JPH07309940A - ポリカーボネート溶液の洗浄方法 - Google Patents

ポリカーボネート溶液の洗浄方法

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JPH07309940A
JPH07309940A JP10523194A JP10523194A JPH07309940A JP H07309940 A JPH07309940 A JP H07309940A JP 10523194 A JP10523194 A JP 10523194A JP 10523194 A JP10523194 A JP 10523194A JP H07309940 A JPH07309940 A JP H07309940A
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polycarbonate
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acid
bis
hydroxyphenyl
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JP10523194A
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Genichi Hirao
元一 平尾
Yoshiyuki Totani
由之 戸谷
Tomomichi Itou
友倫 伊藤
Masakatsu Nakatsuka
正勝 中塚
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 不純物を含有するポリカーボネート溶液を水
性洗浄液により洗浄する方法において、ポリカーボネー
ト溶液と水性洗浄液を、混合器により混合し、水中油型
乳化状態の混合溶液として洗浄した後、濾材層を通過さ
せ、ポリカーボネート溶液相と水性洗浄液相とを分離す
るポリカーボネート溶液の洗浄方法。 【効果】 洗浄性および分液性に優れたポリカーボネー
ト溶液の洗浄方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカーボネート溶液
の洗浄方法に関する。さらに詳しくは、洗浄性および分
液性に優れた、ポリカーボネート溶液の洗浄方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、不純物を含有するポリカーボ
ネート溶液を水性洗浄液により洗浄する方法が知られて
いる。特公昭46−41622号公報には、水溶性不純
物を含有する粗製ポリカーボネート溶液を水洗により精
製する方法が記載されている。この方法は、該粗製ポリ
カーボネート溶液と水とを混合して得られる混合液を、
水との接触角が40度以下の有機または無機の濾材層に
通すことにより、水溶液相とポリカーボネート溶液相と
を分離することを特徴とする方法である。しかし、該公
報には、ポリカーボネート溶液と水とを混合する際の混
合状態および混合器については全く示されていない。ま
た、精製ポリカーボネート溶液を得るために、少なくと
も6回の洗浄操作を行っており、洗浄性に優れていると
は言い難い。
【0003】特開昭55−104316号公報には、不
純物を含有するポリカーボネート溶液を連続的に精製す
る方法が記載されている。この方法は、各工程におい
て、該溶液を2〜14の適当なpHの水性相によって乳
化させ、続いて2相を分離することによって完遂する一
連の水洗浄工程からなる方法であり、その際、前記分離
を、乳濁液を0.01〜2cm/秒の空間速度を以て1
0〜500mmの厚さで0.2〜0.7g/ccの見掛
密度を有する繊維の層を通じて送り、次いで繊維の層を
越えて2相として分離する両相を除去することを特徴と
する方法である。しかし、該公報には、ポリカーボネー
ト溶液と水とを混合する際の混合状態および混合器につ
いては全く示されていない。また、この方法により得ら
れる乳濁液は油中水型乳化状態の乳濁液である。さら
に、該公報記載の方法を本発明者らが追試した結果、乳
濁液の分液性は悪く、繊維の層を越えた後も、有機溶媒
溶液相には不純物を含有した水分が大量に含まれてお
り、洗浄性に優れているとは言い難い結果が得られた。
【0004】特開平1−96212号公報には、不純物
を含むポリカーボネートの有機溶媒溶液を、水性洗浄液
を使用して洗浄する方法が記載されている。この方法
は、該溶液と水性洗浄液を混合して油中水型分散相を形
成させ、該分散相中の分散液滴粒径を100μm以下と
した後に、該分散相を遠心分離して精製されたポリカー
ボネートの有機溶媒溶液を得ることを特徴とする方法で
ある。しかし、この方法では、該分散相の分液性は悪
く、遠心分離した後も、有機溶媒溶液相には不純物を含
有した水分が大量に含まれており、洗浄性に優れている
とは言い難い結果が得られた。このように、上記のいず
れの方法も、洗浄性および分液性に優れているとは言い
難い。現在、洗浄性および分液性に優れたポリカーボネ
ート溶液の洗浄方法が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、洗浄
性および分液性に優れたポリカーボネート溶液の洗浄方
法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の要
望に応えるべく、ポリカーボネート溶液の洗浄方法に関
し鋭意検討した結果、本発明を完成するに到った。すな
わち、本発明は、不純物を含有するポリカーボネート溶
液を水性洗浄液により洗浄する方法において、ポリカー
ボネート溶液と水性洗浄液を、混合器により混合し、水
中油型乳化状態の混合溶液とした後、濾材層を通過させ
ることにより、ポリカーボネート溶液相と水性洗浄液相
とに分離することを特徴とするポリカーボネート溶液の
洗浄方法に関するものである。
【0007】本発明において使用される不純物を含有す
るポリカーボネート溶液とは、例えば、界面重合法また
は溶液重合法、好ましくは、界面重合法により製造され
たポリカーボネートを含有する反応混合物から、水相を
除去して得られるポリカーボネートの有機溶媒溶液、ま
たは、該有機溶媒溶液を、本発明の方法または公知の洗
浄方法により、少なくとも1回洗浄して得られたポリカ
ーボネートの有機溶媒溶液等であるが、それらに限定さ
れるものではない。界面重合法は、例えば、水と有機溶
媒の2相混合溶液中で、ジヒドロキシ化合物とハロゲン
化カルボニル化合物を、塩基の作用により、反応させ
て、ポリカーボネートを製造する方法である。その際、
所望により、ポリカーボネート生成触媒、末端封止剤お
よび/または分岐化剤を使用してもよい。ポリカーボネ
ートの分子量に関しては、特に制限はなく、通常、約1
5000〜150000、好ましくは、約20000〜
100000の重量平均分子量のポリカーボネートが使
用される。
【0008】ポリカーボネート製造時に使用されるジヒ
ドロキシ化合物は、芳香族ジヒドロキシ化合物または脂
肪族ジヒドロキシ化合物である。芳香族ジヒドロキシ化
合物は、好ましくは、式(1)または式(2)で表され
る化合物である。 HO−Ar1−Y−Ar2−OH (1) HO−Ar3−OH (2) (式中、Ar1、Ar2およびAr3は各々2価の芳香族基
を、YはAr1とAr2を結び付ける連結基を表す) 式(1)または式(2)において、Ar1、Ar2およびA
r3は、各々2価の芳香族基であり、好ましくは、フェニ
レン基であり、フェニレン基は置換基を有していてもよ
い。置換基は、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アル
キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、アリール基、アルコキシ基等である。Ar1とAr
2は、好ましくは、p−フェニレン基、m−フェニレン
基またはo−フェニレン基、または、一方がp−フェニ
レン基であり、一方がm−フェニレン基またはo−フェ
ニレン基である。Ar1とAr2は、特に好ましくは、両方
がp−フェニレン基である。
【0009】Ar3は、p−フェニレン基、m−フェニレ
ン基またはo−フェニレン基で、好ましくは、p−フェ
ニレン基またはm−フェニレン基である。YはAr1とA
r2を結び付ける連結基であり、単結合または2価の炭化
水素基、または、−O−、−S−、−SO−、−SO2
−、−CO−等の炭素と水素以外の原子を含む基であ
る。2価の炭化水素基は、例えば、メチレン基、エチレ
ン基、2,2−プロピリデン基、シクロヘキシリデン基
等のアルキリデン基、アリール基等で置換されたアルキ
リデン基、芳香族基やその他の不飽和の炭化水素基を含
有する炭化水素基である。
【0010】芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例は、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4'
−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(4'
−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジメチルプロパン、
2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン〔”
ビスフェノールA”〕、2−(4'−ヒドロキシフェニ
ル)−2−(3"−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,
1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロ
パン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−3−メ
チルブタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)
ペンタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−
4−メチルペンタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)ヘプタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)ノナン、
【0011】ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、2,2−ビス(3'−メチル−4'−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3'−イソ
プロピル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3'−sec −ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3'−tert−ブチル−4'−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3'−シクロ
ヘキシル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3'−アリル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3',5'−ジメチル−4'−ヒドロキシ
フェニル) プロパン、2,2−ビス(3'−クロロ−4'−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3',5'
−ジクロロ−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3'−ブロモ−4'−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3',5'−ジブロモ−4'−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキ
シアリール)アルカン類、
【0012】1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)
シクロペンタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3'−メチル−4'−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(3',5'−ジメチル−4'−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3',5'−ジクロロ−4'−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス (4'−
ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘプタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)ノルボルナン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)アダマンタン等のビス(ヒドロキシアリール)シ
クロアルカン類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエー
テル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェ
ニルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル等のビス(ヒドロキシアリール)
エーテル類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のビス(ヒドロ
キシアリール)スルフィド類、4,4'−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホキシド等のビス(ヒドロキ
シアリール)スルホキシド類、4,4'−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、3,3'−ジフェニル−4,
4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3'−ジクロ
ロ−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン等のビス
(ヒドロキシアリール)スルホン類、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ケトン、ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)ケトン等のビス(ヒドロキシアリール)
ケトン類、
【0013】更には、3,3,3',3'−テトラメチル−
6,6'−ジヒドロキシスピロ(ビス)インダン〔”スピ
ロビインダンビスフェノール”〕、3,3',4,4'−テ
トラヒドロ−4,4,4',4'−テトラメチル−2,2'−
スピロビ(2H−1−ベンゾピラン)−7,7'−ジオー
ル〔”スピロビクロマン”〕、トランス−2,3−ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、9,9−ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,6−ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジオ
ン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,
α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−m−キシレン、2,6−ジヒド
ロキシジベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキ
シチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチイ
ン、9,10−ジメチル−2,7−ジヒドロキシフェナジ
ン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジ
ヒドロキシジベンゾチオフェン、4,4'−ジヒドロキシ
ビフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,7
−ジヒドロキシピレン、ハイドロキノン、レゾルシン等
である。また、ビスフェノールA2モルとイソフタロイ
ルクロライド又はテレフタロイルクロライド1モルとの
反応により製造されるエステル結合を含む芳香族ジヒド
ロキシ化合物も有用である。これらの芳香族ジヒドロキ
シ化合物は単独で使用してもよく、また、複数併用して
もよい。
【0014】脂肪族ジヒドロキシ化合物は、好ましく
は、式(3)または式(4)で表される化合物である。 HO−R−OH (3) HO−R' −Ar4−R' −OH (4) (式中、RおよびR’は各々2価の脂肪族基を、Ar4
2価の芳香族基を表す) 式(3)において、Rは2価の脂肪族基であり、好まし
くは、炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数4〜12
のシクロアルキレン基である。R’は2価の脂肪族基で
あり、好ましくは、炭素数1〜6のアルキレン基であ
る。Ar4は2価の芳香族基であり、好ましくは、炭素数
6〜12の2価の芳香族基である。
【0015】脂肪族ジヒドロキシ化合物の具体例は、エ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタン
ジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナン
ジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカ
ンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチル
グリコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、
2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−シク
ロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、2,2−ビス(4'−ヒドロキシシクロヘキシル)プ
ロパン、キシリレンジオール、1,4−ビス(2'−ヒド
ロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(3'−ヒドロキ
シプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(4'−ヒドロキシ
ブチル)ベンゼン、1,4−ビス(5'−ヒドロキシペン
チル)ベンゼン、1,4−ビス(6’−ヒドロキシヘキ
シル)ベンゼン等である。これらの脂肪族ジヒドロキシ
化合物は単独で使用してもよく、また、複数併用しても
よい。また、芳香族ジヒドロキシ化合物と併用してもよ
い。ジヒドロキシ化合物は、より好ましくは、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物であり、さらに好ましくは、ビス(ヒ
ドロキシアリール)アルカン類であり、特に好ましく
は、ビスフェノールAである。
【0016】ポリカーボネート製造時に使用されるハロ
ゲン化カルボニル化合物は、通常、ホスゲンと呼ばれる
塩化カルボニルである。また、塩素以外のハロゲンより
誘導されるハロゲン化カルボニル化合物、例えば、臭化
カルボニル、ヨウ化カルボニル、フッ化カルボニルも有
用である。また、ハロホーメート基を形成させる能力を
有する化合物、例えば、ホスゲンの2量体であるトリク
ロロメチルクロロホーメートやホスゲンの3量体である
ビス(トリクロロメチル)カーボネートも有用である。
これらのハロゲン化カルボニル化合物は単独で使用して
もよく、また、複数併用してもよい。通常、好ましく使
用されるハロゲン化カルボニル化合物はホスゲンであ
る。
【0017】また、ポリカーボネートはポリエステルカ
ーボネートを包含するものである。ポリエステルカーボ
ネートは、例えば、ジヒドロキシ化合物、カーボネート
前駆体および二塩基酸塩化物から製造される。ポリエス
テルカーボネートの分子量に関しては、特に制限は無
く、通常、約1000〜100000の重量平均分子量
のポリエステルカーボネートが使用される。ポリエステ
ルカーボネートの原料となるジヒドロキシ化合物および
カーボネート前駆体は、上記のジヒドロキシ化合物およ
びカーボネート前駆体である。
【0018】ポリエステルカーボネートの原料となる二
塩基酸塩化物は、例えば、シュウ酸、マロン酸、ジメチ
ルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽
和脂肪族二塩基酸やハロゲン置換脂肪族二塩基酸、チオ
グリコール酸、ジチオグリコール酸などの脂肪鎖中にヘ
テロ原子を含有する脂肪族二塩基酸、マレイン酸、フマ
ール酸などの不飽和脂肪族二塩基酸、フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、ホモフタル酸、o−フェニレン
ジ酢酸、m−フェニレンジ酢酸、p−フェニレンジ酢酸
等の非置換または脂肪族置換の芳香族ジカルボン酸、ジ
フェン酸、1,4−ナフタリンジカルボン酸等の多環式
芳香族ジカルボン酸等の二塩基酸の塩化物である。これ
らは単独で使用してもよく、また、複数併用してもよ
い。特に好ましく使用される二塩基酸塩化物は、テレフ
タル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸の塩化物
である。また、これらのポリエステルカーボネートは、
ポリカーボネートと混合して使用してもよい。
【0019】ポリカーボネート製造時に使用される水
は、蒸留水、イオン交換水、またはポリカーボネートを
製造する際に生じる回収水等であり、さらにそれらを混
合したものであってもよい。ポリカーボネート製造時に
使用される有機溶媒は、反応に対して実質的に不活性で
あり、水に対して実質的に不溶性であり、かつポリカー
ボネートを溶解するものであればよい。有機溶媒は、例
えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,
2−ジクロロエチレン、トリクロロエタン、テトラクロ
ロエタン、ジクロロプロパン等の脂肪族塩素化炭化水
素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族塩素
化炭化水素、またはそれらの混合物である。また、それ
らの塩素化炭化水素またはそれらの混合物に、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘ
キサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素
等を混合した有機溶媒でもよい。有機溶媒は、好ましく
は、脂肪族塩素化炭化水素または芳香族塩素化炭化水素
であり、より好ましくは、ジクロロメタンまたはクロロ
ベンゼンであり、さらに好ましくは、ジクロロメタンで
ある。
【0020】また、有機溶媒は、ポリカーボネートを製
造する際に生じる回収有機溶媒でもよい。さらにその回
収有機溶媒と新しい有機溶媒を混合した有機溶媒でもよ
い。有機溶媒の使用量は、通常、ポリカーボネート溶液
中のポリカーボネートの濃度が約5〜35重量%程度に
なるように使用するのが好ましく、約10〜20重量%
になるように使用するのがより好ましい。ポリカーボネ
ート製造時に使用される塩基は、アルカリ金属またはア
ルカリ土類金属塩基であり、通常、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素
ナトリウム等の炭酸塩等である。これらの塩基は単独で
使用してもよく、また、複数併用してもよい。好ましい
塩基は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであ
る。
【0021】ポリカーボネート製造時に使用されるポリ
カーボネート生成触媒は、3級アミン、4級アンモニウ
ム塩、3級ホスフィン、4級ホスホニウム塩、含窒素複
素環化合物及びその塩、イミノエーテル及びその塩、ア
ミド基を有する化合物等である。ポリカーボネート生成
触媒の具体例は、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ヘキシルア
ミン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,4−テトラ
メチレンジアミン、4−ピロリジノピリジン、N,N'−
ジメチルピペラジン、N−エチルピペリジン、ベンジル
トリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチ
ルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウム
クロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、フ
ェニルトリエチルアンモニウムクロライド、トリエチル
ホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルブチ
ルホスフィン、テトラ(ヒドロキシメチル)ホスホニウ
ムクロライド、ベンジルトリエチルホスホニウムクロラ
イド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、
4−メチルピリジン、1−メチルイミダゾール、1,2
−ジメチルイミダゾール、3−メチルピリダジン、4,
6−ジメチルピリミジン、1−シクロヘキシル−3,5
−ジメチルピラゾール、2,3,5,6−テトラメチル
ピラジン等である。これらのポリカーボネート生成触媒
は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。
ポリカーボネート生成触媒は、好ましくは、3級アミン
であり、より好ましくは、総炭素数3〜30の3級アミ
ンであり、特に好ましくは、トリエチルアミンである。
【0022】ポリカーボネート製造時に使用される末端
封止剤は、1価の芳香族ヒドロキシ化合物、1価の芳香
族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体、1価のカ
ルボン酸または1価のカルボン酸のハライド誘導体等で
ある。1価の芳香族ヒドロキシ化合物は、例えば、フェ
ノール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−
エチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−
tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−
シクロヘキシルフェノール、p−オクチルフェノール、
p−ノニルフェノール、2,4−キシレノール、p−メ
トキシフェノール、p−ヘキシルオキシフェノール、p
−デシルオキシフェノール、o−クロロフェノール、m
−クロロフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロ
モフェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタクロロ
フェノール、p−フェニルフェノール、p−イソプロペ
ニルフェノール、2,4−ジ(1’−メチル−1’−フ
ェニルエチル)フェノール、β−ナフトール、α−ナフ
トール、p−(2',4',4'−トリメチルクロマニル)フ
ェノール、2−(4'−メトキシフェニル)−2−(4”
−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノール類また
はそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩で
ある。1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート
誘導体は、上記の1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロ
ホーメート誘導体等である。
【0023】1価のカルボン酸は、例えば、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カ
プリル酸、2,2−ジメチルプロピオン酸、3−メチル
酪酸、3,3−ジメチル酪酸、4−メチル吉草酸、3,
3−ジメチル吉草酸、4−メチルカプロン酸、3,5−
ジメチルカプロン酸、フェノキシ酢酸等の脂肪酸類また
はそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、
安息香酸、p−メチル安息香酸、p−tert−ブチル安息
香酸、p−ブトキシ安息香酸、p−オクチルオキシ安息
香酸、p−フェニル安息香酸、p−ベンジル安息香酸、
p−クロロ安息香酸等の安息香酸類またはそれらのアル
カリ金属塩およびアルカリ土類金属塩である。1価のカ
ルボン酸のハライド誘導体は、上記の1価のカルボン酸
のハライド誘導体等である。これらの末端封止剤は単独
で使用してもよく、また、複数併用してもよい。末端封
止剤は、好ましくは、1価の芳香族ヒドロキシ化合物で
あり、より好ましくは、フェノール、p−tert−ブチル
フェノールまたはp−クミルフェノールである。
【0024】ポリカーボネート製造時に使用される分岐
化剤は、芳香族性ヒドロキシ基、ハロホーメート基、カ
ルボン酸基、カルボン酸ハライド基または活性なハロゲ
ン原子等から選ばれる反応基を3つ以上(同種でも異種
でもよい)有する化合物である。分岐化剤の具体例は、
フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−
トリス(4'−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、
4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4'−ヒドロキ
シフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4'−ヒド
ロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4'−
ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4'
−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α,α’−トリ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソ
プロピルベンゼン、2,4−ビス〔α−メチル−α−
(4'−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェノール、2−
(4'−ヒドロキシフェニル)−2−(2",4"−ジヒドロ
キシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ホスフィン、1,1,4,4−テトラキス(4'−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス
〔4',4'−ビス(4"−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
シル〕プロパン、α,α,α’,α’−テトラキス(4'
−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジエチルベンゼン、
2,2,5,5−テトラキス(4'−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサン、1,1,2,3−テトラキス(4'−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(4',4”−
ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、3,3',
5,5'−テトラヒドロキシジフェニルエーテル、3,5
−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ビス(クロロカルボ
ニルオキシ)安息香酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、
4−クロロカルボニルオキシイソフタル酸、5−ヒドロ
キシフタル酸、5−クロロカルボニルオキシフタル酸、
トリメシン酸トリクロライド、シアヌル酸クロライド等
である。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、ま
た、複数併用してもよい。
【0025】ポリカーボネート溶液に含有される不純物
とは、ポリカーボネート製造時に使用される原料の残存
分、または、副生する無機物等である。原料の残存分と
しては、例えば、ジヒドロキシ化合物、末端封止剤、分
岐化剤または塩基等の未反応物、または、ポリカーボネ
ート生成触媒等である。副生する無機物としては、例え
ば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化
物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、有
機塩基の塩酸塩等である。例えば、塩基として水酸化ナ
トリウムを使用し、ハロゲン化カルボニル化合物として
ホスゲンを使用する場合、副生する無機物は、塩化ナト
リウム、炭酸ナトリウムおよび/または炭酸水素ナトリ
ウム等である。
【0026】本発明において使用される水性洗浄液と
は、水、または、酸性またはアルカリ性の水溶液等であ
る。また、本発明において使用された水性洗浄液を回収
して再使用してもよく、その際に、回収された水性洗浄
液を新しい水性洗浄液と混合して使用してもよい。水
は、蒸留水、イオン交換水またはそれらの混合物等であ
る。さらに、それらの水を濾過して使用してもよい。酸
性の水溶液は、上記の水に、塩酸、燐酸、硫酸等の鉱酸
等を含有させた水溶液である。アルカリ性の水溶液は、
上記の水に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基
を含有させた水溶液である。アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素
ナトリウム等の炭酸塩等を挙げることができる。酸性ま
たはアルカリ性の水溶液に含有される酸または塩基の濃
度は、好ましくは約0.001〜10規定であり、より
好ましくは、約0.01〜5規定であり、さらに好まし
くは、約0.1〜2規定である。
【0027】本発明において使用される混合器は、回分
式の混合器または連続式の混合器である。回分式の混合
器としては、例えば、ホモジナイザーまたは撹拌翼を備
えた撹拌槽等を挙げることができる。連続式の混合器と
しては、例えば、ホモジナイザーまたは撹拌翼を備えた
撹拌槽、静止型ミキサー(静的混合機とも呼ばれる)、
インラインミキサー、または、それらの混合器を任意に
組み合わせた混合器等を挙げることができる。ホモジナ
イザーとは、ポリカーボネート溶液を、狭い隙間を強制
的に通過させることにより、乳化状態を形成させる装置
を意味する。ホモジナイザーの具体例としては、特殊機
化工業(株)製のホモジナイザー等を挙げることができ
る。撹拌翼としては、例えば、パドル翼、プロペラ翼、
タービン翼、格子翼、櫂型翼等を挙げることができる。
静止型ミキサーとは、混合のための可動部分を持たず、
管路中に液体分割作用を有するエレメントを数段直列ま
たは並列に配置し、短い滞留時間で微細な分散液滴粒子
を形成させることができる装置を意味する。静止型ミキ
サーの具体例としては、ノリタケスタティックミキサー
〔ノリタケカンパニー(株)製〕、スルーザーミキサー
〔住友重機工(株)製)、ハイミキサー〔東レ(株)
製〕等のスタティックミキサーまたはオリフィスミキサ
ー等を挙げることができる。インラインミキサーとは、
ライン内にホモジナイザー等の混合器が組み込まれた装
置を意味する。インラインミキサーの具体例としては、
T.K.パイプラインホモミキサー〔特殊機化工業
(株)製〕、T.K.ホモミックラインフロー〔特殊機
化工業(株)製〕、マルチラインミキサー〔佐竹化学機
械(株)製〕、コマツスルーザーディスインテグレータ
ー〔小松ゼノア(株)製〕等を挙げることができる。
【0028】以上のような混合器により、ポリカーボネ
ート溶液と水性洗浄液を混合し、水中油型乳化状態の混
合溶液とする。水中油型乳化状態とは、水性洗浄液中に
ポリカーボネート溶液が微細な液滴となって存在してい
る状態を意味し、好ましくは、水中油型乳化状態の混合
溶液中のポリカーボネート溶液の平均液滴径が100μ
m以下、より好ましくは、50μm以下、さらに好まし
くは、20μm以下の状態を意味する。平均液滴径を調
べる方法としては、例えば、レーザー回折式粒度分布測
定装置〔島津製作所(株)製のSALD1100等〕、
粒子アナライザー(米国コールター社製のTA−2等)
等により測定する方法等がある。
【0029】水中油型乳化状態の混合溶液を形成させる
ために必要な水性洗浄液の量は、ポリカーボネート溶液
に対して、通常、0.7容量倍以上であり、好ましく
は、約0.7〜5容量倍であり、より好ましくは、約
0.9〜3容量倍であり、さらに好ましくは、約1〜2
容量倍であり、特に好ましくは、約1.2〜1.5容量
倍である。水性洗浄液の使用量が、ポリカーボネート溶
液に対して、0.7容量倍よりも過度に少ない場合、混
合器により混合して得られる混合溶液は油中水型乳化状
態となる。このような混合溶液はその後の分液性が悪
く、分液後も、ポリカーボネート溶液相には不純物を含
有した水分が大量に含まれる傾向がある。
【0030】水中油型乳化状態の混合溶液を形成させる
ための混合条件としては、例えば、撹拌翼を使用する場
合、撹拌速度は、好ましくは、約200〜2000rp
mであり、より好ましくは、約500〜2000rpm
であり、さらに好ましくは、約800〜2000rpm
である。インラインミキサーまたはホモジナイザーを使
用する場合、撹拌速度は、好ましくは、約1000〜3
0000rpmであり、より好ましくは、約3000〜
20000rpmであり、さらに好ましくは、約500
0〜15000rpmである。また、静止型ミキサーを
使用する場合、静止型ミキサーの差圧は、好ましくは、
約0.5〜20kg/cm2 であり、より好ましくは、
約1〜10kg/cm2であり、さらに好ましくは、約
2〜5kg/cm2 である。そのような差圧とするため
に必要な静止型ミキサーのエレメント数は、好ましく
は、約5〜100であり、より好ましくは、約10〜8
0であり、さらに好ましくは、約20〜60である。静
止型ミキサー中の混合溶液の通過速度は、好ましくは、
約10〜1000cm/秒であり、より好ましくは、約
20〜300cm/秒であり、さらに好ましくは、約4
0〜100cm/秒である。混合器の作業性、経済性、
および安定性等の理由から、混合器は、好ましくは、連
続式の混合器であり、より好ましくは、静止型ミキサー
またはインラインミキサーであり、さらに好ましくは、
静止型ミキサーであり、特に好ましくは、スタティック
ミキサーである。
【0031】本発明において使用される濾材層は、ガラ
ス繊維、珪藻土、木綿、紙、ポリビニルアルコール等の
親水性の濾材層、または、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリ
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロ
エチレン等の疎水性の濾材層である。親水性の濾材層と
は、水との接触角が40度以下の濾材層を意味し、疎水
性の濾材層とは、水との接触角が40度を越える濾材層
を意味する。濾材層の形状としては、例えば、布状、紙
状、充填層状等である。濾材層は、好ましくは、親水性
の濾材層であり、より好ましくは、水との接触角が10
度以下の親水性の濾材層であり、さらに好ましくは、水
との接触角が0度の親水性の濾材層であり、特に好まし
くは、ガラス繊維製の濾材層である。濾材層を通過させ
る際の流速としては、好ましくは、約20mm/秒以下
であり、より好ましくは、約5mm/秒以下であり、さ
らに好ましくは、約1mm/秒以下であり、特に好まし
くは、約0.01〜0.2mm/秒である。濾材層の孔
径は、好ましくは、約0.1〜200μmであり、より
好ましくは、約1〜100μmであり、さらに好ましく
は、約5〜50μmである。
【0032】本発明の特徴は、ポリカーボネート溶液お
よび水性洗浄液を、混合器により混合し、水中油型乳化
状態の混合溶液とし、次いで、該混合溶液を、濾材層を
通過させることにより、ポリカーボネート溶液相と水性
洗浄液相とに分離することである。従来のポリカーボネ
ート溶液の洗浄方法は、水性洗浄液を、ポリカーボネー
ト溶液に対して、0.7容量倍よりも過度に少なくした
条件で実施されていた。しかし、本発明者らが検討した
結果、0.7〜5容量倍の水性洗浄液を使用して、混合
器により混合し、水中油型乳化状態の混合溶液とし、次
いで、濾材層を通過させて、ポリカーボネート溶液相を
水性洗浄液相より分離することにより、従来の方法と比
較して、より優れた洗浄性および分液性が得られること
が判明した。
【0033】本明細書における洗浄性とは、水性洗浄液
による不純物の抽出の程度を意味する。洗浄性を調べる
方法としては、洗浄されたポリカーボネート溶液中の不
純物の含有量を測定する方法、または、使用された水性
洗浄液の比電気伝導度を測定する方法等がある。本明細
書における分液性とは、濾材層を通過させた後の、ポリ
カーボネート溶液と水性洗浄液の分離の容易さを意味す
る。ポリカーボネート溶液と水性洗浄液の分離に要する
時間が短いほど、分液性に優れており、また、分離した
後のポリカーボネート溶液が透明であるほど、分液性に
優れている。すなわち、ポリカーボネート溶液が白濁し
ているほど、ポリカーボネート溶液中に、不純物を含有
する水分がより多く分散していることを示し、また、ポ
リカーボネート溶液が透明である場合、ポリカーボネー
ト溶液中に、不純物を含有する水分が含まれていないこ
とを示す。
【0034】本発明は、大気中で実施してもよく、ま
た、所望により、不活性ガスの存在下で実施してもよ
い。不活性ガスは、ポリカーボネート溶液に対して不活
性なガスであれば、任意に使用可能である。不活性ガス
は、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、
空気等であり、好ましくは、窒素ガスである。本発明
は、通常、約10℃〜(有機溶媒または水性洗浄液の沸
点温度)の温度で実施される。また、本発明は、任意の
圧力下で実施される。
【0035】本発明は、好ましくは、回分式または連続
式で実施され、より好ましくは、連続式で実施される。
以下に、本発明のさらに具体的な実施態様を示す。回分
式で実施する場合、例えば、ポリカーボネート溶液およ
び水性洗浄液を混合器に入れて混合し、水中油型乳化状
態の混合溶液とした後、濾材層を通過させることによ
り、洗浄されたポリカーボネート溶液を水性洗浄液より
分離する。その際、使用される混合器は、回分式の混合
器である。また、濾材層を通過させる際の濾過方法は、
減圧濾過、自然濾過または加圧濾過等であり、好ましく
は、不活性ガス等を使用しての加圧濾過である。連続式
で実施する場合、例えば、ポリカーボネート溶液および
水性洗浄液を混合器に連続的に供給して混合し、水中油
型乳化状態の混合溶液とした後、濾材層を通過させるこ
とにより、洗浄されたポリカーボネート溶液を水性洗浄
液より分離する。その際、使用される混合器は、連続式
の混合器である。
【0036】不純物を含有するポリカーボネート溶液
は、不純物が存在しなくなるまで、本発明の方法により
洗浄され、実質的に不純物を含有しないポリカーボネー
ト溶液とされる。実質的に不純物を含有しないポリカー
ボネート溶液とは、本発明の方法によりポリカーボネー
ト溶液を洗浄しても、使用された水性洗浄液中に、もは
や不純物が抽出されないポリカーボネート溶液を意味す
る。その目安としては、使用される水性洗浄液の比電気
伝導度が、本発明の実施前と実施後で全く変化しないこ
とであり、好ましくは、水性洗浄液の比電気伝導度が、
本発明の実施前には0.06〜2μS/cmであり、本
発明の実施後には2μS/cm以下であれば十分であ
る。
【0037】界面重合法により製造され、水相を除去し
て得られたポリカーボネート溶液から、実質的に不純物
を含有しないポリカーボネート溶液を得るには、本発明
の洗浄方法を数回、必要ならば、水性洗浄液の種類を変
えて行う。その際のより好ましい実施態様を以下に示
す。即ち、 まず始めに、ポリカーボネート溶液は、水またはアル
カリ性の水溶液、好ましくは、アルカリ性の水溶液を使
用して、本発明の方法により洗浄される。その際、除去
される不純物は、主として、ジヒドロキシ化合物、末端
封止剤または分岐化剤等の未反応物である。 次に、酸性の水溶液を使用して、本発明の方法により
洗浄される。その際、除去される不純物は、主として、
塩基の未反応物またはポリカーボネート生成触媒であ
る。 その後、水を使用して、不純物が存在しなくなるま
で、本発明の方法により洗浄され、実質的に不純物を含
有しないポリカーボネート溶液とされる。その際、除去
される不純物は、主として、副生する無機物である。
【0038】不純物が存在しなくなるまで洗浄されたポ
リカーボネート溶液は、次に、連続操作または回分操作
により処理され、ポリカーボネートが回収される。ポリ
カーボネートを回収する方法は、蒸留または水蒸気蒸留
により有機溶媒を除去する方法、または、ポリカーボネ
ートを溶解しない有機溶媒(非溶媒)をポリカーボネー
ト溶液に添加して、ポリカーボネートを固体状態とし、
得られたポリカーボネートの有機溶媒スラリーから濾過
等の方法により有機溶媒を分離する方法、等がある。さ
らに具体的には、ポリカーボネート溶液から有機溶媒を
蒸留除去し、ポリカーボネート溶液を飽和状態としてポ
リカーボネートを結晶化させ、これを粉砕した後に乾燥
して含有する有機溶媒を除去する方法、ポリカーボネー
ト溶液から有機溶媒を除去しながら加熱して、ポリカー
ボネートを溶融状態からペレット化する方法、ポリカー
ボネート溶液を温水中に供給して、有機溶媒を除去しな
がら生成するゲル状物を粉砕する方法、ポリカーボネー
ト溶液に、非溶媒および水を添加し、加熱濃縮し、固体
状態のポリカーボネートを水スラリーとして得る方法、
ポリカーボネート溶液をポリカーボネートの粉体を含む
温水中に添加して有機溶媒を蒸発留去することにより固
体状態のポリカーボネートを水スラリーとして得る方
法、ポリカーボネート溶液をポリカーボネートの粉体お
よび非溶媒を含む温水中に供給しながら有機溶媒を蒸発
留去し、固体状態のポリカーボネートを水スラリーとし
て得る方法等がある。
【0039】非溶媒の具体例は、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、オクタン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化
水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル
類等である。
【0040】本発明の方法により洗浄されたポリカーボ
ネート溶液より回収されたポリカーボネートは、従来の
方法により洗浄されたポリカーボネート溶液より回収さ
れたポリカーボネートと比較して、色調が良好で、ま
た、熱安定性および耐加水分解性等に優れている。回収
されたポリカーボネートは、単独で、または他のポリマ
ーと混合して成形材料として使用することができる。他
のポリマーの具体例は、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、パラオキシベンゾイル系ポリエステル、ポリアリー
レート、ポリスルフィド等である。
【0041】回収されたポリカーボネートは、特定の有
機溶媒(例えば、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水
素系溶媒)に可溶であり、該有機溶媒溶液よりフィルム
のような成形加工品に加工することができる。回収され
たポリカーボネートは、熱可塑性であり、溶融物から射
出成形、押し出し成形、吹き込み成形、積層等の公知の
成形法により容易に成形加工することができる。また、
回収されたポリカーボネートは、単独または他のポリマ
ーと混合した状態で、所望により、上記の添加剤を添加
して、電気機器等のシャーシやハウジング材、電子部
品、自動車部品、ガラス代替えの建材、データ保存用デ
ィスクまたはオーディオ用コンパクトディスク等の情報
記録媒体の基盤、カメラまたは眼鏡のレンズ等の光学材
料等に成形することが可能である。
【0042】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。 重合例1 1000リットルの邪魔板付の槽型反応器に、三段六枚
羽根の攪拌翼および還流冷却管を取り付けた。この槽型
反応器に、ビスフェノールA91.2kg(400モ
ル)、p−tert−ブチルフェノール2.07kg(ビス
フェノールAに対して3.44モル%)、ジクロロメタ
ン400リットル及び水400リットルを入れ、フラス
コ内の酸素を除去する為に窒素パージを行った。次に、
上記懸濁液にナトリウムハイドロサルファイト180g
および水酸化ナトリウム43.6kg(1090モル)
の水溶液150リットルを供給し、25℃でビスフェノ
ールAを溶解した。撹拌下、この混合物にホスゲン4
6.7kg(472モル)を60分間で供給した。その
後、トリエチルアミン32g(ビスフェノールAに対し
て0.08モル%)を添加して60分間攪拌し、反応を
終結させた。その後、反応混合物を静置し、水相を除去
することにより、不純物を含有するポリカーボネート溶
液480リットルを得た。得られたポリカーボネートの
重量平均分子量は、51600であった。
【0043】実施例1 (図1)に示した連続洗浄装置を使用して、重合例1で
得られたポリカーボネート溶液の洗浄を行った。ここ
で、工程A〜工程Eの各工程が、それぞれ本発明の洗浄
方法を示している。(図1)において、1はポリカーボ
ネート溶液、2は0.75規定の水酸化ナトリウム水溶
液、3は0.5規定塩酸水溶液、4〜6は比電気伝導度
0.5μS/cmの蒸留水の供給を示し、7〜11は使
用された水性洗浄液相の排出を示す。また、12〜16
は混合器、17〜21は濾材層、22は洗浄されて不純
物を含まない精製されたポリカーボネート溶液相の排出
を示している。混合器としては、それぞれ、内径12m
mでエレメント数が8のノリタケスタティックミキサー
CSM−12−5〔ノリタケカンパニー(株)製〕を3
個直列に接続したものを使用し(各混合器のエレメント
数は24個)、濾材層としては、孔径40μm、表面積
7000cm2 のガラス繊維製の濾材層を使用した。第
1表(表1)には、ポリカーボネート溶液および水性洗
浄液の供給速度、水性洗浄液のポリカーボネート溶液に
対する容量比、混合器での差圧および通過速度、ならび
に、濾材層の通過速度を示した。以上の条件で各溶液の
供給を60分間連続的に行い、ポリカーボネート溶液を
洗浄した。その際、各混合器を通過した後の水中油型乳
化状態の混合溶液中のポリカーボネート溶液の平均液滴
径を調べた。また、各濾材層を通過した後のポリカーボ
ネート溶液の分液性を目視した。さらに、9〜11から
排出される水性洗浄液の比電気伝導度を調べた。以上の
結果を第2表(表2)に示した。なお、ポリカーボネー
ト溶液の平均液滴径の測定は、粒子アナライザーTA−
2(米国コールター社製)により行った。
【0044】実施例2、3および比較例1 ポリカーボネート溶液または水性洗浄液の供給量を第1
表のようにした他は、実施例1と同様の操作を行い、ポ
リカーボネート溶液を洗浄した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】 PC:ポリカーボネート 比電気伝導度:μS/cm
【0047】実施例4 1リットルのフラスコに、重合例1で製造したポリカー
ボネート溶液0.45リットルを入れた。次いで、この
フラスコに0.75規定の水酸化ナトリウム水溶液0.
55リットルを入れ、T.K.ホモミキサーM−2〔特
殊機化工業(株)製〕にて6000rpmで5分間撹拌
した。その際、混合溶液は水中油型乳化状態になった。
得られた混合溶液を、孔径10μmの濾紙を使用し、加
圧濾過器にて0.5Kgf/cm2 の窒素圧下で濾過し
たところ、透明なポリカーボネート溶液と水性洗浄液に
分離した。以上の工程を工程Aとする。次に、水性洗浄
液を除去し、新たに1/2規定塩酸水溶液0.55リッ
トルを加え、上記と同様の操作を繰り返した。その後、
比電気伝導度0.5μS/cmの蒸留水0.55リット
ルにより、上記と同様の操作をさらに3度繰り返し、ポ
リカーボネート溶液を洗浄した。以上の工程を、それぞ
れ工程B、C、DおよびEとする。第3表(表3)に、
水性洗浄液のポリカーボネート溶液に対する容量比、水
中油型乳化状態の混合溶液におけるポリカーボネート溶
液の平均液滴径、濾材層通過後のポリカーボネート溶液
の分液性、および比電気伝導度0.5μS/cmの蒸留
水による洗浄後の水性洗浄液の比電気伝導度を示した。
【0048】比較例2 実施例4において、T.K.ホモミキサーM−2を使用
する代わりに、パドル翼を使用して150rpmで撹拌
した以外は、実施例4と同様の操作により、ポリカーボ
ネート溶液を洗浄した。しかしこの場合、パドル翼で撹
拌した後、水中油型乳化状態とはならず、ポリカーボネ
ート溶液の平均液滴径は測定できなかった。また、ポリ
カーボネート溶液相は、白濁したままであった。 比較例3 実施例4において、加圧濾過器にて濾過する代わりに、
多本架卓上遠心機CT5L〔日立工機(株)製〕を使用
して遠心分離した以外は、実施例4と同様の操作によ
り、ポリカーボネート溶液を洗浄した。しかしこの場
合、遠心分離機で分離した後もポリカーボネート溶液相
は、白濁したままであった。
【0049】
【表3】 PC:ポリカーボネート 比電気伝導度:μS/cm
【0050】第4表(表4)に、各実施例および各比較
例における、0.75規定の水酸化ナトリウム水溶液に
よる洗浄前と洗浄後の、ポリカーボネート溶液中の残存
ビスフェノールAの濃度、および、0.5規定の塩酸水
溶液による洗浄前と洗浄後の、ポリカーボネート溶液中
のトリエチルアミンの濃度を示した。なお、残存ビスフ
ェノールAの濃度の測定は、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー〔日本分光工業(株)製〕により行い、
トリエチルアミンの濃度の測定は、ガスクロマトグラフ
ィー(島津製作所GC−9A)により行った。
【0051】
【表4】 BPA:ビスフェノールA TEA:トリエチルアミン
【0052】応用例1 各実施例および各比較例で得られたポリカーボネート溶
液に、それぞれ適当な量のトルエンと水を加え、98℃
まで加熱し、ジクロロメタンおよびトルエンを留去し
て、ポリカーボネートの粉粒体を得た。得られたポリカ
ーボネート粉粒体を押出機(シリンダー温度280℃)
でペレット化した。このペレットを、射出成形機〔日精
樹脂工業(株)社製PS20E−5ASE〕を用い、2
80℃で可塑化後、シリンダー内で15秒間または5分
間滞留させた後、射出成形し、厚さ1mmのプレスシー
トをそれぞれ作製した。このプレスシートのYI値を、
スガ試験機製の色差計により、透過測定法で測定した。
なお、15秒間滞留させて作成したプレスシートのYI
値を15秒滞留YI値、5分間滞留させて作成したプレ
スシートのYI値を5分滞留YI値とする。YI値は、
その値が小さいほど、着色が少ないことを表し、15秒
滞留YI値と5分滞留YI値の差が小さいほど、熱安定
性に優れていることを表す。結果を第4表に示す。
【0053】実施例1〜4より、本発明の方法により、
ポリカーボネート溶液を好適に洗浄できることが判る。
また、本発明の方法により洗浄した後、回収されたポリ
カーボネートは、色調がよく、さらに熱安定性に優れた
ものであることが判る。比較例1の方法では、洗浄性お
よび分液性が不十分である。比較例2の方法では、洗浄
性および分液性が非常に悪いことが判る。また、比較例
3の方法では、分液性が悪いために洗浄性も悪くなって
いることが判る。さらに、比較例1〜3の方法で洗浄さ
れ、回収されたポリカーボネートは、色調が悪く、熱安
定性も悪いことが判る。
【0054】
【発明の効果】本発明により、洗浄性および分液性に優
れたポリカーボネート溶液の洗浄方法を提供することが
可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3および比較例1において使用した
連続洗浄装置図
【符号の説明】
1:ポリカーボネート溶液の供給口 2:0.75規定の水酸化ナトリウム水溶液の供給口 3:0.5規定塩酸水溶液の供給口 4〜6:比電気伝導度0.5μS/cmの蒸留水の供給
口 7〜11:使用された水性洗浄液相の排出口 12〜16:混合器 17〜21:濾材層 22:不純物を含まない精製されたポリカーボネート溶
液相の排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中塚 正勝 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物を含有するポリカーボネート溶液
    を水性洗浄液により洗浄する方法において、ポリカーボ
    ネート溶液と水性洗浄液とを、混合器により混合し、水
    中油型乳化状態の混合溶液とした後、濾材層を通過させ
    ることにより、ポリカーボネート溶液相と水性洗浄液相
    とに分離することを特徴とするポリカーボネート溶液の
    洗浄方法。
  2. 【請求項2】 水性洗浄液を、ポリカーボネート溶液に
    対して、0.7〜5容量倍使用する請求項1記載のポリ
    カーボネート溶液の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 混合器として、連続式の混合器を用いる
    ことを特徴とする請求項1または2記載のポリカーボネ
    ート溶液の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 水中油型乳化状態の混合溶液におけるポ
    リカーボネート溶液の平均液滴径が100μm以下であ
    る請求項1、2または3記載のポリカーボネート溶液の
    洗浄方法。
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