JPH07228680A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
芳香族ポリカーボネートの製造方法Info
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- JPH07228680A JPH07228680A JP1912194A JP1912194A JPH07228680A JP H07228680 A JPH07228680 A JP H07228680A JP 1912194 A JP1912194 A JP 1912194A JP 1912194 A JP1912194 A JP 1912194A JP H07228680 A JPH07228680 A JP H07228680A
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- aromatic polycarbonate
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- hydroxyphenyl
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前
駆体とから芳香族ポリカーボネートを製造する際に、脂
肪族アルコールの含有量が100ppm以下のイソブチ
レンとフェノールとから製造される4−tert−ブチルフ
ェノールを、末端封止剤として使用する芳香族ポリカー
ボネートの製造方法。 【効果】 色調および耐熱性に優れ、かつ、分子量の低
下を生じない芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供
する。
駆体とから芳香族ポリカーボネートを製造する際に、脂
肪族アルコールの含有量が100ppm以下のイソブチ
レンとフェノールとから製造される4−tert−ブチルフ
ェノールを、末端封止剤として使用する芳香族ポリカー
ボネートの製造方法。 【効果】 色調および耐熱性に優れ、かつ、分子量の低
下を生じない芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
トの製造方法に関する。
トの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、芳香族ポリカーボネートは、
芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とから
製造されることが知られており、この際に、製造される
芳香族ポリカーボネートの分子量を調節する目的で、末
端封止剤(分子量調節剤、重合停止剤などとも呼ばれて
いる)を添加し重合がなされている(例えば、米国特許
第3028365号)。その中でも、末端封止剤とし
て、4−tert−ブチルフェノールが最も一般的に広く使
用されている。
芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とから
製造されることが知られており、この際に、製造される
芳香族ポリカーボネートの分子量を調節する目的で、末
端封止剤(分子量調節剤、重合停止剤などとも呼ばれて
いる)を添加し重合がなされている(例えば、米国特許
第3028365号)。その中でも、末端封止剤とし
て、4−tert−ブチルフェノールが最も一般的に広く使
用されている。
【0003】一般に、4−tert−ブチルフェノールは、
触媒の存在下、イソブチレンをフェノールに作用させて
製造されている。このイソブチレンは、工業的には、ナ
フサの分解により得られるC4留分から、硫酸による抽
出を経て製造される。このようにして製造されたイソブ
チレンは、約5000ppmの脂肪族アルコールを含有
することもある。本発明者らの検討の結果、このように
脂肪族アルコールの含有量が多いイソブチレンから製造
される4−tert−ブチルフェノールを用いて、芳香族ポ
リカーボネートを製造すると、得られる芳香族ポリカー
ボネートは、黄色に着色し、また耐熱性にも劣ることが
判明した。更に、イソブチレン中の脂肪族アルコールの
含有量の増加に伴い、得られる芳香族ポリカーボネート
の分子量が低下する傾向が認められた。
触媒の存在下、イソブチレンをフェノールに作用させて
製造されている。このイソブチレンは、工業的には、ナ
フサの分解により得られるC4留分から、硫酸による抽
出を経て製造される。このようにして製造されたイソブ
チレンは、約5000ppmの脂肪族アルコールを含有
することもある。本発明者らの検討の結果、このように
脂肪族アルコールの含有量が多いイソブチレンから製造
される4−tert−ブチルフェノールを用いて、芳香族ポ
リカーボネートを製造すると、得られる芳香族ポリカー
ボネートは、黄色に着色し、また耐熱性にも劣ることが
判明した。更に、イソブチレン中の脂肪族アルコールの
含有量の増加に伴い、得られる芳香族ポリカーボネート
の分子量が低下する傾向が認められた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、色調
および耐熱性に優れ、かつ、分子量の低下を生じさせな
い芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供することで
ある。
および耐熱性に優れ、かつ、分子量の低下を生じさせな
い芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の現
象に注目して検討を進め、脂肪族アルコールの含有量の
少ないイソブチレンから得られる4−tert−ブチルフェ
ノールを末端封止剤として使用し、芳香族ポリカーボネ
ートを製造すると、得られる芳香族ポリカーボネート
は、色調および耐熱性に優れ、分子量の低下を生じない
ことを見いだし、本発明に到達した。すなわち、本発明
は、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体と
から芳香族ポリカーボネートを製造する際に、脂肪族ア
ルコールの含有量が100ppm以下のイソブチレンと
フェノールとから製造される4−tert−ブチルフェノー
ルを、末端封止剤として使用する芳香族ポリカーボネー
トの製造方法に関するものである。
象に注目して検討を進め、脂肪族アルコールの含有量の
少ないイソブチレンから得られる4−tert−ブチルフェ
ノールを末端封止剤として使用し、芳香族ポリカーボネ
ートを製造すると、得られる芳香族ポリカーボネート
は、色調および耐熱性に優れ、分子量の低下を生じない
ことを見いだし、本発明に到達した。すなわち、本発明
は、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体と
から芳香族ポリカーボネートを製造する際に、脂肪族ア
ルコールの含有量が100ppm以下のイソブチレンと
フェノールとから製造される4−tert−ブチルフェノー
ルを、末端封止剤として使用する芳香族ポリカーボネー
トの製造方法に関するものである。
【0006】本発明に使用する4−tert−ブチルフェノ
ールは、脂肪族アルコールの含有量が100ppm以
下、好ましくは50ppm以下のイソブチレンとフェノ
ールとを作用させて得られるものである。脂肪族アルコ
ールの含有量が100ppmを超えるイソブチレンから
得られる4−tert−ブチルフェノールを使用して製造さ
れる芳香族ポリカーボネートは、黄色に着色し、また、
耐熱性にも劣る傾向がある。さらに該芳香族ポリカーボ
ネートは、分子量の低下を生じやすい。ここで、「分子
量の低下を生じる」ということは、同じ量の4−tert−
ブチルフェノールを使用して、芳香族ポリカーボネート
を製造する場合に、脂肪族アルコールの含有量が100
ppmを超えるイソブチレンより得られる4−tert−ブ
チルフェノールを使用して製造される芳香族ポリカーボ
ネートの重量平均分子量(標準ポリスチレン換算値)
が、脂肪族アルコールの含有量が100ppm以下のイ
ソブチレンより得られる4−tert−ブチルフェノールを
使用して製造される芳香族ポリカーボネートの重量平均
分子量(標準ポリスチレン換算値)よりも低い値である
ことを意味する。
ールは、脂肪族アルコールの含有量が100ppm以
下、好ましくは50ppm以下のイソブチレンとフェノ
ールとを作用させて得られるものである。脂肪族アルコ
ールの含有量が100ppmを超えるイソブチレンから
得られる4−tert−ブチルフェノールを使用して製造さ
れる芳香族ポリカーボネートは、黄色に着色し、また、
耐熱性にも劣る傾向がある。さらに該芳香族ポリカーボ
ネートは、分子量の低下を生じやすい。ここで、「分子
量の低下を生じる」ということは、同じ量の4−tert−
ブチルフェノールを使用して、芳香族ポリカーボネート
を製造する場合に、脂肪族アルコールの含有量が100
ppmを超えるイソブチレンより得られる4−tert−ブ
チルフェノールを使用して製造される芳香族ポリカーボ
ネートの重量平均分子量(標準ポリスチレン換算値)
が、脂肪族アルコールの含有量が100ppm以下のイ
ソブチレンより得られる4−tert−ブチルフェノールを
使用して製造される芳香族ポリカーボネートの重量平均
分子量(標準ポリスチレン換算値)よりも低い値である
ことを意味する。
【0007】脂肪族アルコールの含有量が100ppm
以下のイソブチレンは、例えば、以下の方法によって製
造することができる。すなわち、脂肪族アルコールを含
有する粗イソブチレンを、蒸留水、イオン交換水等の純
水を蓄えた洗気瓶等で、脂肪族アルコールが所望の含有
量以下になるまで十分に洗浄し、その後、乾燥剤を詰め
たカラムを通過させる等の方法で乾燥させて製造するこ
とができる。ここで、脂肪族アルコールとは、直鎖状ま
たは分岐鎖状の脂肪族一価アルコールであり、特に、直
鎖状または分岐鎖状の低級脂肪族一価アルコールであ
る。かかる直鎖状または分岐鎖状の脂肪族一価アルコー
ルとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、sec-ブタノール、tert- ブタノール等を挙
げることができる。
以下のイソブチレンは、例えば、以下の方法によって製
造することができる。すなわち、脂肪族アルコールを含
有する粗イソブチレンを、蒸留水、イオン交換水等の純
水を蓄えた洗気瓶等で、脂肪族アルコールが所望の含有
量以下になるまで十分に洗浄し、その後、乾燥剤を詰め
たカラムを通過させる等の方法で乾燥させて製造するこ
とができる。ここで、脂肪族アルコールとは、直鎖状ま
たは分岐鎖状の脂肪族一価アルコールであり、特に、直
鎖状または分岐鎖状の低級脂肪族一価アルコールであ
る。かかる直鎖状または分岐鎖状の脂肪族一価アルコー
ルとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、sec-ブタノール、tert- ブタノール等を挙
げることができる。
【0008】上記の方法で精製されたイソブチレンをフ
ェノールと作用させて4−tert−ブチルフェノールを得
る方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法、
例えば、アルキル化触媒存在下、イソブチレンとフェノ
ールとを30〜200℃で作用させ、その後、反応混合
物を蒸留して4−tert−ブチルフェノールを得る方法を
用いることができる(例えば、米国特許第393253
7号)。
ェノールと作用させて4−tert−ブチルフェノールを得
る方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法、
例えば、アルキル化触媒存在下、イソブチレンとフェノ
ールとを30〜200℃で作用させ、その後、反応混合
物を蒸留して4−tert−ブチルフェノールを得る方法を
用いることができる(例えば、米国特許第393253
7号)。
【0009】本発明の芳香族ポリカーボネートの製造方
法では、少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物、
カーボネート前駆体、および、末端封止剤として、脂肪
族アルコールの含有量が100ppm以下のイソブチレ
ンとフェノールとを作用させて得られる4−tert−ブチ
ルフェノールを使用する。その製造方法としては、例え
ば、" Encyclopedia of Polymer Science and Technolo
gy " vol. 10,Polycarbonate, Interscience Publishin
g, p.710-725 (1969)、 H.Schnell," Chemistry and Ph
ysics of Polycarbonate ", Interscience Publishing,
p.31-51 (1964)に記載されている方法、例えば、界面重
合法を利用することができる。例えば、有機溶媒、塩基
水溶液の2相混合溶媒中で、脂肪族アルコールの含有量
が100ppm以下のイソブチレンとフェノールとを作
用させて得られる4−tert−ブチルフェノール、芳香族
ジヒドロキシ化合物、および、カーボネート前駆体とか
ら、芳香族ポリカーボネートを製造する方法を適用する
ことができる。尚、この際、所望により、ポリカーボネ
ート生成触媒を使用してもよい。
法では、少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物、
カーボネート前駆体、および、末端封止剤として、脂肪
族アルコールの含有量が100ppm以下のイソブチレ
ンとフェノールとを作用させて得られる4−tert−ブチ
ルフェノールを使用する。その製造方法としては、例え
ば、" Encyclopedia of Polymer Science and Technolo
gy " vol. 10,Polycarbonate, Interscience Publishin
g, p.710-725 (1969)、 H.Schnell," Chemistry and Ph
ysics of Polycarbonate ", Interscience Publishing,
p.31-51 (1964)に記載されている方法、例えば、界面重
合法を利用することができる。例えば、有機溶媒、塩基
水溶液の2相混合溶媒中で、脂肪族アルコールの含有量
が100ppm以下のイソブチレンとフェノールとを作
用させて得られる4−tert−ブチルフェノール、芳香族
ジヒドロキシ化合物、および、カーボネート前駆体とか
ら、芳香族ポリカーボネートを製造する方法を適用する
ことができる。尚、この際、所望により、ポリカーボネ
ート生成触媒を使用してもよい。
【0010】本発明の製造方法により種々の分子量を有
する芳香族ポリカーボネートを製造することができる
が、製造される芳香族ポリカーボネートの重量平均分子
量(標準ポリスチレン換算値)は、約10000〜約1
00000であるのが好ましく、約30000〜約70
000であるのがより好ましい。芳香族ポリカーボネー
トの重量平均分子量(標準ポリスチレン換算値)は、脂
肪族アルコールの含有量が100ppm以下のイソブチ
レンとフェノールとから製造される4−tert−ブチルフ
ェノールの使用量を調節することにより制御できる。通
常、該4−tert−ブチルフェノールの使用量は、使用す
る芳香族ジヒドロキシ化合物の量に対して、約1〜約1
0モル%であるのが好ましく、さらには、約1.5〜約
7.0モル%であるのがより好ましい。
する芳香族ポリカーボネートを製造することができる
が、製造される芳香族ポリカーボネートの重量平均分子
量(標準ポリスチレン換算値)は、約10000〜約1
00000であるのが好ましく、約30000〜約70
000であるのがより好ましい。芳香族ポリカーボネー
トの重量平均分子量(標準ポリスチレン換算値)は、脂
肪族アルコールの含有量が100ppm以下のイソブチ
レンとフェノールとから製造される4−tert−ブチルフ
ェノールの使用量を調節することにより制御できる。通
常、該4−tert−ブチルフェノールの使用量は、使用す
る芳香族ジヒドロキシ化合物の量に対して、約1〜約1
0モル%であるのが好ましく、さらには、約1.5〜約
7.0モル%であるのがより好ましい。
【0011】界面重合法を利用し、芳香族ポリカーボネ
ートを製造するにあたり、脂肪族アルコールの含有量が
100ppm以下のイソブチレンとフェノールとから製
造される4−tert−ブチルフェノールは、任意の時期に
作用させることができる。すなわち、芳香族ジヒドロキ
シ化合物とカーボネート前駆体との反応において、最初
に、すなわち、カーボネート前駆体を作用させる以前
に、芳香族ジヒドロキシ化合物とともに存在させてもよ
く、または、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート
前駆体との反応中もしくは反応終了後に作用させてもよ
い。さらには、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネー
ト前駆体との反応の進行に伴い、4−tert−ブチルフェ
ノールを逐次連続的に作用させることもできる。
ートを製造するにあたり、脂肪族アルコールの含有量が
100ppm以下のイソブチレンとフェノールとから製
造される4−tert−ブチルフェノールは、任意の時期に
作用させることができる。すなわち、芳香族ジヒドロキ
シ化合物とカーボネート前駆体との反応において、最初
に、すなわち、カーボネート前駆体を作用させる以前
に、芳香族ジヒドロキシ化合物とともに存在させてもよ
く、または、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート
前駆体との反応中もしくは反応終了後に作用させてもよ
い。さらには、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネー
ト前駆体との反応の進行に伴い、4−tert−ブチルフェ
ノールを逐次連続的に作用させることもできる。
【0012】本発明に使用する芳香族ジヒドロキシ化合
物としては、一般式(1)または一般式(2)で表され
る化合物を挙げることができる。 HO−Ar1−X−Ar2−OH (1) HO−Ar3−OH (2) (式中、Ar1、Ar2およびAr3は2価の芳香族基を表
し、XはAr1とAr2を結び付ける連結基を表す) 一般式(1)および一般式(2)において、Ar1、Ar2
およびAr3は、各々2価の芳香族基を表し、好ましく
は、フェニレン基であり、フェニレン基は置換基を有し
ていてもよい。置換基としては、アルキル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、
ハロゲン原子、ニトロ基等が挙げられる。一般式(1)
において、Ar1とAr2は、両方ともが1,4−フェニレ
ン基、1,3−フェニレン基または1,2−フェニレン
基、あるいは一方が1,4−フェニレン基であり、一方
が1,3−フェニレン基または1,2−フェニレン基で
あるのが好ましく、Ar1とAr2の両方が1,4−フェニ
レン基であるのが特に好ましい。
物としては、一般式(1)または一般式(2)で表され
る化合物を挙げることができる。 HO−Ar1−X−Ar2−OH (1) HO−Ar3−OH (2) (式中、Ar1、Ar2およびAr3は2価の芳香族基を表
し、XはAr1とAr2を結び付ける連結基を表す) 一般式(1)および一般式(2)において、Ar1、Ar2
およびAr3は、各々2価の芳香族基を表し、好ましく
は、フェニレン基であり、フェニレン基は置換基を有し
ていてもよい。置換基としては、アルキル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、
ハロゲン原子、ニトロ基等が挙げられる。一般式(1)
において、Ar1とAr2は、両方ともが1,4−フェニレ
ン基、1,3−フェニレン基または1,2−フェニレン
基、あるいは一方が1,4−フェニレン基であり、一方
が1,3−フェニレン基または1,2−フェニレン基で
あるのが好ましく、Ar1とAr2の両方が1,4−フェニ
レン基であるのが特に好ましい。
【0013】一般式(2)において、Ar3は、1,4−
フェニレン基、1,3−フェニレン基または1,2−フ
ェニレン基であり、好ましくは、1,4−フェニレン基
または1,3−フェニレン基である。一般式(1)にお
いて、Xは、Ar1とAr2を結び付ける連結基であり、単
結合、もしくは、2価の炭化水素基、更には−O−、−
S−、−SO−、−SO2 −、−CO−等の炭素と水素
以外の原子を含む基であっても良い。ここで、2価の炭
化水素基とは、飽和の炭化水素基、例えば、メチレン
基、エチレン基、2,2−プロピリデン基、シクロヘキ
シリデン基等のアルキリデン基が挙げられる。また、ア
リール基等で置換された炭化水素基も包含され、更に、
芳香族基やその他の不飽和の炭化水素基を含有する炭化
水素基であってもよい。
フェニレン基、1,3−フェニレン基または1,2−フ
ェニレン基であり、好ましくは、1,4−フェニレン基
または1,3−フェニレン基である。一般式(1)にお
いて、Xは、Ar1とAr2を結び付ける連結基であり、単
結合、もしくは、2価の炭化水素基、更には−O−、−
S−、−SO−、−SO2 −、−CO−等の炭素と水素
以外の原子を含む基であっても良い。ここで、2価の炭
化水素基とは、飽和の炭化水素基、例えば、メチレン
基、エチレン基、2,2−プロピリデン基、シクロヘキ
シリデン基等のアルキリデン基が挙げられる。また、ア
リール基等で置換された炭化水素基も包含され、更に、
芳香族基やその他の不飽和の炭化水素基を含有する炭化
水素基であってもよい。
【0014】芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例として
は、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−
ビス(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4'−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン〔”ビスフェノー
ルA”〕、2−(4'−ヒドロキシフェニル)−2−(3'
−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4'−
ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4'−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキ
シフェニル)−3−メチルブタン、
は、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−
ビス(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4'−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン〔”ビスフェノー
ルA”〕、2−(4'−ヒドロキシフェニル)−2−(3'
−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4'−
ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4'−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキ
シフェニル)−3−メチルブタン、
【0015】2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)
ペンタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−
4−メチルペンタン、4,4−ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)ヘプタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3'−メチル−
4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3'
−イソプロピル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3'−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3'−シクロヘキシル−
4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3'
−アリル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3',5'−ジメチル−4'−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3'−クロロ−4'−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3',5'−ジクロロ
−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3'−ブロモ−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3',5'−ジブロモ−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシア
リール)アルカン類、
ペンタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−
4−メチルペンタン、4,4−ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)ヘプタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3'−メチル−
4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3'
−イソプロピル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3'−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3'−シクロヘキシル−
4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3'
−アリル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3',5'−ジメチル−4'−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3'−クロロ−4'−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3',5'−ジクロロ
−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3'−ブロモ−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3',5'−ジブロモ−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシア
リール)アルカン類、
【0016】1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)
シクロペンタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3'−メチル−4'−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(3',5'−ジメチル−4'−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3',5'−ジクロロ−4'−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス (4'−
ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘプタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)
ノルボルナン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)アダマンタン等のビス(ヒドロキシアリール)シク
ロアルカン類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル等のビス(ヒドロキシアリール)エ
ーテル類、
シクロペンタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3'−メチル−4'−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(3',5'−ジメチル−4'−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3',5'−ジクロロ−4'−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス (4'−
ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘプタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)
ノルボルナン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)アダマンタン等のビス(ヒドロキシアリール)シク
ロアルカン類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル等のビス(ヒドロキシアリール)エ
ーテル類、
【0017】4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、3,3'−ジシクロヘキシル−4,4'−ジ
ヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3'−ジフェニル
−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,
3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド等のビス(ヒドロキシアリール)スル
フィド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホキシド等のビス(ヒドロキシアリール)スルホ
キシド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、3,3'−ジフェニル−4,4'−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン等のビス(ヒドロキシアリー
ル)スルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン等のビス(ヒドロキシアリール)ケトン類、
ド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、3,3'−ジシクロヘキシル−4,4'−ジ
ヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3'−ジフェニル
−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,
3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド等のビス(ヒドロキシアリール)スル
フィド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホキシド等のビス(ヒドロキシアリール)スルホ
キシド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、3,3'−ジフェニル−4,4'−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン等のビス(ヒドロキシアリー
ル)スルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン等のビス(ヒドロキシアリール)ケトン類、
【0018】更には、6,6'−ジヒドロキシ−2,2',
3,3'−テトラヒドロ−3,3,3',3'−テトラメチル
−1,1'−スピロビ(1H−インデン)〔”スピロビイ
ンダンビスフェノール”〕、7,7−ジヒドロキシ−
3,3',4,4'−テトラヒドロ−4,4,4',4'−テト
ラメチル−2,2'−スピロビ(2H−1−ベンゾピラ
ン)〔”スピロビクロマン”〕、トランス−2,3−ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、9,9−
ビス(4'−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,6−
ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジ
オン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1,4−キシレ
ン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)−1,3−キシレン、
4,4'−ジヒドロキシビフェニル、1,4−ジヒドロキ
シナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、ハイ
ドロキノン、レゾルシン等が挙げられる。
3,3'−テトラヒドロ−3,3,3',3'−テトラメチル
−1,1'−スピロビ(1H−インデン)〔”スピロビイ
ンダンビスフェノール”〕、7,7−ジヒドロキシ−
3,3',4,4'−テトラヒドロ−4,4,4',4'−テト
ラメチル−2,2'−スピロビ(2H−1−ベンゾピラ
ン)〔”スピロビクロマン”〕、トランス−2,3−ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、9,9−
ビス(4'−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,6−
ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジ
オン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1,4−キシレ
ン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)−1,3−キシレン、
4,4'−ジヒドロキシビフェニル、1,4−ジヒドロキ
シナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、ハイ
ドロキノン、レゾルシン等が挙げられる。
【0019】更には、例えば、ビスフェノールA2モル
とイソフタロイルクロライド又はテレフタロイルクロラ
イド1モルとを反応させることにより製造されるエステ
ル結合を含む芳香族ジヒドロキシ化合物も有用である。
これらは単独で使用してもよく、あるいは複数併用して
もよい。特に好ましく使用される芳香族ジヒドロキシ化
合物は、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、ビス
(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類であり、中で
も好ましくは、ビスフェノールAである。
とイソフタロイルクロライド又はテレフタロイルクロラ
イド1モルとを反応させることにより製造されるエステ
ル結合を含む芳香族ジヒドロキシ化合物も有用である。
これらは単独で使用してもよく、あるいは複数併用して
もよい。特に好ましく使用される芳香族ジヒドロキシ化
合物は、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、ビス
(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類であり、中で
も好ましくは、ビスフェノールAである。
【0020】本発明に使用するカーボネート前駆体とし
ては、ハロゲン化カルボニル化合物、ジヒドロキシ化合
物のモノまたはビスハロホーメート誘導体、ジヒドロキ
シ化合物のモノまたはビスハロホーメート誘導体のオリ
ゴマーが挙げられる。具体例としては、例えば、塩化カ
ルボニル(ホスゲン)、臭化カルボニル、ヨウ化カルボ
ニル、フッ化カルボニルおよびそれらの混合物等のハロ
ゲン化カルボニル化合物が挙げられる。また、ホスゲン
の2量体であるトリクロロメチルクロロホーメート、ホ
スゲンの3量体であるビス(トリクロロメチル)カーボ
ネートも挙げられる。さらには、2,2−ビス(4'−ク
ロロカルボニルオキシフェニル)プロパン、1,2−ビ
ス(4'−クロロカルボニルオキシフェニル)エタン等
の、ジヒドロキシ化合物とハロゲン化カルボニル化合物
より誘導されるジヒドロキシ化合物のハロホーメート誘
導体も挙げることができる。
ては、ハロゲン化カルボニル化合物、ジヒドロキシ化合
物のモノまたはビスハロホーメート誘導体、ジヒドロキ
シ化合物のモノまたはビスハロホーメート誘導体のオリ
ゴマーが挙げられる。具体例としては、例えば、塩化カ
ルボニル(ホスゲン)、臭化カルボニル、ヨウ化カルボ
ニル、フッ化カルボニルおよびそれらの混合物等のハロ
ゲン化カルボニル化合物が挙げられる。また、ホスゲン
の2量体であるトリクロロメチルクロロホーメート、ホ
スゲンの3量体であるビス(トリクロロメチル)カーボ
ネートも挙げられる。さらには、2,2−ビス(4'−ク
ロロカルボニルオキシフェニル)プロパン、1,2−ビ
ス(4'−クロロカルボニルオキシフェニル)エタン等
の、ジヒドロキシ化合物とハロゲン化カルボニル化合物
より誘導されるジヒドロキシ化合物のハロホーメート誘
導体も挙げることができる。
【0021】本発明の製造方法において、カーボネート
前駆体として、例えば、ハロゲン化カルボニル化合物を
使用する場合、その使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合
物の量に対し、約1.0〜約1.3倍モルであるのが好
ましい。カーボネート前駆体は、気体状態、液体状態あ
るいは固体状態で使用することができ、また、有機溶媒
溶液として使用することができる。
前駆体として、例えば、ハロゲン化カルボニル化合物を
使用する場合、その使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合
物の量に対し、約1.0〜約1.3倍モルであるのが好
ましい。カーボネート前駆体は、気体状態、液体状態あ
るいは固体状態で使用することができ、また、有機溶媒
溶液として使用することができる。
【0022】本発明に使用する有機溶媒は、水に対して
実質的に不活性であり、反応に対して不活性であり、芳
香族ポリカーボネートを溶解するものであれば任意に使
用することができる。例えば、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエ
チレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジク
ロロプロパン等の脂肪族塩素化物、あるいは、クロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族塩素化物のような
塩素化炭化水素、またはそれらの混合物を好適な有機溶
媒として挙げることができる。また、それらの塩素化炭
化水素あるいはそれらの混合物に、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘ
プタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等を混合し
た有機溶媒を使用してもよい。特に好ましい有機溶媒
は、ジクロロメタンである。
実質的に不活性であり、反応に対して不活性であり、芳
香族ポリカーボネートを溶解するものであれば任意に使
用することができる。例えば、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエ
チレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジク
ロロプロパン等の脂肪族塩素化物、あるいは、クロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族塩素化物のような
塩素化炭化水素、またはそれらの混合物を好適な有機溶
媒として挙げることができる。また、それらの塩素化炭
化水素あるいはそれらの混合物に、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘ
プタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等を混合し
た有機溶媒を使用してもよい。特に好ましい有機溶媒
は、ジクロロメタンである。
【0023】本発明に使用する水は、蒸留水、イオン交
換水、または芳香族ポリカーボネートを製造する際に生
じる回収水等であり、さらにはそれらを混合したもので
もよい。水の使用量は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合
物1モルに対し、約0.5〜約5リットルである。芳香
族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液を調製する場合、使
用する水の量は、芳香族ジヒドロキシ化合物と塩基を溶
解させるのに必要な量以上あればよい。例えば、芳香族
ジヒドロキシ化合物がビスフェノールAである場合、水
の量は、ビスフェノールA1モルに対し、約0.8〜約
2.2リットルである。
換水、または芳香族ポリカーボネートを製造する際に生
じる回収水等であり、さらにはそれらを混合したもので
もよい。水の使用量は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合
物1モルに対し、約0.5〜約5リットルである。芳香
族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液を調製する場合、使
用する水の量は、芳香族ジヒドロキシ化合物と塩基を溶
解させるのに必要な量以上あればよい。例えば、芳香族
ジヒドロキシ化合物がビスフェノールAである場合、水
の量は、ビスフェノールA1モルに対し、約0.8〜約
2.2リットルである。
【0024】本発明に使用する塩基としては、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属塩基が好ましく、例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム
等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物を
挙げることができる。これらの塩基は単独で使用しても
よく、または複数併用してもよい。塩基の使用量は、芳
香族ジヒドロキシ化合物の量に対し、約1.0〜1.6
倍当量であるのが好ましい。塩基は、通常、水溶液の状
態で用いられ、さらに、この水溶液に芳香族ジヒドロキ
シ化合物を溶解させて、反応に使用することが好まし
い。この場合、芳香族ジヒドロキシ化合物の塩基性水溶
液は、一般に着色しやすいので、亜硫酸ナトリウム、ナ
トリウムハイドロサルファイトあるいはナトリウムボロ
ハイドライド等を添加して、芳香族ジヒドロキシ化合物
の塩基性水溶液を調製してもよい。また、反応に使用す
る有機溶媒と水との使用量は、反応混合物が実質的に均
一な乳化状態を維持するのに必要な量であればよく、通
常、水層対有機溶媒層の容量比は、約0.4〜約1.
5:1とするのが好ましい。
金属またはアルカリ土類金属塩基が好ましく、例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム
等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物を
挙げることができる。これらの塩基は単独で使用しても
よく、または複数併用してもよい。塩基の使用量は、芳
香族ジヒドロキシ化合物の量に対し、約1.0〜1.6
倍当量であるのが好ましい。塩基は、通常、水溶液の状
態で用いられ、さらに、この水溶液に芳香族ジヒドロキ
シ化合物を溶解させて、反応に使用することが好まし
い。この場合、芳香族ジヒドロキシ化合物の塩基性水溶
液は、一般に着色しやすいので、亜硫酸ナトリウム、ナ
トリウムハイドロサルファイトあるいはナトリウムボロ
ハイドライド等を添加して、芳香族ジヒドロキシ化合物
の塩基性水溶液を調製してもよい。また、反応に使用す
る有機溶媒と水との使用量は、反応混合物が実質的に均
一な乳化状態を維持するのに必要な量であればよく、通
常、水層対有機溶媒層の容量比は、約0.4〜約1.
5:1とするのが好ましい。
【0025】本発明の製造方法において、所望により使
用するポリカーボネート生成触媒(重合触媒とも呼ばれ
ている)としては、3級アミン、4級アンモニウム塩、
3級ホスフィン、4級ホスホニウム塩、あるいは含窒素
複素環化合物およびその塩、イミノエーテルおよびその
塩、アミド基を有する化合物等が挙げられる。好ましく
は、3級アミンであり、例えば、トリエチルアミン、ト
リ−n−プロピルアミン、ジエチル−n−プロピルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、N,N−ジメチルシクロ
ヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミ
ン、N−エチルピペリジン等が挙げられる。これらのポ
リカーボネート生成触媒は、単独で使用してもよく、あ
るいは複数併用してもよい。ポリカーボネート生成触媒
の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物のモル数に対し
て、約0.0005〜約1.5モル%が好ましい。
用するポリカーボネート生成触媒(重合触媒とも呼ばれ
ている)としては、3級アミン、4級アンモニウム塩、
3級ホスフィン、4級ホスホニウム塩、あるいは含窒素
複素環化合物およびその塩、イミノエーテルおよびその
塩、アミド基を有する化合物等が挙げられる。好ましく
は、3級アミンであり、例えば、トリエチルアミン、ト
リ−n−プロピルアミン、ジエチル−n−プロピルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、N,N−ジメチルシクロ
ヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミ
ン、N−エチルピペリジン等が挙げられる。これらのポ
リカーボネート生成触媒は、単独で使用してもよく、あ
るいは複数併用してもよい。ポリカーボネート生成触媒
の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物のモル数に対し
て、約0.0005〜約1.5モル%が好ましい。
【0026】本発明の製造方法において、所望により、
製造時に分岐化剤を添加することにより、分岐化された
芳香族ポリカーボネートを製造することができる。分岐
化剤としては、3つ以上のフェノール性ヒドロキシ基、
ハロホーメート基、カルボキシル基、カルボニルハライ
ド基、活性なハロゲン原子を有する化合物が挙げられ
る。分岐化剤の具体例としては、フロログルシノール、
4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4'−ヒドロキ
シフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,
4,6−トリス(4'−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
1,3,5−トリス(4'−ヒドロキシフェニル)ベンゼ
ン、1,1,1−トリス(4'−ヒドロキシフェニル)エ
タン、α,α,α’−トリス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、トリス
(4−ヒドロキシフェニル)ホスフィン、1,1,4,
4−テトラキス(4'−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、3,3',5,5'−テトラヒドロキシジフェニルエ
ーテル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキ
シイソフタル酸、5−ヒドロキシフタル酸、トリメシン
酸トリクロライド、シアヌル酸クロライド等を挙げるこ
とができる。これらの分岐化剤は、単独で使用してもよ
く、あるいは複数併用してもよい。分岐化剤の使用量
は、目的とする分岐化した芳香族ポリカーボネートの分
岐度に合わせて変化させることができ、通常、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物に対して、約0.05〜約2.0モル
%程度用いるのが好ましい。
製造時に分岐化剤を添加することにより、分岐化された
芳香族ポリカーボネートを製造することができる。分岐
化剤としては、3つ以上のフェノール性ヒドロキシ基、
ハロホーメート基、カルボキシル基、カルボニルハライ
ド基、活性なハロゲン原子を有する化合物が挙げられ
る。分岐化剤の具体例としては、フロログルシノール、
4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4'−ヒドロキ
シフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,
4,6−トリス(4'−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
1,3,5−トリス(4'−ヒドロキシフェニル)ベンゼ
ン、1,1,1−トリス(4'−ヒドロキシフェニル)エ
タン、α,α,α’−トリス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、トリス
(4−ヒドロキシフェニル)ホスフィン、1,1,4,
4−テトラキス(4'−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、3,3',5,5'−テトラヒドロキシジフェニルエ
ーテル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキ
シイソフタル酸、5−ヒドロキシフタル酸、トリメシン
酸トリクロライド、シアヌル酸クロライド等を挙げるこ
とができる。これらの分岐化剤は、単独で使用してもよ
く、あるいは複数併用してもよい。分岐化剤の使用量
は、目的とする分岐化した芳香族ポリカーボネートの分
岐度に合わせて変化させることができ、通常、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物に対して、約0.05〜約2.0モル
%程度用いるのが好ましい。
【0027】本発明の製造方法は、通常、約10℃〜反
応に使用する有機溶媒の沸点温度で実施される。また、
通常、大気圧下で実施するが、所望により、加圧下また
は減圧下で実施してもよい。本発明の製造方法は、バッ
チ式で実施してもよく、連続式で実施してもよい。本発
明の製造方法に使用される反応装置は、槽型反応器、管
型反応器または充填塔等の公知の反応装置、またはこれ
らの反応装置を任意に組み合わせた反応装置である。本
発明の製造方法は、これらの反応装置を用いて、通常、
反応混合物を混合することにより実施する。混合は、有
機溶媒層と水層の分離を防止する程度に行えばよく、有
機溶媒層と水層が均一に混合する程度に行う。通常、混
合は、槽型攪拌装置、静的ミキサー、オリフィスミキサ
ー等を用いて行う。また、混合は、芳香族ポリカーボネ
ートの製造中、常に一定の条件である必要はなく、例え
ば、低分子量の芳香族ポリカーボネートオリゴマーを製
造した後、混合条件を激しくし、効率よく重縮合反応を
行うこともできる。
応に使用する有機溶媒の沸点温度で実施される。また、
通常、大気圧下で実施するが、所望により、加圧下また
は減圧下で実施してもよい。本発明の製造方法は、バッ
チ式で実施してもよく、連続式で実施してもよい。本発
明の製造方法に使用される反応装置は、槽型反応器、管
型反応器または充填塔等の公知の反応装置、またはこれ
らの反応装置を任意に組み合わせた反応装置である。本
発明の製造方法は、これらの反応装置を用いて、通常、
反応混合物を混合することにより実施する。混合は、有
機溶媒層と水層の分離を防止する程度に行えばよく、有
機溶媒層と水層が均一に混合する程度に行う。通常、混
合は、槽型攪拌装置、静的ミキサー、オリフィスミキサ
ー等を用いて行う。また、混合は、芳香族ポリカーボネ
ートの製造中、常に一定の条件である必要はなく、例え
ば、低分子量の芳香族ポリカーボネートオリゴマーを製
造した後、混合条件を激しくし、効率よく重縮合反応を
行うこともできる。
【0028】本発明の方法により製造された芳香族ポリ
カーボネートを含む反応混合物は、次に、バッチ操作ま
たは連続操作により精製され、芳香族ポリカーボネート
が回収される。例えば、界面重合法により芳香族ポリカ
ーボネートを製造した場合は、芳香族ポリカーボネート
を含有する有機溶媒層と水層とを分離し、必要に応じ
て、水または希薄塩基水溶液により洗浄する。次に、希
薄酸水溶液による中和を行う。その際使用される酸は、
塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸等である。その後、実質的に
電解質が存在しなくなるまで、繰り返し水で洗浄する。
そして、この芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液か
ら、公知の方法により有機溶媒を除去して芳香族ポリカ
ーボネートを回収する。芳香族ポリカーボネートを回収
する方法は、蒸留または水蒸気蒸留により有機溶媒を除
去する方法、芳香族ポリカーボネートを溶解しない有機
溶媒(貧溶媒)を芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶
液に添加して、芳香族ポリカーボネートを固体状態と
し、得られた芳香族ポリカーボネートの有機溶媒スラリ
ーから濾過等の方法により有機溶媒を分離する方法等が
ある。
カーボネートを含む反応混合物は、次に、バッチ操作ま
たは連続操作により精製され、芳香族ポリカーボネート
が回収される。例えば、界面重合法により芳香族ポリカ
ーボネートを製造した場合は、芳香族ポリカーボネート
を含有する有機溶媒層と水層とを分離し、必要に応じ
て、水または希薄塩基水溶液により洗浄する。次に、希
薄酸水溶液による中和を行う。その際使用される酸は、
塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸等である。その後、実質的に
電解質が存在しなくなるまで、繰り返し水で洗浄する。
そして、この芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液か
ら、公知の方法により有機溶媒を除去して芳香族ポリカ
ーボネートを回収する。芳香族ポリカーボネートを回収
する方法は、蒸留または水蒸気蒸留により有機溶媒を除
去する方法、芳香族ポリカーボネートを溶解しない有機
溶媒(貧溶媒)を芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶
液に添加して、芳香族ポリカーボネートを固体状態と
し、得られた芳香族ポリカーボネートの有機溶媒スラリ
ーから濾過等の方法により有機溶媒を分離する方法等が
ある。
【0029】さらに具体的には、芳香族ポリカーボネ
ートの有機溶媒溶液から有機溶媒を蒸留除去し、芳香族
ポリカーボネートの有機溶媒溶液を飽和状態とすること
により、芳香族ポリカーボネートを結晶化させ、これを
粉砕したのちに乾燥して、含有する有機溶媒を除去する
方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液から有機溶媒
を除去しながら加熱し、芳香族ポリカーボネートを溶融
状態から直接ペレット化する方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液を温水中に供
給して、有機溶媒を除去しながら、生成するゲル状物を
粉砕する方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液に、貧溶媒ま
たは非溶媒、および水を添加し、加熱濃縮し、固体状態
の芳香族ポリカーボネートを水スラリーとして得る方
法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液を芳香族ポリ
カーボネートの粉体を含む温水中に添加して、有機溶媒
を蒸発除去することにより、固体状態の芳香族ポリカー
ボネートを水スラリーとして得る方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液を芳香族ポリ
カーボネートの粉体および貧溶媒を含む温水中に供給し
ながら、有機溶媒を蒸発除去し、固体状態の芳香族ポリ
カーボネートを水スラリーとして得る方法、等がある。
ートの有機溶媒溶液から有機溶媒を蒸留除去し、芳香族
ポリカーボネートの有機溶媒溶液を飽和状態とすること
により、芳香族ポリカーボネートを結晶化させ、これを
粉砕したのちに乾燥して、含有する有機溶媒を除去する
方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液から有機溶媒
を除去しながら加熱し、芳香族ポリカーボネートを溶融
状態から直接ペレット化する方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液を温水中に供
給して、有機溶媒を除去しながら、生成するゲル状物を
粉砕する方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液に、貧溶媒ま
たは非溶媒、および水を添加し、加熱濃縮し、固体状態
の芳香族ポリカーボネートを水スラリーとして得る方
法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液を芳香族ポリ
カーボネートの粉体を含む温水中に添加して、有機溶媒
を蒸発除去することにより、固体状態の芳香族ポリカー
ボネートを水スラリーとして得る方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液を芳香族ポリ
カーボネートの粉体および貧溶媒を含む温水中に供給し
ながら、有機溶媒を蒸発除去し、固体状態の芳香族ポリ
カーボネートを水スラリーとして得る方法、等がある。
【0030】貧溶媒または非溶媒の具体例は、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノ
ール、ヘキサノール等のアルコール系溶媒、アセトン、
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メトルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒等で
ある。本発明の方法により製造される芳香族ポリカーボ
ネートは、単独で、または、他のポリマーと混合して、
芳香族ポリカーボネートの製造時または製造後に、公知
の方法で、染料、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、加水分
解安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、有機ハロゲン化合
物、アルカリ金属スルホン酸塩、ガラス繊維、炭素繊
維、ガラスビーズ、硫酸バリウム、TiO2 等の各種添
加剤を1種以上添加してもよい。
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノ
ール、ヘキサノール等のアルコール系溶媒、アセトン、
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メトルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒等で
ある。本発明の方法により製造される芳香族ポリカーボ
ネートは、単独で、または、他のポリマーと混合して、
芳香族ポリカーボネートの製造時または製造後に、公知
の方法で、染料、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、加水分
解安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、有機ハロゲン化合
物、アルカリ金属スルホン酸塩、ガラス繊維、炭素繊
維、ガラスビーズ、硫酸バリウム、TiO2 等の各種添
加剤を1種以上添加してもよい。
【0031】本発明の方法により製造される芳香族ポリ
カーボネートは、単独で、または他のポリマーと混合し
て、成型材料として使用することができる。他のポリマ
ーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリトリ
フルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
アセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、パラオキシ
ベンゾイル系ポリエステル、ポリアリレート、ポリスル
フィド等が挙げられる。
カーボネートは、単独で、または他のポリマーと混合し
て、成型材料として使用することができる。他のポリマ
ーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリトリ
フルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
アセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、パラオキシ
ベンゾイル系ポリエステル、ポリアリレート、ポリスル
フィド等が挙げられる。
【0032】また、本発明の方法により製造される芳香
族ポリカーボネートは、特定の有機溶媒(例えば、ジク
ロロメタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒)に可溶であ
り、芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液よりキャス
トし、フィルムのような成形加工品に加工し得る。本発
明の方法により製造される芳香族ポリカーボネートは、
熱可塑性であり、溶融物から射出成形、押し出し成形、
吹き込み成形、積層等の公知の方法により容易に成形加
工することができる。本発明の方法により製造される芳
香族ポリカーボネートは、単独で、または他のポリマー
と混合して、所望により、各種添加剤を添加し、電気機
器等のシャーシーやハウジング材、電子部品、自動車部
品、コンパクトディスク等の情報記録媒体の基板、カメ
ラや眼鏡のレンズ等の光学材料、ガラス代替の建材等に
成型加工することができる。
族ポリカーボネートは、特定の有機溶媒(例えば、ジク
ロロメタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒)に可溶であ
り、芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液よりキャス
トし、フィルムのような成形加工品に加工し得る。本発
明の方法により製造される芳香族ポリカーボネートは、
熱可塑性であり、溶融物から射出成形、押し出し成形、
吹き込み成形、積層等の公知の方法により容易に成形加
工することができる。本発明の方法により製造される芳
香族ポリカーボネートは、単独で、または他のポリマー
と混合して、所望により、各種添加剤を添加し、電気機
器等のシャーシーやハウジング材、電子部品、自動車部
品、コンパクトディスク等の情報記録媒体の基板、カメ
ラや眼鏡のレンズ等の光学材料、ガラス代替の建材等に
成型加工することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、各特性値は下記の方法で測定した。 ・イソブチレン中の脂肪族アルコールの含有量:GC
〔ガスクロマトグラフィー、(株)島津製作所製、GC
−14A〕で定量し、イソブチレンの全重量に対する重
量比(ppm(wt)) を求めた。 ・分子量:GPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー、昭和電工(株)製GPCシステム−11〕で測
定し、重量平均分子量(標準ポリスチレン換算値)を求
めた。 ・色調(YI値):十分に乾燥させた芳香族ポリカーボ
ネートの粉体を熱プレス機を用いて、280℃において
プレスシート(厚さ1mm)を作製した。得られたプレ
スシートのYI値(黄色度)を色差計〔スガ試験機社
製〕を用いて透過測定法で求めた。YI値が小さいほ
ど、着色が少ないことを表している。 ・耐熱性(ガラス転移点,Tg(℃)):DSC〔示差
走査型カロリメトリー、マックサイエンス(株)製、D
SC−3100〕を用い、昇温速度16℃/分の条件で
測定した。
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、各特性値は下記の方法で測定した。 ・イソブチレン中の脂肪族アルコールの含有量:GC
〔ガスクロマトグラフィー、(株)島津製作所製、GC
−14A〕で定量し、イソブチレンの全重量に対する重
量比(ppm(wt)) を求めた。 ・分子量:GPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー、昭和電工(株)製GPCシステム−11〕で測
定し、重量平均分子量(標準ポリスチレン換算値)を求
めた。 ・色調(YI値):十分に乾燥させた芳香族ポリカーボ
ネートの粉体を熱プレス機を用いて、280℃において
プレスシート(厚さ1mm)を作製した。得られたプレ
スシートのYI値(黄色度)を色差計〔スガ試験機社
製〕を用いて透過測定法で求めた。YI値が小さいほ
ど、着色が少ないことを表している。 ・耐熱性(ガラス転移点,Tg(℃)):DSC〔示差
走査型カロリメトリー、マックサイエンス(株)製、D
SC−3100〕を用い、昇温速度16℃/分の条件で
測定した。
【0034】実施例1〜5 下記第1表(表1)に示す量の脂肪族アルコールを含有
するイソブチレンから製造された4−tert−ブチルフェ
ノールを、末端封止剤として使用し、下記の方法で芳香
族ポリカーボネートを得た。10リットルのバッフル付
フラスコに、三段六枚羽根の攪拌機および還流冷却管を
設け、このフラスコに、ビスフェノールA912g
(4.0モル)、ジクロロメタン4リットル及び脱イオ
ン水4リットルを入れ、懸濁液とし、フラスコ内の酸素
を除去する為に窒素パージを行った。次に、上記懸濁液
にナトリウムハイドロサルファイト1.8g(ビスフェ
ノールAに対して0.20重量%)および水酸化ナトリ
ウム436g(10.9モル)を溶解した水溶液1.5
リットルを供給し、15℃でビスフェノールAを溶解し
た。次に、攪拌下、この混合物にホスゲン467g
(4.72モル)を30分間で供給した。この間、反応
温度は39℃まで上昇し、ジクロロメタンの還流が確認
された。その後、4−tert−ブチルフェノール20.4
g(0.136モル、ビスフェノールAに対して3.4
モル%)、トリエチルアミン0.32g(ビスフェノー
ルAに対して0.08モル%)を添加して、反応液をさ
らに90分間攪拌し、重合反応を行った。その後、反応
液を静置し、有機層を分液し、塩酸により中和し、電解
質が無くなるまで脱イオン水で洗浄した。このようにし
て得られた芳香族ポリカーボネートのジクロロメタン溶
液に、トルエン2リットルと水5リットルを加え、98
℃まで加熱することにより、ジクロロメタン及びトルエ
ンを留去して、芳香族ポリカーボネートの粉体を得た。
脱水後、減圧乾燥機にて10mmHg、120℃、12
時間乾燥した。この芳香族ポリカーボネートの粉体より
得られたプレスシートのYI値および芳香族ポリカーボ
ネートの粉体のガラス転移点を測定した結果は第1表に
示した通りであった。
するイソブチレンから製造された4−tert−ブチルフェ
ノールを、末端封止剤として使用し、下記の方法で芳香
族ポリカーボネートを得た。10リットルのバッフル付
フラスコに、三段六枚羽根の攪拌機および還流冷却管を
設け、このフラスコに、ビスフェノールA912g
(4.0モル)、ジクロロメタン4リットル及び脱イオ
ン水4リットルを入れ、懸濁液とし、フラスコ内の酸素
を除去する為に窒素パージを行った。次に、上記懸濁液
にナトリウムハイドロサルファイト1.8g(ビスフェ
ノールAに対して0.20重量%)および水酸化ナトリ
ウム436g(10.9モル)を溶解した水溶液1.5
リットルを供給し、15℃でビスフェノールAを溶解し
た。次に、攪拌下、この混合物にホスゲン467g
(4.72モル)を30分間で供給した。この間、反応
温度は39℃まで上昇し、ジクロロメタンの還流が確認
された。その後、4−tert−ブチルフェノール20.4
g(0.136モル、ビスフェノールAに対して3.4
モル%)、トリエチルアミン0.32g(ビスフェノー
ルAに対して0.08モル%)を添加して、反応液をさ
らに90分間攪拌し、重合反応を行った。その後、反応
液を静置し、有機層を分液し、塩酸により中和し、電解
質が無くなるまで脱イオン水で洗浄した。このようにし
て得られた芳香族ポリカーボネートのジクロロメタン溶
液に、トルエン2リットルと水5リットルを加え、98
℃まで加熱することにより、ジクロロメタン及びトルエ
ンを留去して、芳香族ポリカーボネートの粉体を得た。
脱水後、減圧乾燥機にて10mmHg、120℃、12
時間乾燥した。この芳香族ポリカーボネートの粉体より
得られたプレスシートのYI値および芳香族ポリカーボ
ネートの粉体のガラス転移点を測定した結果は第1表に
示した通りであった。
【0035】比較例1〜2 比較のため、下記第1表に示す量の脂肪族アルコールを
含有するイソブチレンより製造された4−tert−ブチル
フェノールを、末端封止剤として使用する以外は、実施
例と同様に芳香族ポリカーボネートを製造した。これら
を実施例と同様に処理し、各特性値を測定した。結果は
第1表に示した通りであった。
含有するイソブチレンより製造された4−tert−ブチル
フェノールを、末端封止剤として使用する以外は、実施
例と同様に芳香族ポリカーボネートを製造した。これら
を実施例と同様に処理し、各特性値を測定した。結果は
第1表に示した通りであった。
【0036】
【表1】 以上の結果から、本発明の方法により製造される芳香族
ポリカーボネートは、末端封止剤として脂肪族アルコー
ルの含有量の多いイソブチレンから得られる4−tert−
ブチルフェノールを使用して製造される芳香族ポリカー
ボネートに比べ、着色の度合いが低下していることよ
り、色調に優れており、また、耐熱性にも優れているこ
とが判る。さらに、実質的に、分子量の低下も見受けら
れない。
ポリカーボネートは、末端封止剤として脂肪族アルコー
ルの含有量の多いイソブチレンから得られる4−tert−
ブチルフェノールを使用して製造される芳香族ポリカー
ボネートに比べ、着色の度合いが低下していることよ
り、色調に優れており、また、耐熱性にも優れているこ
とが判る。さらに、実質的に、分子量の低下も見受けら
れない。
【0037】
【発明の効果】本発明により、色調および耐熱性に優
れ、かつ、分子量の低下を生じない芳香族ポリカーボネ
ートを製造することが可能になった。
れ、かつ、分子量の低下を生じない芳香族ポリカーボネ
ートを製造することが可能になった。
フロントページの続き (72)発明者 中塚 正勝 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネー
ト前駆体とから芳香族ポリカーボネートを製造する際
に、脂肪族アルコールの含有量が100ppm以下のイ
ソブチレンとフェノールとから製造される4−tert−ブ
チルフェノールを、末端封止剤として使用する芳香族ポ
リカーボネートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1912194A JPH07228680A (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1912194A JPH07228680A (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07228680A true JPH07228680A (ja) | 1995-08-29 |
Family
ID=11990643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1912194A Pending JPH07228680A (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07228680A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100413534B1 (ko) * | 2001-05-08 | 2003-12-31 | 학교법인 포항공과대학교 | 방향족 폴리카보네이트의 제조방법 |
US20160083513A1 (en) * | 2013-04-19 | 2016-03-24 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Polycarbonate resin for liquid crystal members, polycarbonate resin composition for liquid crystal members which contains same, and liquid crystal member |
-
1994
- 1994-02-16 JP JP1912194A patent/JPH07228680A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100413534B1 (ko) * | 2001-05-08 | 2003-12-31 | 학교법인 포항공과대학교 | 방향족 폴리카보네이트의 제조방법 |
US20160083513A1 (en) * | 2013-04-19 | 2016-03-24 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Polycarbonate resin for liquid crystal members, polycarbonate resin composition for liquid crystal members which contains same, and liquid crystal member |
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