JPH0827068A - ハロホーメート化合物の製造方法 - Google Patents

ハロホーメート化合物の製造方法

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JPH0827068A
JPH0827068A JP16718194A JP16718194A JPH0827068A JP H0827068 A JPH0827068 A JP H0827068A JP 16718194 A JP16718194 A JP 16718194A JP 16718194 A JP16718194 A JP 16718194A JP H0827068 A JPH0827068 A JP H0827068A
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compound
bis
hydroxyphenyl
group
mixture
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JP16718194A
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English (en)
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Genichi Hirao
元一 平尾
Yoshiyuki Totani
由之 戸谷
Tomomichi Itou
友倫 伊藤
Masakatsu Nakatsuka
正勝 中塚
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(1)で表される少なくとも一種のヒドロ
キシ化合物、有機溶媒およびハロゲン化カルボニル化合
物よりなる混合物に、塩基水溶液を作用させることから
なるハロホーメート化合物の製造方法。 R1 (OH)n (1) (式中、R1 は脂肪族基または芳香族基を、nは正の整
数を表す) 【効果】 ハロゲン化カルボニル化合物の加水分解量が
少ないハロホーメート化合物の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロホーメート化合物
の製造方法に関する。さらに詳しくは、ポリカーボネー
ト等のポリマーの製造原料として有用なハロホーメート
化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、クロロホーメート化合物の製
造方法として、幾つかの方法が知られている。例えば、
ビスフェノールA、ジクロロメタンおよびホスゲンより
なる反応系に、ジエチルアニリンのジクロロメタン溶液
を添加してなるビスフェノールAのビスクロロホーメー
ト化合物の製造方法がある( Macromolecules,24, 3035
-3044, 1991 )。しかし、この方法は、塩基として使用
しているジエチルアニリンが高価であり、工業的に実施
する際には、有用な方法とは言い難い。また、ジエチル
アニリンを使用して製造されたクロロホーメート化合物
から製造されるポリマー(例えば、ポリカーボネート
等)は、色調が悪く、耐熱性も悪い。
【0003】特表昭62−500784号公報には、ク
ロロホーメート組成物の製造方法が記載されている。こ
の方法は、式(A)で表されるヒドロキシ化合物と R’(OH)X (A) (式中、R’はアセチレン系不飽和結合を含まない脂肪
族基、脂環式基または芳香族基であり、xは1以上の整
数である) 有機溶媒との不均質混合物にホスゲンを通し、その際、
該混合物を約10〜40℃の温度に維持し、但し、xが
1より大きく、温度が30℃より高い時には、ホスゲン
の添加速度を十分高くして、溶解したヒドロキシ化合物
とホスゲンとの反応を迅速、かつ、完全に行い、さら
に、同時にアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化
物水溶液よりなる塩化水素スカベンジャーを、必要に応
じて導入し、この間水性相のpHを0.5〜8の範囲に
維持し、全使用ホスゲン対ヒドロキシ化合物の当量比を
約1.0〜1.1:1とすることを特徴とする方法であ
る。しかし、この方法では、ホスゲンの加水分解量が多
くなる。現在、ホスゲン等のハロゲン化カルボニル化合
物の加水分解量が少ないハロホーメート化合物の製造方
法が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ハロ
ゲン化カルボニル化合物の加水分解量が少ないハロホー
メート化合物の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の要
望に応えるべく、ハロホーメート化合物の製造方法に関
し、鋭意検討した結果、本発明を完成するに到った。す
なわち、本発明は、式(1)で表される少なくとも一種
のヒドロキシ化合物、有機溶媒およびハロゲン化カルボ
ニル化合物よりなる混合物に、塩基水溶液を作用させる
ことからなるハロホーメート化合物の製造方法に関する
ものである。 R1 (OH)n (1) (式中、R1 は脂肪族基または芳香族基を、nは正の整
数を表す)
【0006】本発明で使用されるヒドロキシ化合物は、
好ましくは、式(1)で表される化合物である。式
(1)において、R1 は脂肪族基または芳香族基であ
り、好ましくは、炭素数1〜50の脂肪族基または炭素
数6〜50の芳香族基であり、より好ましくは、炭素数
1〜40の脂肪族基または炭素数6〜40の芳香族基で
あり、さらに好ましくは、炭素数1〜30の脂肪族基ま
たは炭素数6〜30の芳香族基である。式(1)におい
て、nは正の整数を表し、好ましくは、1〜10の整数
を表し、より好ましくは、1〜7の整数を表し、さらに
好ましくは、1〜4の整数を表す。特に好ましいnは2
である。
【0007】式(1)で表されるヒドロキシ化合物は、
より好ましくは、式(2)で表されるジヒドロキシ化合
物である。 HO−R2 −OH (2) (式中、R2 は2価の脂肪族基または2価の芳香族基を
表す) 式(2)において、R2 は2価の脂肪族基または2価の
芳香族基であり、好ましくは、炭素数1〜30の2価の
脂肪族基または炭素数6〜30の2価の芳香族基であ
り、より好ましくは、炭素数2〜25の2価の脂肪族基
または炭素数6〜25の2価の芳香族基である。
【0008】式(1)で表されるヒドロキシ化合物は、
特に好ましくは、式(3)または式(4)で表される芳
香族ジヒドロキシ化合物である。 HO−Ar1−Y−Ar2−OH (3) HO−Ar3−OH (4) (式中、Ar1、Ar2およびAr3は各々2価の芳香族基
を、YはAr1とAr2を結び付ける連結基を表す) 式(3)または式(4)において、Ar1、Ar2およびA
r3は、各々2価の芳香族基であり、好ましくは、フェニ
レン基であり、フェニレン基は置換基を有していてもよ
い。置換基は、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アル
キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、アリール基、アルコキシ基等である。Ar1とAr
2は、好ましくは、p−フェニレン基、m−フェニレン
基またはo−フェニレン基、あるいは、一方がp−フェ
ニレン基であり、一方がm−フェニレン基またはo−フ
ェニレン基である。Ar1とAr2は、特に好ましくは、両
方がp−フェニレン基である。Ar3は、p−フェニレン
基、m−フェニレン基またはo−フェニレン基であり、
好ましくは、p−フェニレン基またはm−フェニレン基
である。
【0009】Yは、Ar1とAr2を結び付ける連結基であ
り、単結合または2価の炭化水素基、あるいは、−O
−、−S−、−SO−、−SO2 −、−CO−等の炭素
と水素以外の原子を含む基である。2価の炭化水素基
は、例えば、メチレン基、エチレン基、2,2−プロピ
リデン基、シクロヘキシリデン基等のアルキリデン基、
アリール基等で置換されたアルキリデン基、芳香族基や
その他の不飽和の炭化水素基を含有する炭化水素基であ
る。
【0010】式(1)で表されるヒドロキシ化合物の具
体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ヘキ
シルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−デシル
アルコール、n−ドデシルアルコール、n−オクタデシ
ルアルコール、ベンジルアルコール等の脂肪族モノヒド
ロキシ化合物、フェノール、p−クレゾール、o−エチ
ルフェノール、p−エチルフェノール、p−イソプロピ
ルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミ
ルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−オ
クチルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4−キ
シレノール、p−メトキシフェノール、p−ヘキシルオ
キシフェノール、p−デシルオキシフェノール、o−ク
ロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフ
ェノール、p−ブロモフェノール、ペンタブロモフェノ
ール、ペンタクロロフェノール、p−フェニルフェノー
ル、p−イソプロペニルフェノール、2,4−ジ(1'−
メチル−1'−フェニルエチル)フェノール、β−ナフト
ール、α−ナフトール、p−(2',4',4'−トリメチル
クロマニル)フェノール、2−(4'−メトキシフェニ
ル)−2−(4"−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳
香族モノヒドロキシ化合物、
【0011】エチレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−
1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジオール、2,2−ビス(4'−ヒド
ロキシシクロヘキシル)プロパン、キシリレンジオー
ル、1,4−ビス(2'−ヒドロキシエチル)ベンゼン、
1,4−ビス(3'−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、
1,4−ビス(4'−ヒドロキシブチル)ベンゼン、1,
4−ビス(5'−ヒドロキシペンチル)ベンゼン、1,4
−ビス(6'−ヒドロキシヘキシル)ベンゼン等の脂肪族
ジヒドロキシ化合物、
【0012】ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,3−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジ
メチルプロパン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔”ビスフェノールA”〕、2−(4'−ヒ
ドロキシフェニル)−2−(3"−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−
2−メチルプロパン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)−3−メチルブタン、
【0013】2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)
ペンタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−
4−メチルペンタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)ヘプタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)ノナン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、2,2−ビス(3'−メチル−4'−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3'−イソ
プロピル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3'−sec −ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3'−tert−ブチル−4'−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3'−シクロ
ヘキシル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3'−アリル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3',5'−ジメチル−4'−ヒドロキシ
フェニル) プロパン、2,2−ビス(3'−クロロ−4'−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3',5'
−ジクロロ−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3'−ブロモ−4'−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3',5'−ジブロモ−4'−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキ
シアリール)アルカン類、
【0014】1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)
シクロペンタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3'−メチル−4'−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(3',5'−ジメチル−4'−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3',5'−ジクロロ−4'−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス (4'−
ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘプタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)ノルボルナン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)アダマンタン等のビス(ヒドロキシアリール)シ
クロアルカン類、
【0015】4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニ
ルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル等のビス(ヒドロキシアリール)エ
ーテル類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のビス(ヒドロ
キシアリール)スルフィド類、4,4'−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホキシド等のビス(ヒドロキ
シアリール)スルホキシド類、4,4'−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、3,3'−ジフェニル−4,
4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3'−ジクロ
ロ−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン等のビス
(ヒドロキシアリール)スルホン類、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ケトン、ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)ケトン等のビス(ヒドロキシアリール)
ケトン類、
【0016】更には、3,3,3',3'−テトラメチル−
6,6'−ジヒドロキシスピロ(ビス)インダン〔”スピ
ロビインダンビスフェノール”〕、3,3',4,4'−テ
トラヒドロ−4,4,4',4'−テトラメチル−2,2'−
スピロビ(2H−1−ベンゾピラン)−7,7'−ジオー
ル〔”スピロビクロマン”〕、トランス−2,3−ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、9,9−ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,6−ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジオ
ン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,
α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−m−キシレン、2,6−ジヒド
ロキシジベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキ
シチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチイ
ン、9,10−ジメチル−2,7−ジヒドロキシフェナ
ジン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−
ジヒドロキシジベンゾチオフェン、4,4'−ジヒドロキ
シビフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,
7−ジヒドロキシピレン、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、さらには、ビスフェノールA2モルとイソフタロイ
ルクロライド又はテレフタロイルクロライド1モルとの
反応により製造されるエステル結合を含む芳香族ジヒド
ロキシ化合物等の芳香族ジヒドロキシ化合物、
【0017】フロログルシノール、4,6−ジメチル−
2,4,6−トリス(4'−ヒドロキシフェニル)−2−
ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4'
−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス
(4'−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−ト
リス(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−
トリス(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α,
α’−トリス(4'−ヒドロキシフェニル)−1−エチル
−4−イソプロピルベンゼン、2,4−ビス〔α−メチ
ル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェノー
ル、2−(4'−ヒドロキシフェニル)−2−(2",4"−
ジヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)ホスフィン等の芳香族トリヒドロキシ化
合物、1,1,4,4−テトラキス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス〔4',4'−ビス
(4"−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル〕プロパ
ン、α,α,α’,α’−テトラキス(4'−ヒドロキシ
フェニル)−1,4−ジエチルベンゼン、2,2,5,
5−テトラキス(4'−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1,2,3−テトラキス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,4−ビス(4',4"−ジヒドロキシト
リフェニルメチル)ベンゼン、3,3',5,5'−テトラ
ヒドロキシジフェニルエーテル等の芳香族テトラヒドロ
キシ化合物等を挙げることができる。これらのヒドロキ
シ化合物は単独で使用してもよく、また、複数併用して
もよい。
【0018】本発明で使用するハロゲン化カルボニル化
合物としては、例えば、塩化カルボニル(ホスゲン)、
臭化カルボニル、ヨウ化カルボニル、フッ化カルボニル
等が挙げられる。また、ハロホーメート基を形成させる
能力を有する化合物、例えば、ホスゲンの2量体である
トリクロロメチルクロロホーメートやホスゲンの3量体
であるビス(トリクロロメチル)カーボネートも有用で
ある。これらのハロゲン化カルボニル化合物は単独で使
用してもよく、また、複数併用してもよい。特に好まし
いハロゲン化カルボニル化合物はホスゲンである。ハロ
ゲン化カルボニル化合物の使用量は、ヒドロキシ化合物
のヒドロキシ基数に対して、通常、約0.5〜2倍当量
であり、好ましくは、約0.6〜1.5倍当量であり、
より好ましくは、約0.8〜1.3倍当量であり、さら
に好ましくは、約1.0〜1.2倍当量である。
【0019】本発明で使用される有機溶媒は、反応に対
して実質的に不活性であり、水に対して実質的に不溶性
であれば、任意に使用できる。有機溶媒としては、例え
ば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2
−ジクロロエチレン、トリクロロエタン、テトラクロロ
エタン、ジクロロプロパン等の脂肪族ハロゲン化炭化水
素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロ
ゲン化炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキ
サン等の脂肪族炭化水素等を挙げることができる。これ
らの有機溶媒は単独で使用してもよく、また、複数併用
してもよい。有機溶媒は、より好ましくは、脂肪族塩素
化炭化水素であり、特に好ましくは、ジクロロメタンで
ある。
【0020】有機溶媒の使用量には、特に制限はない
が、過度に多い量を使用しても、特に効果はない。有機
溶媒の使用量としては、好ましくは、ヒドロキシ化合物
1モルに対して、約0.1〜10リットルであり、より
好ましくは、約0.2〜5リットルであり、さらに好ま
しくは、約0.4〜3リットルであり、特に好ましく
は、約0.5〜2リットルである。ヒドロキシ化合物、
有機溶媒およびハロゲン化カルボニル化合物よりなる混
合物(以下、混合物Aと略記する)の調製方法に関して
は、特に制限はない。例えば、有機溶媒とヒドロキシ化
合物を混合し、次いで、この混合物にハロゲン化カルボ
ニル化合物を加えて調製する方法等である。
【0021】本発明で使用される塩基水溶液は、好まし
くは、水溶性の塩基を水に溶解させた溶液である。水溶
性の塩基としては、特に制限されるものではないが、好
ましくは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基で
あり、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金
属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属または
アルカリ土類金属の炭酸塩等であり、好ましくは、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムであ
り、特に好ましくは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カ
リウムである。これらの塩基は単独で使用してもよく、
また、複数併用してもよい。塩基の使用量は、ヒドロキ
シ化合物のヒドロキシ基数に対して、通常、約0.5〜
5倍当量であり、好ましくは、約0.6〜3倍当量であ
り、より好ましくは、約0.8〜2.2倍当量であり、
さらに好ましくは、約1.0〜1.8倍当量である。塩
基水溶液中の塩基の濃度は、好ましくは、約10〜80
重量%であり、より好ましくは、約20〜70重量%で
あり、さらに好ましくは、約30〜60重量%であり、
特に好ましくは、約40〜55重量%である。
【0022】本発明は、混合物Aに塩基水溶液を作用さ
せることからなるハロホーメート化合物の製造方法であ
り、その特徴は、混合物Aに塩基水溶液を作用させる
際、ヒドロキシ化合物およびハロゲン化カルボニル化合
物が有機溶媒中で混合された状態にある点である。その
際、混合物Aは、均一な混合溶液であってもよく、ヒド
ロキシ化合物の一部が有機溶媒中に懸濁された懸濁溶液
であってもよい。混合物Aに塩基水溶液を作用させる方
法には、特に制限はない。例えば、混合物Aを含む反応
系に塩基水溶液を添加する方法、塩基水溶液を含む反応
系に混合物Aを添加する方法、または、混合物Aおよび
塩基水溶液を反応系に添加する方法等である。混合物A
および/または塩基水溶液を反応系に添加する際、それ
ぞれ、連続的に添加してもよく、断続的に添加してもよ
い。
【0023】本発明は、通常、約−50℃〜有機溶媒の
沸点温度、好ましくは、約−10℃〜有機溶媒の沸点温
度、より好ましくは、約0〜40℃で実施される。本発
明は、通常、大気圧下で実施され、所望により、大気圧
以下、または大気圧以上の条件下でも実施することがで
きる。本発明は、大気中で実施してもよく、また、所望
により、不活性ガスの存在下で実施してもよい。不活性
ガスは、混合物Aおよび塩基水溶液に対して不活性なガ
スであれば、任意に使用可能である。不活性ガスは、例
えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等であ
り、好ましくは、窒素ガスである。本発明は、反応系の
pHが、好ましくは、約0.5〜13、より好ましく
は、約2〜12、さらに好ましくは、約7〜11、特に
好ましくは、約9〜11となる条件下で実施される。
【0024】本発明は、回分式、半回分式または連続式
で実施することができる。本発明に使用される反応装置
としては、例えば、槽型反応器または管型反応器等の公
知の反応装置、または、それらの反応装置を任意に組み
合わせた反応装置等を挙げることができる。これらの反
応装置としては、例えば、ホモジナイザーまたは撹拌翼
等を備えた撹拌槽、静止型ミキサー(静的混合器とも呼
ばれる)、充填塔、インラインミキサー、フロージェッ
トミキサー、コロイドミル、ホモミキサー、ミキサー、
超音波乳化装置、または、内部に混合器を有しない単な
る管型反応器等を挙げることができる。撹拌翼として
は、例えば、パドル翼、プロペラ翼、タービン翼、マッ
クスブレンド翼〔住友重機械(株)製〕、格子翼または
櫂型翼等を挙げることができる。静止型ミキサーとして
は、例えば、ノリタケスタティックミキサー〔ノリタケ
カンパニー(株)製〕、スルーザーミキサー〔住友重機
械(株)製〕、ハイミキサー〔東レ(株)製〕等のスタ
ティックミキサーまたはオリフィスミキサー等を挙げる
ことができる。インラインミキサーとしては、例えば、
T.K.パイプラインホモミキサー〔特殊機化工業
(株)製〕、T.K.ホモミックラインフロー〔特殊機
化工業(株)製〕、マルチラインミキサー〔佐竹化学機
械(株)製〕、コマツスルーザーディスインテグレータ
ー〔小松ゼノア(株)製〕等を挙げることができる。
【0025】本発明を回分式で実施する場合、例えば、
混合物Aを含む反応系に、塩基水溶液を添加することに
より、本発明が実施される。その際の反応装置として
は、例えば、槽型反応器等が使用される。その際の反応
時間(塩基水溶液の添加に要する時間)としては、好ま
しくは、約1〜200分であり、より好ましくは、約5
〜100分であり、さらに好ましくは、約10〜80分
である。本発明を半回分式で実施する場合、例えば、混
合物Aおよび塩基水溶液を反応系に添加することによ
り、本発明が実施される。その際、混合物Aの一部を予
め反応系に存在させておいてもよい。また、混合物Aお
よび塩基水溶液は、それぞれ、連続的に反応系に添加し
てもよく、断続的に反応系に添加してもよい。本発明を
半回分式で実施する場合の反応装置としては、例えば、
槽型反応器、または、槽型反応器での反応以前に、該混
合物と塩基水溶液との反応を行わせるための反応器(例
えば、静止型ミキサー、充填塔、インラインミキサー、
フロージェットミキサー、コロイドミル、ホモミキサ
ー、または、内部に混合器を有しない単なる管型反応器
等)が接続された槽型反応器等が使用される。その際の
反応時間(混合物Aおよび塩基水溶液の添加に要する時
間)としては、好ましくは、約1〜200分であり、よ
り好ましくは、約5〜100分であり、さらに好ましく
は、約10〜80分である。
【0026】本発明を連続式で実施する場合、例えば、
混合物Aおよび塩基水溶液を反応系に徐々に添加し、製
造されたハロホーメート化合物を含有する反応生成物を
系外に徐々に排出してゆくことにより、本発明が実施さ
れる。その際、混合物Aの一部を予め反応系に存在させ
ておいてもよい。また、混合物Aおよび塩基水溶液は、
それぞれ、連続的に反応系に添加してもよく、断続的に
反応系に添加してもよい。さらに、反応生成物は、連続
的に系外に排出してもよく、断続的に系外に排出しても
よい。本発明を連続式で実施する場合の反応装置として
は、例えば、槽型反応器を数個連続に接続した槽型連続
反応装置、管型反応器、または、上記の公知の反応装置
を任意に組み合わせた連続反応装置等が使用される。そ
の際の反応時間(反応系での平均滞留時間)としては、
好ましくは、約1秒〜100分であり、より好ましく
は、約5秒〜50分であり、さらに好ましくは、約10
秒〜20分である。
【0027】本発明で製造されるハロホーメート化合物
は、例えば、式(1)において、nが1のヒドロキシ化
合物を使用する場合、式(7)で表される化合物とな
る。 R3 −O−X (7) (式中、R3 は1価の脂肪族基または1価の芳香族基
を、Xはハロカルボニル基を表す) 本発明により製造されるハロホーメート化合物は、例え
ば、式(1)において、nが2以上のヒドロキシ化合物
を使用する場合、モノマーのハロホーメート化合物とオ
リゴマー状のハロホーメート化合物の混合物となる。例
えば、式(2)で表されるジヒドロキシ化合物を使用す
る場合、製造されるハロホーメート化合物は、式(8)
で表される化合物となる。
【0028】 Z−〔O−R2 −O−C(=O)〕m −O−R2 −O−Z (8) (式中、R2 は前記と同じ意味を表し、Zはハロカルボ
ニル基を表し、mは0または正の整数を表す) 式(8)において、モノマーのハロホーメート化合物と
は、mが0のものを意味し、オリゴマー状のハロホーメ
ート化合物とは、mが1以上のものを意味する。本発明
のもう1つの特徴としては、式(1)において、nが2
以上のヒドロキシ化合物を使用する場合、本発明により
得られるハロホーメート化合物は、従来の方法により得
られるハロホーメート化合物と比較して、モノマーのハ
ロホーメート化合物の含有量が多い点にある。このよう
なハロホーメート化合物は、ポリカーボネート等のポリ
マーの製造原料として有用である。
【0029】本発明により製造された、ハロホーメート
化合物を含有する反応混合物は、次いで、連続操作また
は回分操作により処理され、ハロホーメート化合物が回
収される。反応混合物の処理としては、該反応混合物よ
り水、有機溶媒および無機物等の副生物を任意の方法に
より除去するのであるが、その方法には、特に制限はな
く、公知の方法を用いることができる。例えば、必要に
応じ、水または酸性水溶液で洗浄し、次いで、遠心分
離、濾過、デカンテーション、脱水剤(例えば、硫酸マ
グネシウム、硫酸ナトリウム等の無機塩、シリカゲル、
モレキュラーシーブ等の乾燥剤等)等により、水および
不純物を除去する。その後、必要に応じ、上記の操作を
繰り返し行った後、有機溶媒を除去することにより、ハ
ロホーメート化合物が回収される。得られたハロホーメ
ート化合物は、蒸留、分別結晶、クロマトグラフィー
(カラムクロマトグラフィー等)、任意の溶媒による抽
出洗浄等の方法により、さらに精製してもよい。
【0030】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 ジャケット付きの10リットルのバッフル付フラスコ
に、パドル翼、塩基水溶液導入管、pH計、温度計、ホ
スゲン吹き込み用のガラス管および還流冷却管を取り付
けた。このフラスコに、ビスフェノールA 1141g
(5モル)、ジクロロメタン5リットルを入れ、フラス
コ内の酸素を除去する為に窒素パージを行った。次に、
上記懸濁液に、ホスゲン1039g(10.5モル)を
供給した後、撹拌し、ビスフェノールA、ジクロロメタ
ン、ホスゲンよりなる混合物を調製した。撹拌下、ジャ
ケットに3℃の冷却水を流しつつ、この混合物に、50
重量%水酸化ナトリウム水溶液960g(水酸化ナトリ
ウムの含有量は12モル)を60分で供給した。その
間、反応系のpHは9〜10の間に保ち、温度は15〜
25℃に保った。水酸化ナトリウム水溶液の供給終了
後、撹拌を止めた。その後、反応混合物から水相をデカ
ンテーションにより除去した後、0.5N塩酸水溶液を
加えて洗浄し、水相をデカンテーションにより除去し
た。次いで、有機相を硫酸マグネシウムにより乾燥し、
濾過後、ジクロロメタンを留去し、クロロホーメート化
合物1590gを得た。
【0031】実施例2 実施例1において、50重量%水酸化ナトリウム水溶液
960gを60分で供給し、その間、反応系のpHを9
〜10の間に保ち、温度を15〜25℃に保ったのに対
して、50重量%水酸化ナトリウム水溶液960gを3
0分で供給し、その間、反応系のpHを10〜11の間
に保ち、温度を25〜35℃に保ったこと以外は、実施
例1と同様の操作により、クロロホーメート化合物16
00gを製造した。
【0032】実施例3 10リットルのフラスコに、パドル翼、ホスゲン吹き込
み用のガラス管および還流冷却管を取り付けた。このフ
ラスコに、ビスフェノールA 1141g(5モル)、
ジクロロメタン5リットルを入れ、フラスコ内の酸素を
除去する為に窒素パージを行った。次に、上記懸濁液
に、ホスゲン1039g(10.5モル)を供給した
後、撹拌し、ビスフェノールA、ジクロロメタン、ホス
ゲンよりなる混合物を調製した。該混合物および50重
量%水酸化ナトリウム水溶液を、それぞれ、179.5
6g/分および19.2g/分の速度で、内径5mm、
長さ3mの管型反応器に、連続的に50分間かけて供給
した。その間、反応系のpHを10〜11の間に保ち、
温度を30〜40℃に保った(水酸化ナトリウムの使用
量は12モル)。管型反応器内の滞留時間は20秒であ
り、排出される反応混合物は10リットルのフラスコに
溜められた。その後、実施例1と同様の操作により、ク
ロロホーメート化合物1600gを得た。
【0033】比較例1(特表昭62−500784号公
報記載の方法) ジャケット付きの10リットルのバッフル付フラスコ
に、パドル翼、塩基水溶液導入管、pH計、温度計、ホ
スゲン吹き込み用のガラス管および還流冷却管を取り付
けた。このフラスコに、ビスフェノールA 1141g
(5モル)、ジクロロメタン3リットルを入れ、フラス
コ内の酸素を除去する為に窒素パージを行った。撹拌
下、ジャケットに3℃の冷却水を流しつつ、上記懸濁液
に、ホスゲン1039g(10.5モル)を6分間で供
給した。その間、5N水酸化ナトリウム水溶液を供給
し、反応系のpHを4〜5の間に保った。また、その
間、反応系の温度は40℃であった。ホスゲンおよび水
酸化ナトリウム水溶液の供給終了後、さらに15分間撹
拌を続けた。その後、実施例1と同様の操作により、ク
ロロホーメート化合物1500gを得た。
【0034】第1表(表1)に、実施例1〜3および比
較例1における、ホスゲンの加水分解量(当量%、ビス
フェノールAの使用量に対して)、ビスフェノールA
(BPA)の残存量、および、製造されたクロロホーメ
ート化合物中に含まれるビスフェノールAのモノマーの
ビスクロロホーメートの量(モル%、ビスフェノールA
の使用量に対して)を示した。なお、測定法は下記に示
した通りである。 ・ホスゲンの加水分解量:反応混合物から除去された水
相を、0.5N塩酸水溶液を滴定試薬として使用し、電
位差滴定により滴定し、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素
ナトリウムの含有量を求めた。それらの合計量をホスゲ
ンの加水分解量とした。 ・ビスフェノールAの残存量 反応混合物から除去された水相を、液体クロマトグラフ
ィーにより分析し、ビスフェノールAの残存量を求め
た。結果を、ビスフェノールAの使用量に対する量とし
て、モル%で示した。 ・ビスフェノールAのモノマーのビスクロロホーメート
化合物の量:トリエチルアミンの作用により、クロロホ
ーメート化合物をフェノールと反応させ、フェニルカー
ボネート化合物として、以下の分析を行った。クロロホ
ーメート化合物0.1gを秤量し、ジクロロメタン3m
lに溶解した。次いで、過剰量のフェノールおよびトリ
エチルアミンを加えた後、アセトニトリルを加えて合計
20mlとした。この溶液を液体クロマトグラフィーに
より分析し、ビスフェノールAのモノマーのビスクロロ
ホーメート(CBC)の量を、ビスフェノールAの使用
量に対する量として、モル%で求めた。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1〜3より、本発明は、ハロゲン化
カルボニル化合物の加水分解量が少ないハロホーメート
化合物の製造方法であることが判る。また、本発明によ
り製造されたハロホーメート化合物は、モノマーのハロ
ホーメート化合物の含有量が多いものであることが判
る。比較例1より、従来の製造方法は、ホスゲンの加水
分解量が多いことが判る。また、従来の方法により製造
されたクロロホーメート化合物は、モノマーのクロロホ
ーメート化合物の含有量が少ないものであることが判
る。
【0037】実施例4〜9 実施例1において、ビスフェノールAを用いる代わり
に、下記のヒドロキシ化合物を使用した以外は、実施例
1と同様の操作により、クロロホーメート化合物を製造
した。 実施例4 ハイドロキノン 実施例5 レゾルシン 実施例6 ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン 実施例7 4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル 実施例8 2,2−ビス(3',5'−ジメチル−4'−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン 実施例9 1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン
【0038】実施例4〜9では、各実施例とも、ホスゲ
ンの加水分解量は、ヒドロキシ化合物の使用量に対し
て、5モル%以下であり、また、製造されたクロロホー
メート化合物中に含まれる各ヒドロキシ化合物のモノマ
ーのビスクロロホーメート化合物の量は、ヒドロキシ化
合物の使用量に対して、90モル%以上であった。以上
の結果から、本発明により、従来の製造方法と比較し
て、ハロゲン化カルボニル化合物の加水分解量が少ない
ハロホーメート化合物の製造方法を提供することが可能
になった。また、本発明により、従来の製造方法と比較
して、モノマーのハロホーメート化合物の含有量が多い
ハロホーメート化合物の製造方法を提供することが可能
になった。
【0039】
【発明の効果】本発明により、ハロゲン化カルボニル化
合物の加水分解量が少ないハロホーメート化合物の製造
方法を提供することが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中塚 正勝 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で表される少なくとも一種のヒ
    ドロキシ化合物、有機溶媒およびハロゲン化カルボニル
    化合物よりなる混合物に、塩基水溶液を作用させること
    からなるハロホーメート化合物の製造方法。 R1 (OH)n (1) (式中、R1 は脂肪族基または芳香族基を、nは正の整
    数を表す)
  2. 【請求項2】 ヒドロキシ化合物が、式(2)で表され
    るジヒドロキシ化合物である請求項1記載の製造方法。 HO−R2 −OH (2) (式中、R2 は2価の脂肪族基または2価の芳香族基を
    表す)
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