JPH0739521B2 - 耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物

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JPH0739521B2
JPH0739521B2 JP61243169A JP24316986A JPH0739521B2 JP H0739521 B2 JPH0739521 B2 JP H0739521B2 JP 61243169 A JP61243169 A JP 61243169A JP 24316986 A JP24316986 A JP 24316986A JP H0739521 B2 JPH0739521 B2 JP H0739521B2
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JP
Japan
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styrene
aromatic polyester
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methylstyrene
resin composition
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強介 小宮
昌久 横田
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、特定の芳香族ポリエステルと、特定のスチレ
ン系樹脂とをブレンドして得られる耐熱性樹脂組成物に
関するものである。
さらに詳しくは、一般式(1) (ただし、nは重合度を表わす) で表わす芳香族ポリエステルと、α−メチルスチレン及
びアクリロニトリルを共重合成分として含むスチレン系
共重合体をブレンドして得られる樹脂組成物に関する。
本発明の組成物は、透明でかつ高い耐熱性を有してお
り、例えば光デイスク等の光学材料として有用である。
(従来の技術) 一般式(2) (ただし、nは重合度を表わす) (式中、Xは、−CH2−、−C(CH3−、−O−、 −S−、−SO2−等の2価の基、Rは、H、−CH3、−C2
H5を示す)で表わされる芳香族ポリエステルは、透明性、
耐熱性、機械特性等に優れたポリマーであり、特にXが
−C(CH3−、かつRがすべて水素であるタイプ
は、工業的にも製造され、広く用いられている。これら
の特性を生かして他の種々のポリマーとブレンドする研
究も数多くなされている。しかし通常、他のポリマーと
ブレンドすると、充分な相溶性を有していないため、機
械的強度は低下し、透明な樹脂は得られない。また機械
的強度の低下がない場合でも透明な樹脂が得られるケー
スはまれである。
本出願人は、先に特開昭63−15839号公報において、前
記一般式(1)で表わされる芳香族ポリエステルとAS樹
脂をブレンドすることによつて上記の問題を解決し、透
明で充分な機械的強度を有する組成物が得られることを
開示した。しかしながら、この組成物は特に芳香族ポリ
エステルの組成が低い場合、充分な耐熱性を有している
とはいえず、用途(例えば書換え形の光デイスク基板
等)によつては使用が制限される場合があつた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、特開昭63−15839号公報における、芳
香族ポリエステルとAS樹脂をブレンドした組成物の特徴
である透明性を生かし、かつ充分な耐熱性を付与するこ
とにより、種々の光学材料等に有用な組成物を得ること
である。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結
果、前記一般式(1)で表わされる芳香族ポリエステル
は、α−メチルスチレン及びアクリロニトリルを共重合
成分として含むスチレン系重合体と透明にブレンドする
ことが可能であり、かつこのブレンドポリマーが優れた
耐熱性を有することを見出し本発明に至つた。
即ち、本発明は、一般式(1) (ただし、nは重合度を表わす) で表わされる芳香族ポリエステルと、α−メチルスチレ
ン及びアクリロニトリルを共重合成分として含むスチレ
ン系重合体をブレンドして得られる耐熱性樹脂組成物で
ある。
本発明において、α−メチルスチレンとアクリロニトリ
ルを含むスチレン系重合体と芳香族ポリエステルを透明
にブレンドするためには、芳香族ポリエステルが一般式
(1)の構造であることが必須要件である。例えば、一
般式(1)のベンゼン核に置換したメチル基が水素とな
つた場合、あるいは、−SO2−基を−CH2−基や−C(CH
3−基に変えた場合には、本発明の如き、充分な透
明性を得ることはできない。
本発明において芳香族ポリエステル含量は1〜99重量%
であるが、特開昭63−15839号公報の組成物に対する耐
熱性の改善効果という点では、特に50重量%以下の場合
が有利である。
一般式(1)の芳香族ポリエステルは、ビス−(3,5−
ジメチル4−ヒドロキシフエニル)スルホンをジオール
成分とし、イソフタル酸、テレフタル酸及びそれらの機
能誘導体(テレフタル酸クロリド等)をジカルボン酸成
分とし、公知の重縮合法により得ることができる。ジカ
ルボン酸成分としては、テレフタル酸とイソフタル酸ま
たはその機能誘導体を組合わせて用いることが物性上好
ましい。重合方法は、界面重縮合法、溶液重合法、溶融
重合法等、通常芳香族ポリエステルを重合する方法から
選ぶことができる。
本発明に用いるα−メチルスチレン及びアクリロニトリ
ルを共重合成分として含むスチレン系共重合体におい
て、アクリロニトリル組成は、15重量%以上であること
が好ましい。また、アクリロニトリルに対するα−メチ
ルスチレンの量は、重量比で1.5以上であることが好ま
しく、かつスチレンに対するα−メチルスチレンの量は
重量比で1.8以上であることが好ましい。また、スチレ
ン系重合体は、通常α−メチルスチレン/アクリロニト
リル2元共重合体、または、α−メチルスチレン/スチ
レン/アクリロニトリル3元共重合体が用いられるが、
ポリマーの物性改善等を目的として、その他の成分、例
えばメチルメタクリレートやメタクリロニトリル等を少
量加えることも可能である。重合は、塊状重合法、乳化
重合法、懸濁重合法等、公知の方法で行なわれる。この
際目的に応じて適当な分子量が選ばれる。
芳香族ポリエステルとスチレン系重合体との混合は、両
者を共通に溶解する溶媒、例えば塩化メチレン等で溶液
ブレンドする方法を用いることができる。押出機やロー
ルなどで溶融混合する場合には、ポリマーの熱分解を抑
える条件を設定する必要がある。
本発明の組成物には、酸化防止剤、耐光安定剤、難燃剤
等の添加剤を加え、更に特性を向上させることも可能で
ある。
また、本発明の組成物と相溶性の高いポリマーをさらに
ブレンドして用いることも可能である。例えば、本発明
の組成物とAS樹脂の組合わせによつて透明な組成物を得
ることができる。
(発明の効果) 本発明により、透明なブレンドポリマーが得られること
のメリツトは、例えば光学用途に用いた場合、複屈折を
低減できるという点である。芳香族ポリエステルにスチ
レン系樹脂をブレンドした場合、あるいは、スチレン系
樹脂に芳香族ポリエステルをブレンドした場合、いずれ
も単品のポリマーよりも低複屈折とすることができる。
本発明の組成物と、特開昭63−15839号公報の組成物のT
gあるいは熱変形温度を同一芳香族ポリエステル含量で
比較すると、明らかに前者の方が高く、特に芳香族ポリ
エステルの含量が50Wt%以下の場合、その差は大きい。
光学材料として本発明の組成物を使用する場合、芳香族
ポリエステル含量を50Wt%以下にすることはコストを下
げ、また複屈折を小さくするという点で好ましく、従つ
てこの範囲で特に高い耐熱性を有することは本発明の大
きなメリツトと言える。
また、本発明の組成物は、光学用途に用いることができ
るだけでなく、その耐熱性等を生かし、光学用途以外の
分野でエンジニアリングプラスチツクとして使用するこ
とも可能である。
(実施例) 以下、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明の
内容は実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 芳香族ポリエステルの製造 5の四つ口フラスコ内で、N2気流下、ビス−(4−ヒ
ドロキシ−3,5ジメチルフエニル)スルホン135g、95%
の水酸化ナトリウム48.3g、チオ硫酸ソーダ6.6gを1650m
lの水に均一に溶解した後、氷冷する。一方、テレフタ
ル酸クロリドとイソフタル酸クロリド各44.7gとトリオ
クチルメチルアンモニウムクロライド3.3gを600mlの塩
化メチレンに溶解させ、上記水溶液にすみやかに添加す
る。氷浴中、激しく撹拌しながら2時間反応させた後、
酢酸176mlを添加してさらに15分間撹拌を続ける。塩化
メチレン層を数回水洗後、過剰のアセトン中に注ぎポリ
マーを析出させる。得られたポリマーの重量平均分子量
をGPCで測定したところ、ポリスチレン換算で51000であ
った。また、重合度nは、ポリスチレン換算で45であっ
た。
組成物の製造及び試験 前記で得られた芳香族ポリエステル0.8gと一般に知られ
た乳化重合法で得られたスチレン系樹脂(AN/α−メチ
ルスチレン/スチレン=20/65/15;重量比)0.2gとを10m
lの塩化メチレンに均一に溶解させた後、内径90mmの平
底シヤーレ上に流延し自然乾燥させて厚さ120μmの透
明なフイルムを得た。このフイルムの熱変形温度を、RH
EOVIBRON・DDV−II−EA(東洋ボールドウイン製)を用
い、動的粘弾性が急激に低下し始める温度として測定し
た。結果を第1表に示す。
実施例2〜5 芳香族ポリエステルとスチレン系樹脂の配合割合(重量
比)を60/40(実施例2)、40/60(実施例3)、20/80
(実施例4)、5/95(実施例5)に変化させる以外はす
べて実施例1と同様にしてフイルムを製造した。得られ
たフイルムはいずれも透明であつた。これらのフイルム
の熱変形温度を実施例1と同様の方法で測定した結果を
第1表に示す。
比較例1〜4 実施例1で用いたスチレン系樹脂のかわりにAS樹脂(ポ
リマー中のアクリロニトリル組成が29Wt%)を用いる以
外は、実施例1と同様の方法でフイルムを作製した。同
様に芳香族ポリエステルとAS樹脂の配合割合を重量比で
60/40(比較例2)、40/60(比較例3)、20/80(比較
例4)と変化させてフイルムを作製した。
得られたフイルムの熱変形温度を実施例1と同様の方法
で測定した結果を第1表に示す。
実施例6 スチレン系樹脂として、AN/α−メチルスチレン=25/75
(重量比)を用い、芳香族ポリエステルとスチレン系樹
脂の配合割合を重量比で20/80とする他は、実施例1と
同様な方法でフイルムを作製した。得られたフイルムは
透明であつた。
このフイルムの熱変形温度を実施例1と同様に測定した
結果、131℃であつた。
実施例7 スチレン系樹脂として、AN/α−メチルスチレン/スチ
レン=35/20/45(重量比)を用い、芳香族ポリエステル
とスチレン系樹脂の配合割合を重量比で40/60とする以
外は、実施例1と同様な方法でフイルムを作製した。
得られたフイルムの熱変形温度を実施例1と同様に測定
した結果、129℃であつた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (ただし、nは重合度を表わす) で表わされる芳香族ポリエステルと、α−メチルスチレ
    ン及びアクリロニトリルを共重合成分として含むスチレ
    ン系重合体をブレンドして得られる耐熱性樹脂組成物
  2. 【請求項2】スチレン系共重合体中のアクリロニトリル
    組成が15重量%以上であり、かつアクリロニトリルに対
    するα−メチルスチレンの量が重量比で1.5以上であ
    り、かつスチレンに対するα−メチルスチレンの量が重
    量比で1.8以上であるスチレン系共重合体を用いること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の耐熱性樹脂組
    成物
  3. 【請求項3】一般式(1)の芳香族ポリエステルが50重
    量%以下である特許請求の範囲第1項記載の耐熱性樹脂
    組成物
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