JPH0738210Y2 - クリーム状物注出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はクリーム状物注出容器に関する。

「従来の技術と考案が解決しようとする課題」 上下が同径の筒状胴部より口頸部を起立した容器体と、
上記口頸部外周に嵌合させた装着筒により容器体に装着
した縦型ポンプとからなり、縦型ポンプの押下げヘッド
を上下動することにより容器体内のクリーム状物をポン
プ下端に嵌着した吸上げパイプより吸上げるとともに、
押下げヘッドのノズル孔より注出する如く構成してなる
クリーム状物注出容器が知られている。これらの容器
は、収納するクリーム状物が高粘度の為、クリーム状物
上面に当接して上面を閉塞する閉塞板を、その内周縁を
吸上げパイプ外周に、又、外周縁を容器体胴部内周に気
密に且つ摺動可能に装着しているのが一般的である。即
ち、クリーム状物は高粘度の為閉塞板がないと、充填し
たクリーム状物内に吸上げパイプ下端よりクリーム状物
上面に至る空孔が出来てしまい、内容物の注出が著しく
阻害される。従って、内容物の注出に伴って閉塞板が下
降し、上記した空孔の発生を阻止する様構成したもので
ある。

この閉塞板の存在の為、従来の容器においては、容器体
を底壁部と、それ以外の主部分にて構成し、主部にポン
プ及び閉塞板を装着したものを倒立させて内容物を充填
し、しかる後底壁部を嵌着或いは融着して、内容物の充
填を行っている。

しかしながら、この様な方法での充填は、従来の既成の
充填機を使用することが不可能で、その為の充填機を新
たに必要とし、又、その為の設置場所も必要となり、コ
ストがかかる欠点を有している。

本考案は、上記した従来技術の欠点を解消したクリーム
状物注出容器を提供することを目的とするものである。

「課題を解決するための手段」 上下が同径の筒状胴部８より口頸部10を起立した容器体
２と、上記口頸部10外周に嵌合させる装着筒３と、上記
容器体２内へ下端のシリンダ４を垂下するとともに、上
端の押下げヘッド13を口頸部10より上下動可能に突出さ
せて上記装着筒３により容器体２に装着させる縦型ポン
プ４とからなり、上記押下げヘッド13を上下動すること
により容器体２内のクリーム状物を縦型ポンプ４下端に
嵌着した吸上げパイプ14から吸上げるとともに、押下げ
ヘッド13のノズル孔15より注出する如く構成してなるク
リーム状物注出容器において、上記容器体胴部８内上面
を閉塞し且つ、その外周縁を容器体胴部８内周面に摺動
可能に当接させた閉塞板５を容器体胴部内上端部に離脱
可能に係止し、該閉塞板５中央に上記吸上げパイプ14が
気密に挿入可能な挿通孔19を設け、該挿通孔19に吸上げ
パイプ14を挿通して上記縦型ポンプ４を容器体２へ装着
する際に、シリンダ12にて閉塞板５を下方へ押圧してそ
の容器体２との係止を解除するとともに、閉塞板５を下
方に押下げ可能に構成してなる。

「作用」 本考案容器では、容器体２上方からの内容物の充填が行
える。即ち、第１図に示す如く縦型ポンプ４装着前の容
器体２の口頸部10よりクリーム状物を充填する。この際
容器体口頸部10よりの充填が可能な為、従来の一般的充
填機による充填を行える。クリーム状物の充填高さは、
その上面が閉塞板５の下方で閉塞板５下面と間隔をあけ
た高さまで充填する。次いで、吸上げパイプ14を挿通孔
19に挿通して縦型ポンプ４のシリンダ12を容器体２内に
挿入すると、第２図に示す如く、シリンダ12下面が外向
きフランジ18上面と当接し、シリンダ12により嵌合筒16
を押し下げて、フランジ18とフック17の係合を解除する
とともに、閉塞板５を下方に押下げる。押下げられた閉
塞板５は第３図示の如く、クリーム状物24上面まで押下
げられ、装着筒３を容器体口頸部10外周に嵌合して充填
が完了する。

第３図示の状態から押下げヘッド13を上下動させること
により、容器体内のクリーム状物24を吸上げパイプ14か
ら吸上げノズル孔15より注出することが出来る。この
際、容器体２内のクリーム状物24の減少に伴い閉塞板５
が下降するため、空孔の発生はなく良好な注出を行え
る。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。第１
図〜第３図は本考案の一実施例を示し、図中１はクリー
ム状物注出容器を示す。該容器１は、容器体２と、装着
筒３と、縦型ポンプ４と、閉塞板５とから構成してい
る。

上記容器体２は、更に、主部６と底板部７とから構成し
ており、主部６は、上下同径で下面を開放した円筒状胴
部８上端縁より延設した頂壁９中央より口頸部10を起立
して構成している。又、底板部７は、主部４の下面開口
を閉塞して、その胴部８下端に嵌着している。底板部７
上面中央には、三角板状突起を２枚クロスさせた形状の
台座11を突設している。

縦型ポンプ４は、容器体口頸部10外周に嵌合させる装着
筒３により下端のシリンダ12を容器体２内へ垂下すると
ともに、上端の押下げヘッド13を口頸部10より上下動可
能に突出して容器体２に装着する様構成している。又、
容器体２に装着した際、押下げヘッド13を上下動するこ
とにより、容器体２内のクリーム状物を縦型ポンプ４の
下端に嵌着した吸上げパイプ14から吸上げるとともに、
押下げヘッド13のノズル孔15より注出する如く構成した
公知ポンプ機構を有するものである。

又、閉塞板５は、容器体胴部８上面を閉塞する大きさを
有する円板状をなし、該閉塞板５中央に穿設した透孔内
周縁を円筒状の嵌合筒16外周下部に嵌着している。上記
閉塞板５は、容器体の頂壁９より垂設した円筒状フック
17に上記嵌合筒16上端外周より延設した外向きフランジ
18外周縁を脱離可能に嵌合するとともに、その外周縁を
容器体胴部８内周面に気密且つ、摺動可能に当接して装
着している。又、この閉塞板５を支持する嵌合筒16の内
周には、縦型ポンプ４に嵌着する吸上げパイプ14外周が
挿通可能で、且つ、挿通した際気密に嵌合する様構成し
ている。

又、縦型ポンプ４を容器体２に装着するために、吸上げ
パイプ14を、嵌合筒16の挿通孔19に挿通して押し下げる
と、シリンダ12下面が上記外向きフランジ18上面を押し
下げてフランジ18とフック17との係合を解除し、閉塞板
５を下方に押下げる様構成している。

第４図は本考案の他の実施例を示すもので、本実施例で
は、閉塞板５の容器体２への脱離可能な係止を容器体胴
部８内周上端に設けたリブ20によって行っている。

又、第５図は更に他の実施例を示し、本実施例では、閉
塞板５の容器体２への脱離可能な係止を、容器体胴部８
内周上端前後に設けた突条21によって行っている。

第６図は、更に他の実施例を示し、本実施例では、容器
体２を、その胴部８上方で横に切断した上部に相当する
容器体上部構成部材22と、下部に相当する容器体下部構
成部材23とを相互に融着して形成しており、本考案容器
では、この様に容器体を二つの構成部材を胴部上方位置
で連結して構成したものであっても良い。この場合、内
容物の接続部分からの漏出の虞は全くない。

尚、上記各容器は、全て合成樹脂にて形成すると良い。

「考案の効果」 以上説明した如く本考案クリーム状物注出容器は、既述
構成としたことにより、容器体口頸部からの内容物の充
填が可能となり、従来品の様に特別の充填機を必要とせ
ずに充填が行える為、従来品に比べて極めて低コストで
の製造が可能となる。

又、その構造も極めて単純であり、従来品をわずかに設
計変更するだけで、上記した効果を得られるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示し、第１図は分
解縦断面図、第２図は要部断面図、第３図は縦断面図、
第４図〜第６図は他の実施例を示し、第４図は閉塞板の
係止構造が相違する他の実施例を示す分解縦断面図、第
５図は同要部断面図、第６図は容器体の構造が相違する
他の実施例を示す縦断面図である。 １……容器体、３……装着筒 ４……縦型ポンプ、５……閉塞板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上下が同径の筒状胴部８より口頸部10を起
   立した容器体２と、上記口頸部10外周に嵌合させる装着
   筒３と、上記容器体２内へ下端のシリンダ４を垂下する
   とともに、上端の押下げヘッド13を口頸部10より上下動
   可能に突出させて上記装着筒３により容器体２に装着さ
   せる縦型ポンプ４とからなり、上記押下げヘッド13を上
   下動することにより容器体２内のクリーム状物を縦型ポ
   ンプ４下端に嵌着した吸上げパイプ14から吸上げるとと
   もに、押下げヘッド13のノズル孔15より注出する如く構
   成してなるクリーム状物注出容器において、上記容器体
   胴部８内上面を閉塞し且つ、その外周縁を容器体胴部８
   内周面に摺動可能に当接させた閉塞板５を容器体胴部内
   上端部に脱離可能に係止し、該閉塞板５中央に上記吸上
   げパイプ14が気密に挿入可能な挿通孔19を設け、該挿通
   孔19に吸上げパイプ14を挿通して上記縦型ポンプ４を容
   器体２へ装着する際に、シリンダ12にて閉塞板５を下方
   へ押圧してその容器体２との係止を解除するとともに、
   閉塞板５を下方に押下げ可能に構成してなることを特徴
   とするクリーム状物注出容器。