので、指を引っ掛けても火傷
をする虞がない。さらに本実施例では同一形状の取付け
金具３５を２枚用い、その取付け方向を変えて鍋本体３
０に取付けるだけで、把手３２の回動を前述のようにそ
れぞれ規制することができる。

【００２２】

【考案の効果】本考案は以上のように、断熱容器に収納
する調理用内鍋の把手を、平板状とな し、かつ鍋本体の
開口部外径より若干大きく湾曲させた半円状に形成し、
少くとも一方の取付け金具の下縁に、把手を一方向に回
動させて倒伏させたときに、把手の一側縁が当接して把
手を水平状態よりも若干起立した状態で保持する回動規
制突起を設けたので、把手に特別の加工を施すことな
く、取付け金具の側縁に回動規制突起を設けるの簡単な
構造で把手を水平状態よりも若干起立した状態で保持で
き、しかも、調理用内鍋の把手が断熱容器の内面や調理
用内鍋に接触することなく調理用内鍋を断熱容器内に収
納でき、熱損失を低減できるばかりか、把手を倒したま
ま調理用内鍋の蓋を取ることができると共に、倒伏して
いる把手を指で簡単に立ち上げることができる。

【００２３】また、把手に長手方向のスリットを設けた
ことにより、調理時に加熱された把手を早く冷却させる
ことができ、調理用内鍋の出し入れを安全に行うことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示す断熱調理器の分解斜
視図

【図２】 調理用内鍋の把手の取付け金具を示す要部拡
大図

【図３】 同じく要部拡大図

【図４】 断熱調理器の一部断面側面図

【図５】 調理用内鍋の斜視図

【符号の説明】

１…断熱調理器、２…断熱容器、３…調理用内鍋、３０
…鍋本体、３１…蓋、３２…把手、３３…摘み部、３５
…取付け金具、３６…回動規制突起、３７…スリット

フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−86130（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−66622（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭36−18580（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭９−8465（ＪＰ，Ｙ１) 登録実用新案45655（ＪＰ，Ｚ１)

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 蓋と鍋本体とから成り、該鍋本体の直径
   方向の相対する両側壁に一対の取付け金具を介して把手
   を回動可能に取付けて、断熱性を有する外蓋と断熱性を
   有する外容器本体とから成る断熱容器内に出入れ自在に
   収納する、断熱調理器の調理用内鍋において、前記把手
   を平板状となし、かつ前記鍋本体の開口部外径より若干
   大きく湾曲させた半円状に形成すると共に、少くとも一
   方の前記取付け金具の下縁に、前記把手を一方向に回動
   させて倒伏させたときに、前記把手の一側縁が当接して
   把手を水平状態よりも若干起立した状態で保持する回動
   規制突起を設けたことを特徴とする断熱調理器の調理用
   内鍋。
2. 【請求項２】 前記把手に、長手方向のスリットを設け
   たことを特徴とする請求項１記載の断熱調理器の調理用
   内鍋。