JP3449980B2 - 建築板及びその製造方法 - Google Patents

建築板及びその製造方法

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JP3449980B2 JP2000353371A JP2000353371A JP3449980B2 JP 3449980 B2 JP3449980 B2 JP 3449980B2 JP 2000353371 A JP2000353371 A JP 2000353371A JP 2000353371 A JP2000353371 A JP 2000353371A JP 3449980 B2 JP3449980 B2 JP 3449980B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築板及びその製造
方法に関し、特に、側縁の継ぎ合わせ部の構造を改善し
て、隣接する建築板間での意匠柄の連続性を確保して高
い外観意匠性を表出できるようにした建築板及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、建築用外装材の70パーセントを
窯業系外装材が占めており、その柄意匠はますます精巧
となり、複雑化している。しかし、板単位でいかに精巧
な意匠柄をデザインしても、板と板との継ぎ合わせ部に
おいて柄の連続性が失われる場合には、十分な外観意匠
性が得られない。窯業系建築板は、長尺板として製造さ
れることから、通常の形態において、板と板との継ぎ合
わせ部に直線状の隙間が形成されるのを避けられず、継
ぎ合わせ部に柄の連続性を持たせることは容易でない。
この問題は、突き付け施工の場合のみならず、合決り接
合する場合でも同様である。
【0003】窯業系建築板のデザインとして広く使用さ
れているレンガ柄やタイル柄のような意匠を有する板で
は、板と板との継ぎ合わせ部を目立たせないようにする
工夫が種々とられている。例えば、特開平2000−1
29886号公報、特開平9−144268号公報、特
開平9−150111号公報、実開平3−78828号
公報、実開昭56−112321号公報などでは、隣接
する一方の建築板に柄模様の一部を形成し、他方の建築
板に柄模様の残りを形成し、2枚の建築板を継ぎ合わせ
ることにより、一つの島状柄部が形成されるようにした
建築板において、分割された模様の接合部をいかに目立
たないようにするかについて種々の提案がされている。
また、実開昭63−21323号公報には、隣接する一
方の建築板に柄模様の全部を形成し、2枚の建築板を継
ぎ合わせた時に、他方の建築板の側縁部分に前記柄模様
の一部が張り出すようにすることにより、継ぎ合わせ部
を目立たないようにしたものが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一つの柄模様を2枚の
板に分割して持たせ、継ぎ合わせたときに一つの柄模様
が形成されるようにして、柄模様の連続性を持たせるよ
うにした建築板は、継ぎ目となる側縁近傍の成形加工も
含め板全体の成形は容易であるが、柄模様部の表面に直
線状の接合線(継ぎ目線)が現れるのを避けることがで
きず、意匠柄全体の連続性の観点からは、十分満足した
ものではない。また、その表面全面に現れる直線状の接
合部に形成される隙間から雨水が入り込むのを避けるこ
とはできない。隣接する一方の建築板に柄模様の全部を
形成し、2枚の建築板を継ぎ合わせた時に、他方の建築
板の側縁部分に前記柄模様の一部が張り出すようにした
ものは、柄模様の一体性は確保され、かつ、接合線は前
記柄模様が横切ることにより分断されることから接合線
が目立たないようになり、かなり満足のいく壁面外観が
得られる。また、接合部の隙間も板表面において部分的
に覆われて不連続となることから、雨水の浸入も大半が
抑制できる。しかし、継ぎ目となる側縁近傍の成形加工
が容易でなく、大量の建築板を連続成形するような場合
に、この手法を採用することは困難である。
【0005】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、継ぎ目となる側縁近傍の成形加
工も含め板全体の成形はきわめて容易であり、かつ、柄
模様の一体性も確保でき、さらに、隣接する建築板同士
の接合線のほとんどは前記柄模様により覆われていて外
からは見えないことから、意匠柄全体の連続性とともに
満足のいく壁面外観を得ることのでき、かつ、表面から
雨水が浸入するのも効果的に抑制することのできる建築
板及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明による建築板は、表面に凹凸模様が形成され
かつ少なくとも対向する2つの側縁には上実部と下実部
とが互いに対向するようにして形成されている建築板で
あって、上実部が形成される部分は凸模様部の端部側で
あり、下実部は他側縁に形成された凸模様部の上実部の
面積に相当する面積を有しており、かつ、裏面側に直線
状の接合端面が形成されていることを特徴とする。好ま
しくは、前記凸模様は島状柄部であり、かつ、2枚の建
築板を継ぎ合わせたときに、表面側に直線状の目地が形
成されないように、前記側縁に上実部と下実部とが配置
される。
【0007】上記の建築板では、隣接する2枚の建築板
同士の継ぎ合わせは、裏面側に形成された直線状の接合
端面同士が突き合う、いわゆる突き付け接合と、一方の
建築板における下実部の上に他方の建築板における上実
部が重なり合う、いわゆる合決り接合との双方で行われ
る。そして、突き付け接合部は合決り接合部により表面
側から覆われるので、突き付け接合部に形成される隙間
はほとんど見えなくなり、見える場合にも不連続状態と
なるので見るものに違和感を与えない。また、合決り接
合部により覆われる分、表面に現れる突き付け接合部の
隙間が少なくなることから、雨水の浸入も大きく抑制で
きる。さらに、建築板の側縁において前記凸模様は分割
されることなく形成されており、当該凸模様の端部に上
実部に形成されているので、柄模様の一体性と連続性と
の双方を同時に満足することができる。前記凸模様が島
状柄部のような場合に、2枚の建築板の継ぎ合わせ部
に、ジグザグ状の凹溝模様を形成することも容易とな
る。
【0008】好ましい態様において、本発明による建築
板は、直線状の接合端面の一方に凸条が形成され、他方
には該凸条が嵌入する凹溝が形成される。また、他の好
ましい態様において、下実部の接合端面側には段差が形
成され、前記段差に対応する上実部の部分はその段差の
分だけ厚さが厚くされる。このようにすることにより、
表面に現れる突き付け接合部の隙間から、あるいは、合
決り接合している接合面から、雨水が浸入してきた場合
に、その雨水が接合部を介して建築板の裏面にまで回り
込むのを一層確実に防止することができる。
【0009】本発明は、また、上記のような建築板の製
造方法として、少なくとも下実部となる領域については
エンボス加工により厚さが薄くされた領域として予め成
形しておき、その後、側縁から内側に向けて所定距離だ
け前記厚さが薄くされた部分の厚さに相当する厚み分の
材料を側縁の全長にわたって除去し、それにより、厚さ
が薄くされなかった部分に上実部を形成し、同時に、裏
面側に直線状の接合端面を形成することを特徴とする建
築板の製造方法を開示する。
【0010】上記の製造方法において、下実部となる領
域に厚さが薄くされた領域をエンボス加工により成形す
る工程は、従来の被エンボス面に柄模様をエンボス加工
すると同じ要領で行えばよく、作業としてはきわめて容
易である。被エンボス面に柄模様を加工すると同時に下
実部となる領域について前記エンボス加工を行うように
してもよく、その場合には、作業工程はさらに簡素化す
る。
【0011】その後の、厚さが薄くされた部分の厚さに
相当する厚み分の材料を側縁の全長にわたって除去する
作業は、従来の建築板の製造工程における上実や下実を
切削加工するときと同じ要領で行うことが可能であり、
作業はきわめて容易である。また、前記除去作業ととも
に裏面側には直線状の接合端面が形成されるので、建築
板全体の成形工程数は従来の成形工程数と同じであり、
同一規格の建築板を大量に連続生産する場合に、本発明
による製造方法を適用しても何の不都合も生じない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による建築板及びそ
の製造方法の好ましい実施の形態を図面とともに説明す
る。図1は本発明による建築板の製造方法における建築
板の中間製品を示し、図2は完成品を示す。また、図3
は本発明による建築板の製造工程の説明に供される図で
ある。また、図6は本発明による建築板の製造方法にお
ける他の形態の中間製品を示している。なお、図1〜図
6では、本発明の特徴部分である建築板の両側縁におけ
る形状及びその近辺の加工工程の説明をわかりやすくす
るために、建築板の形状をきわめて単純化して示してい
る。実際の製品では、表面全面により多くの模様(凸模
様あるいは凹凸模様)が形成される。
【0013】図1〜図3では、通常の製造工程(乾式抄
造法、湿式抄造法を問わない)に従って製造された建築
板一枚当たりの大きさのセメント半流動状態の板材に対
して、本発明の製造方法を適用する場合を示す。これも
説明をわかりやすくするためのものであり、後記するよ
うに、一枚の大きな板材から多面取りする場合にも、本
発明の製造方法は適用可能である。
【0014】最初に、所定のエンボス型(不図示)を用
いて、セメント半流動状態であり表面がほぼ平坦な厚み
Hである矩形板材1の表面に図1に示す形状のエンボス
加工が施される。すなわち、図1において、板材1の右
側縁における上下方向のほぼ中央には、1つの凸模様2
が形成され、該凸模様2の右側部分における上下の領域
は、右側縁から内側にLの距離にわたり、深さhだけ厚
みが薄くされた領域3とされる。好ましくは、該深さh
は板材1の厚さの1/2程度である。また、前記凸模様
2の周囲には、好ましくは同じ深さhで凹溝4を形成す
る(この凹溝4は実際の建築板での凹模様に相当す
る)。板材1の他方の側縁、すなわち図で左側の側縁に
は、前記凸模様2に対応する位置に、該凸模様2とその
上下に形成された凹溝4の和に相当する上下幅であり、
前記領域3の距離Lとほぼ同じ横幅である厚みが前記h
だけ薄くされた領域5(以下、凹陥部5という)を形成
する。なお、凹陥部5の上下の領域6は、実際の建築板
では凸模様の部分となる。
【0015】次に、図1に示される中間製品(エンボス
加工が施された板材1)をエンボス型から脱型し、硬化
処理などを経てから、上下辺部について通常の実加工を
施す。この際、図3に示す切削加工を同時に行う。な
お、場合によっては、該切削加工は、該通常の実加工の
後に行われる塗装処理を経た後に行われる。具体的に
は、該切削加工は、図3に示すように、板材1の右側縁
から、内側に距離a(a<L)の分だけ、前記厚さが薄
くされた領域3の厚さ(すなわち、H−h:板材の厚み
の1/2)分の材料Yを側縁の全長にわたって削り落と
す(図3,a−1)。それにより、板材1の右側縁にお
ける前記凸模様2の右端側裏面には、板材表面からの厚
みがh(板材の厚みの1/2)であり、右側縁から内側
に向けて距離aである上実部2−1が形成される。ま
た、前記凸模様2の前記上実部2−1より内側における
上下の領域には、板材表面からの深みがh(板材の厚み
の1/2)であり、かつ前記L−aの横幅である第1の
下実部3−1及び第2の下実部3−2が形成される。さ
らに、板材1の裏面における第1の下実部3−1及び第
2の下実部3−2の右側端縁を結ぶ位置には、直線状の
端面7−1が形成される(図3,b−1)。
【0016】同様に、板材1の左側縁からも削り落とし
を行う。すなわち、板材1の左側縁から内側に距離b
(b<aであり、好ましくは、a−bの値は前記凹溝4
の溝幅とされる)の分Zだけ、裏面から前記H−hの厚
さ(板材の厚みの1/2)に相当する分を側縁の全長に
わたって削り落とす(図3,a−2)。それにより、前
記凹陥部5はその左側縁から距離bの領域が除去され
て、前記L−bの横幅である下実部5−1が形成され、
前記凹陥部5の上下の領域6における左端側裏面には、
板材表面からの厚みがh(板材の厚みの1/2)であ
り、左側縁から内側に向けて距離bである第1の上実部
6−1及び第2の上実部6−2が形成される。そして、
前記第1の上実部6−1と第2の上実部6−2の左側端
縁を結ぶ位置には、直線状の端面7−2が形成される。
(図3,b−2)
【0017】上記の製造工程は連続作業として行うこと
が可能であり、多数枚の上記建築板が従来の製造体系と
ほぼ同じ体系で製造される。壁面への張り付けに当たっ
て、前記左右の側縁を継ぎ合わせしながら多数枚の建築
板が横張りされていく。図3cに示すように、例えば2
枚の建築板1A,1Bにおいて、一方の建築板1Aの右
側縁に形成された凸模様2の上実部2−1は、他方の建
築板1Bの左側縁に形成された下実部5−1と合決り
し、建築板1Aの右側縁に形成された第1の下実部3−
1及び第2の下実部3−2には、他方の建築板1Bの左
側縁に形成された第1の上実部6−1と第2の上実部6
−2とが合決りして、いわゆる合決り接合の形態を取
る。そして、この例では、合決り接合端面には、前記凹
溝4の幅でのジグザグ状の凹溝模様4aが形成される。
同時に、一方の建築板1Aの右側縁裏面に形成された直
線状の端面7−1は、他方の建築板1Bの左側縁裏面に
形成された直線状の端面7−2と対向した状態となり、
いわゆる直線状の突き付け接合の形態となる。実際の留
め付け作業において、この突き付け面の隙間はクッショ
ン性のシーリング材などが打ち込まれ、止水性が確保さ
れる。
【0018】上記のように、本発明による形態の建築板
では、隣接する2枚の建築板1A,1Bの継ぎ合わせ
は、裏面側での直線的な突き付け接合と、表面側での合
決り接合との双方で行われる。そして、突き付け接合部
は合決り接合部により表面側から覆われるので、突き付
け接合部に形成される隙間はほとんど見えなくなり、図
示のように、見える場合にも不連続状態となるので見る
ものに違和感を与えない。そして、表面に現れる突き付
け接合部の隙間は合決り接合部により覆われる分だけ少
なくなることから、該隙間からの雨水の浸入も大きく抑
制される。さらに、建築板の側縁領域において前記凸模
様2は分割されることなく一つの模様として存在してお
り、当該凸模様2の端部に上実部2−1に形成されてい
るので、柄模様の一体性と連続性との双方が同時に満足
される。また、凸模様2が図示の例のように島状柄部の
ような場合には、2枚の建築板の継ぎ合わせ部に、ジグ
ザグ状の凹溝模様4a形成することも容易となる。前記
のように、突き付け接合部のシーリング材による止水加
工も容易かつ確実に行える。
【0019】図4は、本発明による建築板の他の実施の
形態を説明する図であり、上記第1の実施の形態におけ
る図3に相当している。図4において、第1の実施の形
態の建築板におけると同じ機能を奏する部材には同じ符
号を付しており、当該部材についての詳細な説明は省略
する。この建築板1では、一方の建築板1Aの右側縁裏
面に形成された直線状の端面7−1には、全幅方向に凹
溝71が形成されており、他方の建築板1Bの左側縁裏
面に形成された直線状の端面7−2には、前記凹溝71
に嵌入する凸条72がやはり全幅方向に形成されてい
る。このような凹溝71及び凸条72の形成は、図3に
基づき説明したと同様に、通常の実加工と同様にして材
料Y及び材料Zの領域を切削加工することにより、容易
に行うことができる。なお、図4に示す建築板では、形
成される凹溝71及び凸条72の強度を確保する目的
で、建築板1の厚みを第1の実施の形態の建築板よりも
厚いものとして図示しているが、所要の強度が確保でき
る場合には、厚みを厚くすることは必要でない。また、
前記厚みが薄くされた領域3の厚みを厚くし、その分凹
溝4の深さを浅くすることによっても、凹溝71及び凸
条72の所要の強度を持たせることができる。
【0020】上記の建築板では、図4cに示すように、
一方の建築板1Aの右側縁裏面に形成された直線状の端
面7−1と、他方の建築板1Bの左側縁裏面に形成され
た直線状の端面7−2とで形成される、いわゆる直線状
の突き付け接合部分に、凹溝71とそこに嵌入する凸条
72とによる、いわゆる本実接合部が形成されることと
なり、表面に現れる突き付け接合部の隙間から、あるい
は合決り接合している接合面から雨水が浸入してきた場
合に、その雨水は前記本実接合部で有効に阻止されるの
で、接合部を介して建築板の裏面にまで雨水が回り込む
のを一層確実に防止することができる。そのために、こ
の突き付け面の隙間にシーリング材などが打ち込むこと
を省略することも可能となる。また、止水性が確保され
る。
【0021】図5は、本発明による建築板のさらに他の
実施の形態を説明する図であり、図4と同様に、上記第
1の実施の形態における図3に相当している。また、図
5においても、第1の実施の形態の建築板におけると同
じ機能を奏する部材には同じ符号を付しており、当該部
材についての詳細な説明は省略する。この建築板1で
は、矩形板材の表面にエンボス加工を施す際に、板材の
右側側縁(一方の建築板1Aの右側縁)における厚みが
薄くされた領域3の一部にさらに厚みが薄くされた凹陥
部分32,32が同時にエンボス加工されると共に、板
材の左側側縁(他方の建築板1Bの他方の側縁)からの
材料Zの削り落としに際しては、裏面から、前縁側では
前記厚さの薄くされた部分3の厚みに相当する厚み分
を、その奥では、さらに前記凹陥部32に相当する厚み
分を、側縁の全長にわたって削り落とすようにされる。
板材の右側側縁の削り落としは第1の実施の形態の場合
と同様であってよい。
【0022】それにより、図5(b−1),(b−2)
に示すように、板材の右側側縁(一方の建築板1Aの右
側縁)の下実部に相当する部分の接合端面側には所定幅
の段差部分32aが形成され、前記段差部分32aに対
応する他方の建築板1Bの他方の側縁に形成される上実
部にはその段差の分程度だけ厚さの厚くされた領域32
bが形成される。上記の建築板では、図5cに示すよう
に、一方の建築板1Aの右側縁裏面に形成された直線状
の端面7−1と、他方の建築板1Bの左側縁裏面に形成
された直線状の端面7−2とで形成される、いわゆる直
線状の突き付け接合部分の一部に、前記段差部分32a
に厚さの厚くされた領域32bが入り込んだ第2の合決
り接合部がさらに形成される。
【0023】結果として、左右板の接合隙間部が不連続
となることにより、その部分に侵入した雨水は表面側へ
排出されるので、この場合にも、接合部を介して建築板
の裏面にまで雨水が回り込むのを確実に防止することが
できる。また、前記合決り接合部は左右の建築板の位置
決めにも機能することから、隣接する左右の2枚の建築
板の裏面側に形成される直線状の接合端面が直接衝接し
ないように、接合端面の位置決めを行うことが容易とな
り、直線状の接合端面同士の隙間にコーキング材を打設
して防水機能を確保することが容易となる。
【0024】上記では、従来の製造工程に従って製造し
た大型の窯業系板材から建築板一枚当たりの大きさのも
の調整し、それに対して本発明の製造方法を適用する場
合を説明したが、一枚の大型板材から多面取りする場合
にも、本発明の製造方法は適用可能である。その際に
は、図6に示すように、図1〜図3で説明した右側縁と
左側縁とに形成したエンボス模様を一体としたエンボス
模様を持つエンボス型(不図示)を用意して、被エンボ
ス面10の表面の複数箇所に所定間隔で同時に(又は、
連続的に)所要のエンボス加工11を施し、脱型、硬化
処理などを経た原板の前記エンボス加工11の領域の基
準線である左右のエンボス模様の接合面位置C.Lに沿
って切断して、個々の建築板1とする。そして、各分離
した建築板1の両側縁に対して、上記した削り取り作業
を行えばよい。なお、図6では、横方向にのみ多数個取
りするものを示したが、上下方向及び横方向の双方向に
多数個取りする場合にも、同様に本発明は適用可能であ
る。図示しないが、図4、図5に示した形態の建築板の
場合でも、前記した製造方法を取りうることは明らかで
あろう。
【0025】前記したように、上記では説明をわかりや
すくするために、建築板の側縁部分についてのみ説明を
行ったが、例えば、前記凸模様2と凹溝4とからなる、
あるいはそれに類似した凹凸模様を建築板の表面全面に
エンボス加工などにより施すようにしてもよく、その際
に、表面凹凸模様の加工と前記側縁部へのエンボス加工
とを同じエンボス型を用いて同時に行うようにすればよ
い。
【0026】図7は、表面の凹凸模様と前記側縁部への
エンボス加工とを同時に行う場合の一例を説明するもの
であり、図示の例では、凸模様として形状の異なる多数
の島状柄部20が形成され、各島状柄部20は凹模様で
ある凹溝21により区画分けされて全体の凹凸模様を形
成している。各島状柄部20の縦方向の端面位置は縦一
線に並んだ状態にはなくジグザグ状とされていて、れん
がやタイルあるいは石積みの自然風合いを表出してい
る。
【0027】このような凹凸模様を持つ建築板の製造に
対して本発明の方法を実施するには、図7a−1に当該
建築板の右側縁を、図7a−2に左側縁を示すように、
建築板の表面模様におけるいずれかの上下方向のジグザ
グの凹溝模様に沿うようにして、かつ、上下方向に多段
に形成されている島状柄部20のいずれをも分断しない
ようにして、前記した厚さの薄くされた領域(図で仮想
線による斜線で示している)23を、表面の凹凸模様を
エンボス加工するときに同時にエンボス加工する。
【0028】次に、上記中間製品をエンボス型から脱型
し、硬化処理などを経た原板を、右側縁から内側に距離
aの領域、及び、左側縁から内側に距離bの領域につい
て、前記した削り落としを行う。それにより、図7a−
1及び図7a−2において、実線で示される左右の側縁
形状を持つ建築板が形成される。仮想線による斜線が付
される領域は、表面から厚みが薄くされた領域であり、
いわゆる下実部を構成している。また、削り落としで形
成された上下方向の直線部24は、突き付け接合部とし
ての端面を構成しており、島状柄部(凸模様)20にお
ける前記直線部24よりも外側の領域は、裏面から厚み
が薄くされた領域であり、いわゆる上実部を構成してい
る。
【0029】図7bは上記の形状の建築板を左右に継ぎ
合わせした状態を示しており、表面側には図に斜線で示
すようなジグザグ状の接合面25を持つ合決り接合部が
形成され、裏面側には直線状の突き付け接合部24が形
成される。図示されるように、表面側での合決り接合に
おける接合面25は、当該建築板の表面凹凸模様におけ
る凹模様である凹溝21とまったく同じものとなり、模
様の連続性は完全に確保される。一方、突き付け接合部
24は前記合決り接合部により表面側から覆われるの
で、突き付け接合部24に形成される隙間はほとんど隠
されてしまい、ジグザグ状の接合面25における水平方
向に走る凹溝部に不連続状態でわずかに現れるにすぎな
い。従って、突き付け接合部24が見るものに違和感を
与えることはない。
【0030】上記のように、本発明による建築板の製造
方法によれば、表面の凹凸模様の如何にかかわりなく、
従来の建築板の製造方法におけるエンボス加工と実加工
とによって、模様の一体性と連続性を確保した状態で、
建築板の両側縁に継ぎ合わせに必要な所要の上実部と下
実とを交互に形成することができる。従って、上記した
ような同種の表面模様を持つ建築板の継ぎ合わせによる
壁面構成のみでなく、異種の表面模様を持つ複数種類の
建築板を相互に継ぎ合わせしてアクセントのある壁面意
匠を構成することも容易となる。
【0031】図8はそれを説明しており、図8aに示す
ように、第1の島柄模様を持つ建築板P1と第2の島柄
模様を持つ建築板P2のそれぞれについて、その側縁に
本発明の方法による加工を施したものを用意し、それを
交互に継ぎ合わせしていくことにより、図8bに示すよ
うに、表面側に異なったジグザグ状の接合面を持つ合決
り接合部が形成された継ぎ合わせ構造を形成することが
可能となり、バリエーションに富んだ外観意匠を演出す
ることが可能となる。
【0032】なお、以上の説明では、例として建築板の
左右の接合部に本発明を適用したものを取り上げたが、
この例に限らず、上下の接合部に本発明を適用すること
も当然に可能であり、また、左右及び上下の側縁の双方
に本発明を適用することも可能である。特に、上下の接
合部に本発明を適用する場合には、板厚みバラツキに起
因した上下板間のおける段差の発現という不具合が目立
ちにくくなるという固有の効果が得られる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、建築板同士の継ぎ目
(継ぎ合わせ部)となる側縁近傍の成形加工も含め板全
体の成形はきわめて容易でありながら、柄模様の一体性
を確保でき、かつ、隣接する建築板同士の接合線も不連
続状となり見るものに違和感を与えないことから、壁面
への留め付け後に、意匠柄全体の連続性が確保されて満
足のいく壁面外観を容易に表出することのできる建築板
及びその製造方法が得られる。また、合決り接合部によ
り覆われる分、表面に現れる突き付け接合部の隙間が少
なくなることから、雨水の浸入も大きく抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による建築板の中間製品を示す図。
【図2】本発明による建築板の完成品を示す図。
【図3】本発明による建築板の製造工程を説明する図。
【図4】本発明による建築板の他の実施の形態を説明す
る図3に相当する図。
【図5】本発明による建築板のさらに他の実施の形態を
説明する図3に相当する図。
【図6】本発明による建築板の他の形態の中間製品を示
す図。
【図7】本発明による建築板及び製造方法の他の形態を
説明する図。
【図8】本発明による建築板及び製造方法のさらに他の
形態を説明する図。
【符号の説明】
1…建築板、2…凸模様、3…一方の側縁での厚みが薄
くされた領域、4…凹溝、5…他方の側縁での厚みが薄
くされた領域(凹陥部)、2−1,6−1,6−2…上
実部、3−1,3−2,5−1…下実部、7−1,7−
2…直線状の端面、4a…2枚の建築板の継ぎ合わせ部
に形成されるジグザグ状の凹溝模様

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹凸模様が形成されかつ少なくと
    も対向する2つの側縁には上実部と下実部とが互いに対
    向するようにして形成されている建築板であって、各側
    縁に上実部および下実部がそれぞれ少なくとも1つずつ
    形成されていて、上実部が形成される部分は凸模様部の
    端部側であり、下実部は他側縁に形成された凸模様部の
    上実部の面積に相当する面積を少なくとも有しており、
    かつ、裏面側に直線状の接合端面が形成されておりさらに、前記直線状の接合端面の一方には凸条が形成さ
    れており、他方には該凸条が嵌入する凹溝が形成されて
    いることを特徴とする建築板。
  2. 【請求項2】 表面に凹凸模様が形成されかつ少なくと
    も対向する2つの側縁には上実部と下実部とが互いに対
    向するようにして形成されている建築板であって、各側
    縁に上実部および下実部がそれぞれ少なくとも1つずつ
    形成されていて、上実部が形成される部分は凸模様部の
    端部側であり、下実部は他側縁に形成された凸模様部の
    上実部の面積に相当する面積を少なくとも有しており、
    かつ、裏面側に直線状の接合端面が形成されており、 さらに、一部の前記下実部の接合端面側には、対向する
    他側縁に形成される上実部と同じ側縁方向の幅を有する
    段差部分が形成されており、該他側縁に形成される上実
    部はその先端側の部分を除いて前記段差の分だけ厚さが
    厚くされていることを特徴とする建築板。
  3. 【請求項3】 前記凸模様は島状柄部であり、かつ、2
    枚の建築板を継ぎ合わせたときに、表面側に直線状の目
    地が形成されないように、前記側縁に上実部と下実部と
    が配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載
    の建築板。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の建築
    板の製造方法であって、少なくとも下実部となる領域に
    ついてはエンボス加工により厚さが薄くされた領域とし
    て予め成形し、その後、側縁から内側に向けて所定距離
    だけ前記厚さが薄くされた部分の厚さに相当する厚み分
    の材料を側縁の全長にわたって除去し、それにより、厚
    さが薄くされなかった部分に上実部を形成し、同時に、
    裏面側に直線状の接合端面を形成することを特徴とする
    建築板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記凹凸模様の加工と少なくとも前記下
    実部となる領域についてのエンボス加工とを同時に行う
    ことを特徴とする請求項記載の建築板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記凸模様は島状柄部であり、かつ、2
    枚の建築板を継ぎ合わせたときに、表面側に直線状の目
    地が形成されないように、前記側縁に上実部と下実部と
    を配置することを特徴とする請求項4または5記載の建
    築板の製造方法。
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