JPH073690A

JPH073690A - ロール間隙用指詰防止装置

Info

Publication number: JPH073690A
Application number: JP6122546A
Authority: JP
Inventors: Konratsudo Hansuurorufu; コンラッドハンス−ロルフ; Horst Castner; カステネールホルスト
Original assignee: Sulzer Papertec Krefeld GmbH
Current assignee: Sulzer Papertec Krefeld GmbH
Priority date: 1993-06-05
Filing date: 1994-06-03
Publication date: 1995-01-06
Anticipated expiration: 2012-10-08
Also published as: FI942647A0; DE4318773C1; JP2661874B2; FI942647A; EP0628657A1; CA2123737A1; EP0628657B1; US5427020A; CA2123737C

Abstract

(57)【要約】【目的】軽量で剛性が高く、熱膨張が小さく、且つ製造
が容易な中空体から成る指詰防止装置を提供すること。【構成】加熱ロールを備えた製紙カレンダのロール間隙
用指保護装置が、ロール間隙に沿って延びた中空体４を
有し、該中空体は、繊維強化合成樹脂で製造され、ロー
ル間隙を形成するロール２、３に対向した前壁５と、湾
曲した後壁６と、２つの端壁７、８で形成され、前壁
５、後壁６の接合端縁にロール２、３に向かう縁板９、
１０を備え、縁板９、１０とロール２、３との間に指詰
めを防止する最大許容間隔ｄを維持して、ロール２、３
に対して調整可能に支承される。中空体４の前壁５及び
後壁６は別々に製造され、各壁の側縁折曲げ部９ａ、９
ｂ；１０ａ、１０ｂが接合され、縁板９、１０を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ロール間隙を形成する
ロールに対向した前壁と、長手軸を中心に湾曲した後壁
と、２つの端壁とを備えてロール間隙に沿って延びた中
空体から成る、特に加熱ロールを備えたカレンダのロー
ル間隙用指詰防止装置であって、前壁及び後壁を側縁部
が、それぞれロール間隙を形成する各ロールに向かって
折り曲げられて縁板を形成し、且つその各先端とロール
との間に指詰を防止する所定の最大許容間隔を維持する
よう、各ロールに対して相対的に調整可能に端壁で支承
されている、ロール間隙用指詰防止装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】この種
の公知の指詰防止装置（特開平５−９３３９１）では、
中空体が金属で構成されている。それ故、中空体の重量
がきわめて重く、ロールの交換時に、中空体をロールの
通過領域外へモータ力によって揺動回避できるように支
承されていなければならない。更に、ロールが長い場合
には、中空体もそれ相応に長くなるので、自重及び／又
は温度変化によって、特に加熱ロールの場合、中空体が
大きくたわみ、安全上の理由から許容された最大許容間
隔（カレンダの場合８mm）を超える危険がある。更に、
中空体の固有振動数が、しばしば、ロールの運転回転数
の範囲内にある。それ故、中空体が共振を起こしてロー
ルに接触するに至ることもある。最後に、かかる中空体
を金属で製造するには費用がかかる。

【０００３】本発明の課題は、簡単に製造し又取り扱う
ことができ、操業中に守らねばならないロールとの最大
許容間隔を超えることのない、冒頭に指摘した種類の指
詰保護装置を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段及び作用】この課題が、本
発明によれば、中空体が繊維強化合成樹脂からなり、前
壁と後壁が別々に製造されて互いに結合されており、縁
板が、前壁及び後壁と一体に成形されて互いに結合され
た折り曲げによって形成されており、端壁が別々に製造
されて前壁及び後壁と結合されるか、あるいは前壁又は
後壁とが一体に製造されることによって解決される。

【０００５】繊維複合材料である繊維強化合成樹脂の特
性に基づいて、かかる中空体は、かなり軽量であり、金
属製の当該中空体よりも熱膨張係数がはるかに小さく、
曲げに対する剛性が高い。それ故、この中空体は、その
重量及び／又は温度変化に基づいてたわむ傾向が少な
い。その固有振動数はロールの回転数よりも高く、共振
起こさない。更に、軽量の故に、それは容易に手で扱う
ことができる。製造は、金型内で、圧力を加えて、例え
ば成形用金型によるプレス成形、又は射出成形法で、き
わめて簡単に製造可能である。端壁を別々に製造して、
後からそれらを前壁及び後壁と結合する場合の利点は、
前壁及び後壁を、まずきわめて長尺に製造し、次に前壁
及び後壁を希望する長さに裁断できることである。端壁
を前壁又は後壁と一体に構成する場合、後でこれらの壁
と結合する必要がなくなる。その場合も、両壁の分離面
が折り曲げ部の間にあることから、離型が容易である。

【０００６】前記の繊維は高張力繊維、好ましくは炭素
繊維、紡繊ガラス繊維、合成繊維のいずれか、又はこれ
らの繊維の複合物とすることができる。これらの繊維
は、中空体に対して、高い強度を付与し、熱膨張がきわ
めて少ない。合成樹脂としてはエポキシ樹脂が好まし
い。

【０００７】中空体を構成する各部材の結合は接着によ
って行うことができる。但し、折り曲げ部については、
ねじ又はリベットによって結合することも可能である。

【０００８】端壁には、それぞれ１つの金属板を埋封し
ておくことができ、この各板にそれぞれ支承ピンが固定
されている。埋封は、端壁の製造時に金属板を挿入して
おくか、又は端壁の予め仕上げた層の上に積層固定する
ことによって簡単に行うことができる。

【０００９】更に、各支承ピンが、交差型クランプ内
で、ロールを横切って延び架台に固定された水平棒に着
脱可能に締付固定することができる。かかる交差型クラ
ンプは、締付箇所を緩めた後、中空体をロールとの希望
する間隔に調整するための最も単純な部材である。

【００１０】

【実施例】以下、図面に基づいて、本発明の好ましい実
施例を詳しく説明する。

【００１１】図１〜図４に示す指保護装置１は、加熱ロ
ールを備えた製紙カレンダの２本のロールのロール間隙
の入口側に配置されており、誤って操作員の手がロール
間隙に挟み込まれるのを防止する。この目的のために、
指詰防止装置１とロール２、３間の最大許容間隔は僅か
８mmに設定されている。

【００１２】指詰防止装置１は、ロール２、３の全長に
わたって延びた中空体４を有し、該中空体はロール間隙
に対向した前壁５と、中空体４の長手軸を中心に湾曲し
た後壁６と、２つの端壁７、８とを備えている。前壁５
及び後壁６の側縁を、それぞれ、ロール間隙を形成する
ロール２、３に向かって折り曲げて縁板９、１０が形成
されている。中空体４は繊維強化合成樹脂からなり、こ
の繊維は好ましくは炭素繊維である。選択的、又は補足
的に紡繊ガラス繊維を使用することもできる。

【００１３】前壁５と後壁６は別々に製造されて互いに
接着されている。縁板９、１０は、前壁５及び後壁６と
一体に成形されて互いに接着された折り曲げ部９ａ、９
ｂ又は１０ａ、１０ｂによって形成されている。端壁
７、８は別々に製造されて前壁５及び後壁６と接着され
るか、又は前壁５及び後壁６と一体に製造されている。
折り曲げ部９ａ、９ｂ又は１０ａ、１０ｂは、ねじ又は
リベットによって結合しておくこともできる。

【００１４】端壁７、８には、それぞれ１つの金属板１
１、１２が埋封されており、これらの板に支承ピン１
３、１４が、端壁７、８で外側から当板１５、１６及び
ねじ１７（図２では図示省略）を介して固定されてい
る。

【００１５】各支承ピン１３、１４は、交差型クランプ
１８、１９内で、架台に固定された水平棒２０、２１
に、ねじ２２、２３によって締付スリット内で着脱可能
に締付固定されている。

【００１６】図５の変形例では、端壁８のみが示された
各端壁で、金属板１１（１２）が、予め仕上げられた端
壁部分８ｂの内面に積層８ａによって固定されており、
この積層が端壁の内側部分を形成する。

【００１７】長さ５ｍ、加熱ロールの表面温度170 ℃以
下の指詰防止装置の実施態様についてデータを以下に示
す： −重量（支承ピンを除く）約２５ｋｇ６５％炭素繊維密度１．７ｋｇ／ｄｍ³ ３５％エポキシ樹脂密度１．１ｋｇ／ｄｍ³ 壁厚約５ｍｍ（比較：特殊鋼アングル材約１３０ｋｇ） −自重によるたわみ２．５ｍｍ以下 −熱膨張による変形約２〜３ｍｍ熱膨張率（１〜４）・１０^-6／゜Ｋ（比較：特殊鋼１２．１０-6／゜Ｋ） −製造時直線性からの偏差１ｍｍ以下（金型及び装置の精度に依存） −耐熱性１７０℃以下 −固有振動数１５ＨＺ以上 −弾性率（軸方向）１２００００Ｎ／ｍｍ²

【００１８】

【発明の効果】かかる指詰防止装置は、利点として、容
易に製造可能であり、又、軽量で熱膨張係数が小さいの
で、一度設定されたロール２、３との間隔ｄを維持し易
く、取扱いが容易である。ねじ２３を緩めることによっ
て２名の操作員が手で容易に分解して搬送することがで
きるので、例えば、ロール組立時に指詰防止装置を、ロ
ール通過領域外へ揺動回避させるための電動機構を省く
ことが可能である。同様に、それは、取付及び調整も簡
単となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による指詰防止装置を備えた製紙カレン
ダの２本のロールの概略側面図である。

【図２】図１に示すロール及び指詰防止装置の正面図で
ある。

【図３】図１、図２に示す指詰防止装置の拡大断面図で
ある。

【図４】図３の指詰防止装置の一端の一部断面正面図で
ある。

【図５】本発明の指詰防止装置の後壁部分の変形例を示
す一部断面正面図である。

【符号の説明】

１・・・指詰防止装置２、３・・・ロール４・・・中空体５・・・前壁６・・・後壁７、８・・・端壁９、１０・・・縁板９ａ、９ｂ；１０ａ、１０ｂ・・・折曲げ部１１、１２・・・金属板１３、１４・・・支承ピン１８、１９・・・交差型クランプ２０、２１・・・水平棒

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ロール間隙を形成するロール（２、３）に
対向した前壁（５）と長手軸を中心に湾曲した後壁
（６）及び２つの端壁（７、８）により、ロール間隙に
沿って延びる中空体（４）から成る、特に加熱ロールを
備えたカレンダのロール間隙用指詰防止装置であって、
前壁及び後壁の側縁部を、それぞれ、ロール間隙を形成
するロール（２、３）に向かって折り曲げて縁板（９、
１０）を形成し、且つその各先端がロール（２、３）と
の間に指詰を防止する所定の最大許容間隔（ｄ）を維持
するよう、中空体（４）が、ロール（２、３）に対して
相対的に調整可能に端壁（７、８）で支承されているも
のにおいて、中空体（４）が繊維強化合成樹脂からなり、前壁（５）
と後壁（６）が別々に製造されて互いに結合されてお
り、縁板（９、１０）が、前壁（５）及び後壁（６）と
一体に成形されて互いに結合された折り曲げ部（９ａ、
９ｂ；１０ａ、１０ｂ）によって形成され、端壁（７、
８）が別々に製造されて前壁（５）及び後壁（６）とに
結合されるか、あるいは、端壁（７、８）が前壁（５）
又は後壁（６）と一体に製造されていることを特徴とす
る指保護装置。
【請求項２】前記の繊維が、炭素繊維、紡織ガラス繊
維、合成繊維のいずれか、又は、これらの繊維の複合物
であることを特徴とする請求項１に記載の指詰防止装
置。
【請求項３】中空体の構成部材（５、６、７、８）が互
いに接着によって結合されていることを特徴とする請求
項１又は２に記載の指詰防止装置。
【請求項４】端壁（７、８）に各１つの金属板（１１；
１２）が埋封されており、この各金属板にそれぞれ支承
ピン（１３；１４）が固定されていることを特徴とする
請求項１〜３のいずれか１項に記載の指詰防止装置。
【請求項５】各支承ピン（１３、１４）が、交差型クラ
ンプ（１８、１９）内で、ロール（２、３）を横切って
延び架台に固定された水平棒（２０、２１）に、着脱可
能に締付固定されていることを特徴とする請求項４に記
載の指詰防止装置。