JPH0310920Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は調理器に関し、特に魔法びん等の断
熱ポツトを用いて行なう断熱調理に際して使用さ
れる調理器に関するものである。

〔従来の技術とその問題点〕

調理材料を適量の水と共に一旦加熱したのち、
或いは材料と水とを別々に加熱したのち、これら
を断熱ポツトに充填密閉し、所要時間断熱状態に
保持することにより、炊飯、煮つけ等の調理を行
なう方法については、この出願の出願人が別途特
許出願しているところである。

上記の調理方法において、断熱ポツトとして真
空二重びんを用いた魔法びんが好適であるが、ガ
ラス製二重びんを使用したものは、調理物をすく
つたり、かきまぜたりする場合に杓子などがびん
に当つて割れる危険性がある。また、ステンレス
製二重びんを使用したものは、調理物の塩分等に
よりサビが発生し易い問題がある。

また、外部で煮沸した調理物をポツト内部に移
しかえる際に、熱湯が飛び散ることがあり危険で
あるばかりでなく、調理物をポツトからすくい取
る場合に、ポツトの口径に比べて調理物が存在す
るレベルが低いため、すくい難い等の問題があ
る。

そこで、この考案はこれらの問題点を、断熱ポ
ツトと調理鍋の組合せ構造とすることにより解決
することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案は断
熱ポツトとその内部に出入れ自在に収納される蓋
付き調理鍋との組合せからなり、調理鍋底面と断
熱ポツト内壁との接触部分を実質上点接触又は線
接触となるように形成し、調理鍋の蓋に起伏自在
のつまみを設けるとともに、調理鍋の口縁に起伏
自在の取手を取付け、その取手に倒伏時蓋の一部
に当る係合部を設けた構成としたものである。

〔実施例〕

この考案の実施例に係る断熱容器は、第１図に
示すように、断熱ポツト１と、その内部に出入れ
自在に収納される調理鍋２とから成るものであ
る。

断熱ポツト１は、ステンレス製真空二重びん３
に底体４を取付け、断熱材５を詰めた蓋６をシー
ル部材６′を介して嵌着したものである。

蓋６の中央部には弁装置７が設けられ、バネ８
によつて弁軸９を押下げることにより弁体１０を
弁孔１１に密着せしめ、通常の状態では閉弁状態
を保持し、弁体１０に取付けたつまみ１２をバネ
力に抗して引上げることにより弁孔１１を開放す
るようになつている。また、蓋６にはロツク装置
１３が取付けられている。

調理鍋２は、平坦な底面を有し、真空二重びん
３の凹球状底面とは密着することがなく、凹球状
底面からの立上がり部内周壁に、実質的に線接触
することにより支持されるようになつている。ま
た、調理鍋２の外周面は真空二重びん３の内周壁
に密着することがなく、第１図に示すように若干
のすき間がある。なお、真空二重びん３の底面又
はその立上がり部分にいくつかの小突起を設け、
その小突起によつて調理鍋を点接触状態で支持す
るようにしてもよい。逆に、調理鍋２の底角部に
小突起を設けても同様の効果が得られる。

また、調理鍋２には蓋１４が設けられており、
その蓋１４の上面には、金属線をわん曲して形成
した起伏自在のつまみ１５が設けられている。更
に、調理鍋２の開口部外周縁の中心対称の位置に
ブラケツト１６を取付け、これに金属線を屈曲し
て形成した取手１７を起伏自在に取付けている。
この取手１７は、第２図に鎖線で示すようにこれ
を倒した場合でもその一部が蓋１４の上面に掛る
直線状の係合部１８を有する。

上記の調理鍋２によつて種々の調理の下ごしら
えや、煮沸等を行なつたのち、その取手１７を把
持して断熱ポツト１内に収納し、つまみ１５およ
び取手１７を倒した状態で蓋１４を施す。この状
態で調理鍋２及びその内部は断熱状態に保たれる
ので、炊飯や煮つけの調理が進行し、所要時間を
経過すると、調理が完了する。

調理完了後は弁装置７のつまみ１２を引上げて
弁孔１１を開放し、内外の圧力差を無くしたのち
蓋１４を開け、取手１７を起立せしめ、これを把
持して調理鍋２を取出す。

〔効果〕

この考案の断熱調理器は以上のごときものであ
るから、次に列挙する効果がある。

(1) 調理鍋の断熱ポツトの内周壁との接触部分
が、実質上線接触又は点接触となるよう形成さ
れているので、熱伝導が少なく、従つて調理鍋
の温度が下がり難い。

(2) 調理物を直接断熱ポツト内に入れるのではな
く、調理鍋に入れた状態で出し入れするので、
移し替える時に調理物を温度低下を防ぐことが
できるとともに、煮汁の飛散を防止することが
できる。

(3) 調理鍋の取手に係合部を設け、倒伏時蓋に係
合するようにしているので、断熱ポツトから取
出す際指を掛け易い利点がある。

(4) 調理物をすくつたり、かきまぜたりする場
合、杓子が断熱ポツトに当たることがないの
で、ガラス製の場合でも安全である。また金属
製断熱ポツトの場合は、調理物が直接金属部分
に触れないので腐食を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の断面図、第２図は同上の調理
鍋の斜視図である。 １……断熱ポツト、２……調理鍋、３……真空
二重びん、４……底体、６……蓋、７……弁装
置、１４……蓋、１５………つまみ、１７……取
手、１８……係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断熱ポツトとその内部に出入れ自在に収納され
   る蓋付き調理鍋との組合せからなり、調理鍋底面
   と断熱ポツト内壁との接触部分を実質上点接触又
   は線接触となるように形成し、調理鍋の蓋に起伏
   自在のつまみを設けるとともに、調理鍋の口縁に
   起伏自在の取手を取付け、その取手に倒伏時蓋の
   一部に当る係合部を設けてなる断熱調理器。