JPH0747629B2 - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JPH0747629B2
JPH0747629B2 JP1298758A JP29875889A JPH0747629B2 JP H0747629 B2 JPH0747629 B2 JP H0747629B2 JP 1298758 A JP1298758 A JP 1298758A JP 29875889 A JP29875889 A JP 29875889A JP H0747629 B2 JPH0747629 B2 JP H0747629B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリカーボネート及び製造プロセスにおいて
鎖停止剤を使用した形のポリカーボネートの製造に関す
る。
(従来の技術) ポリカーボネートは、ジヒドロキシ化合物(特にビスフ
ェノールAのような芳香族シヒドロキシ化合物)と炭酸
誘導体(例えばホスゲン)との反応によって製造される
ことが知られている。ポリカーボネート生成物の分子量
を調節する目的で、反応混合物に鎖停止剤を加えること
が多い。鎖停止剤の使用に関して当業界にて通常行われ
ている方法は、最初に反応容器に仕込まれるモノマー混
合物中に鎖停止剤を組み込む、という方法である。従っ
て、炭酸誘導体との接触が施される場合、反応混合物中
にはジヒドロキシ化合物も鎖停止剤も存在している。
上記のような方法によるポリカーボネートの製造では、
種々の重合度の分子が得られる。鎖停止剤は、分子の殆
どを所定の分子量範囲内に限定するのに有用である。し
かしながら、上記のような当業界の方法に従って鎖停止
剤を使用したとしても、全ての分子が所定の分子量範囲
内に入るわけではなく、極めて低分子量の分子(カーボ
ネート副生物)が一部生成する。
カーボネート副生物は、ポリカーボネートの製造におい
て生じる分子のうちでは分子量がかなり小さいので、そ
の沸点も極めて低く、従って蒸気相に存在することが多
い。ある目的でポリカーボネートを例えば押出、成形、
又は加熱するとき、蒸気相におけるカーボネート副生物
の存在は重大な問題となる。従って、カーボネート副生
物の生成を防止又は抑制し、これによってポリカーボネ
ート生成物を製造しやすくするのが望ましく、このとき
できるだけ多くの割合の分子が所定の分子量範囲内に入
るようにする(この目的で使用するのが鎖停止剤であ
る)。
ある1つの態様においては、本発明は、モノカーボネー
トを全く含まないか、又は実質的に含まないポリカーボ
ネート組成物である。他の態様においては、本発明は、
式 log10(Z)=14.045216−2.4921524log10(Mw) (式中、Mwはポリカーボネート組成物の重量平均分子量
である)により与えられるZppm以下のジカーボネートを
含有するポリカーボネート組成物である。さらに他の態
様においては、本発明はモノカーボネートが生成しない
か、又は実質的に生成しないようなポリカーボネートの
製造法である。さらに他の態様においては、本発明は、
ジカーボネートがZppm(Zは上記の通り)を越える量で
生成しないようなポリカーボネート組成物の製造法であ
る。さらに他の態様においては、本発明は、ポリカーボ
ネートの製造においてモノカーボネートの生成を防止す
るか、又は実質的に防止する方法である。さらに他の態
様においては、本発明は、ポリカーボネート組成物中に
おけるジカーボネートの生成をZppm(Z上記の通り)以
下に抑える方法である。
驚くべきことに、炭酸誘導体及び鎖停止剤とジヒドロキ
シ化合物との反応によりポリカーボネートの製造におい
て、ジヒドロキシ化合物と炭酸誘導体との反応が完了し
てから(反応熱がある一定レベルまで増大することから
わかる)、反応混合物中に鎖停止剤を加えることによっ
て、反応生成物中におけるモノカーボネートの生成を防
止することができ、またジカーボネートの生成を、ポリ
カーボネートの分子量に関連してごく少量に抑えること
ができる。(“モノカーボネート”と“ジカーボネー
ト”はカーボネート副生物であり、これらについては後
記にて説明する.)モノカーボネートを全く含有しない
か又は実質的に含有しない、及び/又は前記の低レベル
のジカーボネートを含有するポリカーボネートは改良さ
れた生成物であり、従ってこのような品質のポリカーボ
ネートが得られる製造法は、従来技術による方法に比べ
て改良された方法である。このようなカーボネート副生
物が存在すると(特にモノカーボネート)、しばしば金
型ベントに部分的な詰まりを引き起こし、従って金型キ
ャビティ全体への溶融押出物の流れが不均一となって、
この結果、射出成形によってポリカーボネートから作製
された完成成形品に欠陥が生じる(例えば、コンパクト
ディスクの製造において“ゴーストライン(ghost line
s)”又は“ゴースト(ghosting)”として知られてい
る現象)。
本発明の改良されたポリカーボネート及び本発明の改良
された方法によって製造されたポリカーボネートは、例
えば成形品、フィルム、ファイバー、光学製品、及びあ
らゆる種類の造形品(特に、コンパクトディスク、機器
用ハウジング、及び電子工業・自動車工業向けの他の物
品)を製造するのに有用である。
本明細書にて使用している“モノカーボネート”とは、
ジヒドロキシ化合物、炭酸誘導体、及び鎖停止剤がモノ
マー混合物を構成しているときに、ポリカーボネートの
製造時において、鎖停止剤と炭酸誘導体との間の副反応
から生じるカーボネート副生物を意味する。モノカーボ
ネートは1つのカルボニル炭素と2つの鎖停止剤単位を
含んでおり、ジヒドロキシ化合物単位は含有していな
い。本明細書にて使用している“ジカーボネート”と
は、2つの炭酸誘導体単位が1つのジヒドロキシ化合物
単位と結合し、そして鎖停止剤とのさらなる結合が停止
されたときに生じるカーボネート副生物を意味する。ジ
カーボネートは、ある1つのカルボニル炭素、別のカル
ボニル炭素と結合した連鎖停止剤単位、及び1つのジヒ
ドロキシ化合物単位と結合した鎖停止剤単位を含む。本
明細書においては、モノカーボネートを“L0"(ジヒド
ロキシ化合物単位を含まない線状カーボネート副生物を
示す)で表わし、またこれに対応してジカーボネートを
“L1"で表わすことがある。
例えば、p−t−ブチルフェノール(“PTBP")を鎖停
止剤として存在させてビスフェノールAをホスゲン化す
る場合、PTBPとホスゲンが直接反応すると、L0で表わさ
れる化合物(ビスフェノールA単位を含まない;すなわ
ちモノカーボネート)が生成する。このような場合のL0
はジ(tert−ブチル)フェニルカーボネートである。フ
ェノールを鎖停止剤として使用した場合、L0はジフェニ
ルカーボネートであり、また4−(tert−オクチル)フ
ェノールを鎖停止剤として使用した場合、L0はジ−4−
(tert−オクチル)フェニルカーボネートである。これ
らのフェノール系カーボネートは一般式 (式中、Rは、上記した場合においては、それぞれt−
ブチル、H、又はtert−オクチルである)で表わされ
る。鎖停止剤がホスゲン分子をキャップする前にビスフ
ェノールA単位の各末端がホスゲン分子と反応すると、
L1で表わされる化合物(1つのビスフェノールA単位を
含む;すなわちジカーボネート)が生成する。このよう
な場合のL1は一般式 (式中、Rは使用する鎖停止剤に従って前記にて説明し
た通りである)で表わされる。
L0が僅か100ppm未満の量で生成する〔好ましくは無視し
うる程度のごく微量(例えば20ppm未満)で生成する;
さらに好ましくは実質的に生成しない(例えば3ppm未満
の量で生成する);そして最も好ましくは全く生成しな
い〕ような、そして式 log10(Z)=14.045216−2.4921524log10(Mw) (式中、Mwは組成物の重量平均分子量である)によって
与えられるZppmを越える量のL1が生成しないような本発
明の組成物及びその製造法が、ポリカーボネートの製造
時において、従来技術を凌ぐ有利な方法で鎖停止剤を加
えることによって得られる。
炭酸誘導体とジヒドロキシ化合物(例えば脂肪族ジオー
ルや芳香族ジオール)との反応によってポリカーボネー
トが得られることは、当業界においてよく知られてい
る。好適なジヒドロキシ化合物は、 (1)一般式 HO−R2−OH (式中、R2は置換もしくは非置換のアリーレン基、二価
の脂肪族(環状又は直鎖状)炭化水素基、又は前記基の
2種以上の混合物である)で表わされる化合物;及び (2)一般式 〔式中、 ()Aは1〜15個の炭素原子を有する二価の炭化水素
基、前記基の2種以上の混合物、又は であり; ()Xはそれぞれ独立に水素、塩素、臭素、もしくは
フッ素であるか;又は炭素数が1〜4のアルキル基、炭
素数が6〜8のアリール基(例えばフェニル、トリル、
キシリル等)、炭素数が1〜4のアルコキシ基、もしく
は炭素数が6〜8のアリールオキシ基であり;そして ()nは0又は1である〕 で表わされる種々の橋かけした置換又は非置換の芳香族
ジオール; 等の、反応性基が2つのヒドロキシル基のみであるよう
なジヒドロキシ化合物である。
本発明において使用できるジヒドロキシ化合物として
は、米国特許第3,036,036,3,036,037,3,036,038及び3,0
36,039号各明細書に記載のトリチオジオール;米国特許
第2,999,835,3,038,365,3,334,154及び4,299,928号各明
細書に記載の芳香族部分置換及び脂肪族部分置換の誘導
体も含めたビス(ar−ヒドロキシ−フェニル)アルキリ
デン(ビスフェノールAタイプのジオールと呼ぶことが
多い);米国特許第3,169,121号明細書に記載の芳香族
ジオール;ジヒドロキシベンゼン;レゾルシノール;ヒ
ドロキノン;ハロゲン置換ジヒドロキシベンゼン及びア
ルキル置換ジヒドロキシベンゼン;並びにビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィドのようなジヒドロキシジ
フェニルスルフィド;等がある。ホモポリマーよりカー
ボネートコポリマー又はインターポリマーを得ようとす
る場合は、2種以上のジヒドロキシ化合物を使用しても
よい。
一群の好適なジヒドロキシ化合物としては、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニル
メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロペンタン、2,2−ビス(3−プロピル−4−ヒド
ロキシフェニル)デカン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)ノナン、2,2−ビス(3,5−イ
ソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)ノナン、2,2−
ビス(3,エチル−4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、3,3−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、3,3−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(“ビスフェノールA又は“ビス−
A")、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン(“ビスフェノールA−P"又はビス−A−
P")、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(“テトラブロモビスフェノールA")、
及び2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(“テトラメチルビスフェノールA")等の
二価フェノール類がある。
本発明を実施する上で有用な他の群のジヒドロキシ化合
物としては、ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロ
キシフェニル)スルホキシド、ビス(3−メチル−5−
エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホキ
シド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホキシド、及びビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホキシド等のジヒドロキシジフェニルスル
ホキシド類がある。
本発明を実施する上で有用な他の群のジヒドロキシ化合
物としては、ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロ
キシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−5−エチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−ク
ロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン、及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等
のジヒドロキシアリールスルホン類がある。
本発明を実施する上で有用な他の群のジヒドロキシ化合
物としては、3,3′,5,5′−テトラブロモ−4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニル、3,3′−ジクロ−4,4′−ジヒドロ
キシジフェニル、3,3′−ジエチル−4,4′−ジヒドロキ
シジフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニル、及びp,p′−ジヒドロキシジフェニル等の
ジヒドロキシジフェニル類がある。
本発明を実施する上で有用な他の群のジヒドロキシ化合
物としては、ビス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジクロ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、及びビス
(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等の二価フェノー
ルエーテル類がある。
上記のジヒドロキシ化合物は本発明に従ってポリカーボ
ネートを製造するのに好適であり、これらのうちで最も
好ましいのはビスフェノールA、ビスフェノールA−
P、テトラブロモビスフェノールA、及びテトラメチル
ビスフェノールAである。ビスフェノールA−P又はテ
トラブロモビスフェノールAから製造されるポリカーボ
ネートは、高いガラス転移温度及び他の好ましい高温特
性を有することが見出されている。
本発明に使用するのに好適な炭酸誘導体は、ジヒドロキ
シ化合物のアニオンによる攻撃においてカルボニル炭素
から外すことのできる外れ易い基(leaving groups)を
有している。このような炭酸誘導体としては、炭酸ジエ
ステルやハロゲン化カルボニルがあり(これらに限定さ
れない)、最も好ましいのはホスゲン(COCl2)であ
る。
ポリカーボネートを得るための反応は周囲温度にて行わ
れる(但しこれに限定されない)。50〜125℃のいくら
か高温で反応を行えば、その反応速度は、特に反応が終
わりに向かうにつれて増大する。塩基の存在下で反応を
行えば、ジヒドロキシ化合物と炭酸誘導体との間の反応
はより充分に進行する。最初のpH値は少なくとも10が好
ましく、11〜14のpH値がさらに好ましい。反応混合物中
に塩基が存在すると、シヒドロキシ化合物がその対応す
るアニオンになりやすく、このアニオンが炭酸誘導体と
速やかに反応する。好適な塩基は、アルカリ金属又はア
ルカリ土類金属の炭酸塩、酸化物、もしくは水酸化物、
又はピリジンやアミン等の有機塩基であり、これらのう
ちで最も好ましいのは水酸化ナトリウムである。所望の
pHを保持又は回復するために、塩基は反応中連続的に加
えても、又は少量ずつに分けて加えてもよい。ジヒドロ
キシ化合物から生成するアニオンとの反応において、炭
酸誘導体から2つの外れ易い基が外れると、カーボネー
ト結合が形成されてポリマーの成長が起こる。
ピリジンのような有機塩基を使用する場合、反応はジヒ
ドロキシ化合物と炭酸誘導体を含有した均一溶液中で行
われ、このとき前記溶液は通常、塩素化炭化水素(例え
ばクロロベンゼン等)のような有機溶媒を含む。この方
法(一般に溶液法と呼ばれる)は、界面法ほど広く行わ
れてはいない。界面法においては、水酸化ナトリウム等
の無機塩基の水溶液中にジヒドロキシ化合物が溶解又は
懸濁された二相システムにてポリカーボネートが製造さ
れる。ポリカーボネート生成物を溶解することのできる
有機溶媒(例えば塩化メチレンのような塩素化炭化水
素)が一方の相を構成する。反応混合物が炭酸誘導体と
接触し、得られたポリカーボネート生成物が有機相に集
まる。いずれの方法においても、生成物を含有した溶液
を酸で中和し、水洗して電解質を取り除き、そして種々
の公知の方法によってポリカーボネートを回収する。上
記の製造法により得られるポリマーは、一般に式 (式中、−O−R3−O−は使用したジヒドロキシ化合物
の残基である)で表わされる反復構造単位を有すること
を特徴とする。ポリカーボネート鎖はこのような構造単
位を最大約200個含有し、好ましい鎖長はこのような構
造単位が約25〜75個からなる鎖長である。
ポリカーボネートの製造法(上記にて概略説明)並びに
反応混合物における出発物質として使用するのに適した
ジヒドロキシ化合物及び炭酸誘導体については、モイヤ
ー(Moyer)による米国特許第2,970,131号明細書(ユニ
オン・カーバイド);シュネル(Schnell)による米国
特許第3,028,365号明細書(バイエルAG);フライター
ク(Freitag)による米国特許第4,269,964号明細書(バ
イエルAG);及びグラス(Glass)による米国特許第4,5
29,791号明細書(ダウ・ケミカル)等により詳細に説明
してある。
本発明の主題である改良点は、ジヒドロキシ化合物と炭
酸誘導体を含有したポリカーボネート反応混合物へ鎖停
止剤を添加する際のタイミングに関する。鎖停止剤は、
ある1つの官能基(ヒドロキシル基であることが多い)
を有する単官能化合物であり、ポリマー鎖の末端に残存
している未反応のヒドロキシル基又は炭酸エステル基に
置き換わることのできるアニオンを生成する。ポリカー
ボネートの製造においてこのような目的に使用される代
表的な鎖停止剤としては、フェノール及びその誘導体、
飽和脂肪族アルコール、金属亜硫酸塩、アルキル酸塩化
物、トリアルキル又はトリアリールシラノール、モノハ
ロシラン、アミノアルコール、トリアルキルアルコー
ル、アニリン、並びにメチルアニリン等がある。これら
のうちでは、フェノール、PTBT、及び4−(1,1,3,3−
テトラメチル−ブチル)−フェノール(4−tret−オク
チルフェノール)が最も好ましい。上記した好ましい3
つの鎖停止剤の中では、4−tert−オクチルフェノール
の沸点が最も高く、従って最も揮発性が低い。
鎖停止剤を使用する場合、当業界において広く実施され
ている方法は、ジヒドロキシ化合物を炭酸誘導体と接触
させる前に鎖停止剤とモノマーとを混合する方法であ
る。ポリマー鎖のヒドロキシル基又は炭酸エステル基を
攻撃することのできる鎖停止剤アニオンは、都合の悪い
ことに、(1)炭酸誘導体初期仕込み物の未反応分子を
攻撃しうるか、又は(2)ポリマー鎖が成長して望まし
い鎖長となる機会を有する前にポリマー鎖の末端基と置
き換わりうる。従って、炭酸誘導体を導入する前に鎖停
止剤を反応混合物に加えるという当業界の方法では前記
したようなことが起こり、カーボネート副生物が形成さ
れる。例えば、モノカーボネートが形成される傾向につ
いてはキャンプベル(Campbell)による米国特許第4,38
4,108号明細書(G.E.)に記載されており、該明細書の
表IIにおいて350ppmのジフェニルカーボネートを含有し
たポリカーボネート生成物が報告されている。
カーボネート副生物の含量が本発明の生成物に対して規
定したカーボネート副生物含量を越えると、通常はポリ
カーボネートの望ましい特性と品質が悪化し、多くの用
途において不純物としてみなされる。例えば、PTBPの存
在下でビスフェノールAをホスゲン化することによって
得られたポリカーボネートを射出成形すると、金型及び
/又は成形される物品にしばしばプレートアウト(粉末
状残留物)が現れる。L0とL1が存在することによって引
き起こされる。ポリカーボネート生成物の品質に及ぼす
望ましくない影響のため、本発明の改良されたポリカー
ボネート(及び本発明の改良された方法によりポリカー
ボネート生成物)のL0含量は、いかなる分子量において
も100ppm未満でなければならない。好ましくは、ポリカ
ーボネート生成物は無視しうる程度のごく微量のL0(例
えば20ppm未満)を含有し;さらに好ましくは、ポリカ
ーボネート生成物は実質的にL0を含有せず(例えば、含
有量3ppm未満);そして最も好ましくは、ポリカーボネ
ート生成物はL0を全く含有しない。L1の含有量は、ポリ
カーボネートの分子量に関連して低レベルに抑えなけれ
ばならない。例えば、ポリカーボネートは、式 log10(Z)=14.045216−2.4921524log10(Mw) (式中、Mwはポリカーボネート組成物の重量平均分子量
である)で与えられるZppm以下のジカーボネートを含有
しなければならない。
L0の生成を防止することができ、且つL1の生成を低レベ
ルに抑えることのできるような、従来の方法を凌ぐ有利
なポリカーボネート製造法が見出された。この改良は、
ジヒドロキシ化合物と炭酸誘導体との反応が完全に進行
してから(反応熱がある一定のレベルまで増大すること
からわかる)反応混合物中に鎖停止剤を加えることによ
って達成される。ポリカーボネート生成反応の温度分布
を解析する方法は当業界において知られている(例え
ば、ブルネル(Brunelle)による米国特許第4,722,995
号明細書(G.E.)に記載)。反応混合物中に鎖停止剤が
存在しないので、炭酸誘導体の未反応部分に対する鎖停
止剤の早すぎる攻撃が起こることはない。従って、L0
生成が100ppm未満に抑えられ;好ましくは、L0の生成が
無視しうる程度のごく微量(例えば20ppm未満)に抑え
られ;さらに好ましくは、L0の生成が実質的に防止され
(例えば生成量が3ppm未満);そして最も好ましくはL0
の生成が全く防止され、このときジカーボネートの生成
は式 log10(Z)=14.045216−2.4921524log10(Mw) (式中、Mwは前記ポリカーボネートの重量平均分子量で
ある)で与えられるZppm以下に抑えられる。本発明の方
法、本発明の方法より得られる生成物、及びこれらによ
って具現される改良点を、以下の実施例に基づいてさら
に詳細に説明する。
実施例1 1,350gのビスフェノールAと6,959gの水との混合物中
に、34%苛性ソーダ水溶液1,393g(すなわち473.62gのN
aOH)を加えることによって、モノマー溶液を作製し
た。直径3/8インチ(9.5mm)の管状反応器中、2分の滞
留時間にて、モノマー溶液をホスゲン及び塩化メチレン
溶媒と接触させた。気体と液体との接触をうまく起こさ
せるために、6インチ(150mm)長さのインラインミキ
サー3つと12インチ(305mm)長さのインラインミキサ
ー1つ〔いずれも直径3/8インチ(9.5mm)〕を使用し
た。モノマー溶液の流量は29g/分に、ホスゲンの流量は
2.4g/分に、そして塩化メチレンの流量は17g/分に設定
した。本プロセスにて生成したポリカーボネートオリゴ
マーを水相から分離した。24gの該オリゴマーに、水21g
とPTBPの10%塩化メチレン溶液2.42gを加えた。本混合
物を4オンス(113.65ml)容量のガラス容器中に入れて
メカニカルシェーカーで5分間振盪し、これによって鎖
停止剤とオリゴマーとのプラグ流れ混合(plug flow mi
xing)を行った。5分後、50%苛性ソーダ水溶液2.45g
(すなわちNaOH1.225g)を加え、混合物をさらに5分間
振盪した。この後、塩化メチレン35g及びTEA(トリエチ
ルアミン)の1.5%塩化メチレン溶液1.75gを加え、重合
反応が完了するまで(クロロホルメートが消失すること
からわかる)本混合物を振盪した。得られたポリカーボ
ネート生成物の分子量は17,400で、L1の含量は3,000ppm
であり、L0は検出されなかった。
実施例2 PTBPの10%塩化メチレン溶液を2.24gの代わりに1.09g使
用した以外は、実施例1の手順を繰り返した。得られた
ポリカーボネート生成物の分子量は31,200で、L1の含量
は700ppmであり、L0は検出されなかった。
実施例3 0.65モルのビスフェノールA及びビスフェノールA1モル
当たり2モルのNaOHを含むモノマー溶液を、3つの5イ
ンチ(127mm)ミキサーを有する2インチ(51mm)パイ
プ中でホスゲン化した(混合時のトータル滞留時間は1
分)。反応混合物へのホスゲンの添加は128ポンド(15.
06kg)/hrの割合で行った。反応混合物が第2のミキサ
ーを通過した後に、ビスフェノールA1モル当たり0.053
モルのPTBPを反応混合物に加えた。次いで、50重量%の
苛性ソーダ水溶液を、93ポンド(42.18kg)/hrの割合で
反応混合物に加えた。ミキシングの完了後、反応混合物
を攪拌タンク中に一気に流し込み、3分間滞留させた。
次いで塩化メチレンを、600ポンド(272.15kg)/hrの割
合で攪拌タンク中に加えた。反応混合物を冷却した後、
鎖連結触媒(トリエチルアミン)を加えて重合を完了さ
せた。得られたポリカーボネートの分子量は19,385、L0
の含量は16ppm、そしてL1の含量は1,110ppmであった。
実施例4 PTBPの代わりにフェノールを鎖停止剤として使用した以
外は、実施例1の手順を繰り返した。ポリカーボネート
生成物の分子量は17,500で、L1の含量は3,200ppmであ
り、L0は検出されなかった。
実施例5 PTBPの代わりに4−(tert−オクチル)フェノール
(“PTOP")を鎖停止剤として使用した以外は、実施例
1の手順を繰り返した。ポリカーボネート生成物の分子
量は16,323で、L1の含量は1,840ppmであり、L0は検出さ
れなかった。
実施例6 1,400gのビスフェノールA−Pと7,316gの水との混合物
中に、34%苛性ソーダ水溶液1,420g(すなわち482.80g
のNaOH)を加えることによって、モノマー溶液を作製し
た。直径3/8インチ(9.5mm)の管状反応器中、2分の滞
留時間にて、モノマー溶液をホスゲン及び塩化メチレン
溶媒と接触させた。気体と液体の接触をうまく起こさせ
るために、6インチ(152mm)長さのインラインミキサ
ー3つと12インチ(305mm)長さのインラインミキサー
1つ〔いずれも直径3/8インチ(9.5mm)〕を使用した。
モノマー溶液の流量は30g/分に、ホスゲンの流量は1.5g
/分に、そして塩化メチレンの流量は21g/分に設定し
た。本プロセスにて生成したポリカーボネートオリゴマ
ーを水相から分離した。19gの該オリゴマーに、水37gと
PTBPの10%塩化メチレン溶液0.67gを加えた。本混合物
を4オンス(113.65ml)容量のガラス容器中に入れてメ
カニカルシェーカーで5分間振盪し、これにより、鎖停
止剤とオリゴマーとのプラグ流れ混合(plug flow mixi
ng)を行った。5分後、50%苛性ソーダ水溶液2.1g(す
なわちNaOH1.05g)を加え、混合物をさらに5分間振盪
した。この後、塩化メチレン21g及びTEA(トリエチルア
ミン)の1.5%塩化メチレン溶液0.27gを加え、重合反応
が完了するまで(クロロホルメートが消失することから
わかる)本混合物を振盪した。得られたポリカーボネー
ト生成物の分子量は21,100で、L1の含量は860ppmであ
り、L0は検出されなかった。
実施例7 1,400gのビスフェノールA−Pと7,316gの水との混合物
中に、34%苛性ソーダ水溶液1,420g(すなわち482.80g
のNaOH)を加えることによって、モノマー溶液を作製し
た。直径3/8インチ(9.5mm)の管状反応器中、2分の滞
留時間にて、モノマー溶液をホスゲン及び塩化メチレン
溶媒と接触させた。気体と液体の接触をうまく起こさせ
るために、6インチ(152mm)長さのインラインミキサ
ー3つと12インチ(305mm)長さのインラインミキサー
1つ〔いずれも直径3/8インチ(9.5mm)〕を使用した。
モノマー溶液の流量は30g/分に、ホスゲンの流量は1.5g
/分に、そして塩化メチレンの流量は21g/分に設定し
た。本プロセスにて生成したポリカーボネートオリゴマ
ーを水相から分離した。27gの該オリゴマーに、水29gと
PTBPの10%塩化メチレン溶液0.67gを加えた。本混合物
を4オンス(113.65ml)容量のガラス容器中に入れてメ
カニカルシェーカーで5分間振盪し、これにより鎖停止
剤とオリゴマーとのプラグ流れ混合(plug flow mixin
g)を行った。5分後、50%苛性ソーダ水溶液2.1g(す
なわちNaOH1.05g)を加え、混合物をさらに5分間振盪
した。この後、塩化メチレン21g及びTEA(トリエチルア
ミン)の1.5%塩化メチレン溶液0.27gを加え、重合反応
が完了するまで(クロロホルメートが消失することから
わかる)本混合物を振盪した。得られたポリカーボネー
ト生成物の分子量は30,600で、L1の含量は150ppmであ
り、L0は検出されなかった。
上記の実施例において作製されたポリカーボネートサン
プル中におけるL0とL1の量の測定は、高性能の逆相液体
クラマトグラフィー(reverse−phase liquid chromato
graphy)を使用して行った。ヒューレット・パッカード
製1090クロマトグラフを利用し、長さ150mm×内径4mmの
カラム〔スフェリソーブ(Spherisorb)ODS II 3ミクロ
ンパッキングを充填〕を使用して生成物を分析した。キ
ャリヤー溶媒としてテトラヒドロフラン/H2Oを使用し
た。各オリゴマーに対し、カラムから溶離するときの26
4±5nmにおけるUV吸収を測定した。このようにして得ら
れた吸収ピークを、正確に計量したモノカーボネートと
ジカーボネートを含有する標準化サンプルから得られた
吸収ピークと比較した。
実施例1〜2と4〜7においては、50ppm未満のL0含量
は本測定法によっては検出不可能であった。従って、こ
れらの実施例において、L0含量に関して記載されている
“ND"(non−detectable;検出不可能)という結果は、L
0含量が50ppm未満であったことを示している。実施例3
においては、また実施例2の生成物の追加分析に関して
は、ポリカーボネート重合体が溶解しないアンチソルベ
ント(antisolvent)(例えばn−ヘプタン)を使用し
て塩化メチレン溶液から分析すべきポリカーボネート生
成物を沈澱させ、上澄み液体を蒸発除去し、そしてポリ
カーボネートをクロマトグラフィー用溶媒(テトラヒド
ロフラン)中に再び溶解することによって、検出限界を
より低いレベルにまで下げた。こうした対策を採った場
合、L0の検出限界は3ppmであった。実施例2の生成物で
は、沈澱手順を使用して分析したときにもL0は検出不可
能であり、L0含量は実際上3ppm未満であることが判明し
た。
上記実施例は全て(下記第I表に要約)、ジヒドロキシ
化合物と炭酸誘導体との反応によりポリカーボネートの
製造において鎖停止剤を使用する場合、ジヒドロキシ化
合物と炭酸誘導体との間の反応が完了してから反応混合
物に鎖停止剤を加えれば、L0の生成が全く防止されるか
又は実質的に防止され、これによってL0を全く含有しな
いか又は実質的に含有しないポリカーボネート生成物が
得られる、ということを示している。さらに、L1の生成
量は式 log10(Z)=14.045216−2.4921524log10(Mw) (式中、Mwはポリカーボネート組成物の重量平均分子量
である)で与えられるZppm以下に抑えられる。〔この関
係は、ビスフェノールAとホスゲン及びPTBPとを反応さ
せることによりポリカーボネートの製造から得られるデ
ータに基づいたlog−log回帰プロットから導いたが、当
技術者にとっては、他の出発物質に基づいたポリカーボ
ネートの製造に関しても、同じアプローチに従って対応
する関係を導くことができる。上記の式に従って求めら
れる値“Z"を、実施例1,2,及び3の生成物(いずれも、
ビスフェノールA,ホスゲン,及びPTBPの反応による生成
物である)に関して第I表に示す。〕 本発明は、ジヒドロキシ化合物と炭酸誘導体との反応が
完了してから(反応熱がある一定レベルまで増大するこ
とからわかる)反応混合物に鎖停止剤を加えるという再
現性のある工程に基づいているので、本発明の改良され
たポリカーボネート組成物は、本明細書に記載のジヒド
ロキシ化合物、炭酸誘導体、及び鎖停止剤の実質的にい
かなる組合せによっても得ることができる。例えば、場
合によっては、ビスフェノールAを使用するよりむしろ
ビスフェノールA−P又はテトラブロモビスフェノール
A等のジヒドロキシ化合物を使用して、ポリカーボネー
トを作製するのが望ましいこともある。また、鎖停止剤
としてp−t−ブチルフェノールを使用するよりむしろ
フェノール又はp−t−オクチルフェノールを使用する
のが望ましいこともある。
本発明で鎖停止剤と鎖連結触媒を同時に添加しない点に
特徴がある。すなわち鎖停止剤を添加した後、冷却し、
その後鎖連結触媒を添加している。それがためその鎖連
結触媒とカーボネートオリゴマー間の望ましくない副反
応が起こらないという利点を有する。
当技術者にとっては、上述の開示内容に基づいて種々の
変形にて本発明を実施することができるであろう。従っ
て、特許請求の範囲に記載の本発明の精神と範囲を逸脱
することなく、本発明の実施態様に対し種々の変形が可
能であることは言うまでもない。例えば、ポリカーボネ
ート生成物中に充填剤や変性剤を組み込むこともでき
る。これらの物質としては、強化剤、顔料、滑剤、離型
剤、クレー、カーボンブラック、アスベスト、及び安定
剤等がある。さらに、紫外線による劣化を防止するため
の物質や耐着火性を付与するための物質等もある。本発
明のポリカーボネート生成物及び本発明の方法におい
て、これらの物質の1種以上を組み込むことも本発明の
範囲内である。さらに、ポリカーボネートの製造に関し
ては、本明細書に記載した以外にも種々の態様があり、
これらは公知であってしばしば当技術者に利用されてい
る。これらの態様としては、例えば、多種類の溶媒、鎖
連結用触媒、枝分かれ剤、還元剤、及びポリカーボネー
トの製造に利用されている生成物回収法等がある。当技
術者は、本発明を実施する上で、本発明の範囲を逸脱す
ることなく上記態様の1種以上を容易に使用することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭59−9566(JP,B2)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) ポリカーボネートの形成を引き起
    すためにジヒドロキシ化合物及び十分な水性塩基を含む
    反応混合物を形成すること、 (b) その反応混合物とホスゲン及び該水性塩基と異
    なる相を形成する有機溶剤とを接触させ、 (c) 該反応混合物及び該ホスゲン及び有機溶剤を混
    合し、 (d) 該反応混合物と該ホスゲンとの反応が完了する
    時、その反応混合物に鎖停止剤を加え、 (e) その反応混合物を冷却し、 (f) 鎖連結触媒をその反応混合物に加え、そして (g) その反応混合物からポリカーボネートを回収す
    る 逐次工程を含むポリカーボネートを製造する方法。
  2. 【請求項2】工程(c)におけるその混合は、管状反応
    器内で該反応混合物をインラインミキサーに通すことに
    よって行なわれる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】工程(c)のその混合は、少なくとも約10
    のpHで行なわれる請求項1の方法。
  4. 【請求項4】工程(e)は、攪拌タンク反応器内にその
    反応混合物を急速に通過させることによって行なわれる
    請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】(a) ポリカーボネートの形成を引き起
    すためにジヒドロキシ化合物及び十分な水性塩基を含む
    反応混合物を形成すること、 (b) その反応混合物とホスゲン及び該水性塩基と異
    なる相を形成する有機溶剤とを接触させ、 (c) 該反応混合物及び該ホスゲン及び有機溶剤を混
    合し、 (d) 該反応混合物と該ホスゲンとの反応の熱がある
    一定のレベルまで増加した時、その反応混合物に鎖停止
    剤を加え、 (e) その反応混合物を冷却し、 (f) 鎖連結触媒をその反応混合物に加え、そして (g) その反応混合物からポリカーボネートを回収す
    る 逐次工程を含むポリカーボネートを製造する方法。
  6. 【請求項6】工程(c)におけるその混合は、管状反応
    器内で該反応混合物をインラインミキサーに通すことに
    よって行なわれる請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】工程(c)のその混合は、少なくとも約10
    のpHで行なわれる請求項5の方法。
  8. 【請求項8】工程(e)は、攪拌タンク反応器内にその
    反応混合物を急速に通過させることによって行なわれる
    請求項5記載の方法。
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