JP3220571B2 - 芳香族ポリカーボネートオリゴマーおよび芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
芳香族ポリカーボネートオリゴマーおよび芳香族ポリカーボネートの製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
トオリゴマーおよび芳香族ポリカーボネートの製造方法
に関する。
トオリゴマーおよび芳香族ポリカーボネートの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金
属またはアルカリ土類金属塩基水溶液とハロゲン化カル
ボニル化合物の反応によって芳香族ポリカーボネートオ
リゴマーまたは芳香族ポリカーボネートを連続的に製造
する方法は公知である。例えば、芳香族ポリカーボネー
トオリゴマーの連続的製造法として、特公昭46−21
460号公報(米国特許第3646102号)、特公昭
56−44091号公報(米国特許第4089888
号)に記載された方法が知られているが、これらの方法
は、いずれも重合触媒および分子量調節剤を使用してい
ない。これらの方法は、いずれも管型反応器を用いるも
のである。しかし、一般的には、より多用性の装置であ
る攪拌式の槽型反応装置を用いることが好ましい。さら
に、管型反応器を用いた場合には、反応温度が高くなる
と管内で有機溶媒の蒸発が生じ、キャビテーションや閉
塞等を引き起こすことがあり、槽型反応装置を用いた場
合に比べ、より厳密に冷却を強いられることがしばしば
ある。さらに、これらの芳香族ポリカーボネートオリゴ
マーの製造方法では、分子量調節剤の非存在下にハロホ
ーメート化反応(芳香族ポリカーボネートオリゴマーの
製造)を行うために、製造した芳香族ポリカーボネート
オリゴマーに分子量調節剤を添加して、重縮合反応を行
い芳香族ポリカーボネートを製造するが、このようにし
て製造された芳香族ポリカーボネートは、末端基の封止
率が極めて低いという問題がある。
属またはアルカリ土類金属塩基水溶液とハロゲン化カル
ボニル化合物の反応によって芳香族ポリカーボネートオ
リゴマーまたは芳香族ポリカーボネートを連続的に製造
する方法は公知である。例えば、芳香族ポリカーボネー
トオリゴマーの連続的製造法として、特公昭46−21
460号公報(米国特許第3646102号)、特公昭
56−44091号公報(米国特許第4089888
号)に記載された方法が知られているが、これらの方法
は、いずれも重合触媒および分子量調節剤を使用してい
ない。これらの方法は、いずれも管型反応器を用いるも
のである。しかし、一般的には、より多用性の装置であ
る攪拌式の槽型反応装置を用いることが好ましい。さら
に、管型反応器を用いた場合には、反応温度が高くなる
と管内で有機溶媒の蒸発が生じ、キャビテーションや閉
塞等を引き起こすことがあり、槽型反応装置を用いた場
合に比べ、より厳密に冷却を強いられることがしばしば
ある。さらに、これらの芳香族ポリカーボネートオリゴ
マーの製造方法では、分子量調節剤の非存在下にハロホ
ーメート化反応(芳香族ポリカーボネートオリゴマーの
製造)を行うために、製造した芳香族ポリカーボネート
オリゴマーに分子量調節剤を添加して、重縮合反応を行
い芳香族ポリカーボネートを製造するが、このようにし
て製造された芳香族ポリカーボネートは、末端基の封止
率が極めて低いという問題がある。
【0003】芳香族ポリカーボネートは熱可塑性ポリマ
ーであり、近年、着目されているプラスチックのリサイ
クルの問題においても、リサイクルを容易に行うことが
可能であるという利点がある。ところが、末端基の封止
率の低い芳香族ポリカーボネートは、溶融時に高分子鎖
の再配列が起こり、分子量および分子量分布が変化する
ことが知られている〔高分子化学、21, 505 (1964)、J.
Polymer Sci., 55,251 (1961)〕。分子量および分子量
分布がポリマーの物性に最も密に関わっていることは当
業者には公知であり、このような現象が生じると芳香族
ポリカーボネートのリサイクルに伴う溶融−成形の繰り
返しにより、芳香族ポリカーボネートの物性が変化もし
くは低下するという問題が生じる。そのため、末端基の
封止率が極めて高く、高分子鎖の再配列が起こりにくい
芳香族ポリカーボネートを製造する方法が望まれてい
る。
ーであり、近年、着目されているプラスチックのリサイ
クルの問題においても、リサイクルを容易に行うことが
可能であるという利点がある。ところが、末端基の封止
率の低い芳香族ポリカーボネートは、溶融時に高分子鎖
の再配列が起こり、分子量および分子量分布が変化する
ことが知られている〔高分子化学、21, 505 (1964)、J.
Polymer Sci., 55,251 (1961)〕。分子量および分子量
分布がポリマーの物性に最も密に関わっていることは当
業者には公知であり、このような現象が生じると芳香族
ポリカーボネートのリサイクルに伴う溶融−成形の繰り
返しにより、芳香族ポリカーボネートの物性が変化もし
くは低下するという問題が生じる。そのため、末端基の
封止率が極めて高く、高分子鎖の再配列が起こりにくい
芳香族ポリカーボネートを製造する方法が望まれてい
る。
【0004】分子量調節剤の存在下にハロホーメート化
反応を行う芳香族ポリカーボネートの連続的製造方法も
公知である。例えば、英国特許第923192号では、
芳香族ジヒドロキシ化合物、分子量調節剤、水酸化ナト
リウムの水溶液およびホスゲンを、連続的に、4〜5槽
の連結した槽型反応装置の第1反応槽に供給し、反応さ
せて、さらに反応が進行している第2あるいは第3の反
応槽に、重合触媒を添加して重縮合反応を行い、芳香族
ポリカーボネートを製造している。しかしながら、分子
量調節剤をハロホーメート化反応時に存在させて芳香族
ポリカーボネートを製造した場合にも、得られる芳香族
ポリカーボネートの末端基の封止率は低く、高々70〜
80%程度である。さらに、英国特許第923192号
に記載の製造方法によると、芳香族ポリカーボネートを
製造する際のハロゲン化カルボニル化合物の加水分解量
も無視できない量であった。
反応を行う芳香族ポリカーボネートの連続的製造方法も
公知である。例えば、英国特許第923192号では、
芳香族ジヒドロキシ化合物、分子量調節剤、水酸化ナト
リウムの水溶液およびホスゲンを、連続的に、4〜5槽
の連結した槽型反応装置の第1反応槽に供給し、反応さ
せて、さらに反応が進行している第2あるいは第3の反
応槽に、重合触媒を添加して重縮合反応を行い、芳香族
ポリカーボネートを製造している。しかしながら、分子
量調節剤をハロホーメート化反応時に存在させて芳香族
ポリカーボネートを製造した場合にも、得られる芳香族
ポリカーボネートの末端基の封止率は低く、高々70〜
80%程度である。さらに、英国特許第923192号
に記載の製造方法によると、芳香族ポリカーボネートを
製造する際のハロゲン化カルボニル化合物の加水分解量
も無視できない量であった。
【0005】一方、重合触媒の存在下で、芳香族ポリカ
ーボネートを製造する方法も公知である。例えば、ア
ミンまたはその塩の存在下に、充填物を有する反応器に
液状の水相および有機相、ホスゲンを含む気相を供給
し、さらに最後の反応器を出る反応混合物を液相及び気
相に分離し、液相より反応生成物を単離することからな
る高分子線状ポリカーボネートの製造方法〔特開昭47
−14297号公報(米国特許第3787359
号)〕、 芳香族塩素化炭化水素を溶媒として用い、ポリカーボ
ネートの合成を2段階で行い、その第1段階で、1種ま
たはそれ以上の芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金
属塩溶液とホスゲンの反応を、水相に関して、OHが
0.01〜0.1重量%の間のOH濃度で、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物に関して、0.1〜2.5モル%のトリ
アルキルアミンの存在で、70℃より高い温度で5分以
下の滞留時間で行い、一方、第2段階で重縮合を適宜さ
らにトリアルキルアミンを添加して、水相に関して、O
Hが0.2〜0.5重量%のOH濃度を作ることによっ
て、80℃より高い温度で、1分より多い滞留時間で行
うことを特徴とする1種またはそれ以上の芳香族ジヒド
ロキシ化合物のアルカリ金属塩水溶液のホスゲン化によ
る、相界面重合法によるポリカーボネートの製造法〔特
開昭50−122595号公報(米国特許第40382
52号)〕が知られている。
ーボネートを製造する方法も公知である。例えば、ア
ミンまたはその塩の存在下に、充填物を有する反応器に
液状の水相および有機相、ホスゲンを含む気相を供給
し、さらに最後の反応器を出る反応混合物を液相及び気
相に分離し、液相より反応生成物を単離することからな
る高分子線状ポリカーボネートの製造方法〔特開昭47
−14297号公報(米国特許第3787359
号)〕、 芳香族塩素化炭化水素を溶媒として用い、ポリカーボ
ネートの合成を2段階で行い、その第1段階で、1種ま
たはそれ以上の芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金
属塩溶液とホスゲンの反応を、水相に関して、OHが
0.01〜0.1重量%の間のOH濃度で、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物に関して、0.1〜2.5モル%のトリ
アルキルアミンの存在で、70℃より高い温度で5分以
下の滞留時間で行い、一方、第2段階で重縮合を適宜さ
らにトリアルキルアミンを添加して、水相に関して、O
Hが0.2〜0.5重量%のOH濃度を作ることによっ
て、80℃より高い温度で、1分より多い滞留時間で行
うことを特徴とする1種またはそれ以上の芳香族ジヒド
ロキシ化合物のアルカリ金属塩水溶液のホスゲン化によ
る、相界面重合法によるポリカーボネートの製造法〔特
開昭50−122595号公報(米国特許第40382
52号)〕が知られている。
【0006】しかしながら、特開昭47−14297号
公報(米国特許第3787359号)に記載された製造
方法は、充填塔のような充填物を有する反応器を使用し
ているために、槽型反応装置を用いて芳香族ポリカーボ
ネートの製造を行った場合に比べて、攪拌混合が効率よ
く行われずに、ハロゲン化カルボニル化合物の加水分解
量が増大するという問題点がある。また、特開昭50−
122595号公報(米国特許第4038252号)の
方法では、重合触媒および、分子量調節剤をハロホーメ
ート化反応時に添加していることにより、末端基の封止
率はかなり向上しており、また、ハロゲン化カルボニル
化合物の加水分解反応もかなり抑制されている。しか
し、該方法について、本発明者らが追試を行ったとこ
ろ、水相中のOH濃度を低くした反応条件で、トリアル
キルアミンの存在下に、芳香族ジヒドロキシ化合物とハ
ロゲン化カルボニル化合物の反応を行うと、トリアルキ
ルアミンの分解反応が起こり、得られる芳香族ポリカー
ボネート中の窒素含有量が増加することが判明した。芳
香族ポリカーボネート中の窒素含有量が増加すると、高
温成形時に着色し、色調良好な芳香族ポリカーボネート
が得られないという問題点が生じる。このため、窒素含
有量が少なく、末端基の封止率が高い芳香族ポリカーボ
ネートをハロゲン化カルボニル化合物の加水分解量を抑
制しながら製造する方法が望まれている。
公報(米国特許第3787359号)に記載された製造
方法は、充填塔のような充填物を有する反応器を使用し
ているために、槽型反応装置を用いて芳香族ポリカーボ
ネートの製造を行った場合に比べて、攪拌混合が効率よ
く行われずに、ハロゲン化カルボニル化合物の加水分解
量が増大するという問題点がある。また、特開昭50−
122595号公報(米国特許第4038252号)の
方法では、重合触媒および、分子量調節剤をハロホーメ
ート化反応時に添加していることにより、末端基の封止
率はかなり向上しており、また、ハロゲン化カルボニル
化合物の加水分解反応もかなり抑制されている。しか
し、該方法について、本発明者らが追試を行ったとこ
ろ、水相中のOH濃度を低くした反応条件で、トリアル
キルアミンの存在下に、芳香族ジヒドロキシ化合物とハ
ロゲン化カルボニル化合物の反応を行うと、トリアルキ
ルアミンの分解反応が起こり、得られる芳香族ポリカー
ボネート中の窒素含有量が増加することが判明した。芳
香族ポリカーボネート中の窒素含有量が増加すると、高
温成形時に着色し、色調良好な芳香族ポリカーボネート
が得られないという問題点が生じる。このため、窒素含
有量が少なく、末端基の封止率が高い芳香族ポリカーボ
ネートをハロゲン化カルボニル化合物の加水分解量を抑
制しながら製造する方法が望まれている。
【0007】また、前述の英国特許第923192号の
明細書には、重合触媒の添加は、連続した槽型反応装置
の第1槽またはそれ以降の反応槽、好ましくは、反応が
かなり進行した後の反応槽に供給するのがよいと記載さ
れているが、重合触媒の量および槽型反応装置の滞留時
間に関しての記載はない。該公報の実施例中の連続した
槽型反応装置を用いた芳香族ポリカーボネートの製造方
法では、第1反応槽の滞留時間を4〜5分とし、第2槽
あるいは第3槽で、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して
0.89モル%の重合触媒を添加している。しかし、本
発明者等が、同量の重合触媒を第1反応槽に添加して追
試したところ、分子量の調節が困難であり、分子量分布
の広い芳香族ポリカーボネートしか得られないことが判
明した。
明細書には、重合触媒の添加は、連続した槽型反応装置
の第1槽またはそれ以降の反応槽、好ましくは、反応が
かなり進行した後の反応槽に供給するのがよいと記載さ
れているが、重合触媒の量および槽型反応装置の滞留時
間に関しての記載はない。該公報の実施例中の連続した
槽型反応装置を用いた芳香族ポリカーボネートの製造方
法では、第1反応槽の滞留時間を4〜5分とし、第2槽
あるいは第3槽で、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して
0.89モル%の重合触媒を添加している。しかし、本
発明者等が、同量の重合触媒を第1反応槽に添加して追
試したところ、分子量の調節が困難であり、分子量分布
の広い芳香族ポリカーボネートしか得られないことが判
明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は芳香族ポリカ
ーボネートオリゴマーおよび芳香族ポリカーボネートを
連続的に製造することを目的とするものである。さらに
詳しくは、分子量分布が整った、末端基の封止率が高
く、窒素含有量が少ない芳香族ポリカーボネートをハロ
ゲン化カルボニル化合物の加水分解反応を抑制しながら
製造することを目的とするものであり、また、該芳香族
ポリカーボネートを製造するのに有用な芳香族ポリカー
ボネートオリゴマーを製造することを目的とするもので
ある。
ーボネートオリゴマーおよび芳香族ポリカーボネートを
連続的に製造することを目的とするものである。さらに
詳しくは、分子量分布が整った、末端基の封止率が高
く、窒素含有量が少ない芳香族ポリカーボネートをハロ
ゲン化カルボニル化合物の加水分解反応を抑制しながら
製造することを目的とするものであり、また、該芳香族
ポリカーボネートを製造するのに有用な芳香族ポリカー
ボネートオリゴマーを製造することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合物とアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属塩基に、ハロゲン化カル
ボニル化合物を反応させて、芳香族ポリカーボネートオ
リゴマーを連続的に製造する方法において、(1)芳香
族ジヒドロキシ化合物、水、分子量調節剤、重合触媒、
ハロゲン化カルボニル化合物、有機溶媒および芳香族ジ
ヒドロキシ化合物に対して1.15〜1.6倍当量のア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基を、槽型反応装
置に連続的に供給し、(2)下記式を満足する滞留時間
で反応させ、 logY<−2.19X+1.84 (0.0005≦X<0.
84,1≦Y<69) X:重合触媒の量(芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時
間当たりの供給モル数に対するモル%) Y:滞留時間(分) (3)該反応装置から反応混合物を連続的に抜き出すこ
とからなる数平均分子量1000〜10000の芳香族
ポリカーボネートオリゴマーの製造方法に関するもので
ある。
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合物とアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属塩基に、ハロゲン化カル
ボニル化合物を反応させて、芳香族ポリカーボネートオ
リゴマーを連続的に製造する方法において、(1)芳香
族ジヒドロキシ化合物、水、分子量調節剤、重合触媒、
ハロゲン化カルボニル化合物、有機溶媒および芳香族ジ
ヒドロキシ化合物に対して1.15〜1.6倍当量のア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基を、槽型反応装
置に連続的に供給し、(2)下記式を満足する滞留時間
で反応させ、 logY<−2.19X+1.84 (0.0005≦X<0.
84,1≦Y<69) X:重合触媒の量(芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時
間当たりの供給モル数に対するモル%) Y:滞留時間(分) (3)該反応装置から反応混合物を連続的に抜き出すこ
とからなる数平均分子量1000〜10000の芳香族
ポリカーボネートオリゴマーの製造方法に関するもので
ある。
【0010】さらには、芳香族ジヒドロキシ化合物とア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基に、ハロゲン化
カルボニル化合物を反応させて、芳香族ポリカーボネー
トを連続的に製造する方法において、(1)芳香族ジヒ
ドロキシ化合物、水、分子量調節剤、重合触媒、ハロゲ
ン化カルボニル化合物、有機溶媒および芳香族ジヒドロ
キシ化合物に対して1.15〜1.6倍当量のアルカリ
金属またはアルカリ土類金属塩基を、槽型反応装置に連
続的に供給し、(2)下記式を満足する滞留時間で反応
させ、数平均分子量1000〜10000の芳香族ポリ
カーボネートオリゴマーを含む反応混合物を得、 logY<−2.19X+1.84 (0.0005≦X<0.
84,1≦Y<69) X:重合触媒の量(芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時
間当たりの供給モル数に対するモル%) Y:滞留時間(分) (3)該反応混合物を、連続的に、少なくとも1つの槽
型反応装置に供給して、重縮合反応を行い、最後の槽型
反応装置から芳香族ポリカーボネートを含む反応混合物
を連続的に抜き出し、(4)該反応混合物から芳香族ポ
リカーボネートを回収することからなる芳香族ポリカー
ボネートの製造方法に関するものである。
ルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基に、ハロゲン化
カルボニル化合物を反応させて、芳香族ポリカーボネー
トを連続的に製造する方法において、(1)芳香族ジヒ
ドロキシ化合物、水、分子量調節剤、重合触媒、ハロゲ
ン化カルボニル化合物、有機溶媒および芳香族ジヒドロ
キシ化合物に対して1.15〜1.6倍当量のアルカリ
金属またはアルカリ土類金属塩基を、槽型反応装置に連
続的に供給し、(2)下記式を満足する滞留時間で反応
させ、数平均分子量1000〜10000の芳香族ポリ
カーボネートオリゴマーを含む反応混合物を得、 logY<−2.19X+1.84 (0.0005≦X<0.
84,1≦Y<69) X:重合触媒の量(芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時
間当たりの供給モル数に対するモル%) Y:滞留時間(分) (3)該反応混合物を、連続的に、少なくとも1つの槽
型反応装置に供給して、重縮合反応を行い、最後の槽型
反応装置から芳香族ポリカーボネートを含む反応混合物
を連続的に抜き出し、(4)該反応混合物から芳香族ポ
リカーボネートを回収することからなる芳香族ポリカー
ボネートの製造方法に関するものである。
【0011】以下、本発明の構成要件を詳細に説明す
る。本発明の特徴は、芳香族ポリカーボネートオリゴマ
ーおよび/または芳香族ポリカーボネートを連続的に製
造する際に、重合触媒および分子量調節剤の存在下にハ
ロホーメート化反応を行うことであり、また、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物に対して、1.15〜1.6倍当量の
アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基を使用してハ
ロホーメート化反応を行うことであり、さらには、ハロ
ホーメート化反応を行う槽型反応装置の滞留時間と重合
触媒の量を所定の範囲に限定することである。本発明の
製造方法により、ハロゲン化カルボニル化合物の加水分
解量を削減し、さらに、分子量分布が整った、末端基の
封止率が高く、窒素含有量が少ない芳香族ポリカーボネ
ートオリゴマーおよび芳香族ポリカーボネートが得られ
る。尚、本明細書において、ハロホーメート化反応と
は、芳香族ジヒドロキシ化合物とハロゲン化カルボニル
化合物との反応により、芳香族ポリカーボネートオリゴ
マーを製造する反応であり、重縮合反応とは、芳香族ポ
リカーボネートオリゴマーから高分子量の芳香族ポリカ
ーボネートを製造する反応である。また、芳香族ポリカ
ーボネートオリゴマーとは、数平均分子量1000〜1
0000、重量平均分子量2000〜40000の反応
性の末端基を有するオリゴマーであり、芳香族ポリカー
ボネートとは、数平均分子量10000以上、重量平均
分子量20000以上の反応性の末端基を実質的に有し
ない芳香族ポリカーボネートである。また、反応性の末
端基とは、ハロホーメート末端基およびヒドロキシ末端
基である。
る。本発明の特徴は、芳香族ポリカーボネートオリゴマ
ーおよび/または芳香族ポリカーボネートを連続的に製
造する際に、重合触媒および分子量調節剤の存在下にハ
ロホーメート化反応を行うことであり、また、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物に対して、1.15〜1.6倍当量の
アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基を使用してハ
ロホーメート化反応を行うことであり、さらには、ハロ
ホーメート化反応を行う槽型反応装置の滞留時間と重合
触媒の量を所定の範囲に限定することである。本発明の
製造方法により、ハロゲン化カルボニル化合物の加水分
解量を削減し、さらに、分子量分布が整った、末端基の
封止率が高く、窒素含有量が少ない芳香族ポリカーボネ
ートオリゴマーおよび芳香族ポリカーボネートが得られ
る。尚、本明細書において、ハロホーメート化反応と
は、芳香族ジヒドロキシ化合物とハロゲン化カルボニル
化合物との反応により、芳香族ポリカーボネートオリゴ
マーを製造する反応であり、重縮合反応とは、芳香族ポ
リカーボネートオリゴマーから高分子量の芳香族ポリカ
ーボネートを製造する反応である。また、芳香族ポリカ
ーボネートオリゴマーとは、数平均分子量1000〜1
0000、重量平均分子量2000〜40000の反応
性の末端基を有するオリゴマーであり、芳香族ポリカー
ボネートとは、数平均分子量10000以上、重量平均
分子量20000以上の反応性の末端基を実質的に有し
ない芳香族ポリカーボネートである。また、反応性の末
端基とは、ハロホーメート末端基およびヒドロキシ末端
基である。
【0012】本発明の製造方法では、芳香族ジヒドロキ
シ化合物、水、分子量調節剤、重合触媒、ハロゲン化カ
ルボニル化合物、有機溶媒および、アルカリ金属または
アルカリ土類金属塩基を使用する。本発明の製造方法に
おいて使用する芳香族ジヒドロキシ化合物は、式(1)
または式(2)で表される化合物である。 HO−Ar1−B−Ar2−OH (1) HO−Ar3−OH (2) (式中、Ar1、Ar2およびAr3は各々2価の芳香族基
を、BはAr1とAr2を結び付ける連結基を表す)上記式
において、Ar1、Ar2およびAr3は、各々2価の芳香族
基を表し、好ましくは、フェニレン基もしくは置換基を
有する置換フェニレン基である。置換フェニレン基の置
換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、
シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基等が挙げられる。Ar1とAr2は、
両方ともが、置換基を有していてもよいp−フェニレン
基、m−フェニレン基またはo−フェニレン基、あるい
は一方が、置換基を有していてもよいp−フェニレン基
であり、他方がm−フェニレン基またはo−フェニレン
基であるのが好ましく、特にAr1とAr2の両方が置換基
を有していてもよいp−フェニレン基であるのが好まし
い。Ar3は、置換基を有していてもよいp−フェニレン
基、m−フェニレン基またはo−フェニレン基であり、
好ましくは、p−フェニレン基またはm−フェニレン基
である。また、Bは、Ar1とAr2を結び付ける連結基で
あり、単結合もしくは2価の炭化水素基、更には−O
−、−S−、−SO−、−SO2 −、−CO−等の炭素
と水素以外の原子を含む基であっても良い。2価の炭化
水素基とは、たとえば、メチレン基、エチレン基、2,2-
プロピリデン基、シクロヘキシリデン基等のアルキリデ
ン基、アリール基等で置換されたアルキリデン基、芳香
族基やその他の不飽和の炭化水素基を含有する炭化水素
基である。
シ化合物、水、分子量調節剤、重合触媒、ハロゲン化カ
ルボニル化合物、有機溶媒および、アルカリ金属または
アルカリ土類金属塩基を使用する。本発明の製造方法に
おいて使用する芳香族ジヒドロキシ化合物は、式(1)
または式(2)で表される化合物である。 HO−Ar1−B−Ar2−OH (1) HO−Ar3−OH (2) (式中、Ar1、Ar2およびAr3は各々2価の芳香族基
を、BはAr1とAr2を結び付ける連結基を表す)上記式
において、Ar1、Ar2およびAr3は、各々2価の芳香族
基を表し、好ましくは、フェニレン基もしくは置換基を
有する置換フェニレン基である。置換フェニレン基の置
換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、
シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基等が挙げられる。Ar1とAr2は、
両方ともが、置換基を有していてもよいp−フェニレン
基、m−フェニレン基またはo−フェニレン基、あるい
は一方が、置換基を有していてもよいp−フェニレン基
であり、他方がm−フェニレン基またはo−フェニレン
基であるのが好ましく、特にAr1とAr2の両方が置換基
を有していてもよいp−フェニレン基であるのが好まし
い。Ar3は、置換基を有していてもよいp−フェニレン
基、m−フェニレン基またはo−フェニレン基であり、
好ましくは、p−フェニレン基またはm−フェニレン基
である。また、Bは、Ar1とAr2を結び付ける連結基で
あり、単結合もしくは2価の炭化水素基、更には−O
−、−S−、−SO−、−SO2 −、−CO−等の炭素
と水素以外の原子を含む基であっても良い。2価の炭化
水素基とは、たとえば、メチレン基、エチレン基、2,2-
プロピリデン基、シクロヘキシリデン基等のアルキリデ
ン基、アリール基等で置換されたアルキリデン基、芳香
族基やその他の不飽和の炭化水素基を含有する炭化水素
基である。
【0013】芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例として
は、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2-ビス(4'−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)-1-ナフチルメタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン〔”ビスフェノールA”〕、2-(4'−
ヒドロキシフェニル)-2-(3'−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)−2-メチルプロパン、2,2-
ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−3-メチルブタン、2,
2-ビス (4'−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2-ビス(4'−
ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2-ビス(4'−ヒドロ
キシフェニル)オクタン、2,2-ビス(3'−メチル−4'−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−エチル
−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−
n−プロピル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2-ビス(3'−イソプロピル−4'−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2-ビス(3'−sec−ブチル−4'−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−tert−ブ
チル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス
(3'−シクロヘキシル−4'−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2-ビス(3'−アリル−4'−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2-ビス(3'−メトキシ−4'−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2-ビス(3',5'-ジメチル−4'
−ヒドロキシフェニル) プロパン、2,2-ビス(2',3',
5',6'-テトラメチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(3'−クロロ−4'−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2-ビス(3',5'-ジクロロ−4'−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−ブロモ−4'−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3',5'-ジブロモ
−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(2',
6'-ジブロモ−3',5'-ジメチル−4'−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シアノ
メタン、1-シアノ-3,3−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリール)ア
ルカン類、
は、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2-ビス(4'−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)-1-ナフチルメタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン〔”ビスフェノールA”〕、2-(4'−
ヒドロキシフェニル)-2-(3'−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)−2-メチルプロパン、2,2-
ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−3-メチルブタン、2,
2-ビス (4'−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2-ビス(4'−
ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2-ビス(4'−ヒドロ
キシフェニル)オクタン、2,2-ビス(3'−メチル−4'−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−エチル
−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−
n−プロピル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2-ビス(3'−イソプロピル−4'−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2-ビス(3'−sec−ブチル−4'−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−tert−ブ
チル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス
(3'−シクロヘキシル−4'−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2-ビス(3'−アリル−4'−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2-ビス(3'−メトキシ−4'−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2-ビス(3',5'-ジメチル−4'
−ヒドロキシフェニル) プロパン、2,2-ビス(2',3',
5',6'-テトラメチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(3'−クロロ−4'−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2-ビス(3',5'-ジクロロ−4'−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−ブロモ−4'−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3',5'-ジブロモ
−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(2',
6'-ジブロモ−3',5'-ジメチル−4'−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シアノ
メタン、1-シアノ-3,3−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリール)ア
ルカン類、
【0014】1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロペンタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘプタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロオクタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロノナン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シクロ
ドデカン、1,1-ビス(3'−メチル−4'−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(3',5'-ジメチル−4'
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス
(3',5'-ジクロロ−4'−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルシクロヘキサン、1,1-ビス (4'−ヒドロキシフェニ
ル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ビス(4'−
ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、8,8-ビス(4'−ヒ
ドロキシフェニル)トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン、
2,2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)アダマンタン等の
ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4'-
ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3'- ジメチル-4,
4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、エチレングリコ
ールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス
(ヒドロキシアリール)エーテル類、4,4'−ジヒドロキ
シジフェニルスルフィド、3,3'−ジメチル-4,4'-ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、3,3'−ジシクロヘキシル
-4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3'−ジフ
ェニル-4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,
3',5,5' −テトラメチル-4,4'-ジヒドロキシジフェニル
スルフィド等のビス(ヒドロキシアリール)スルフィド
類、4,4'- ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'
- ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシド
等のビス(ヒドロキシアリール)スルホキシド類、4,4'
- ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'- ジヒドロキ
シ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホン等のビス(ヒドロ
キシアリール)スルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ケトン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ケトン等のビス(ヒドロキシアリール)ケトン
類、
ロペンタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘプタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロオクタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロノナン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シクロ
ドデカン、1,1-ビス(3'−メチル−4'−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(3',5'-ジメチル−4'
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス
(3',5'-ジクロロ−4'−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルシクロヘキサン、1,1-ビス (4'−ヒドロキシフェニ
ル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ビス(4'−
ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、8,8-ビス(4'−ヒ
ドロキシフェニル)トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン、
2,2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)アダマンタン等の
ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4'-
ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3'- ジメチル-4,
4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、エチレングリコ
ールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス
(ヒドロキシアリール)エーテル類、4,4'−ジヒドロキ
シジフェニルスルフィド、3,3'−ジメチル-4,4'-ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、3,3'−ジシクロヘキシル
-4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3'−ジフ
ェニル-4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,
3',5,5' −テトラメチル-4,4'-ジヒドロキシジフェニル
スルフィド等のビス(ヒドロキシアリール)スルフィド
類、4,4'- ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'
- ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシド
等のビス(ヒドロキシアリール)スルホキシド類、4,4'
- ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'- ジヒドロキ
シ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホン等のビス(ヒドロ
キシアリール)スルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ケトン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ケトン等のビス(ヒドロキシアリール)ケトン
類、
【0015】更には、6,6'−ジヒドロキシ-3,3,3',3'−
テトラメチルスピロ(ビス) インダン〔”スピロビイン
ダンビスフェノール”〕、7,7'−ジヒドロキシ-3,3',4,
4'−テトラヒドロ−4,4,4',4'-テトラメチル-2,2'-スピ
ロビ(2H−1−ベンゾピラン)、トランス-2,3- ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)-2- ブテン、9,9-ビス(4'
−ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,3-ビス(4'−ヒ
ドロキシフェニル)-2-ブタノン、1,6-ビス(4'−ヒド
ロキシフェニル)-1,6- ヘキサンジオン、1,1-ジクロロ
-2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1-
ジブロモ-2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)エチレ
ン、1,1-ジクロロ-2,2−ビス(5'−フェノキシ−4'−ヒ
ドロキシフェニル)エチレン、α,α,α’,α’−テ
トラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−p-キシレン、 α,α,α’,α’−テトラメチ
ル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−
キシレン、3,3-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)フタリ
ド、1,5-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナ
フタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、4,4'- ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン等が挙
げられる。また、例えばビスフェノールA2モルとイソ
フタロイルクロライド又はテレフタロイルクロライド1
モルとを反応させることにより製造することができるエ
ステル結合を含む芳香族ジヒドロキシ化合物も有用であ
る。これらは単独で使用してもよく、あるいは2種以上
併用してもよい。本発明の製造方法においては、入手の
容易さ、および製造される芳香族ポリカーボネートの諸
物性からビスフェノールAを使用するのが好ましい。
テトラメチルスピロ(ビス) インダン〔”スピロビイン
ダンビスフェノール”〕、7,7'−ジヒドロキシ-3,3',4,
4'−テトラヒドロ−4,4,4',4'-テトラメチル-2,2'-スピ
ロビ(2H−1−ベンゾピラン)、トランス-2,3- ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)-2- ブテン、9,9-ビス(4'
−ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,3-ビス(4'−ヒ
ドロキシフェニル)-2-ブタノン、1,6-ビス(4'−ヒド
ロキシフェニル)-1,6- ヘキサンジオン、1,1-ジクロロ
-2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1-
ジブロモ-2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)エチレ
ン、1,1-ジクロロ-2,2−ビス(5'−フェノキシ−4'−ヒ
ドロキシフェニル)エチレン、α,α,α’,α’−テ
トラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−p-キシレン、 α,α,α’,α’−テトラメチ
ル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−
キシレン、3,3-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)フタリ
ド、1,5-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナ
フタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、4,4'- ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン等が挙
げられる。また、例えばビスフェノールA2モルとイソ
フタロイルクロライド又はテレフタロイルクロライド1
モルとを反応させることにより製造することができるエ
ステル結合を含む芳香族ジヒドロキシ化合物も有用であ
る。これらは単独で使用してもよく、あるいは2種以上
併用してもよい。本発明の製造方法においては、入手の
容易さ、および製造される芳香族ポリカーボネートの諸
物性からビスフェノールAを使用するのが好ましい。
【0016】本発明の製造方法において使用する水は、
蒸留水、脱イオン水等であるが、芳香族ポリカーボネー
トオリゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネートを
製造する際に生じる洗浄水または反応水を、そのまま、
もしくは蒸留水、脱イオン水等と混合して使用すること
も可能である。洗浄水または反応水を用いる場合には、
洗浄水または反応水中の無機塩の濃度が単位時間当たり
供給する芳香族ジヒドロキシ化合物に対して約20重量
%未満であることが好ましい。芳香族ジヒドロキシ化合
物に対して約20重量%未満の無機塩を含む水を用いる
場合には、製造される芳香族ポリカーボネートの末端基
の封止率、分子量分布、透明性、および耐熱分解性等の
諸物性に変化は認められなく、また反応中のハロゲン化
カルボニル化合物の加水分解反応の増減にも変化は認め
られなく、良好である。しかし、約20重量%以上の無
機塩を含む水を用いる場合には、芳香族ジヒドロキシ化
合物の溶解度が下がるため水を多量に用いるか、スラリ
ー状態で反応を行わねばならず、このため、時として分
子量分布の広い芳香族ポリカーボネートが生成すること
がある。本明細書において、分子量分布の広い芳香族ポ
リカーボネートとは、多分散性インデックス(重量平均
分子量の数平均分子量に対する比)が約3.0以上の芳
香族ポリカーボネートを表し、分子量分布の整った芳香
族ポリカーボネートとは、多分散性インデックスが約
2.0以上3.0未満の芳香族ポリカーボネートを表
す。
蒸留水、脱イオン水等であるが、芳香族ポリカーボネー
トオリゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネートを
製造する際に生じる洗浄水または反応水を、そのまま、
もしくは蒸留水、脱イオン水等と混合して使用すること
も可能である。洗浄水または反応水を用いる場合には、
洗浄水または反応水中の無機塩の濃度が単位時間当たり
供給する芳香族ジヒドロキシ化合物に対して約20重量
%未満であることが好ましい。芳香族ジヒドロキシ化合
物に対して約20重量%未満の無機塩を含む水を用いる
場合には、製造される芳香族ポリカーボネートの末端基
の封止率、分子量分布、透明性、および耐熱分解性等の
諸物性に変化は認められなく、また反応中のハロゲン化
カルボニル化合物の加水分解反応の増減にも変化は認め
られなく、良好である。しかし、約20重量%以上の無
機塩を含む水を用いる場合には、芳香族ジヒドロキシ化
合物の溶解度が下がるため水を多量に用いるか、スラリ
ー状態で反応を行わねばならず、このため、時として分
子量分布の広い芳香族ポリカーボネートが生成すること
がある。本明細書において、分子量分布の広い芳香族ポ
リカーボネートとは、多分散性インデックス(重量平均
分子量の数平均分子量に対する比)が約3.0以上の芳
香族ポリカーボネートを表し、分子量分布の整った芳香
族ポリカーボネートとは、多分散性インデックスが約
2.0以上3.0未満の芳香族ポリカーボネートを表
す。
【0017】無機塩としては、塩化ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カ
リウム、炭酸水素カリウム、塩化カルシウム、炭酸カル
シウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩酸
塩もしくは炭酸塩等およびそれらの混合物が挙げられ
る。好ましくは、芳香族ポリカーボネートオリゴマーお
よび/または芳香族ポリカーボネートの製造工程中に多
量に副生する塩化ナトリウム、もしくは塩化カリウムで
ある。水の量は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
塩基が芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、約1.15
〜1.6倍当量となる条件において、少なくとも、芳香
族ジヒドロキシ化合物をほぼ完全に溶解するのに必要な
量を使用するのがよい。水の量がこの量よりも少ない場
合には、芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金属また
はアルカリ土類金属塩が完全に溶解せず、また、固体状
態の芳香族ジヒドロキシ化合物がハロホーメート化反応
中に飛散したり、昇温された後に溶解する等の原因によ
り、製造される芳香族ポリカーボネートが着色すること
等があるため好ましくない。一方、過度に多すぎる水の
量はハロゲン化カルボニル化合物の加水分解量を増加さ
せる傾向があり、また、生産効率を低下させるため好ま
しくない。好ましい水の量は、芳香族ジヒドロキシ化合
物の単位時間当たりの供給モル数1モル当たり0.8〜
2.2リットル程度であり、より好ましくは、0.9〜
1.7リットル程度である。
トリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カ
リウム、炭酸水素カリウム、塩化カルシウム、炭酸カル
シウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩酸
塩もしくは炭酸塩等およびそれらの混合物が挙げられ
る。好ましくは、芳香族ポリカーボネートオリゴマーお
よび/または芳香族ポリカーボネートの製造工程中に多
量に副生する塩化ナトリウム、もしくは塩化カリウムで
ある。水の量は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
塩基が芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、約1.15
〜1.6倍当量となる条件において、少なくとも、芳香
族ジヒドロキシ化合物をほぼ完全に溶解するのに必要な
量を使用するのがよい。水の量がこの量よりも少ない場
合には、芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金属また
はアルカリ土類金属塩が完全に溶解せず、また、固体状
態の芳香族ジヒドロキシ化合物がハロホーメート化反応
中に飛散したり、昇温された後に溶解する等の原因によ
り、製造される芳香族ポリカーボネートが着色すること
等があるため好ましくない。一方、過度に多すぎる水の
量はハロゲン化カルボニル化合物の加水分解量を増加さ
せる傾向があり、また、生産効率を低下させるため好ま
しくない。好ましい水の量は、芳香族ジヒドロキシ化合
物の単位時間当たりの供給モル数1モル当たり0.8〜
2.2リットル程度であり、より好ましくは、0.9〜
1.7リットル程度である。
【0018】本発明の製造方法において使用する分子量
調節剤とは、芳香族ポリカーボネートを製造する過程で
分子量を調節するためのものである。一般に、1価のヒ
ドロキシ芳香族化合物を使用するが、その他に、1価の
ヒドロキシ芳香族化合物のアルカリ金属またはアルカリ
土類金属塩、1価のヒドロキシ芳香族化合物のハロホー
メート誘導体、1価のカルボン酸、1価のカルボン酸の
アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、1価のカルボ
ン酸の酸ハライド誘導体等も使用できる。1価のヒドロ
キシ芳香族化合物としては、フェノール、p−tert
−ブチルフェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチ
ルフェノール、p−クミルフェノール、p−フェニルフ
ェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−n−オ
クチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−メトキ
シフェノール、p−n−ヘキシルオキシフェノール、p
−イソプロペニルフェノール、o−クロロフェノール、
m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブ
ロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフ
ェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタクロロフェ
ノール、β−ナフトール、α−ナフトール、2−(4’
−メトキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン等が挙げられる。1価のヒドロキシ芳香族
化合物のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩として
は、上述の1価のヒドロキシ芳香族化合物のナトリウム
塩、カリウム塩、カルシウム塩等のアルカリ金属または
アルカリ土類金属塩が挙げられ、1価のヒドロキシ芳香
族化合物のハロホーメート誘導体としては、上述の1価
のヒドロキシ芳香族化合物のハロホーメート誘導体等が
挙げられる。
調節剤とは、芳香族ポリカーボネートを製造する過程で
分子量を調節するためのものである。一般に、1価のヒ
ドロキシ芳香族化合物を使用するが、その他に、1価の
ヒドロキシ芳香族化合物のアルカリ金属またはアルカリ
土類金属塩、1価のヒドロキシ芳香族化合物のハロホー
メート誘導体、1価のカルボン酸、1価のカルボン酸の
アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、1価のカルボ
ン酸の酸ハライド誘導体等も使用できる。1価のヒドロ
キシ芳香族化合物としては、フェノール、p−tert
−ブチルフェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチ
ルフェノール、p−クミルフェノール、p−フェニルフ
ェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−n−オ
クチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−メトキ
シフェノール、p−n−ヘキシルオキシフェノール、p
−イソプロペニルフェノール、o−クロロフェノール、
m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブ
ロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフ
ェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタクロロフェ
ノール、β−ナフトール、α−ナフトール、2−(4’
−メトキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン等が挙げられる。1価のヒドロキシ芳香族
化合物のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩として
は、上述の1価のヒドロキシ芳香族化合物のナトリウム
塩、カリウム塩、カルシウム塩等のアルカリ金属または
アルカリ土類金属塩が挙げられ、1価のヒドロキシ芳香
族化合物のハロホーメート誘導体としては、上述の1価
のヒドロキシ芳香族化合物のハロホーメート誘導体等が
挙げられる。
【0019】また、1価のカルボン酸としては、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン
酸、カプリル酸、2,2-ジメチルプロピオン酸、3-メチル
酪酸、3,3-ジメチル酪酸、4-メチル吉草酸、3,3-ジメチ
ル吉草酸、4-メチルカプロン酸、2,4-ジメチル吉草酸、
3,5-ジメチルカプロン酸、フェノキシ酢酸等の脂肪族の
1価のカルボン酸類、安息香酸、p−メチル安息香酸、
p−tert−ブチル安息香酸、p−n−プロポキシ安
息香酸、p−n−ブトキシ安息香酸、p−n−ペンチル
オキシ安息香酸、p−n−ヘキシルオキシ安息香酸、p
−n−オクチルオキシ安息香酸等の芳香族の1価のカル
ボン酸類が挙げられ、1価のカルボン酸のアルカリ金属
またはアルカリ土類金属塩としては、上述の1価のカル
ボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の
アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩が挙げられ、1
価のカルボン酸の酸ハライド誘導体としては、上述の1
価のカルボン酸の酸ハライド誘導体等が挙げられる。こ
れらは単独で使用してもよく、2種以上併用してもよ
い。入手の容易さ等からフェノール、p−クミルフェノ
ールあるいはp−tert−ブチルフェノールが好まし
い。
プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン
酸、カプリル酸、2,2-ジメチルプロピオン酸、3-メチル
酪酸、3,3-ジメチル酪酸、4-メチル吉草酸、3,3-ジメチ
ル吉草酸、4-メチルカプロン酸、2,4-ジメチル吉草酸、
3,5-ジメチルカプロン酸、フェノキシ酢酸等の脂肪族の
1価のカルボン酸類、安息香酸、p−メチル安息香酸、
p−tert−ブチル安息香酸、p−n−プロポキシ安
息香酸、p−n−ブトキシ安息香酸、p−n−ペンチル
オキシ安息香酸、p−n−ヘキシルオキシ安息香酸、p
−n−オクチルオキシ安息香酸等の芳香族の1価のカル
ボン酸類が挙げられ、1価のカルボン酸のアルカリ金属
またはアルカリ土類金属塩としては、上述の1価のカル
ボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の
アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩が挙げられ、1
価のカルボン酸の酸ハライド誘導体としては、上述の1
価のカルボン酸の酸ハライド誘導体等が挙げられる。こ
れらは単独で使用してもよく、2種以上併用してもよ
い。入手の容易さ等からフェノール、p−クミルフェノ
ールあるいはp−tert−ブチルフェノールが好まし
い。
【0020】これらの分子量調節剤の使用により、部分
的に末端封止された芳香族ポリカーボネートオリゴマー
を製造することができる。これらの芳香族ポリカーボネ
ートオリゴマーは、そのまま単離することなく攪拌を継
続して重縮合反応を行うことにより分子量の調節された
芳香族ポリカーボネートを製造したり、あるいは、さら
に芳香族ジヒドロキシ化合物、分子量調節剤あるいは分
岐化剤を添加して芳香族ポリカーボネートを製造するこ
とに使用することができる。分子量調節剤の使用量は、
最終的に得られる芳香族ポリカーボネートの目的とする
平均分子量に応じて調節する。本発明の製造方法により
製造される芳香族ポリカーボネートは、分子量調節剤の
使用量を調節することで、任意の平均分子量をとること
ができるが、成形加工性、耐熱分解性、衝撃抵抗性等の
諸物性を考慮すると、約10000〜100000の重
量平均分子量であることが好ましく、約20000〜8
0000の重量平均分子量であることがより好ましい。
上記の範囲の重量平均分子量の芳香族ポリカーボネート
を製造するために必要な分子量調節剤の使用量は、使用
する芳香族ジヒドロキシ化合物のモル数に対し、約0.
5〜9.6モル%であるのが好ましく、1.5〜8.7
モル%であるのがより好ましい。本発明において、分子
量調節剤は第1の槽型反応装置に連続的に供給するが、
分子量調節剤の供給方法としては、水溶液あるいは有機
溶媒溶液として供給してもよく、また、芳香族ジヒドロ
キシ化合物とアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基
と共に水溶液として供給してもよい。
的に末端封止された芳香族ポリカーボネートオリゴマー
を製造することができる。これらの芳香族ポリカーボネ
ートオリゴマーは、そのまま単離することなく攪拌を継
続して重縮合反応を行うことにより分子量の調節された
芳香族ポリカーボネートを製造したり、あるいは、さら
に芳香族ジヒドロキシ化合物、分子量調節剤あるいは分
岐化剤を添加して芳香族ポリカーボネートを製造するこ
とに使用することができる。分子量調節剤の使用量は、
最終的に得られる芳香族ポリカーボネートの目的とする
平均分子量に応じて調節する。本発明の製造方法により
製造される芳香族ポリカーボネートは、分子量調節剤の
使用量を調節することで、任意の平均分子量をとること
ができるが、成形加工性、耐熱分解性、衝撃抵抗性等の
諸物性を考慮すると、約10000〜100000の重
量平均分子量であることが好ましく、約20000〜8
0000の重量平均分子量であることがより好ましい。
上記の範囲の重量平均分子量の芳香族ポリカーボネート
を製造するために必要な分子量調節剤の使用量は、使用
する芳香族ジヒドロキシ化合物のモル数に対し、約0.
5〜9.6モル%であるのが好ましく、1.5〜8.7
モル%であるのがより好ましい。本発明において、分子
量調節剤は第1の槽型反応装置に連続的に供給するが、
分子量調節剤の供給方法としては、水溶液あるいは有機
溶媒溶液として供給してもよく、また、芳香族ジヒドロ
キシ化合物とアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基
と共に水溶液として供給してもよい。
【0021】本発明の製造方法において使用する重合触
媒は、入手の容易さ、および触媒効果が優れている点で
3級アミンが好ましく、より好ましくは、トリアルキル
アミンであり、特に好ましくは、アルキル基がC1 〜C
8 までのトリアルキルアミンであり、例えば、トリエチ
ルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジエチル−n−
プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N,N−ジ
メチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロ
ヘキシルアミン、N−エチルピペリジン等が挙げられ
る。さらに公知の重合触媒と併用することもでき、公知
の重合触媒としては、4級アンモニウム塩、3級ホスフ
ィン、4級ホスホニウム塩、含窒素複素環化合物および
その塩、イミノエーテルおよびその塩、アミド基を有す
る化合物等が挙げられる。重合触媒の量は、単位時間当
たりの供給量であり、芳香族ジヒドロキシ化合物の単位
時間当たりの供給モル数に対するモル%で表される。こ
の量は、ハロホーメート化反応を行う第1の槽型反応装
置の滞留時間との関係で決定されるが、芳香族ジヒドロ
キシ化合物の単位時間当たりの供給モル数に対して、
0.0005〜0.84モル%であり、0.0005〜
0.5モル%であるのが好ましく、0.0005〜0.
2モル%であるのがより好ましく、0.008〜0.2
モル%であるのが特に好ましい。0.0005モル%よ
り極端に少ない重合触媒の量では、芳香族ポリカーボネ
ートオリゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネート
を製造する際のハロゲン化カルボニル化合物および/ま
たはハロホーメート化合物の加水分解を抑制する効果が
あまり認められない。また、芳香族ポリカーボネートを
効率よく形成させる為の効果があまり現れず、長い反応
時間が必要となり、その結果、芳香族ポリカーボネート
の製造に用いる連続した槽型反応装置の大規模化、多槽
化を招くことになりやすい。また、重合触媒の量が芳香
族ジヒドロキシ化合物の単位時間当たりの供給モル数に
対して0.84モル%より過度に多い場合は、しばしば
多分散性インデックスの大きい芳香族ポリカーボネート
が得られることがあり、製造される芳香族ポリカーボネ
ートの物性(例えば、耐熱性、衝撃抵抗性)が低下する
傾向がある。また、過度に多い重合触媒を用いた場合に
は、重合触媒の分解反応による芳香族ポリカーボネート
中の窒素含有量が増加する傾向がある。
媒は、入手の容易さ、および触媒効果が優れている点で
3級アミンが好ましく、より好ましくは、トリアルキル
アミンであり、特に好ましくは、アルキル基がC1 〜C
8 までのトリアルキルアミンであり、例えば、トリエチ
ルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジエチル−n−
プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N,N−ジ
メチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロ
ヘキシルアミン、N−エチルピペリジン等が挙げられ
る。さらに公知の重合触媒と併用することもでき、公知
の重合触媒としては、4級アンモニウム塩、3級ホスフ
ィン、4級ホスホニウム塩、含窒素複素環化合物および
その塩、イミノエーテルおよびその塩、アミド基を有す
る化合物等が挙げられる。重合触媒の量は、単位時間当
たりの供給量であり、芳香族ジヒドロキシ化合物の単位
時間当たりの供給モル数に対するモル%で表される。こ
の量は、ハロホーメート化反応を行う第1の槽型反応装
置の滞留時間との関係で決定されるが、芳香族ジヒドロ
キシ化合物の単位時間当たりの供給モル数に対して、
0.0005〜0.84モル%であり、0.0005〜
0.5モル%であるのが好ましく、0.0005〜0.
2モル%であるのがより好ましく、0.008〜0.2
モル%であるのが特に好ましい。0.0005モル%よ
り極端に少ない重合触媒の量では、芳香族ポリカーボネ
ートオリゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネート
を製造する際のハロゲン化カルボニル化合物および/ま
たはハロホーメート化合物の加水分解を抑制する効果が
あまり認められない。また、芳香族ポリカーボネートを
効率よく形成させる為の効果があまり現れず、長い反応
時間が必要となり、その結果、芳香族ポリカーボネート
の製造に用いる連続した槽型反応装置の大規模化、多槽
化を招くことになりやすい。また、重合触媒の量が芳香
族ジヒドロキシ化合物の単位時間当たりの供給モル数に
対して0.84モル%より過度に多い場合は、しばしば
多分散性インデックスの大きい芳香族ポリカーボネート
が得られることがあり、製造される芳香族ポリカーボネ
ートの物性(例えば、耐熱性、衝撃抵抗性)が低下する
傾向がある。また、過度に多い重合触媒を用いた場合に
は、重合触媒の分解反応による芳香族ポリカーボネート
中の窒素含有量が増加する傾向がある。
【0022】重合触媒は、芳香族ポリカーボネートオリ
ゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネートを製造す
る際に回収される有機溶媒、反応水、洗浄水に含まれた
状態の重合触媒をそのまま、もしくは新しい重合触媒と
混合して使用することも可能である。本発明において、
重合触媒は第1の槽型反応装置に連続的に供給するが、
重合触媒の供給方法としては、水溶液あるいは有機溶媒
溶液といて供給してもよく、芳香族ジヒドロキシ化合物
とアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基と共に水溶
液として供給してもよく、分子量調節剤と共に水溶液あ
るいは有機溶媒溶液として供給してもよい。
ゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネートを製造す
る際に回収される有機溶媒、反応水、洗浄水に含まれた
状態の重合触媒をそのまま、もしくは新しい重合触媒と
混合して使用することも可能である。本発明において、
重合触媒は第1の槽型反応装置に連続的に供給するが、
重合触媒の供給方法としては、水溶液あるいは有機溶媒
溶液といて供給してもよく、芳香族ジヒドロキシ化合物
とアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基と共に水溶
液として供給してもよく、分子量調節剤と共に水溶液あ
るいは有機溶媒溶液として供給してもよい。
【0023】本発明の製造方法において使用するハロゲ
ン化カルボニル化合物とは、芳香族ジヒドロキシ化合物
のヒドロキシ基との反応により、ハロホーメート基およ
びカーボネート結合を形成する化合物である。具体例と
しては、ホスゲン(塩化カルボニル)、臭化カルボニ
ル、ヨウ化カルボニル、フッ化カルボニル等が挙げら
れ、これらを併用してもよい。また、ホスゲンの2量体
であるトリクロロメチルクロロホーメートや、ホスゲン
の3量体であるビス(トリクロロメチル)カーボネート
等も使用することができる。通常はホスゲンを用いるの
が好ましい。本発明の製造方法において、ハロゲン化カ
ルボニル化合物の量は、芳香族ジヒドロキシ化合物の単
位時間当たりの供給モル数に対し、1.0〜2.0倍モ
ル程度であるのが好ましく、特に芳香族ポリカーボネー
トを製造する場合には、1.0〜1.3倍モル程度であ
るのが好ましい。芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間
当たりの供給モル数に対するハロゲン化カルボニル化合
物のモル数が、1.0倍モルよりも過度に小さい場合に
は、未反応の芳香族ジヒドロキシ化合物を生じる結果に
なる。また、本発明によれば、より少ないハロゲン化カ
ルボニル化合物の量で芳香族ポリカーボネートオリゴマ
ーおよび/または芳香族ポリカーボネートを製造するこ
とができるため、芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間
当たりの供給モル数に対するハロゲン化カルボニル化合
物のモル数が、2.0倍モルよりも過度に大きい場合に
は、反応に関与しないハロゲン化カルボニル化合物を加
水分解させることになる。一方、芳香族ポリカーボネー
トを製造する場合には、芳香族ジヒドロキシ化合物の単
位時間当たりの供給モル数に対するハロゲン化カルボニ
ル化合物のモル数が、1.3倍モルよりも過度に大きい
場合には、末端がハロホーメート末端基で停止したオリ
ゴマーを多量に生成することになり、その結果、新たに
芳香族ジヒドロキシ化合物を加えなければ反応系内の芳
香族ポリカーボネートオリゴマーのハロホーメート末端
基とヒドロキシ末端基の割合が、ハロホーメート末端基
過剰になるため、通常の重縮合反応の時間(重縮合反応
を行う連続した槽型反応装置の滞留時間)では、ハロホ
ーメート末端基を有する分子量の小さい芳香族ポリカー
ボネートが生成する。
ン化カルボニル化合物とは、芳香族ジヒドロキシ化合物
のヒドロキシ基との反応により、ハロホーメート基およ
びカーボネート結合を形成する化合物である。具体例と
しては、ホスゲン(塩化カルボニル)、臭化カルボニ
ル、ヨウ化カルボニル、フッ化カルボニル等が挙げら
れ、これらを併用してもよい。また、ホスゲンの2量体
であるトリクロロメチルクロロホーメートや、ホスゲン
の3量体であるビス(トリクロロメチル)カーボネート
等も使用することができる。通常はホスゲンを用いるの
が好ましい。本発明の製造方法において、ハロゲン化カ
ルボニル化合物の量は、芳香族ジヒドロキシ化合物の単
位時間当たりの供給モル数に対し、1.0〜2.0倍モ
ル程度であるのが好ましく、特に芳香族ポリカーボネー
トを製造する場合には、1.0〜1.3倍モル程度であ
るのが好ましい。芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間
当たりの供給モル数に対するハロゲン化カルボニル化合
物のモル数が、1.0倍モルよりも過度に小さい場合に
は、未反応の芳香族ジヒドロキシ化合物を生じる結果に
なる。また、本発明によれば、より少ないハロゲン化カ
ルボニル化合物の量で芳香族ポリカーボネートオリゴマ
ーおよび/または芳香族ポリカーボネートを製造するこ
とができるため、芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間
当たりの供給モル数に対するハロゲン化カルボニル化合
物のモル数が、2.0倍モルよりも過度に大きい場合に
は、反応に関与しないハロゲン化カルボニル化合物を加
水分解させることになる。一方、芳香族ポリカーボネー
トを製造する場合には、芳香族ジヒドロキシ化合物の単
位時間当たりの供給モル数に対するハロゲン化カルボニ
ル化合物のモル数が、1.3倍モルよりも過度に大きい
場合には、末端がハロホーメート末端基で停止したオリ
ゴマーを多量に生成することになり、その結果、新たに
芳香族ジヒドロキシ化合物を加えなければ反応系内の芳
香族ポリカーボネートオリゴマーのハロホーメート末端
基とヒドロキシ末端基の割合が、ハロホーメート末端基
過剰になるため、通常の重縮合反応の時間(重縮合反応
を行う連続した槽型反応装置の滞留時間)では、ハロホ
ーメート末端基を有する分子量の小さい芳香族ポリカー
ボネートが生成する。
【0024】ハロゲン化カルボニル化合物は、気体、液
体、溶液のいずれの状態で供給してもよい。ハロゲン化
カルボニル化合物がホスゲンである場合には、気体の状
態で供給するのが好ましいが、ジクロロメタン等の有機
溶媒に溶解させた状態で有機溶媒溶液の状態で供給して
もよい。またハロゲン化カルボニル化合物を有機溶媒溶
液として供給する場合には、ハロゲン化カルボニル化合
物と有機溶媒とを槽型の装置を用いて、連続式または回
分式操作により混合して有機溶媒溶液を調製して、この
有機溶媒溶液を槽型反応装置に連続的に供給してもよ
く、配管あるいはガス吸収装置等の装置を用いて、ハロ
ゲン化カルボニル化合物と有機溶媒とを連続的に供給し
ながら接触させて、ハロゲン化カルボニル化合物の有機
溶媒溶液を調製し、槽型反応装置に連続的に供給しても
よい。
体、溶液のいずれの状態で供給してもよい。ハロゲン化
カルボニル化合物がホスゲンである場合には、気体の状
態で供給するのが好ましいが、ジクロロメタン等の有機
溶媒に溶解させた状態で有機溶媒溶液の状態で供給して
もよい。またハロゲン化カルボニル化合物を有機溶媒溶
液として供給する場合には、ハロゲン化カルボニル化合
物と有機溶媒とを槽型の装置を用いて、連続式または回
分式操作により混合して有機溶媒溶液を調製して、この
有機溶媒溶液を槽型反応装置に連続的に供給してもよ
く、配管あるいはガス吸収装置等の装置を用いて、ハロ
ゲン化カルボニル化合物と有機溶媒とを連続的に供給し
ながら接触させて、ハロゲン化カルボニル化合物の有機
溶媒溶液を調製し、槽型反応装置に連続的に供給しても
よい。
【0025】本発明の製造方法において使用する有機溶
媒は、水に対して実質的に不溶性であり、かつ芳香族ポ
リカーボネートオリゴマーおよび/または芳香族ポリカ
ーボネートを製造するハロホーメート化反応および重縮
合反応に対して不活性であり、芳香族ポリカーボネート
オリゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネートを溶
解するものであれば任意に使用可能である。有機溶媒と
しては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロ
エタン、1,2-ジクロロエチレン、トリクロロエタン、テ
トラクロロエタン、ジクロロプロパン等の脂肪族塩素化
炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香
族塩素化炭化水素、またはそれらの混合物を使用するこ
とが可能である。また、それらの塩素化炭化水素または
それらの混合物に、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘ
キサン等の脂肪族炭化水素等を混合した有機溶媒を使用
することも可能である。好ましい有機溶媒は、沸点が過
度に高くなく、また、気化熱が大きく、反応熱を有機溶
媒の気化により、一時的に除去することが可能な、脂肪
族塩素化炭化水素であり、特に好ましい有機溶媒は、芳
香族ポリカーボネートの溶解性が非常に良く、また、沸
点が低く、芳香族ポリカーボネートからの有機溶媒の除
去が比較的容易なジクロロメタンである。また、本発明
の方法により芳香族ポリカーボネートオリゴマーおよび
/または芳香族ポリカーボネートを製造する際に生じる
回収有機溶媒を、そのまま、もしくは新しい有機溶媒と
混合して利用することも可能である。
媒は、水に対して実質的に不溶性であり、かつ芳香族ポ
リカーボネートオリゴマーおよび/または芳香族ポリカ
ーボネートを製造するハロホーメート化反応および重縮
合反応に対して不活性であり、芳香族ポリカーボネート
オリゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネートを溶
解するものであれば任意に使用可能である。有機溶媒と
しては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロ
エタン、1,2-ジクロロエチレン、トリクロロエタン、テ
トラクロロエタン、ジクロロプロパン等の脂肪族塩素化
炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香
族塩素化炭化水素、またはそれらの混合物を使用するこ
とが可能である。また、それらの塩素化炭化水素または
それらの混合物に、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘ
キサン等の脂肪族炭化水素等を混合した有機溶媒を使用
することも可能である。好ましい有機溶媒は、沸点が過
度に高くなく、また、気化熱が大きく、反応熱を有機溶
媒の気化により、一時的に除去することが可能な、脂肪
族塩素化炭化水素であり、特に好ましい有機溶媒は、芳
香族ポリカーボネートの溶解性が非常に良く、また、沸
点が低く、芳香族ポリカーボネートからの有機溶媒の除
去が比較的容易なジクロロメタンである。また、本発明
の方法により芳香族ポリカーボネートオリゴマーおよび
/または芳香族ポリカーボネートを製造する際に生じる
回収有機溶媒を、そのまま、もしくは新しい有機溶媒と
混合して利用することも可能である。
【0026】有機溶媒の量は、通常、重縮合反応終了時
の芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液中の芳香族ポ
リカーボネートの濃度が約5〜35重量%になる量が好
ましく、約10〜20重量%になる量がより好ましい。
芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液中の芳香族ポリ
カーボネートの濃度が極端に低い場合には、多量の有機
溶媒を必要とするために生産効率が悪くなり好ましくな
い。また、芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液中の
芳香族ポリカーボネートの濃度が飽和状態に近い濃度で
あると芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液の粘度が
非常に高くなるために、界面重合反応の効率の低下、重
合後の取り扱い性の悪化等の問題が生じるため好ましく
ない。また、ハロホーメート化反応開始時の有機溶媒使
用量を少なくし、ハロホーメート化反応または重縮合反
応中の任意の時点で有機溶媒を追加したり、さらに芳香
族ポリカーボネートオリゴマーの分子量の増加により、
有機溶媒溶液の粘度が増加した後に有機溶媒を添加して
粘度を低下させ、効率よく芳香族ポリカーボネートを製
造することも好ましい。また、芳香族ポリカーボネート
を製造する場合の有機溶媒相と水相の容量比としては、
有機溶媒相の容量が、反応に用いる水の容量に対して、
約0.6〜1.2倍とするのが好ましい。
の芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液中の芳香族ポ
リカーボネートの濃度が約5〜35重量%になる量が好
ましく、約10〜20重量%になる量がより好ましい。
芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液中の芳香族ポリ
カーボネートの濃度が極端に低い場合には、多量の有機
溶媒を必要とするために生産効率が悪くなり好ましくな
い。また、芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液中の
芳香族ポリカーボネートの濃度が飽和状態に近い濃度で
あると芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液の粘度が
非常に高くなるために、界面重合反応の効率の低下、重
合後の取り扱い性の悪化等の問題が生じるため好ましく
ない。また、ハロホーメート化反応開始時の有機溶媒使
用量を少なくし、ハロホーメート化反応または重縮合反
応中の任意の時点で有機溶媒を追加したり、さらに芳香
族ポリカーボネートオリゴマーの分子量の増加により、
有機溶媒溶液の粘度が増加した後に有機溶媒を添加して
粘度を低下させ、効率よく芳香族ポリカーボネートを製
造することも好ましい。また、芳香族ポリカーボネート
を製造する場合の有機溶媒相と水相の容量比としては、
有機溶媒相の容量が、反応に用いる水の容量に対して、
約0.6〜1.2倍とするのが好ましい。
【0027】本発明の製造方法において使用するアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属塩基(以下、塩基と略記
する)とは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ
土類金属の水酸化物であり、入手が容易な水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムが好ましく、特に水酸化ナトリウ
ムが好ましい。塩基の使用量は、ハロゲン化カルボニル
化合物の使用量と共に化学量論的に必要とされる量(化
学量論量)を用いるのが好ましい。化学量論量よりも過
度に少ない塩基を使用する場合は、芳香族ジヒドロキシ
化合物のハロホーメート化が良好に進まず、ハロゲン化
カルボニル化合物の加水分解反応を生じるようになる。
また、化学量論量よりも過度に多い塩基を使用する場合
には、過剰の塩基の作用により、ハロゲン化カルボニル
化合物および/またはハロホーメート化合物の加水分解
反応、さらには形成された芳香族ポリカーボネートオリ
ゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネートのカーボ
ネート結合の切断が起こることがあるために好ましくな
い。芳香族ポリカーボネートを製造する際に必要とされ
る化学量論量の塩基とは、ハロゲン化カルボニル化合物
と芳香族ジヒドロキシ化合物との反応に消費される塩基
の量と、過剰量のハロゲン化カルボニル化合物または反
応により生成する過剰量のハロホーメート化合物の加水
分解反応に消費される塩基の量から算出することができ
る。例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間当た
りの供給モル数に対するハロゲン化カルボニル化合物の
モル数が、1.0倍モルである場合には、芳香族ジヒド
ロキシ化合物に対して約1.0倍当量の塩基が必要であ
り、芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間当たりの供給
モル数に対するハロゲン化カルボニル化合物のモル数
が、1.3倍モルである場合には、芳香族ジヒドロキシ
化合物に対して、約1.4〜1.6倍当量の量の塩基が
必要となる。通常は、ハロゲン化カルボニル化合物の加
水分解反応を完全に抑制することは困難であるので、芳
香族ジヒドロキシ化合物の単位時間当たりの供給モル数
に対するハロゲン化カルボニル化合物のモル数を1.0
倍モルより大きくし、1.0倍当量よりも過剰量の塩基
を使用する。
リ金属またはアルカリ土類金属塩基(以下、塩基と略記
する)とは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ
土類金属の水酸化物であり、入手が容易な水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムが好ましく、特に水酸化ナトリウ
ムが好ましい。塩基の使用量は、ハロゲン化カルボニル
化合物の使用量と共に化学量論的に必要とされる量(化
学量論量)を用いるのが好ましい。化学量論量よりも過
度に少ない塩基を使用する場合は、芳香族ジヒドロキシ
化合物のハロホーメート化が良好に進まず、ハロゲン化
カルボニル化合物の加水分解反応を生じるようになる。
また、化学量論量よりも過度に多い塩基を使用する場合
には、過剰の塩基の作用により、ハロゲン化カルボニル
化合物および/またはハロホーメート化合物の加水分解
反応、さらには形成された芳香族ポリカーボネートオリ
ゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネートのカーボ
ネート結合の切断が起こることがあるために好ましくな
い。芳香族ポリカーボネートを製造する際に必要とされ
る化学量論量の塩基とは、ハロゲン化カルボニル化合物
と芳香族ジヒドロキシ化合物との反応に消費される塩基
の量と、過剰量のハロゲン化カルボニル化合物または反
応により生成する過剰量のハロホーメート化合物の加水
分解反応に消費される塩基の量から算出することができ
る。例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間当た
りの供給モル数に対するハロゲン化カルボニル化合物の
モル数が、1.0倍モルである場合には、芳香族ジヒド
ロキシ化合物に対して約1.0倍当量の塩基が必要であ
り、芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間当たりの供給
モル数に対するハロゲン化カルボニル化合物のモル数
が、1.3倍モルである場合には、芳香族ジヒドロキシ
化合物に対して、約1.4〜1.6倍当量の量の塩基が
必要となる。通常は、ハロゲン化カルボニル化合物の加
水分解反応を完全に抑制することは困難であるので、芳
香族ジヒドロキシ化合物の単位時間当たりの供給モル数
に対するハロゲン化カルボニル化合物のモル数を1.0
倍モルより大きくし、1.0倍当量よりも過剰量の塩基
を使用する。
【0028】また、ハロホーメート化反応を行う槽型反
応装置に供給する塩基の量は、芳香族ジヒドロキシ化合
物に対して1.15〜1.6倍当量であり、好ましくは
1.2〜1.5倍当量である。塩基の量が1.15倍当
量よりも過度に少ない場合には、芳香族ポリカーボネー
トを製造する際の水相のOH濃度が低くなり、重合触媒
の分解反応が起こりやすくなり、得られる芳香族ポリカ
ーボネートオリゴマーおよび/または芳香族ポリカーボ
ネート中の窒素含有量が増加しやすい。一方、化学量論
量よりも過度に多い塩基を使用することは好ましくな
い。また、ハロホーメ−ト化反応を行う槽型反応装置に
供給する塩基が化学量論量に満たない場合には、適宜、
ハロホーメート化反応中またはハロホーメート化反応が
終了した後に塩基を反応混合物に添加して芳香族ポリカ
ーボネートの製造を行うことができる。芳香族ポリカー
ボネートオリゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネ
ートを製造する際の水相中の塩基濃度は、水相中のOH
濃度で表すことができ、芳香族ジヒドロキシ化合物に対
して1.15〜1.6倍当量の塩基を用いた場合の水相
中のOH濃度は、後述する水の量との関係から、約0.
23〜2.5重量%であり、芳香族ジヒドロキシ化合物
に対して1.2〜1.5倍当量の塩基を用いた場合のO
H濃度は約0.31〜2.0重量%である。
応装置に供給する塩基の量は、芳香族ジヒドロキシ化合
物に対して1.15〜1.6倍当量であり、好ましくは
1.2〜1.5倍当量である。塩基の量が1.15倍当
量よりも過度に少ない場合には、芳香族ポリカーボネー
トを製造する際の水相のOH濃度が低くなり、重合触媒
の分解反応が起こりやすくなり、得られる芳香族ポリカ
ーボネートオリゴマーおよび/または芳香族ポリカーボ
ネート中の窒素含有量が増加しやすい。一方、化学量論
量よりも過度に多い塩基を使用することは好ましくな
い。また、ハロホーメ−ト化反応を行う槽型反応装置に
供給する塩基が化学量論量に満たない場合には、適宜、
ハロホーメート化反応中またはハロホーメート化反応が
終了した後に塩基を反応混合物に添加して芳香族ポリカ
ーボネートの製造を行うことができる。芳香族ポリカー
ボネートオリゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネ
ートを製造する際の水相中の塩基濃度は、水相中のOH
濃度で表すことができ、芳香族ジヒドロキシ化合物に対
して1.15〜1.6倍当量の塩基を用いた場合の水相
中のOH濃度は、後述する水の量との関係から、約0.
23〜2.5重量%であり、芳香族ジヒドロキシ化合物
に対して1.2〜1.5倍当量の塩基を用いた場合のO
H濃度は約0.31〜2.0重量%である。
【0029】また、所望により、分岐化剤を添加して分
岐化された芳香族ポリカーボネートを製造することも本
発明の範疇にはいる。所望により添加する分岐化剤と
は、芳香族ヒドロキシ基、ハロホーメート基、カルボキ
シル基、カルボニルハライド基、活性なハロゲン原子か
ら選ばれる反応基を三つ以上(同種でも異種でもよい)
有する化合物であり、例えば、フロログルシノール、4,
6-ジメチル-2,4,6−トリス(4'−ヒドロキシフェニル)
−2-ヘプテン、4,6-ジメチル-2,4,6−トリス(4'−ヒド
ロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5-トリス( 4'−ヒドロ
キシフェニル)ベンゼン、1,1,1-トリス(4'−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1,3,5-トリス(4'-ヒドロキシフェ
ニルイソプロピル) ベンゼン、α, α, α' −トリス
(4'−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプ
ロピルベンゼン、トリス(4'−ヒドロキシフェニル)フ
ェニルメタン、2,2-ビス〔4',4'-ビス(4''-ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキシル〕プロパン、2,4-ビス(ヒド
ロキシフェニルイソプロピル)フェノール、2,6-ビス
(2-ヒドロキシ-5'-メチルベンジル) −4-メチルフェノ
ール、2-(4'−ヒドロキシフェニル)−2- (2'',4''-ジ
ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,4,4-テトラキス
(4'- ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,4-ビス
(4',4''−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼ
ン、トリメシン酸トリクロライド、シアヌル酸クロライ
ド、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、5-ヒドロキシイソフタ
ル酸、3,5-ビス(クロロカルボニルオキシ)安息香酸、
5-クロロカルボニルオキシイソフタル酸、4-クロロカル
ボニルオキシフタル酸、3,3-ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)−2-オキソ−2,3-ジヒドロインドール、3,3-ビス
(4'−ヒドロキシ-3'-メチルフェニル)−2-オキソ−2,
3-ジヒドロインドールが挙げられる。分岐化剤の量は、
目的とする分岐化した芳香族ポリカーボネートの分岐度
にあわせて調節するが、通常は、芳香族ジヒドロキシ化
合物のモル数に対して、0.05〜2.0モル%程度で
あるのがよい。本発明において、分岐化剤は槽型反応装
置に連続的に供給するが、分岐化剤の供給方法として
は、水溶液あるいは有機溶媒溶液として供給してもよ
く、また、芳香族ジヒドロキシ化合物と共に塩基水.溶
液として供給してもよい。また、第1の槽型反応装置あ
るいは重縮合反応を行う連続した槽型反応装置の任意の
槽型反応装置に供給してもよい。
岐化された芳香族ポリカーボネートを製造することも本
発明の範疇にはいる。所望により添加する分岐化剤と
は、芳香族ヒドロキシ基、ハロホーメート基、カルボキ
シル基、カルボニルハライド基、活性なハロゲン原子か
ら選ばれる反応基を三つ以上(同種でも異種でもよい)
有する化合物であり、例えば、フロログルシノール、4,
6-ジメチル-2,4,6−トリス(4'−ヒドロキシフェニル)
−2-ヘプテン、4,6-ジメチル-2,4,6−トリス(4'−ヒド
ロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5-トリス( 4'−ヒドロ
キシフェニル)ベンゼン、1,1,1-トリス(4'−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1,3,5-トリス(4'-ヒドロキシフェ
ニルイソプロピル) ベンゼン、α, α, α' −トリス
(4'−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプ
ロピルベンゼン、トリス(4'−ヒドロキシフェニル)フ
ェニルメタン、2,2-ビス〔4',4'-ビス(4''-ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキシル〕プロパン、2,4-ビス(ヒド
ロキシフェニルイソプロピル)フェノール、2,6-ビス
(2-ヒドロキシ-5'-メチルベンジル) −4-メチルフェノ
ール、2-(4'−ヒドロキシフェニル)−2- (2'',4''-ジ
ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,4,4-テトラキス
(4'- ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,4-ビス
(4',4''−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼ
ン、トリメシン酸トリクロライド、シアヌル酸クロライ
ド、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、5-ヒドロキシイソフタ
ル酸、3,5-ビス(クロロカルボニルオキシ)安息香酸、
5-クロロカルボニルオキシイソフタル酸、4-クロロカル
ボニルオキシフタル酸、3,3-ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)−2-オキソ−2,3-ジヒドロインドール、3,3-ビス
(4'−ヒドロキシ-3'-メチルフェニル)−2-オキソ−2,
3-ジヒドロインドールが挙げられる。分岐化剤の量は、
目的とする分岐化した芳香族ポリカーボネートの分岐度
にあわせて調節するが、通常は、芳香族ジヒドロキシ化
合物のモル数に対して、0.05〜2.0モル%程度で
あるのがよい。本発明において、分岐化剤は槽型反応装
置に連続的に供給するが、分岐化剤の供給方法として
は、水溶液あるいは有機溶媒溶液として供給してもよ
く、また、芳香族ジヒドロキシ化合物と共に塩基水.溶
液として供給してもよい。また、第1の槽型反応装置あ
るいは重縮合反応を行う連続した槽型反応装置の任意の
槽型反応装置に供給してもよい。
【0030】本発明の製造方法において使用する槽型反
応装置とは、縦型でも横型でもよく、流体もしくは粉体
の攪拌混合に使用されているものであればいずれでもよ
い。また、槽型反応装置には、反応混合物を攪拌するた
めの攪拌機が取り付けられており、攪拌機は攪拌翼と攪
拌翼駆動用モーターとからなる。攪拌翼としては、ヘリ
カル翼、パドル翼、格子翼等が好ましく使用される。ま
た、槽型反応装置の内面に攪拌補助のために、バッフル
(邪魔板)等が存在していてもよい。さらに、温度調節
のため、槽型反応装置の外面にはジャケットが装備して
あるのが好ましい。また、槽型反応装置には、反応混合
物を連続的に排出するための排出口が設置される。この
排出口は、典型的には槽型反応装置の壁面上に槽型反応
装置中での反応混合物の所望の保持および滞留時間を与
えるに充分な距離を、槽型反応装置の底部からおいて設
置される。また、有機溶媒の揮発により有機溶媒の損失
を回避するためにこの排出口は適当な液封手段を有する
ことがしばしば好ましい。
応装置とは、縦型でも横型でもよく、流体もしくは粉体
の攪拌混合に使用されているものであればいずれでもよ
い。また、槽型反応装置には、反応混合物を攪拌するた
めの攪拌機が取り付けられており、攪拌機は攪拌翼と攪
拌翼駆動用モーターとからなる。攪拌翼としては、ヘリ
カル翼、パドル翼、格子翼等が好ましく使用される。ま
た、槽型反応装置の内面に攪拌補助のために、バッフル
(邪魔板)等が存在していてもよい。さらに、温度調節
のため、槽型反応装置の外面にはジャケットが装備して
あるのが好ましい。また、槽型反応装置には、反応混合
物を連続的に排出するための排出口が設置される。この
排出口は、典型的には槽型反応装置の壁面上に槽型反応
装置中での反応混合物の所望の保持および滞留時間を与
えるに充分な距離を、槽型反応装置の底部からおいて設
置される。また、有機溶媒の揮発により有機溶媒の損失
を回避するためにこの排出口は適当な液封手段を有する
ことがしばしば好ましい。
【0031】槽型反応装置への芳香族ジヒドロキシ化合
物、水、分子量調節剤、重合触媒、ハロゲン化カルボニ
ル化合物、有機溶媒および塩基の供給方法は、 (i)それ
ぞれを別々に供給する方法、(ii)芳香族ジヒドロキシ
化合物、水、および芳香族ジヒドロキシ化合物に対して
1.15〜1.6倍当量の塩基からなる均一な水溶液を
調製し、該水溶液、分子量調節剤、重合触媒、ハロゲン
化カルボニル化合物および有機溶媒を槽型反応装置に供
給する方法、 (iii)芳香族ジヒドロキシ化合物、水、分
子量調節剤、重合触媒、および芳香族ジヒドロキシ化合
物に対して1.15〜1.6倍当量の塩基、からなる均
一な水溶液を調製し、該水溶液、ハロゲン化カルボニル
化合物および有機溶媒を槽型反応装置に連続的に供給す
る方法等が使用できる。芳香族ジヒドロキシ化合物を定
常的に安定して供給するため、好ましくは、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物を塩基水溶液として供給する。供給手段
としては、一般的には配管により供給を行うのが好まし
く、その供給位置は、槽型反応装置の中心部から、槽型
反応装置の壁面までの間の任意の位置で供給することが
可能である。また、芳香族ジヒドロキシ化合物、分子量
調節剤、重合触媒、ハロゲン化カルボニル化合物、有機
溶媒および塩基の供給位置の関係も、任意に選択可能で
あり、芳香族ジヒドロキシ化合物とハロゲン化カルボニ
ル化合物が反応混合物中で接触するように反応混合物の
液面上または液面下の位置で供給するのが好ましい。さ
らに、芳香族ジヒドロキシ化合物、水、分子量調節剤、
重合触媒、ハロゲン化カルボニル化合物、有機溶媒およ
び塩基の供給を、第1の槽型反応装置の任意の位置で、
それぞれ複数箇所から供給してもよい。
物、水、分子量調節剤、重合触媒、ハロゲン化カルボニ
ル化合物、有機溶媒および塩基の供給方法は、 (i)それ
ぞれを別々に供給する方法、(ii)芳香族ジヒドロキシ
化合物、水、および芳香族ジヒドロキシ化合物に対して
1.15〜1.6倍当量の塩基からなる均一な水溶液を
調製し、該水溶液、分子量調節剤、重合触媒、ハロゲン
化カルボニル化合物および有機溶媒を槽型反応装置に供
給する方法、 (iii)芳香族ジヒドロキシ化合物、水、分
子量調節剤、重合触媒、および芳香族ジヒドロキシ化合
物に対して1.15〜1.6倍当量の塩基、からなる均
一な水溶液を調製し、該水溶液、ハロゲン化カルボニル
化合物および有機溶媒を槽型反応装置に連続的に供給す
る方法等が使用できる。芳香族ジヒドロキシ化合物を定
常的に安定して供給するため、好ましくは、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物を塩基水溶液として供給する。供給手段
としては、一般的には配管により供給を行うのが好まし
く、その供給位置は、槽型反応装置の中心部から、槽型
反応装置の壁面までの間の任意の位置で供給することが
可能である。また、芳香族ジヒドロキシ化合物、分子量
調節剤、重合触媒、ハロゲン化カルボニル化合物、有機
溶媒および塩基の供給位置の関係も、任意に選択可能で
あり、芳香族ジヒドロキシ化合物とハロゲン化カルボニ
ル化合物が反応混合物中で接触するように反応混合物の
液面上または液面下の位置で供給するのが好ましい。さ
らに、芳香族ジヒドロキシ化合物、水、分子量調節剤、
重合触媒、ハロゲン化カルボニル化合物、有機溶媒およ
び塩基の供給を、第1の槽型反応装置の任意の位置で、
それぞれ複数箇所から供給してもよい。
【0032】槽型反応装置中の反応混合物の排出方法と
しては、例えば、(1)オーバーフローやポンプを用いた
排出方法、(2)ポンプを用いて槽型反応装置の底部もし
くは側部から反応混合物を抜き出し、抜き出した反応混
合物を槽型反応装置の別の位置に、配管によって戻し循
環させながら配管の任意の位置で、槽型反応装置への芳
香族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液、ハロゲン化カル
ボニル化合物、有機溶媒、分子量調節剤、重合触媒の供
給量の和と同等の量の反応混合物を排出する方法、(3)
槽型反応装置の底部あるいは側部に排出口を設け、疑似
連続的、すなわち極めて短い間隔で断続的に反応混合物
を排出する方法、(4)コントロールバルブ等により流量
を制御しながら反応混合物を槽型反応装置の底部もしく
は中間位置から連続的に排出する方法、等が挙げられ
る。
しては、例えば、(1)オーバーフローやポンプを用いた
排出方法、(2)ポンプを用いて槽型反応装置の底部もし
くは側部から反応混合物を抜き出し、抜き出した反応混
合物を槽型反応装置の別の位置に、配管によって戻し循
環させながら配管の任意の位置で、槽型反応装置への芳
香族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液、ハロゲン化カル
ボニル化合物、有機溶媒、分子量調節剤、重合触媒の供
給量の和と同等の量の反応混合物を排出する方法、(3)
槽型反応装置の底部あるいは側部に排出口を設け、疑似
連続的、すなわち極めて短い間隔で断続的に反応混合物
を排出する方法、(4)コントロールバルブ等により流量
を制御しながら反応混合物を槽型反応装置の底部もしく
は中間位置から連続的に排出する方法、等が挙げられ
る。
【0033】本発明の製造方法は、約10〜50℃の反
応温度で実施され、通常、有機溶媒としてジクロロメタ
ンを用いた場合には、約10〜40℃の反応温度で実施
するのが好ましい。10℃より過度に低い反応温度で
は、反応速度が遅くなり、実用的ではなくなる。また、
50℃より過度に高い反応温度では、ハロゲン化カルボ
ニル化合物の有機溶媒への溶解度が下がり、ハロゲン化
カルボニル化合物および/またはハロホーメート化合物
の加水分解反応も促進されるため好ましくない。さら
に、50℃よりも過度に高い反応温度で、重合触媒の存
在下に、芳香族ジヒドロキシ化合物とハロゲン化カルボ
ニル化合物との反応を行うと、重合触媒の分解反応が起
こり、得られる芳香族ポリカーボネートオリゴマーおよ
び/または芳香族ポリカーボネート中の窒素含有量が増
加するために好ましくない。有機溶媒の沸点が約50℃
を越える有機溶媒を使用する場合には、反応混合物の冷
却を適宜行い、反応温度を約50℃以下に抑えることが
必要である。また、沸点が約50℃以下の有機溶媒を使
用する場合には、有機溶媒を還流させて芳香族ポリカー
ボネートオリゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネ
ートの製造を行うことにより、反応温度を約50℃以下
に抑えることが可能になる。使用する有機溶媒が、ジク
ロロメタンである場合には、大気圧において、還流温度
である約39℃で実施することもできる。反応は通常、
大気圧下で実施するが、所望により、大気圧以下または
大気圧以上の条件下で実施することもできる。
応温度で実施され、通常、有機溶媒としてジクロロメタ
ンを用いた場合には、約10〜40℃の反応温度で実施
するのが好ましい。10℃より過度に低い反応温度で
は、反応速度が遅くなり、実用的ではなくなる。また、
50℃より過度に高い反応温度では、ハロゲン化カルボ
ニル化合物の有機溶媒への溶解度が下がり、ハロゲン化
カルボニル化合物および/またはハロホーメート化合物
の加水分解反応も促進されるため好ましくない。さら
に、50℃よりも過度に高い反応温度で、重合触媒の存
在下に、芳香族ジヒドロキシ化合物とハロゲン化カルボ
ニル化合物との反応を行うと、重合触媒の分解反応が起
こり、得られる芳香族ポリカーボネートオリゴマーおよ
び/または芳香族ポリカーボネート中の窒素含有量が増
加するために好ましくない。有機溶媒の沸点が約50℃
を越える有機溶媒を使用する場合には、反応混合物の冷
却を適宜行い、反応温度を約50℃以下に抑えることが
必要である。また、沸点が約50℃以下の有機溶媒を使
用する場合には、有機溶媒を還流させて芳香族ポリカー
ボネートオリゴマーおよび/または芳香族ポリカーボネ
ートの製造を行うことにより、反応温度を約50℃以下
に抑えることが可能になる。使用する有機溶媒が、ジク
ロロメタンである場合には、大気圧において、還流温度
である約39℃で実施することもできる。反応は通常、
大気圧下で実施するが、所望により、大気圧以下または
大気圧以上の条件下で実施することもできる。
【0034】本発明の製造方法において、重合触媒の量
および第1の槽型反応装置の滞留時間は、下式の関係を
満たす範囲内で定めることができる。 logY<−2.19X+1.84(0.0005≦X<0.8
4,1≦Y<69) X:重合触媒の量(芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時
間当たりの供給モル数に対するモル%) Y:滞留時間(分) 尚、本明細書において滞留時間とは、槽型反応装置内の
反応混合物の平均滞留時間を表し、滞留時間は、槽型反
応装置の内容量と、槽型反応装置へ供給する芳香族ジヒ
ドロキシ化合物、水、分子量調節剤、重合触媒、ハロゲ
ン化カルボニル化合物、有機溶媒および塩基の単位時間
あたりに供給する容量の和から算出することができる。
例えば、内容量5リットルの槽型反応装置に、1分間あ
たり、合計0.5リットルの供給物を供給した場合に
は、滞留時間は10分になる。
および第1の槽型反応装置の滞留時間は、下式の関係を
満たす範囲内で定めることができる。 logY<−2.19X+1.84(0.0005≦X<0.8
4,1≦Y<69) X:重合触媒の量(芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時
間当たりの供給モル数に対するモル%) Y:滞留時間(分) 尚、本明細書において滞留時間とは、槽型反応装置内の
反応混合物の平均滞留時間を表し、滞留時間は、槽型反
応装置の内容量と、槽型反応装置へ供給する芳香族ジヒ
ドロキシ化合物、水、分子量調節剤、重合触媒、ハロゲ
ン化カルボニル化合物、有機溶媒および塩基の単位時間
あたりに供給する容量の和から算出することができる。
例えば、内容量5リットルの槽型反応装置に、1分間あ
たり、合計0.5リットルの供給物を供給した場合に
は、滞留時間は10分になる。
【0035】重合触媒の量は、該関係式に定めたよう
に、第1の槽型反応装置の滞留時間に応じて決定でき
る。第1の槽型反応装置の滞留時間を短くした場合に
は、好適な重合触媒の量の範囲は広くなり、一方、第1
の槽型反応装置の滞留時間が長い場合には、好適な重合
触媒の量の範囲は狭くなる。例えば、第1の槽型反応装
置の滞留時間を3分とした場合には、好適な重合触媒の
量の範囲は芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間当たり
の供給モル数に対して、0.0005モル%以上0.6
2モル%未満となり、一方、第1の槽型反応装置の滞留
時間を40分とした場合には、好適な重合触媒の量の範
囲は芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間当たりの供給
モル数に対して、0.0005モル%以上0.11モル
%未満となる。該関係式に定められた範囲外の重合触媒
の量と第1の槽型反応装置の滞留時間の組み合わせを選
択すると、所望の分子量に制御することが困難になり、
得られる芳香族ポリカーボネートの分子量分布が広くな
り、衝撃抵抗性、耐熱性等の物性が悪化することがあ
る。
に、第1の槽型反応装置の滞留時間に応じて決定でき
る。第1の槽型反応装置の滞留時間を短くした場合に
は、好適な重合触媒の量の範囲は広くなり、一方、第1
の槽型反応装置の滞留時間が長い場合には、好適な重合
触媒の量の範囲は狭くなる。例えば、第1の槽型反応装
置の滞留時間を3分とした場合には、好適な重合触媒の
量の範囲は芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間当たり
の供給モル数に対して、0.0005モル%以上0.6
2モル%未満となり、一方、第1の槽型反応装置の滞留
時間を40分とした場合には、好適な重合触媒の量の範
囲は芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間当たりの供給
モル数に対して、0.0005モル%以上0.11モル
%未満となる。該関係式に定められた範囲外の重合触媒
の量と第1の槽型反応装置の滞留時間の組み合わせを選
択すると、所望の分子量に制御することが困難になり、
得られる芳香族ポリカーボネートの分子量分布が広くな
り、衝撃抵抗性、耐熱性等の物性が悪化することがあ
る。
【0036】本発明の実施態様の第1工程においては、
芳香族ジヒドロキシ化合物、水、分子量調節剤、重合触
媒、ハロゲン化カルボニル化合物、有機溶媒および芳香
族ジヒドロキシ化合物に対して1.15〜1.6倍当量
の塩基を槽型反応装置に連続的に供給する。好ましく
は、芳香族ジヒドロキシ化合物、分子量調節剤、重合触
媒および芳香族ジヒドロキシ化合物に対して1.15〜
1.6倍当量の塩基、からなる均一な水溶液(以下、芳
香族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液と略記する)を調
製し、芳香族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液、ハロゲ
ン化カルボニル化合物および有機溶媒を連続的に槽型反
応装置に供給する。この際、芳香族ジヒドロキシ化合物
の塩基水溶液は、一般に、酸化等により着色しやすいの
で、所望により酸化防止剤として亜硫酸ナトリウム、ハ
イドロサルファイトあるいはナトリウムボロハイドライ
ド等の還元剤を添加して芳香族ジヒドロキシ化合物の塩
基水溶液を調製してもよい。芳香族ジヒドロキシ化合物
の塩基水溶液を調製する際の温度は、20℃以下である
ことが好ましく、芳香族ジヒドロキシ化合物の溶解時の
着色を防止することができる。また、芳香族ジヒドロキ
シ化合物の塩基水溶液の調製は、回分操作により随時調
整してもよいが、好ましくは連続操作で行う。さらに使
用する水は芳香族ポリカーボネートオリゴマーおよび/
または芳香族ポリカーボネートを製造する際に使用した
少量の重合触媒を含んだ反応水あるいは洗浄水を回収
し、さらに水中の無機塩が20重量%未満となるように
適宜濃縮、希釈を行った後に使用するのが好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物、水、分子量調節剤、重合触
媒、ハロゲン化カルボニル化合物、有機溶媒および芳香
族ジヒドロキシ化合物に対して1.15〜1.6倍当量
の塩基を槽型反応装置に連続的に供給する。好ましく
は、芳香族ジヒドロキシ化合物、分子量調節剤、重合触
媒および芳香族ジヒドロキシ化合物に対して1.15〜
1.6倍当量の塩基、からなる均一な水溶液(以下、芳
香族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液と略記する)を調
製し、芳香族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液、ハロゲ
ン化カルボニル化合物および有機溶媒を連続的に槽型反
応装置に供給する。この際、芳香族ジヒドロキシ化合物
の塩基水溶液は、一般に、酸化等により着色しやすいの
で、所望により酸化防止剤として亜硫酸ナトリウム、ハ
イドロサルファイトあるいはナトリウムボロハイドライ
ド等の還元剤を添加して芳香族ジヒドロキシ化合物の塩
基水溶液を調製してもよい。芳香族ジヒドロキシ化合物
の塩基水溶液を調製する際の温度は、20℃以下である
ことが好ましく、芳香族ジヒドロキシ化合物の溶解時の
着色を防止することができる。また、芳香族ジヒドロキ
シ化合物の塩基水溶液の調製は、回分操作により随時調
整してもよいが、好ましくは連続操作で行う。さらに使
用する水は芳香族ポリカーボネートオリゴマーおよび/
または芳香族ポリカーボネートを製造する際に使用した
少量の重合触媒を含んだ反応水あるいは洗浄水を回収
し、さらに水中の無機塩が20重量%未満となるように
適宜濃縮、希釈を行った後に使用するのが好ましい。
【0037】次に、芳香族ジヒドロキシ化合物の塩基水
溶液と、ハロゲン化カルボニル化合物および有機溶媒を
それぞれ、第1の槽型反応装置に供給する。それぞれの
供給量は、それぞれの単位時間当たりの供給量が、前述
の使用量の範囲内となるように調節する。すなわち、芳
香族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液中の芳香族ジヒド
ロキシ化合物のモル数に対するハロゲン化カルボニル化
合物のモル数が、1.0〜2.0倍モル程度であり、有
機溶媒の量が該塩基水溶液中の水の量に対して、約0.
6〜1.2容量倍となるように供給することが好まし
い。そして全体の供給速度は、第1の槽型反応装置の内
容量との兼ね合いで所定の滞留時間を保持できるような
供給速度であることが好ましい。供給速度が速くなれ
ば、滞留時間は短くなり、一方、供給速度が遅くなれ
ば、滞留時間は長くなる。第1の槽型反応装置の滞留時
間は、重合触媒の量との関係に基づき決定されるが、1
〜69分であり、好ましくは、1〜45分であり、より
好ましくは、5〜45分である。滞留時間が短くなる
と、第1の槽型反応装置内での発熱量が増大する。この
ため1分よりも極端に短い滞留時間で反応を行うと制御
することが困難な程の発熱を伴うことがしばしば起こ
る。また、過度に長い滞留時間での反応は、生産効率の
点から好ましくなく、また製造される芳香族ポリカーボ
ネートの分子量分布が広がることもあり好ましくない。
溶液と、ハロゲン化カルボニル化合物および有機溶媒を
それぞれ、第1の槽型反応装置に供給する。それぞれの
供給量は、それぞれの単位時間当たりの供給量が、前述
の使用量の範囲内となるように調節する。すなわち、芳
香族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液中の芳香族ジヒド
ロキシ化合物のモル数に対するハロゲン化カルボニル化
合物のモル数が、1.0〜2.0倍モル程度であり、有
機溶媒の量が該塩基水溶液中の水の量に対して、約0.
6〜1.2容量倍となるように供給することが好まし
い。そして全体の供給速度は、第1の槽型反応装置の内
容量との兼ね合いで所定の滞留時間を保持できるような
供給速度であることが好ましい。供給速度が速くなれ
ば、滞留時間は短くなり、一方、供給速度が遅くなれ
ば、滞留時間は長くなる。第1の槽型反応装置の滞留時
間は、重合触媒の量との関係に基づき決定されるが、1
〜69分であり、好ましくは、1〜45分であり、より
好ましくは、5〜45分である。滞留時間が短くなる
と、第1の槽型反応装置内での発熱量が増大する。この
ため1分よりも極端に短い滞留時間で反応を行うと制御
することが困難な程の発熱を伴うことがしばしば起こ
る。また、過度に長い滞留時間での反応は、生産効率の
点から好ましくなく、また製造される芳香族ポリカーボ
ネートの分子量分布が広がることもあり好ましくない。
【0038】また、反応中の攪拌は、界面反応において
重要な要因とされるが、少なくとも水相および有機溶媒
相の分離を防止するのに充分な程度に攪拌を保持するの
が好ましい。過度に激しい攪拌を行うことは、ハロゲン
化カルボニル化合物および/またはハロホーメート化合
物の加水分解を促進することになり好ましくない。ま
た、過度に効率の悪い攪拌では、界面条件下での反応が
効率よく進まなくなるために好ましくない。攪拌条件
は、反応を行う槽型反応装置の形状や攪拌翼の形状によ
り影響を受けるために攪拌の回転数だけで好ましい攪拌
条件を示すことはできないが、簡単な実験により反応装
置に合った、好ましい攪拌条件を求めることができる。
通常は、有機溶媒相と水相がほぼ均一に混ざり合う程度
の攪拌条件でハロホーメート化反応を行うのが好まし
い。
重要な要因とされるが、少なくとも水相および有機溶媒
相の分離を防止するのに充分な程度に攪拌を保持するの
が好ましい。過度に激しい攪拌を行うことは、ハロゲン
化カルボニル化合物および/またはハロホーメート化合
物の加水分解を促進することになり好ましくない。ま
た、過度に効率の悪い攪拌では、界面条件下での反応が
効率よく進まなくなるために好ましくない。攪拌条件
は、反応を行う槽型反応装置の形状や攪拌翼の形状によ
り影響を受けるために攪拌の回転数だけで好ましい攪拌
条件を示すことはできないが、簡単な実験により反応装
置に合った、好ましい攪拌条件を求めることができる。
通常は、有機溶媒相と水相がほぼ均一に混ざり合う程度
の攪拌条件でハロホーメート化反応を行うのが好まし
い。
【0039】本発明によれば、任意に重合触媒の量と第
1の槽型反応装置における滞留時間を設定することで、
任意の分子量を有する芳香族ポリカーボネートオリゴマ
ーを製造することが可能である。好ましくは、数平均分
子量が1000〜10000であり、重量平均分子量が
2000〜40000である芳香族ポリカーボネートオ
リゴマーを製造するように重合触媒の量および滞留時間
を調節し、より好ましくは、数平均分子量が1500〜
7500であり、重量平均分子量が3000〜3000
0である芳香族ポリカーボネートオリゴマーを製造する
ように重合触媒の量および滞留時間を調節する。重量平
均分子量が過度に大きい芳香族ポリカーボネートオリゴ
マーは、芳香族ポリカーボネートを製造する際に、しば
しば分子量の制御が困難になることがあるために好まし
くない。
1の槽型反応装置における滞留時間を設定することで、
任意の分子量を有する芳香族ポリカーボネートオリゴマ
ーを製造することが可能である。好ましくは、数平均分
子量が1000〜10000であり、重量平均分子量が
2000〜40000である芳香族ポリカーボネートオ
リゴマーを製造するように重合触媒の量および滞留時間
を調節し、より好ましくは、数平均分子量が1500〜
7500であり、重量平均分子量が3000〜3000
0である芳香族ポリカーボネートオリゴマーを製造する
ように重合触媒の量および滞留時間を調節する。重量平
均分子量が過度に大きい芳香族ポリカーボネートオリゴ
マーは、芳香族ポリカーボネートを製造する際に、しば
しば分子量の制御が困難になることがあるために好まし
くない。
【0040】本発明により芳香族ポリカーボネートオリ
ゴマーを製造する場合には、第1の槽型反応装置から連
続的に排出された芳香族ポリカーボネートオリゴマーを
含む反応混合物から、有機溶媒相を分離し、さらに塩酸
等の鉱酸で有機溶媒相を中和し、無機塩を必要に応じて
抽出等の方法により除去した後に有機溶媒を留去して、
固体の芳香族ポリカーボネートオリゴマーを得る方法が
一般的である。またこの芳香族ポリカーボネートオリゴ
マーから芳香族ポリカーボネートを製造する場合には、
第1の槽型反応装置から排出された反応混合物から芳香
族ポリカーボネートオリゴマーを単離することなく、連
続的に次の槽型反応装置に供給し、攪拌を継続し、重縮
合反応を行うことで芳香族ポリカーボネートを製造する
ことが好ましい。またその他の用途、例えば、芳香族ポ
リカーボネート共重合体を製造する場合にも該反応混合
物から芳香族ポリカーボネートオリゴマーを単離するこ
となく、引き続き、共重合化反応に利用することができ
る。
ゴマーを製造する場合には、第1の槽型反応装置から連
続的に排出された芳香族ポリカーボネートオリゴマーを
含む反応混合物から、有機溶媒相を分離し、さらに塩酸
等の鉱酸で有機溶媒相を中和し、無機塩を必要に応じて
抽出等の方法により除去した後に有機溶媒を留去して、
固体の芳香族ポリカーボネートオリゴマーを得る方法が
一般的である。またこの芳香族ポリカーボネートオリゴ
マーから芳香族ポリカーボネートを製造する場合には、
第1の槽型反応装置から排出された反応混合物から芳香
族ポリカーボネートオリゴマーを単離することなく、連
続的に次の槽型反応装置に供給し、攪拌を継続し、重縮
合反応を行うことで芳香族ポリカーボネートを製造する
ことが好ましい。またその他の用途、例えば、芳香族ポ
リカーボネート共重合体を製造する場合にも該反応混合
物から芳香族ポリカーボネートオリゴマーを単離するこ
となく、引き続き、共重合化反応に利用することができ
る。
【0041】本発明によれば、数平均分子量が1000
〜10000であり、重量平均分子量が2000〜40
000の芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含む有機
溶媒相と、仕込みの芳香族ジヒドロキシ化合物に対して
0〜約30モル%の未反応芳香族ジヒドロキシ化合物を
含む水相とからなる反応混合物が得られる。そして、該
反応混合物から芳香族ポリカーボネートを連続的に製造
する場合には、少なくとも1つの槽型反応装置により攪
拌を継続して、重縮合反応を行う。好ましくは、1〜6
槽の重縮合反応用の槽型反応装置を用い、第1の槽型反
応装置の滞留時間の約2倍以上の滞留時間で攪拌を継続
し、重縮合反応を行う。攪拌を継続する効果はハロゲン
化カルボニル化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物の反応
により生成した芳香族ポリカーボネートオリゴマーのハ
ロホーメート末端基とヒドロキシ末端基を完全に反応さ
せることにある。この攪拌を継続する重縮合反応でのそ
れぞれの槽型反応装置での滞留時間は、攪拌条件等にも
依存するが、滞留時間は、数分から2時間程度であり、
通常、約10分から60分程度の滞留時間で充分であ
る。長すぎる滞留時間は生産効率の点からも好ましくな
い。
〜10000であり、重量平均分子量が2000〜40
000の芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含む有機
溶媒相と、仕込みの芳香族ジヒドロキシ化合物に対して
0〜約30モル%の未反応芳香族ジヒドロキシ化合物を
含む水相とからなる反応混合物が得られる。そして、該
反応混合物から芳香族ポリカーボネートを連続的に製造
する場合には、少なくとも1つの槽型反応装置により攪
拌を継続して、重縮合反応を行う。好ましくは、1〜6
槽の重縮合反応用の槽型反応装置を用い、第1の槽型反
応装置の滞留時間の約2倍以上の滞留時間で攪拌を継続
し、重縮合反応を行う。攪拌を継続する効果はハロゲン
化カルボニル化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物の反応
により生成した芳香族ポリカーボネートオリゴマーのハ
ロホーメート末端基とヒドロキシ末端基を完全に反応さ
せることにある。この攪拌を継続する重縮合反応でのそ
れぞれの槽型反応装置での滞留時間は、攪拌条件等にも
依存するが、滞留時間は、数分から2時間程度であり、
通常、約10分から60分程度の滞留時間で充分であ
る。長すぎる滞留時間は生産効率の点からも好ましくな
い。
【0042】本発明により製造された芳香族ポリカーボ
ネートを含む反応混合物は、次いで、連続操作または回
分操作、好ましくは連続操作により後処理をし、芳香族
ポリカーボネートを回収する。反応混合物の後処理は、
芳香族ポリカーボネートを含む有機溶媒相と水相とを分
液し、その後、芳香族ポリカーボネートを含む有機溶媒
相を、必要に応じ、水もしくは希薄アルカリ水溶液によ
り洗浄し、さらに、希薄酸水溶液により中和する。ここ
で用いられる酸としては、塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸等
を挙げることができる。その後、さらに繰り返し水洗浄
を行い、実質的に電解質が存在しなくなるまで洗浄す
る。その後、この洗浄された芳香族ポリカーボネートの
有機溶媒溶液から、公知の方法により有機溶媒を除去し
て、芳香族ポリカーボネートを回収する。
ネートを含む反応混合物は、次いで、連続操作または回
分操作、好ましくは連続操作により後処理をし、芳香族
ポリカーボネートを回収する。反応混合物の後処理は、
芳香族ポリカーボネートを含む有機溶媒相と水相とを分
液し、その後、芳香族ポリカーボネートを含む有機溶媒
相を、必要に応じ、水もしくは希薄アルカリ水溶液によ
り洗浄し、さらに、希薄酸水溶液により中和する。ここ
で用いられる酸としては、塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸等
を挙げることができる。その後、さらに繰り返し水洗浄
を行い、実質的に電解質が存在しなくなるまで洗浄す
る。その後、この洗浄された芳香族ポリカーボネートの
有機溶媒溶液から、公知の方法により有機溶媒を除去し
て、芳香族ポリカーボネートを回収する。
【0043】芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液か
ら有機溶媒を除去し、芳香族ポリカーボネートを回収す
る方法としては、蒸留もしくは水蒸気蒸留により有機溶
媒を除去する方法、または、芳香族ポリカーボネートを
溶解しない有機溶媒(貧溶媒)を芳香族ポリカーボネー
トの有機溶媒溶液に添加して、芳香族ポリカーボネート
を固体状態とし、得られた芳香族ポリカーボネートの有
機溶媒スラリーからろ過等の方法により有機溶媒を分離
する方法を挙げることができる。さらに具体的な方法と
しては、芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液から所
定量の有機溶媒を蒸留除去し、芳香族ポリカーボネート
の有機溶媒溶液を飽和状態とすることにより、芳香族ポ
リカーボネートを結晶化させ、これを粉砕した後に乾燥
して含有する有機溶媒を除去する方法、芳香族ポリカー
ボネートの有機溶媒溶液から直接有機溶媒を除去しなが
ら加熱して芳香族ポリカーボネートを溶融状態として直
ちにペレット化する方法、芳香族ポリカーボネートの有
機溶媒溶液を温水中に供給して、有機溶媒を除去しなが
ら生成するゲル状物を粉砕する方法、芳香族ポリカーボ
ネートの有機溶媒溶液に芳香族ポリカーボネートに対す
る貧溶媒または非溶媒、水を添加し、加熱濃縮していく
ことにより、固体状態の芳香族ポリカーボネートを水ス
ラリーとして得る方法、芳香族ポリカーボネートの有機
溶媒溶液を芳香族ポリカーボネートの粉体を含む温水中
に添加して有機溶媒を蒸発留去することにより固体状態
の芳香族ポリカーボネートを水スラリーとして得る方
法、芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液を芳香族ポ
リカーボネートの粉体および芳香族ポリカーボネートに
対する貧溶媒を含む温水中に供給しながら有機溶媒を蒸
発留去し、固体状体の芳香族ポリカーボネートを水スラ
リーとして得る方法等を挙げることができる。ここで用
いられる芳香族ポリカーボネートに対する貧溶媒または
非溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペン
タノール、ヘキサノール等のアルコール類、アセトン、
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル類を挙げるこ
とができる。
ら有機溶媒を除去し、芳香族ポリカーボネートを回収す
る方法としては、蒸留もしくは水蒸気蒸留により有機溶
媒を除去する方法、または、芳香族ポリカーボネートを
溶解しない有機溶媒(貧溶媒)を芳香族ポリカーボネー
トの有機溶媒溶液に添加して、芳香族ポリカーボネート
を固体状態とし、得られた芳香族ポリカーボネートの有
機溶媒スラリーからろ過等の方法により有機溶媒を分離
する方法を挙げることができる。さらに具体的な方法と
しては、芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液から所
定量の有機溶媒を蒸留除去し、芳香族ポリカーボネート
の有機溶媒溶液を飽和状態とすることにより、芳香族ポ
リカーボネートを結晶化させ、これを粉砕した後に乾燥
して含有する有機溶媒を除去する方法、芳香族ポリカー
ボネートの有機溶媒溶液から直接有機溶媒を除去しなが
ら加熱して芳香族ポリカーボネートを溶融状態として直
ちにペレット化する方法、芳香族ポリカーボネートの有
機溶媒溶液を温水中に供給して、有機溶媒を除去しなが
ら生成するゲル状物を粉砕する方法、芳香族ポリカーボ
ネートの有機溶媒溶液に芳香族ポリカーボネートに対す
る貧溶媒または非溶媒、水を添加し、加熱濃縮していく
ことにより、固体状態の芳香族ポリカーボネートを水ス
ラリーとして得る方法、芳香族ポリカーボネートの有機
溶媒溶液を芳香族ポリカーボネートの粉体を含む温水中
に添加して有機溶媒を蒸発留去することにより固体状態
の芳香族ポリカーボネートを水スラリーとして得る方
法、芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液を芳香族ポ
リカーボネートの粉体および芳香族ポリカーボネートに
対する貧溶媒を含む温水中に供給しながら有機溶媒を蒸
発留去し、固体状体の芳香族ポリカーボネートを水スラ
リーとして得る方法等を挙げることができる。ここで用
いられる芳香族ポリカーボネートに対する貧溶媒または
非溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペン
タノール、ヘキサノール等のアルコール類、アセトン、
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル類を挙げるこ
とができる。
【0044】本発明の製造方法により得られる芳香族ポ
リカーボネートは、さらに他のポリマーと混合して成形
材料として使用することが可能である。他のポリマーと
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリトリフ
ルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリア
セタール、ポリフェニレンオキシド、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、パラオキシ
ベンゾイル系ポリエステル、ポリアリーレート、ポリス
ルフィド等が挙げられる。また、本発明の製造方法によ
り得られる芳香族ポリカーボネートは、単独もしくは、
他のポリマーと混合して、さらに芳香族ポリカーボネー
トの製造時または製造後に公知の方法で、顔料、染料、
熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、有機ハ
ロゲン化合物、アルカリ金属スルホン酸塩、ガラス繊
維、炭素繊維、ガラスビーズ、硫酸バリウム、TiO2
等の公知の添加剤を添加してもよい。本発明の製造方法
により得られる芳香族ポリカーボネートは単独または他
のポリマーと混合した状態で、所望により、上記の添加
剤を添加して成形材料として、電気機器等のシャーシや
ハウジング材、電子部品、自動車部品、コンパクトディ
スク等の情報記録媒体の基板、カメラや眼鏡のレンズ等
の光学材料、ガラス代替えの建材等に成形することが可
能である。本発明の製造方法により得られる芳香族ポリ
カーボネートは熱可塑性であり、溶融状態で、射出成
形、押出成形、ブロー成形、フィラー等への含浸等が可
能であり、公知の成形方法により容易に成形可能であ
る。
リカーボネートは、さらに他のポリマーと混合して成形
材料として使用することが可能である。他のポリマーと
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリトリフ
ルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリア
セタール、ポリフェニレンオキシド、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、パラオキシ
ベンゾイル系ポリエステル、ポリアリーレート、ポリス
ルフィド等が挙げられる。また、本発明の製造方法によ
り得られる芳香族ポリカーボネートは、単独もしくは、
他のポリマーと混合して、さらに芳香族ポリカーボネー
トの製造時または製造後に公知の方法で、顔料、染料、
熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、有機ハ
ロゲン化合物、アルカリ金属スルホン酸塩、ガラス繊
維、炭素繊維、ガラスビーズ、硫酸バリウム、TiO2
等の公知の添加剤を添加してもよい。本発明の製造方法
により得られる芳香族ポリカーボネートは単独または他
のポリマーと混合した状態で、所望により、上記の添加
剤を添加して成形材料として、電気機器等のシャーシや
ハウジング材、電子部品、自動車部品、コンパクトディ
スク等の情報記録媒体の基板、カメラや眼鏡のレンズ等
の光学材料、ガラス代替えの建材等に成形することが可
能である。本発明の製造方法により得られる芳香族ポリ
カーボネートは熱可塑性であり、溶融状態で、射出成
形、押出成形、ブロー成形、フィラー等への含浸等が可
能であり、公知の成形方法により容易に成形可能であ
る。
【0045】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。表1(表1)に実施例2〜13、比較例1〜12の
芳香族ポリカーボネートオリゴマーおよび/または芳香
族ポリカーボネートの製造条件、製造された芳香族ポリ
カーボネートの物性値をまとめた。なお、各実施例、比
較例の物性値は以下の方法により測定した。 ・分子量測定:GPC(ゲル・パーミエーション・クロ
マトグラフィー)により数平均分子量(Mn)、重量平
均分子量(Mw)、多分散性インデックス(Mw/M
n)を測定した。 ・ハロゲン化カルボニル化合物および/またはハロホー
メート化合物の加水分解量:重縮合反応終了後の水相中
の炭酸ソーダ生成量から算出した。 ・ヒドロキシ末端基:臭素化法によりフェノール性ヒド
ロキシ末端基数を求め、下式に従い芳香族ポリカーボネ
ートの構造単位1モル当たりのヒドロキシ末端基の割合
を求めた。 ヒドロキシ末端基(モル%)=B÷80×254÷2×
100 B:臭素化法により求めたフェノール性ヒドロキシ末端
基数(Brg/g) ・クロロホーメート末端基:塩化銀滴定により、クロロ
ホーメート末端基数を求め、下式に従い芳香族ポリカー
ボネートの構造単位1モル当たりのクロロホーメート末
端基の割合を求めた。
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。表1(表1)に実施例2〜13、比較例1〜12の
芳香族ポリカーボネートオリゴマーおよび/または芳香
族ポリカーボネートの製造条件、製造された芳香族ポリ
カーボネートの物性値をまとめた。なお、各実施例、比
較例の物性値は以下の方法により測定した。 ・分子量測定:GPC(ゲル・パーミエーション・クロ
マトグラフィー)により数平均分子量(Mn)、重量平
均分子量(Mw)、多分散性インデックス(Mw/M
n)を測定した。 ・ハロゲン化カルボニル化合物および/またはハロホー
メート化合物の加水分解量:重縮合反応終了後の水相中
の炭酸ソーダ生成量から算出した。 ・ヒドロキシ末端基:臭素化法によりフェノール性ヒド
ロキシ末端基数を求め、下式に従い芳香族ポリカーボネ
ートの構造単位1モル当たりのヒドロキシ末端基の割合
を求めた。 ヒドロキシ末端基(モル%)=B÷80×254÷2×
100 B:臭素化法により求めたフェノール性ヒドロキシ末端
基数(Brg/g) ・クロロホーメート末端基:塩化銀滴定により、クロロ
ホーメート末端基数を求め、下式に従い芳香族ポリカー
ボネートの構造単位1モル当たりのクロロホーメート末
端基の割合を求めた。
【0046】 クロロホーメート末端基(モル%)=C×254÷10 C:塩化銀滴定により求めたクロロホーメート末端基数
(meq/g) ・末端基の封止率:下式に従い算出した。 末端基の封止率(%)=A÷(A+B’+C’)×10
0 A:分子量調節剤の量(芳香族ジヒドロキシ化合物の単
位時間当たりの供給モル数に対するモル%) B’:芳香族ポリカーボネートの構造単位1モル当たり
のヒドロキシ末端基の割合(モル%) C’:芳香族ポリカーボネートの構造単位1モル当たり
のクロロホーメート末端基の割合(モル%) ・芳香族ポリカーボネート中の窒素含有量:三菱化成製
TN−10型微量全窒素分析装置を用いて測定した。
(meq/g) ・末端基の封止率:下式に従い算出した。 末端基の封止率(%)=A÷(A+B’+C’)×10
0 A:分子量調節剤の量(芳香族ジヒドロキシ化合物の単
位時間当たりの供給モル数に対するモル%) B’:芳香族ポリカーボネートの構造単位1モル当たり
のヒドロキシ末端基の割合(モル%) C’:芳香族ポリカーボネートの構造単位1モル当たり
のクロロホーメート末端基の割合(モル%) ・芳香族ポリカーボネート中の窒素含有量:三菱化成製
TN−10型微量全窒素分析装置を用いて測定した。
【0047】実施例1 ビスフェノールA3269g(14.34モル)と、分
子量調節剤としてのp−tert−ブチルフェノール6
7.961g(0.4531モル)、トリエチルアミン
2.331g〔0.0231モル(ビスフェノールAに
対して0.16モル%)〕、水酸化ナトリウム1663
g(41.57モル)、ハイドロサルファイト6.53
2gを22.191kgの水に溶解させて総重量27.
206kgの均一な水溶液を調製した。この水溶液とホ
スゲン、ジクロロメタンをそれぞれ129.55g/
分、7.638g(0.07715モル)/分、11
3.1g/分の供給速度で、内容量5リットルの第1の
槽型反応装置に供給した。この槽型反応装置には、オー
バーフロー用の排出口が設けられており、ここから反応
混合物が250.29g/分の速度で排出される。滞留
時間は約20分であった。連続的に排出される反応混合
物を直ちに分液し、有機相を塩酸により中和した。連続
的に3時間30分運転を行い、得られた芳香族ポリカー
ボネートオリゴマーの分子量、反応混合物の水相中に存
在する未反応ビスフェノールA量を30分毎に測定し
た。芳香族ポリカーボネートオリゴマーの分子量は、数
平均分子量が3100〜3200、重量平均分子量が9
800〜10100、水相中の未反応ビスフェノールA
量は、仕込みビスフェノールAのモル数に対して、6.
5〜6.6モル%であり安定していた。
子量調節剤としてのp−tert−ブチルフェノール6
7.961g(0.4531モル)、トリエチルアミン
2.331g〔0.0231モル(ビスフェノールAに
対して0.16モル%)〕、水酸化ナトリウム1663
g(41.57モル)、ハイドロサルファイト6.53
2gを22.191kgの水に溶解させて総重量27.
206kgの均一な水溶液を調製した。この水溶液とホ
スゲン、ジクロロメタンをそれぞれ129.55g/
分、7.638g(0.07715モル)/分、11
3.1g/分の供給速度で、内容量5リットルの第1の
槽型反応装置に供給した。この槽型反応装置には、オー
バーフロー用の排出口が設けられており、ここから反応
混合物が250.29g/分の速度で排出される。滞留
時間は約20分であった。連続的に排出される反応混合
物を直ちに分液し、有機相を塩酸により中和した。連続
的に3時間30分運転を行い、得られた芳香族ポリカー
ボネートオリゴマーの分子量、反応混合物の水相中に存
在する未反応ビスフェノールA量を30分毎に測定し
た。芳香族ポリカーボネートオリゴマーの分子量は、数
平均分子量が3100〜3200、重量平均分子量が9
800〜10100、水相中の未反応ビスフェノールA
量は、仕込みビスフェノールAのモル数に対して、6.
5〜6.6モル%であり安定していた。
【0048】実施例2 ビスフェノールA8406g(36.87モル)と分子
量調節剤としてのp−tert−ブチルフェノール17
4.756g(1.165モル)、トリエチルアミン
5.994g〔0.05935モル(ビスフェノールA
に対して0.16モル%)〕、水酸化ナトリウム427
7g(106.93モル)、ハイドロサルファイト1
6.794gを57.06kgの水に溶解させて総重量
69.96kgの均一な水溶液を調製した。この水溶液
とホスゲン、ジクロロメタンをそれぞれ129.56g
/分、7.638g(0.07715モル)/分、12
7.37g/分の供給速度で、内容量5リットルの第1
の槽型反応装置に供給した。この槽型反応装置には、オ
ーバーフロー用の排出口が設けられており、ここから反
応混合物が264.57g/分の速度で排出される。滞
留時間は約20分であった。連続的に排出される反応混
合物を配管を用いて連続的に第2の槽型反応装置に供給
した。第2の槽型反応装置により滞留時間40分で攪拌
の継続による重縮合反応を行い、更に、反応混合物を続
く第3の槽型反応装置に供給し、滞留時間40分で攪拌
の継続による重縮合反応を行なった。第3の槽型反応装
置から連続的に排出される反応混合物を直ちに分液し、
塩酸により中和した。得られたジクロロメタン相を純水
で電解質がなくなるまで洗浄した。この芳香族ポリカー
ボネートを含んだジクロロメタン溶液に、トルエンと水
を添加し、98℃まで加熱することでジクロロメタンお
よびトルエンを留去して芳香族ポリカーボネートの粉体
を得た。連続運転を9時間行い、1時間毎に第1表に記
載した測定値を測定した。また、第1の槽型反応装置か
ら排出される芳香族ポリカーボネートオリゴマーの分子
量は、数平均分子量が3100〜3200、重量平均分
子量が9800〜10100であり、水相中の未反応ビ
スフェノールA量は、仕込みビスフェノールAのモル数
に対して、6.4〜6.5モル%であり安定していた。
重縮合反応終了時の水相中の未反応ビスフェノールAは
検出されなかった。第1表より、重合触媒の量〔X〕
(モル%)と第1の槽型反応装置の滞留時間〔Y〕
(分)が、logY<−2.19X+1.84(0.0005
≦X<0.84,1≦Y<69)の関係式を満たす条件下で
は、再現性よく分子量の制御がなされ、分子量分布の整
った芳香族ポリカーボネートが得られることが判る。
量調節剤としてのp−tert−ブチルフェノール17
4.756g(1.165モル)、トリエチルアミン
5.994g〔0.05935モル(ビスフェノールA
に対して0.16モル%)〕、水酸化ナトリウム427
7g(106.93モル)、ハイドロサルファイト1
6.794gを57.06kgの水に溶解させて総重量
69.96kgの均一な水溶液を調製した。この水溶液
とホスゲン、ジクロロメタンをそれぞれ129.56g
/分、7.638g(0.07715モル)/分、12
7.37g/分の供給速度で、内容量5リットルの第1
の槽型反応装置に供給した。この槽型反応装置には、オ
ーバーフロー用の排出口が設けられており、ここから反
応混合物が264.57g/分の速度で排出される。滞
留時間は約20分であった。連続的に排出される反応混
合物を配管を用いて連続的に第2の槽型反応装置に供給
した。第2の槽型反応装置により滞留時間40分で攪拌
の継続による重縮合反応を行い、更に、反応混合物を続
く第3の槽型反応装置に供給し、滞留時間40分で攪拌
の継続による重縮合反応を行なった。第3の槽型反応装
置から連続的に排出される反応混合物を直ちに分液し、
塩酸により中和した。得られたジクロロメタン相を純水
で電解質がなくなるまで洗浄した。この芳香族ポリカー
ボネートを含んだジクロロメタン溶液に、トルエンと水
を添加し、98℃まで加熱することでジクロロメタンお
よびトルエンを留去して芳香族ポリカーボネートの粉体
を得た。連続運転を9時間行い、1時間毎に第1表に記
載した測定値を測定した。また、第1の槽型反応装置か
ら排出される芳香族ポリカーボネートオリゴマーの分子
量は、数平均分子量が3100〜3200、重量平均分
子量が9800〜10100であり、水相中の未反応ビ
スフェノールA量は、仕込みビスフェノールAのモル数
に対して、6.4〜6.5モル%であり安定していた。
重縮合反応終了時の水相中の未反応ビスフェノールAは
検出されなかった。第1表より、重合触媒の量〔X〕
(モル%)と第1の槽型反応装置の滞留時間〔Y〕
(分)が、logY<−2.19X+1.84(0.0005
≦X<0.84,1≦Y<69)の関係式を満たす条件下で
は、再現性よく分子量の制御がなされ、分子量分布の整
った芳香族ポリカーボネートが得られることが判る。
【0049】実施例3 実施例2において、水酸化ナトリウム4277g(10
6.93モル)を用いる代わりに、水酸化ナトリウム4
674g(116.83モル)用いて、ビスフェノール
Aの均一な水溶液を調製し、また、ホスゲンを7.63
8g(0.07715モル)/分の供給速度で供給する
代わりに、8.111g(0.08193モル)/分の
供給速度で供給した以外は、実施例2と同様にして芳香
族ポリカーボネートを製造した。1時間毎に測定した測
定結果を第1表にまとめた。重縮合反応終了時、水相中
の未反応ビスフェノールAは検出されなかった。第1表
より、重合触媒の量〔X〕(モル%)と第1の槽型反応
装置の滞留時間〔Y〕(分)が、 logY<−2.19X+1.84(0.0005≦X<0.8
4,1≦Y<69) の関係式を満たす条件下では、再現性よく分子量の制御
がなされ、分子量分布の整った芳香族ポリカーボネート
が得られることが判る。
6.93モル)を用いる代わりに、水酸化ナトリウム4
674g(116.83モル)用いて、ビスフェノール
Aの均一な水溶液を調製し、また、ホスゲンを7.63
8g(0.07715モル)/分の供給速度で供給する
代わりに、8.111g(0.08193モル)/分の
供給速度で供給した以外は、実施例2と同様にして芳香
族ポリカーボネートを製造した。1時間毎に測定した測
定結果を第1表にまとめた。重縮合反応終了時、水相中
の未反応ビスフェノールAは検出されなかった。第1表
より、重合触媒の量〔X〕(モル%)と第1の槽型反応
装置の滞留時間〔Y〕(分)が、 logY<−2.19X+1.84(0.0005≦X<0.8
4,1≦Y<69) の関係式を満たす条件下では、再現性よく分子量の制御
がなされ、分子量分布の整った芳香族ポリカーボネート
が得られることが判る。
【0050】実施例4 ビスフェノールA8406g(36.87モル)と分子
量調節剤としてのp−tert−ブチルフェノール17
4.756g(1.165モル)、トリエチルアミン
5.994g〔0.05935モル(ビスフェエノール
Aに対して0.16モル%)〕、水酸化ナトリウム42
77g(106.93モル)、ハイドロサルファイト1
6.994gを塩化ナトリウム1260.9gを含む5
7.06kgの水に溶解させて総重量69.96kgの
均一な水溶液を調製した。この水溶液とホスゲン、ジク
ロロメタンをそれぞれ129.56g/分、7.638
g(0.07715モル)/分、127.37g/分の
供給速度で、内容量5リットルの第1の槽型反応装置に
供給した。この槽型反応装置には、オーバーフロー用の
排出口が設けられており、ここから反応混合物が26
4.57g/分の速度で排出される。滞留時間は約20
分であった。連続的に排出される反応混合物を配管を用
い連続的に第2の槽型反応装置に供給した。第2の反応
装置により滞留時間40分で攪拌の継続による重縮合反
応を行い、更に、反応混合物を続く第3の槽型反応装置
に供給し、滞留時間40分で攪拌の継続による重縮合反
応を行なった。第3の槽型反応装置から連続的に排出さ
れる反応混合物を直ちに分液し、塩酸により中和した。
得られたジクロロメタン相を純水で電解質がなくなるま
で洗浄した。この芳香族ポリカーボネートを含んだジク
ロロメタン溶液にトルエンと水を添加して98℃まで加
熱することにより、ジクロロメタンおよびトルエンを留
去して芳香族ポリカーボネートの粉体を得た。さらに連
続運転を9時間行い、1時間毎に第1表に記載の各測定
値を測定した。第1の槽型反応装置から排出される反応
混合物中の芳香族ポリカーボネートオリゴマーの分子量
は、数平均分子量が3200〜3300、重量平均分子
量が9800〜9900であり、水相中の未反応ビスフ
ェノールA量は、仕込みビスフェノールAのモル数に対
して、6.2〜6.3モル%であった。重縮合反応終了
時の水相中の未反応ビスフェノールAは検出されなかっ
た。第1表より、重合触媒の量〔X〕(モル%)と第1
の槽型反応装置の滞留時間〔Y〕(分)が、 logY<−2.19X+1.84(0.0005≦X<0.8
4,1≦Y<69) の関係式を満たす条件下で、芳香族ジヒドロキシ化合物
に対して20重量%未満の無機塩を含有する水を用いた
場合には、再現性よく分子量の制御がなされ、分子量分
布の整った芳香族ポリカーボネートが得られることが判
る。
量調節剤としてのp−tert−ブチルフェノール17
4.756g(1.165モル)、トリエチルアミン
5.994g〔0.05935モル(ビスフェエノール
Aに対して0.16モル%)〕、水酸化ナトリウム42
77g(106.93モル)、ハイドロサルファイト1
6.994gを塩化ナトリウム1260.9gを含む5
7.06kgの水に溶解させて総重量69.96kgの
均一な水溶液を調製した。この水溶液とホスゲン、ジク
ロロメタンをそれぞれ129.56g/分、7.638
g(0.07715モル)/分、127.37g/分の
供給速度で、内容量5リットルの第1の槽型反応装置に
供給した。この槽型反応装置には、オーバーフロー用の
排出口が設けられており、ここから反応混合物が26
4.57g/分の速度で排出される。滞留時間は約20
分であった。連続的に排出される反応混合物を配管を用
い連続的に第2の槽型反応装置に供給した。第2の反応
装置により滞留時間40分で攪拌の継続による重縮合反
応を行い、更に、反応混合物を続く第3の槽型反応装置
に供給し、滞留時間40分で攪拌の継続による重縮合反
応を行なった。第3の槽型反応装置から連続的に排出さ
れる反応混合物を直ちに分液し、塩酸により中和した。
得られたジクロロメタン相を純水で電解質がなくなるま
で洗浄した。この芳香族ポリカーボネートを含んだジク
ロロメタン溶液にトルエンと水を添加して98℃まで加
熱することにより、ジクロロメタンおよびトルエンを留
去して芳香族ポリカーボネートの粉体を得た。さらに連
続運転を9時間行い、1時間毎に第1表に記載の各測定
値を測定した。第1の槽型反応装置から排出される反応
混合物中の芳香族ポリカーボネートオリゴマーの分子量
は、数平均分子量が3200〜3300、重量平均分子
量が9800〜9900であり、水相中の未反応ビスフ
ェノールA量は、仕込みビスフェノールAのモル数に対
して、6.2〜6.3モル%であった。重縮合反応終了
時の水相中の未反応ビスフェノールAは検出されなかっ
た。第1表より、重合触媒の量〔X〕(モル%)と第1
の槽型反応装置の滞留時間〔Y〕(分)が、 logY<−2.19X+1.84(0.0005≦X<0.8
4,1≦Y<69) の関係式を満たす条件下で、芳香族ジヒドロキシ化合物
に対して20重量%未満の無機塩を含有する水を用いた
場合には、再現性よく分子量の制御がなされ、分子量分
布の整った芳香族ポリカーボネートが得られることが判
る。
【0051】実施例5〜13 実施例2と同様の操作を、ビスフェノールAに対する重
合触媒の量〔X〕(モル%)と第1の槽型反応装置の滞
留時間〔Y〕(分)の値をそれぞれ種々変更して行っ
た。第1表より、本発明の、重合触媒の量と第1の槽型
反応装置の滞留時間が、 logY<−2.19X+1.84(0.0005≦X<0.8
4,1≦Y<69) の関係式を満たす条件下ではどの場合も再現性良く分子
量の制御がなされ、分子量分布の整った芳香族ポリカー
ボネートが得られることが判る。
合触媒の量〔X〕(モル%)と第1の槽型反応装置の滞
留時間〔Y〕(分)の値をそれぞれ種々変更して行っ
た。第1表より、本発明の、重合触媒の量と第1の槽型
反応装置の滞留時間が、 logY<−2.19X+1.84(0.0005≦X<0.8
4,1≦Y<69) の関係式を満たす条件下ではどの場合も再現性良く分子
量の制御がなされ、分子量分布の整った芳香族ポリカー
ボネートが得られることが判る。
【0052】比較例1 ビスフェノールA2802g(12.29モル)と、分
子量調節剤としてのp−tert−ブチルフェノール6
3.414g(0.4228モル)、トリエチルアミン
1.998g〔0.01978モル(ビスフェノールA
に対して0.16モル%)〕、水酸化ナトリウム142
5g(35.63モル)、ハイドロサルファイト5.5
98gを19.02kgの水に溶解させて総重量23.
32kgの均一な水溶液を調製した。この水溶液とホス
ゲン、ジクロロメタンをそれぞれ86.36g/分、
5.119g(0.0517モル)/分、84.92g
/分の供給速度で、内径3.2cm、長さ25cmの、直径
3mmのガラスビーズを充填した反応塔に供給した、反応
塔の下部からは反応混合物が176.40g/分の速度
で排出された。連続的に排出される反応混合物を配管を
用い連続的に第2の槽型反応装置に供給した。第2の槽
型反応装置により滞留時間60分で攪拌の継続による重
縮合反応を行い更に、反応混合物を続く第3の槽型反応
装置に供給し、第3の槽型反応装置により、滞留時間6
0分で攪拌の継続による重縮合反応を行った。第3の槽
型反応装置から連続的に排出される反応混合物を直ちに
分液し、塩酸により中和した。得られたジクロロメタン
相を純水で電解質がなくなるまで洗浄した。この芳香族
ポリカーボネートを含んだジクロロメタン溶液にトルエ
ンと水を添加し、98℃まで加熱することによりジクロ
ロメタンおよびトルエンを留去して芳香族ポリカーボネ
ートの粉体を得た。さらに連続運転を4時間30分行
い、1時間毎に第2表(表2)に記載の測定値を測定し
た。また、芳香族ポリカーボネートオリゴマーの分子量
は、数平均分子量が740〜860であり、重量平均分
子量が2500〜3200であり、水相中の未反応ビス
フェノールA量は、仕込みビスフェノールAのモル数に
対して、27.6〜38.3モル%であった。重縮合反
応終了時の水相中の未反応ビスフェノールAは検出され
なかった。第1表より、反応装置として、充填物を充填
した反応塔を用いた場合には、反応混合物中のハロゲン
化カルボニル化合物および/またはハロホーメート化合
物の加水分解量が多いことが判る。
子量調節剤としてのp−tert−ブチルフェノール6
3.414g(0.4228モル)、トリエチルアミン
1.998g〔0.01978モル(ビスフェノールA
に対して0.16モル%)〕、水酸化ナトリウム142
5g(35.63モル)、ハイドロサルファイト5.5
98gを19.02kgの水に溶解させて総重量23.
32kgの均一な水溶液を調製した。この水溶液とホス
ゲン、ジクロロメタンをそれぞれ86.36g/分、
5.119g(0.0517モル)/分、84.92g
/分の供給速度で、内径3.2cm、長さ25cmの、直径
3mmのガラスビーズを充填した反応塔に供給した、反応
塔の下部からは反応混合物が176.40g/分の速度
で排出された。連続的に排出される反応混合物を配管を
用い連続的に第2の槽型反応装置に供給した。第2の槽
型反応装置により滞留時間60分で攪拌の継続による重
縮合反応を行い更に、反応混合物を続く第3の槽型反応
装置に供給し、第3の槽型反応装置により、滞留時間6
0分で攪拌の継続による重縮合反応を行った。第3の槽
型反応装置から連続的に排出される反応混合物を直ちに
分液し、塩酸により中和した。得られたジクロロメタン
相を純水で電解質がなくなるまで洗浄した。この芳香族
ポリカーボネートを含んだジクロロメタン溶液にトルエ
ンと水を添加し、98℃まで加熱することによりジクロ
ロメタンおよびトルエンを留去して芳香族ポリカーボネ
ートの粉体を得た。さらに連続運転を4時間30分行
い、1時間毎に第2表(表2)に記載の測定値を測定し
た。また、芳香族ポリカーボネートオリゴマーの分子量
は、数平均分子量が740〜860であり、重量平均分
子量が2500〜3200であり、水相中の未反応ビス
フェノールA量は、仕込みビスフェノールAのモル数に
対して、27.6〜38.3モル%であった。重縮合反
応終了時の水相中の未反応ビスフェノールAは検出され
なかった。第1表より、反応装置として、充填物を充填
した反応塔を用いた場合には、反応混合物中のハロゲン
化カルボニル化合物および/またはハロホーメート化合
物の加水分解量が多いことが判る。
【0053】比較例2 比較のため、実施例2において、重合触媒を、予め芳香
族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液に添加せず、第1の
槽型反応装置でハロホーメート化反応を行った後に第2
の槽型反応装置に添加した。すなわち、ビスフェノール
A8406g(36.87モル)と、分子量調節剤とし
てのp−tert−ブチルフェノール190.243g
(1.268モル)、水酸化ナトリウム4277g(1
06.93モル)、ハイドロサルファイト16.794
gを57.06kgの水に溶解させて総重量69.96
kgの均一な水溶液を調製した。この水溶液とホスゲ
ン、ジクロロメタンをそれぞれ129.56g/分、
7.638g(0.07715モル)/分、105.3
7g/分の供給速度で、内容量5リットルの第1の槽型
反応装置に供給した。この槽型反応装置には、オーバー
フロー用の排出口が設けられており、ここから反応混合
物が242.57g/分の速度で排出される。滞留時間
は約20分であった。連続的に排出される反応混合物を
配管を用いて連続的に第2の槽型反応装置に供給し、さ
らに、トリエチルアミン5.994g〔0.05935
モル(ビスフェノールAに対して0.16モル%)〕を
ジクロロメタン11.88kgに溶解した有機溶媒溶液
を22.01g/分の供給速度で第2の槽型反応装置に
供給した。第2の槽型反応装置により滞留時間40分で
攪拌の継続による重縮合反応を行い、更に、反応混合物
を続く第3の槽型反応装置に供給し、滞留時間40分で
攪拌の継続による重縮合反応を行なった。第3の槽型反
応装置から連続的に排出される反応混合物を直ちに分液
し、塩酸により中和した。得られたジクロロメタン相を
純水で電解質がなくなるまで洗浄した。この芳香族ポリ
カーボネートを含んだジクロロメタン溶液にトルエンと
水を添加して98℃まで加熱することで、ジクロロメタ
ンおよびトルエンを留去して芳香族ポリカーボネートの
粉体を得た。連続運転を9時間行い、1時間毎に第2表
に記載の各測定値を測定した。また、第1の槽型反応装
置から排出される芳香族ポリカーボネートオリゴマーの
分子量は、数平均分子量が2610〜2650、重量平
均分子量が4700〜4800であり、水相中の未反応
ビスフェノールA量は、仕込みビスフェノールAのモル
数に対して、6.3〜6.5モル%であった。重縮合反
応終了時の水相中の未反応ビスフェノールA量は、仕込
みビスフェノールAのモル数に対して、2.0〜2.3
モル%であった。第2表より、重合触媒をハロホーメー
ト化反応時に添加しない方法では、ハロゲン化カルボニ
ル化合物および/またはハロホーメート化合物の加水分
解量が多く、そのため、所望の分子量に到達していない
ことが判る。
族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液に添加せず、第1の
槽型反応装置でハロホーメート化反応を行った後に第2
の槽型反応装置に添加した。すなわち、ビスフェノール
A8406g(36.87モル)と、分子量調節剤とし
てのp−tert−ブチルフェノール190.243g
(1.268モル)、水酸化ナトリウム4277g(1
06.93モル)、ハイドロサルファイト16.794
gを57.06kgの水に溶解させて総重量69.96
kgの均一な水溶液を調製した。この水溶液とホスゲ
ン、ジクロロメタンをそれぞれ129.56g/分、
7.638g(0.07715モル)/分、105.3
7g/分の供給速度で、内容量5リットルの第1の槽型
反応装置に供給した。この槽型反応装置には、オーバー
フロー用の排出口が設けられており、ここから反応混合
物が242.57g/分の速度で排出される。滞留時間
は約20分であった。連続的に排出される反応混合物を
配管を用いて連続的に第2の槽型反応装置に供給し、さ
らに、トリエチルアミン5.994g〔0.05935
モル(ビスフェノールAに対して0.16モル%)〕を
ジクロロメタン11.88kgに溶解した有機溶媒溶液
を22.01g/分の供給速度で第2の槽型反応装置に
供給した。第2の槽型反応装置により滞留時間40分で
攪拌の継続による重縮合反応を行い、更に、反応混合物
を続く第3の槽型反応装置に供給し、滞留時間40分で
攪拌の継続による重縮合反応を行なった。第3の槽型反
応装置から連続的に排出される反応混合物を直ちに分液
し、塩酸により中和した。得られたジクロロメタン相を
純水で電解質がなくなるまで洗浄した。この芳香族ポリ
カーボネートを含んだジクロロメタン溶液にトルエンと
水を添加して98℃まで加熱することで、ジクロロメタ
ンおよびトルエンを留去して芳香族ポリカーボネートの
粉体を得た。連続運転を9時間行い、1時間毎に第2表
に記載の各測定値を測定した。また、第1の槽型反応装
置から排出される芳香族ポリカーボネートオリゴマーの
分子量は、数平均分子量が2610〜2650、重量平
均分子量が4700〜4800であり、水相中の未反応
ビスフェノールA量は、仕込みビスフェノールAのモル
数に対して、6.3〜6.5モル%であった。重縮合反
応終了時の水相中の未反応ビスフェノールA量は、仕込
みビスフェノールAのモル数に対して、2.0〜2.3
モル%であった。第2表より、重合触媒をハロホーメー
ト化反応時に添加しない方法では、ハロゲン化カルボニ
ル化合物および/またはハロホーメート化合物の加水分
解量が多く、そのため、所望の分子量に到達していない
ことが判る。
【0054】比較例3 比較例2において、水酸化ナトリウム4277g(10
6.93モル)を用いる代わりに、水酸化ナトリウム4
674g(116.83モル)用いて、ビスフェノール
Aの均一な水溶液を調製し、また、ホスゲンを7.63
8g(0.07715モル)/分の供給速度で供給する
代わりに、8.111g(0.08193モル)/分の
供給速度で供給した以外は、比較例2と同様に芳香族ポ
リカーボネートを製造した。測定結果を第2表にまとめ
た。比較例2に比べ、より過剰量のホスゲンを用いたた
め、得られた芳香族ポリカーボネートの平均分子量は目
的値に達している。第1表、第2表より、同じ量のハロ
ゲン化カルボニル化合物(ホスゲン)を用いた、実施例
3のハロゲン化カルボニル化合物および/またはハロホ
ーメート化合物の加水分解量と比較すると、比較例3の
ハロゲン化カルボニル化合物および/またはハロホーメ
ート化合物の加水分解量が多いことが判る。
6.93モル)を用いる代わりに、水酸化ナトリウム4
674g(116.83モル)用いて、ビスフェノール
Aの均一な水溶液を調製し、また、ホスゲンを7.63
8g(0.07715モル)/分の供給速度で供給する
代わりに、8.111g(0.08193モル)/分の
供給速度で供給した以外は、比較例2と同様に芳香族ポ
リカーボネートを製造した。測定結果を第2表にまとめ
た。比較例2に比べ、より過剰量のホスゲンを用いたた
め、得られた芳香族ポリカーボネートの平均分子量は目
的値に達している。第1表、第2表より、同じ量のハロ
ゲン化カルボニル化合物(ホスゲン)を用いた、実施例
3のハロゲン化カルボニル化合物および/またはハロホ
ーメート化合物の加水分解量と比較すると、比較例3の
ハロゲン化カルボニル化合物および/またはハロホーメ
ート化合物の加水分解量が多いことが判る。
【0055】比較例4 比較のため、実施例2において、分子量調節剤を、予め
芳香族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液に添加せず、第
1の槽型反応装置でハロホーメート化反応を行った後
に、第2の槽型反応装置に添加した。すなわち、ビスフ
ェノールA8406g(36.87モル)と水酸化ナト
リウム4277g(106.93モル)、トリエチルア
ミン5.994g〔0.05935モル(ビスフェノー
ルAに対して0.16モル%)〕、ハイドロサルファイ
ト16.794gを57.06kgの水に溶解させて総
重量69.96kgの均一な水溶液を調製した。この水
溶液とホスゲン、ジクロロメタンをそれぞれ129.5
6g/分、7.638g(0.07715モル)/分、
105.37g/分の供給速度で、内容量5リットルの
第1の槽型反応装置に供給した。この槽型反応装置に
は、オーバーフロー用の排出口が設けられており、ここ
から反応混合物が242.57g/分の速度で排出され
る。滞留時間は約20分であった。連続的に排出される
反応混合物を配管を用いて連続的に第2の槽型反応装置
に供給し、さらに、分子量調節剤としてのp−tert
−ブチルフェノール190.243g(1.268モ
ル)をジクロロメタン11.88kgに溶解した有機溶
媒溶液を22.35g/分の供給速度で第2の槽型反応
装置に供給した。第2の槽型反応装置により滞留時間4
0分で攪拌の継続による重縮合反応を行い、更に、反応
混合物を続く第3の槽型反応装置に供給し、滞留時間4
0分で攪拌の継続による重縮合反応を行なった。第3の
槽型反応装置から連続的に排出される反応混合物を直ち
に分液し、塩酸により中和した。得られたジクロロメタ
ン相を純水で電解質がなくなるまで洗浄した。この芳香
族ポリカーボネートを含んだジクロロメタン溶液にトル
エンと水を添加し、98℃まで加熱することによりジク
ロロメタンおよびトルエンを留去して芳香族ポリカーボ
ネートの粉体を得た。連続運転を9時間行い、1時間毎
に第2表に記載の測定値を測定した。また、第1の槽型
反応装置から排出される反応混合物中の芳香族ポリカー
ボネートオリゴマーの分子量は、数平均分子量が119
00〜12200、重量平均分子量が68500〜69
400であり、水相中の未反応ビスフェノールA量は、
仕込みビスフェノールAのモル数に対して、6.4〜
6.8モル%であった。さらに、重縮合反応終了時の水
相中の未反応ビスフェノールA量は4.5〜4.7モル
%であった。第2表より、分子量調節剤をハロホーメー
ト化反応時に存在させないと、分子量の調節が困難にな
り、分子量分布が広い、末端基の封止率が低い芳香族ポ
リカーボネートが得られることが判る。
芳香族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液に添加せず、第
1の槽型反応装置でハロホーメート化反応を行った後
に、第2の槽型反応装置に添加した。すなわち、ビスフ
ェノールA8406g(36.87モル)と水酸化ナト
リウム4277g(106.93モル)、トリエチルア
ミン5.994g〔0.05935モル(ビスフェノー
ルAに対して0.16モル%)〕、ハイドロサルファイ
ト16.794gを57.06kgの水に溶解させて総
重量69.96kgの均一な水溶液を調製した。この水
溶液とホスゲン、ジクロロメタンをそれぞれ129.5
6g/分、7.638g(0.07715モル)/分、
105.37g/分の供給速度で、内容量5リットルの
第1の槽型反応装置に供給した。この槽型反応装置に
は、オーバーフロー用の排出口が設けられており、ここ
から反応混合物が242.57g/分の速度で排出され
る。滞留時間は約20分であった。連続的に排出される
反応混合物を配管を用いて連続的に第2の槽型反応装置
に供給し、さらに、分子量調節剤としてのp−tert
−ブチルフェノール190.243g(1.268モ
ル)をジクロロメタン11.88kgに溶解した有機溶
媒溶液を22.35g/分の供給速度で第2の槽型反応
装置に供給した。第2の槽型反応装置により滞留時間4
0分で攪拌の継続による重縮合反応を行い、更に、反応
混合物を続く第3の槽型反応装置に供給し、滞留時間4
0分で攪拌の継続による重縮合反応を行なった。第3の
槽型反応装置から連続的に排出される反応混合物を直ち
に分液し、塩酸により中和した。得られたジクロロメタ
ン相を純水で電解質がなくなるまで洗浄した。この芳香
族ポリカーボネートを含んだジクロロメタン溶液にトル
エンと水を添加し、98℃まで加熱することによりジク
ロロメタンおよびトルエンを留去して芳香族ポリカーボ
ネートの粉体を得た。連続運転を9時間行い、1時間毎
に第2表に記載の測定値を測定した。また、第1の槽型
反応装置から排出される反応混合物中の芳香族ポリカー
ボネートオリゴマーの分子量は、数平均分子量が119
00〜12200、重量平均分子量が68500〜69
400であり、水相中の未反応ビスフェノールA量は、
仕込みビスフェノールAのモル数に対して、6.4〜
6.8モル%であった。さらに、重縮合反応終了時の水
相中の未反応ビスフェノールA量は4.5〜4.7モル
%であった。第2表より、分子量調節剤をハロホーメー
ト化反応時に存在させないと、分子量の調節が困難にな
り、分子量分布が広い、末端基の封止率が低い芳香族ポ
リカーボネートが得られることが判る。
【0056】比較例5 比較のため、実施例2において、水酸化ナトリウムを4
277g(106.93モル)用いる代わりに、水酸化
ナトリウム2994g(74.85モル)用いて芳香族
ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液を調製し、さらに、第
2の槽型反応装置に30重量%の水酸化ナトリウム水溶
液を7.92g/分の供給速度で供給した。すなわち、
ビスフェノールA8406g(36.87モル)と分子
量調節剤としてのp−tert−ブチルフェノール17
4.756g(1.165モル)、トリエチルアミン
5.994g〔0.05935モル(ビスフェノールA
に対して0.16モル%)〕、水酸化ナトリウム299
4g(74.85モル)、ハイドロサルファイト16.
794gを57.06kgの水に溶解させて、総重量6
8.66kgの均一な水溶液を調製した。この水溶液
と、ホスゲン、ジクロロメタンをそれぞれ127.14
g/分、7.638g(0.07715モル)/分、1
27.37g/分の供給速度で、内容積1リットルの第
1の槽型反応装置に供給した。この槽型反応装置には、
オーバーフロー用の排出口が設けられており、ここから
反応混合物が262.15g/分の速度で排出される。
滞留時間は約4分であった。連続的に排出される反応混
合物を配管を用いて連続的に第2の槽型反応装置に供給
し、さらに、30重量%の水酸化ナトリウム水溶液を
7.92g/分の供給速度で第2の槽型反応装置に供給
した。第2の槽型反応装置により滞留時間40分で攪拌
を継続して重縮合反応を行い、第2の槽型反応装置から
排出される反応混合物をさらに第3の槽型反応装置に供
給し、滞留時間40分で攪拌を継続して重縮合反応を行
った。第3の槽型反応装置から連続的に排出される反応
混合物を直ちに分液し、塩酸により中和した。得られた
ジクロロメタン相を純水で電解質がなくなるまで洗浄し
た。この芳香族ポリカーボネートを含んだジクロロメタ
ン溶液にトルエンと水を添加し、98℃まで加熱するこ
とでジクロロメタンおよびトルエンを留去して芳香族ポ
リカーボネートの粉体を得た。連続運転を9時間行い、
1時間毎に第2表に記載の各測定値を測定した。また、
第1の槽型反応装置から排出される芳香族ポリカーボネ
ートオリゴマーの分子量は、数平均分子量が800〜1
000、重量平均分子量が4500〜5200であり、
水相中の未反応ビスフェノールA量は、仕込みビスフェ
ノールA量に対して、2.2〜3.2モル%であった。
重縮合反応終了時の水相中の未反応ビスフェノールAは
検出されなかった。第1表、第2表よりハロゲン化カル
ボニル化合物の加水分解量および芳香族ポリカーボネー
トの末端基の封止率は、実施例1の値とほぼ同等である
が、芳香族ポリカーボネート中の窒素含有量は増加して
おり、重合触媒の存在下にハロホーメート化反応を行う
場合、ハロホーメート化反応時の塩基の量を減らすと芳
香族ポリカーボネート中の窒素含有量が増加することが
判る。
277g(106.93モル)用いる代わりに、水酸化
ナトリウム2994g(74.85モル)用いて芳香族
ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液を調製し、さらに、第
2の槽型反応装置に30重量%の水酸化ナトリウム水溶
液を7.92g/分の供給速度で供給した。すなわち、
ビスフェノールA8406g(36.87モル)と分子
量調節剤としてのp−tert−ブチルフェノール17
4.756g(1.165モル)、トリエチルアミン
5.994g〔0.05935モル(ビスフェノールA
に対して0.16モル%)〕、水酸化ナトリウム299
4g(74.85モル)、ハイドロサルファイト16.
794gを57.06kgの水に溶解させて、総重量6
8.66kgの均一な水溶液を調製した。この水溶液
と、ホスゲン、ジクロロメタンをそれぞれ127.14
g/分、7.638g(0.07715モル)/分、1
27.37g/分の供給速度で、内容積1リットルの第
1の槽型反応装置に供給した。この槽型反応装置には、
オーバーフロー用の排出口が設けられており、ここから
反応混合物が262.15g/分の速度で排出される。
滞留時間は約4分であった。連続的に排出される反応混
合物を配管を用いて連続的に第2の槽型反応装置に供給
し、さらに、30重量%の水酸化ナトリウム水溶液を
7.92g/分の供給速度で第2の槽型反応装置に供給
した。第2の槽型反応装置により滞留時間40分で攪拌
を継続して重縮合反応を行い、第2の槽型反応装置から
排出される反応混合物をさらに第3の槽型反応装置に供
給し、滞留時間40分で攪拌を継続して重縮合反応を行
った。第3の槽型反応装置から連続的に排出される反応
混合物を直ちに分液し、塩酸により中和した。得られた
ジクロロメタン相を純水で電解質がなくなるまで洗浄し
た。この芳香族ポリカーボネートを含んだジクロロメタ
ン溶液にトルエンと水を添加し、98℃まで加熱するこ
とでジクロロメタンおよびトルエンを留去して芳香族ポ
リカーボネートの粉体を得た。連続運転を9時間行い、
1時間毎に第2表に記載の各測定値を測定した。また、
第1の槽型反応装置から排出される芳香族ポリカーボネ
ートオリゴマーの分子量は、数平均分子量が800〜1
000、重量平均分子量が4500〜5200であり、
水相中の未反応ビスフェノールA量は、仕込みビスフェ
ノールA量に対して、2.2〜3.2モル%であった。
重縮合反応終了時の水相中の未反応ビスフェノールAは
検出されなかった。第1表、第2表よりハロゲン化カル
ボニル化合物の加水分解量および芳香族ポリカーボネー
トの末端基の封止率は、実施例1の値とほぼ同等である
が、芳香族ポリカーボネート中の窒素含有量は増加して
おり、重合触媒の存在下にハロホーメート化反応を行う
場合、ハロホーメート化反応時の塩基の量を減らすと芳
香族ポリカーボネート中の窒素含有量が増加することが
判る。
【0057】比較例6 比較のため、実施例4において、塩化ナトリウム126
0.9g(ビスフェノールAに対して15重量%)を含
む水57.06kgを用いる代わりに、塩化ナトリウム
を2101.5g(即ちビスフェノールAに対し25重
量%)を含む水を57.90kg用いてビスフェノール
Aの水酸化ナトリウム水溶液を調製した以外は、実施例
4と同様にして芳香族ポリカーボネートを製造した。ビ
スフェノールAは完全には溶解せず、一部スラリー状に
なっていた。更に、第2、第3の槽型反応装置を用い攪
拌の継続による重縮合反応をそれぞれ滞留時間約40分
で行った。連続運転を9時間行い、1時間毎に第2表に
記載の測定値を測定した。また、第1の槽型反応装置か
ら排出される反応混合物中の芳香族ポリカーボネートオ
リゴマーの分子量は、数平均分量が3200〜3300
であり、重量平均分子量が9700〜11100であ
り、また水相中の未反応ビスフェノールA量は仕込みビ
スフェノールAのモル数に対して、7.6〜8.0モル
%であった。重縮合反応終了時の水相中の未反応ビスフ
ェノールAは検出されなかった。第2表より、反応に用
いる水中に無機塩が芳香族ジヒドロキシ化合物の重量に
対して20重量%以上存在していると、分子量分布の広
い芳香族ポリカーボネートが得られることが判る。
0.9g(ビスフェノールAに対して15重量%)を含
む水57.06kgを用いる代わりに、塩化ナトリウム
を2101.5g(即ちビスフェノールAに対し25重
量%)を含む水を57.90kg用いてビスフェノール
Aの水酸化ナトリウム水溶液を調製した以外は、実施例
4と同様にして芳香族ポリカーボネートを製造した。ビ
スフェノールAは完全には溶解せず、一部スラリー状に
なっていた。更に、第2、第3の槽型反応装置を用い攪
拌の継続による重縮合反応をそれぞれ滞留時間約40分
で行った。連続運転を9時間行い、1時間毎に第2表に
記載の測定値を測定した。また、第1の槽型反応装置か
ら排出される反応混合物中の芳香族ポリカーボネートオ
リゴマーの分子量は、数平均分量が3200〜3300
であり、重量平均分子量が9700〜11100であ
り、また水相中の未反応ビスフェノールA量は仕込みビ
スフェノールAのモル数に対して、7.6〜8.0モル
%であった。重縮合反応終了時の水相中の未反応ビスフ
ェノールAは検出されなかった。第2表より、反応に用
いる水中に無機塩が芳香族ジヒドロキシ化合物の重量に
対して20重量%以上存在していると、分子量分布の広
い芳香族ポリカーボネートが得られることが判る。
【0058】比較例7〜12 実施例2と同様の操作を、ビスフェノールAに対する重
合触媒の量〔X〕(モル%)と第1の槽型反応装置の滞
留時間〔Y〕(分)の値を種々に変更して行った。結果
を第2表に示した。logY<−2.19X+1.84
(0.0005≦X<0.84,1≦Y<69)の関係式より外れ
る場合には分子量制御が悪くなり、また、多分散性イン
デックスの値が大きく、分子量分布の広い芳香族ポリカ
ーボネートが得られた。
合触媒の量〔X〕(モル%)と第1の槽型反応装置の滞
留時間〔Y〕(分)の値を種々に変更して行った。結果
を第2表に示した。logY<−2.19X+1.84
(0.0005≦X<0.84,1≦Y<69)の関係式より外れ
る場合には分子量制御が悪くなり、また、多分散性イン
デックスの値が大きく、分子量分布の広い芳香族ポリカ
ーボネートが得られた。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】 DH:芳香族ジヒドロキシ化合物 a:芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時間当たりの供給
モル数に対するモル% b:第1の槽型反応装置の滞留時間(分) c:○はlogY<−2.19X+1.84(0.0005≦
X<0.84,1≦Y<69)の関係式を満足する条件、×
は該関係式の範囲外の条件を表す d:平均値 e:ハロゲン化カルボニル化合物のモル数に対するモル
% f:芳香族ポリカーボネートの構造単位1モル当たりの
ヒドロキシ末端基の割合(モル%) g:芳香族ポリカーボネートの構造単位1モル当たりの
クロロホーメート末端基の割合(モル%)
モル数に対するモル% b:第1の槽型反応装置の滞留時間(分) c:○はlogY<−2.19X+1.84(0.0005≦
X<0.84,1≦Y<69)の関係式を満足する条件、×
は該関係式の範囲外の条件を表す d:平均値 e:ハロゲン化カルボニル化合物のモル数に対するモル
% f:芳香族ポリカーボネートの構造単位1モル当たりの
ヒドロキシ末端基の割合(モル%) g:芳香族ポリカーボネートの構造単位1モル当たりの
クロロホーメート末端基の割合(モル%)
【0061】以上のように、槽型反応装置を用い、第1
の槽型反応装置に重合触媒および分子量調節剤を供給
し、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して1.15〜1.
6倍当量の塩基を使用してハロホーメート化反応を行
い、重合触媒の量〔X〕と滞留時間〔Y〕が、 log<−2.19X+1.84(0.0005≦X<0.84,
1≦Y<69) の関係式を満足する条件下で芳香族ポリカーボネートを
製造すると、分子量分布の整った、末端基の封止率の高
い、窒素含有量の少ない芳香族ポリカーボネートを効率
よく製造することができることが判る。
の槽型反応装置に重合触媒および分子量調節剤を供給
し、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して1.15〜1.
6倍当量の塩基を使用してハロホーメート化反応を行
い、重合触媒の量〔X〕と滞留時間〔Y〕が、 log<−2.19X+1.84(0.0005≦X<0.84,
1≦Y<69) の関係式を満足する条件下で芳香族ポリカーボネートを
製造すると、分子量分布の整った、末端基の封止率の高
い、窒素含有量の少ない芳香族ポリカーボネートを効率
よく製造することができることが判る。
【0062】
【発明の効果】本発明により、分子量分布が整った、末
端基の封止率が高く、窒素含有量が少ない芳香族ポリカ
ーボネートを、ハロゲン化カルボニル化合物の加水分解
反応を抑制しながら製造することが可能になった。
端基の封止率が高く、窒素含有量が少ない芳香族ポリカ
ーボネートを、ハロゲン化カルボニル化合物の加水分解
反応を抑制しながら製造することが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 後藤 謙一 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 (72)発明者 黒木 貴志 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 (72)発明者 森 ゆきこ 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 (72)発明者 大淵 省二 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 (72)発明者 太田 正博 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 審査官 森川 聡 (56)参考文献 特開 昭63−223037(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42
Claims (4)
- 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物とアルカリ金
属またはアルカリ土類金属塩基に、ハロゲン化カルボニ
ル化合物を反応させて、芳香族ポリカーボネートオリゴ
マーを連続的に製造する方法において、(1)芳香族ジ
ヒドロキシ化合物、水、分子量調節剤、重合触媒、ハロ
ゲン化カルボニル化合物、有機溶媒および芳香族ジヒド
ロキシ化合物に対して1.15〜1.6倍当量のアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属塩基を、槽型反応装置に
連続的に供給し、(2)下記式を満足する滞留時間で反
応させ、 logY<−2.19X+1.84(0.0005≦X<0.8
4,1≦Y<69) X:重合触媒の量(芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時
間当たりの供給モル数に対するモル%) Y:滞留時間(分) (3)該反応装置から反応混合物を連続的に抜き出すこ
とからなる数平均分子量1000〜10000の芳香族
ポリカーボネートオリゴマーの製造方法。 - 【請求項2】 槽型反応装置に連続的に供給する際、
(a)芳香族ジヒドロキシ化合物、水、分子量調節剤、
重合触媒および芳香族ジヒドロキシ化合物に対して1.
15〜1.6倍当量のアルカリ金属またはアルカリ土類
金属塩基からなる均一な水溶液を調製し、(b)該水溶
液、ハロゲン化カルボニル化合物および有機溶媒を槽型
反応装置に連続的に供給し、且つ、Xが0.0005〜
0.2モル%であり、Yが1〜45分である請求項1記
載の芳香族ポリカーボネートオリゴマーの製造方法。 - 【請求項3】 芳香族ジヒドロキシ化合物とアルカリ金
属またはアルカリ土類金属塩基に、ハロゲン化カルボニ
ル化合物を反応させて、芳香族ポリカーボネートを連続
的に製造する方法において、(1)芳香族ジヒドロキシ
化合物、水、分子量調節剤、重合触媒、ハロゲン化カル
ボニル化合物、有機溶媒および芳香族ジヒドロキシ化合
物に対して1.15〜1.6倍当量のアルカリ金属また
はアルカリ土類金属塩基を、槽型反応装置に連続的に供
給し、(2)下記式を満足する滞留時間で反応させ、数
平均分子量1000〜10000の芳香族ポリカーボネ
ートオリゴマーを含む反応混合物を得、 logY<−2.19X+1.84(0.0005≦X<0.8
4,1≦Y<69) X:重合触媒の量(芳香族ジヒドロキシ化合物の単位時
間当たりの供給モル数に対するモル%) Y:滞留時間(分) (3)該反応混合物を、連続的に、少なくとも1つの槽
型反応装置に供給して、重縮合反応を行い、最後の槽型
反応装置から芳香族ポリカーボネートを含む反応混合物
を連続的に抜き出し、(4)該反応混合物から芳香族ポ
リカーボネートを回収することからなる芳香族ポリカー
ボネートの製造方法。 - 【請求項4】 槽型反応装置に連続的に供給する際、
(a)芳香族ジヒドロキシ化合物、水、分子量調節剤、
重合触媒および芳香族ジヒドロキシ化合物に対して1.
15〜1.6倍当量のアルカリ金属またはアルカリ土類
金属塩基からなる均一な水溶液を調製し、(b)該水溶
液、ハロゲン化カルボニル化合物および有機溶媒を槽型
反応装置に連続的に供給し、且つ、Xが0.0005〜
0.2モル%であり、Yが1〜45分である請求項3記
載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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