JPH0520612Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動車等の車輌に取着する装飾帯
で、表面に装飾価値を高める金属光沢を長期間に
亘つて確保させることを目的とした車輌用合成樹
脂製装飾帯に関するものである。

（従来の技術） 従来この種の装飾帯は、その表面を金属化する
ものが盛んに使用され、例えば第５図に示す従来
の如く、安価に提供できる塩化ビニールよりなる
装飾帯１２の内部に積層体よりなる光輝テープ層
を埋設するものでは、その積層体の表面にフツ化
樹脂フイルム１３を位置させ、このフイルム１３
の下面には、裏面にアルミ金属シート１５を施こ
したポリエステルシート１４を重合し、このアル
ミ金属シート１５の下面に塩化ビニールシート１
６を介在して塩化ビニールの装飾帯１２とを１体
に成型したものが使用されている。

然し、この構成からなる従来の装飾帯によれ
ば、表面のフツ化樹脂フイルム１３は、素材の色
が非常に悪い欠点と光輝性及び装飾性が大変に劣
る欠点がある。また、フツ化樹脂フイルム１３と
ポリエステルシート１４との重合部分より雨水、
空気等が浸入し、光輝を更に悪化したり、変色汚
染したりする等の欠点等が生じていた。更に、従
来の光輝テープの芯体として使用するポリエステ
ルテープにアルミ金属シートを重合したもので
は、成型時に融合圧着強度の不均等により長手方
向の端末よりアルミ金属面が化学変化を起し、水
酸化アルミニウムとなり、消飛して製品が大変に
見苦しくなる等の欠点がある。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は、上記の欠点を解決しようとするも
のであつて、従来は装飾帯の表面における光輝に
ついて何等考慮されず、また、内部の金属面が汚
染変色するための解決が望まれていた。また、表
面の光輝テープ層と、異質の合成樹脂よりなる基
体部とが順次剥離する問題点と、内部に埋設した
ポリエステルシートは、融合圧着時に確実に接着
していないため長手方向の端末より容易に剥れた
り変色したりする重大な問題があつた。

この考案は上記の如き問題に鑑みて考案したも
ので、装飾帯の材質の異なる表面の透明なアイオ
ノマー樹脂膜と基体部とを強固に１本化させ、且
つ内部の光輝テープ層が装飾帯の温度変化による
伸縮を防止して皺等が発生するのを防ぐと共に光
輝の有る印刷層を永久に確保するようにする点に
ある。

（問題点を解決するための手段） この考案は上記の如き従来の問題点を解決する
もので、その構成とする所は、装飾帯１の内部に
埋設する光輝テープ層２の表面に位置するアイオ
ノマー樹脂膜６の下面には、表面に印刷層６を施
した金属箔シート７を重合する。この金属箔シー
ト７の下面には、基体部３と同効質の透明樹脂層
８を積層し、光輝テープ層２の１部と該基体部３
とをウレタン系の接着剤４を以て１体成型する点
にある。従つて、この装飾帯によれば、内部の光
輝テープ層を媒体として相容性のない基体部と光
輝テープ層とを強固に接着して内部の金属箔シー
トの光輝を永久的に表面に現出させるものであ
る。また、装飾帯の主体を安価な塩化ビニール等
の合成樹脂を使用し、表面に露出する部分に光輝
の優れた高価なアイオノマー樹脂を使用して製品
を著しく安価に提供する特徴がある。

（作用） この考案は上述の如き構成からなり、今この考
案の用法を説明すると、装飾帯１を車輌等のボデ
ーの外周面に装着する時は、該装飾帯１の基体部
３の下面に接着剤を塗着して取着すると、光輝テ
ープ層２の金属箔シートの表面の印刷層が表面に
浮上して金属光沢を現出せしめるものである。

（実施例） 次に、この考案の実施例を図面について説明す
ると、合成樹脂を以て長手方向の帯状に成型され
る装飾帯１は、表面に透明又は半透明な厚みが
0.1mm以上のアイオノマー樹脂膜５を設けた光輝
テープ層２と、この光輝テープ層２を埋設する熱
可塑性樹脂の塩化ビニール又はオレフイン系樹脂
よりなる基体部３とから構成されている。この光
輝テープ層２には、表面に該アイオノマー樹脂膜
５を使用し、このアイオノマー樹脂膜５の下面に
は、上部に印刷層６を被着した金属箔シート７を
重合せしめてある。前記金属箔シート７の下面に
は、該基体部３と同効質の熱可塑性樹脂例えば、
塩化ビニール又はオレフイン系樹脂等の透明樹脂
層８を積層して構成してある。次に、該基体部３
の長手方向の両側には、上向の起立片９，９を形
成すると共に、上面に該光輝テープ層２の上面長
手方向の両端を被着する被覆片１０，１０を形成
してある。

前記基本部３と該光輝テープ層２とは、光輝テ
ープ層２の左右側面と上面との１部にウレタン系
の接着剤４を介在して両者を１体的に成型せしめ
てある。

次に、第４図に示すものは、この考案の他の実
施例を示すもので、内部に位置する金属箔シート
７の上下両面に各印刷層６，６を印刷せしめた構
成となつている。

（考案の効果） この考案は上述の如き構成からなる装飾帯によ
れば、内部に埋設する光輝テープ層を媒体として
相溶性のない２種類の合成樹脂の各々の長所及び
利点を活用し、両者を強固に１体成型できる効果
と、従来の欠点である相溶性のない２種類の合成
樹脂を加熱押出成型しても金型より抽出時点で、
引裂、剥離するのを防止する優れた効果がある。
また、この装飾帯によれば、内部の光輝テープ層
との接合面よりの雨水の浸入による汚染及び変色
等を確実に保護すると云う実用的な効果がある。
そして光輝テープ層の最上面にアイオノマー樹脂
膜を設けたことによつて、長期間に亘つて透明性
及び耐候性に大変に優れた効果と、下面に設けた
印刷層を設けた金属箔シートを汚染から保護する
と共に、長期間綺麗に使用できる効果もある。ま
た、装飾帯の主体構成材料である基体部と、光輝
テープ層の最下面の同効質の透明樹脂層とが容易
に接着結合して強固に１体化され、装飾帯全体を
著しく強固とする効果がある。更に、比較的に安
価な塩化ビニール又はオレフイン系樹脂を主体と
して高価なアイオノマー樹脂を表面の必要個所に
使用して著しく安価に提供できる効果がある。ま
た、基体部と光輝テープ層との側面と上面との１
部をウレタン系の接着剤を介在して１本化したの
で、両者の接合面を確実に接着すると共に、表面
からの雨水の浸入を防止して印刷層の化学変化を
確実に防止して見苦しさを解決する優れた効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の斜面図、第２図は同じく断
面図、第３図は光輝テープ層の断面図、第４図は
この考案の光輝テープの他の実施例の断面図、第
５図は従来例を示す全体の断面図である。 符号１は装飾帯、２は光輝テープ層、３は基体
部、４は接着層、５はアイオノマー樹脂膜、６は
印刷層、７は金属箔シート、８は透明樹脂層であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂によつて成型される装飾帯は、表面に
   アイオノマー樹脂膜を設けた光輝テープ層と取付
   部となる塩化ビニール又はオレフイン系樹脂より
   なる基体部とからなる車輌用合成樹脂製装飾帯に
   おいて前記光輝テープ層の表面に位置する該アイ
   オノマー樹脂膜の下面には、表面に印刷層を施こ
   した金属箔シートを重合し該金属箔シートの下面
   には、該基体部と同効質の透明樹脂層を積層し、
   且つ該光輝テープ層の１部と該基体部とをウレタ
   ン系の接着剤を介在して１体成型した事を特徴と
   する車輌用合成樹脂製装飾帯。