JPS637132B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、積層構造物、より特別には、装飾
及び防護目的で自動車に取付け得るようにされた
装飾帯片ないしモールデイングに、関するもので
ある。この発明に従つた装飾帯片ないしモールデ
イングは、魅力的な外観を有し、満足できるよう
に機能し、しかも軽量であり、このため、車輌に
おいてより重い装飾帯片ないしモールデイングに
代えて用い車輌重量を減らせるものとなつてい
る。車輌重量の減少によつては勿論、燃料効率が
高められ、エネルギーの節約が促される。

自動車用のモールデイングは、良く知られてお
り、長年にわたり、自動車の外観美を高め且つそ
の車体を保護するために、用いられて来ている。
最近はモールデイング製造のために、プラスチツ
ク材を用いるのが増えて来ている。この種のモー
ルデイングは、満足すべき特性及び外観を提供は
するが、燃料効率を高めるべく車輌重量を減らす
ことが、絶えず要求されて来ている。したがつ
て、軽量であり、長期間にわたり満足できる特性
を維持して車輌を保護し、しかも魅力的な外観を
備えているモールデイングを開発することが、望
ましい。

比較的軽量であり、且つ、モールデイングに適
した形状へと押出し成形できる素材の一種として
は、熱可塑性エラストマーがある。この素材は、
現在普通にモールデイングに用いられているポリ
塩化ビニルよりも、例えば約25％軽るい。熱可塑
性エラストマー材はさらに、優れた加工性、低い
収縮性、優れた高温及び低温特性及び優れた耐候
性といつた、モールデイングに用いるのに優れて
適合した物理的特性を、備えている。しかし不幸
なことには、熱可塑性エラストマー材は、耐傷付
け抵抗が乏しく、また各種の色彩に着色するのが
困難である。

主として軽量な熱可塑性エラストマー材より構
成されているが、耐傷付け抵抗において優れてい
ると共に着色容易であるモールデイングを提供す
ることが、望ましい。また、このようなモールデ
イング中に任意に、金属状の外観を与える装飾帯
片を挿入できることが、望ましい。熱可塑性エラ
ストマーから成る本体上に押出し成形されたポリ
塩化ビニル或はイオノマー樹脂を積層してなるモ
ールデイングは、熱可塑性エラストマー材の長所
と共に、優れた耐傷付け抵抗と着色容易な表面層
とを有するものとなろう。しかしながら、このよ
うな異別種ないし非類似の層を通常の押出し（成
形）技術を用いて積層するのは困難であること
が、見出されている。

この発明に従つて、押出し成形された熱可塑性
エラストマー本体と押出し成形された非類似プラ
スチツク層とを備えた積層構造物が、上記の本体
と非類似プラスチツク層との間に連結シートを挿
入することによつて、提供される。この連結シー
トは、上記の熱可塑性エラストマー本体と共存性
の素材より成る第１層と上記の非類似プラスチツ
ク層と共存性の素材より成る第２層とを、積層し
てなる積層体である。「共存性の」（compatible）
なる用語は、加熱を伴なう通常の押出し技術を用
いて一素材を他素材へと結合できることを意味す
る。

この発明に従つて、押出し成形された熱可塑性
エラストマー材（以下、「TPE」或は「TPE材」
という。）とポリ塩化ビニル或はイオノマー樹脂
のような非類似の押出し成形された熱可塑性プラ
スチツク材とから成る積層物を、上記した両材間
に、熱可塑性エラストマー材と共存性の素材及び
非類似熱可塑性プラスチツク材と共存性の素材か
ら成る積層体を挿入することによつて、製造でき
ることを見出した。したがつて例えば、軽量の押
出し成形された熱可塑性オレフイン本体と、ポリ
オレフインシート及びポリ塩化ビニルシートから
成る連結シートである２重積層体と、ポリ塩化ビ
ニルより成る外層とを、備えている積層製品であ
つて、優れた耐傷付け抵抗を有すると共に容易着
色できる外層を有する積層製品を、製造できる。
また、かかる積層製品ないしモールデイングは、
外観美を高めるべく金属光沢の帯片或は他の装飾
帯片を担持可能である。

TPEは、それから本体を形成するように押出
し成形され、本体は連結シートに対し、加熱を伴
なう通常の押出し積層技術を用いて積層される。
連結シートは、積層体であり、TPE本体に対し
押付けて加熱されると該本体へ良好に粘着する素
材より成る第１層と、外層に対し押付けて加熱さ
れると該外層へ良好に粘着する非類似の熱可塑性
プラスチツク材より成る第２層とを、備えてい
る。連結シートの上記の２つの層は、加圧ローラ
及び接着剤を用いた通常のシート積層技術を用い
て、互に積層される。連結シートは、TPE本体
に対し及び外層に対し、加熱を伴なう通常の押出
し積層技術を用いて、積層される。

TPE材は、公知の物質であり、例えば、フア
ン・ノストランド・ラインホールド・カンパニー
（Van Nostrand Reinhold Company）1979年発
行のベンジヤミン・エム・ウオーカ（Benjamin
M.Walker）編「ハンドブツク・オブ・サーモプ
ラスチツク・エラストマーズ」（Handbook of
Thermoplastic Elastomers）において教示され
ている。この発明実施のために用いるのに好適し
たTPE材は、エチレン−プロピレン或はエチレ
ン−プロピレン−ジエン ゴムとポリプロピレン
のような熱可塑性材との機械的混合物のようなポ
リオレフイン熱可塑性エラストマーである。市販
の熱可塑性オレフイン材としては、ユニローヤル
社（Uniroyal Inc.）のUniroyal's TPR（登録商
標）、ビイ・エフ・グツドリツチ社（B.F.
Goodrich Co.）のB.F.Goodrich's Telcar（登録
商標）、レン・プラスチツク社（Ren Plastics）
のTPO Ren−Flex等が、ある。他のTPE材とし
ては、ブロツク重合体、ポリエステル熱可塑性エ
ラストマー、熱可塑性ポリウレタン・エラストマ
ー等が、ある。「TPE」なる用語は、熱可塑性物
質とエラストマー物質との両者の特性を備えた物
質を指していることに、留意されるべきである。
したがつてTPE材は、熱にさらされると軟化し
常温まで冷却されると原状態へと戻ると共に、常
温で実質的にひき伸ばし可能であり、またほぼ元
の長さへと戻る。TPE材は、比較的軽量である
が、この発明の範囲を逸脱することなく、通常の
ブロー成形技術を用いより軽量化することも可能
である。

この発明に用いられる連結シートは、第１層と
第２層との積層体であり、第１層は、TPE本体
と共存性の素材から成り、第２層は、PTE材と
は非類似の物質であつて通常の押出し積層技術に
よつてTPE材に積層することが困難である外層
と共存性の素材から成る。連結シートの上記した
２つの層は勿論、押出し技術を用いて積層するこ
とが困難であるが、通常のシート積層技術を用い
れば互に積層でき、シート積層法を採用すること
で生産過程で有利に積層される。したがつて上記
の第１層と第２層は、例えばモルトン・ケミカル
社（Morton Chemical Co.）の「Adcote」122
のような２部ウレタン接着剤（２−part
urethane adhesive）のような通常の接着剤によ
り、互に結合できる。該第１層と第２層とは、互
いに対し押付け、且つ、両層間から閉込み空気を
取除くように、カレンダロール間を通過させ得
る。好ましくは、連結シートはその各層の厚さと
して、第１層については約1.5から約10ミル（約
38−254ミクロン）、第２層については約３から約
30ミル（約76−762ミクロン）を、有する。一般
的に言つて連結シートは２層体であるが、上述の
ような第１層及び第２層がそれぞれ、TPE本体
及び非類似の外層に対面するように配置されて設
けられている限り、連結シート中に２層よりは多
い層を設けてもよい。また勿論この発明の範囲を
逸脱することなしに、外層が、一或はより多い追
加の層を、備えていてもよい。「外層」（outer
layer）なる用語は、そのような層がTPE本体、
連結シート及び外層より成る積層物において相対
的に外側に位置していることを、意味している。

この発明において熱可塑性オレフイン本体及び
ポリ塩化ビニル外層と共に用いられる連結シート
は、ポリエチレン或はポリプロピレンのようなポ
リオレフイン材より成る第１層を有するのが適当
である。第２層は、ポリ塩化ビニル或は押付けつ
つ加熱されるとポリ塩化ビニルに粘着する他の物
質より成るのが適当している。逆に、外層がイオ
ノマー樹脂である場合には、連結シートの第２層
は、例えばイオノマー樹脂より成るものとでき
る。

金属化されたポリエステルフイルムのような装
飾フイルムを外層と連結シートとの一部の間に包
み込んで、積層構造物の一部に輝いた金属状の外
観を附与できることを、見出した。また外層に、
粒状模様（grain pattern）ないし埋込みを施し
得る。TPEは一般に、この種の粒状物を容易に
は受入れないが、外層は、この種の粒状物を受入
れるポリ塩化ビニルのような素材より成るもの
と、できる。澄んだ或は透明な外層を、それを通
して上記の装飾フイルムを見ることができるよう
に、使用すべきであることが、理解されるべきで
ある。装飾フイルムを用いない場合には勿論、所
望の色を得るように外層を着色できる。当業者が
容易に理解できるように、この発明は、外層にポ
リ塩化ビニル或は他の容易着色性の素材を用いる
ことを、可能とする。

図面を参照しながら説明して行くと、第１−５
図には、自動車用のモールデイングないし装飾帯
片として構成されている、この発明に従つた積層
構造物の好ましい数実施例が、示されている。第
１図に示す積層構造物の全体には、参照数字１０
を附してある。この積層構造物１０は、細長いも
のであつて、図では積層された複数層を示すため
に横断面が画かれている。積層構造物１０は、押
出し成形された比較的厚い本体１１を備えてお
り、この本体１１は、それに積層された連結シー
ト１２を有している。本体１１は、熱可塑性オレ
フインのようなTPE材から作製されており、他
方、連結シート１２は、TPEと共存性の、ポリ
オレフインのような第１層１３を第２層１４に積
層接着してなる２層構造を有し、第２層１４は、
外層１６と共存性の物質から成る。積層構造物１
０を製造するにあたり、連結シート１２は、通例
のシート積層技術を用いて作製され、他方、本体
１０への連結シート１２の積層と外層１６への連
結シート１２の積層とは、加熱を含む、通例の押
出し技術を用いて行なわれる。したがつて、第１
層１３は、熱によつて本体１１へと積層結合でき
る。頂面塗布Mylar（登録商標）のような装飾ポ
リエステルフイルムから成る光輝帯片１５が、連
結シート１２と透明ポリ塩化ビニルから成るもの
とできる外層１６との間に、挿入されている。外
層１６がポリ塩化ビニルより成るものとされてい
れば、連結シート１２の第２層１４も、ポリ塩化
ビニルより成るものとでき、またそうするのが適
当である。光輝帯片１５は、完全に包み込まれて
おり、この発明に従つて積層構造物ないしモール
デイング１０中で位置を拘束されている。何故な
ら、外層１６の側縁部１７及び１８が光輝帯片１
５の側縁１９及び２０を完全に覆つているからで
ある。透明な外層１６を連結片１２の第２層１４
に対し、加熱を含む通例の押出し技術を用いて、
上記の側縁部１７，１８に沿い積層できること
が、理解されるべきである。

積層構造物ないしモールデイング１０を自動車
等の表面へ取付ける手段は、接着剤層２１によつ
て本体１１へと接着結合してある感圧テープ２２
によつて、提供される。モールデイング１０に対
するテープ２２の接着性を高める適当な予処理手
段は、当業者に良く知られており、例えば、シー
バート・オキサイダモ法（Seibert−
Oxidermosystem）がある。

上述したところから理解されるように、モール
デイングないし積層構造物１０は、この発明に従
つて、熱可塑性オレフイン材より成る本体１１を
有しており、この本体１１には、ポリオレフイン
材より成る第１層１３及びポリ塩化ビニル材より
成る第２層１４の２層構造を有する連結シート１
２が、積層されている。連結シート１２の表面２
３は、加熱を含む通例の押出し技術を用いて本体
１１へと積層される。第１層１３の表面２６は連
結シート１２の第２層１４の表面２４に対し、２
部ウレタン接着剤のような通例の接着剤により、
そして通例のシート積層技術を用いて、積層され
る。第２層１４の表面２５は、それに外層１６を
通例の押出し技術を用いて積層可能である表面と
なつている。光輝帯片ないし装飾層１５は、外層
１６と連結シート１２との間に包み込み得る。外
層１６は、所望の場合には容易に着色可能なポリ
塩化ビニルより作製できるし、或はまた、装飾層
１５の透視を可能とするように透明のものともで
きる。これよりして積層構造物１０は、傷付けに
対する抵抗性についてはポリ塩化ビニルの長所を
備えている。積層構造物１０はまた、低収縮性及
び優れた高温及び低温特性並びに優れた耐候性等
の優秀な物理的特性を有しつつ軽量な構造物とな
つているといつた長所を備え、他面では同時に優
れた耐傷付け抵抗及び外観を備えたものとなつて
いる。

第２図の考慮に移ると、同図には、この発明に
従つた他の積層構造物ないしモールデイングが示
されており、全体を参照数字３０で指称してあ
る。このモールデイング３０は、例えば自動車の
風防ガラスの周りに用いるのに適当したものと、
されている。モールデイング３０は、通常の方法
で風防ガラス周囲の溝内に保持できるようにされ
た部分３２と保持用の上記溝から外方に延びるよ
うにされたヘツド部分３３とを有する本体３１
を、備えている。本体３１は、チバ・ガイジー社
（Ciba−Geigy）により供給されているRen−flex
1016 プラスチツクのようなTPE材から成る。
ヘツド部分３３の外面には連結シート３４が積層
され、他方、連結シート３４には外層３５が積層
されている。外層３５は、アデル社（Adell）に
より供給されているPS20Nのような、紫外線に
対し安定化されているイオノマー樹脂ないし
Surlyn（登録商標）混合物から、作製されてい
る。連結シート３４と外層３５との一部分間に
は、金属化ポリエステルフイルムより成る光輝帯
片３６が挿入されている。第１図に図示のモール
デイング１０におけると類似して、上記の光輝帯
片３６は、参照数字３７で示す輝いた外面をモー
ルデイング３０に附与するものとなつており、モ
ールデイング３０の外観美を高めている。光輝帯
片３６の側縁部３８及び３９は、外層３５と連結
シートないし連結帯片３４内に包み込まれてお
り、光輝帯片３６の露出による損傷が防止されて
いる。

連結シート３４は、第１層４１及び第２層４０
を備えており、これらの層４１，４０は、連結シ
ート３４を本体３１に積層する以前に通例のシー
ト積層技術により互に積層接着される。連結シー
ト３４の第１層４１は、本体３１のTPE材と共
存性のポリプロピレン等のポリオレフインのよう
な物質より成り、これよりしてモールデイング３
０の本体３１に対し、加熱を含む通例の押出し技
術を用いて積層できる。連結シート３４の第２層
４０は、Surlyn（登録商標）材より成り、これよ
りしてその上に外層３５を、通例の押出し技術に
より容易に積層できる。以上よりしてモールデイ
ング３０も、軽量であり、優れた耐傷付け抵抗、
外観及び耐候性を有するといつた、前述の長所を
備えている。

次に、第３，４図に図示の、この発明の別の実
施例に係るモールデイング５０について、説明す
る。このモールデイング５０は、例えば自動車の
車体サイドモールデイングとして適当したもの
に、設計されている。モールデイング５０は、比
較的薄い中間部５３により互に結合されている拡
大側部５２及び５４を有する、断面形状がほぼ唖
鈴（アレイ）形の本体５１を、備えている。本体
５１は、TPE材ないし熱可塑性オレフイン材よ
り作製されている。モールデイング５０の各側部
５２，５４を自動車等の表面に取付けるための手
段は、封張り５６及び５８を有する感圧テープ帯
片５５及び５７によつて提供される。連結帯片な
いしシート５９が本体５１に積層されており、ま
た外層６０が連結シート５９に積層されている。
外層６０は、ポリ塩化ビニル材より成る。

第４図に示すように、外層６０に切込み形成さ
れた細長溝６３内に一部、ビニル帯片６１が、加
熱を含む通例の押出し技術により固定されてい
る。同様に固定されたビニル帯片６２も、設けら
れている。

連結シート５９は、ポリエチレン或はポリプロ
ピレン等のポリオレフイン材より成る第１層６４
と、ポリ塩化ビニル材より成る第２層６５とを、
備えている。連結シート５９の表面６７及び６９
は、同シート５９を用いる以前に、通例のシート
積層技術を用いて互に接着固定される。したがつ
て連結シート５９は、本体５１に対し容易に積層
できる表面６６と、加熱を伴なう通例の押出し技
術を用いて外層６０に対し容易に積層できる表面
６８とを、有している。

以上よりしてモールデイング５０も、この発明
の前述長所を備えている。このモールデイング５
０はまた特に、長さ方向に沿つて延びている溝部
７０を有する細長い形状のものとなつていて、押
出し技術により極く容易に形成できる構造、つま
り双頭断面形状の構造、を有するといつた長所を
備えている。

第５図の考慮に移ると、同図には、この発明の
さらに他の実施例が、参照数字８０で全体を示し
て、図示されている。このモールデイング８０
は、TPE材ないし熱可塑性オレフイン材より作
製された本体８１を備え、また自動車の車体側面
のような構造体表面に同モールデイング８０を取
付けるための手段を提供するものとして一面に封
張り８３を有する感圧テープ８２が、本体８１の
一面に結合されている。本体８１は、長さ方向に
延びていて外観美を高めている１対の溝部８４及
び８５を有し、押出し成形に極く適した構造のも
のとなつている。この本体８１には、連結シート
８６が積層されている。連結シート８６には外層
８７が積層されており、この外層８７は、透明な
ポリ塩化ビニル材より作製されている。装飾ポリ
エステルフイルム８８が、外層８７と連結シート
８６との一部間に挟み込まれて、包み込み状に設
けられている。したがつてモールデイング８０
は、参照数字８９で示してある部分に沿つて輝い
た金属性部分を有せしめるのに適したものと、な
つている。装飾フイルム８８の側縁部９０及び９
１は、外層８７によつて被覆されており、このた
め、装飾フイルム８８が密閉され、外部に対し保
護されている。

連結シート８６は、ポリオレフイン材より成る
第１層９３と、ポリ塩化ビニル材或は他の共存性
の熱可塑性プラスチツク材より成る第２層９２と
を、備えている。これらの層９３及び９２は、連
結シート８６をモールデイング８０中に組込むに
先立つて、接着剤及び通例のシート積層技術によ
り、互に積層される。

したがつて連結シート８６は、TPE材より成
る本体８１の使用を可能とし同本体８１の長所を
生かすと共に、ポリ塩化ビニルより成る外層８７
を押出し技術を用いて積層することを容易化し、
ポリ塩化ビニル材使用による耐傷付け抵抗及び外
観美に係る前述の長所を得さしめる。これよりし
て、輝いた部分を有する優れた外観を備えた、軽
量で機能的なモールデイングが提供される。

第６図には、この発明に従つた積層構造物を製
造する方法を、やや模式的に図解してある。この
発明に係る積層構造物１００は、押出し成形機１
０１を用いてTPE本体シートないし型材１０２
を押出し成形することにより、提供される。本体
１０２の押出し成形後に、本体１０２とロール１
０４間に連結シート１０３を通し、該連結シート
１０３を熱により本体１０２へと積層させる。連
結シート１０３は、その第１層及び第２層を予め
積層された連結シートであつてもよいし、同連結
シートが本体１０２に施されるときに第１層及び
第２層を積層するようにされたものであつてもよ
い。次いで装飾帯片１０５が連結シート１０３上
に、ロール１０６下で積層される。次に外層１０
８が、装飾帯片１０５及び連結シート１０３上で
押出し成形機１０７により押出され、全積層体
が、加圧用のカレンダロール１０９及び１１０間
を通過せしめられる。上述した各構成要素の材質
及び層配列等は、前述のようであり、ここで繰返
して説明することはしない。

この発明に従つたシート製品は、この発明の長
所を減殺することなく、ダイスを用いての裁断及
び熱成形して、シート状以外の形態のものともで
きる。そしてこの発明に係る、このような積層製
品は、化学薬品、摩耗、風雨等に対し優れた抵抗
性を有する熱可塑性エラストマー本体を備えたも
のと、できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明に従つた積層構造物の一例
を示す横断面図である。第２図は、この発明に従
つた積層構造物の他例であるモールデイングを示
す切欠き横断斜視図である。第３図は、この発明
に従つた積層構造物の別例であるモールデイング
を示す切欠き横断斜視図である。第４図は、第３
図で矢印で示した部分の拡大図である。第５図
は、この発明に従つた積層構造物のさらに他の実
施例を示す切欠き横断斜視図である。第６図は、
この発明に従つた積層構造物を製造する方法を示
す模式図である。 １０，３０，５０，８０，１００……積層構造
物（モールデイング）、１１，３１，５１，８１，
１０２……本体、１２，３４，５９，８６，１０
３……連結シート、１３，４１，６４，９３……
第１層、１４，４０，６５，９２……第２層、１
６，３５，６０，８７，１０８……外層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自動車用のモールデイングとして使用される
   積層構造物であり、熱可塑性エラストマー材より
   成る、押出し成形された本体と、非類似のプラス
   チツク材より成る、押出し成形された外層と、上
   記した本体と外層との間に挟み込まれ該本体及び
   外層に積層されている連結シートとを、備えてい
   て、上記連結シートが第１層及び第２層を有す
   る、接着固定された積層体から成つていて、上記
   第１層は上記熱可塑性エラストマー材と共存性の
   素材より成り上記本体に加熱積層されており、ま
   た上記第２層は上記非類似のプラスチツク材と共
   存性の素材より成り上記外層に加熱積層されてい
   る、積層構造物。 ２ 前記熱可塑性エラストマー材が熱可塑性オレ
   フインであり、前記第１層がポリオレフイン材よ
   り成る、特許請求の範囲第１項に記載の積層構造
   物。 ３ 前記第２層及び前記外層がそれぞれ、ポリ塩
   化ビニルより成る、特許請求の範囲第２項に記載
   の積層構造物。 ４ 前記第２層及び前記外層がそれぞれ、イオノ
   マー樹脂より成る、特許請求の範囲第２項に記載
   の積層構造物。 ５ 前記第２層と前記外層との間に装飾帯片を挟
   み込んである、特許請求の範囲第１項に記載の積
   層構造物。 ６ 前記本体を自動車の側面に固定できるように
   してある、特許請求の範囲第１項に記載の積層構
   造物。 ７ 前記本体が、自動車の風防ガラスの周囲の溝
   内で位置拘束できる部分を備えている、特許請求
   の範囲第１項に記載の積層構造物。