JP4567981B2 - 精製ポリカーボネート有機溶液および高純度ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

精製ポリカーボネート有機溶液および高純度ポリカーボネートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、界面重縮合法により得られる水溶性不純物を含有する粗製ポリカーボネート有機溶液を水性洗浄液を用いて洗浄し、精製ポリカーボネート有機溶液を製造する方法および該精製ポリカーボネート有機溶液を用いる高純度ポリカーボネートの製造方法に関する。さらに、詳しくは、界面重縮合法により得られる水溶性不純物を含有する粗製ポリカーボネート有機溶液を水性洗浄液と混合してエマルジョン化し、該エマルジョンをコアレッサーを用いて有機相と不純物を含有する水相とに分離させて、精製ポリカーボネート有機溶液を製造する際に、該コアレッサーを特定の操作条件で運転することにより、コアレッサー内の少なくともエレメント部に中間比重の不純物の付着、蓄積を防止し、安定した分離操作を可能にするとともに、精製ポリカーボネート有機溶液を効率よく製造する方法および該精製ポリカーボネート有機溶液を用いる高純度ポリカーボネートの製造方法に関する。
ポリカーボネートの製造方法としては、塩化メチレンなどのハロゲン系有機溶媒を使用した界面重縮合法がよく知られている。該界面重縮合法でポリカーボネートを製造する場合、重縮合反応終了後にポリカーボネートを含む有機溶液と水溶液の混合物が得られる。ポリカーボネートを含む有機溶液は、通常エマルジョン状態をしているため、エマルジョンをポリカーボネートの有機溶液と不純物を含む水溶液に分離する操作が必要である。
また、反応終了後のポリカーボネート有機溶液には、品質に影響を与えるナトリウムや未反応モノマー、触媒等の不純物が残留しているため、ポリカーボネート有機溶液にアルカリ性水溶液、酸性水溶液、純水などを加えて撹拌洗浄する方法が一般的に行われている。更に、洗浄効率を向上させる目的で、粗製ポリカーボネート有機溶液と洗浄液との混合物を強力に撹拌して、エマルジョン化することが行われている。
従来、このようにして得られたエマルジョンを再分離する方法として、液液遠心分離法、静置分離法もしくは凝集分離法が知られている。しかしながら、遠心分離法は、設備費、メンテナンス費が高いばかりでなく、回転部分での故障、摩耗、反応溶媒である塩化メチレンジクロロメタンの揮散等により樹脂の堆積による焼き付き、分離機の停止などの故障がしばしば起こるので、予備機を準備する必要があった。また、静置分離法も沈降速度が遅いため、大型の静置分離槽を必要とするなどのデメリットがあった。
そのため、これらを解決する方法として凝集分離法が開発されている。例えば、水との接触角が40°以下の濾過層にポリカーボネート樹脂液を通して分離する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法は、微細な水滴が比較的除去されにくいため濾過層を繰り返し通過させる必要があったり、また分離させた後、濾材層からのコンタミの混入もあり、さらに濾材を通過してから分離するのに時間がかかるため比較的大きな静置分離槽が必要である。
ポリカーボネート有機溶液をpH2〜14の範囲の水性相を使用して乳化させ、0.01〜2cm/秒の空間速度で10〜500mmの厚さ、0.2〜0.7g/mlの見掛け密度の繊維層を通過させて2相に分離する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法は、濾材層の厚みが大きいため、充填物による大きな圧力損失が発生するなどの問題点があった。
また、ポリカーボネート溶液と水性洗浄液とを混合器で混合し、水中油型乳化状態の混合溶液としたのち、濾材層を通過させることにより、ポリカーボネート溶液相と水性洗浄液相とに分離するポリカーボネート溶液の洗浄方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この方法は水性洗浄液相を多く使用するのでその排水処理にコストがかかり効率的でない。
さらに、油中水滴型エマルジョンを金属濾材で分離する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、水分量からみるとその分離性能は未だ充分とは言い難い。
界面重縮合法によるポリカーボネート樹脂の製造法において、ポリカーボネートを含む溶液を水性洗浄液で洗浄し、この洗浄液をポリカーボネートを含む溶液から分離する際に、親水性の充填材を含むコアレッサーの中で第1段階の洗浄を行ってポリカーボネートを含む有機溶液と洗浄液とを互いに分離する方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。 しかしながら、コアレッサーでの分離操作をどのような操作条件で行うのかについて開示がなく、本発明を想到できる記載はない。
特公昭46−41622号公報 特開昭55−104316号公報 特開平7−309940号公報 特開2001−31755公報 特表2002−528580公報
本発明は、このような状況下で、界面重縮合法による重縮合反応が終了した水溶性不純物を含有する粗製ポリカーボネート有機溶液を水性洗浄液と混合してエマルジョン化し、該エマルジョンをコアレッサーを用いて有機相と水相とに分離させて精製ポリカーボネート有機溶液を製造する際に、該コアレッサーを特定の操作条件で運転することにより、コアレッサー内の少なくともエレメント部で中間比重の不純物の付着、蓄積を防止し、安定した分離操作を可能にするとともに、精製ポリカーボネート有機溶液を効率よく製造する方法および該精製ポリカーボネート有機溶液を用いる高純度ポリカーネートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究した。その結果、該コアレッサーの操作条件として、コアレッサー内の少なくともエレメント部でポリカーボネート有機溶液と水性洗浄液とが有機相と水相の二相に分離して実質的な界面を形成しないようにすることにより、上記の目的を達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
本発明は下記から構成される。
(1)界面重縮合法による重縮合反応が終了した粗製ポリカーボネート有機溶液を水性洗浄液と混合してエマルジョン化し、得られたエマルジョンをコアレッサーに導入して、水分を除去することにより精製ポリカーボネート有機溶液を得る方法において、該コアレッサー内で、ポリカーボネート有機溶液と水性洗浄液とが有機相と水相との二相に分離した実質的な界面を形成しないように、コアレッサーから抜き出される水分の除去されたポリカーボネート有機溶液の抜き出し量とコアレッサー頂部からのポリカーボネート有機溶液の一部を含む不純物を含有する水溶液の抜き出し量を制御することにより、水分の除去されたポリカーボネート有機溶液を得ることを特徴とする精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
(2)コアレッサー頂部からのポリカーボネート有機溶液の一部を含む不純物を含有する水溶液の抜き出し量を、供給される水性洗浄液量の1〜1.5倍の量に制御するものである上記(1)に記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
(3)静置分離槽をエマルジョン化工程の前および/またはコアレッサーの下流側に設けて、該静置分離槽で、ポリカーボネート有機溶液の一部を含む不純物を含有する水溶液の分離を行う上記(1)または(2)に記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
(4)水性洗浄液が、アルカリ性水溶液、酸性水溶液、または純水である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
)界面重縮合法による重縮合反応が終了した粗製ポリカーボネート有機溶液を水性洗浄液と混合してエマルジョンとなし、得られたエマルジョンをコアレッサーに導入して、水分を除去することにより精製ポリカーボネート有機溶液を得る方法において、該コアレッサー内で、ポリカーボネート有機溶液と水性洗浄液とが有機相と水相との二相に分離した実質的な界面を形成しないように、コアレッサー内に供給される粗製ポリカーボネート有機溶液の量と供給される水性洗浄液の量の合計量をコアレッサー内から下流に設置された静置分離槽に抜き出し、該静置分離槽からポリカーボネート有機溶液を抜き出すことを特徴とする精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
)粗製ポリカーボネート有機溶液と水性洗浄液との混合方法が、インラインミキサー、スタテイックミキサーもしくはオリフィスミキサーを用いるものである上記(1)〜()のいずれか1項に記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
)コアレッサー内のエレメントの材質が、グラスフファイバー、カーボンファイバー、金属繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、紙パルプ繊維もしくは木綿繊維である上記(1)〜()のいずれか1項に記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
)コアレッサー内のエレメントの形状が、平板状、円筒状もしくは折りたたみ形状のものである上記(1)〜()のいずれか1項に記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
)コアレッサー内のエレメントの構造が、円筒ケース内に繊維層を取り付けたものである上記(1)〜()のいずれか1項に記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
10)上記(1)〜()のいずれか1項に記載の製造方法で得られた精製ポリカーボネート有機溶液を用いることを特徴とする高純度ポリカーボネートの製造方法。
本発明によれば、界面重縮合法による重縮合反応が終了した水溶性不純物を含有する粗製ポリカーボネート有機溶液を水性洗浄液と混合してエマルジョン化し、該エマルジョンをコアレッサーを用いて有機相と水相とに分離させて精製ポリカーボネート有機溶液を製造する際に、該コアレッサー内の少なくともエレメント部で、ポリカーボネート有機溶液と水性洗浄液とが有機相と水相との二相に分離した実質的な界面を形成しない操作条件でコアレッサーを運転することにより、コアレッサー内の少なくともエレメント部で中間比重の不純物の付着、蓄積を防止し、安定した分離操作を可能にするとともに、精製ポリカーボネート有機溶液を効率よく製造する方法および該精製ポリカーボネート有機溶液を用いた高純度ポリカーボネートの製造方法を提供することができる。
本発明は、界面重縮合法による重縮合反応が終了した水溶性不純物を含有する粗製ポリカーボネート有機溶液を水性洗浄液と混合してエマルジョン化し、該エマルジョンをコアレッサーを用いて有機相と水相とに分離させて精製ポリカーボネート有機溶液を製造する際に、該コアレッサーを特定の操作条件で運転することにより、コアレッサー内の少なくともエレメント部で中間比重の不純物の付着、蓄積を防止し、安定した分離操作を可能にするとともに、精製ポリカーボネート有機溶液を効率よく製造する方法および該精製ポリカーボネート有機溶液を用いる高純度ポリカーネートの製造方法である。
該界面重縮合法では、二価フェノールを主成分とし、少量の末端停止剤(分子量調節剤ともいう)、二価フェノールを溶解するための苛性アルカリおよび必要により分岐化剤を加えてホスゲンもしくはホスゲン誘導体と有機溶媒中で反応させることにより製造され、得られた粗製ポリカーボネート有機溶液は水性洗浄液と撹拌混合されて水溶性の不純物を洗浄し、次いで単離、回収工程を経てポリカーボネートを製造するものである。
該界面重合縮合法において、ポリカーボネートの原料として用いられる二価フェノールとしては、例えば一般式(I)
Figure 0004567981
で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(I)において、X1 及びX2 は、それぞれ炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、イソアミル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。このX1 及びX2 はたがいに同一であっても異なっていてもよい。a及びbは、それぞれX1 およびX2 の置換数を示し、0〜4の整数である。X1 が複数ある場合、複数のX1 は互いに同一でも異なっていてもよく、X2 が複数ある場合、複数のX2 は互いに同一でも異なっていてもよい。
Yは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチリレン基、ヘキシレン基など)、炭素数2〜8のアルキリデン基(例えばエチリデン基、イソプロピリデン基など)、炭素数5〜15のシクロアルキレン基(例えばシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基など)、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基(例えばシクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基など)、−S−、−SO−、−SO2 −、−O−、−CO−結合又は式(II−1)もしくは式(II−2)
Figure 0004567981
で表される結合を示す。
ここで、前記一般式(I)で表される二価フェノールとしては、様々なものがあるが、特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称:ビスフェノールA〕が好適である。ビスフェノールA以外の二価フェノールとしては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−イソプロピルフェニル)メタン;ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;2−メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1−エチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;4−メチル−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン;1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなどのジヒドロキシジアリールアルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカンなどのジヒドロキシジアリールシクロアルカン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテルなどのジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシジアリールケトン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのジヒドロキシアリールフルオレン類などが挙げられる。また、該一般式(I)で表される二価フェノール類以外に、ヒドロキノン,レゾルシノール,メチルヒドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1,5−ジヒドロキシナフタレン;2,6−ジヒドロキシナフタレンなどのジヒドロキシナフタレン類などが挙げられる。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよく、二種以上を組合わせて用いてもよい。
分子量調節剤としては、通常、ポリカーボネートの重合に用いられるものであればよく、各種のものを用いることができる。具体的には、一価フェノールとして、例えば、フェノール,p−クレゾール,p−tert−ブチルフェノール,p−tert−オクチルフェノール,p−クミルフェノール,ブロモフェノール,トリブロモフェノール,ノニルフェノールなどが挙げられる。これらの中で、経済性、入手の容易さなどの点から、p−tert−ブチルフェノールおよびフェノールが好ましい。
本発明においては、前記二価フェノールと共に適当な分岐剤を用いることができる。この分岐剤としては、三価以上の多価フェノール、具体的には1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、フロログルシン、イサチンビス(o−クレゾール)などを挙げることができる。これらの分岐剤の使用量は、目的とする分岐度によっても異なるが、通常二価フェノールに対し、0.05〜2モル%程度である。
界面重縮合法によりポリカーボネートを製造する場合には、ポリカーボネート主鎖中にカーボネート結合を生成し得る化合物、例えばホスゲンを始め、トリホスゲン、ブロモホスゲン、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)カーボネート、ビス(2,4−ジクロロフェニル)カーボネート、ビス(2−シアノフェニル)カーボネート、クロロギ酸トリクロロメチルなどが用いられる。
界面重縮合法におけるポリカーボネートの製造工程としては特に制限はなく、従来界面重縮合法によるポリカーボネートの製造において慣用されている工程を用いることができる。例えば、(A)二価フェノールポリカーボネートオリゴマーの調製工程、(B)上記オリゴマーの重合工程、(C)洗浄工程及び(D)ポリカーボネートの単離、回収工程を施すことにより、目的とするポリカーボネートを効率よく、製造することができる。
なお、本発明においては、前記(A)工程と(B)工程を分離することなく、直接ポリマーまで重合を行ってもよい。また、ポリカーボネートの製造形式は、回分式および連続式のいずれであってもよいが、連続式が好ましく、この連続式を採用する場合、前記(A)工程および(B)工程を連結して行うのが有利である。
次に、各工程を簡単に説明する。
(A)工程:
この(A)工程は、二価フェノールとホスゲンまたはホスゲン誘導体とを界面重縮合させて二価フェノールポリカーボネートオリゴマーを調製する工程である。
この二価フェノールポリカーボネートオリゴマーの調製方法については特に制限はないが、例えば次に示す方法を好ましく用いることができる。
まず、原料の前記二価フェノールを含有するアルカリ水溶液を調製し、これと不活性有機溶剤を混合し、撹拌しながら二価フェノールを含有するアルカリ水溶液と不活性有機溶剤との共存下にホスゲンまたはホスゲン誘導体を反応させることにより、二価フェノールポリカーボネートオリゴマーが得られる。
この際、アルカリ水溶液としては、通常その濃度が1〜15質量%のものが好ましく用いられる。また、アルカリ水溶液中の二価フェノールの含有量は、通常0.5〜20質量%の範囲で選ばれる。さらに、不活性有機溶剤の使用量は、有機相と水相の容量比が5/1〜1/7、好ましくは2/1〜1/4となるように選定するのが望ましい。反応温度は通常0〜50℃、好ましくは5〜40℃の範囲で選ばれる。
この反応においては、ホスゲンまたはホスゲン誘導体を反応させたのち、さらに二価フェノールを含有するアルカリ水溶液、末端停止剤の一部及び所望により触媒を加え、反応を進めることができる。
上記二価フェノールを含有するアルカリ水溶液の調製に用いられるアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウムなどが挙げられるが、これらの中で水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましく、特に水酸化ナトリウムが好適である。一方、不活性有機溶剤としては、各種のものがある。例えば、ジクロロメタン(塩化メチレン);トリクロロメタン;四塩化炭素;1,1−ジクロロエタン;1,2−ジクロロエタン;1,1,1−トリクロロエタン;1,1,2−トリクロロエタン;1,1,1,2−テトラクロロエタン;1,1,2,2−テトラクロロエタン;ペンタクロロエタン;クロロベンゼンなどの塩素化炭化水素や、トルエン、アセトフェノンなどが挙げられる。これらの有機溶剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中では、特に塩化メチレンが好適である。
触媒としては、相間移動触媒、例えば三級アミンまたはその塩、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩などを好ましく用いることができる。
三級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、N−メチルピペリジンなどが挙げられ、また三級アミン塩としては、例えばこれらの三級アミンの塩酸塩、臭素酸塩などが挙げられる。四級アンモニウム塩としては、例えばトリメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、トリブチルベンジルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミドなどが、四級ホスホニウム塩としては、例えばテトラブチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミドなどが挙げられる。これらの触媒は、それぞれ単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。前記触媒の中では、三級アミンが好ましく、特にトリエチルアミンが好適である。
反応後、静置または遠心分離などの操作によって、水相とポリカーボネートオリゴマーを含む有機相とに分離する。有機相はポリカーボネートオリゴマーを単離することなく、次工程に用いることができる。
(B)工程:
前記(A)工程で得られたポリカーボネートオリゴマーの重合工程であって、残りの末端停止剤と、所望により用いられる触媒、アルカリ水溶液及び不活性有機溶剤の存在下に、該ポリカーボネートオリゴマーと二価フェノールを界面重縮合させる。
具体的には、前記(A)工程で得られたポリカーボネートオリゴマー溶液と、残りの末端停止剤と、所望により用いられる触媒と、不活性有機溶剤と、アルカリ水溶液と、二価フェノールのアルカリ水溶液とを混合し、通常0〜50℃、好ましくは5〜40℃の範囲の温度において界面重縮合させる。
この際使用するアルカリ、不活性有機溶剤及び触媒としては、前記(A)工程において説明したものと同じものを挙げることができる。また、この界面重縮合における有機相と水相の容量比は、前記(A)工程の場合と同様である。
なお、この重合工程においては、予備重合(前重合)及び本重合(後重合)に分けて重合を行うことができる。すなわち、まず、前記(A)工程で得られたポリカーボネートオリゴマー溶液と、残りの末端停止剤と、所望により用いられる触媒と、不活性有機溶剤と、アルカリ水溶液とを混合し、比較的低い温度、例えば20℃未満の温度で予備重合(前重合)を行う。次いで、これに二価フェノールのアルカリ水溶液を加え、比較的高い温度、例えば20〜40℃程度の温度で本重合(後重合)を行う。
反応後、不活性有機溶剤で適当に希釈したのち、静置または遠心分離などの操作によって、水相とポリカーボネートを含む有機相とに分離する。
(C)工程:
この(C)工程は、上記(B)工程で分離された粗製ポリカーボネート有機溶液の洗浄工程である。該ポリカーボネート有機溶液から不純物である残留モノマー、触媒、アルカリ物質等を除去して純度の高いポリカーボネート有機溶液を得る方法として、該ポリカーボネート有機溶液に、アルカリ性水溶液、酸性水溶液、純水などの洗浄水を加えて撹拌混合し、水相側に不純物を抽出することにより行われる。こうした洗浄はこれら洗浄操作のいずれか1種類のみを実施してもよいが、2種類または3種類以上の洗浄方法を組み合わせることもでき、また必要に応じてこれら洗浄操作の回数も任意に設定できる。
粗製ポリカーボネート有機溶液と水性洗浄液の混合方法としては、液/液混合を目的とした、市販されている如何なる機器も使用可能であるが、所望の撹拌効率を得るためには、例えば、インラインミキサー、スタティックミキサー、オリフィスミキサーなどが好ましい。 これらの混合器の撹拌動力としては、後述のコアレッサー内のエレメントの材質との関係もあるが、通常、0.1kW/m3/hr以上、好ましくは0.2kW/m3/hr以上、さらに好ましくは0.5kW/m3/hr以上である。撹拌強度が弱いと充分な洗浄ができないのみならず、分離後のポリカーボネート有機溶液中の水分が多くなり、結果的に得られるポリカーボネートの品質が低下する。このことは多くの、品質上好ましくない物質が、有機相側ではなく、水相側に存在することを示している。
粗製ポリカーボネート有機溶液と水性洗浄液との混合時の水性洗浄液の水相量は、通常50容積%以下、好ましくは30〜3容積%、より好ましくは20〜5容積%である。水性洗浄液を多量に使用しても、排水処理に費用がかかり、経済的でない。
本発明の洗浄においては、エマルジョンを構成している有機相(油相)と水相との関係は、油中水滴分散型、水中油滴分散型のいずれのいずれの場合にも適用可能であるが、油中水滴分散型が好ましい。
本発明にあっては、重合工程で水相と分離された粗製ポリカーボネート有機溶液は水性洗浄液と混合され、エマルジョン化される。これをコアレッサーを用いて有機相と水相とに分離する。コアレッサーはエマルジョン中の水滴等の凝集を促進するものであり、通液すると有機相と水相との分離が起こり、通常は、コアレッサーハウジング内で分離を行う。このとき、ハウジング内やハウジング内のエレメント部に有機相と水相の二相の界面が実質的に存在する状態で分離操作を実施していると、不純物の中間比重物質例えば、金属塩化物、金属水酸化物、劣化モノマーおよびポリマーなどが該ハウジング内に蓄積し、これが原因でコアレッサー内のエレメント寿命を縮めることになり、安定した分離操作ができなくなるばかりでなく、精製の精度が低下し、純度の高い精製ポリカーボネート有機溶液が得られなくなる。なお、ここでいうハウジング内のエレメント部とは、エレメントの上端面および下端面を、それぞれ含むハウジング内の両水平面の間の領域を指す。このため、コアレッサーを通過した有機相と水相の分離は別の分離槽で実施し、コアレッサーのハウジング内の少なくともエレメント部に有機相と水相の二相の界面が実質的に形成されないように、コアレッサー頂部から、ポリカーボネート有機溶液の一部が含まれるように不純物を含有する水溶液を抜き出すことが必要である。これにより実質的にコアレッサーのハウジング内の少なくともエレメント部に有機相と水相との二相を形成する界面が存在しなくなる。このとき、前段の工程に分離槽が設けられていればそれを利用して分離してもよく(例えば図1、図3参照)、コアレッサーの下流側に分離槽を設けてもよい(例えば図2参照)。また、ポリカーボネート有機溶液の一部を含む不純物を含有する水溶液の抜き出し量は特に限定されないが、供給される水性洗浄液の量の1〜1.5倍程度の量に制御すれば充分である。さらに、コアレッサー内に供給されるポリカーボネート有機溶液の量と供給される水性洗浄液の量の合計量をコアレッサー内から下流に設置された静置分離槽に抜き出す方法を採用することによりコアレッサーのハウジング内の少なくともエレメント部に有機相と水相の二相を実質的に形成する界面が存在しないようにしてもよい(例えば図4参照)。
用いるコアレッサーは、通常、市販されているいかなる形式のものも使用することができ、例えば、和興産業(株)、日本ポール(株)、富士フィルター(株)旭化成繊維(株)等の製品を使用することができる。
コアレッサー内には実際に凝集を促進する機能を有するエレメントが装着されており、該エレメントの材質としては特に制限はないが、従来より知られているグラスファイバー、カーボンファイバー、金属繊維、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)もしくはポリエチレン(PE)等の合成樹脂繊維、紙パルプ、木綿等の有機繊維、多孔質カーボングラファイト等の多孔質材料も使用することができる。中でもカーボンファイバーまたはグラスファイバーがポリカーボネート有機溶液の洗浄後の分離には好ましい。
エレメントの形状も、取り扱い、設置の容易さ、コストの面から最適なものを選定すればよく、平板状、円筒状、折りたたみ状のものが使用できるが円筒状のものが取り扱いの点で好ましい。また、エレメント構造は、繊維層のみでもよいが、強度を持たせるために、リテーナ等の構造物があってもよく、性能上および流体中の異物を取り除くため、2重もしくはそれ以上の多層構造になっていてもよい。構造上、円筒ケース内に繊維層を取り付けたものが好ましい。エレメントを構成する繊維層の厚みも性能によって自由に設定することができ、例えば、繊維層の厚みと圧力差ΔPおよび分離性能から最適化が可能である。
また、該エレメントの設置は縦方向、横方向のいずれの方向でも可能である。
次にコアレッサーを用いた本発明の分離操作の実施態様の例を図面に基づいて説明する。
図1は、重合工程からのポリカーボネートを含む反応液を前段の静置分離槽に導入し、比重の大きい下層の粗製ポリカーボネート有機溶液をポンプ等で抜き出し、途中で水性洗浄液を加え、ラインミキサーで撹拌混合してエマルジョン化し、該エマルジョンをコアレッサーに通して有機相と水相とに分離させるとともに、コアレッサー内の少なくともエレメント部で有機相と水相とが二相を実質的に形成しないように、頂部より水相を、一部有機相が含まれる形で抜き出し、前記静置分離槽に循環し、コアレッサーの側部より精製された有機相を抜き出し、次工程へ移送する本発明の実施態様の1例を示したものである。このとき、頂部より抜き出す一部有機相が含まれる水相の量は、特に限定されないが、上記したように、供給される水性洗浄液の量の1〜1.5倍程度に制御すれば充分である。静置分離槽中の水相部は別途抜き出し、排水処理工程へ移送される。
図2は、エマルジョンをコアレッサーに導入して有機相と水相とに分離したのち、コアレッサー内の少なくともエレメント部で有機相と水相とが二相を形成しないように、頂部より水相を、一部有機相が含まれる形で抜き出し、下流側に設けられた静置分離槽に導入して後段で一部分離するとともにコアレッサーの側部からも精製有機相を抜き出す態様を示したものである。頂部より抜き出す一部有機相が含まれる水相の量も上記と同程度であれば充分である。下流側に設けられた静置分離槽中の水相部は別途抜き出し、排水処理工程へ移送される。
図3は、アルカリ洗浄、酸洗浄および水洗浄を直列的に設けられたコアレッサーを用いて実施する例を示したものである。この場合も静置分離槽中の水相部は別途抜き出し、排水処理工程へ移送される。
図4は、該コアレッサー内の少なくともエレメント部で、ポリカーボネート有機溶液と水性洗浄液とが有機相と水相との二相に分離した実質的な界面を形成しないように、コアレッサー内に供給される粗製ポリカーボネート有機溶液の量と供給される水性洗浄液の量の合計量をコアレッサー内から下流に設置された静置分離槽に抜き出し、該静置分離槽で分離操作を行う本発明の実施態様を示したものである。この場合も静置分離槽中の水相部は別途抜き出し、排水処理工程へ移送される。
(D)工程:
この(D)工程は、ポリカーボネートの単離、回収工程である。具体的には、例えば上記(C)工程で得られた洗浄処理された精製ポリカーボネート有機溶液を濃縮したのち、粉砕処理し、得られたフレークに真空乾燥などの乾燥処理を施すことにより、製品の高純度ポリカーボネートが得られる。さらに、該ポリカーボ−ネートを押出機等で溶融混練、押出してペレット化することによりペレットの形でも得ることができる。
ポリカーボネートは、機械的強度及び成形性などの点から、粘度平均分子量(Mv)が10,000〜100,000の範囲にあるのが好ましい。より好ましいMvは12,000〜40,000であり、特に13,000〜30,000の範囲が好適である。なお、該粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度〔η〕を求め、〔η〕=1.23×10-5Mv0.83の式により算出した値である。
次に本発明を実施例を用いて詳しく説明するが、本発明の範囲はこれにより限定されるものではない。ポリカーボネート有機溶液(ポリマー溶液という)中の水分量の測定はカールフィッシャー法によった。
製造例1
(1)ポリカーボネートオリゴマーの製造:
濃度6質量%の苛性ソーダ(NaOH)水溶液にビスフェノールA(BPA)を溶解し、濃度14.5質量%のBPA−NaOH溶液を得た。得られたBPA−NaOH溶液を40リットル/hr、濃度25質量%のp−tert−ブチルフェノール(PTBP:分子量調節剤)―塩化メチレン溶液を0.35リットル/hr、溶媒の塩化メチレンを18.5リットル/hrの流量で、20℃の冷却槽に浸した、内径6mm、長さ30mの管型反応器に導入し、これにホスゲンを3.8kg/hrの流量で吹き込んだ。反応器を出た反応混合物を分離槽に導入して、水相を分離して、ポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液からなる有機相を得た。
得られたポリカーボネートオリゴマーの性状を分析したところ、以下のとおりであった。
平均分子量: 860(蒸気圧浸透圧計(VPO)で数平均分子量を測定)
クロロホーメート基濃度: 0.68モル/リットル(オリゴマーの有機溶媒溶液として)
(2)ポリカーボネートの製造:
(1)で得られたポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液を20リットル/hr、上記(1)で調製してある濃度14.5質量%のBPA−NaOH溶液を11.5リットル/hr、濃度4質量%のトリエチルアミン(TEA:触媒)水溶液を0.04リットル/hr、濃度25質量%のNaOH水溶液を0.8リットル/hr、溶媒の塩化メチレンを13リットル/hrの流量で塔型反応器に導入して反応させた。滞留時間は1時間であった。この後、オーバーフローして出て来たポリカーボネート含有反応混合物を得た。
実施例1
上記製造例1に従って得られたポリカーボネート含有反応混合物に塩化メチレンを加え,有機相側のホリカーボネート溶液のポリカーボネート濃度が12質量%に成るよう調整すると共に,1時間静置分離を行い、ポリカーボネート含有塩化メチレン溶液(有機相)と水相とに分離させた。この分離された有機相中の水分を測定したところ,7500質量-ppmであった。なお,塩化メチレンを加える前の粗製ポリカーボネートは,別途ポリマーの粘度平均分子量を測定したところ,Mv=28700であり,水相側について分析すると,BPAが21g/リットルの濃度で溶解し,NaOH濃度は0.22モル/リットルであった。
こうして得られたポリカーボネート含有塩化メチレン溶液(有機相)を600リットル/hrで,別途NaOHで調製したpH=13の苛性ソーダ水溶液を60リットル/hrでラインミキサー(特殊機化工業製,パイプラインホモミキサー)にて2600rpmで混合し洗浄を実施した。出口のエマルジョンの相状態を確認すると,油中水滴型であった。また、このとき,流体に与えられた撹拌動力は,0.53kW/m3/hrであった。更にこのエマルジョンを界面検出用のレベル計を取り付けたコアレッサー(和興産業製コアレッサー,エレメントサイズ:直径180mm、内容積700リットル,エレメントの材質:カーボンファイバー)に連続的に通液した。程なく,コアレッサーの下側ノズルからは,透明感のあるポリマー溶液が得られ,頂部ノズルからはポリマー溶液を一部含む水溶液が得られた。頂部の水溶液流量は,流量計を設置して、80リットル/hrで連続的に抜き出すようにし,約1時間の連続運転を実施した。レベル計によりコアレッサー内部で有機相と水相との界面が発生していないことを確認した。出口のポリマー溶液の温度は,32℃であった。出口のポリマー溶液について,水分を測定したところ,約2000質量-ppmであり,コアレッサーに通液することで,充分水分が分離できていることが判明した。
また、この方法で,30日間の連続運転を実施した後,コアレッサー本体を開放して,本体内部,およびエレメントを確認したが,目視では運転開始前と異なる汚れ,異物の蓄積は認められなかった。その結果を第1表に示す。
実施例2〜11
ポリマー溶液流量,水性洗浄液供給量,撹拌動力,コアレッサー内のエレメント材質を後述の第1表に記載のように変更した以外は,実施例1に準拠して実施した。結果を第1表に示す。
実施例11−1〜11−3
ポリマー溶液流量、洗浄液供給量、撹拌動力、コアレッサー内のエレメント材質を後述の第1表に記載のように変更した以外は実施例1に準拠して実施した。結果を第1表に示す。
実施例12〜13
実施例1で得られた、アルカリ雰囲気で洗浄を終了したポリマー溶液を用いて酸洗浄を実施した。水性洗浄液として、塩酸でpH=1に調整した水を使用した以外は実施例1に準拠して酸洗浄を実施した。結果を第1表に示す。
実施例14〜16−2
実施例12〜13で得られた,酸雰囲気で洗浄を終了したポリマー溶液を用いて,次に水洗浄を実施した、水性洗浄液として純水を使用した以外は実施例1に準拠して水による洗浄を実施した。結果を第1表に示す。
Figure 0004567981
比較例1
実施例1において,コアレッサーの運転方法として,本体に界面検出用のレベル計を設置し,水側の抜き出し量を調整して,コアレッサー内に分離界面が形成されるように運転した(図5参照)。このようにして120日間の連続運転を実施した。ポリマー溶液中の水分も定期的に確認したところ,運転当初は水分量2000質量-ppmであったものが、120日後には2600質量-ppmまで上昇していることが判った。また,コアレッサー前後の差圧を確認したところ,運転開始当初はΔP=9.8kPaであったが,26.46kPaまで上昇していることが確認された。運転終了後,脱液し内部を確認したところ,コアレッサー本体内で,界面を設定した位置に対し,水平に茶褐色の粘性のある付着物が確認された。この付着物について,金属分析を実施したところ,Fe,Cr,Niが確認された。これは前工程に使用したステンレス材料の一部が溶出して界面付近に蓄積していたものと考えられる。また同じ位置でコアレッサーのカートリッジにも付着しており,これが圧力上昇や水分上昇を起こした原因と推定される。
参考例1
実施例1に記載の方法で,粗製ポリカーボネート溶液を調製し,静置分離後、pH=13の洗浄水をラインミキサーを使用して混合するところまでは同様に実施した。得られたエマルジョンを,1000mLのメスシリンダーに採取し,静置分離を行って,その分離速度,および分離後のポリマー溶液の水分量を確認した。その結果,1時間の静置分離後で,ポリマー溶液中水分量は、5質量%、2時間静置分離後で2質量%であった。
実施例17(界面重縮合法による全洗浄工程の実施)
実施例1に準拠して得られた粗製ポリカーボネート有機溶液を図3のように連続的に処理して清澄なポリカーボネート有機溶液を得る方法を確認した。ポリカーボネート有機溶液の洗浄は,最初にアルカリ洗浄,次に酸洗浄,さらに純水洗浄をそれぞれ2回行った。ポリマー溶液として,600リットル/hrを使用し,すべての洗浄工程において,水相比は12容積%となるよう調製し,またミキサーは,攪拌所要動力がPv=0.5kW/m3/hrになるよう調整した。得られた清澄なポリカーボネート有機溶液について,代表的な不純物を測定したところ,Naイオンが0.1質量-ppm以下,Feイオンが0.1質量-ppm以下,残留BPAが3.2質量-ppmと効率良く,かつ、清澄なポリカーボネート有機溶液が得られていることが確認された。
次に実施例1〜17で得られた精製ポリカーボネート有機溶液をそれぞれ濃縮したのち、粉砕処理し、得られたフレークに真空乾燥処理を施し高純度ポリカーボネートを得、さらに、該ポリカーボ−ネートを押出機等で溶融混練、押出してペレット化することにより高純度ポリカーボネートのペレットを得た。
コアレッサー内の少なくともエレメント部で有機相と水相とが二相を形成しないように、頂部より水相を1部有機相が含まれる形で抜き出し、前段に設けられた静置分離槽に循環し、コアレッサーの側部より精製された有機相を抜き出し、次工程へ移送する本発明の実施態様の1例を示す。 コアレッサー内の少なくともエレメント部で有機相と水相とが二相を形成しないように、頂部より水相を1部有機相が含まれる形で抜き出し、下流側に設けられた静置分離槽に導入して後段で1部分離するするとともに側部からも精製有機相を抜き出す本発明の実施態様を示す。 アルカリ洗浄、酸洗浄および水洗浄の洗浄操作を直列的に設けられたコアレッサーを用いて順次実施する本発明の実施態様を示す。 コアレッサー内の少なくともエレメント部で、ポリカーボネート有機溶液と水性洗浄液とが有機相と水相との二相に分離した実質的な界面を形成しないように、コアレッサー内に供給される粗製ポリカーボネート有機溶液の量と供給される水性洗浄液の量の合計量をコアレッサー内から下流に設置された静置分離槽に抜き出し、該静置分離槽で一括分離する本発明の実施態様を示す。 比較例で実施した設備の模式図を示す。

Claims (10)

  1. 界面重縮合法による重縮合反応が終了した粗製ポリカーボネート有機溶液を水性洗浄液と混合してエマルジョン化し、得られたエマルジョンをコアレッサーに導入して、水分を除去することにより精製ポリカーボネート有機溶液を得る方法において、該コアレッサー内で、ポリカーボネート有機溶液と水性洗浄液とが有機相と水相との二相に分離した実質的な界面を形成しないように、コアレッサーから抜き出される水分の除去されたポリカーボネート有機溶液の抜き出し量とコアレッサー頂部からのポリカーボネート有機溶液の一部を含む不純物を含有する水溶液の抜き出し量を制御することにより、水分の除去されたポリカーボネート有機溶液を得ることを特徴とする精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
  2. コアレッサー頂部からのポリカーボネート有機溶液の一部を含む不純物を含有する水溶液の抜き出し量を、供給される水性洗浄液量の1〜1.5倍の量に制御するものである請求項1に記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
  3. 静置分離槽をエマルジョン化工程の前および/またはコアレッサーの下流側に設けて、該静置分離槽で、ポリカーボネート有機溶液の一部を含む不純物を含有する水溶液の分離を行う請求項1または2に記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
  4. 水性洗浄液が、アルカリ性水溶液、酸性水溶液、または純水である請求項1〜3のいずれかに記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
  5. 界面重縮合法による重縮合反応が終了した粗製ポリカーボネート有機溶液を水性洗浄液と混合してエマルジョンとなし、得られたエマルジョンをコアレッサーに導入して、水分を除去することにより精製ポリカーボネート有機溶液を得る方法において、該コアレッサー内で、ポリカーボネート有機溶液と水性洗浄液とが有機相と水相との二相に分離した実質的な界面を形成しないように、コアレッサー内に供給される粗製ポリカーボネート有機溶液の量と供給される水性洗浄液の量の合計量をコアレッサー内から下流に設置された静置分離槽に抜き出し、該静置分離槽からポリカーボネート有機溶液を抜き出すことを特徴とする精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
  6. 粗製ポリカーボネート有機溶液と水性洗浄液との混合方法が、インラインミキサー、スタテイックミキサーもしくはオリフィスミキサーを用いるものである請求項1〜のいずれか1項に記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
  7. コアレッサー内のエレメントの材質が、グラスフファイバー、カーボンファイバー、金属繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、紙パルプ繊維もしくは木綿繊維である請求項1〜のいずれか1項に記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
  8. コアレッサー内のエレメントの形状が、平板状、円筒状もしくは折りたたみ形状のものである請求項1〜のいずれか1項に記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
  9. コアレッサー内のエレメントの構造が、円筒ケース内に繊維層を取り付けたものである請求項1〜のいずれか1項に記載の精製ポリカーボネート有機溶液の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法で得られた精製ポリカーボネート有機溶液を用いることを特徴とする高純度ポリカーボネートの製造方法。
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