JP2003336317A - 木造建物の耐震構造 - Google Patents
木造建物の耐震構造Info
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- JP2003336317A JP2003336317A JP2002143575A JP2002143575A JP2003336317A JP 2003336317 A JP2003336317 A JP 2003336317A JP 2002143575 A JP2002143575 A JP 2002143575A JP 2002143575 A JP2002143575 A JP 2002143575A JP 2003336317 A JP2003336317 A JP 2003336317A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な施工により、大規模地震の特に横揺
れに十分耐えられ、木造建物の倒壊を防止することがで
きる耐震構造を提供する。 【解決手段】 前後に対向する胴差し5,5と左右に対
向する胴差し6,6とが柱3を挟んで平面視矩形状に枠
組みされた骨組11の四隅部にコーナー補強金具12を
取り付け、これら4つのコーナー補強金具12の対角線
方向に対向するものどうし間にブレース13をほぼ水平
に掛け渡すと共に、各ブレース13にはターンバックル
14を設ける。
れに十分耐えられ、木造建物の倒壊を防止することがで
きる耐震構造を提供する。 【解決手段】 前後に対向する胴差し5,5と左右に対
向する胴差し6,6とが柱3を挟んで平面視矩形状に枠
組みされた骨組11の四隅部にコーナー補強金具12を
取り付け、これら4つのコーナー補強金具12の対角線
方向に対向するものどうし間にブレース13をほぼ水平
に掛け渡すと共に、各ブレース13にはターンバックル
14を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造建物の耐震構
造に関するものである。
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】木造の建物を耐震構造とす
るのに、従来より、骨組のコーナー部に三角形の補強金
具を取り付けたり、また前後に対向する一対の柱と梁材
等の横材とで枠組みされる壁面側の骨組に筋交いを設け
る方法が行なわれているが、このような方法だけでは、
例えば震度5以上の大規模地震発生時に、特に横揺れに
対して弱く、建物の倒壊を防ぎ得なかったことが、平成
7年の阪神淡路大震災から明らかとなっている。
るのに、従来より、骨組のコーナー部に三角形の補強金
具を取り付けたり、また前後に対向する一対の柱と梁材
等の横材とで枠組みされる壁面側の骨組に筋交いを設け
る方法が行なわれているが、このような方法だけでは、
例えば震度5以上の大規模地震発生時に、特に横揺れに
対して弱く、建物の倒壊を防ぎ得なかったことが、平成
7年の阪神淡路大震災から明らかとなっている。
【0003】本発明は、比較的簡単な施工により、大規
模地震発生の際の特に横揺れに十分耐えられて、木造建
物の倒壊を防止することができる耐震構造を提供するこ
とを目的とする。
模地震発生の際の特に横揺れに十分耐えられて、木造建
物の倒壊を防止することができる耐震構造を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の木
造建物の耐震構造は、前後に対向する胴差し5、梁又は
桁と左右に対向する胴差し6、梁又は桁とが隅部の柱3
を挟んで平面視矩形状に枠組みされた骨組11の四隅部
にコーナー補強金具12を取り付け、これら4つのコー
ナー補強金具12の対角線方向に対向するものどうし間
にブレース13をほぼ水平に掛け渡すと共に、各ブレー
ス13にはターンバックル14を設けてなることを特徴
とする。
造建物の耐震構造は、前後に対向する胴差し5、梁又は
桁と左右に対向する胴差し6、梁又は桁とが隅部の柱3
を挟んで平面視矩形状に枠組みされた骨組11の四隅部
にコーナー補強金具12を取り付け、これら4つのコー
ナー補強金具12の対角線方向に対向するものどうし間
にブレース13をほぼ水平に掛け渡すと共に、各ブレー
ス13にはターンバックル14を設けてなることを特徴
とする。
【0005】請求項2は、請求項1に記載の木造建物の
耐震構造において、前記コーナー補強金具12は、前記
骨組11の各隅部で直交する胴差し5,6、梁又は桁の
内側面に当接する山形側板15と、この山形側板15の
上下両端部をつなぐ上下一対の三角形補強板16とから
なり、山形側板15を前記胴差し5,6、梁又は桁にボ
ルト止めし、上下何れかの三角形補強板16に前記各ブ
レース13の端部をボルト止めするようにしてなること
を特徴とする。
耐震構造において、前記コーナー補強金具12は、前記
骨組11の各隅部で直交する胴差し5,6、梁又は桁の
内側面に当接する山形側板15と、この山形側板15の
上下両端部をつなぐ上下一対の三角形補強板16とから
なり、山形側板15を前記胴差し5,6、梁又は桁にボ
ルト止めし、上下何れかの三角形補強板16に前記各ブ
レース13の端部をボルト止めするようにしてなること
を特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る耐震構造を有
する2階建木造建物の躯体Kを示す正面図、図2は図1
の1X−X線断面図である。図1及び図2において、1
はコンクリート製の基礎であり、2aは土台、3は土台
2から2階の軒桁4まで継がずに通される柱(通し柱)
である。5及び6は、柱3の中間高さ位置において柱3
に横架される胴差しで、一階と二階との境界部に配設さ
れる。柱3の上端部をつなぐ軒桁4には梁7が横架され
ると共に、その軒桁4の上に垂木8が載設される。9は
大引きである。また図2において、10は間柱である。
これらの土台2、柱3、軒桁4、胴差し5,6、梁7、
垂木8、大引き9、間柱10及びその他の部材によって
建物の躯体Kが構成される。
する2階建木造建物の躯体Kを示す正面図、図2は図1
の1X−X線断面図である。図1及び図2において、1
はコンクリート製の基礎であり、2aは土台、3は土台
2から2階の軒桁4まで継がずに通される柱(通し柱)
である。5及び6は、柱3の中間高さ位置において柱3
に横架される胴差しで、一階と二階との境界部に配設さ
れる。柱3の上端部をつなぐ軒桁4には梁7が横架され
ると共に、その軒桁4の上に垂木8が載設される。9は
大引きである。また図2において、10は間柱である。
これらの土台2、柱3、軒桁4、胴差し5,6、梁7、
垂木8、大引き9、間柱10及びその他の部材によって
建物の躯体Kが構成される。
【0007】次に、上記した建物躯体Kの耐震構造につ
いて説明すると、この耐震構造は、図1及び図2に示す
ように、建物の一階1Fと二階2Fとの境界部分にあっ
て、一階1Fの天井部を形成する(二階2Fの床部でも
ある)骨組11に設けられる。即ち、図2から分かるよ
うに、建物躯体Kにおいて前後に対向する胴差し5,5
と左右に対向する胴差し6,6とが隅部の柱3を挟んで
平面視矩形状に枠組みされた骨組11の四隅部に、平面
視三角形のコーナー補強金具12を夫々取り付け、これ
ら4つのコーナー補強金具12…の対角線方向に対向す
る各一対の金具12,12間にブレース13をほぼ水平
に掛け渡すと共に、各ブレース13にターンバックル1
4を設けたものである。
いて説明すると、この耐震構造は、図1及び図2に示す
ように、建物の一階1Fと二階2Fとの境界部分にあっ
て、一階1Fの天井部を形成する(二階2Fの床部でも
ある)骨組11に設けられる。即ち、図2から分かるよ
うに、建物躯体Kにおいて前後に対向する胴差し5,5
と左右に対向する胴差し6,6とが隅部の柱3を挟んで
平面視矩形状に枠組みされた骨組11の四隅部に、平面
視三角形のコーナー補強金具12を夫々取り付け、これ
ら4つのコーナー補強金具12…の対角線方向に対向す
る各一対の金具12,12間にブレース13をほぼ水平
に掛け渡すと共に、各ブレース13にターンバックル1
4を設けたものである。
【0008】上記の耐震構造について更に詳しく説明す
ると、図3及び図4に示すように、各コーナー補強金具
12は、互いに直交するように突き合わされ、前記骨組
11の各隅部で直交する胴差し5,6の内側面5a,6
aに当接する山形側板15と、この山形側板15の上下
両端部をつなぐ上下一対の三角形補強板16,16とか
らなる。山形側板15は、2枚の矩形状側板15a,1
5aを直角に突き合わせて山形にしたものである。ま
た、各三角形補強板16は、山形側板15の内隅部に嵌
合するように直角三角形に形成され、山形側板15の各
側板15aには中央部の2箇所にボルト挿通孔17が設
けられ、また各三角形補強板16にはその中央部の1箇
所にボルト挿通孔18が設けられている。
ると、図3及び図4に示すように、各コーナー補強金具
12は、互いに直交するように突き合わされ、前記骨組
11の各隅部で直交する胴差し5,6の内側面5a,6
aに当接する山形側板15と、この山形側板15の上下
両端部をつなぐ上下一対の三角形補強板16,16とか
らなる。山形側板15は、2枚の矩形状側板15a,1
5aを直角に突き合わせて山形にしたものである。ま
た、各三角形補強板16は、山形側板15の内隅部に嵌
合するように直角三角形に形成され、山形側板15の各
側板15aには中央部の2箇所にボルト挿通孔17が設
けられ、また各三角形補強板16にはその中央部の1箇
所にボルト挿通孔18が設けられている。
【0009】このコーナー補強金具12を製作するに
は、厚肉の鉄板で2枚の矩形状側板15a,15aと2
枚の三角形補強板16,16を形成し、各側板15a及
び各三角形補強板16には夫々の所定位置にボルト挿通
孔17,18を穿設し、そして両矩形状側板15a,1
5aを直角に突き合わせて溶接することにより山形側板
15を形成し、この山形側板15の上下両端部に夫々三
角形補強板16を嵌合させて溶接すればよい。
は、厚肉の鉄板で2枚の矩形状側板15a,15aと2
枚の三角形補強板16,16を形成し、各側板15a及
び各三角形補強板16には夫々の所定位置にボルト挿通
孔17,18を穿設し、そして両矩形状側板15a,1
5aを直角に突き合わせて溶接することにより山形側板
15を形成し、この山形側板15の上下両端部に夫々三
角形補強板16を嵌合させて溶接すればよい。
【0010】各ブレース13は、金属製の棒材19と、
これの両端部に固着された取付プレート20,20とか
らなるもので、棒材19は、その一端側で棒材本体部1
9aと端部材19bとに二分割され、棒材本体部19a
側の分割端部に右ねじ部aが形成され、端部材19b側
には左ねじ部bが形成されて、これら右ねじ部aと左ね
じ部bとにターンバックル14がその右ねじ孔a′と左
ねじ孔b′とを介して螺合連結され、従ってターンバッ
クル14を回すことにより、棒材本体部19aと端部材
19bとが接近したり、離れたりするようになってい
る。尚、ブレース13の取付プレート20にはボルト挿
通孔21が設けてある。
これの両端部に固着された取付プレート20,20とか
らなるもので、棒材19は、その一端側で棒材本体部1
9aと端部材19bとに二分割され、棒材本体部19a
側の分割端部に右ねじ部aが形成され、端部材19b側
には左ねじ部bが形成されて、これら右ねじ部aと左ね
じ部bとにターンバックル14がその右ねじ孔a′と左
ねじ孔b′とを介して螺合連結され、従ってターンバッ
クル14を回すことにより、棒材本体部19aと端部材
19bとが接近したり、離れたりするようになってい
る。尚、ブレース13の取付プレート20にはボルト挿
通孔21が設けてある。
【0011】上記のような構成よりなる耐震構造の施工
にあたっては、図3に示すように、先ず、骨組11の各
隅部で直交する胴差し5,6の夫々所定位置にボルト挿
通孔22を穿設する。そして、骨組11の各隅部にコー
ナー補強金具12を嵌め込んで、その山形側板15の両
矩形状側板15a,15aを胴差し5,6の内側面5
a,6aに夫々当接させ、座金24を挿通したボルト2
3を各胴差し5,6のボルト挿通孔22からコーナー補
強金具12側のボルト挿通孔17に挿通して、ナット2
5を螺合し、締め付けることによって、コーナー補強金
具12を骨組11の各隅部に取り付け固定する。
にあたっては、図3に示すように、先ず、骨組11の各
隅部で直交する胴差し5,6の夫々所定位置にボルト挿
通孔22を穿設する。そして、骨組11の各隅部にコー
ナー補強金具12を嵌め込んで、その山形側板15の両
矩形状側板15a,15aを胴差し5,6の内側面5
a,6aに夫々当接させ、座金24を挿通したボルト2
3を各胴差し5,6のボルト挿通孔22からコーナー補
強金具12側のボルト挿通孔17に挿通して、ナット2
5を螺合し、締め付けることによって、コーナー補強金
具12を骨組11の各隅部に取り付け固定する。
【0012】こうして骨組11の四隅部に夫々コーナー
補強金具12を取り付けたならば、これら4つのコーナ
ー補強金具12…の対角線方向に対向するものどうし間
にブレース13をほぼ水平に掛け渡す。このブレース1
3の掛け渡しにあたっては、対角線方向に対向する位置
にある2つのコーナー補強金具12,12の一方のコー
ナー補強金具12の例えば下側の三角形補強板16に、
図3に示すようにしてブレース13の一端側の取付プレ
ート20を載せて、その三角形補強板16のボルト挿通
孔18から取付プレート20のボルト挿通孔21にボル
ト26を通してナット27で締め付けることにより、ブ
レース13の一端部を一方のコーナー補強金具12に固
定し、またこのブレース13の他端側の取付プレート2
0も同様にして他方のコーナー補強金具12の下側の三
角形補強板16にボルト26とナット27で取り付け
て、ブレース13の他端部を他方のコーナー補強金具1
2に固定する。
補強金具12を取り付けたならば、これら4つのコーナ
ー補強金具12…の対角線方向に対向するものどうし間
にブレース13をほぼ水平に掛け渡す。このブレース1
3の掛け渡しにあたっては、対角線方向に対向する位置
にある2つのコーナー補強金具12,12の一方のコー
ナー補強金具12の例えば下側の三角形補強板16に、
図3に示すようにしてブレース13の一端側の取付プレ
ート20を載せて、その三角形補強板16のボルト挿通
孔18から取付プレート20のボルト挿通孔21にボル
ト26を通してナット27で締め付けることにより、ブ
レース13の一端部を一方のコーナー補強金具12に固
定し、またこのブレース13の他端側の取付プレート2
0も同様にして他方のコーナー補強金具12の下側の三
角形補強板16にボルト26とナット27で取り付け
て、ブレース13の他端部を他方のコーナー補強金具1
2に固定する。
【0013】上記のようにして骨組11の四隅部にある
4つのコーナー補強金具12…の対角線方向に対向する
ものどうし間に、夫々ブレース13を水平に掛け渡した
後、各ブレース13に介装したターンバックル14を回
して、ブレース13を緊張させることにより、骨組11
における耐震構造の施工を終了する。この状態を図2及
び図4に示す。
4つのコーナー補強金具12…の対角線方向に対向する
ものどうし間に、夫々ブレース13を水平に掛け渡した
後、各ブレース13に介装したターンバックル14を回
して、ブレース13を緊張させることにより、骨組11
における耐震構造の施工を終了する。この状態を図2及
び図4に示す。
【0014】上記のような耐震構造によれば、建物躯体
Kの前後に対向する胴差し5,5と左右に対向する胴差
し6,6とが柱3を挟んで平面視矩形状に枠組みされた
骨組11の四隅部に、平面視三角形のコーナー補強金具
12を夫々取り付け、これら4つのコーナー補強金具1
2…の対角線方向に対向する各一対の金具12,12間
にブレース13を夫々水平に掛け渡して、各ブレース1
3をターンバックル14により緊張させるようにしたも
のであるから、その骨組11は、四隅部に夫々取り付け
たコーナー補強金具12による補強作用と、これら4つ
のコーナー補強金具12に対角線状に掛け渡してターン
バックル14で緊張させた1対のブレース13による補
強作用との相乗効果によって、きわめて堅固な剛体構造
となり、例えば震度5以上の大規模地震の発生により、
地盤が横揺れして躯体Kに大きな水平荷重がかかって
も、損壊したり倒壊する可能性がきわめて少なくなる。
Kの前後に対向する胴差し5,5と左右に対向する胴差
し6,6とが柱3を挟んで平面視矩形状に枠組みされた
骨組11の四隅部に、平面視三角形のコーナー補強金具
12を夫々取り付け、これら4つのコーナー補強金具1
2…の対角線方向に対向する各一対の金具12,12間
にブレース13を夫々水平に掛け渡して、各ブレース1
3をターンバックル14により緊張させるようにしたも
のであるから、その骨組11は、四隅部に夫々取り付け
たコーナー補強金具12による補強作用と、これら4つ
のコーナー補強金具12に対角線状に掛け渡してターン
バックル14で緊張させた1対のブレース13による補
強作用との相乗効果によって、きわめて堅固な剛体構造
となり、例えば震度5以上の大規模地震の発生により、
地盤が横揺れして躯体Kに大きな水平荷重がかかって
も、損壊したり倒壊する可能性がきわめて少なくなる。
【0015】この実施形態では、図1及び図2に示すよ
うに、建物躯体Kの一階1Fと二階2Fとの境界部分
(一階1Fの天井部を形成すると共に、二階2Fの床部
を形成する)に形成される骨組11にのみ耐震構造を施
しているが、二階建の場合は、一階1Fの床部や二階2
Fの天井部に耐震構造を設けなくても、これで十分な耐
震強度が確保される。しかしながら、二階2Fの天井
部、即ち、前後に対向する梁7と左右に対向する桁4と
が隅部の柱3を挟んで平面視矩形状に枠組みされた骨組
にも前記耐震構造を施すことによって、一層十分な耐震
強度が確保されることになる。
うに、建物躯体Kの一階1Fと二階2Fとの境界部分
(一階1Fの天井部を形成すると共に、二階2Fの床部
を形成する)に形成される骨組11にのみ耐震構造を施
しているが、二階建の場合は、一階1Fの床部や二階2
Fの天井部に耐震構造を設けなくても、これで十分な耐
震強度が確保される。しかしながら、二階2Fの天井
部、即ち、前後に対向する梁7と左右に対向する桁4と
が隅部の柱3を挟んで平面視矩形状に枠組みされた骨組
にも前記耐震構造を施すことによって、一層十分な耐震
強度が確保されることになる。
【0016】また、この実施形態では、建物躯体Kの一
階1Fと二階2Fとの境界部分に形成される3つの骨組
11に夫々耐震構造を施しているが、各骨組11の中に
更に胴差し又は梁を通して、1つの骨組11を2つ又は
3つの骨組に細分し、この細分した骨組に上記同様な構
成の耐震構造を施すことができる。
階1Fと二階2Fとの境界部分に形成される3つの骨組
11に夫々耐震構造を施しているが、各骨組11の中に
更に胴差し又は梁を通して、1つの骨組11を2つ又は
3つの骨組に細分し、この細分した骨組に上記同様な構
成の耐震構造を施すことができる。
【0017】また、骨組11の四隅部に取り付けた4つ
のコーナー補強金具にブレース13を対角線方向に掛け
渡すにあたって、その骨組11の中間部に図5に示すよ
うに胴差し又は梁28が横架されている場合は、この梁
28に貫通孔29を開けて、この貫通孔29にブレース
13の棒材19を貫通させるようにすれば、ブレース1
3の掛け渡しに支障を来すことがない。
のコーナー補強金具にブレース13を対角線方向に掛け
渡すにあたって、その骨組11の中間部に図5に示すよ
うに胴差し又は梁28が横架されている場合は、この梁
28に貫通孔29を開けて、この貫通孔29にブレース
13の棒材19を貫通させるようにすれば、ブレース1
3の掛け渡しに支障を来すことがない。
【0018】図5に示すように、骨組11の各隅部に
は、直交する一方の胴差し5と他方の胴差し6との間に
斜材30を取り付けることにより、各隅部を更に補強し
て耐震構造の一層の強化を図ることができる。
は、直交する一方の胴差し5と他方の胴差し6との間に
斜材30を取り付けることにより、各隅部を更に補強し
て耐震構造の一層の強化を図ることができる。
【0019】この耐震構造に用いるコーナー補強金具1
2は、骨組11の各隅部で直交する胴差し又は梁の内側
面に当接する山形側板15と、この山形側板15の上下
両端部をつなぐ上下一対の三角形補強板16とからなる
もので、山形側板15を前記胴差し6又は梁にボルト止
めし、上下何れかの三角形補強板16に前記各ブレース
13の端部をボルト止めするようになっているから、構
造が非常に簡単且つコンパクトで製作が容易でありなが
ら、きわめて頑強で、大きな外力に十分に耐えることが
でき、しかも骨組11の隅部に対する取付け及びブレー
ス13の端部の取付けが簡単且つ容易となって、耐震構
造の施工能率を向上できる。
2は、骨組11の各隅部で直交する胴差し又は梁の内側
面に当接する山形側板15と、この山形側板15の上下
両端部をつなぐ上下一対の三角形補強板16とからなる
もので、山形側板15を前記胴差し6又は梁にボルト止
めし、上下何れかの三角形補強板16に前記各ブレース
13の端部をボルト止めするようになっているから、構
造が非常に簡単且つコンパクトで製作が容易でありなが
ら、きわめて頑強で、大きな外力に十分に耐えることが
でき、しかも骨組11の隅部に対する取付け及びブレー
ス13の端部の取付けが簡単且つ容易となって、耐震構
造の施工能率を向上できる。
【0020】この実施形態では、コーナー補強金具12
の山形側板15は、2枚の矩形状側板15a,15aを
直角に突き合わせることによって形成しているが、1枚
の金属板材を山形に一体にプレス加工して形成すること
ができる。
の山形側板15は、2枚の矩形状側板15a,15aを
直角に突き合わせることによって形成しているが、1枚
の金属板材を山形に一体にプレス加工して形成すること
ができる。
【0021】また、以上の実施形態では、建物躯体Kの
前後に対向する胴差し5と左右に対向する胴差し6とが
柱3を挟んで平面視矩形状に枠組みされた骨組11の各
隅部にコーナー補強金具12を取り付けているが、この
場合の胴差し5、6が梁7であってもよいし、桁であっ
てもよい。つまり、骨組は、前後に対向する胴差し、梁
又は桁と、左右に対向する胴差し、梁又は桁とが柱を挟
んで平面視矩形状に枠組みされたものとする。
前後に対向する胴差し5と左右に対向する胴差し6とが
柱3を挟んで平面視矩形状に枠組みされた骨組11の各
隅部にコーナー補強金具12を取り付けているが、この
場合の胴差し5、6が梁7であってもよいし、桁であっ
てもよい。つまり、骨組は、前後に対向する胴差し、梁
又は桁と、左右に対向する胴差し、梁又は桁とが柱を挟
んで平面視矩形状に枠組みされたものとする。
【0022】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、前後に対
向する胴差し、梁又は桁と左右に対向する胴差し、梁又
は桁とが柱を挟んで平面視矩形状に枠組みされた骨組の
四隅部に夫々コーナー補強金具を取り付け、これら4つ
のコーナー補強金具の対角線方向に対向するものどうし
間にブレースをほぼ水平に掛け渡し、各ブレースをター
ンバックルにより緊張させるようにしたから、四隅部に
夫々取り付けたコーナー補強金具による補強作用と、こ
れら4つのコーナー補強金具に対角線状に掛け渡してタ
ーンバックルで緊張させた1対のブレースによる補強作
用との相乗効果によって、建物躯体の骨組がきわめて堅
固な剛体構造となり、大規模地震の発生により、地盤が
横揺れして躯体に大きな水平荷重がかかっても、損壊し
たり倒壊する可能性がきわめて少なくなる。
向する胴差し、梁又は桁と左右に対向する胴差し、梁又
は桁とが柱を挟んで平面視矩形状に枠組みされた骨組の
四隅部に夫々コーナー補強金具を取り付け、これら4つ
のコーナー補強金具の対角線方向に対向するものどうし
間にブレースをほぼ水平に掛け渡し、各ブレースをター
ンバックルにより緊張させるようにしたから、四隅部に
夫々取り付けたコーナー補強金具による補強作用と、こ
れら4つのコーナー補強金具に対角線状に掛け渡してタ
ーンバックルで緊張させた1対のブレースによる補強作
用との相乗効果によって、建物躯体の骨組がきわめて堅
固な剛体構造となり、大規模地震の発生により、地盤が
横揺れして躯体に大きな水平荷重がかかっても、損壊し
たり倒壊する可能性がきわめて少なくなる。
【0023】また、この発明の耐震構造は、建物躯体の
天井裏や床下等の空間部を利用して施工できるから、特
別な施工用空間部を設ける必要がなく、また建物の外観
上の体裁を損なうようなことがない。
天井裏や床下等の空間部を利用して施工できるから、特
別な施工用空間部を設ける必要がなく、また建物の外観
上の体裁を損なうようなことがない。
【0024】請求項2に係る発明によれば、コーナー補
強金具は、骨組の各隅部で直交する胴差し、梁又は桁の
内側面に当接する山形側板と、山形側板の上下両端部を
つなぐ上下一対の三角形補強板とからなるもので、山形
側板を胴差し、梁又は桁にボルト止めし、上下何れかの
三角形補強板に各ブレースの端部をボルト止めするよう
になっているから、補強金具の構造が非常に簡単且つコ
ンパクトで、製作が容易でありながら、構造的にきわめ
て頑強で、大きな外力に十分に耐えることができ、しか
も骨組の隅部に対する取付け及びブレースの端部の取付
けが簡単容易となって、耐震構造の施工能率を向上でき
る。
強金具は、骨組の各隅部で直交する胴差し、梁又は桁の
内側面に当接する山形側板と、山形側板の上下両端部を
つなぐ上下一対の三角形補強板とからなるもので、山形
側板を胴差し、梁又は桁にボルト止めし、上下何れかの
三角形補強板に各ブレースの端部をボルト止めするよう
になっているから、補強金具の構造が非常に簡単且つコ
ンパクトで、製作が容易でありながら、構造的にきわめ
て頑強で、大きな外力に十分に耐えることができ、しか
も骨組の隅部に対する取付け及びブレースの端部の取付
けが簡単容易となって、耐震構造の施工能率を向上でき
る。
【図1】 本発明に係る耐震構造を有する2階建木造建
物の躯体を示す正面図である。
物の躯体を示す正面図である。
【図2】 図1の1X−X線断面図である。
【図3】 骨組の隅部にコーナー補強金具を取り付ける
要領を示す斜視図である。
要領を示す斜視図である。
【図4】 図2の矢印Yで示す部分の拡大図である。
【図5】 本発明に係る耐震構造を階下から見た斜視図
である。
である。
1 基礎
2 土台
3 柱
4 軒桁
5,6 胴差し
7 梁
11 骨組
12 コーナー補強金具
13 ブレース
14 ターンバックル
15 コーナー補強金具の山形側板
16 コーナー補強金具の三角形補強板
Claims (2)
- 【請求項1】 前後に対向する胴差し、梁又は桁と左右
に対向する胴差し、梁又は桁とが隅部の柱を挟んで平面
視矩形状に枠組みされた骨組の四隅部に夫々コーナー補
強金具を取り付け、これら4つのコーナー補強金具の対
角線方向に対向するものどうし間にブレースをほぼ水平
に掛け渡すと共に、各ブレースにはターンバックルを設
けてなる木造建物の耐震構造。 - 【請求項2】 前記コーナー補強金具は、前記骨組の各
隅部で直交する胴差し、梁又は桁の内側面に当接する山
形側板と、この山形側板の上下両端部をつなぐ上下一対
の三角形補強板とからなり、山形側板を前記胴差し、梁
又は桁にボルト止めし、上下何れかの三角形補強板に前
記各ブレースの端部をボルト止めするようにしてなる請
求項1に記載の木造建物の耐震構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002143575A JP2003336317A (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 木造建物の耐震構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002143575A JP2003336317A (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 木造建物の耐震構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003336317A true JP2003336317A (ja) | 2003-11-28 |
Family
ID=29703543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002143575A Pending JP2003336317A (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 木造建物の耐震構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003336317A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008138493A (ja) * | 2006-11-29 | 2008-06-19 | Mikio Nagahisa | 木造建築物の耐震補強金具 |
JP2015194051A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | 矢作建設工業株式会社 | 木造建築物の水平架構の補強部材および木造建築物の水平架構の補強工法 |
JP2017119992A (ja) * | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 株式会社内田洋行 | 水平ブレース構造、水平ブレースの支持装置、及び空間構造体 |
-
2002
- 2002-05-17 JP JP2002143575A patent/JP2003336317A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008138493A (ja) * | 2006-11-29 | 2008-06-19 | Mikio Nagahisa | 木造建築物の耐震補強金具 |
JP2015194051A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | 矢作建設工業株式会社 | 木造建築物の水平架構の補強部材および木造建築物の水平架構の補強工法 |
JP2017119992A (ja) * | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 株式会社内田洋行 | 水平ブレース構造、水平ブレースの支持装置、及び空間構造体 |
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Effective date: 20031211 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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