JPH07799Y2 - 空気圧フィルタのドレン排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、空気圧回路の途中に取り付けてドレンや塵埃
を除去する空気圧フィルタのドレン排出装置に関する。

〔従来の技術〕

従来より、空気圧フィルタには、１次側空気から分離し
てフィルタエレメントの収納容器（ボウル）の底部に溜
まるドレンを外部に排出するためのドレン排出装置が組
み込まれている。

手動のドレン排出装置の中で、操作の簡便化を図ったも
の、つまり、ワンタッチ式の装置として従来より広く使
用されているものは、弁体を付勢する圧縮バネに抗して
弁棒である操作レバーを押し上げることにより、弁棒と
一体化された弁体が持ち上がって排出口が開くように構
成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、従来のドレン排出装置では、排出時以外の常時
の気密を保つ圧縮バネとして、耐腐食性を有した特殊な
材質のものが要求され、また、圧縮バネを支えるバネ座
を設ける必要があるなど、構造が複雑になり装置が高価
になるという問題があった。

さらに、弁棒を上へ押し上げる構造であるため、操作性
が悪いという問題もあった。

本考案は、上述の問題に鑑み、圧縮バネを用いることな
く構造が簡単で故障が少なく安価で操作性の優れたドレ
ン排出装置を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る装置は、上述の課題を解決するために、１
次側空気から分離したドレンを溜めるボウルの底部に取
り付けられ、下端側開放の縦穴及びそれに連通する横穴
からなる排出路が形成された弁座部材と、前記弁座部材
に装着され常時は前記横穴の外側の開口部を閉塞するＯ
リングと、前記縦穴内に当該縦穴を横方向に貫通し且つ
前記横穴に対して直角方向に延びる支軸を中心に回動可
能に設けられ、下端が前記弁座部材から突出する操作レ
バーと、前記横穴に設けられ前記操作レバーの回動に連
動して外方へ向かって移動し前記Ｏリングを変形させる
押し棒とを備えてなることを特徴として構成される。

〔作用〕

弁座部材に形成された排出路は、常時はＯリングによっ
て閉じられており、ボウル内にドレンが溜まる。

操作レバーの下端を横方向（水平方向）に押すと、操作
レバーは支軸を中心に回動し、これに連動して押し棒が
移動してＯリングが外周方向へ押される。これによりＯ
リングが変形して排出路が開き、ドレンが排出路を通っ
て外部に排出される。

操作レバーへの加勢力を解除すると、Ｏリングの弾性復
元力によって押し棒が押し戻され、排出路が閉じられ
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

第１図は、ドレン排出装置Ａの正面断面図であり、第２
図は、第１図のII矢視断面図であり、第３図は、第１図
の要部拡大断面図である。

ドレン排出装置Ａは、図外のフィルタエレメントを収納
するボウル２の底部に形成された開口2aに嵌め込まれ、
ナット３によりボウル２に固定されている。４はシール
部材である。

ドレン排出装置Ａの本体となる弁座部材５には、横穴６
から外部に至る下端側開放の縦穴７が設けられ、横穴６
と縦穴７とによって、ボウル２の底部と外部とに連通す
る排出路が形成されている。

また、弁座部材５の上部は、円周側面5aを有し、横穴６
に合わせて円周側面5aを周回するように形成された丸溝
5cに、断面円形の弾性部材からなる弁体としてのＯリン
グ８が装着されている。

このＯリング８により、常時は横穴６の外側の開口部6a
が閉じられ、ボウル２内には１次側空気から分離しドレ
ンＤが溜まる。

縦穴７内には操作レバー９が設けられており、この操作
レバー９は、縦穴７を横方向に貫通し且つ横穴６に対し
て直角方向に延びるように配置された支軸10を中心にし
て、縦穴７内で回動可能とされている。操作レバー９の
上端は、横穴６と対向し、下端は弁座部材５の下端より
突き出ている。弁座部材５の下端部に形成された竹の子
状の接続口5bには、ビニールなどの可撓性チューブ12が
装着されている。

横穴６には、操作レバー９を挟むように横穴６より径小
の２つの押し棒11a、11bが挿入されている。押し棒11a
及び11bの長さは等しい。

次に、上述の構成のドレン排出装置Ａの動作を説明す
る。

可撓性チューブ12を介して操作レバー９の下端を例えば
図の右方向に押すと、操作レバー９は第３図のように鉛
直面内で反時計方向に回動し、押し棒11aを弁座部材５
の外周方向へ押し出す。

押し棒11aが押し出されるに従って、Ｏリング８は部分
的に変形して、Ｏリング８と丸溝5cとの間に間隙が生じ
て開口部6aが開き、第３図の鎖線矢印のようにドレンＤ
が横穴６及び縦穴７を通って外部へ排出される。

排出操作を止めると、つまり、操作レバー９からオペレ
ータが手を離すと、Ｏリング８の弾性復元力により、押
し棒11aは押し戻され、操作レバー９は時計方向に回動
して鉛直向きで静止する。

Ｏリング８が元の形状に戻ると、開口部6aは再び閉じ
る。

また、排出操作において、操作レバー９を左方向へ押し
た場合には、押し棒11bが押し出されてＯリング８が変
形し、ドレンＤの排出路が開く。

上述の実施例によると、操作レバー９を挟んで、２つの
押し棒11a、11bを対称に配置したので、操作レバー９を
左右のどちらの方向に押しても同様にドレンＤの排出を
行うことができるが、押し棒を１つとしその押し棒を長
くしておき、操作レバー９の回動ストロークを大きくし
てＯリング８の変形量を増加させ、ドレンＤの排出速度
を高めるようにしておいてもよい。

〔考案の効果〕

本考案によると、ドレンの排出路を開閉する弁体を弾性
を有するＯリングとし、Ｏリングを外側へ押し広げて排
出路を開き、Ｏリングの弾性復元力により排出路を閉じ
るように構成したので、弁体を付勢する耐腐食性の圧縮
バネ及びバネ座が不要となることから、常時における密
閉の信頼性を確保しつつ構造の簡略化によるコストダウ
ンが可能となる。

さらに、排出作業におけるレバーの操作方向が水平方向
となり、垂直方向の押し上げ又は引き下げ操作、及び回
転操作に比べて操作性が向上する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はドレン排出装置
Ａの正面断面図、第２図は第１図のII矢視断面図、第３
図は第１図の要部拡大断面図である。 ５……弁座部材、６……横穴（排出路）、6a……開口
部、７……縦穴（排出路）、８……Ｏリング、９……操
作レバー、10……支軸、11a、11b……押し棒、Ａ……ド
レン排出装置、Ｄ……ドレン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】１次側空気から分離したドレンを溜めるボ
   ウルの底部に取り付けられ、下端側開放の縦穴及びそれ
   に連通する横穴からなる排出路が形成された弁座部材
   と、 前記弁座部材に装着され常時は前記横穴の外側の開口部
   を閉塞するＯリングと、 前記縦穴内に当該縦穴を横方向に貫通し且つ前記横穴に
   対して直角方向に延びる支軸を中心に回動可能に設けら
   れ、下端が前記弁座部材から突出する操作レバーと、 前記横穴に設けられ前記操作レバーの回動に連動して外
   方へ向かって移動し前記Ｏリングを変形させる押し棒と を備えてなる空気圧フィルタのドレン排出装置。