JPH0746580Y2 - 車輌用合成樹脂製装飾帯 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、各種の自動車等の車輛に接着して表面が金
属光沢を有する意匠的な装飾価値を長期間に亘つて維持
することを目的とした車輛用合成樹脂製装飾帯に関する
ものである。

（従来の技術） 従来、この種の装飾帯としては、製品を安価に提供する
ために塩化ビニール樹脂を主体とした構成材料が使用さ
れている。然し、この塩化ビニール樹脂を主体としたも
のでは、長期間の使用中に金属光輝が悪化したり、又は
剥離や変色が著しいという欠点がある。

そこで、表面を金属に見えるような装飾帯においては、
内部に一部を埋設する光輝テープ層を第４図に示す従来
の如く、光輝テープ層（16）の表面にアイオノマー樹脂
層（19）を位置させ、その下面にポリエステルテープ
（17）の表面に金属層又は印刷層（18）を施して重合
し、このポリエステルテープ（17）の下面に塩化ビニー
ル等の透明樹脂層（20）を重合したものが使用されてい
る。

然し、この光輝テープを使用した装飾帯によれば、表面
のアイオノマー樹脂層（19）とその下面に金属層又は印
刷層（18）を施したポリエステルテープ（17）との重合
性が劣るため、金属層のアルミ蒸着等の分離及び光輝を
悪化する等の欠点と、アイオノマー樹脂層と金属層又は
印刷層との重合面より雨水が浸入し、変色したりして汚
染される等の欠点が生じるものである。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の如く従来の技術で述べたものにおいては、ポリエ
ステルテープの表面に設けた、金属蒸着層又は印刷層の
上部に直接にアイオノマー樹脂を重合してあるために、
金属蒸着層等の分離防止が劣る問題点と、表面から金属
蒸着層が受ける強度が弱い等の問題点があつた。

この考案は、上記従来の技術が生ずる問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とする所は、ポリエステル
テープの表面の金属層又は印刷層と、表面のアイオノマ
ー樹脂膜との間にエチレン・コ・ポリマー樹脂シートを
介在一体化させることによつて、内部の接着力を著しく
向上させ、金属層の分離によつて光輝の悪化を防止し、
且つ金属光輝を強固とした装飾帯を提供しようとするも
のである。

（課題を解決するための手段） この考案は上記の如き従来の問題点を解決するものであ
つて、その主たる目的とする所は、装飾帯（１）の表面
に一部露出する光輝テープ（２）は、中央にポリエステ
ルテープ（６）を設けると共に、その上下に金属蒸着等
の金属層又は印刷層（７）、（８）を施し、上部の該金
属層又は印刷層（７）の上面にエチレン・コ・ポリマー
樹脂シート（９）を介在して、その上面にアイオノマー
樹脂膜（11）を重合する。また、下部の該金属層又は印
刷層（８）の下面には、接着剤（10）を介して塩化ビニ
ールシート（12）を重合接着してある。この光輝テープ
（２）の一部をウレタン系の接着剤（５）（５）を介在
して該基板シート（３）と一体に成型する点にある。従
つて、樹脂材料の異なる相溶性のない基板シートと強度
があつて金属光輝の著しい光輝テープとを確実強固に接
着して永久的に表面が美しい装飾帯を得るものである。

（作用） この考案は上述の如き構成からなり、この装飾帯の取着
使用を姓名すると、該装飾帯（１）の車輛等のボデー外
面に装着するには、該基板シート（３）の裏面に粘着テ
ープ又は各種の接着剤を取着して被装着物に接着すれば
よく、光輝テープ（２）の内部のポリエステルテープ
（６）の上下に設けた金属層又は印刷層が透明なアイオ
ノマー樹脂膜（11）に浮上して金属光沢を美しく現出さ
せるものである。

（実施例） この考案の実施例を図面について説明すると、合成樹脂
を以て長手方向の帯条に成型される装飾帯（１）は、表
面が透明又は半透明なアイオノマー樹脂膜（11）よりな
る光輝テープ（２）と、取付部となる熱可塑性樹脂の塩
化ビニール又はオレフイン系樹脂よりなる基板シート
（３）から構成されている。

前記光輝テープ層（２）には、中央にポリエステルテー
プ（６）を位置し、そのポリエステルテープ（６）の上
下両面にアルミ真空蒸着による金属層又は印刷層
（７）、（８）を施してある。

次に、上部の金属層又は印刷層（７）の上面には、アイ
オノマー樹脂と相溶性の有するエチレン・コ・ポリマー
樹脂シート（９）の上面にアイオノマー樹脂膜（11）重
合接合してある。

また、下部の金属層又は印刷層（８）の下面には、各種
の接着剤（10）を介在して塩化ビニールシート（12）を
重合してある。この塩化ビニールシート（12）は、該基
板シート（３）の構成材料である同効質の塩化ビニール
又はオレフイン系樹脂等よりなる該基板シート（３）と
強固に一体的に成型されている。符号（13）は該基板シ
ート（３）の長手方向の両側に設けた起立片を示し、
（14）は、該起立片（13）（13）の上端より該光輝テー
プ（２）の一部を被覆した被着突片である。同じく符号
（５）は、該光輝テープ（２）と基板シート（３）との
上部の一部に介在使用したウレタン系の接着剤を示した
ものである。

（考案の効果） 以上のように、この考案の装飾帯によれば、内部の一部
に埋設する光輝テープを媒体として相溶性のない二種類
の合成樹脂が持つている長所及び利点を各々活用し、両
者を強固に一体化できる効果と、金属蒸着膜の金属層又
は印刷層を強固に接着せしめ強度を著しく向上する効果
がある。また、この装飾帯によれば、内部の光輝テープ
との接合面より雨水の浸入を確実に防止して光輝テープ
を汚染及び変色等から確実に保護するという実用的な効
果がある。そして、光輝テープの最上面にアイオノマー
樹脂膜を重合してあるので、長期間に亘つて透明性及び
耐候性に著しく優れる効果と、このアイオノマー樹脂膜
と中央に位置するポリエステルテープの上面に設けた金
属層及び印刷層との間にエチレン・コ・ポリマー樹脂シ
ートを介在して重合してあるので、接着性が著しく著し
く向上し、該金属層等の分離を確実に防止し、且つ光輝
面に対する強度を著しく優れたものとする効果がある。
また、中央のポリエステルテープの上下に金属蒸着膜等
の金属層又は印刷層を各々二重に施してあるので、光輝
が長期的に確保され、且つ深みのある色彩で長期間綺麗
に使用できる効果がある。更に、装飾帯の主体構成材料
である基板シートと、光輝テープの最下面の同効質の透
明な塩化ビニールシートとが容易に溶着結合して強固に
一体化され、装飾帯の全体を著しく強固とする効果があ
る。また、比較的に安価な塩化ビニール又はオレフイン
系樹脂を主体として高価なアイオノマー樹脂膜を表面に
必要個所に使用して著しく安価に提供できる効果があ
る。基板シートと光輝テープとの側面と上面との一部を
ウレタン系の接着剤を介在して一体化したので、両者の
接合面を確実に接着すると共に、表面からの雨水の浸水
を防止して金属層又は印刷層等の化学変化を防止して見
苦しさを解決する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の斜面図、第２図は同じく断面図、第
３図は光輝テープの断面図、第４図は従来の光輝シート
の断面図である。 符号（１）は装飾帯、（２）は光輝テープ、（３）は基
板シート、（５）は接着剤、（６）はポリエステルテー
プ、（７）、（８）は金属又は印刷層、（９）はエチレ
ン・コ・ポリマー樹脂シート、（10）は接着剤、（11）
はアイオノマー樹脂膜、（12）は塩化ビニールシートで
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長手方向の帯条に成型される装飾帯（１）
   は、表面が透明又は半透明なアイオノマー樹脂膜（11）
   よりなる光輝テープ（２）と、取付部となる熱可塑性樹
   脂の塩化ビニール又はオレフイン系樹脂よりなる基板シ
   ート（３）とから構成され、 光輝テープ（２）には、中央にポリエステルテープ
   （６）の上下両面にアルミ真空蒸着による金属層又は印
   刷層（７）、印刷層（８）を施し、上部の該印刷層
   （７）の上面には、アイオノマー樹脂と相溶性を有する
   エチレン・コ・ポリマー樹脂シート（９）の上面にアイ
   オノマー樹脂膜（11）を重合し、下部の印刷層（８）の
   下面には、接着剤（10）を介在して塩化ビニールシート
   （12）を重合し、該塩化ビニールシート（12）には、基
   板シート（３）の同効質の塩化ビニール又はオフレイン
   系樹脂よりなる該基板シート（３）と一体的に成型し、
   該基板シート（３）には、上端に該光輝テープ（２）の
   一部を被覆した被着突片（14）（14）を設けた長手方向
   の両側に設けた起立片（13）（13）を形成した事を特徴
   とする車輛用合成樹脂製装飾帯。