JP3226693B2 - ポリカーボネート粒状体の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート粒状体の製造方法

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JP3226693B2 JP00678694A JP678694A JP3226693B2 JP 3226693 B2 JP3226693 B2 JP 3226693B2 JP 00678694 A JP00678694 A JP 00678694A JP 678694 A JP678694 A JP 678694A JP 3226693 B2 JP3226693 B2 JP 3226693B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカーボネート粒状
体の製造方法に関する。さらに詳しくは、嵩密度が高
く、かつ乾燥性がよいポリカーボネート粒状体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリカーボネートの有機溶媒
溶液からポリカーボネート粒状体を製造する方法が知ら
れている。特公昭36−21033号公報には、有機溶
媒を使用して、ポリカーボネートのゲル化物または水を
含むポリカーボネートのゲル化物を形成させ、次に該ゲ
ル化物を機械的方法により粉砕した後、脱溶媒、乾燥を
行うことを特徴とするポリカーボネート粉末または粒状
物の製造方法が記載されている。該公報では、ポリカー
ボネートの有機溶媒溶液をゲル化させる際、有機溶媒と
して、ジクロロメタン、クロロベンゼンまたはo−ジク
ロロベンゼンを、それぞれ単独で使用している。
【0003】特開昭53−137297号公報には、ポ
リカーボネートの良溶媒溶液から固体状のポリカーボネ
ートを単離する方法が記載されている。この方法は、ポ
リカーボネートの良溶媒溶液に貧溶媒を添加し、次い
で、該ポリカーボネートの混合溶媒溶液を固形物換算で
30重量%以上の濃度になるまで加熱濃縮し、その後、
該濃縮液を急冷することを特徴とする粉砕容易な嵩密度
の高い固体状ポリカーボネートの取得方法である。米国
特許第3505273号には、ポリカーボネート溶液の
溶媒の含有量を減少させる方法が記載されている。この
方法は、ポリカーボネート溶液を、ポリカーボネートか
ら溶媒がゆっくりと揮発させられる速度で熱水と混合
し、大気圧下で約100℃より沸点が低い溶媒の含有量
が約25〜約70%からなる砕けやすいゲル状物を形成
させる方法であり、その際、該溶媒の大部分が水に不溶
性であり、熱水が該溶媒の沸点よりも高い温度であるこ
とを特徴とする方法である。
【0004】英国公開特許第1283335号には、ポ
リカーボネートの第1の溶媒の溶液からポリカーボネー
トを回収する方法が記載されている。この方法は、少な
くとも1種類のポリカーボネートの第2の溶媒の蒸気を
少なくとも80%含む霧状の流体を用いて、第1の溶媒
の溶液を細かい分散液のスプレー状として、熱せられた
不活性ガスの向流中に導入することによって、該分散液
から溶媒を除去し、得られた固体を分離し、ポリカーボ
ネートを粉体として得ることを特徴とする方法である。
該公報には、製造されるポリカーボネート粒状体が、7
〜10%の残存溶媒を含むものであることが記載されて
いる。しかし、上記のいずれの方法を用いても、得られ
るポリカーボネートの粒状体は、嵩密度が低く、かつ乾
燥性が悪い。現在、嵩密度が高く、かつ、乾燥性のよい
ポリカーボネート粒状体を製造する方法が要望されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、嵩密
度が高く、かつ、乾燥性がよいポリカーボネート粒状体
の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の要
望に応えるべく、ポリカーボネート粒状体の製造方法に
関し鋭意検討した結果、本発明を完成するに到った。す
なわち、本発明は、ポリカーボネートの有機溶媒溶液か
らポリカーボネート粒状体を製造する方法において、ポ
リカーボネートと、少なくとも1種の常圧下での沸点が
100℃未満のポリカーボネートに対する良溶媒Aと、
少なくとも1種の常圧下での沸点が100℃を越えるポ
リカーボネートに対する良溶媒Bとを含むポリカーボネ
ートの有機溶媒溶液から、溶媒Aの沸点より高く、かつ
溶媒Bの沸点より低い温度で、溶媒Aの少なくとも90
重量%を除去してポリカーボネートの粒状体を得ること
を特徴とするポリカーボネート粒状体の製造方法に関す
るものである。
【0007】本発明の製造方法において使用されるポリ
カーボネートは、脂肪族ポリカーボネートまたは芳香族
ポリカーボネートであり、好ましくは、芳香族ポリカー
ボネートである。ポリカーボネートは、界面重合法、溶
液重合法またはエステル交換法により製造され、好まし
くは、界面重合法により製造される。界面重合法は、例
えば、水と有機溶媒の2相混合溶液中で、ジヒドロキシ
化合物とカーボネート前駆体を、塩基の作用により、反
応させることにより、ポリカーボネートを製造する方法
である。その際、ポリカーボネート生成触媒、末端封止
剤および/または分岐剤を使用してもよい。得られたポ
リカーボネートは、次に、洗浄処理される。ポリカーボ
ネートの洗浄処理としては、ポリカーボネートを含む有
機相と水相とを分液し、ポリカーボネートを含む有機相
を、必要に応じ、水または希薄アルカリ水溶液により洗
浄し、次に、希薄酸水溶液により中和する。その際使用
される酸は、塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸等である。その
後、実質的に電解質が存在しなくなるまで、繰り返し水
で洗浄され、ポリカーボネート溶液が得られる。
【0008】このようにして得られたポリカーボネート
溶液は、必要に応じ、有機溶媒の一部が除去され、およ
び/または、新たな有機溶媒が加えられ、本発明のポリ
カーボネートの有機溶媒溶液とされる。また、ポリカー
ボネートの有機溶媒溶液は、ポリカーボネートの固体を
有機溶媒に溶解して調製したものでもよく、さらに別の
方法によって調製したものでもよい。ポリカーボネート
の平均分子量には、特に制限はなく、通常、重量平均分
子量が約15000〜約150000、好ましくは、約
20000〜約100000のものが使用される。
【0009】ポリカーボネートの原料となるジヒドロキ
シ化合物は、芳香族ジヒドロキシ化合物または脂肪族ジ
ヒドロキシ化合物である。芳香族ジヒドロキシ化合物
は、好ましくは、式(1)または式(2)で表される化
合物である。 HO−Ar1−Y−Ar2−OH (1) HO−Ar3−OH (2) (式中、Ar1、Ar2およびAr3は各々2価の芳香族基
を、YはAr1とAr2を結び付ける連結基を表す)式
(1)または式(2)において、Ar1、Ar2およびAr3
は、各々2価の芳香族基であり、好ましくは、置換また
は無置換のフェニレン基である。置換フェニレン基の置
換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、シクロ
アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール
基、アルコキシ基等である。Ar1とAr2は、好ましく
は、両方が、置換基を有していてもよいp−フェニレン
基、m−フェニレン基またはo−フェニレン基、また
は、一方がp−フェニレン基であり、一方がm−フェニ
レン基またはo−フェニレン基である。特に好ましく
は、両方が置換基を有していてもよいp−フェニレン基
である。
【0010】Ar3は、置換基を有していてもよいp−フ
ェニレン基、m−フェニレン基またはo−フェニレン基
であり、好ましくは、置換基を有していてもよいp−フ
ェニレン基またはm−フェニレン基である。YはAr1
Ar2を結び付ける連結基であり、単結合または2価の炭
化水素基、または、−O−、−S−、−SO−、−SO
2 −、−CO−等の炭素と水素以外の原子を含む基であ
る。2価の炭化水素基は、例えば、メチレン基、エチレ
ン基、2,2−プロピリデン基、シクロヘキシリデン基
等のアルキリデン基、アリール基等で置換されたアルキ
リデン基、芳香族基やその他の不飽和の炭化水素基を含
有する炭化水素基である。
【0011】芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例は、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジメチル
プロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン〔”ビスフェノールA”〕、2−(4’−ヒド
ロキシフェニル)−2−(3”−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ノナン、
【0012】ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、2,2−ビス(3'−メチル−4’−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−
イソプロピル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3’−sec −ブチル−4’−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−tert−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3’−シクロヘキシル−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3’−アリル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’,
5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル) プロパ
ン、2,2−ビス(3’−クロロ−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3’,5’−ジクロ
ロ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3’−ブロモ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒ
ドロキシアリール)アルカン類、
【0013】1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3’−メチル
−4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1
−ビス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3’,5’−ジ
クロロ−4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス (4’−ヒドロキシフェニル)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4'−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘプタン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)アダマンタン等のビ
ス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4'−
ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキ
シ−3,3'−ジメチルジフェニルエーテル、エチレング
リコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等の
ビス(ヒドロキシアリール)エーテル類、
【0014】4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のビス(ヒドロ
キシアリール)スルフィド類、4,4'−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホキシド等のビス(ヒドロキ
シアリール)スルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジフェニ
ル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,
3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン等のビス(ヒドロキシアリール)スルホン類、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン等のビス(ヒドロ
キシアリール)ケトン類、
【0015】更には、3,3,3',3'−テトラメチル−
6,6'−ジヒドロキシスピロ(ビス)インダン〔”スピ
ロビインダンビスフェノール”〕、3,3',4,4'−テ
トラヒドロ−4,4,4',4'−テトラメチル−2,2'−
スピロビ(2H−1−ベンゾピラン)−7,7'−ジオー
ル〔”スピロビクロマン”〕、トランス−2,3−ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、9,9−ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,6−ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジオ
ン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,
α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−m−キシレン、2,6−ジヒド
ロキシジベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキ
シチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチイ
ン、9,10−ジメチル−2,7−ジヒドロキシフェナ
ジン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−
ジヒドロキシジベンゾチオフェン、4,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、
2,7−ジヒドロキシピレン、ハイドロキノン、レゾル
シン等である。また、ビスフェノールA2モルとイソフ
タロイルクロライド又はテレフタロイルクロライド1モ
ルとの反応により製造されるエステル結合を含む芳香族
ジヒドロキシ化合物も有用である。これらは単独で使用
しても、複数併用してもよい。
【0016】脂肪族ジヒドロキシ化合物は、好ましく
は、式(3)または式(4)で表される化合物である。 HO−R−OH (3) HO−R' −Ar4 −R' −OH (4) (式中、RおよびR’は各々2価の脂肪族基を、Ar4
2価の芳香族基を表す)式(3)において、Rは、2価
の脂肪族基であり、好ましくは、炭素数2〜20のアル
キレン基、炭素数4〜12のシクロアルキレン基であ
る。R’は、2価の脂肪族基であり、好ましくは、炭素
数1〜6のアルキレン基である。Ar4は、2価の芳香族
基であり、好ましくは、炭素数6〜12の2価の芳香族
基である。脂肪族ジヒドロキシ化合物の具体例は、エチ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジ
オール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジ
オール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデ
カンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペン
チルグリコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−
シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオ
ール、2,2−ビス(4’−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)プロパン、キシリレンジオール、1,4−ビス
(2’−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス
(3’−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、1,4−ビス
(4’−ヒドロキシブチル)ベンゼン、1,4−ビス
(5’−ヒドロキシペンチル)ベンゼン、1,4−ビス
(6’−ヒドロキシヘキシル)ベンゼン等である。これ
らは単独で使用しても、複数併用してもよい。また、芳
香族ジヒドロキシ化合物と併用してもよい。ジヒドロキ
シ化合物は、より好ましくは、芳香族ジヒドロキシ化合
物であり、特に好ましくは、ビスフェノールAである。
【0017】ポリカーボネートの原料となるカーボネー
ト前駆体は、ジアリールカーボネート化合物、ジアルキ
ルカーボネート化合物、アルキルアリールカーボネート
化合物またはハロゲン化カルボニル化合物であり、好ま
しくは、ハロゲン化カルボニル化合物である。ハロゲン
化カルボニル化合物としては、通常、ホスゲンと呼ばれ
る塩化カルボニルが使用される。また、塩素以外のハロ
ゲンより誘導されるハロゲン化カルボニル化合物、例え
ば、臭化カルボニル、ヨウ化カルボニル、フッ化カルボ
ニルも有用である。また、ハロホーメート基を形成させ
る能力を有する化合物、例えば、ホスゲンの2量体であ
るトリクロロメチルクロロホーメートやホスゲンの3量
体であるビス(トリクロロメチル)カーボネートも有用
である。これらは単独で使用しても、複数併用してもよ
い。通常、好ましく使用されるカーボネート前駆体はホ
スゲンである。
【0018】また、本発明の製造方法で使用されるポリ
カーボネートは、ポリエステルカーボネートを包含する
ものである。ポリエステルカーボネートは、例えば、ジ
ヒドロキシ化合物、カーボネート前駆体および二塩基酸
塩化物から製造される。ポリエステルカーボネートの平
均分子量には、特に制限は無く、通常、約1000〜約
100000のものが使用される。ポリエステルカーボ
ネートの原料となるジヒドロキシ化合物およびカーボネ
ート前駆体は、上記のジヒドロキシ化合物およびカーボ
ネート前駆体である。
【0019】ポリエステルカーボネートの原料となる二
塩基酸塩化物は、例えば、シュウ酸、マロン酸、ジメチ
ルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽
和脂肪族二塩基酸やハロゲン置換脂肪族二塩基酸、チオ
グリコール酸、ジチオグリコール酸などの脂肪鎖中にヘ
テロ原子を含有する脂肪族二塩基酸、マレイン酸、フマ
ール酸などの不飽和脂肪族二塩基酸、フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、ホモフタル酸、o−フェニレン
ジ酢酸、m−フェニレンジ酢酸、p−フェニレンジ酢酸
等の非置換または脂肪族置換の芳香族ジカルボン酸、ジ
フェン酸、1,4−ナフタリンジカルボン酸等の多環式
芳香族ジカルボン酸、等の二塩基酸の塩化物である。こ
れらは単独で使用しても、複数併用してもよい。特に好
ましく使用される二塩基酸塩化物は、テレフタル酸、イ
ソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸の塩化物である。ま
た、これらのポリエステルカーボネートは、ポリカーボ
ネートと混合して使用してもよい。
【0020】本発明の製造方法で使用されるポリカーボ
ネートは、さらに、他のポリマーを混合したものでもよ
い。他のポリマーの具体例は、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸
メチル、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、パラオキシベンゾイル系ポリエステル、ポリ
アリーレート、ポリスルフィド等である。これらは、有
機溶媒溶液としてポリカーボネートとともに使用され
る。他のポリマーの含有量は、ポリカーボネートに対し
て、通常、90重量%以下であり、より好ましくは、7
0重量%以下、さらに好ましくは、50重量%以下であ
る。
【0021】本発明の製造方法において、ポリカーボネ
ートの有機溶媒溶液は、ポリカーボネートと、少なくと
も1種の常圧下での沸点が100℃未満のポリカーボネ
ートに対する良溶媒Aと、少なくとも1種の常圧下での
沸点が100℃を越えるポリカーボネートに対する良溶
媒Bとを含むものである。良溶媒とは、通常、ポリカー
ボネートを約1重量%以上溶解する有機溶媒を意味す
る。溶媒Aは、好ましくは、ポリカーボネートの溶解度
が溶媒Bより大きい有機溶媒である。溶媒Aは、より好
ましくは、常温において、ポリカーボネートを約5重量
%以上、さらに好ましくは、約10重量%以上、特に好
ましくは、約20重量%以上溶解する有機溶媒である。
また、溶媒Aは、好ましくは、常圧下での沸点が、約1
0〜約90℃、より好ましくは、約20〜約80℃、さ
らに好ましくは、約30〜約70℃の有機溶媒である。
【0022】溶媒Aの具体例としては、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−
ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、ジ
クロロプロパン等の脂肪族塩素化炭化水素、テトラヒド
ロフランまたはそれらの混合物が挙げられる。溶媒A
は、さらに好ましくは、脂肪族塩素化炭化水素であり、
特に好ましくは、ジクロロメタンである。溶媒Aの使用
量は、ポリカーボネートに対して、好ましくは、約1.
5〜約10重量倍であり、より好ましくは、約1.8〜
約8重量倍であり、さらに好ましくは、約2〜約6重量
倍である。
【0023】溶媒Bは、好ましくは、ポリカーボネート
の溶解度が溶媒Aより小さい有機溶媒であり、より好ま
しくは、常温において、ポリカーボネートを約1〜約1
0重量%程度溶解する有機溶媒である。また、溶媒B
は、好ましくは、常圧下での沸点が、約100〜約25
0℃、より好ましくは、約110〜約200℃、さらに
好ましくは、約120〜約180℃の有機溶媒である。
溶媒Bの具体例としては、クロロベンゼン、o−、m−
またはp−ジクロロベンゼン、o−、m−またはp−ク
ロロトルエン、o−、m−またはp−クロロニトロベン
ゼン等の芳香族塩素化炭化水素、3−フェノキシトルエ
ン等のアルキル置換フェニルエーテル、4−ブロモフェ
ニルエーテル等のハロゲン置換フェニルエーテル、ブロ
モベンゼン、アニソール、ジオキサン、フェニルエーテ
ルまたはそれらの混合物である。溶媒Bは、さらに好ま
しくは、芳香族塩素化炭化水素であり、特に好ましく
は、クロロベンゼンである。
【0024】溶媒Bの使用量は、ポリカーボネートに対
して、好ましくは、約0.1〜約5重量倍であり、より
好ましくは、約0.3〜約3重量倍であり、さらに好ま
しくは、約0.5〜約2重量倍である。また、溶媒Aの
使用量は、溶媒Bの使用量にも依存するが、溶媒Bの使
用量に対して、好ましくは、約0.3〜約20重量倍で
あり、より好ましくは、約1〜約10重量倍であり、さ
らに好ましくは、約1.5〜約8重量倍であり、特に好
ましくは、約2〜約7重量倍である。また、溶媒Aおよ
び溶媒Bは、ポリカーボネート粒状体を製造する際に生
じる回収有機溶媒でもよい。さらにその回収有機溶媒と
新しい有機溶媒を混合した有機溶媒でもよい。
【0025】本発明の製造方法は、任意の圧力下で実施
することができる。圧力は、該圧力下での温度が、溶媒
Aの沸点より高く、かつ溶媒Bの沸点より低い温度に維
持されるように調節される。本発明の製造方法が実施さ
れる温度は、溶媒Aの沸点より高く、かつ、溶媒Bの沸
点より低い温度である。好ましくは、(溶媒Aの沸点)
〜(溶媒Bの沸点−10℃)の範囲の温度であり、より
好ましくは、(溶媒Aの沸点+10℃)〜(溶媒Bの沸
点−20℃)の範囲の温度であり、さらに好ましくは、
(溶媒Aの沸点+20℃)〜(溶媒Bの沸点−30℃)
の範囲の温度である。例えば、溶媒Aとしてジクロロメ
タン、溶媒Bとしてクロロベンゼンを使用し、大気圧下
で本発明の製造方法を実施する場合、約40〜約120
℃が好ましく、約50〜約110℃がより好ましく、約
60〜約100℃がさらに好ましい。
【0026】本発明の製造方法において、有機溶媒溶液
中のポリカーボネートの濃度は、7〜35重量%が好ま
しく、10〜30重量%がより好ましく、12〜25重
量%がさらに好ましい。有機溶媒溶液中のポリカーボネ
ートの濃度が、約7重量%よりも過度に低い場合、得ら
れるポリカーボネート粒状体は、嵩密度が低いものとな
る。また、有機溶媒溶液中のポリカーボネートの濃度
が、約35重量%よりも過度に高い場合、該溶液の粘度
が高く、取扱いが困難である。上記のような系中におい
て、溶媒Aの少なくとも90重量%を除去することによ
り、本発明のポリカーボネート粒状体を得る。ポリカー
ボネート粒状体製造時、除去される溶媒Aの量が、90
重量%よりも過度に少ない場合、得られるポリカーボネ
ート粒状体は、乾燥性が悪く、有機溶媒が残存しやす
い。
【0027】また、得られるポリカーボネート粒状体
は、好ましくは、ポリカーボネート粒状体に対して、1
〜50重量%の溶媒Bを含有するポリカーボネート粒状
体であり、より好ましくは、5〜40重量%、特に好ま
しくは、10〜30重量%の溶媒Bを含有するポリカー
ボネート粒状体である。このことは、溶媒Aの沸点より
高く、かつ溶媒Bの沸点より低い温度に維持された系中
であっても、溶媒Bの若干量は、溶媒Aと共に除去され
ることを意味する。ポリカーボネート粒状体製造時、溶
媒Bの含有量が、ポリカーボネート粒状体に対して1重
量%よりも過度に少ない粒状体とした場合、その後の乾
燥性が悪く、有機溶媒が残存しやすい。尚、粒状体中の
溶媒Aおよび溶媒Bの含有量は、除去された溶媒Aおよ
び溶媒Bの量を測定することにより、調べることができ
る。具体的には、除去された溶媒Aおよび溶媒Bの混合
物の一部を取り出し、ガスクロマトグラフィーまたは液
体クロマトグラフィー等により測定する方法、または、
該混合物を蒸留して溶媒Aおよび溶媒Bを分離し、それ
ぞれの量を測定する方法等がある。さらには、粒状体の
一部を取り出し、粒状体中の溶媒Aおよび溶媒Bの含有
量を、ガスクロマトグラフィー等により測定する方法で
もよい。
【0028】以上の方法により、嵩密度が高く、乾燥性
がよいポリカーボネート粒状体を好適に製造することが
できる。乾燥性がよいポリカーボネート粒状体とは、ポ
リカーボネートの有機溶媒溶液からポリカーボネート粒
状体を製造した後、得られた粒状体からさらに有機溶媒
を除去し、実質的に有機溶媒を含有しない粒状体とする
際、容易に有機溶媒が除去され得る粒状体を意味する。
実質的に有機溶媒を含有しないポリカーボネート粒状体
とは、有機溶媒の含有量が、ポリカーボネート粒状体の
重量に対して、通常、約500ppm以下、好ましく
は、約200ppm以下、より好ましくは、約100p
pm以下のものを意味する。
【0029】ポリカーボネート粒状体から、さらに有機
溶媒を除去する方法は、連続操作でもよく、回分操作で
もよい。具体的には、任意の圧力下、その圧力下におい
て有機溶媒が除去され得る温度にし、自然乾燥、また
は、不活性ガス、水蒸気等を使用して行われる。その
際、静置して回分的に行ってもよく、コンベア等を使用
して連続的に行ってもよい。また、任意の撹拌装置を使
用してもよく、その際、該撹拌装置により、ポリカーボ
ネート粒状体をさらに細かく粉砕しながら有機溶媒を除
去してもよい。
【0030】本発明の製造方法では、その実施に際し
て、水、水蒸気および/または不活性ガスを使用しても
よい。しかし、上記の有機溶媒以外の有機溶媒を使用す
る必要はない。それらを使用しても、特に効果はなく、
無駄になるだけである。ポリカーボネートに対する貧溶
媒(ポリカーボネートの溶解度が約1重量%未満の有機
溶媒)、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素
類、メタノール、イソプロパノール等のアルコール類等
は、本発明の製造方法においては、特に効果がない。
【0031】水としては、蒸留水、イオン交換水または
それらの混合物等が使用できる。また、ポリカーボネー
ト粒状体を製造する際に生じる回収水を使用してもよ
く、その回収水を新しい水と混合して使用してもよい。
水の使用方法としては、予め系中に存在させておいても
よく、連続的または断続的に系中に添加してもよい。ま
た、一部の水を予め系中に存在させておき、さらに別の
水を、連続的または断続的に系中に添加してもよい。水
蒸気としては、上記の水を加熱して得られる水蒸気が使
用される。水蒸気は、連続的に系中に添加するのが好ま
しい。不活性ガスとしては、ポリカーボネートの有機溶
媒溶液に対して不活性なガスであれば、任意のものが使
用可能である。このような不活性ガスは、窒素ガス、ア
ルゴンガス、二酸化炭素、空気等であり、好ましくは、
窒素ガスである。不活性ガスは、連続的に系中に供給す
るのがよい。
【0032】本発明の製造方法に使用される装置として
は、例えば、ニーダー、ハンドミキサー、パドルミキサ
ー、ロータリードラム型混合器、リボン乾燥器、ディス
クドライヤー、撹拌装置として、パドル翼、プロペラ
翼、タービン翼、格子翼または櫂型翼等の単純な撹拌翼
を備えた撹拌槽、ヘンシェルミキサー〔三井三池化工器
(株)製〕、ナウターミキサー〔ホソカワミクロン
(株)製〕、TURBO SPHEREミキサー〔住友重機械工業
(株)製〕、タービュライザー〔ホソカワミクロン
(株)製〕、スタティックミキサー、コロイドミル、オ
リフィスミキサー、フロージェットミキサー、ホモジナ
イザー、ホモミキサー、ミキサー等、公知の撹拌装置、
混合装置、またはそれらの装置を任意に組み合わせた装
置等である。撹拌は、製造されるポリカーボネート粒状
体が十分に混合される程度でよい。また、場合により、
激しく撹拌してもよい。例えば、ニーダーを使用する場
合、数十rpm程度、撹拌槽を使用する場合、数百rp
m程度で十分である。
【0033】本発明の製造方法は、回分式で実施しても
よく、連続式で実施してもよい。以下に、本発明のさら
に具体的な実施態様を示す。本発明の製造方法を、回分
式で実施する場合、例えば、ポリカーボネートの有機溶
媒溶液を系中に入れ、任意の圧力下、その圧力下におけ
る溶媒Aの沸点より高く、かつ、溶媒Bの沸点より低い
温度範囲に加熱し、その温度範囲に維持しながら、少な
くとも90重量%の溶媒Aを除去し、生じたゲル状物を
粉砕し、ポリカーボネート粒状体を製造する。その際、
水、水蒸気および/または不活性ガスを任意に使用して
もよい。水を使用した場合、ポリカーボネート粒状体
は、水スラリーとして得られる。
【0034】本発明の製造方法を、連続式で実施する場
合、例えば、任意の圧力下、その圧力下における溶媒A
の沸点より高く、かつ、溶媒Bの沸点より低い温度に維
持された系中に、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を連
続的に装入し、少なくとも90重量%の溶媒Aを連続的
に除去し、ポリカーボネート粒状体を製造する。その際
も、水、水蒸気および/または不活性ガスを任意に使用
してもよい。水を使用した場合、ポリカーボネート粒状
体は、水スラリーとして得られる。また、その際、系中
に、若干量のポリカーボネート粒状体を予め加えておい
てもよい。さらに、得られたポリカーボネート粒状体を
系外へ取り出す部分を備えた装置を使用することによ
り、ポリカーボネート粒状体を連続的に系外に取り出
し、ポリカーボネート粒状体を連続的に製造してもよ
い。
【0035】また、例えば、複数の帯域を有する混合装
置を使用し、本発明の製造方法を連続的に実施すること
ができる。その場合、任意の圧力下、その圧力下におけ
る溶媒Aの沸点より高く、かつ、溶媒Bの沸点より低い
範囲の温度で、各帯域を異なる温度に維持させ、少なく
とも90重量%の溶媒Aを段階的に除去し、ポリカーボ
ネート粒状体を製造する。その際も、水、水蒸気および
/または不活性ガスを任意に使用してもよい。水を使用
する場合、ポリカーボネート粒状体は、水スラリーとし
て得られる。またその際、系中に、若干量のポリカーボ
ネート粒状体を予め加えておいてもよい。さらに、得ら
れたポリカーボネート粒状体を系外へ取り出す部分を備
えた装置を使用することにより、ポリカーボネート粒状
体を連続的に系外に取り出し、ポリカーボネート粒状体
を連続的に製造してもよい。以上のような操作により、
本発明の製造方法が実施される。
【0036】本発明の製造方法は、任意の安定化剤の存
在下で実施してもよい。その際、安定化剤は、予めポリ
カーボネートの有機溶媒溶液中に存在させておいてもよ
く、任意の時点で添加してもよい。安定化剤は、例え
ば、燐系加工安定剤、酸化防止剤等の加工および熱安定
剤、紫外線吸収剤等の耐光安定剤である。例えば、トリ
ブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホ
スファイト、トリデシルホスファイト、トリステアリル
ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジ
ルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホス
ファイト、デシル−ジフェニルホスファイト、フェニル
−ジ−2−エチルヘキシルホスファイト、フェニル−ジ
デシルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイ
ト、ジステアリル−ペンタエリスリチル−ジホスファイ
ト、トリス(混合モノ−、ジ−フェニル)ホスファイ
ト、オクチル−〔2,2’−ジ(4,6−ジ−tert−ブ
チルフェニル)メチレンホスファイト等の亜燐酸エステ
ル類、
【0037】トリエチルホスフィン、トリイソプロピル
ホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリシクロ
ヘキシルホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、ト
リフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリス
(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,
4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(o
−トリル)ホスフィン、トリス(o−アニシル)ホスフ
ィン、ジフェニルブチルホスフィン、ジフェニルオクタ
デシルホスフィン、トリス−(p−ノニルフェニル)ホ
スフィン、トリス(ナフチル)ホスフィン、ジフェニル
−(ヒドロキシメチル)ホスフィン、ジフェニル−アセ
トキシメチルホスフィン、ジフェニル−(β−エチルカ
ルボキシエチル)ホスフィン、ジフェニルベンジルホス
フィン、ジフェニル−(p−ヒドロキシフェニル)ホス
フィン、ジフェニル-1,4−ジヒドロキシフェニル−
2−ホスフィン、フェニルナフチルベンジルホスフィン
等の有機ホスフィン類、
【0038】トリフェニルホスホナイト、ジノニルフェ
ニルホスホナイト、ジイソオクチルフェニルホスホナイ
ト、フェニル(2,4,6−トリメチルフェニル)フェ
ニルホスホナイト、〔(3−エチルオキセタニル−3)
−メチル〕−(2,4,6−トリメチルフェニル)フェ
ニルホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブ
チルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイ
ト等の有機ホスホナイト類、2,6−ジ−tert−ブチル
−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エ
チルフェノール、2,2'−メチレンビス(6−tert−ブ
チル−p−クレゾール)、4,4'−メチレンビス(6−
tert−ブチル−o−クレゾール)、4,4'−メチレンビ
ス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、テトラキス
−〔メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、4,4'
−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、ス
テアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、オクタデシル−
3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル
等のフェノール系抗酸化剤、
【0039】2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,
5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2
H−ベンゾトリアゾール、3’,3’−ビス〔2−
(5’−オクチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾリル〕メタン等のベンゾトリアゾール類等が挙
げられる。これらは単独で使用しても、複数併用しても
よい。安定化剤の使用量は、安定化効果を示す量であれ
ばよい。各安定化剤により使用量は若干異なり、通常、
ポリカーボネートに対して、約0.1ppm〜約500
0ppmが好ましい。また、上記の安定化剤の他に、ポ
リカーボネート粒状体の製造前、製造時または製造後
に、任意の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、
顔料、染料、加水分解安定剤、耐衝撃安定剤、離型剤、
有機ハロゲン化合物、アルカリ金属スルホン酸塩、ガラ
ス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、硫酸バリウム、Ti
2 等が挙げられる。
【0040】本発明の方法により製造される芳香族ポリ
カーボネート粒状体は、単独で、または他のポリマーと
混合して成形材料として使用することができる。他のポ
リマーの具体例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポ
リトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエー
テルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、パ
ラオキシベンゾイル系ポリエステル、ポリアリーレー
ト、ポリスルフィド等である。
【0041】本発明の方法により製造されるポリカーボ
ネート粒状体は、特定の有機溶媒(例えば、ジクロロメ
タン等のハロゲン化炭化水素系溶媒)に可溶であり、該
有機溶媒溶液よりフィルムのような成形加工品に加工す
ることができる。本発明の方法により製造されるポリカ
ーボネート粒状体は、熱可塑性であり、溶融物から射出
成形、押し出し成形、吹き込み成形、積層等の公知の成
形法により容易に成形加工することができる。また、本
発明の方法により製造されるポリカーボネート粒状体
は、単独または他のポリマーと混合した状態で、所望に
より、上記の安定化剤または添加剤を添加して、電気機
器等のシャーシやハウジング材、電子部品、自動車部
品、ガラス代替えの建材、データ保存用ディスクまたは
オーディオ用コンパクトディスク等の情報記録媒体の基
盤、カメラまたは眼鏡のレンズ等の光学材料等に成形す
ることが可能である。
【0042】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。 重合例1 10リットルのバッフル付フラスコに、三段六枚羽根の
攪拌機および還流冷却管を取り付けた。このフラスコ
に、ビスフェノールA912g(4.0モル)、p−te
rt−ブチルフェノール20.7g(ビスフェノールAに
対して3.44モル%)、ジクロロメタン5320g及
び水4リットルを入れ、フラスコ内の酸素を除去する為
に窒素パージを行った。次に、上記懸濁液にナトリウム
ハイドロサルファイト1.8gおよび水酸化ナトリウム
436g(10.91モル)の水溶液1.5リットルを
供給し、15℃でビスフェノールAを溶解した。撹拌下
に、この混合物にホスゲン467g(4.72モル)を
30分間で供給した。その後、トリエチルアミン0.3
2g(ビスフェノールAに対して0.08モル%)を添
加して60分間攪拌し、反応を終結させた。その後、反
応混合物を静置し、有機相を分液し、塩酸により中和
し、電解質が無くなるまで繰り返し水で洗浄した。得ら
れたポリカーボネートの重量平均分子量は、51800
であった。このようにして得られたポリカーボネートの
ジクロロメタン溶液を使用して、以下の各実施例および
各比較例に従い、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を調
整した。
【0043】実施例1 ポリカーボネートのジクロロメタン溶液633.6g
を、パドル翼が取り付けられた2リットルのフラスコに
入れ、ジクロロメタン433.2gおよびクロロベンゼ
ン457.2gを加え、1524g(ポリカーボネート
101.6g、ジクロロメタン965.2g、クロロベ
ンゼン457.2g)とし、ポリカーボネートの有機溶
媒溶液を調整した。フラスコを120℃に加熱し、有機
溶媒を除去しながら、200rpmで120分間撹拌
し、ポリカーボネート粒状体を得た。次に、得られたポ
リカーボネート粒状体を、120℃、30〜40mmH
gにて6時間乾燥した。
【0044】実施例2 1リットルのフラスコに、パドル翼を取り付けた。この
フラスコに、ポリカーボネートのジクロロメタン溶液6
33.6g(ポリカーボネート101.6g、ジクロロ
メタン532g)を入れ、ジクロロメタン100gおよ
びクロロベンゼン224gを加え、ポリカーボネートの
有機溶媒溶液を調整した。フラスコを45℃に加熱し、
有機溶媒を除去しながら、200rpmで120分間撹
拌し、ポリカーボネート粒状体を得た。次に、得られた
ポリカーボネート粒状体を、120℃、30〜40mm
Hgにて6時間乾燥した。
【0045】実施例3 ポリカーボネートのジクロロメタン溶液633.6gよ
りジクロロメタン125.6gを除去し、508g(ポ
リカーボネート101.6g、ジクロロメタン406.
4g)とした。このジクロロメタン溶液を、パドル翼が
取り付けられた1リットルのフラスコに入れ、さらにク
ロロベンゼン60gを加え、ポリカーボネートの有機溶
媒溶液を調整した。フラスコを55℃に加熱し、有機溶
媒を除去しながら、200rpmで60分間撹拌し、ポ
リカーボネート粒状体を得た。次に、得られたポリカー
ボネート粒状体を、120℃、30〜40mmHgにて
6時間乾燥した。
【0046】実施例4 ポリカーボネートのジクロロメタン溶液633.6gよ
りジクロロメタン125.6gを除去し、508g(ポ
リカーボネート101.6g、ジクロロメタン406.
4g)とし、さらにクロロベンゼン63.4gを加え、
ポリカーボネートの有機溶媒溶液を調整した。この有機
溶媒溶液を、200rpmの撹拌下、110℃に維持さ
れた、パドル翼が取り付けられた1リットルのフラスコ
に連続的に添加し、ポリカーボネート粒状体を連続的に
得た。その際、有機溶媒溶液の添加と同時に、窒素ガス
をフラスコに供給し、60分間で有機溶媒溶液の添加を
終了した。次に、得られたポリカーボネート粒状体を、
窒素ガスの供給を続けながら、約120℃、約200r
pmで撹拌し、さらに粉砕しながら6時間乾燥した。
【0047】実施例5 ポリカーボネートのジクロロメタン溶液633.6gよ
りジクロロメタン125.6gを除去し、508g(ポ
リカーボネート101.6g、ジクロロメタン406.
4g)とし、さらにo−ジクロロベンゼン101.6g
およびトリス(ノニルフェニル)ホスファイト30mg
(ポリカーボネートに対して300ppm)を加え、ポ
リカーボネートの有機溶媒溶液を調整した。この有機溶
媒溶液を、200rpmの撹拌下、70℃に維持され
た、パドル翼が取り付けられた1リットルのフラスコに
連続的に添加し、ポリカーボネート粒状体を連続的に得
た。その際、フラスコには、予め水200gを入れてお
き、60分間で有機溶媒溶液の添加を終了した。次に、
得られたポリカーボネート粒状体を、120℃、30〜
40mmHgにて6時間乾燥した。
【0048】実施例6 ポリカーボネートのジクロロメタン溶液633.6gよ
りジクロロメタン125.6gを除去し、508g(ポ
リカーボネート101.6g、ジクロロメタン406.
4g)とし、さらにo−クロロニトロベンゼン101.
6gおよびトリス(ノニルフェニル)ホスファイト30
mg(ポリカーボネートに対して300ppm)を加
え、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を調整した。この
有機溶媒溶液を、200rpmの撹拌下、75℃に維持
された、パドル翼が取り付けられ、底部に抜き取り口を
備えた0.5リットルのフラスコに連続的に添加し、ポ
リカーボネート粒状体を連続的に得た。その際、有機溶
媒溶液の添加と同時に、約100℃の水蒸気をフラスコ
に供給し、フラスコには、予めポリカーボネート粒状体
10gを入れておき、底部の抜き取り口より10分おき
にポリカーボネート粒状体15gを抜き取り、60分間
で有機溶媒溶液の添加を終了した。次に、得られたポリ
カーボネート粒状体を、120℃、30〜40mmHg
にて6時間乾燥した。
【0049】実施例7 ポリカーボネートのジクロロメタン溶液633.6gよ
りジクロロメタン293.6gを除去し、340g(ポ
リカーボネート101.6g、ジクロロメタン238.
4g)とし、さらにクロロベンゼン152.4gを加
え、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を調整した。この
有機溶媒溶液を、80℃に維持された、有機溶媒の留出
管を備えた1リットルの2軸ニーダーに入れた。有機溶
媒を除去しながら、50rpmで40分間撹拌を行い、
ポリカーボネート粒状体を得た。その間、窒素ガスをフ
ラスコに供給し続けた。次に、得られたポリカーボネー
ト粒状体を、120℃、30〜40mmHgにて6時間
乾燥した。
【0050】実施例8 ポリカーボネートのジクロロメタン溶液633.6gよ
りジクロロメタン125.6gを除去し、508g(ポ
リカーボネート101.6g、ジクロロメタン406.
4g)とし、これにABS樹脂67.7g〔三井東圧化
学(株)社製、サンタックUT−61B〕のジクロロメ
タン溶液270g(ジクロロメタン202.3g)、お
よびクロロベンゼン169gを加え、ポリカーボネート
の有機溶媒溶液を調整した。この有機溶媒溶液を、パド
ル翼が取り付けられた1リットルのフラスコに入れ、8
0℃に加熱し、有機溶媒を除去しながら、200rpm
で60分間撹拌し、ポリカーボネート粒状体を得た。次
に、得られたポリカーボネート粒状体を、120℃、3
0〜40mmHgにて6時間乾燥した。
【0051】実施例9 ポリカーボネートのジクロロメタン溶液633.6gよ
りジクロロメタン293.6gを除去し、340g(ポ
リカーボネート101.6g、ジクロロメタン238.
4g)とし、さらにクロロベンゼン101.6gを加
え、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を調整した。この
有機溶媒溶液を、パドル翼が取り付けられた1リットル
のフラスコに入れた。フラスコを80℃に加熱し、有機
溶媒を除去しながら、200rpmで40分間撹拌し、
ポリカーボネート粒状体を得た。次に、得られたポリカ
ーボネート粒状体を、120℃、30〜40mmHgに
て6時間乾燥した。
【0052】比較例1(特公昭36−21033号公報
記載の方法) ポリカーボネートのジクロロメタン溶液633.6g
(ポリカーボネート101.6g、ジクロロメタン53
2g)を、パドル翼が取り付けられた4リットルのフラ
スコに入れ、約42℃に加熱し、約200rpmで12
0分間撹拌したところ、ゲル状物が得られた。次に、こ
のゲル状物を粉砕して、ポリカーボネート粒状体を得
た。次いで、3.5リットルの水を加え、約40〜約4
5℃に加熱し、6時間かけて有機溶媒を除去した。この
時点での、ポリカーボネート粒状体中のジクロロメタン
の残存量を測定したところ、ポリカーボネート粒状体に
対して7200ppmであったので、得られたポリカー
ボネート粒状体を、120℃、30〜40mmHgにて
さらに6時間乾燥した。
【0053】比較例2(特公昭36−21033号公報
記載の方法) ポリカーボネートのジクロロメタン溶液633.6g
を、パドル翼が取り付けられた4リットルのフラスコに
入れ、次いでo−ジクロロベンゼン406.4gを加
え、約40〜約45℃に加熱してジクロロメタンを除去
し、508g(ポリカーボネート101.6g、o−ジ
クロロベンゼン406.4g)とし、ポリカーボネート
の有機溶媒溶液を得た。次いで、約200rpmの撹拌
下、約80℃に加熱し、3.5リットルの水を加えた
後、冷却したところ、ゲル状物となった。次に、このゲ
ル状物を粉砕して、ポリカーボネート粒状体を得た。次
いで、約45〜約75℃、40〜80mmHgにて、6
時間かけて有機溶媒を除去した。この時点での、ポリカ
ーボネート粒状体中のo−ジクロロベンゼンの残存量を
測定したところ、ポリカーボネート粒状体に対して1
3.6重量%であったので、得られたポリカーボネート
粒状体を、120℃、30〜40mmHgにてさらに6
時間乾燥した。
【0054】比較例3 ポリカーボネートのジクロロメタン溶液633.6gよ
りジクロロメタン125.6gを除去し、508g(ポ
リカーボネート101.6g、ジクロロメタン406.
4g)とした。この有機溶媒溶液を、パドル翼が取り付
けられた1リットルのフラスコに入れ、さらにクロロベ
ンゼン101.6gを加え、ポリカーボネートの有機溶
媒溶液を調整した。フラスコを35℃に加熱し、200
rpmで120分間撹拌したが、有機溶媒は除去され
ず、ポリカーボネート粒状体は得られなかった。
【0055】比較例4 ポリカーボネートの有機溶媒溶液633.6gより、ジ
クロロメタン125.6gを除去し、508g(ポリカ
ーボネート101.6g、ジクロロメタン406.4
g)とした。この有機溶媒溶液を、パドル翼が取り付け
られた1リットルのフラスコに入れ、さらにクロロベン
ゼン101.6gを加え、ポリカーボネートの有機溶媒
溶液を調整した。フラスコを150℃に加熱し、有機溶
媒を除去しながら、200rpmで10分間撹拌し、ポ
リカーボネート粒状体を得た。次に、得られたポリカー
ボネート粒状体を、120℃、30〜40mmHgにて
6時間乾燥した。
【0056】第1表(表1)に、各実施例および各比較
例における、ポリカーボネートの有機溶媒溶液中のポリ
カーボネートの濃度(重量%)、溶媒Aの使用量(重量
倍、ポリカーボネートの重量に対して)および溶媒Bの
使用量(重量倍、ポリカーボネートの重量に対して)、
および粒状体製造時の系中の温度を示した。第2表(表
2)に、各実施例および各比較例における、乾燥前のポ
リカーボネート粒状体中の溶媒Aの残存量(重量%、ポ
リカーボネート粒状体の重量に対して)および溶媒Bの
残存量(重量%、ポリカーボネート粒状体の重量に対し
て)、乾燥後のポリカーボネート粒状体中の溶媒Aの含
有量(ppm、ポリカーボネート粒状体の重量に対し
て)および溶媒Bの含有量(ppm、ポリカーボネート
粒状体の重量に対して)、およびポリカーボネート粒状
体の嵩密度を示した。なお、測定方法は下記に示した通
りである。 ・ポリカーボネート粒状体中の溶媒の含有量:ポリカー
ボネート粒状体10mgを用いて、ガスクロマトグラフ
ィー(島津製作所GC−9A)により測定した。 ・嵩密度:JIS R−6126の方法に従い、ポリカ
ーボネート粒状体の嵩密度を測定した。
【0057】
【表1】 PC:ポリカーボネート
【0058】
【表2】 以上の結果から、本発明の製造方法により、嵩密度が高
く、かつ、乾燥性がよいポリカーボネート粒状体を好適
に製造できることが判る。
【0059】
【発明の効果】本発明により、嵩密度が高く、かつ、乾
燥性がよいポリカーボネート粒状体を提供することが可
能になった。
フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 審査官 森川 聡 (56)参考文献 特開 平5−32793(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42 C08J 3/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネートの有機溶媒溶液からポ
    リカーボネート粒状体を製造する方法において、ポリカ
    ーボネートと、少なくとも1種の常圧下での沸点が10
    0℃未満のポリカーボネートに対する良溶媒Aと、少な
    くとも1種の常圧下での沸点が100℃を越えるポリカ
    ーボネートに対する良溶媒Bとを含むポリカーボネート
    の有機溶媒溶液から、溶媒Aの沸点より高く、かつ溶媒
    Bの沸点より低い温度で、溶媒Aの少なくとも90重量
    %を除去してポリカーボネートの粒状体を得ることを特
    徴とするポリカーボネート粒状体の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機溶媒溶液中のポリカーボネートの濃
    度が、7〜35重量%である請求項1記載のポリカーボ
    ネート粒状体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネート粒状体が、粒状体に対
    して1〜50重量%の溶媒Bを含有するものである請求
    項1または2記載のポリカーボネート粒状体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 水、水蒸気および/または不活性ガスを
    用いる請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネー
    ト粒状体の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート粒状体から、さらに有
    機溶媒を除去して、実質的に有機溶媒を含有しない粒状
    体とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネ
    ート粒状体の製造方法。
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