JP2575244Y2 - クリーム状物注出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はクリーム状物注出容器に
関する。

【０００２】

【従来の技術】

【考案が解決しようとする課題】クリーム状物注出容器
として下端面を開口した筒状胴部を有する容器体と、該
容器体上部に設置した吸い上げポンプと、上記容器体胴
部下端に外周縁を液密且つ摺動上昇可能に嵌合させた可
動底壁とからなり、上記ポンプの作動により容器体内の
クリーム状物を容器体胴部頂壁の吸い込み孔より吸い上
げて外部へ注出する如く構成してなるものが知られてい
る。

【０００３】従来のこの種の容器は内容物を使い切った
後そのまま廃棄する様構成されているが、近年のゴミ処
理事情の悪化に伴い、廃棄物の量をできるだけ少なくす
ることが要望されている。

【０００４】本考案はこの様な実情に鑑みなされたもの
で、廃棄物の量を極力少なくすることができる便利なク
リーム状物注出容器を提案することを目的とするもので
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本請求項１記載の容器は、下端面を開口した筒状胴部を
有する容器体２と、該容器体２上部に設置した吸い上げ
ポンプ３と、上記容器体胴部下端に外周縁を液密且つ摺
動上昇可能に嵌合させた可動底壁４とからなり、上記ポ
ンプ３の作動により容器体２内のクリーム状物を容器体
胴部頂壁6bの吸い込み孔15より吸い上げて外部へ注出す
る如く構成してなるクリーム状物注出容器に於いて、上
記容器体２内に下端開口より挿入させるとともに、上端
開口縁を上記吸い込み孔15周囲の容器体胴部頂壁6b下面
に液密に当接させ、且つ、周壁19a 下端縁より外方へ二
重筒状に立設した嵌合筒部21内面を容器体胴部周壁6a外
面下端に嵌合させて着脱自在に装着させてなる交換用容
器体４を設け、該容器体胴部19内下端に外周縁を液密且
つ摺動上昇可能に可動底壁５を嵌合させて構成した。

【０００６】又、本請求項２記載の容器は、交換用容器
体４の少なくとも胴部上端部を透明に形成するととも
に、容器体胴部周壁6a上端部所定位置に覗窓27を設けて
なる請求項１記載のクリーム状物注出容器として構成し
た。

【０００７】

【作用】交換用容器体４内のクリーム状物を使い切った
場合には、嵌合筒部21の嵌合を外して交換用容器体４を
容器体２より抜き出し、ついで新たな交換用容器体４を
装着して使用する。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。

【０００９】図１は本考案の一実施例を示すもので、図
中１はクリーム状物注出容器を示す。該容器１は、容器
体２と、吸い上げポンプ３と、交換用容器体４と、可動
底壁５とを主要部材として構成している。

【００１０】上記容器体２は、円筒状の周壁6a上端縁よ
り頂壁6bを延設してなる下端面開口の円筒状胴部６を有
するとともに、頂壁6b中央に設けた円形窓孔周縁より上
方に円筒状の口頚部７を立設して構成している。

【００１１】吸い上げポンプ３は、上記容器体２上部に
固定したもので、本実施例ではシリンダー８、係止部材
９、押し下げヘッド10、環状ピストン11等より構成して
いる。

【００１２】上記シリンダー８は、有底円筒状で筒壁8a
の上端縁より外向きフランジ8bを延設して構成してお
り、又、係止部材９は、頂壁9a周縁より周壁9bを垂設し
た下端面開口の円筒状をなし、頂壁中央に穿設した円形
透孔周縁より垂設した短筒9cをシリンダー８の筒壁8a内
周上端に嵌合させるとともに、該短筒9c外方の頂壁9a下
面所定位置より垂設した嵌合筒9d上端内周をシリンダー
８の上記外向きフランジ8b外周縁に嵌合させてシリンダ
ー８と一体に構成している。又、頂壁9a上面の中央部に
は上方へ円筒状の案内筒9eを立設させている。

【００１３】押し下げヘッド10は、下端を上記案内筒9e
外周に上下動可能且つ抜け出し不能に嵌合させた円筒状
周壁10a 上端より頂壁10b を延設するとともに、その頂
壁裏面中央よりシリンダー８内に有底の吸い上げ筒12を
上下動可能に垂下させており、又、吸い上げ筒12の上端
はヘッド10の前部上端に突出開口するノズル13内と連通
させている。又、その頂壁10b 裏面と係止部材頂壁9a上
面との間に介在させたコイルスプリング14により常時上
方へ付勢させている。

【００１４】又、上記シリンダー８の底壁中央には吸い
込み孔としての円形吸い込み弁孔15を穿設し、該弁孔15
上面を開閉可能に閉塞した板状吸い込み弁体16を設け
て、上記吸い込み弁孔15と吸い込み弁体16とで吸い込み
弁17を形成している。

【００１５】又、上記吸い上げ筒12下端部の筒壁内を周
方向帯状に中空部を形成し、該中空部と筒壁外部と連通
する周方向帯状で上記中空部より幅狭のピストン嵌合孔
を形成し、更に、中空部と筒壁内部と連通する正面円形
をなす透孔を穿設し、この透孔と、中空部と、ピストン
嵌合孔とで吐出弁孔を形成している。

【００１６】又、環状ピストン11は、上記シリンダー８
内周に液密且つ上下に摺動可能に外側上下摺動部を嵌合
させた断面Ｈ状をなし、該ピストン11の内側上部摺動部
を上記中空部上部に上下動可能に嵌合させ、又、該ピス
トン11の内側下部摺動部はヘッド10の上昇時に上記中空
部下部に嵌合して上記ピストン嵌合孔を閉塞し、ひいて
は吐出弁孔を閉塞する如く構成し、又、ヘッド10の押し
下げ時に、シリンダー８内に密閉された液圧により上方
へ押し上げられて上記ピストン嵌合孔が開口し、ひいて
は吐出弁孔を開口する如く構成している。そしてこの吐
出弁孔とピストン11とから吐出弁18を形成している。

【００１７】本実施例に於いては上記の如く構成した吸
い上ポンプ３を、その嵌合筒9dを容器体口頚部７外周に
凹凸状の係合手段を介して嵌合させるとともに、容器体
胴部周壁6a上端に周設した段部に周壁9bを嵌合させ、且
つシリンダー８を口頚部７内に挿入垂下させて容器体２
に固定している。

【００１８】交換用容器体４は、外径が上記容器体胴部
周壁６の内径より若干小さく、内径が上から下迄同径を
なす円筒状の周壁19a 上端縁より頂壁19b を延設した有
底円筒状をなす胴部19を有し、該胴部頂壁19b 中央部よ
り円筒状の口頚部20を起立するとともに、周壁19a 下端
縁より外方へ二重筒状に嵌合筒部21を立設して構成して
いる。

【００１９】本実施例では、底壁22周縁より内面に螺条
を施した嵌合筒部21を立設してなる底壁構成部材Ａと、
下端面開口の円筒状胴部19上端より口頚部20を起立して
なる胴部構成部材Ｂとから構成し、胴部構成部材Ｂの周
壁19a 下端縁部をテーパ状に拡径し、この拡径した部分
を嵌合筒部21内面下部に周設した突条23下部に嵌合係止
させて両者を一体化させている。そして、この様に構成
した交換用容器体４を、容器体２の下端開口より挿入し
てその嵌合筒部21を容器体胴部周壁6a外周下端に螺合さ
せるとともに、その口頚部20上端面を容器体胴部頂壁6b
下面にパッキン24を介して液密に当接させ、着脱自在に
容器体２に装着させている。この際、シリンダー８下端
部が交換用容器体胴部19内上部に垂下する如く構成して
おり、この様に構成することにより容器を使用し始める
際に空押しを殆ど行こなわずに速やかに容器体胴部内の
液を注出することが出来るものであり、容器の故障と勘
違いされる様な不都合を生じる虞はない。

【００２０】可動底壁４は、交換用容器体胴部周壁19a
内面下端部にその外周縁を液密且つ上昇可能に嵌合させ
て容器体胴部下端開口を閉塞している。

【００２１】尚、図中25は、ヘッド10を被覆して容器体
に着脱自在に装着させたキャップを、26はパッキンをそ
れぞれ示す。又、上記各部材は全て合成樹脂により形成
する。

【００２２】上記の如く構成した容器１は、図１の状態
からキャップ25を外してヘッド10を押し下げると、シリ
ンダー８内のクリーム状物の液圧で吸い込み弁17は閉じ
た状態となり、一方液圧で環状ピストン11が吸い上げ筒
12と相対的に上昇してその下部の嵌合が外れて吐出弁18
が開き、シリンダー８内のクリーム状物が吐出弁18から
吸い上げ筒12を介してノズル13より吐出される。

【００２３】次いで、ヘッド10の押圧を解除すると、ス
プリング14の弾発力によりヘッド10が上昇するためシリ
ンダー８内が負圧化して吐出弁18が閉じ、吸い込み弁17
が開いて交換用容器体４内のクリーム状物がシリンダー
８内に吸い上げられる。この際クリーム状物の減少に伴
って可動底壁４が上昇する。

【００２４】図２及び図３は本考案の他の実施例を示す
もので、本実施例では根本的な機構は同じで、外径が相
違する吸い上げポンプ３を使用した例であり、この吸い
上げポンプ３は、そのシリンダー８下端が容器体胴部頂
壁6bの吸い上げ孔と同レベルに設けたものである。

【００２５】又、本実施例では、交換用容器体４を透明
材料で形成するとともに、容器体２の上端部所定位置に
覗窓27を穿設して内容物が無くなったことが目視で判別
出来る様に構成したものである。この覗窓27は上記実施
例の如く容器体周壁に設けた透孔であっても、その部分
を透明に構成したものであっても良い。

【００２６】図３は交換用容器体４を示すもので、補助
キャップ28を装着させている。

【００２７】

【考案の効果】以上説明した如く本考案容器は、既述構
成としたことにより、交換用容器体を容器体より着脱自
在に形成して交換可能に構成しているため、交換用容器
体内のクリーム状物を使い切った際は、交換用容器体及
び可動底壁のみを廃棄すれば良いため廃棄物の重量を極
力少なくすることが出来る。

【００２８】又、交換用容器体は容器体内に収納される
ため、容器体外面に装飾を施せば交換用容器体はシンプ
ルな構成で装飾を施す必要がなく低コストでの製造が可
能である。

【００２９】又、請求項２記載の容器では、上記効果に
加えて交換用容器体内の内容物が無くなった場合に即座
に判別することができるため便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本請求項１考案容器の一実施例を示す半断面図
である。

【図２】本請求項２考案容器の一実施例を示す半断面図
である。

【図３】同実施例の交換用容器を示す半断面図である。

【符号の説明】

２ 容器体 ３ 吸い上げポンプ ４ 交換用容器体 ５ 可動底壁

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下端面を開口した筒状胴部を有する容器体
   ２と、該容器体２上部に設置した吸い上げポンプ３と、
   上記容器体胴部下端に外周縁を液密且つ摺動上昇可能に
   嵌合させた可動底壁４とからなり、上記ポンプ３の作動
   により容器体２内のクリーム状物を容器体胴部頂壁6bの
   吸い込み孔15より吸い上げて外部へ注出する如く構成し
   てなるクリーム状物注出容器に於いて、上記容器体２内
   に下端開口より挿入させるとともに、上端開口縁を上記
   吸い込み孔15周囲の容器体胴部頂壁6b下面に液密に当接
   させ、且つ、周壁19a 下端縁より外方へ二重筒状に立設
   した嵌合筒部21内面を容器体胴部周壁6a外面下端に嵌合
   させて着脱自在に装着させてなる交換用容器体４を設
   け、該容器体胴部19内下端に外周縁を液密且つ摺動上昇
   可能に可動底壁５を嵌合させてなることを特徴とするク
   リーム状物注出容器。
2. 【請求項２】交換用容器体４の少なくとも胴部上端部を
   透明に形成するとともに、容器体胴部周壁6a上端部所定
   位置に覗窓27を設けてなる請求項１記載のクリーム状物
   注出容器。