JPH074113A - 並列連層耐震壁を備えた建物 - Google Patents

並列連層耐震壁を備えた建物

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JPH074113A
JPH074113A JP17375293A JP17375293A JPH074113A JP H074113 A JPH074113 A JP H074113A JP 17375293 A JP17375293 A JP 17375293A JP 17375293 A JP17375293 A JP 17375293A JP H074113 A JPH074113 A JP H074113A
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俊雄 長島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】構造が簡単で、施工が容易で、繋ぎ梁が必要な
強度と十分なエネルギー吸収能力を有する並列連層耐震
壁を備えた建物を提供すること。 【構成】対の連層耐震壁11を鉄筋コンクリート造によ
り間隔をおいて並列して形成し、鉄骨造の繋ぎ梁12の
鉄骨の端部分を連層耐震壁11のコンクリートC中に埋
め込んで、対の連層耐震壁11を繋ぎ梁12で連結し、
並列連層耐震壁10を備えた建物を建造する。 【効果】鉄骨造の繋ぎ梁12は鉄筋コンクリート造の繋
ぎ梁に比べ、強度も高く、十分なエネルギー吸収能力を
有するので、並列連層耐震壁の耐震性能を飛躍的に向上
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、並列連層耐震壁を備
えた建物、特に、連層耐震壁を鉄筋コンクリート造と
し、連層耐震壁の繋ぎ梁を鉄骨造とした並列連層耐震壁
を備えた建物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の並列連層耐震壁を備えた建物1
は、図27に示すように、二つの連層耐震壁2A、2B
が同一平面内に間隔Dをおいて形成され、この並列した
二つの連層耐震壁2A、2Bが繋ぎ梁3で連結されてい
る構造部分を備えている。並列連層耐震壁を備えた建物
1は、並列した連層耐震壁2A、2B及び繋ぎ梁3を耐
震要素として機能させるために、連層耐震壁2A、2B
に必要な強度を付与し、繋ぎ梁3に必要な強度とエネル
ギー吸収能力を付与する必要がある。換言すると、並列
連層耐震壁2A、2B及び繋ぎ梁3が地震荷重を受けた
とき、連層耐震壁2A、2Bと繋ぎ梁3との接合部分が
塑性ヒンジ3Aを形成し、エネルギー吸収能力を有する
ことが必要である。一般的に繋ぎ梁はせん断スパン比の
小さい短スパン梁となり、この短スパン梁を鉄筋コンク
リート造にしても、塑性ヒンジ3Aを形成することは難
しい。そのため、並列連層耐震壁を備えた建物1では、
並列する耐震壁2A、2B及び繋ぎ梁3を鉄筋コンクリ
ート造にし、繋ぎ梁3に充分な強度とエネルギー吸収能
力を与えるため、(イ)剪断補強筋が多量になるよう
に、繋ぎ梁用鉄筋を多量に配筋して、鉄筋コンクリート
造の繋ぎ梁を形成し、または、図30及び図31に示す
ように、(ロ)複数本の太い主鉄筋4aをX字形に配
し、これらの太い主鉄筋4aのまわりに細い鉄筋4bを
螺旋状に巻き付けてX字形の鉄筋4Aを形成し、その周
囲に梁主筋4B、肋筋4Cを配して繋ぎ梁用鉄筋4を形
成し、鉄筋コンクリート造の繋ぎ梁3を形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】剪断補強筋を多量の配
する上記(イ)の場合は、塑性シンジを形成できても、
エネルギー吸収能力は図28及び図29に示すように逆
S字形の履歴ループを描くために構造上十分でなく、ま
た、配筋に手間がかかり、コンクリートの充填性が悪く
なるという施工上の欠点がある。鉄筋4aをX字形に配
して繋ぎ梁用鉄筋4を形成する上記(ロ)の場合は、配
筋が非常に複雑になり、配筋に手間がかかり過ぎるとい
う施工上の欠点がある。この発明の解決しようとする課
題は、上記の従来技術の欠点を有しない並列連層耐震壁
を備えた建物を提供すること、換言すると、構造が簡単
で、施工が容易で、繋ぎ梁が必要な強度と十分なエネル
ギー吸収能力を有する並列連層耐震壁を備えた建物を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するための手段として、次の構成を採用する。この
発明の構成は、対の連層耐震壁を間隔をおいて並列して
形成し、対の連層耐震壁を繋ぎ梁で連結して並列連層耐
震壁にし、この並列連層耐震壁を少なくとも一つ備えた
建物において、連層耐震壁が鉄筋コンクリート造にさ
れ、繋ぎ梁が鉄骨造にされ、繋ぎ梁の鉄骨の端部分が鉄
筋コンクリート造の連層耐震壁のコンクリート中に埋め
込まれていることを特徴とする並列連層耐震壁を備えた
建物にある。好ましい実施形態において、鉄筋コンクリ
ート造の連層耐震壁は、格子状に配した鉄筋を複数層間
隔をおいて配設し、繋ぎ梁の鉄骨の端部分を複数層の格
子状に配した鉄筋の層間に配置して、連層耐震壁のコン
クリート中に埋設する。繋ぎ梁は、鉄骨を所定の長に切
断して形成する。鉄骨として、通常はH形鋼を使用する
が、その他の形鋼を使用することもできる。鉄骨造の繋
ぎ梁の定着をよくするため、繋ぎ梁の鉄骨の埋め込み部
分にスタッド、鉄筋、鉄骨等を固着すると、繋ぎ梁の鉄
骨のコンクリート中への埋め込み長さを短くすることが
できると同時に繋ぎ梁から作用するコンクリートへの圧
縮力を分散できる。コンクリート中に埋め込まれる繋ぎ
梁の鉄骨部分の長さを定着に必要な長さにすれば、埋め
込み部分の鉄骨に手間のかかる加工を何も施さなくても
よい。鉄筋コンクリート造の連層耐震壁は通常同じ厚さ
にするが、コンクリート中に繋ぎ梁の鉄骨の端部分を埋
め込む連層耐震壁の部分を厚くし、その他の部分を薄く
形成することもできる。鉄筋コンクリート造の連層耐震
壁を平面視でL字形にし、このL字形の連層耐震壁を平
面視で四角形になるように間隔をおいて建造し、各連層
耐震壁のL字形の端部分を鉄骨造の繋ぎ梁で連結し、建
物の内部のコア部等の構造とすることもできる。
【0005】
【作 用】この発明の並列連層耐震壁を備えた建物は、
対の連層耐震壁を鉄筋コンクリート造にし、対の連層耐
震壁を鉄骨造の繋ぎ梁で連結したから、繋ぎ梁に十分な
強度とエネルギー吸収能力を容易に付与することがで
き、施工も簡単になる。また、鉄骨造の繋ぎ梁は鉄筋コ
ンクリート造の繋ぎ梁に比べ、強度も高く、十分な強度
とエネルギー吸収能力を有するので、並列連層耐震壁の
耐震性能を飛躍的に向上できる。
【0006】
【実施例】実施例の建物の並列連層耐震壁10は、図1
ないし図3に示すように、並列する二つの連層耐震壁1
1を、鉛直な同一平面内で所定の間隔Dをおいて、鉄筋
コンクリート造により建造する。鉄骨造の繋ぎ梁12の
鉄骨の端部分を連層耐震壁11のコンクリート中に埋め
込み、二つの連層耐震壁11を繋ぎ梁12にて連結す
る。各連層耐震壁11は、図2のように同じ厚さに形成
してもよいし、図3のように中央部よりも端部よりの部
分を厚く形成してもよい。鉄筋コンクリート造の連層耐
震壁11の鉄筋と鉄骨造の繋ぎ梁の鉄骨との関連構造に
は、種々の形式があり得る。それらの幾つかを以下に説
明する。第1形式の並列連層耐震壁10が図4ないし図
6に示されている。二つの連層耐震壁11には、間隔を
おいた二つの鉛直な平面に沿って、縦鉄筋11a1、1
1a2、と横鉄筋11b1、11b2とを格子状に配した
格子状鉄筋を配設する。各横鉄筋は、連層耐震壁11の
端部分において横鉄筋11b1と横鉄筋11b2とを連結
部分11cを介して互いに連結されるように配筋する。
ただし、繋ぎ梁12の鉄骨を埋め込む部分の横鉄筋11
1、11b2はその端部を互いに連結しない。そのた
め、繋ぎ梁12の鉄骨に鉄筋挿通用の孔を穿たなくても
よい。繋ぎ梁12としてH型鋼を使い、繋ぎ梁13の鉄
骨の端部分を格子状に配した格子状鉄筋11a1、11
1、11a2、11b2の間に配置し、格子状鉄筋の外
側に型枠を配置し、この型枠内にコンクリートを打設し
て、鉄筋コンクリート造の連層耐震壁11を形成し、同
時に、繋ぎ梁12の鉄骨の端部分をそのコンクリートC
中に埋め込んで、二つの連層耐震壁11を繋ぎ梁12で
連結し、並列連層耐震壁10を形成する。なお、コンク
リートC中に埋め込まれるH型鋼の繋ぎ梁12の端部分
の長さLは定着に必要な長さにする。第1形式のもの
は、H形鋼の繋ぎ梁12の埋め込み部分に何も加工を施
す必要がないから、施工が非常に簡単であり、繋ぎ梁に
必要な強度と十分なエネルギー吸収能力を容易に付与で
きる。
【0007】第2形式の並列連層耐震壁が図7ないし図
9に示され、第2形式と第1形式との相違点は鉄骨造の
繋ぎ梁12の構成のみである。繋ぎ梁12として、その
埋め込み部分に対応するH型鋼の上側のフランジ12a
の上側面及び下側のフランジ12bの下側面に多数のス
タッド13を間隔をおいてねじ、溶接等の適宜の接合手
段により接合したものを使う。または、繋ぎ梁12とし
て、多数のスタッド13を溶接等により接合したもの
に、H型鋼梁の上下のフランジ12a、12b及びウエ
ブ12cで囲まれる部分の形状寸法の鋼製の端板12d
を、コンクリートC中に埋め込まれる部分の内側の端面
及びコンクリートC面と面一になるように、繋ぎ梁のH
型鋼の上下のフランジ12a、12b及びウエブ12c
に溶接等により接合したものを使う。第2形式のもの
は、コンクリートC中に埋め込まれる繋ぎ梁12の部分
に多数のスタッド13等が接合されているから、繋ぎ梁
12の端部分をコンクリートCに確実に定着することが
でき、施工も非常に簡単である。また、繋ぎ梁12の鉄
骨の埋め込み部分の長さを短くすることができ、繋ぎ梁
12に必要な強度と十分なエネルギー吸収能力を容易に
付与できる。
【0008】第3形式の並列連層耐震壁が図10ないし
図12に示され、第3形式と第1形式との相違点は鉄骨
造の繋ぎ梁12の構成のみである。繋ぎ梁13として、
埋め込み部分に対応するH型鋼梁の上側及び下側のフラ
ンジ13a、13bに、定着用鉄筋14を通す多数の貫
通孔を間隔をおいて穿設し、繋ぎ梁13の成程度の長さ
の定着用鉄筋14の端部を前記貫通孔に通し、定着用鉄
筋14の端部のねじ部にナットnをねじ込んで、多数の
定着用鉄筋14をフランジ12a、12bに固着したも
のを使う。第3形式のものは、繋ぎ梁12としてそのフ
ランジ12a、12bに多数の定着用鉄筋14が固着さ
れているものを使うから、繋ぎ梁12の端部分をコンク
リートCに確実に定着することができ、施工も簡単でで
ある。また、繋ぎ梁12の埋め込み部分の長さを短くす
ることができ、繋ぎ梁に必要な強度と十分なエネルギー
吸収能力を容易に付与できる。
【0009】第4形式の並列連層耐震壁が図13ないし
図15に示されてる。繋ぎ梁12の構成は第1形式と略
同じである。下側の繋ぎ梁12の埋め込み部分の上側の
フランジ12aと、上側の繋ぎ梁12の埋め込み部分の
下側のフランジ12bとの間に、繋ぎ梁12よりも少々
小型のH形鋼の鉄骨15を配置し、鉄骨15の端部を繋
ぎ梁12の上側及び下側のフランジ12a、12bに溶
接等の接合手段により接合する。それから、繋ぎ梁12
の端部分及び鉄骨15の外側に縦横の鉄筋11a1、1
1b1、11a2、11b2を格子状に配筋し、縦横の鉄
筋の外側に型枠を配置し、この型枠内にコンクリートC
を打設して、鉄筋コンクリート造の連層耐震壁11を形
成し、同時に、繋ぎ梁12の鉄骨の端部分及び鉄骨15
をそのコンクリートC中に埋め込んで、並列連層耐震壁
10を形成する。第4形式のものは、上下の繋ぎ梁12
を鉄骨15で接合支持するから、繋ぎ梁12の所定位置
への配置が容易であり、繋ぎ梁12をコンクリートCに
確実に定着することができ、施工も簡単になる。また、
繋ぎ梁に必要な強度と十分なエネルギー吸収能力を容易
に付与できる。
【0010】第5形式の並列連層耐震壁が図16ないし
図18に示され、第5形式と第1形式との相違点は鉄骨
造の繋ぎ梁12の構成のみである。繋ぎ梁12として、
繋ぎ梁12よりも少々小型のH形鋼からなる繋ぎ梁12
の成程度の長さの定着用鉄骨16を、例えば、2個ず
つ、埋め込み部分に対応するH型鋼の繋ぎ梁の上側のフ
ランジ12aの上面及び下側のフランジ12bの下面
に、溶接等の接合手段により接合したものを使う。また
は、前記の定着用鉄骨16を溶接した繋ぎ梁12のフラ
ンジ12a、12b及びウェブ12cに対の鋼板16a
を平行に溶接したものを使う。第5形式のものは、繋ぎ
梁13としてそのフランジ12a、12bに複数の定着
用鉄骨16等が固着されているものを使うから、繋ぎ梁
13の鉄骨の端部分をコンクリートCと確実に定着で
き、施工も簡単である。また、繋ぎ梁12の埋め込み部
分の長さを短くすることができ、繋ぎ梁に必要な強度と
十分なエネルギー吸収能力を容易に付与できる。
【0011】第6形式の並列連層耐震壁が図19ないし
図21に示され、第6形式と第1形式との相違点は鉄骨
造の繋ぎ梁12の構成のみである。繋ぎ梁12として、
繋ぎ梁12と略同型のH形鋼からなり繋ぎ梁12の埋め
込み部分の長さと略一致する長さの定着用鉄骨17を、
埋め込み部分に対応する繋ぎ梁のH型鋼の上側のフラン
ジ12aの上側及び下側のフランジ12bの下側に、繋
ぎ梁12と平行に配置し、ボルト・ナットbnにより又
は溶接等の他の接合手段により繋ぎ梁12のフランジ1
2a、12bに接合してものを使う。または、繋ぎ梁1
2として、上側及び下側のフランジ12a、12bに定
着用鉄骨17を接合したものに、H型鋼梁12の上下の
フランジ12a、12b及びウエブ12cで囲まれる部
分の形状寸法に合わせて形成した鋼製の端板12dを、
コンクリートC中に埋め込まれる内側の端面及びコンク
リートC面と面一になるように、H型鋼梁の上下のフラ
ンジ12a、12b及びウエブ12cに溶接等により接
合したもの使う。さらに、前記のほかに、H型鋼の定着
用鉄骨17の上下のフランジ17a、17b及びウエブ
17cで囲まれる部分の形状寸法に合わせて形成した鋼
製の端板17dを、コンクリートC中に埋め込まれる内
側の端面及びコンクリートC面と面一になるように、定
着用鉄骨17の上下のフランジ17a、17b及びウエ
ブ17cに溶接等により接合したものを使う。第6形式
のものは、繋ぎ梁12としてそのフランジ12a、12
bにこれと平行に定着用鉄骨17等が接合されているも
のを使うから、繋ぎ梁12の鉄骨の端部分をコンクリー
トCに確実に定着することができ、施工も簡単でであ
る。また、繋ぎ梁12の埋め込み部分の長さを短くする
ことができ、繋ぎ梁に必要な強度と十分なエネルギー吸
収能力を容易に付与できる。
【0012】第7形式の並列連層耐震壁が図22ないし
図24に示され、第7形式と第1形式との相違点は鉄骨
造の繋ぎ梁12の構成のみである。繋ぎ梁12として、
繋ぎ梁12よりも小型のL形又は溝形の鉄骨からなる連
層耐震壁の厚さよりも少々短い定着用鉄骨18を、埋め
込み部分に対応するH型鋼の繋ぎ梁12の上側のフラン
ジ12aの上側及び下側のフランジ12bの下側に、繋
ぎ梁12の長手方向に対して略直角に所定の間隔をおい
て複数本配置し、ボルト・ナットbnにより又は溶接等
の他の接合手段により繋ぎ梁12のフランジ12a、1
2bに接合したものを使う。なお、連層耐震壁11の端
部の近傍に埋め込む定着用鉄骨18はその一つの端面1
8aが連層耐震壁11のコンクリートCの端面と面一に
なるように配設する。第7形式のものは、繋ぎ梁12と
してそのフランジ12a、12bにこれと直角に定着用
鉄骨18が接合されているものを使うから、繋ぎ梁12
の鉄骨の端部分をコンクリートCに確実に定着すること
ができ、施工も簡単である。また、繋ぎ梁12の埋め込
み部分の長さを短くすることができ、繋ぎ梁に必要な強
度と十分なエネルギー吸収能力を容易に付与できる。
【0013】図25及び図26に示すように、平面視で
L字形の鉄筋コンクリート造の連層耐震壁21、22、
23、24を、平面視で四角形になるように間隔をおい
て建造する。各連層耐震壁の端部21a、22a、23
a、24aに鉄骨造の繋ぎ梁25の端部分を埋め込み、
各連層耐震壁を鉄骨造の繋ぎ梁25で連結して建物のコ
ア部20を構築する。なお、鉄骨造の繋ぎ梁25の端部
分の鉄筋コンクリート造の連層耐震壁の端部分21a、
22a、23a、24aへの埋め込み方として、前記第
1型式ないし第7型式のやり方を適用する。なお、上述
の実施例においては、連層耐震壁11とこれに接合する
床との関係等の説明を省略したが、その関係等は従来の
並列連層耐震壁と同じである。
【0014】
【発明の効果】この発明の並列連層耐震壁を備えた建物
は、特許請求の範囲に記載した構成を備えることによ
り、次の(イ)ないし(ニ)の効果を奏する。 (イ)請求項1記載の並列連層耐震壁を備えた建物は、
対の連層耐震壁を鉄筋コンクリート造により間隔をおい
て並列して形成し、鉄骨造の繋ぎ梁の鉄骨の端部分を連
層耐震壁のコンクリート中に埋め込んであるから、繋ぎ
梁に必要な強度と十分なエネルギー吸収能力を容易に付
与することができ、構成が簡単で、施工も容易である。
また、鉄骨造の繋ぎ梁は鉄筋コンクリート造の繋ぎ梁に
比べ、強度も高く、十分なエネルギー吸収能力を有する
ので、並列連層耐震壁の耐震性能を飛躍的に向上でき
る。 (ロ)請求項2記載のように、コンクリート造の連層耐
震壁中に格子状に配した鉄筋を複数層間隔をおいて配筋
し、鉄骨造の繋ぎ梁の端部分を格子状に配した複数層の
鉄筋間に配置し、コンクリート中に埋め込むようにする
と、連層耐震壁の鉄筋と繋ぎ梁の鉄骨とを接合しなくて
も、繋ぎ梁12の鉄骨の端部分をコンクリートに確実に
定着することができ、施工が非常に簡単になる。 (ハ)請求項3記載のように、コンクリート中に埋め込
まれる鉄骨造の繋ぎ梁の端部分の長さを定着に必要な長
さにすると、繋ぎ梁の埋め込み部分の鉄骨に特別な加工
を施さなくても、繋ぎ梁12の鉄骨の端部分をコンクリ
ートに確実に定着することができ、施工が非常に簡単に
なる。 (ニ)請求項4記載のように、鉄骨造の繋ぎ梁にその定
着をよくするためのスタッド、鉄筋、鉄骨等を固着する
と、コンクリート中に埋め込まれる鉄骨造の繋ぎ梁の端
部分の長さを短くすることができ、施工が非常に容易に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の並列連層耐震壁の立面図
【図2】実施例の並列連層耐震壁の平面図
【図3】実施例の他の形態の並列連層耐震壁の平面図
【図4】第1形式の対の連層耐震壁の鉄筋と繋ぎ梁の鉄
骨との関連構造を示す立面図
【図5】図4のものをそのA−A線で断面し矢印方向に
みた平面図
【図6】図4のものをそのB−B線で断面し矢印方向に
みた平面図
【図7】第2形式の連層耐震壁の鉄筋と繋ぎ梁の鉄骨と
の関連構造を示す立面図
【図8】図7のものを図4のA−A線と同じ線で断面し
矢印方向にみた平面図
【図9】図7のものを図4のB−B線と同じ線で断面し
矢印方向にみた平面図
【図10】第3形式の連層耐震壁の鉄筋と繋ぎ梁の鉄骨
との関連構造を示す立面図
【図11】図10のものを図4のA−A線と同じ線で断
面し矢印方向にみた平面図
【図12】図10のものを図4のB−B線と同じ線で断
面し矢印方向にみた平面図
【図13】第4形式の連層耐震壁の鉄筋と繋ぎ梁の鉄骨
との関連構造を示す立面図
【図14】図13のものを図4のA−A線と同じ線で断
面し矢印方向にみた平面図
【図15】図13のものを図4のB−B線と同じ線で断
面し矢印方向にみた平面図
【図16】第5形式の連層耐震壁の鉄筋と繋ぎ梁の鉄骨
との関連構造を示す立面図
【図17】図16のものを図4のA−A線と同じ線で断
面し矢印方向にみた平面図
【図18】図16のものを図4のB−B線と同じ線で断
面し矢印方向にみた平面図
【図19】第6形式の連層耐震壁の鉄筋と繋ぎ梁の鉄骨
との関連構造を示す立面図
【図20】図19のものを図4のA−A線と同じ線で断
面し矢印方向にみた平面図
【図21】図19のものを図4のB−B線と同じ線で断
面し矢印方向にみた平面図
【図22】第7形式の連層耐震壁の鉄筋と繋ぎ梁の鉄骨
との関連構造を示す立面図
【図23】図22のものを図4のA−A線と同じ線で断
面し矢印方向にみた平面図
【図24】図22のものを図4のB−B線と同じ線で断
面し矢印方向にみた平面図
【図25】4つの連層耐震壁からなる並列連層耐震壁を
備えた建物のコア部の斜視図
【図26】図25のものの平面図
【図27】従来の並列連層耐震壁の繋ぎ梁等の地震時等
の変形状態を拡大して示す立面図
【図28】従来の繋ぎ梁の地震時等の変形状態を拡大し
て示す立面図
【図29】従来の繋ぎ梁を備えた並列連層耐震壁のエネ
ルギー吸収能力を示す線図
【図30】従来の並列連層耐震壁の鉄筋コンクリート造
の繋ぎ梁の配筋状態の立面図
【図31】図30のものをそのC−C線で断面し矢印方
向にみた側面図
【符号の説明】
10 並列連層耐震壁 11 連層耐震壁 11a1及び11a2 縦鉄筋 11b1及び11b2 横鉄筋 11c 連結部分 12 繋ぎ梁 12a 上側のフランジ 12b 下側のフランジ 12c ウエブ 12d 端板 14 定着用鉄筋 15 鉄骨 16 定着用鉄骨 17 定着用鉄骨 17d 端板 18 定着用鉄骨 20 建物のコア部 21ないし24 L字形の連層耐震壁 21aないし24a 連層耐震壁の端部分 25 繋ぎ梁 C コンクリート L 端部分の長さ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対の連層耐震壁を間隔をおいて並列して形
    成し、対の連層耐震壁を繋ぎ梁で連結して並列連層耐震
    壁にし、この並列連層耐震壁を少なくとも一つ備えた建
    物において、連層耐震壁が鉄筋コンクリート造にされ、
    繋ぎ梁が鉄骨造にされ、繋ぎ梁の鉄骨の端部分が鉄筋コ
    ンクリート造の連層耐震壁のコンクリート中に埋め込ま
    れていることを特徴とする並列連層耐震壁を備えた建
    物。
  2. 【請求項2】対の連層耐震壁を間隔をおいて並列して形
    成し、対の連層耐震壁を繋ぎ梁で連結して並列連層耐震
    壁にし、この並列連層耐震壁を少なくとも一つ備えた建
    物において、連層耐震壁が鉄筋コンクリート造にされ、
    連層耐震壁中に格子状に配した鉄筋が間隔をおいて複数
    層配され、繋ぎ梁が鉄骨造にされ、繋ぎ梁の鉄骨の端部
    分が連層耐震壁の格子状に配した複数層の鉄筋の層間に
    配されて、コンクリート中に埋め込まれていることを特
    徴とする並列連層耐震壁を備えた建物。
  3. 【請求項3】コンクリート中に埋め込まれる繋ぎ梁の鉄
    骨部分の長さが定着に必要な長さになっていることを特
    徴とする請求項1又は2記載の並列連層耐震壁を備えた
    建物。
  4. 【請求項4】鉄骨造の繋ぎ梁に定着をよくするためのス
    タッド、鉄筋、鉄骨等が固着されていることを特徴とす
    る請求項1又は2項記載のの並列連層耐震壁を備えた建
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10331477A (ja) * 1997-05-30 1998-12-15 Shimizu Corp 制振架構
JP2003090143A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Shimizu Corp 境界梁
CN106854946A (zh) * 2016-12-30 2017-06-16 西安五和土木工程新材料有限公司 一种预制钢板‑高延性混凝土连梁

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