JPH0737542B2 - 発泡合成樹脂を製造する方法 - Google Patents

発泡合成樹脂を製造する方法

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JPH0737542B2
JPH0737542B2 JP63168931A JP16893188A JPH0737542B2 JP H0737542 B2 JPH0737542 B2 JP H0737542B2 JP 63168931 A JP63168931 A JP 63168931A JP 16893188 A JP16893188 A JP 16893188A JP H0737542 B2 JPH0737542 B2 JP H0737542B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリウレタンフォームなどの発泡合成樹脂の
製造方法に関するものであり、特に特定の発泡剤の使用
を特徴とする発泡合成樹脂を製造する方法に関するもの
である。
[従来の技術] イソシアネート基と反応しうる活性水素含有基を2以上
有する活性水素化合物とポリイソシアネート化合物とを
触媒と発泡剤の存在下に反応させて発泡合成樹脂を製造
することは広く行なわれている。活性水素化合物として
はたとえば、ポリヒドロキシ化合物やポリアミン化合物
がある。得られる発泡合成樹脂としては、たとえばポリ
ウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、ポ
リウレアフォームなどがある。また、比較的低発泡の発
泡合成樹脂としては、たとえばマイクロセルラーポリウ
レタンエラストマーやマイクロセルラーポリウレタンウ
レアエラストマーなどがある。
上記発泡合成樹脂を製造するための発泡剤としては種々
の化合物が知られているが、主にはトリクロロフルオロ
メタン(R−11)が使用されている。また、通常R−11
とともにさらに水が併用される。さらに、フロス法等で
発泡を行う場合には、これらとともにより低沸点の(常
温常圧下で気体の)ジクロロジフルオロメタン(R−1
2)が併用されている。さらに他の比較的低沸点の含フ
ッ素ハロゲン化炭化水素類が発泡剤として使用すること
ができるという提案は種々提出されているが、上記R−
11とR-12を除いてはいまだ広く使用されるには至ってい
ない。また、含フッ素ハロゲン化炭化水素系発泡剤の代
りに塩化メチレンなどの他の低沸点ハロゲン化炭化水素
系発泡剤の使用も提案されている。
また、発泡剤としてシアノ酢酸を使用することも提示さ
れている。
[発明が解決しようとする課題] 従来広く使用されてきたR−11及びR−12は一般にポリ
オールなどの活性水素化合物に対する溶解性が低く、両
者を含む混合成分系では相分離の問題を生じやすく、こ
のため使用出来る活性水素化合物の範囲をせばめるとい
う問題があった。活性水素化合物との混合系において相
分離を起した場合、比重の重いR−11又はR−12は貯蔵
容器の底に溜り、不均質な混合液となるためポリイソシ
アネート化合物との反応等量が狂い、正常な発泡体を得
ることが出来ない。明確に二相に分かれることがなくと
も溶解性の不良は重合、発泡による発泡体製造時にポリ
イソシアネート化合物との混合不良、未反応成分の残
留、ボイドと呼ばれる粗泡の発生につながり易い。又、
R−11及びR−12はオゾン破壊連鎖反応により地球の保
護オゾン層を破壊する恐れがあり、その使用量を低下さ
せることが要望されている。
又、広く発泡剤として使用されている水は、イソシアネ
ートと反応するため、製造される発泡合成樹脂を脆化さ
せるという欠点がある。
更に又、連通気泡発泡合成樹脂の製法において、種々の
提案がなされているが、一般にその多くは気泡連通剤等
の異物を混入するものであるため、独泡性の高い条件
下、例えば、硬質ポリオールを用いた連通フォームや高
密度フォーム、又密閉系性が強いモールド注入発泡の際
には、連通気泡の発泡合成樹脂は得られにくい傾向にあ
る。そこで、上記のような条件下でも連通気泡の発泡合
成樹脂が製造可能な発泡剤の開発が要望されている。
[課題を解決するための手段] 本発明においては、前述の問題点を解決するためイソシ
アネート基と反応しうる活性水素含有官能基を2以上有
する活性水素化合物とポリイソシアネート化合物とを発
泡剤の存在下に反応させて発泡合成樹脂の製造する方法
において、発泡剤としてシアノ酢酸、シアノ酢酸誘導体
又はこれらの塩と低沸点ハロゲン化炭化水素、低沸点炭
化水素、不活性ガス又は水とを併用する。
次に本発明を更に具体的に説明する。
本発明においては、第1の発泡剤としてシアノ酢酸(N
≡CCH2COOH)、あるいはそのアルキルエステル等のシア
ノ酢酸誘導体(以下シアノ酢酸等と総称)、或はその塩
(以下シアノ酢酸塩等と総称)を使用する。シアノ酢酸
等としては、シアノ酢酸が特に好ましい。
又、シアノ酢酸等としては、一,二,三級アミン塩、ア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩が使用
できるが、特に一般式R1R2NH(R1,R2はH又は炭素数1
〜15の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素、或はOH、エー
テル基、カルボニル基、シアノ基、シアノ基、フェニル
基を含む炭化水素基(炭化水素基としては炭素数1〜15
の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素が好ましい)で示さ
れるアミン塩が好ましい。
第1の発泡剤は活性水素化合物とポリイソシアネート化
合物の反応熱により約130〜160℃で分解して炭酸ガスを
発生し、この炭酸ガスにより発泡が行なわれる。第2の
発泡剤としては低沸点ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化
水素、不活性ガス、水を使用する。第2の発泡剤として
は、塩化メタン、R−11、R−12、ブタン、ヘキサン、
空気、窒素、水が例示される。
本発明においては、上述の第1の発泡剤第2の発泡剤と
を併用する。発泡剤中に占める第1の発泡剤の割合は、
0.1〜50wt%好ましくは1〜30wt%とするのが適当であ
る。
本発明においては、前述した第1の発泡剤と第2の発泡
剤とを含む発泡剤(以下本発泡剤という)の存在下に、
イソシアネート基と反応しうる活性水素含有官能基を2
以上有する活性水素化合物とポリイソシアネートト化合
物とを反応させて発泡合成樹脂を製造するが、この際、
第2の発泡剤は比較的低温で発泡作用を有するため、反
応熱による温度上昇に伴ない、先ず第2の発泡剤による
第1段発泡が行なわれ、続いて第1の発泡剤から発生す
る炭酸ガスにより第2段発泡が行なわれる。そして、第
1段発泡で形成されたフォームの壁は、第2段発泡によ
る内圧の上昇で破れ、連通フォームが得られる。
イソシアネート基と反応しうる活性水素含有官能基を2
以上有する活性水素化合物としては、水酸基やアミノ基
などの活性水素含有官能基を2以上有する化合物、ある
いはその化合物の2種以上の混合物である。特に、2以
上の水酸基を有する化合物やその混合物、またはそれを
主成分としさらにポリアミンなどを含む混合物が好まし
い。2以上の水酸基を有する化合物としては、広く使用
されているポリオールが好ましいが、2以上のフェノー
ル性水酸基を有する化合物(たとえばフェノール樹脂初
期縮合物)なども使用できる。ポリオールとしては、ポ
リエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、
多価アルコール、水酸基含有ジエチレン系ポリマーなど
がある。特にポリエーテル系ポリオールの1種以上のみ
からなるか、それを主成分としてポリエステル系ポリオ
ール、多価アルコール、ポリアミン、アルカノールアミ
ン、その他の活性水素化合物との併用が好ましい。ポリ
エーテル系ポリオールとしては、多価アルコール、糖
類、アルカノールアミン、その他のイニシエーターに環
状エーテル、特にプロピレンオキシドやエチレンオキシ
ドなどのアルキレンオキシドを付加して得られるポリエ
ーテル系ポリオールが好ましい。また、ポリオールとし
てポリマーポリオールあるいはグラフトポリオールと呼
ばれる主にポリエーテル系ポリオール中にビニルポリマ
ーの微粒子が分散したポリオール組成物を使用すること
もできる。ポリエステル系ポリオールとしては、多価ア
ルコール、多価カルボン酸縮合系のポリオールや環状エ
ステル開環重合体系のポリオールがあり、多価アルコー
ルとしてはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンな
どがある。2以上のフェノール性水酸基を有する化合物
としては、フエノール類をアルカリ触媒の存在下で過剰
のホルムアルデヒド類と縮合結合させたレゾール型初期
縮合物、レゾール型初期縮合物を合成する際、非水系で
反応させたベンジリック型初期縮合物、過剰のフェノー
ル類を酸触媒の存在下でホルムアルデヒド類を反応させ
たノボラック型初期縮合物等がある。これらの初期縮合
物の分子量は200〜10000のものが好ましい。ここでフェ
ノール類のはベンゼン環を形成する骨格の一個以上の炭
素原子が直接水酸基と結合したものを意味しその同一構
造内に他の置換結合基を有するものも含まれる。代表的
なものとしてはフェノール、クレゾール、ビスフェノー
ルA、レゾルシノール等がある。また、ホルムアルデヒ
ド類は特に限定しないがホルマリン、パラホルムアルデ
ヒドが好ましい。ポリオールあるいは活性水素化合物の
混合物の水酸基価は約20〜1000のものから目的に応じて
選択されることが多い。
ポリイソシアネート化合物としてはイソシアネート基を
2以上有する芳香族系、脂環族系、あるいは脂肪護族系
のポリイソシアネート、それら2種以上の混合物、およ
びそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートが
ある。具体的には、たとえば、トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレン
ポリフェニルイソシアネート(通称:クルードMDI)、
キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのポリイソ
シアネートがそれらのプレポリマー型変性体、ヌレート
変性体、ウレア変性体などがある。
活性水素化合物とポリイソシアネート化合物を反応させ
る際、通常触媒の使用が必要とされる。触媒としては、
活性水素含有基とイソシアネート基の反応を促進させる
有機スズ化合物などの金属化合物系触媒やトリエチレン
ジアミンなどの3級アミン触媒が使用される。また、カ
ルボン酸金属塩などのイソシアネート基同志を反応させ
る多量化触媒が目的に応じて使用される。さらに、良好
な気泡を形成するための整泡剤も多くの場合使用され
る。整泡剤としては、たとえばシリコーン系整泡剤や含
フッ素化合物系整泡剤などがある。その他、任意に使用
しうる配合剤としては、たとえば充填剤、安定剤、着色
剤、難燃剤などがある。
なお、触媒として有機スズ化合物を使用する場合、有機
スズ化合物は酸により失活する傾向を有するので、第1
の発泡剤としては塩、特にトリエチレンジアミンのよう
な3級アミン塩の使用が望ましい。
これら原料を使用し、ポリウレタンフォーム、ウレタン
変性ポリイソシアネートフォーム、マイクロセルラーポ
リウレタンエラストマー、マイクロセルラーポリウレタ
ンウレアエラストマー、マイクロセルラーポリウレアエ
ラストマー、その他の発泡合成樹脂が得られる。ポリウ
レタンフォームは大別して硬質ポリウレタンフォーム、
半硬質ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォー
ムがある。本発明は、特にハロゲン化炭化水素系発泡剤
の使用量の多い分野である硬質ポリウレタンフォーム、
ウレタン変性ポリイソシアネートフォーム、その他の硬
質フォームの製造において特に有用である。その内で
も、水酸基価約200〜900のポリオールあるいはポリオー
ル混合物と芳香族系のポリイソシアネート化合物を使用
して得られる硬質ポリウレタンフォームの製造において
特に有用であり、連通気泡を有するものを容易にうるこ
とができる。なお、発泡倍率は5倍以上、好ましくは10
倍以上とするのが望ましい。
[作用] 発泡剤として、第1の発泡剤と第2の発泡剤とを併用す
ることにより(発泡を二段階で行なわせ)第1段発泡で
形成されたフォームの壁を第2段発泡で破り連通気泡の
発泡合成樹脂を得る。又、第1の発泡剤の併用により、
第2の発泡剤の使用量を減少させ、第2の発泡剤の使用
による従来技術の問題点を解消する。
[実施例] 実施例1 シュークローズとジエタノールアミンにプロピレンオキ
サイドを付加して得たヒドロキシル価350のポリエーテ
ル40部、グリセリンにプロピレンオキサイドを付加して
得たヒドロキシル価400のポリエーテル30部、シリコー
ン整泡剤(日本ユニカー(株)商品名 Y−6827)1.5
部、水3.8部、N,N,N′,N′,N″−ペンタメチルジエチレ
ントリアミン2.0部、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オ
クテントリエチレンジアミン0.5部、シアノ酢酸1.2部を
混合した液に、ポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト(MD化成(株)商品名PAPI 135)145部を液温20℃で
混合しボックス及びモールドに投入、発泡させ評価した
結果を第1表に示す。ボックスは木製で200mm×200mm×
200mm、モールドはアルミ製で400mm×400mm×50mmのサ
イズ、密閉系でフタにφ5mmの穴が5個有するものを使
用した。発泡倍率は約30倍であった。
[比較例1] シアノ酢酸を含まないこと以外実施例1と同一の条件で
発泡を行なった結果を行なった結果を第1表に示す。
判定の基準は次の通りである。
○:フォームが均一で連通気泡率90%以上 △:フォームが不均一又は連通気泡率75以上〜90%未満 ×:フォームが不均一又は連通気泡率75%未満 実施例2 グリセリンにプロピレンオキサイドを付加したものにア
クリロニトリル重合体を8重量%分散させた水酸基価32
のポリエーテル100部、ジエタノールアミン1.0部、水3.
0部、シリコーン整泡剤(ト−レシリコーン(株)商品
名SF−2962)2.0部、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オ
クテントリエチレンジアミン0.4部、N,N,N′,N′−テト
ラメチルヘキサメチレンジアミン0.4部、シアノ酢酸0.5
部を混合した液に、トリエンジイソシアネート(2.4体:
2.6体=80:20)24部を液温25℃で混合しボックス及びモ
ールドに投入、発泡させ評価した結果を第2表に示す。
ボックスは木製で300mm×300mm×300mm、モールドはア
ルミ製で350mm×350mm×100mmのサイズ、密閉系でフタ
にφ3mmの穴が5個有するものを使用した。発泡倍率は
約15倍であった。
[比較例2] シアノ酢酸を含まないこと以外実施例例2と同一の条件
で発泡を行なった結果を第2表に示す。
[発明の効果] 第2の発泡剤の使用量を減少させ、第2の発泡剤の使用
に起因する問題点を解消し、又連通気泡を有する硬質の
発泡合成樹脂が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソシアネート基と反応しうる活性水素含
    有官能基を2以上有する活性水素化合物とポリイソシア
    ネート化合物とを発泡剤の存在下に反応させて発泡合成
    樹脂を製造する方法において、発泡剤として、シアノ酢
    酸、シアノ酢酸誘導体又はこれらの塩と、低沸点ハロゲ
    ン化炭化水素、低沸点炭化水素、不活性ガス又は水とを
    併用することを特徴とする発泡合成樹脂を製造する方
    法。
  2. 【請求項2】発泡剤中に占めるシアノ酢酸、シアノ酢酸
    誘導体又はこれらの塩の割合が0.1〜50wt%である請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】発泡は、低沸点ハロゲン化炭化水素、低沸
    点炭化水素、不活性ガス、又は水による低温の第1段発
    泡と、シアノ酢酸、シアノ酢酸誘導体又はこれらの塩に
    よる高温の第2段発泡とを含む請求項1、又は2記載の
    方法。
  4. 【請求項4】シアノ酢酸塩はシアノ酢酸と一般式R1R2NH
    (R1,R2はH又は炭素数1〜15の飽和又は不飽和の炭化
    水素、或はOH、エーテル基、カルボニル基、シアノ基、
    フェニル基を含む炭化水素基)アミン塩である請求項
    1、2又は3記載の方法。
  5. 【請求項5】発泡合成樹脂は連通気泡を有する硬質ウレ
    タンフォームである請求項1、2、3又は4記載の方
    法。
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