JPH0742180Y2 - モザイクパネル用連タイル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】監視盤、配電盤にはモザイクパネ
ルと称し、縦横一定間隔の仕切壁によって碁盤目状とし
たグリッドの桝路に、必要な計器や表示器を装着すると
ともに、残りの桝路には、盲筒状のタイルを嵌め込んで
パネル面を構成するものが知られている。

【０００２】本考案は、このようなモザイクパネルのグ
リッドの桝路に嵌め込むタイル、特に複数の桝路表面に
跨って装着される大きなタイルの構造に関する考案であ
る。

【０００３】

【従来の技術】モザイクパネルでは、仕切壁によって形
成される縦横一定寸法の１つの桝路を塞ぐタイル（以下
単タイルという）をそれぞれの桝路に装着するのが原則
である。そして、この単タイルＡの表面周縁には小さな
面取り３を施し、隣接するタイルの面取りの組合わせに
よって目地が形成されるようにしている。この目地はモ
ザイク模様としての印象を強調し、美観上の一つの重要
な要素となっている。

【０００４】ところが、タイルを装着する作業能率の
点、あるいは、仕切壁の一部が切除され大きな桝路が形
成されている所にタイルを装着する必要性の点などか
ら、複数の桝路の大きさに相当する大きなタイル（以下
連タイルという）が用いられることがある。この従来の
連タイルｂには、単タイルＡとの整合性の点から、図４
に示すように、単タイルＡの大きさに相当する所に目地
模様Ｃを刻設している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】従来の連タイルｂと単
タイルＡとを組合わせて盤面を構成する場合、単タイル
や連タイルが突き合わされて、それぞれのタイルの面取
りの組合わせによって形成される目地と、連タイルの表
面に刻設された目地模様との間に違和感を生じる。なぜ
ならば、隣接するタイルの間に形成される目地は、その
境界部分にたとえわずかであっても隙間を生じ、この隙
間部分の光は表面に反射しないのに対し、常に溝として
形成される目地模様はその全面から光を反射分断された
印象を与えることができない。したがって、従来の連タ
イルでは単タイル間の目地部が視覚的に強調されて美観
を与えるというモザイクパネルの効果が損なわれる欠点
があった。

【０００６】本考案は、このような点に鑑み、パネル面
に単タイルと組合わせて使用しても違和感を生じない連
タイルを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案に係る連タイルＢ
は、グリッド１の複数の桝路２に相当する大きさ、すな
わち、複数の単タイルを平面的に組み合わせた大きさと
し、その表面周縁に面取り３を施すとともに、連タイル
Ｂの表面には単タイルの組み合わせの境界に相当する部
分に前記周縁の面取り３を突き合わせた形状の目地模様
Ｃを刻設し、この目地模様Ｃの中心線上にスリット状の
切込み７を設ける。

【０００８】

【作用】グリッド１の桝路２に、桝路１つの大きさに相
当する単タイルＡや複数の桝路２に相当する大きな連タ
イルＢを嵌め込んで盤面を構成すると、タイルどうしの
境界にはタイル表面の面取り３の組合わせによる目地が
形成される。このとき、タイルとタイルの間には少なく
とも微細な隙間ｔ（図３）が現われ、この部分は光を反
射しないため微細な線として現われ立体感を生じること
になる。

【０００９】これに対し、連タイルＢの表面には目地模
様Ｃとスリット状の切込み７が見られ、スリット状の切
込み７がタイル間の隙間と同じように光を吸収し視覚的
にはタイルどうしの境界部分と同じように作用する。

【００１０】

【実施例】本考案モザイクパネル用連タイルを添付図面
に基づいて説明する。

【００１１】図１は、縦横を一定間隔の仕切壁によって
碁盤目状として一体成型したグリッド１の一部の桝路２
に単タイルＡを、他の桝路に連タイルＢを嵌め込む状態
を示す斜視図である。ここに例示した連タイルＢは、一
定寸法の桝路２の２つに跨がる大きさ、つまり２個の単
タイルＡを平面的に突き合わせた形状、大きさの長方形
としている。そして、単タイルＡや連タイルＢといった
全てのタイルは、その側壁４の高さ寸法を統一し、グリ
ッドに装着されたときにタイルの表面が同一平面上に位
置するようにするとともに、タイル表面の周縁には面取
り３を施す。

【００１２】個々のタイルは対向する側壁４に後方へ向
けて複数の脚５を突出させ、その先端に形成した爪６を
仕切壁裏面に係合させることにより、グリッド１に着脱
自在とする。図示実施例において、連タイルＢは、長方
形の長辺の側壁に、桝路ごとに係合する脚５を突出させ
ている。パネル面の一部となる連タイルＢの表面は、タ
イル表面周縁の面取り３を突き合わせたと同じ形状の目
地模様Ｃを刻設することによって２個のタイル面Ｄ，Ｄ
に区画し、図２に示すように、目地模様Ｃの中心線上に
は、スリット状の切込み７を設ける。

【００１３】図示実施例において、タイル表面周縁の面
取り３は、斜め４５度の面取りとしている。したがっ
て、これを突き合わせた形状である目地模様Ｃは、９０
度のＶ字状の溝となるが、面取り形状はこれに限定され
るものではない。

【００１４】目地模様Ｃの中心線上に設けるスリット状
の切込み幅Ｔは、例えば０．２ｍｍ程度とし、その切込
み深さは幅Ｔよりも深いものとする。切込み７の幅Ｔ
は、グリッド１の桝路２にタイルを装着したときに隣接
するタイル間に生じる隙間ｔ（図３）と同じ寸法とする
のが好ましい。しかしながら、多少違った寸法であって
も、区画として認識されるものであれば差程違和感を生
じないものである。

【００１５】一般に、タイルの外形寸法は、グリッドの
仕切壁間のピッチ寸法とほぼ同一とし、厳密には取り外
しが可能なようにごくわずか小さくしてある。グリッド
の加工精度などによって、タイルを装着したときのタイ
ル間の隙間は必ずしも一定しない。したがって、本考案
の連タイルにおいて重要なことは、切込み７の存在によ
って連タイル表面の目地模様にタイルを突き合わせたと
きの隙間、あるいは合わせ目と同じような立体感を生じ
させる点にある。

【００１６】なお、単タイルと組合わせてパネル面を構
成する連タイルは、図示実施例のように、単タイルを２
個突き合わせた大きさの他、単タイルを縦横２×２個突
き合わせた大きさの連タイルや縦横２×３個の単タイル
を突き合わせた大きさの連タイルなどとすることもでき
る。

【００１７】

【考案の効果】本考案モザイクパネル用連タイルによる
と、グリッドの桝路に嵌め込んでパネル面を完成したと
き、連タイル表面の目地模様の中心線上に形成したスリ
ット状の切込み部分の光が内奥に吸収され立体的な隙間
として認識され、タイル間に生じる継ぎ目や隙間と同じ
ように映り、視覚的に調和のとれたものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】グリッドとグリッドに装着する単タイルおよび
本考案連タイルの一例を示す分解斜視図、

【図２】本考案連タイルの実施例を示す平面図、

【図３】グリッドに単タイルを隣接して嵌め込んだ状態
を示す断面図、

【図４】従来の連タイルの一例を示す断面図である。

【符号の説明】

１…グリッド、 ２…桝路、 ３…面取り、 ７…切込
み、 Ｂ，ｂ…連タイル、 Ｃ…目地模様

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】縦横一定間隔の仕切壁によって碁盤目状に
   形成したグリッド１の桝路２に嵌め込んでパネル面を構
   成するモザイクパネル用タイルにおいて、グリッド１の
   複数の桝路２に相当する大きさとした連タイルＢの表面
   周縁に面取り３を形成し、連タイルＢの表面には、グリ
   ッドの桝路２と桝路２の境界に相当する部分に前記周縁
   の面取り３を突き合わせた形状の目地模様Ｃを刻設し、
   目地模様Ｃの中心線上にスリット状の切込み７を設けた
   ことを特徴とするモザイクパネル用連タイル。