JP3421645B2 - 建築板及びその製造方法 - Google Patents

建築板及びその製造方法

Info

Publication number
JP3421645B2
JP3421645B2 JP2000317772A JP2000317772A JP3421645B2 JP 3421645 B2 JP3421645 B2 JP 3421645B2 JP 2000317772 A JP2000317772 A JP 2000317772A JP 2000317772 A JP2000317772 A JP 2000317772A JP 3421645 B2 JP3421645 B2 JP 3421645B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
building board
side edge
pattern
thickness
solid portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000317772A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002121877A (ja
Inventor
守道 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichiha Corp
Original Assignee
Nichiha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichiha Corp filed Critical Nichiha Corp
Priority to JP2000317772A priority Critical patent/JP3421645B2/ja
Priority to AU55899/01A priority patent/AU767696B2/en
Priority to CA002353431A priority patent/CA2353431C/en
Priority to US09/915,136 priority patent/US6578334B2/en
Publication of JP2002121877A publication Critical patent/JP2002121877A/ja
Priority to US10/396,456 priority patent/US6666244B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3421645B2 publication Critical patent/JP3421645B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)
  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Moulds, Cores, Or Mandrels (AREA)
  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築板に関し、特
に、側縁の継ぎ合わせ部の構造を改善して、隣接する建
築板間での意匠柄の連続性を確保して高い外観意匠性を
表出できるようにした建築板に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、建築用外装材のほぼ70パーセン
トを窯業系外装材が占めており、その柄意匠はますます
精巧となり、複雑化している。しかし、板単位でいかに
精巧な意匠柄をデザインしても、板と板との継ぎ合わせ
部において柄の連続性が失われる場合には、十分な外観
意匠性が得られない。窯業系建築板は、長尺板として製
造されることから、通常の形態において、板と板との継
ぎ合わせ部に直線状の隙間が形成されるのを避けられ
ず、継ぎ合わせ部に柄の連続性を持たせることは容易で
ない。この問題は、突き付け施工の場合のみならず、合
決り接合する場合でも同様である。
【0003】窯業系建築板のデザインとして広く使用さ
れているレンガ柄やタイル柄のような島状柄部を有する
板では、板と板との継ぎ合わせ部を目立たせないように
する工夫が種々とられている。例えば、特開平2000
−129886号公報、特開平9−144268号公
報、特開平9−150111号公報、実開平3−788
28号公報、実開昭56−112321号公報などで
は、隣接する一方の建築板に柄模様の一部を形成し、他
方の建築板に柄模様の残りを形成し、2枚の建築板を継
ぎ合わせることにより、一つの島状柄部が形成されるよ
うにした建築板において、分割された模様の接合部をい
かに目立たないようにするかについて種々の提案がされ
ている。また、実開昭63−21323号公報には、隣
接する一方の建築板に柄模様の全部を形成し、2枚の建
築板を継ぎ合わせた時に、他方の建築板の側縁部分に前
記柄模様の一部が張り出すようにすることにより、継ぎ
合わせ部を目立たないようにしたものが記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一つの柄模様を2枚の
板に分割して持たせ、継ぎ合わせたときに一つの柄模様
が形成されるようにして、柄模様の連続性を持たせるよ
うにした建築板は、継ぎ目となる側縁近傍の成形加工も
含め板全体の成形は容易であるが、柄模様部の表面に直
線状の接合線(継ぎ目線)が現れるのを避けることがで
きず、意匠柄全体の連続性の観点からは、十分に満足し
たものではない。隣接する一方の建築板に柄模様の全部
を形成し、2枚の建築板を継ぎ合わせた時に、他方の建
築板の側縁部分に前記柄模様の一部が張り出すようにし
たものは、柄模様の一体性は確保され、かつ、接合線は
前記柄模様が横切ることにより分断されることから接合
線が目立たないようになり、かなり満足のいく壁面外観
が得られるが、継ぎ目となる側縁近傍の成形加工が容易
でなく、大量の建築板を連続成形するような場合に、こ
の手法を採用することは困難である。
【0005】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、継ぎ目となる側縁近傍の成形加
工も含め板全体の成形はきわめて容易であり、かつ、柄
模様の一体性も確保でき、さらに、隣接する建築板同士
の接合線のほとんどは前記柄模様により覆われていて外
からは見えないことから、意匠柄全体の連続性とともに
満足のいく壁面外観を得ることのできる建築板を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明による建築板は、表面に凹凸模様が形成され
かつ少なくとも対向する2つの側縁には上実部と下実部
とが互いに対向するようにして形成されている建築板で
あって、上実部が形成される部分は凸模様部の端部側で
あり、下実部は他側縁に形成された凸模様部の上実部の
面積に相当する面積を少なくとも有しており、かつ、裏
面側に直線状の接合端面が形成されており、さらに、一
部又は全部の下実部には側縁側を開放した深さの深い部
分が形成されており、該深さの深い部分を形成した下実
部に対向する他側縁に形成される上実部は、該深さの深
い部分に相当する分だけ他の上実部よりも厚さが厚くさ
れていることを特徴とする。好ましくは、前記凸模様は
島状柄部であり、かつ、2枚の建築板を継ぎ合わせたと
きに、表面側に直線状の目地が形成されないように、前
記側縁に上実部と下実部とが配置される。
【0007】上記の建築板では、隣接する2枚の建築板
同士の継ぎ合わせは、裏面側に形成された直線状の接合
端面同士が、好ましくはコーキング材などを介在して突
き合う、いわゆる突き付け接合と、一方の建築板におけ
る下実部の上に他方の建築板における上実部が重なり合
う、いわゆる合決り接合との双方で行われる。そして、
突き付け接合部は合決り接合部により表面側から覆われ
るので、突き付け接合部に形成される隙間はほとんど見
えなくなり、見える場合にも不連続状態となるので見る
ものに違和感を与えない。
【0008】さらに、建築板の側縁において前記凸模様
は分割されることなく形成されており、当該凸模様の端
部に上実部に形成されているので、柄模様の一体性と連
続性との双方を同時に満足することができる。前記凸模
様が島状柄部のような場合に、2枚の建築板の継ぎ合わ
せ部に、ジグザグ状の凹溝模様を形成することも容易と
なる。
【0009】さらに、上記の建築板では、一部又は全部
の下実部には側縁側を開放した深さの深い部分が形成さ
れており、該深さの深い部分を形成した下実部に対向す
る他側縁に形成される上実部は、該深さの深い部分に相
当する分だけ他の上実部よりも厚さが厚くされているの
で、隣接する左右の2枚の建築板同士を継ぎ合わせると
きに、深さの深い部分の内側端面に厚さが厚くされた上
実部の先端面が当接した位置で両建築板の左右方向の位
置決めを行うことができる。
【0010】従って、下実部の深さの深い部分をエンボ
ス加工などにより所定位置に形成することにより、隣接
する左右の2枚の建築板の継ぎ合わせ部での凹凸模様に
おける凹溝幅を所定幅に統一することが容易となり、継
ぎ合わせ部におけるジグザグ状の凹溝模様を、建築板表
面におけるジグザグ状の凹溝模様と確実に一致させるこ
とができる。それにより、壁面外観における意匠柄全体
の連続性は一層確実に確保される。また、下実部の深さ
の深い部分に上実部が嵌り込むように施工されるので、
少々の施工不良があっても、建築板の浮き上がりが目立
ちにくくなる。
【0011】さらに、前記のようにして位置決めされた
状態で、隣接する左右の2枚の建築板の裏面側に形成さ
れる直線状の接合端面が直接衝接しないように、接合端
面の位置決めを行うことは容易であり、直線状の接合端
面同士の隙間にコーキング材を打設して防水機能を確実
に確保することができる。
【0012】さらに、下実部に深さの深い部分を設けた
ことにより、上実部と下実部とが嵌り合った部分におい
て段差が形成される。その段差により継ぎ合わせ部にお
けるジグザグ状の凹溝模様の部分から浸入する雨水の流
れは堰き止められて表面側に流出するようになるので、
裏面側に形成された直線状の接合端面同士の衝接部を通
って雨水が裏面に漏水するのを防止できる。
【0013】本発明による建築板は、任意の方法により
製造することができるが、次のような方法により製造す
ることにより高い生産効率を上げることができる。すな
わち、建築板の一方の側縁における少なくとも下実部と
なる領域については、前記深さの深くされた部分も含め
て厚さが薄くされた領域をエンボス加工により予め成形
し、他方の側縁における少なくとも下実部となる領域に
ついては、先端側に前記深さの深くされた部分の深さに
相当する深さの領域とそれに続く前記厚さが薄くされた
部分の深さに相当する領域とからなる厚さが薄くされた
領域をエンボス加工により予め成形し、その後、両側縁
から内側に向けて、前記一方の側縁については前記厚さ
が薄くされた部分の厚さに相当する厚み分の材料を側縁
の全長にわたって除去し、他方の側縁については前記下
実部となる領域における先端側に残存する厚み分の材料
を側縁の全長にわたって除去し、それにより、厚さが薄
くされなかった部分に厚さの異なる2種類の上実部を形
成し、同時に、裏面側に直線状の接合端面を形成する建
築板の製造方法である。
【0014】上記の製造方法において、左右両側縁にお
ける下実部となる領域に、異なった形状の厚さが薄くさ
れた領域をエンボス加工により成形する工程は、従来の
被エンボス面に柄模様をエンボス加工すると同じ要領で
行えばよく、作業としてはきわめて容易である。被エン
ボス面に柄模様を加工すると同時に下実部となる領域に
ついて前記エンボス加工を行うようにしてもよく、その
場合には、作業工程はさらに簡素化する。その後の、所
定の材料を両側縁の全長にわたって除去する作業は、従
来の建築板の製造工程における上実や下実を切削加工す
るときと同じ要領で行うことができ、作業はきわめて容
易である。また、前記除去作業とともに裏面側には直線
状の接合端面が形成されるので、建築板全体の成形工程
数は従来の成形工程数と同じであり、同一規格の建築板
を大量に連続生産する場合に、上記の製造方法を適用し
ても何の不都合も生じない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明による建築板及びそ
の製造方法の好ましい実施の形態を図面とともに説明す
る。図1は本発明による建築板の製造方法における建築
板の中間製品を示し、図2は完成品を示す。また、図3
は本発明による建築板の製造工程の説明に供される図で
ある。図4は本発明による建築板の製造方法における他
の形態の中間製品を示している。なお、添付の図では、
本発明の特徴部分である建築板の両側縁における形状及
びその近辺の加工工程の説明をわかりやすくするため
に、建築板の形状をきわめて単純化して示している。実
際の製品では、表面全面により多くの模様(凸模様ある
いは凹凸模様)が形成される。
【0016】図1〜図3では、通常の製造工程(乾式抄
造法、湿式抄造法を問わない)に従って製造された建築
板一枚当たりの大きさのセメント半流動状態の板材に対
して、本発明の製造方法を適用する場合を示す。これも
説明をわかりやすくするためのものであり、後記するよ
うに、一枚の大きな板材から多面取りする場合にも、本
発明の製造方法は適用可能である。
【0017】最初に、所定のエンボス型(不図示)を用
いて、セメント半流動状態であり表面がほぼ平坦な厚み
Hである矩形板材1の表面に図1に示す形状のエンボス
加工が施される。すなわち、図1において、板材1の右
側縁における上下方向のほぼ中央には、1つの凸模様2
が形成され、該凸模様2の右側部分における上下の領域
は、右側縁から内側にL1の距離にわたり、深さh1だ
け厚みが薄くされた領域3とされる。好ましくは、該深
さh1は板材1の厚さHの1/3程度である。また、前
記凸模様2の周囲には、好ましくは領域3と同じ深さh
で凹溝4を形成する(この凹溝4は実際の建築板での凹
模様に相当する)。さらに、厚みが薄くされた領域3の
一部には、右側縁から内側にL2(L2<L1、好まし
くは、L1−L2の値L3は前記凹溝4の溝幅とされ
る)の距離にわたり、深さh2だけさらに厚みが薄くさ
れた領域31、31とされる。好ましくは、該深さh2
は板材1の厚さHの1/3程度である。
【0018】板材1の他方の側縁、すなわち図で左側の
側縁には、前記凸模様2に対応する位置に、該凸模様2
とその上下に形成された凹溝4の和に相当する上下幅で
あり、前記領域3の距離L1とほぼ同じ横幅である厚み
が前記h1だけ薄くされた領域5(以下、凹陥部5とい
う)がエンボス加工され、その際に、前記薄くされた領
域5の側縁先端側から内側に距離bについては、前記領
域31で厚みが薄くされた深さh2だけ、さらに薄くさ
れた領域51とされる。なお、図示される凹陥部5の上
下の領域6は、実際の建築板では凸模様の部分となる。
【0019】次に、図1に示される中間製品(エンボス
加工が施された板材1)をエンボス型から脱型し、硬化
処理などを経てから、必要に応じて上下辺部について通
常の実加工(不図示)を施し、同時に後記する左右の側
縁に対する切削加工を行う。なお、該切削加工は、通常
の実加工の後に行われる塗装処理を経た後に行う場合も
ある。切削加工は、図3に示すように、板材1の右側縁
から、内側に距離a(ただし、a<L2)の分だけ、前
記厚さが薄くされた領域3の厚さ(すなわち、H−h
1:板材の厚みの2/3)分の材料Yを側縁の全長にわ
たって削り落とす(図3,a−1)。それにより、板材
1の右側縁における前記凸模様2の右端側には、板材表
面からの厚みがh1(板材の厚みHの1/3)であり、
右側縁から内側に向けて距離aである上実部2−1が形
成される。また、前記凸模様2の前記上実部2−1より
内側における上下の領域には、板材表面からの深みがh
1(板材の厚みの1/3)であり、かつL1−aの横幅
である第1の下実部3−1及び第2の下実部3−2が形
成され、さらに、第1の下実部3−1及び第2の下実部
3−2における側縁側の一部には、板材表面からの深み
がh1+h2(板材の厚みの2/3)であり、かつ前記
L2−aの横幅である第1の深い部分31−1及び第2
の深い部分31−2が形成される。さらに、板材1の裏
面における第1の下実部3−1及び第2の下実部3−2
の右側端縁を結ぶ位置には、直線状の端面7−1が形成
される(図3,b−1)。
【0020】同様に、板材1の左側縁からも削り落とし
を行う。すなわち、板材1の左側縁から内側に前記した
距離bの分Zだけ、裏面から前記H−(h1+h2)の
厚さ(板材の厚みの1/3)に相当する分を側縁の全長
にわたって削り落とす(図3,a−2)。それにより、
前記凹陥部5はその左側縁から距離b(なお、距離b
は、後記する理由から前記したL2−aの距離よりもわ
ずかに長い値とされる)の領域が除去されて、前記L−
bの横幅である下実部5−1が形成され、前記凹陥部5
の上下の領域6における左端側には、板材表面からの厚
みがh1+h2(板材の厚みの2/3)であり、左側縁
から内側に向けて距離bである第1の上実部6−1及び
第2の上実部6−2が形成される。そして、前記第1の
上実部6−1と第2の上実部6−2の左側端縁を結ぶ位
置には、直線状の端面7−2が形成される(図3,b−
2)。なお、上記の製造工程は連続作業として行うこと
が可能であり、多数枚の上記建築板が従来の製造体系と
ほぼ同じ体系で製造される。
【0021】壁面への張り付けに当たって、前記左右の
側縁を継ぎ合わせしながら多数枚の建築板が横張りされ
ていく。図3cに示すように、例えば2枚の建築板1
A,1Bにおいて、先行して留め付けられた一方の建築
板1Aの右側縁に他方の建築板1Bを右側から差し込む
ようにする。それにより、一方の建築板1Aの右側縁に
形成された凸模様2の上実部2−1は、他方の建築板1
Bの左側縁に形成された下実部5−1と合決り状態とな
るとともに、建築板1Aの右側縁に形成された第1の下
実部3−1の第1の深い部分31−1、及び第2の下実
部3−2の第2の深い部分31−2には、他方の建築板
1Bの左側縁に形成された第1の上実部6−1と第2の
上実部6−2とが合決り状態に嵌り込む。そして、第1
の深い部分31−1及び第2の深い部分31−2の内側
端面32,32(図3,b−1)に、第1の上実部6−
1及び第2の上実部6−2の先端面61,61(図3,
b−2)が当接した位置で位置決めがなされ、そこでい
わゆる合決り接合の形態を取る。
【0022】前記したように、距離bは前記L2−aの
距離よりもわずかに長い値とされているので、前記位置
決めされた状態で、一方の建築板1Aの右側縁裏面に形
成された直線状の端面7−1と他方の建築板1Bの左側
縁裏面に形成された直線状の端面7−2とはわずかな隙
間Sを保って対向し、そこに直線状の突き合わせ接合が
形成される。実際の留め付け作業において、この突き合
わせ面の隙間Sにクッション性のシーリング材などが打
ち込まれ、止水性が確保される。また、この例では、前
記した合決り接合端面には、前記凹溝4の幅でのジグザ
グ状の凹溝模様4aが形成される。
【0023】上記のように、本発明による形態の建築板
では、隣接する2枚の建築板1A,1Bの継ぎ合わせ
は、裏面側での直線的な突き付け接合と、表面側での合
決り接合との双方で行われる。そして、突き付け接合部
は合決り接合部により表面側から覆われるので、突き付
け接合部に形成される隙間はほとんど見えなくなり、図
示のように、見える場合にも不連続状態となるので見る
ものに違和感を与えない。さらに、建築板の側縁領域に
おいて前記凸模様2は分割されることなく一つの模様と
して存在しており、当該凸模様2の端部に上実部2−1
に形成されているので、柄模様の一体性と連続性との双
方が同時に満足される。また、凸模様2が図示の例のよ
うに島状柄部のような場合には、2枚の建築板の継ぎ合
わせ部に、ジグザグ状の凹溝模様4a形成することも容
易となる。さらに、突き付け接合部のシーリング材によ
る止水加工も容易かつ確実に行える。
【0024】左右方向の各建築板の位置決めは、第1の
深い部分31−1及び第2の深い部分31−2の内側端
面32,32に、第1の上実部6−1及び第2の上実部
6−2の先端面61,61が当接することにより行われ
るので、2枚の建築板の継ぎ合わせ部におけるジグザグ
状の凹溝模様4aの溝幅も一定のものとすることがで
き、壁面外観における意匠柄全体の連続性は一層確実に
確保される。また、下実部の深さの深い部分31−1、
31−2に上実部6−1、6−2のが嵌り込むように施
工されるので、少々の施工不良があっても、建築板の浮
き上がりを目立ちにくくすることができる。
【0025】上記では、従来の製造工程に従って製造し
た大型の窯業系板材から建築板一枚当たりの大きさのも
の調整し、それに対して本発明の製造方法を適用する場
合を説明したが、一枚の大型板材から多面取りする場合
にも、本発明の製造方法は適用可能である。その際に
は、図4に示すように、図1〜図3で説明した右側縁と
左側縁とに形成したエンボス模様を一体としたエンボス
模様を持つエンボス型(不図示)を用意して、被エンボ
ス面10の表面の複数箇所に所定間隔で同時に(又は、
連続的に)所要のエンボス加工11を施し、脱型、硬化
処理などを経た原板の前記エンボス加工11の領域の基
準線である左右のエンボス模様の接合面位置C.Lに沿
って切断して、個々の建築板1とする。そして、各分離
した建築板1の両側縁に対して、上記した削り取り作業
を行えばよい。なお、図4では、横方向にのみ多数個取
りするものを示したが、上下方向及び横方向の双方向に
多数個取りする場合にも、同様に本発明は適用可能であ
る。
【0026】前記したように、上記では説明をわかりや
すくするために、建築板の側縁部分についてのみ説明を
行ったが、例えば、前記凸模様2と凹溝4とからなる、
あるいはそれに類似した凹凸模様を建築板の表面全面に
エンボス加工などにより施すようにしてもよく、その際
に、表面凹凸模様の加工と前記側縁部へのエンボス加工
とを同じエンボス型を用いて同時に行うようにすればよ
い。
【0027】図5は、表面の凹凸模様と前記側縁部への
エンボス加工とを同時に行う場合の一例を説明するもの
であり、図示の例では、凸模様として形状の異なる多数
の島状柄部20が形成され、各島状柄部20は凹模様で
ある凹溝21により区画分けされて全体の凹凸模様を形
成している。各島状柄部20の縦方向の端面位置は縦一
線に並んだ状態にはなくジグザグ状とされていて、れん
がやタイルあるいは石積みの自然風合いを表出してい
る。
【0028】このような凹凸模様を持つ建築板の製造に
対して本発明の方法を実施するには、図5a−1に当該
建築板の右側縁を、図5a−2に左側縁を示すように、
建築板の表面模様におけるいずれかの上下方向のジグザ
グの凹溝模様に沿うようにして、かつ、上下方向に多段
に形成されている島状柄部20のいずれをも分断しない
ようにして、前記した厚さの薄くされた領域(図で仮想
線による斜線で示している)23を、表面の凹凸模様を
エンボス加工するときに同時にエンボス加工する。な
お、領域23において仮想線を交叉して示した領域23
aは、さらに厚さが薄くされた領域である。
【0029】次に、上記中間製品をエンボス型から脱型
し、硬化処理などを経た原板を、右側縁から内側に距離
aの領域、及び、左側縁から内側に距離bの領域につい
て、前記した削り落としを行う。それにより、図5a−
1及び図5a−2において、実線で示される左右の側縁
形状を持つ建築板が形成される。仮想線による斜線が付
される領域は、表面から厚みが薄くされた領域であり、
いわゆる下実部を構成し、仮想線を交叉して示した領域
は、前記した下実部における深さの深い部分となる。ま
た、削り落としで形成された上下方向の直線部24は、
突き付け接合部としての端面を構成しており、島状柄部
(凸模様)20における前記直線部24よりも外側の領
域は、裏面から厚みが薄くされた領域であり、いわゆる
上実部を構成している。そのうちの、前記下実部におけ
る深さの深い部分に対向する2つの上実部20aは、他
の上実部20bよりも厚さが厚くされている。
【0030】図5bは上記の形状の建築板を左右に継ぎ
合わせした状態を示しており、表面側には図に斜線で示
すようなジグザグ状の接合面25を持つ合決り接合部が
形成され、裏面側には直線状の突き付け接合部24が形
成される。その際に、厚さが厚くされている上実部20
aの先端面が下実部における深さの深い部分の内側端面
と当接して、相互の建築板の位置決めがなされること
は、上記の場合と同様である。それにより、図示される
ように、表面側での合決り接合における接合面25は、
当該建築板の表面凹凸模様における凹模様である凹溝2
1とまったく同じものとなり、模様の連続性は完全に確
保される。一方、突き付け接合部24は前記合決り接合
部により表面側から覆われるので、突き付け接合部24
に形成される隙間はほとんど隠されてしまい、ジグザグ
状の接合面25における水平方向に走る凹溝部に不連続
状態でわずかに現れるにすぎない。従って、突き付け接
合部24が見るものに違和感を与えることはない。
【0031】図6は、本発明による建築板及びその製造
方法を説明するさらに他の実施の形態であり、この例で
は、建築板1の右側縁の下実部3にのみ深さの深い部分
31aが形成されており、その下位領域には凸模様部
2,2が先端位置を異なるようにして2段に形成され、
長さの違う上実部を形成している。左側縁には、前記深
さの深い部分31aに対応する凸模様部2の先端は厚み
の厚い上実部21aとされており、その下位領域は、前
記長さの違う上実部21,21に対応する奥行きの異な
る2段の下実部3aとされている。なお、図において、
小さい点の付されている領域Y,Zは削り取られる領域
である。
【0032】上記のように、本発明による建築板の製造
方法によれば、表面の凹凸模様の如何にかかわりなく、
従来の建築板の製造方法におけるエンボス加工と実加工
とによって、模様の一体性と連続性を確保した状態で、
建築板の両側縁に継ぎ合わせに必要な所要の上実部と下
実とを交互に形成することができる。従って、上記した
ような同種の表面模様を持つ建築板の継ぎ合わせによる
壁面構成のみでなく、異種の表面模様を持つ複数種類の
建築板を相互に継ぎ合わせしてアクセントのある壁面意
匠を構成することも容易となる。
【0033】図7はそれを説明しており、図7aに示す
ように、第1の島柄模様を持つ建築板P1と第2の島柄
模様を持つ建築板P2のそれぞれについて、その側縁に
本発明の方法による加工を施したものを用意し、それを
交互に継ぎ合わせしていくことにより、図7bに示すよ
うに、表面側に異なったジグザグ状の接合面を持つ合決
り接合部が形成された継ぎ合わせ構造を形成することが
可能となり、バリエーションに富んだ外観意匠を演出す
ることが可能となる。
【0034】なお、以上の説明では、例として建築板の
左右の接合部に本発明を適用したものを取り上げたが、
この例に限らず、上下の接合部に本発明を適用すること
も当然に可能であり、また、左右及び上下の側縁の双方
に本発明を適用することも可能である。特に、上下の接
合部に本発明を適用する場合には、板厚みバラツキに起
因した上下板間のおける段差の発現という不具合が目立
ちにくくなるという固有の効果が得られる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、建築板同士の継ぎ目
(継ぎ合わせ部)となる側縁近傍の成形加工も含め板全
体の成形はきわめて容易でありながら、柄模様の一体性
を確保でき、かつ、隣接する建築板同士の接合線も不連
続状となり見るものに違和感を与えないことから、壁面
への留め付け後に、意匠柄全体の連続性が確保されて満
足のいく壁面外観を容易に表出することのできる建築板
及びその製造方法が得られる。
【0036】特に、隣接する左右の2枚の建築板同士を
継ぎ合わせるときに、下実部に形成した深さの深い部分
の内側端面に厚さが厚くされた上実部の先端面が当接す
ることにより、両建築板の左右方向の位置決めを行うこ
とができるので、隣接する左右の2枚の建築板の継ぎ合
わ部での凹凸模様における凹溝幅を所定幅に統一するこ
とが容易となり、継ぎ合わせ部におけるジグザグ状の凹
溝模様を、建築板表面におけるジグザグ状の凹溝模様と
確実に一致させることができる。また、下実部の深さの
深い部分に上実部が嵌り込むように施工されるので、少
々の施工不良があっても、建築板の浮き上がりが目立ち
にくくなる利点もある。
【0037】さらに、そのようにして位置決めされた状
態で、隣接する左右の2枚の建築板の裏面側に形成され
る直線状の接合端面が直接衝接しないように、接合端面
の位置決めを行うことは容易であり、直線状の接合端面
同士の隙間にコーキング材を打設して防水機能を確実に
確保することができる。
【0038】また、下実部に深さの深い部分を設けたこ
とにより、上実部と下実部とが嵌り合った部分において
段差が形成され、その段差により、継ぎ合わせ部におけ
るジグザグ状の凹溝模様の部分から浸入する雨水の流れ
は堰き止められて表面側に流出するようになるので、裏
面側に形成された直線状の接合端面同士の衝接部を通っ
て雨水が裏面に漏水するのも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による建築板の中間製品を示す図。
【図2】本発明による建築板の完成品を示す図。
【図3】本発明による建築板の製造工程を説明する図。
【図4】本発明による建築板の他の形態の中間製品を示
す図。
【図5】本発明による建築板及び製造方法の他の形態を
説明する図。
【図6】本発明による建築板及び製造方法のさらに他の
形態を説明する図。
【図7】本発明による建築板及び製造方法のさらに他の
形態を説明する図。
【符号の説明】
1…建築板、2…凸模様、3…一方の側縁での厚みが薄
くされた領域、31…さらに厚みが薄くされた領域、4
…凹溝、5…他方の側縁での厚みが薄くされた領域(凹
陥部)、51…さらに厚みが薄くされた領域、2−1…
上実部、6−1,6−2…厚みが厚くされた上実部、3
−1,3−2,5−1…下実部、31−1,31−2…
下実部に形成された側縁側を開放した深さの深い部分、
7−1,7−2…直線状の端面、4a…2枚の建築板の
継ぎ合わせ部に形成されるジグザグ状の凹溝模様、32
…深さの深い部分の内側端面、61…厚さの厚い上実部
の先端面

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹凸模様が形成されかつ少なくと
    も対向する2つの側縁には上実部と下実部とが互いに対
    向するようにして形成されている建築板であって、上実
    部および下実部はそれぞれ複数形成されていて、上実部
    が形成される部分は凸模様部の端部側であり、下実部は
    他側縁に形成された凸模様部の上実部の面積に相当する
    面積を少なくとも有しており、かつ、裏面側に直線状の
    接合端面が形成されており、 さらに、一部又は全部の下実部には側縁側を開放した深
    さの深い部分が形成されており、該深さの深い部分は対
    向する他側縁に形成される上実部と同じ側縁方向の幅を
    有し、該他側縁に形成される上実部はその全体に渡り
    該深さの深い部分に相当する分だけ他の上実部よりも厚
    さが厚くされていることを特徴とする建築板。
  2. 【請求項2】 前記凸模様は島状柄部であり、かつ、2
    枚の建築板を継ぎ合わせたときに、表面側に直線状の目
    地が形成されないように、前記側縁に上実部と下実部と
    が配置されていることを特徴とする請求項1記載の建築
    板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の建築板の製造方
    法であって、当該建築板の一方の側縁における少なくと
    も下実部となる領域については、前記深さの深くされた
    部分も含めた厚さが薄くされた領域をエンボス加工によ
    り予め成形し、他方の側縁における少なくとも下実部と
    なる領域については、先端側に前記深さの深くされた部
    分の表面からの深さに相当する深さの領域とそれに続く
    前記厚さが薄くされた部分の深さに相当する領域とから
    なる厚さが薄くされた領域をエンボス加工により予め成
    形し、その後、両側縁から内側に向けて、前記一方の側
    縁については前記厚さが薄くされた部分の厚さに相当す
    る厚み分の材料を側縁の全長にわたって除去し、他方の
    側縁については前記下実部となる領域における先端側に
    残存する厚み分の材料を側縁の全長にわたって除去し、
    それにより、厚さが薄くされなかった部分に厚さの異な
    る2種類の上実部を形成し、同時に、裏面側に直線状の
    接合端面を形成することを特徴とする建築板の製造方
    法。
JP2000317772A 2000-07-25 2000-10-18 建築板及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3421645B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000317772A JP3421645B2 (ja) 2000-10-18 2000-10-18 建築板及びその製造方法
AU55899/01A AU767696B2 (en) 2000-07-25 2001-07-23 Building board and manufacturing method thereof
CA002353431A CA2353431C (en) 2000-07-25 2001-07-23 Building board and manufacturing method thereof
US09/915,136 US6578334B2 (en) 2000-07-25 2001-07-25 Building board and manufacturing method thereof
US10/396,456 US6666244B2 (en) 2000-07-25 2003-03-26 Building board and manufacturing method thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000317772A JP3421645B2 (ja) 2000-10-18 2000-10-18 建築板及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002121877A JP2002121877A (ja) 2002-04-26
JP3421645B2 true JP3421645B2 (ja) 2003-06-30

Family

ID=18796506

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000317772A Expired - Fee Related JP3421645B2 (ja) 2000-07-25 2000-10-18 建築板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3421645B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4044815B2 (ja) * 2002-09-27 2008-02-06 ニチハ株式会社 窯業系建築板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002121877A (ja) 2002-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI781428B (zh) 在可固化材料上製造圖案的成形襯板及其使用方法
JP3421645B2 (ja) 建築板及びその製造方法
JP3940550B2 (ja) 建築用板
US6666244B2 (en) Building board and manufacturing method thereof
JP2835177B2 (ja) パネル
US4555088A (en) Architectural construction and equipment for concrete
JP3449980B2 (ja) 建築板及びその製造方法
JPH09144268A (ja) 建築板
JP3918353B2 (ja) 出隅柱
JP3689668B2 (ja) 窯業系建築板及びその製造方法
JPH0842102A (ja) 外壁材、その施工方法およびその目地構造
JPH0348364Y2 (ja)
JP2000064553A (ja) 横貼り用外壁板及びその製造方法
JP3091106U (ja) 床 材
JP2001227129A (ja) サイディング材
JP6791622B2 (ja) 外壁パネル及びこの外壁パネルを備えた外壁構造
JP3019033U (ja) 壁材タイル及びそれを用いた壁状体
JP2001123631A (ja) 外装材と雄実加工方法並びに外装材の接合構造
JP2010236183A (ja) 横貼り化粧外壁板及びその塗装方法
JPH11159205A (ja) 装飾形材
JPH1136555A (ja) サイディングボード
JPH06316997A (ja) 表装用化粧シート及びその製造方法ならびに施工方法
JPH0988285A (ja) パーゴラ用柱材と床タイルとの接合構造
JPH11324299A (ja) 壁材用目地カバー部材
JP2000045301A (ja) プレキャストブロック構造

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080418

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090418

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100418

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100418

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120418

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140418

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees