JPH0741894U - キースイッチ用動作ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キースイッチ動作ユニットのハウジング内の
通気性をもたせつつ、該ハウジング内の摺動部分内への
塵埃や液体の侵入を防止する。 【構成】 ハウジング２１のキーステム案内孔に挿入さ
れたキーステム２５の上端の傘部２７の下面とハウジン
グ頂面との間に筒状弾性材２９を気密性を維持させて介
在させるとともに、ハウジング２１の下端をゴム製の底
蓋３６をもって閉鎖する。ハウジング１２の外周壁２１
ｂに通気孔４２を設け、その内側に内部隔壁４０を設け
て両壁２１ｂ，４０間の空隙４１ｂを異物止め空隙とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はＰＯＳ（Ｐｏｉｎｔ ｏｆ Ｓａｌｅ）端末やＥＣＥ（電子式キャッ シュレジスタ）等の入力部であるキーボードに用いられるキースイッチ用動作ユ ニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、キーボードに使用するキースイッチには図６に示す構造のものが広く使 用されている。これは金属製の支持フレーム１にあけたユニット取付孔２にキー スイッチ用動作ユニット３を嵌め込んで固定し、該ユニット３の底面に対向させ たメンブレンスイッチ部４をＯＮ・ＯＦＦ動作させるようにしている。ユニット ３はハウジング５の外面に一体成形された係止爪付きのバネ片６，６によってフ レーム１に着脱自在に係止されている。またハウジング５内にはキーステム７が ガイド筒部８にガイドされて上下に摺動できるように収容され、戻しバネ９によ って押し上げ方向に附勢されている。キーステム７には、その下面にスイッチ押 圧用スプリング１０が突出され、その下端がゴムチップ１１の上面に当接されて いる。ゴムチップ１１は、ハウジング５の下端に嵌め込まれており、その中央部 下面にスイッチ押圧用の凸部１２が一体成形されている。キーステム７の上端に はキートップ１３が嵌め付けられており、このキートップ１３を押し下げ操作す ることにより、キーステム７が戻りバネ９に抗して押し下げられ、スイッチ押圧 用スプリング１０によりゴムチップ１１のスイッチ押圧用凸部１２が押し出され 、メンブレンスイッチ部４を押圧し、スイッチ接点間がＯＮされるようになって いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述の如き従来のキースイッチにおける動作ユニットにおいては、ハウジング のガイド筒とキーステムとの間に隙間があるため、その隙間から塵埃や液体が侵 入し、キーステムの摺動抵抗を大きくし、ついには動作不能に至らせるという問 題があった。

【０００４】 そこで、ハウジング内を密閉し、気体の出入を遮断する方法が考えられるが、 かくすると、特にハウジング内の容積が小さい場合には、操作感に悪影響を及ぼ すとともに、キーの押し下げによって内圧が高くなった際に内部の空気が排出さ れ、その結果、キーの戻りにより内部が減圧状態となり、復帰不良が生じるとい う問題がある。

【０００５】 本考案はこのような問題にかんがみ、キーの押し下げ、戻りに応じてハウジン グ内の空気が出入し、しかもキーステムとハウジングとの摺動部分への塵埃や液 体の侵入を完全に防止することのできるキースイッチ用動作ユニットの提供を目 的としてなされたものである。

【０００６】

【課題を達成するための手段】

上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための本考案の特徴は 第一に、支持フレームに対して装着されるハウジングを有し、該ハウジングに上 下に貫通させた筒状のキーステム案内孔を設け、該キーステム案内孔内にキース テムに設けた摺動軸を軸方向に摺動自在に挿入するとともに、該キーステムを押 し上げ方向に附勢する弾性材と、該キーステムの押し下げによりスイッチ接点部 を押圧する接点押圧部とを備えてなるキースイッチ用動作ユニットにおいて、前 記ハウジングの頂部と前記キーステムの摺動軸上端の傘部下面との間に該キース テムを押し上げ方向に附勢するゴム等の弾性材からなる筒状弾性材を気密性を維 持させて介在させ、かつ、前記ハウジングの下端開口部をゴム等の弾性材からな る底蓋をもって気密に閉鎖させ、該底蓋の中央部分に前記キーステムの下端の接 点押圧部材によって押圧動作される接点押圧部を一体に備えるとともに、前記ハ ウジング外周壁の内側に、該外周壁と内部隔壁とに囲まれた異物止め空隙を形成 し、前記外周壁に前記異物止め空隙に通じる外周壁通気孔を設けるとともに、該 外周壁通気孔から離れて前記内部隔壁の前記外周壁通気孔から離れた位置に、前 記ハウジング内部に通じる隔壁通気孔を備えたことにあり（請求項１）、第二に 該ユニットにおいて、異物止め空隙の下端を底蓋をもってハウジング下端開口と ともに閉鎖し、該底蓋に突設した突起部を前記異物止め空隙内に挿入して外周壁 通気孔から隔壁通気孔に至る通気路を上下のジグザグ状にしたこと（請求項２） にある。

【０００７】

【作用】

本考案のキースイッチ用動作ユニットは、キーステムに押し下げ力が加わると 、筒状弾性材に抗してキーステムが押し下げられ、そのキーステム下端の接点押 圧部材がゴム製の底蓋の中央部分を押圧することにより底蓋が撓んで接点押圧部 がスイッチの接点部押圧側に動作される。そしてキーステムの押し下げ力を解除 すると筒状弾性材の弾力によって元の状態に押し上げられる。これらの動作中に おいて、キーステムとハウジングの上端開放部間は筒状弾性材によって気密に閉 鎖されているとともに、ハウジング下端はゴム性の底蓋によって閉鎖されている ため、キーステムの上下動によってハウジング内は加減圧されることになり、こ れによって外周壁通気孔、異物止め空隙及び隔壁通気孔を通ってハウジング内に 外気が吸排気される。そして、吸気時に砂塵や液体等の異物が外周壁通気孔より 侵入すると内部隔壁に衝突して異物止め空隙の底部に溜り、ハウジング内の摺動 部までは到達せず、摺動部の円滑な摺動状態が維持される（請求項１）。

【０００８】 また、異物止め空隙内に、底蓋からの突起が挿入され、通気路を上下のジグザ グ状に形成させることにより、吸気流が折れ曲がる際に比重の大きい異物が慣性 及び重力によって気流から分離され、異物止め空隙の底部に落下し、ハウジング 中心部への侵入が防止される（請求項２）。

【０００９】 また、オペレータによるキーの押し下げ動作はほとんどの場合、弾性材による キーの戻り速度より速いため、ハウジング内の吸気よりも排気の流速が大きく、 吸気によって異物止め空隙内に侵入した異物は、強い排気流によって侵入路を逆 流して排気される。

【００１０】

【実施例】

次に本考案の実施の一例を図１〜図５について説明する。

【００１１】 図において、２０は本考案に係るキースイッチ用動作ユニットであり、従来例 と同様に金属製の支持フレーム１にあけたユニット取付孔２内に挿入され、底面 がメンブレンスイッチ部４に対向させて配置されている。

【００１２】 この動作ユニット２０は、モールド成形されたハウジング２１を有している。 ハウジング２１は胴部が円筒形に成形され、その両側部にブラケット２２，２２ が互いに平行配置に突設され、その各ブラケットの中央部分に係止爪２３ａ付き のバネ片２３，２３が一体成形され、このバネ片２３，２３の係止爪２３ａがユ ニット取付孔２の下端に係合してハウジング２１を抜け止めしている。

【００１３】 ハウジング２１の上面には、ガイド筒部２４が一体成形されており、その中に キーステム２５の摺動軸部２６が軸方向に摺動自在に挿入されている。キーステ ム２５は、摺動軸部２６の上端部に円形の傘部２７が一体に成形され、その傘部 ２７外にキートップ１３が固定されている。傘部２７の下面には摺動軸部２６と 同心配置に筒状弾性材嵌合溝２８が形成されており、この溝２８とハウジング上 面のガイド筒部２４の外周との間に円筒状をした筒状弾性材２９が介在され、こ れによってガイド筒部２４と傘部２７との間を気密状に閉鎖している。

【００１４】 筒状弾性材２９は弾性ゴムをもって形成され、上端の大径円筒部２９ａと下端 の小径円筒部２９ｂとの間にテーパ筒部２９ｃが介在された形状をしており、大 径筒部２９ａを傘部２７下面の溝２８内に密に嵌合させ、小径筒部２９ｂをガイ ド筒部２４の外周に密に嵌合させ、キーステム２５の押し下げ動作時には主とし てテーパ筒部２９ｃが撓み、クリック感を生ぜしめているとともに、押し下げ力 解除の際の戻しスプリングの役目を果たしている。

【００１５】 キーステム２５の摺動軸部２６の下端にはストッパー片３０が取り付けられて いる。このストッパー片３０は、摺動軸部２６内に挿入される筒部３１と、摺動 軸部２６の下端部外周に突出する一対のストッパー突起３２，３２と、摺動軸部 ２６内に挿入されて、その側面の係止用窓３３に係合する係止バネ片３４，３４ とが一体成形され、筒部３１内に接点押圧用のコイルスプリング３５を保持させ ている。

【００１６】 ハウジング２１の下端は、ゴム製の底蓋３６により気密に閉鎖されている。こ の底蓋３６はハウジング２１の下端及びその外周のフランジ部２１ａを包み込む 嵌合溝３７が周縁部上面に形成され、中心部分にはスイッチ押圧子３８が一体成 形され、そのスイッチ押圧子３８の周囲に薄肉の弾性部３９が形成されている。

【００１７】 ハウジング２１内には、キーステム２５の摺動軸部２６下空間及びストッパー 片３０の両ストッパー突起３２，３２の摺動空間を囲む配置に内部隔壁４０，４ ０が一体に形成されており、その一方の隔壁４０と、その外側のハウジング外周 壁２１ｂとの間が異物止め空隙４１となっている。そして外周壁２１ｂには、こ の各空隙４１の中央部分の略中間高さ位置に外部に通じる外周壁通気孔４２が開 口されている。一方内部隔壁４０には、その両端下部にハウジング中心部に通じ る切欠き状の隔壁通気孔４３，４３が形成されている。

【００１８】 この異物止め空隙４１は、前述した底蓋３６によって下端開放部が気密に閉鎖 されているとともに、底蓋３６の上面には、外周壁通気孔４２の両側を挟む位置 に、該孔４２の高さまで挿入される長さの一対の突起４４，４４がそれぞれ一体 に形成されて各異物止め空隙４１内に挿入されており、この突起４４，４４によ り、外周壁通気孔４２から隔壁通気孔４３に至る通気路が上下のジグザグ状に構 成されている。

【００１９】 このように構成されるキースイッチ用動作ユニットは、ハウジング２１の上端 側が筒状弾性材２９によって、また下端側が底蓋３６によってそれぞれ気密に閉 鎖され、この状態でキートップ１３を押し下げることにより、キーステム２５が 筒状弾性材２９に抗して押し下げられ、摺動軸部２６の下端のコイルスプリング ３５の下端によって底蓋３６のスイッチ押圧子３８が押し下げられ、メンブレン スイッチ部４をＯＮ動作させる。押圧後キートップ１３の押下力を除くことによ り筒状弾性材２９によって元の状態に戻される。

【００２０】 またハウジング２１の上端側は筒状弾性材２９によって、また下端側が底蓋３ ６によって気密に閉鎖されているため、その内部はキーステム２５の上下動によ って加減圧され、各通気孔４２，４３及び異物止め空隙４１を通って吸排気され る。このとき吸気とともに吸い込まれた異物は、底蓋３６に突設した突起４４， ４４間の底部に溜められ、その一部又はキーステム押し下げ時の排気とともに排 出される。

【００２１】

【考案の効果】

上述したように本考案のスイッチ用動作ユニットは、ハウジング上端において 、該ハウジングとキーステムとの間を復帰バネ兼用の筒状弾性材をもって閉鎖し 、下端を底蓋をもって閉鎖し、かつハウジングに通気孔を設けたことによりキー ステム動作時には通気孔より吸排気されるが、ハウジング外周壁の通気孔内に異 物止め空隙があるため、吸気とともに侵入する異物は、これに溜められて摺動部 分には至らない。

【００２２】 また異物止め空隙内に底蓋の突起を挿入し、流路を上下のジグザグ状にするこ とにより異物の侵入がより効果的に防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るキースイッチ用動作ユニットを用
いたキースイッチの一例の縦断面図である。

【図２】図１中のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１中のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】同実施例の正面図である。

【図５】同実施例中の底蓋の斜視図である。

【図６】右半分に動作前の状態を、左半分に動作状態を
示す従来例の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 支持フレーム ２ ユニット取付孔 ４ メンブレンスイッチ部 ２０ キースイッチ動作ユニット ２１ ハウジング ２１ａ フランジ部 ２１ｂ 外周壁 ２２ ブラケット ２３ バネ片 ２３ａ 係止爪 ２４ ガイド筒部 ２５ キーステム ２６ 摺動軸部 ２７ 傘部 ２８ 溝 ２９ 筒状弾性材 ２９ａ 大径円筒部 ２９ｂ 小径円筒部 ２９ｃ テーパ筒部 ３０ ストッパー片 ３１ 筒部 ３２ ストッパー突起 ３３ 係止用窓 ３４ 係止バネ片 ３５ コイルスプリング ３６ 底蓋 ３７ 嵌合溝 ３８ スイッチ押圧子 ３９ 弾性部 ４０ 内部隔壁 ４１ 空隙 ４２ 外周壁通気孔 ４３ 隔壁通気孔 ４４ 突起

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持フレームに対して装着されるハウジ
   ングを有し、該ハウジングに上下に貫通させた筒状のキ
   ーステム案内孔を設け、該キーステム案内孔内にキース
   テムに設けた摺動軸を軸方向に摺動自在に挿入するとと
   もに、該キーステムを押し上げ方向に附勢する弾性材
   と、該キーステムの押し下げによりスイッチ接点部を押
   圧する接点押圧部とを備えてなるキースイッチ用動作ユ
   ニットにおいて、前記ハウジングの頂部と前記キーステ
   ムの摺動軸上端の傘部下面との間に該キーステムを押し
   上げ方向に附勢するゴム等の弾性材からなる筒状弾性材
   を気密性を維持させて介在させ、かつ、前記ハウジング
   の下端開口部をゴム等の弾性材からなる底蓋をもって気
   密に閉鎖させ、該底蓋の中央部分に前記キーステムの下
   端の接点押圧部材によって押圧動作される接点押圧部を
   一体に備えるとともに、前記ハウジング外周壁の内側
   に、該外周壁と内部隔壁とに囲まれた異物止め空隙を形
   成し、前記外周壁に前記異物止め空隙に通じる外周壁通
   気孔を設けるとともに、該外周壁通気孔から離れて前記
   内部隔壁の前記外周壁通気孔から離れた位置に、前記ハ
   ウジング内部に通じる隔壁通気孔を備えたことを特徴と
   してなるキースイッチ用動作ユニット。
2. 【請求項２】 異物止め空隙の下端を底蓋をもってハウ
   ジング下端開口とともに閉鎖し、該底蓋に突設した突起
   部を前記異物止め空隙内に挿入して外周壁通気孔から隔
   壁通気孔に至る通気路を上下のジグザグ状にしてなる請
   求項１に記載のキースイッチ用動作ユニット。