JPH07207013A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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JPH07207013A
JPH07207013A JP389794A JP389794A JPH07207013A JP H07207013 A JPH07207013 A JP H07207013A JP 389794 A JP389794 A JP 389794A JP 389794 A JP389794 A JP 389794A JP H07207013 A JPH07207013 A JP H07207013A
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aromatic polycarbonate
bis
hydroxyphenyl
aromatic
organic solvent
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JP389794A
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Masakatsu Nakatsuka
正勝 中塚
Yoshiyuki Totani
由之 戸谷
Genichi Hirao
元一 平尾
Tomomichi Itou
友倫 伊藤
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前
駆体とから芳香族ポリカーボネートを製造するに際し、
分子量調節剤として、α−メチルスチレンのオリゴマー
の含有量が1000ppm以下のp−クミルフェノール
を用いる芳香族ポリカーボネートの製造方法。 【効果】 耐衝撃性に優れた芳香族ポリカーボネートの
製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
トの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、芳香族ポリカーボネートは、
芳香族ジヒドロキシ化合物、カーボネート前駆体および
分子量調節剤から製造されることが知られている(例え
ば、米国特許第3028365号)。また、分子量調節
剤としてp−クミルフェノールが有用であることも知ら
れている(例えば、特開昭51−20993号公報)。
このp−クミルフェノールは、酸の存在下、フェノール
にα−メチルスチレンを作用させて製造されている。し
かし、製造条件のばらつきにより、製造されるp−クミ
ルフェノールには、α−メチルスチレンのオリゴマーが
多量(例えば、5000ppm程度)含有されることが
ある。このような、多量のα−メチルスチレンのオリゴ
マーを含有するp−クミルフェノールを、分子量調節剤
として用いて芳香族ポリカーボネートを製造すると、得
られる芳香族ポリカーボネートの耐衝撃性が劣ることが
判明した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐衝
撃性に優れた芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、芳香族ポ
リカーボネートの製造方法に関し鋭意検討した結果、本
発明に到達した。すなわち、本発明は、芳香族ジヒドロ
キシ化合物とカーボネート前駆体とより、芳香族ポリカ
ーボネートを製造する方法において、分子量調節剤とし
て、α−メチルスチレンのオリゴマーの含有量が100
0ppm以下のp−クミルフェノールを使用する芳香族
ポリカーボネートの製造方法に関するものである。本発
明の製造方法に使用するp−クミルフェノールは、α−
メチルスチレンのオリゴマーの含有量が1000ppm
以下であり、より好ましくは、800ppm以下、さら
に好ましくは、500ppm以下、特に好ましくは、3
00ppm以下である。α−メチルスチレンのオリゴマ
ーの含有量が、1000ppmを超えるp−クミルフェ
ノールを使用すると、得られる芳香族ポリカーボネート
は耐衝撃性の劣るものとなりやすい。
【0005】本発明でいうα−メチルスチレンのオリゴ
マーとは、α−メチルスチレンの2〜10量体程度のオ
リゴマーであり、特に2量体である。係るα−メチルス
チレンのオリゴマーとしては、α−メチルスチレンの鎖
状または環状のオリゴマーである。2量体の具体例とし
ては、例えば、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−
ペンテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペン
テン、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインダン
等を挙げることができる。 本発明の製造方法に使用す
るα−メチルスチレンのオリゴマーの含有量が1000
ppm以下のp−クミルフェノールは、α−メチルスチ
レンのオリゴマーを多量に含有するp−クミルフェノー
ルを、例えば、水酸化ナトリウム等でアルカリ金属塩と
した後、有機溶媒でα−メチルスチレンのオリゴマーを
抽出除去し、p−クミルフェノールのアルカリ金属塩を
酸処理する方法、あるいはゾーンメルト精製法により調
製することができる。
【0006】本発明の製造方法により、種々の分子量を
有する芳香族ポリカーボネートを製造することができる
が、本発明で得られる芳香族ポリカーボネートは、好ま
しくは、重量平均分子量が約10000〜約10000
0、より好ましくは、約30000〜約70000の芳
香族ポリカーボネートである。芳香族ポリカーボネート
の重量平均分子量は、p−クミルフェノールの使用量を
調節することにより制御することができる。通常、p−
クミルフェノールの使用量は、使用する芳香族ジヒドロ
キシ化合物の量に対して、約1〜約10モル%であるの
が好ましく、さらには、約1.5〜約7モル%使用する
のがより好ましい。
【0007】本発明は、少なくとも1種の芳香族ジヒド
ロキシ化合物、カーボネート前駆体およびα−メチルス
チレンのオリゴマーの含有量が1000ppm以下のp
−クミルフェノールから製造することができる。その製
造方法としては、例えば、"Encyclopedia of Polymer S
cience and Technology" vol.10, Polycarbonate,Inte
rscience Publishing, p.710-764(1969) 、H.Schnell,
"Chemistry andPhysics of Polycarbonate", Intersci
ence Publishing, p.9-76 (1964)に記載されている方
法、例えば、界面重合法を利用することができる。例え
ば、有機溶媒、塩基水溶液の2相混合溶液中で、芳香族
ジヒドロキシ化合物、カーボネート前駆体およびp−ク
ミルフェノールから、芳香ポリカーボネートを製造する
方法を適用することができる。尚、その際、所望に応じ
て、ポリカーボネート生成触媒を使用してもよい。
【0008】本発明に使用する芳香族ジヒドロキシ化合
物としては、一般式(1)または一般式(2)で表され
る化合物を挙げることができる。 HO−Ar1−X−Ar2−OH (1) HO−Ar3−OH (2) (式中、Ar1、Ar2およびAr3は2価の芳香族基を表
し、XはAr1とAr2を結び付ける連結基を表す) 一般式(1)および一般式(2)において、Ar1、Ar2
およびAr3は、各々2価の芳香族基を表し、好ましく
は、フェニレン基、もしくは置換基を有する置換フェニ
レン基である。置換フェニレン基の置換基としては、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基等が挙げら
れる。
【0009】Ar1とAr2は、両方ともが置換基を有して
いてもよいp−フェニレン基、m−フェニレン基または
o−フェニレン基、あるいは一方がp−フェニレン基で
あり、一方がm−フェニレン基またはo−フェニレン基
であるのが好ましく、Ar1とAr2の両方が置換基を有し
ていてもよいp−フェニレン基であるのが特に好まし
い。Ar3は、置換基を有していてもよいp−フェニレン
基、m−フェニレン基またはo−フェニレン基であり、
好ましくは、p−フェニレン基またはm−フェニレン基
である。Xは、Ar1とAr2を結び付ける連結基であり、
単結合、もしくは、2価の炭化水素基、更には、−O
−、−S−、−SO−、−SO2 −、−CO−等の炭素
と水素以外の原子を含む基であってもよい。2価の炭化
水素基とは、例えば、メチレン、エチレン、2,2−プ
ロピリデン、シクロヘキシリデン基等のアルキリデン
基、アリール基等で置換されたアルキリデン基、芳香族
基やその他の不飽和の炭化水素基を含有する炭化水素基
である。
【0010】芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例として
は、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビ
ス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4'−
ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔”ビスフ
ェノールA”〕、2−(4’−ヒドロキシフェニル)−
2−(3’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビ
ス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−4−メチ
ルペンタン、4,4−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、2,2−ビス(3’−メチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3'−イソプロピル−4’−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2,2−ビス(3'−tert−ブチル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−シ
クロヘキシル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3’−アリル−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3’,5’−ジメチル−
4’−ヒドロキシフェニル) プロパン、2,2−ビス
(3’−クロロ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3’,5’−ジクロロ−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−ブロ
モ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリ
ール)アルカン類、
【0011】1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(3’−
メチル−4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3’,
5’−ジクロロ−4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1−ビス (4’−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)アダマンタン等のビ
ス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジメチ
ル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、エチ
レングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル等のビス(ヒドロキシアリール)エーテル類、
【0012】4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルフィド、3,3’−ジシクロヘキシル−
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,
3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のビス(ヒ
ドロキシアリール)スルフィド類、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホキシド、3,3’−ジメチル−
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド等のビ
ス(ヒドロキシアリール)スルホキシド類、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル
−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,
3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルホン等のビス(ヒドロキシアリール)スルホン類、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン等のビス(ヒド
ロキシアリール)ケトン類、
【0013】更には、6,6'−ジヒドロキシ−2,
2’,3,3’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−
テトラメチル−1,1’−スピロビ(1H−インデン)
〔”スピロビインダンビスフェノール”〕、7,7−ジ
ヒドロキシ−3,3’,4,4’−テトラヒドロ−4,
4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−スピロビ
(2H−1−ベンゾピラン)〔”スピロビクロマ
ン”〕、トランス−2,3−ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)−2−ブテン、9,9−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)フルオレン、1,6−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)−1,6−ヘキサンジオン、α,α,
α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’
−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−キシレン、4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン、ハイドロキノン、レゾルシン等が
挙げられる。更には、例えば、ビスフェノールA2モル
とイソフタロイルクロライド又はテレフタロイルクロラ
イド1モルとを反応させることにより製造されるエステ
ル結合を含むビスフェノール類も有用である。これらは
単独で使用しても、あるいは複数併用してもよい。特に
好ましい芳香族ジヒドロキシ化合物は、ビス(ヒドロキ
シアリール)アルカン類、ビス(ヒドロキシアリール)
シクロアルカン類であり、中でも好ましくは、ビスフェ
ノールAである。
【0014】カーボネート前駆体としては、ハロゲン化
カルボニル化合物、ジヒドロキシ化合物のモノまたはビ
スハロホーメート誘導体、ジヒドロキシ化合物のモノま
たはビスハロホーメート誘導体のオリゴマーが挙げられ
る。具体例としては、例えば、塩化カルボニル(ホスゲ
ン)、臭化カルボニル、ヨウ化カルボニル、フッ化カル
ボニルおよびそれらの混合物などのハロゲン化カルボニ
ル化合物が挙げられる。さらには、ホスゲンの二量体で
あるトリクロロメチルクロロホーメート、ホスゲンの三
量体であるビス(トリクロロメチル)カーボネートが挙
げられる。2,2−ビス(4’−クロロカルボニルオキ
シフェニル)プロパン、1,2−ビス(4’−クロロカ
ルボニルオキシ)エタン等のジヒドロキシ化合物とハロ
ゲン化カルボニル化合物より誘導されるジヒドロキシ化
合物のハロホーメート誘導体を挙げることができる。本
発明の製造方法において、カーボネート前駆体として、
例えば、ハロゲン化カルボニル化合物を使用する場合、
その使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物の量に対し約
1.0〜約1.3倍モル使用するのが好ましい。また、
カーボネート前駆体は、気体状態あるいは固体状態で使
用でき、さらに、有機溶媒溶液として使用することもで
きる。
【0015】本発明に使用する有機溶媒は、水に対して
実質的に不溶性であり、反応に対して不活性であり、芳
香族ポリカーボネートオリゴマーおよび/または芳香族
ポリカーボネートを溶解するものであれば任意に使用す
ることができる。有機溶媒としては、ジクロロメタン、
クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエ
タン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン等の脂肪
族塩素化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン
等の芳香族塩素化炭化水素、またはこれらの混合物を使
用することができる。また、これらの塩素化炭化水素ま
たはそれらの混合物に、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン等の脂肪族炭化水素等を混合した有機溶媒を
使用することができる。特に好ましい有機溶媒は、ジク
ロロメタンである。
【0016】本発明の製造方法に使用する水は、蒸留
水、イオン交換水、または芳香族ポリカーボネートを製
造する際に生じる回収水などであり、さらにはそれらを
混合したものでもよい。水の使用量は、通常、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物1モルに対し約0.5〜約5リットル
である。芳香族ジヒドロキシ化合物の塩基水溶液を調整
する場合、使用する水の量は、芳香族ジヒドロキシ化合
物と塩基を溶解させるのに必要な量以上あればよい。例
えば、芳香族ジヒドロキシ化合物がビスフェノールAで
ある場合、水の量は、ビスフェノールA1モルに対し、
約0.8〜約2.2リットルである。
【0017】塩基としては、アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属塩基が好ましく、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ
金属またはアルカリ土類金属塩基の水酸化物を挙げるこ
とができる。これらは単独で使用しても、複数併用して
もよい。塩基の使用量は、好ましくは、芳香族ジヒドロ
キシ化合物に対して、約1.0〜約1.6倍当量であ
る。塩基は、通常、水溶液の状態で用いられ、更にこの
水溶液に芳香族ジヒドロキシ化合物を溶解させて反応に
使用することもできる。この場合、酸化防止剤として、
亜硫酸ナトリウム、ソジウムハイドロサルファイトある
いはソジウムボロハイドライド等を添加して、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物の塩基性水溶液を調製してもよい。ま
た、反応に使用する有機溶媒と水の使用量は、反応混合
物が実質的に均一な乳化状態を維持するに必要な量であ
れば良く、通常、水対有機溶媒の容量比は、約0.4〜
約1.5:1とするのが好ましい。
【0018】本発明の製造方法において、所望により使
用するポリカーボネート生成触媒(重合触媒とも呼ばれ
ている)としては、3級アミン、4級アンモニウム塩、
3級ホスフィン、4級ホスホニウム塩、あるいは含窒素
複素環化合物及びその塩、イミノエーテル及びその塩、
アミド基を有する化合物等が挙げられる。好ましくは、
3級アミンであり、例えば、トリエチルアミン、トリ−
n−プロピルアミン、ジエチル−n−プロピルアミン、
トリ−n−ブチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキ
シルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、
N−エチルピペリジン等が挙げられる。これらのポリカ
ーボネート生成触媒は、単独で使用しても、あるいは、
複数併用してもよい。ポリカーボネート生成触媒の使用
量は、芳香族ジヒドロキシ化合物のモル数に対して、約
0.0005〜約1.5モル%が好ましい。
【0019】本発明の製造方法において、所望により、
製造時に分岐化剤を添加することにより、分岐化された
芳香族ポリカーボネートを製造することができる。分岐
化剤としては、3つ以上のフェノール性ヒドロキシル
基、ハロホーメート基、カルボキシル基、カルボニルハ
ライド基、活性なハロゲン原子を有する化合物が挙げら
れる。分岐化剤の具体例としては、フロログルシノー
ル、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4’−ヒ
ドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル
−2,4,6−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘ
プタン、1,3,5−トリス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4’−ヒドロキシ
フェニル)エタン、α,α,α’−トリス(4’−ヒド
ロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベン
ゼン、2,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロ
キシフェニル)エチル〕フェノール、トリス(4−ヒド
ロキシフェニル)ホスフィン、1,1,4,4−テトラ
キス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
α,α,α’,α’−テトラキス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)−1,4−ジエチルベンゼン、3,3’,5,
5’−テトラヒドロキシジフェニルエーテル、3,5−
ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ビス(クロロカルボニ
ルオキシ)安息香酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、5
−ヒドロキシフタル酸、トリメシン酸トリクロライド、
シアヌル酸クロライド、3,3−ビス(4'−ヒドロキシ
フェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール
等を挙げることができる。これらの分岐化剤は単独で使
用することも、複数併用することもできる。分岐化剤の
使用量は、目的とする分岐化した芳香族ポリカーボネー
トの分岐度にあわせて変化させることができ、通常、芳
香族ジヒドロキシ化合物に対して0.05〜2.0モル
%程度用いるのが好ましい。
【0020】本発明の製造方法は、通常、約10℃〜反
応に使用する有機溶媒の沸点温度で実施される。また、
通常、大気圧下で実施するが、所望により、加圧下また
は減圧下で実施してもよい。本発明の製造方法は、通
常、反応混合物を混合することにより実施する。混合
は、有機溶媒相と水相の分離を防止する程度に行えばよ
く、有機溶媒相と水相が均一に混合する程度に行う。通
常、混合は、槽型攪拌装置、静的ミキサー、オリフィス
ミキサーなどを用いて行う。また、混合は、芳香族ポリ
カーボネートを製造中、常に一定の条件である必要はな
く、例えば、低分子量の芳香族ポリカーボネートオリゴ
マーを製造した後、混合条件を激しくし、効率よく重縮
合反応を行うこともできる。
【0021】本発明の製造方法は、バッチ式で実施して
もよく、連続式で実施してもよい。本発明の製造方法に
使用される反応装置は、槽型反応器、管型反応器または
充填塔等の公知の反応装置、またはこれらの反応装置を
任意に組み合わせた反応装置である。これらの反応装置
は、パドル、プロペラ、タービンまたはカイ型翼などの
攪拌装置、ホモジナイザー、ホモミキサー、ミキサー等
の高速攪拌機、スタティクミキサー、コロイドミル、オ
リフィスミキサー、フロージェットミキサー、超音波乳
化装置等の攪拌装置を任意に備えることができる。
【0022】本発明の方法により製造された芳香族ポリ
カーボネートを含む反応混合物は、次に、連続操作また
はバッチ操作により処理され、芳香族ポリカーボネート
が回収される。反応混合物の処理としては、芳香族ポリ
カーボネートを含む有機溶媒相と水相とを分液し、芳香
族ポリカーボネートを含む有機溶媒を、必要に応じ、水
または希薄アルカリ水溶液により洗浄する。次に、希薄
酸水溶液により中和する。その際使用される酸は、塩
酸、硫酸、燐酸等の鉱酸等である。その後、実質的に電
解質が存在しなくなるまで、繰り返し水で洗浄する。そ
して、洗浄された芳香族ポリカーボネートを含む有機溶
媒溶液から、公知の方法により芳香族ポリカーボネート
を回収する。
【0023】芳香族ポリカーボネートを回収する方法
は、蒸留または水蒸気蒸留により有機溶媒を除去する方
法、芳香族ポリカーボネートを溶解しない有機溶媒(貧
溶媒)を芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液に添加
して、芳香族ポリカーボネートを固体状態とし、得られ
た芳香族ポリカーボネートの有機溶媒スラリーから濾過
等の方法により有機溶媒を分離する方法等がある。さら
に具体的には、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液から有機溶媒
を蒸留除去し、芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液
を飽和状態とすることにより、芳香族ポリカーボネート
を結晶化させ、これを粉砕した後に乾燥して、含有する
有機溶媒を除去する方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液から有機溶媒
を除去しながら加熱し、芳香族ポリカーボネートを溶融
状態から直接ペレット化する方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液を温水中に供
給して、有機溶媒を除去しながら生成するゲル状物を粉
砕する方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液に貧溶媒また
は非溶媒、および水を添加し、加熱濃縮し、固体状態の
芳香族ポリカーボネートを水スラリーとして得る方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液を芳香族ポリ
カーボネートの粉体を含む温水中に添加して有機溶媒を
蒸発留去することにより固体状態の芳香族ポリカーボネ
ートを水スラリーとして得る方法、 芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液を芳香族ポリ
カーボネートの粉体および貧溶媒を含む温水中に供給し
ながら有機溶媒を蒸発留去し、固体状態の芳香族ポリカ
ーボネートを水スラリーとして得る方法、等がある。
【0024】貧溶媒または非溶媒の具体例は、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘ
キサン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン等の脂肪族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチル
ケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、酢酸アミル等のエステル系溶媒等である。本発明
の方法により製造される芳香族ポリカーボネートは、単
独で、または他のポリマーと混合して成形材料として使
用することができる。他のポリマーとしては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポ
リメタクリル酸メチル、ポリトリフルオロエチレン、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリアセタール、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、パラオキシベンゾイル系ポリエス
テル、ポリアリレート、ポリスルフィド等が挙げられ
る。
【0025】本発明の方法により製造される芳香族ポリ
カーボネートは、単独で、または他のポリマーと混合し
て、芳香族ポリカーボネートの製造時または製造後に、
公知の方法で、染料、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、加
水分解安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、有機ハロゲン化
合物、アルカリ金属スルホン酸塩、ガラス繊維、炭素繊
維、ガラスビーズ、硫酸バリウム、TiO2 等の各種添
加剤を1種以上添加してもよい。本発明の方法により製
造される芳香族ポリカーボネートは、単独で、または他
のポリマーと混合して、所望により、各種添加剤を添加
し、電気機器等のシャーシーやハウジング材、電子部
品、自動車部品、コンパクトディスク等の情報記録媒体
の基板、カメラや眼鏡のレンズ等の光学材料、ガラス代
替の建材等に成形加工することができる。本発明の方法
により製造される芳香族ポリカーボネートは、熱可塑性
であり、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、フィラ
ー等への含浸等が可能であり、公知の方法により容易に
成形加工することができる。また、本発明の方法により
製造される芳香族ポリカーボネートは、特定の有機溶媒
(例えば、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素系溶
媒)に可溶であり、該有機溶媒溶液よりキャストし、フ
ィルム等に成形加工できる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 10リットルのバッフル付フラスコに、三段六枚羽根の
攪拌機および還流冷却管を取付け、このフラスコに、ビ
スフェノールA912g(4.0モル)、α−メチルス
チレンの2量体である1,1,3−トリメチル−3−フ
ェニルインダンを1000ppm含有するp−クミルフ
ェノール28.9g(0.136モル、ビスフェノール
Aに対して3.4モル%)、ジクロロメタン4リットル
及び脱イオン水4リットルを入れ、懸濁液とし、フラス
コ内の酸素を除去する為に窒素パージを行った。次に、
上記懸濁液に、ソジウムハイドロサルファイト1.2g
および苛性ソーダ432g(10.8モル)を溶解した
水溶液2.2リットルを供給し、15℃でビスフェノー
ルAを溶解した。この溶液に、ホスゲン495g(5.
0モル)を8.25g/分の速度で供給した。反応温度
は39℃まで上昇し、ジクロロメタンの還流が確認され
た。ホスゲンの供給が完了した後、トリエチルアミン
0.64gを添加して、反応液をさらに90分間攪拌
し、重合反応を行った。その後、反応液を静置し、有機
層を分液し、塩酸により中和し、電解質が無くなるまで
脱イオン水で洗浄した。このようにして得られた芳香族
ポリカーボネートのジクロロメタン溶液に、トルエン2
リットルと水5リットルを加え、98℃まで加熱するこ
とによりジクロロメタン及びトルエンを留去して、芳香
族ポリカーボネートの粉体を得た。
【0027】実施例2〜5 実施例1において、1,1,3−トリメチル−3−フェ
ニルインダンを1000ppm含有するp−クミルフェ
ノールを使用する代わりに、1,1,3−トリメチル−
3−フェニルインダンを800ppm含有するp−クミ
ルフェノール(実施例2)、1,1,3−トリメチル−
3−フェニルインダンを500ppm含有するp−クミ
ルフェノール(実施例3)、1,1,3−トリメチル−
3−フェニルインダンを300ppm含有するp−クミ
ルフェノール(実施例4)、α−メチルスチレンのオリ
ゴマーを含有しないp−クミルフェノール(実施例5)
を用いた以外は、実施例1と同様にして芳香族ポリカー
ボネートを製造した。
【0028】比較例1〜2 比較のため、実施例1において、1,1,3−トリメチ
ル−3−フェニルインダンを1000ppm含有するp
−クミルフェノールを使用する代わりに、1,1,3−
トリメチル−3−フェニルインダンを1500ppm含
有するp−クミルフェノール(比較例1)、1,1,3
−トリメチル−3−フェニルインダンを5000ppm
含有するp−クミルフェノール(比較例2)を用いた以
外は、実施例1と同様にして、芳香族ポリカーボネート
を製造した。
【0029】尚、各実施例および各比較例で製造した各
芳香族ポリカーボネートについて、その重量平均分子量
を、GPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー、昭和電工(株)社製、GPCシステム−11〕で測
定した。各実施例および各比較例で製造した各芳香族ポ
リカーボネートについて、その耐衝撃性を調べた。耐衝
撃性としては、アイゾット衝撃強度を求めた。尚、アイ
ゾット衝撃強度は、JIS K 7110に準拠して求
めた。即ち、深さ2.54mmのノッチを有する厚さが
3.2mmで、長さ×幅が64×12.6mmの試験片
を作製し、−25℃でアイゾット衝撃強度を測定した。
アイゾット衝撃強度が、大きい程、耐衝撃性に優れてい
ることを表している。結果は、第1表(表1)に示し
た。
【0030】
【表1】 第1表に示した結果から、本発明の方法により製造され
る芳香族ポリカーボネートは、α−メチルスチレンのオ
リゴマーを1000ppmを超えて含有するp−クミル
フェノール用いて製造される芳香族ポリカーボネートに
比べ、耐衝撃性に優れていることが判明した。
【0031】
【発明の効果】本発明により、耐衝撃性に優れた芳香族
ポリカーボネートを製造する方法を提供することが可能
になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 友倫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネー
    ト前駆体とより、芳香族ポリカーボネートを製造する方
    法において、分子量調節剤として、α−メチルスチレン
    のオリゴマーの含有量が1000ppm以下のp−クミ
    ルフェノールを使用することを特徴とする芳香族ポリカ
    ーボネートの製造方法。
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