JPH0742412Y2 - 外反母趾矯正用サポーター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、外反母趾とされる変
形した足の親指を正常な状態に戻すように矯正するため
の外反母趾矯正用サポーターに関する。

【０００２】

【従来の技術】体重が足の指先部分に集中的に掛かり指
先部分を強締するような靴、例えば、つま先の細いハイ
ヒールなどを履きつけると外反母趾になるとされる。外
反母趾は足の親指の一種の変形で、親指の指先部が隣接
の指の方に曲がって密着するようになり、親指の付け根
関節部は外方に向けて突出状となる。

【０００３】外反母趾がひどくなると、履物の着用のな
い素足での歩行時にも親指の付根関節部分に疼痛を生じ
るようになる。また、歩行姿勢からしても足をかばうよ
うな不自然な姿勢になるようなことがあって腰痛などの
原因にもなる。

【０００４】そこで、外反母趾を矯正するために、従来
より外反母趾矯正用のサポータや履物類が種々提案され
ている。

【０００５】外反母指矯正用サポータとしては、例え
ば、特公平２−１２０９４号公報に記載のものがある。

【０００６】このサポーターは、親指の付根関節部分か
ら他の四指の付根関節部分（足先部分）に取り巻き状に
関節固定用バンドを止着し、この関節固定用バンドに連
設した親指包容部で親指を包み込み、この親指包容部の
外方側面に基端を固着した引っ張り用バンドを足の側面
から踵部に掛け回して先端部を関節固定用バンドの上面
に止着させる構成のもので、関節固定用バンドで親指の
付根関節部分を正常位置になるように締め付け、引っ張
り用バンドによる引っ張り力で親指の指先部を隣接の指
（隣接の第２指）から引き離すようにして外反母趾を矯
正しようとするものである。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記する外
反母趾矯正用サポーターでは、その構成素材が全て柔軟
な布地などからなり、関節固定用バンドを足先部分に止
着した場合、外方に向けて突出状となる親指の付け根関
節部上に直接に押当されるため、親指の付け根関節部に
集中的に締め付け力が作用するようになり、充分な締め
付け力は得られなず、長時間の着用で疼痛を生じる。

【０００８】また、サポータ指先部分から踵部に掛け回
される引っ張り用バンドによって親指包装部の外側面を
踵の方に引っ張って親指の指先部を隣接の指から引き離
す横向きの力（以下、単に矯正力という）を得るように
しているため、引っ張り用バンドによる力の一部は矯正
しようとする親指をその付根方向に向けて押すように作
用し、親指の付根関節部を圧迫する。

【０００９】この考案は上述の点に鑑みなされたもので
あって、外方に突出状とされる親指の付け根関節部に対
して集中的な締め付けや圧迫をなくして充分な矯正力が
得られる矯正効果の高い外反母趾矯正用サポーターを提
供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めのこの考案の要旨とするところは、薄い皮革などから
なり、足の親指の付根関節部回りの足形に合わせて型付
けされ、当該親指の付根関節部回りを適宜の範囲で覆う
主体部と、親指の付根関節部に対応して主体部に穿設し
た孔と、主体部に連設され、足先部分に取り巻き状に止
着される固定バンドと、足の親指に対応して主体部前側
に連設され、親指に取り巻き状に止着される親指固定バ
ンドと、該親指固定バンドに配装され、親指と隣接の指
との間で親指の内側面に押当される指先当て体を備えた
ことを特徴とする外反母趾矯正用サポーターにある。

【００１１】

【作用】主体部を足の親指の付根関節部分に当て、固定
バンドで足先部分に止着すると、親指の付根関節部が孔
のところに露出し、その回りに本体部が密着して親指の
付根関節部分を内向きに締め付ける。親指固定バンドを
親指に止着すると、親指の内側面に指先当て体が押当さ
れ、本体部による締め付けとは逆向きに親指の指先を隣
接の指から離す方向に矯正力が付与される。

【００１２】

【実施例】以下、この考案の実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１３】図１はこの考案のサポーターの使用状態を
示す平面図、図２はこの考案のサポーターの展開状態を
示す斜視図、図３は使用状態を示す斜視図である。

【００１４】図において、１は本体部で、柔軟にして伸
縮性のない薄い皮革などからなり、足の親指Ａの付根関
節部Ｃ回りの足形に合わせて型付けされ、親指Ａの付根
関節部分を適宜の範囲で覆ってフィットする。２は親指
の付根関節部Ｃに対応して本体部１に穿設した孔で、親
指の付根関節部Ｃを露出させるためのものである。

【００１５】３は本体部１に連設した固定バンドで、足
先部分に取り巻き状に止着されるもので、足の甲部にお
いて係脱されるベルベット式ファスナー４を設けてい
る。

【００１６】５は主体部前側に連設した親指固定バンド
で、親指Ａに取り巻き状に止着されるもので、親指Ａ上
で係脱されるベルベット式ファスナー６を設けている。

【００１７】７は親指固定バンド５に設けた指先当て体
で、硬質ゴム材などからなり、親指Ａと隣接の指Ｂとの
間にあって親指Ａの内側面に押当されるもので、親指Ａ
の内側面に合わせて押当面８を凹設し、この押当面８に
は肌触りのよい薄い不織布などを貼着している。

【００１８】上記構成において、本体部１を親指Ａの付
根関節部分に当て、固定バンド５を足の小指の付根部近
傍に廻し、甲部でその両端のベルベット式ファスナー４
を相互係合させて止着すると、外方に突出状とされる親
指の付根関節部Ｃは本体部１の孔２から露出し、その回
りに本体部１が密着して親指Ａの付根関節部分を内向き
に締め付けられる。

【００１９】親指固定バンド５を親指Ａに取り巻き状に
止着すると、親指Ａと隣接の指Ｂとの間にあって親指Ａ
の内側面で指先部に指先当て体７が押当され、本体部１
による締め付けとは逆向きに親指Ａの指先を隣接の指Ｂ
から離す矯正力が付与される。

【００２０】

【考案の効果】上記構成からなるこの考案によれば、次
のような効果を奏する。

【００２１】(１） 本体部は柔軟な皮革などからな
り、正常な足形に合わせて型付けされ、外方に突出状と
される親指の付根関節部は孔のところに露出してその回
りに密着して締め付けるから、従来のように親指の付根
関節部上に直接に当たって集中的に締め付けるものに比
べ、長時間の着用でも疼痛を生じることがなく、充分な
締め付け力が得られる。

【００２２】また、装着状態で位置が移動することもな
く安定性が高く、歩行を妨げるようなことはない。さら
に全体の厚みも薄くできるので、装着したままで靴など
も無理なく靴を履くこともできる。

【００２３】（２） 本体部により親指の付根関節部分
を内向きに締め付ける力と、親指固定バンドを親指に取
り巻き状に止着して親指の内側面に指先当て体を押当
し、親指の指先を隣接の指から離す矯正力が同時に付与
されるから、従来のように親指をその付根関節部向けに
押し付ける力による圧迫感はなく、効果的な矯正を実現
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案のサポーターの使用状態を示す平面
図である。

【図２】 この考案のサポーターの展開状態を示す斜視
図である。

【図３】 使用状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１…本体部 ２…孔 ３…固定バンド ５…親指固定バンド ７…指先当て体 Ａ…親指 Ｂ…隣接の指 Ｃ…親指の付根関節部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 薄い皮革などからなり、足の親指の付根
   関節部回りの足形に合わせて型付けされ、当該親指の付
   根関節部回りを適宜の範囲で覆う主体部と、親指の付根
   関節部に対応して主体部に穿設した孔と、主体部に連設
   され、足先部分に取り巻き状に止着される固定バンド
   と、足の親指に対応して主体部前側に連設され、親指に
   取り巻き状に止着される親指固定バンドと、該親指固定
   バンドに配装され、親指と隣接の指との間で親指の内側
   面に押当される指先当て体を備えたことを特徴とする外
   反母趾矯正用サポーター。