JPH0736147B2 - ハイパー・メディア・システムおよびそのグラフィカル・ユーザ・インタフェース方法 - Google Patents

ハイパー・メディア・システムおよびそのグラフィカル・ユーザ・インタフェース方法

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JPH0736147B2
JPH0736147B2 JP3270552A JP27055291A JPH0736147B2 JP H0736147 B2 JPH0736147 B2 JP H0736147B2 JP 3270552 A JP3270552 A JP 3270552A JP 27055291 A JP27055291 A JP 27055291A JP H0736147 B2 JPH0736147 B2 JP H0736147B2
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    • G06F16/74Browsing; Visualisation therefor
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般的には“ハイパ
ーテキスト/ハイパーメディア”サービスを既存の(及
び新しい)コンピュータ・プログラム・アプリケーショ
ンに比較的シームレス(継ぎ目なく)に統合するソフト
ウェア・ファシリティに関し、特に、オープン・システ
ム・アーキテクチャを用いた、エンドユーザ・インタフ
ェース、リンクとリンク・マーカのオーサリング、リン
ク・ナビゲーション、及びリンク・マーカ・アブストラ
クトのサポートに関する。これにはエンドユーザ・イン
タフェース及びデータベース内のストレージのサポート
も含まれる。
【0002】この発明の主題は、1988年11月18日付米国
特許出願第273527号明細書に関連する。
【用語の説明】この発明では次の用語を用いる。
【0003】アブストラクト:キーワード、句、文など
から成るテキスト・オブジェクトで、テキスト・オブジ
ェクトに関連するリンク・マーカに見られる重要な情報
を要約したもの。
【0004】アプリケーション:ワープロ、スプレッド
シート、データベース管理、グラフィクス・デザイナ
等、オペレーティング・システム以外のコンピュータ・
プログラム。この説明でも用いているように、アプリケ
ーション・プログラムはプレゼンタとも呼ばれる。
【0005】アプリケーション・プログラミング・イン
タフェース(API):プログラムがサービスを呼び出
すための手段。
【0006】クライアント・アプリケーション:LMS
サービス(後述)を使用するアプリケーション(プレゼ
ンタ/プログラム)。
【0007】コンテクスト・メニュー:“ポップアッ
プ”メニューともいう。視覚的、機能的にはプルダウン
・メニューに似ているが、アクションまたはコマンド・
バーには結びついていない。ウィンドウ内の任意の位置
に表示させることができる。プルダウン・メニューの内
容は通常、その時点のアプリケーションの状態によって
変化することはないが(使用可能にしたり使用不可にし
たりはできる)、コンテクスト・メニューの内容は動的
で、アプリケーションの状態によって変化する。コンテ
クスト対応型といえる。例えばコンテクスト・メニュー
に“セーブ”という項目がある場合は、コンテクスト・
メニューが表示され、データが変更されていないとき
は、“セーブ”オプションはメニュー内に現われない。
代表的なコンテクスト・メニューは、エンドユーザがウ
ィンドウでマウス・ボタンをクリックしたときに表示さ
れる。コンテクスト・メニューは通常、プルダウン・メ
ニューと似た機能を持つが、ある時点ではクリックされ
たオブジェクトに関連した項目しか持たない。
【0008】ドキュメント:データ(テキスト・ファイ
ル、イメージ・ファイル、ビデオ等)の集合に名前をつ
けたもので、(いつもではないが)通常は(プレゼンタ
によって表示されたときに)エンドユーザが認識でき
る。“ドキュメント”という言葉は、テキスト・ファイ
ルに限定されることはなく、テキスト、ビットマップ・
グラフィクス、スプレッドシート、その他のデータも意
味する。他のオブジェクトもLMSから見れば“ドキュ
メント”になるケースがある。このようなオブジェクト
には、オーディオ・ファイル、動画ファイル、動画クリ
ップ、連続したイメージ・ファイル(スライド)等があ
る。
【0009】エンドユーザ・インタフェース(EU
I):エンドユーザがシステム、システム・コンポーネ
ント、システム・アプリケーション等を扱う(インタラ
クション)方法(デバイスを含む)。
【0010】グラフィカル・ユーザ・インタフェース
(GUI):グラフィカルなEUI。例えばエンドユー
ザは、ウィンドウ、アイコン、メニュー、ポインティン
グデバイス等を通してシステムを扱う。
【0011】ハイパーテキスト/ハイパーメディア:最
も簡単な総称としては、touch and getを意
味する。エンドユーザが(ポインティング・デバイスを
使って)オブジェクト(語句、グラフィカル・オブジェ
クト等)をタッチし、それによって関連する情報体(in
formationentity)が得られるようにすることをさす。
ハイパーテキスト・システムの調査資料としては“Hype
rtext: An Introduction Survey”by Jeff Conklin、IE
EEComputer、September 1987、pp. 17-41、及び“An Ov
erview of Hypertext andHypermedia”、Concepts & Is
sues、McGraw-Hill、November 1989がある。
【0012】リンク:あるドキュメント内のある点を別
のドキュメント内のある点(または同じドキュメント内
の別の点)に関連づけるオブジェクト。リンクは両方向
も考えられ、いずれの側からもたどれるものがある。
【0013】リンク・マネジャ・サービス(LMS):
ハイパーテキスト/ハイパーメディア・サービスをすべ
て統合したもの。
【0014】リンク・マーカ:代表的なものは、ドキュ
メント内に含まれドキュメント内のこの点(リンク・マ
ーカの位置)にリンクが存在することを示す、エンドユ
ーザに対するビジュアル表示。リンク・マーカから始ま
るリンクがあり、リンク・マーカが(エンドユーザがマ
ウスを使うことによって)トリガされた場合、リンク・
マーカのリンクをナビゲートすることができる。LMS
が提供するリンク・マーカの外観には様々なスタイルが
ある。例えば(1)任意にテキストを加えることのでき
るプッシュ・ボタン、(2)エンドユーザがリンク・マ
ーカのフレームつきエリアを通して、クライアント・ア
プリケーションの下位の表現されたデータを見ることの
できるブラック・フレーム、(3)ブラック・フレーム
と同じようにトランスペアレンシを考慮しているが、見
えることが保証されたフレームを持つハイライト・フレ
ーム(ブラック・フレームと比べると特に下位のデータ
が黒かまたは非常に暗いときに便利)、(4)これも、
下位のデータのパターンが認識できるという意味でトラ
ンスペアレントであるが、下位のデータの色が変化する
(反転表示ともいう) − 例えば背景がすべて黒から白
へ、すべて白から黒へ、すべて青から黄色へ、というよ
うに変化するハイライト・エリア、(5)背景のデータ
が隠れている場合に全く見えない状態、等がある。
【0015】マウス:マウスという言葉は、本願で用い
る場合は、マウス、トラック・ボール、ライトペン、タ
ッチ・スクリーン等、オペレーティング・システムによ
ってサポートされるポインティング・デバイスをいう。
またスクリーン、キーボードやマウスの操作、メニュー
等、エンドユーザがアプリケーションを使っているとき
に操作の対象とするものも指す。
【0016】ナビゲーション:リンクをたどること。
【0017】オープン・システム:アプリケーション
(プレゼンタ)がリンクの形成に参加できるハイパーメ
ディア・システム。このようなアプリケーションは、リ
ンクのもう一端のドキュメントやプレゼンタを意識する
必要がないので、全く別個に開発されたアプリケーショ
ン及びアプリケーションによって表現されたデータをシ
ームレス(継ぎ目なく)に統合することができる。
【0018】プレゼンタ:エンドユーザのためにデータ
(テキスト・ファイル、イメージ・ファイル、オーディ
オ等)を表現するアプリケーション。
【0019】プルダウン・メニュー:ウィンドウ最上部
のアクション・バー(メニュー・バー)に結びつけられ
たメニューをいう。このようなメニューには、サブメニ
ュー(カスケード・メニューと呼ばれる)を置くことも
できる。
【0020】
【従来の技術】多くのハイパーテキスト/ハイパーメデ
ィア・システムがSmalltalk、C++等のオブジェクト指向
プログラミング言語でプログラムされている。Smalltal
k はゼロックスのパロアルト研究所(PARC)で開発
されたものである。この言語の参考書としては、Adele
GoldbergとDavid Robsonによる“Smalltalk-80: TheLan
guage and Its Implementation”、Addison-Wesley、19
83、があげられる。C++は、AT&Tベル研究所のBj
arne Stroustrup によって開発されたものである。この
言語の参考書としては同氏による“The C++ Programmin
g Language”、Addison-Wesley、1986、があげられる。
オブジェクト指向プログラミング・システム(OOP
S)のメリットは、モジュール構造と、アイコンを用い
たオブジェクト指向ユーザ・インタフェースに代表され
る。オブジェクト指向プログラミングとハイパーシステ
ムの詳細については、“Design and Use of Hypermedia
Systems”by Robert Akscyn of Knowledge Systems、In
c.、Conference onHuman Factors in Computing System
s、May 14、1988、及び“Intermedia: TheArchitecture
and Construction of An Object Oriented Hypermedia
Systemand Application Framework”by Norman Meyrow
itz、IRIS、Brown University、OOPSLA Proceedings、S
eptember 1986、を参照されたい。
【0021】発明者の知るかぎり、アプリケーション
(プレゼンタ)がハイパーテキスト/ハイパーメディア
機能をオープン・システム・アーキテクチャに簡単にシ
ームレス(継ぎ目なし)に組み込み、プレゼンタ自体に
よってではなくハイパーメディア・サービスによって管
理されるエンドユーザのための一貫したハイパーメディ
ア・インタフェースを自動的に提供するハイパーテキス
ト/ハイパーメディア・システムは現在存在しない。ま
た、多少とも“オープン”なシステムであるこのような
ハイパーメディア・システムでも、システム内のすべて
のハイパーメディア・アプリケーションに手を加えて最
構成するのでなければ、次期バージョンのユーザインタ
フェースを変更することはできない。
【0022】以下に述べる従来技術は、ハイパーテキス
ト/ハイパーメディア機能を実現した製品やサービスを
代表する技術である。
【0023】Apple Corp. から出ている「ハイパーカー
ド」はハイパーメディア製品ではなく、“アプリケーシ
ョン・ビルダ”または“カードのスタック”であるとい
うのが(その作者Bill Atkinson を含めた)大方の見方
である。ハイパーメディア・システムとして見ると(カ
ードが“リンクされる”という意味で)、ハイパーカー
ドは閉じたハイパーメディア・システムである。例え
ば、この製品で提供されるプレゼンテーション・ファシ
リティしか使えない。ハイパーカードは、ハイパーメデ
ィア機能で他の(ハイパーカードに提供されていない)
アプリケーション(プレゼンタ)を使えるようにするフ
ァシリティを提供していない。
【0024】Silicon Beach Softwareの「スーパカー
ド」プログラムは、ハイパーカード“風”だがハイパー
カードよりも強力である。“カード”のスタックを提供
するほかにアプリケーションを生成する。この他の閉じ
たハイパーメディア・システムとしては、OWL Internat
ional、Inc. の「ガイド2.0」 − ハイパーメディア
機能で他の(ガイドに提供されていない)アプリケーシ
ョン(プレゼンタ)を使えるようにするファシリティは
提供されていない − Brown UniversityのIRIS (Instit
ute for Research in Information and Scholarship)
のIRIS Intermedia−これもハイパーメディア機能で他
の(Intermediaに提供されていない)アプリケーション
(プレゼンタ)を使えるようにするファシリティを提供
していない− IBM Educational Systems のLinkWay 2.0
− これもまたハイパーメディア機能で他の(LinkWay
に提供されていない)アプリケーション(プレゼンタ)
を使えるようにするファシリティを提供していない −
等がある。
【0025】Sun MicrosystemsのSun Link Serviceは、
発明者の知るかぎり、他のオープンなハイパーメディア
・システムのなかで唯一使える製品である。Sun のファ
シリティは、ハイパーメディア機能で他の(Sun に提供
されていない)アプリケーションを使えるようにするサ
ービスを提供している。ただしシームレス(継ぎ目な
し)かつ容易に使えるようにはならない。またSun Link
Serviceは、ハイパーメディア機能のエンドユーザ・イ
ンタフェースを管理しない。つまり、この点について各
アプリケーションはそれ自体のアイデアを実現しなけれ
ばならない。この製品の詳細についてはHypertext '89
Proceedings に掲載されたAmy Pearl による記事“Sun'
s Link Service: A Protocol for Open Linking”(pp.
137-146)を参照されたい。
【0026】上記の他、PC/Computing Magazine 誌はハ
イパーテキスト/ハイパーメディア機能を実現した数種
の製品の評文を載せている。製品はFolio Corp.のFolio
Views 2.0、Cognetics Corp.のHyperties、NtergaidのH
yperWriter、SpinnakerSoftware Corp.のSpinnaker Plu
s 2.0、MaxThinkのTranstext等である。FolioViews は
「大きいテキスト・ファイルを扱いやすい“インフォベ
ース”に圧縮してクロスレファレンス・リンクを作る情
報管理システム」という。この製品についてこれ以上の
ことはわかっていないが、製品評は、これが異なるプレ
ゼンタ相互間やタイプの異なるデータ相互間のリンクを
形成できないとしている。またハイパーメディア機能で
他の(Folio Views に提供されていない)アプリケーシ
ョン(プレゼンタ)を使えるようにする方法が与えられ
ないともいう。
【0027】Hyperties は「既存のファイル、オンライ
ン情報、走査した書類、ビデオ等、各種のメディアから
ハイパーテキストのドキュメントやマニュアルを作るイ
ンタラクティブ・システム」と評されている。Hypertie
s は閉じたハイパーメディア・システムである。例えば
製品に提供されるプレゼンテーション・ファシリティし
か使えない。Hypertiesについてこれ以上のことはわか
っていないが、製品評は、ハイパーメディア機能で他の
(Hyperties に提供されていない)アプリケーション
(プレゼンタ)を使えるようにする方法が与えられてい
ないという。
【0028】HyperWriter は「オーディオ、ビデオの処
理機能があり、制限はあるがスクリプト言語も備えるハ
イパーテキスト・オーサリング・ツール」という。
【0029】Spinnaker Plus 2.0は「カスタム情報管理
アプリケーションを開発、実行するためのハイパーテキ
スト・プログラミング環境」と評されている。これ以上
のことはわかっていないが、製品評から判断すると、Sp
innaker は“真”のハイパーテキスト製品に止どまらな
いアプリケーション生成プログラムのようである。
【0030】Transtext は「市販の他の多くのアプリケ
ーションとの間でハイパーテキスト・リンクを形成でき
るワードプロセサ」と評されている。製品についてこれ
以上のことはわかっていないが、製品評は、この製品か
ら1方向のリンクを形成できることを示しているようで
ある。リンクが形成されると、おそらく、市販のアプリ
ケーションが投入され、それにユーザが指定したパラメ
ータが引き渡されるだけであろう。
【0031】またKnowledge Garden、Inc.のKnowledgeP
ro について先に引いたConcepts &Issues誌は「...
この製品に慣れるにはある程度プログラミングの経験が
あった方がいいが、開発者によると、そうした経験はこ
のプログラムを習得する必要条件ではない...エキス
パート・システム・ジェネレータとハイパーテキストを
組み合わせたプログラミング環境...外部ファイルを
読み出し、外部プログラムを呼び出して、他の言語で書
かれたルーチンによって拡張できる」と評している(19
89年11月号)。製品評はさらに、プログラミング環境と
エキスパート・システム・ジェネレータの組み合わせに
よって高度なサーチ機能が得られるという。但しこの製
品のサーチ機能についても製品がどの程度オープンであ
るかについてもこれ以上のことはわからない。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、オ
ープン・システム・アーキテクチャにおいてアプリケー
ション(プレゼンタ)がハイパーテキスト/ハイパーメ
ディア機能を容易にシームレス(継ぎ目なし)に組み込
めるようにし、プレゼンタ自体ではなく下位のリンク形
成サービスによって完全に管理される一貫したハイパー
メディア・インタフェースがエンドユーザに自動的に提
供されるシステム・リンク・サービスを提供することに
ある。
【0033】この発明の目的には、アプリケーションか
ら独立したハイパーメディア・システムによって作成さ
れるクライアント・アプリケーションのための一貫した
メニューとダイアログ・ボックスを提供することも含ま
れる。
【0034】この発明の目的には、ドキュメント内のあ
る点のリンクの位置を識別するリンク・マーカ・ファシ
リティをエンドユーザに提供することも含まれる。
【0035】この発明の目的には、見えないウィンドウ
またはトランスペアレントなウィンドウを扱う汎用ユー
ティリティのプロシジャを提供することも含まれる。
【0036】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、エン
ドユーザ・インタフェース管理により、ハイパーメディ
ア・メニュー、ダイアログ・ボックス、マウス処理、及
びリンク・マーカ管理について、すべてのクライアント
・アプリケーションに共通のエンドユーザ・インタフェ
ースが与えられる。このようなファシリティでは、これ
らのもの(Notion)の外観がサポートされるほか、結果
的にはエンドユーザの要求をセマンティックに満足する
コード実行される。エンドユーザとプログラムの(GU
I環境における)インタラクションを実現する方法の基
本は、メニューの使用である。したがってメニューは、
エンドユーザがプログラムの機能にアクセスするための
第1の手段になる。メニュー管理は、ほとんどのアプリ
ケーションでかなり厄介なタスクであり、アプリケーシ
ョンのEUIに一貫性がなくなるケースが多い。LMS
によるメニュー・サポートは、この問題を解決するため
に、メニューの作成と維持を管理する。LMSはまた、
クライアント・アプリケーションの手を借りることなく
メニュー内のすべての機能を実行する。
【0037】
【実施例】この発明は、異なるオペレーティング・シス
テム(OS)を用い、各種のコンピュータ上で実行する
ことができる。コンピュータは、パーソナル・コンピュ
ータ、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュー
タ等であり、ローカル・エリア・ネットワーク(LA
N)やワイド・エリア・ネットワーク(WAN)等のネ
ットワークの1部であるスタンドアロン・システムや大
型の遠隔データ処理システムが使用できる。便宜上、こ
の発明はIBMのPS/2シリーズ等のパーソナル・コ
ンピュータに実現されるものとして説明する。もちろ
ん、コンピュータの選択の幅を制限するのは、必要なメ
モリやディスク・ストレージの条件だけである。IBM
PS/2シリーズの詳細については、Technical Refe
renceManual Personal System/2 (Model 50、60 System
s) (Part No.68X2224、OrderNo. S68X-2224)及びTechn
ical Reference Manual、Personal System/2(Model 80)
(Part No. 68X2256、Order No. S68X-2256)を参照さ
れたい。
【0038】この発明の実施例を示すためのオペレーテ
ィング・システムとして、プレゼンテーション・マネジ
ャ(PM)を備えたIBMのPS/2を使用したが、こ
の発明は他の異なるオペレーティング・システムでも実
現できること、そしてそれより重要なことであるが、オ
ペレーティング・システムに組み込めることは理解され
よう。IBM OS/2オペレーティング・システムの詳細につ
いては、IBMOperating System/2、Version 1.2、Standa
rd Edition TechnicalReference を参照されたい。
【0039】以下各図により説明する。図1は、システ
ム・ユニット11、キーボード12、マウス13、及び
グラフィクス・ディスプレイ・デバイスまたはモニタ1
4から成るパーソナル・コンピュータ10である。キー
ボード12とマウス13は、ユーザ入力デバイスであ
り、ディスプレイ・デバイスはユーザ出力デバイスであ
る。マウス13は、ディスプレイ・デバイス14の画面
16に表示されるカーソル15を制御するために用いら
れる。このシステムによってサポートされるグラフィク
ス・ユーザ・インタフェース(GUI)では、ユーザ
が、カーソル15をアイコンのところまたは画面16上
の点に移動させ、マウスボタンの1つを押してユーザ・
コマンドを実行するかまたは選択を行うことによって
“point−and−shoot”ができる。
【0040】図2は、図1に示したパーソナル・コンピ
ュータのコンポーネントのブロック図である。システム
・ユニット11は、各コンポーネントが接続され、各コ
ンポーネント間の通信が行われるシステム・バス21を
含む。マイクロプロセサ22はシステム・バス21に接
続され、同じくシステム・バス21に接続される読み出
し専用メモリ(ROM)23とランダム・アクセス・メ
モリ(RAM)24によってサポートされる。IBM
PS/2シリーズ・コンピュータのマイクロプロセサ2
2は、Intel のマイクロプロセサ・ファミリ8028
6、80386、80486のいずれかであるが、特定
のコンピュータに、68000、68020、6803
0等、Motorolaのマイクロプロセサ・ファミリや、IB
M、HewlettPackard、Sun Microsystems、Intel、Motoro
la、その他のメーカが生産している各種のRISC(縮
小命令セット・コンピュータ)マイクロプロセサ等も使
用できる。
【0041】ROM23は、特にディスク・ドライブや
キーボードのインタラクション等、ハードウェアの基本
動作を制御する基本入出力システム(BIOS)を格納
する。RAM24は、オペレーティング・システムとア
プリケーション・プログラムがロードされるメイン・メ
モリである。メモリ管理チップ25は、システム・バス
21に接続され、RAM24、ハードディスク・ドライ
ブ26、及びフロッピーディスク・ドライブ27の間の
データのページングを含めた直接メモリ・アクセス(D
MA)動作を制御する。
【0042】システム・ユニット11には上記のほか3
つのI/Oコントローラ(キーボード・コントローラ2
8、マウス・コントローラ29、ビデオ・コントローラ
31)があり、すべてシステム・バス21に接続され
る。キーボード・コントローラ28は、名前からわかる
とおり、キーボード12に、マウス・コントローラ29
はマウス13に、ビデオ・コントローラ30はグラフィ
クス・ディスプレイ・デバイスに各々ハードウェア・イ
ンタフェースを提供する。
【0043】図1、図2に示したハードウェアは代表的
なものであるが、アプリケーションによって異なる。例
えば光学式記憶装置、オーディオI/O、プリンタ等、
他の周辺装置を追加することができる。この発明は特
に、ハードウェアを制御または“稼働”させるオペレー
ティング・システム(OS)のエンハンスを対象として
いる。上述のように、この発明は既存OSに追加したり
組み込んだりできるが、ここでは便宜上、OSがGUI
をサポートするものとする。このようなオペレーティン
グ・システムがプレゼンテーション・マネジャ(PM)
を備えるIBMOS/2で、本発明はこのOS上で展開
した。
【0044】この発明は、図3に示すように、関連のな
い各種アプリケーション・プログラムのための一貫した
環境をサポートし提供するオープン・システムを提供す
る。図3のリンク・マネジャ・システム(LMS)31
は、スプレッドシート・プログラム32、ワープロ・プ
ログラム33、動画プログラム34、グラフィカル・イ
メージ・プログラム35、及びオーディオ・プログラム
36の5つのアプリケーション・プログラムをサポート
するものとして示した。後で詳述するが、LMS31
は、数種類のアプリケーション・プログラムの各々につ
いてユーザが指定した各種のリンクをデータベース37
(図2のハードディスク・ドライブ26等に格納され
る)を通して維持する。
【0045】データベース37は、LMSが維持するア
ソシエーションの集合である。LMSは、この情報を個
別に維持することを目的として設計されたものである。
これによりクライアント・アプリケーションは、LMS
に参加するときにそのデータを変更したり破壊したりす
る必要がなくなる。そしてLMSシステムのオープン性
が高まる。
【0046】リンクは基本的には2種類形成することが
できる。第1に1方向リンクである(図4A)。これは
マーカからオブジェクトへのリンクである。図4Aの4
1、42は、各種のアプリケーションを実行することの
できるウィンドウを表わす。例えばウィンドウ41で
は、ワープロ・プログラムによって作成されたテキスト
・ドキュメントや、グラフィクス・プログラムまたはス
プレッドシートによって作成されたイメージを表示する
ことができる。マーカ43は表示されたドキュメント、
イメージ、またはスプレッドシート内に置くことがで
き、そのマーカ43をウィンドウ42内のオブジェクト
にリンクすることができる。リンクされたオブジェクト
は、テキスト・ドキュメント、イメージ、スプレッドシ
ート、オーディオ、ビデオ、スライド、その他のアプリ
ケーション内に置ける。このリンクは1方向である。つ
まりマーカ43を選択すると、リンクされたオブジェク
トがウィンドウ42に表示されるが、マーカ43へのリ
ターンはない。
【0047】図4Bは両方向リンクを示す。これはマー
カからオブジェクトへのリンクではなくマーカからマー
カへのリンクである。例えばウィンドウ41内のマーカ
43はウィンドウ42内のマーカ44にリンクすること
ができる。マーカ43を選択すると、ウィンドウ42内
のテキスト・ドキュメント、イメージ、スプレッドシー
ト等が表示される。マーカを同じアプリケーション内の
マーカにリンクできることに注意されたい。例えばテキ
スト・ドキュメント内のマーカ45はもう1つのマーカ
46にリンクすることができる。図4Bに示したよう
に、マーカ46はマーカ45と同時には見えない場合も
あるが、マーカ45を選択することによって、ドキュメ
ント内のマーカ46が位置する部分が表示される。同様
にマーカ46が選択されると、ドキュメント内のマーカ
45が位置する部分が表示される。
【0048】図5は、リンク・マネジャ・サービス(L
MS)51と各クライアント・アプリケーション52の
関係を示すブロック図である。後述するように、LMS
51は同一形式の一貫したエンドユーザ・インタフェー
ス(EUI)を与える。LMS51は特に、これまでは
独立したクライアント・アプリケーションによって実行
された機能を実行する。これらの機能にはEIUの1部
を成すメニューやダイアログ・ボックスの生成が含まれ
る。ある特定のクライアント・アプリケーションがLM
S51にコールをかけ、LMS51が、要求されたメニ
ューまたはダイアログ・ボックスを生成することによっ
て、クライアント・アプリケーションが変わっても一貫
したEIUが保証される。LMS51はまた、クライア
ント・アプリケーション52を投入するためのEUIを
提供する。この点については各図による以下の説明から
明らかになるが、ここではLMS51が、どのクライア
ント・アプリケーションによっても生成され得るデータ
をアクセスするための手段であって、マーカにリンクさ
れたデータをアクセスするために、必要に応じてクライ
アント・アプリケーションを投入するということを理解
されたい。
【0049】図5は“ウェブ”という新しい考え方を示
している。“ウェブ”という言葉は、ドキュメント、リ
ンク、及びリンク・マーカの定義の集合をいうのに用い
られる。ウェブは、定義されたアソシエーションをLM
Sがナビゲートするのに必要なすべての情報を表わす。
ナビゲーションでは、エンドユーザがあるドキュメント
内のリンク・マーカから別のアプリケーションへ、異な
るアプリケーションによって表現されたドキュメント
へ、マージン・ノート(オーディオ、テキスト等)へ、
或いは同じドキュメント内の別の場所へ行くことができ
る。ターゲット・アプリケーションは、LMSを使うこ
とにしているアプリケーションか、またはLMSを意識
することもないアプリケーションである。言い替える
と、ウェブを用いることによって、LMSは、ドキュメ
ント自体を変更することなく、ドキュメント間のアソシ
エーションについて必要なデータをすべて維持すること
ができる。
【0050】ウェブは、あるアプリケーションでは、あ
るトピックに関する情報にアクセスするときに複数の選
択肢をエンドユーザに与えるために、ワープロ、スライ
ド、オーディオ等、クライアント・アプリケーションを
いくつか利用するプレゼンテーション・システムと考え
ればわかりやすいかもしれない。通常、トピックのプレ
ゼンテーションは、システムの第1エンドユーザ(例え
ばインストラクタ)によって著され、システムの第2エ
ンドユーザ(例えば学習者)が見る。その場合、学習者
に対するトピックのプレゼンテーションは、ディスプレ
イ・デバイス14の画面16(図1参照)にウィンドウ
を表示することによって開始することができる。学習者
は通常、リンク・マーカを選択する。そこでプレゼンテ
ーションは学習者が選択したものに応じた順序で進行す
る。
【0051】上記の例でいえば、エンドユーザが、栄養
に関するハイパーメディア・ドキュメントを読んでい
て、リンク・マーカをトリガすると(ポインティング・
デバイスで起動する等)カロリー表が読者に表示される
ことを示すリンク・マーカがそこにあった場合、読者が
リンク・マーカを起動するとカロリー表が表示される。
読者がドキュメントをハードコピーの形で(書籍等)使
う場合には、読者はドキュメントの索引等を使ってカロ
リー表を探すことになる。その場合はおそらく、カロリ
ー表を引く項目がいくつかあって、カロリー表自体に対
応したものはそのうちの1つだけであろう。
【0052】この種のプレゼンテーションをサポートす
るために、ユーザがマーカを選択するか、キーワードを
入力したときに、それに応じてLMS51によってウェ
ブ・データベース53がアクセスされ、プレゼンタ(ア
プリケーション・プログラム)がLMS51によって投
入(起動)されて、要求された情報が表現される。ウェ
ブ・ビューワ54は、ウェブ・データベース内のドキュ
メント、リンク、及びマーカの関係をグラフィカルに表
示するのに用いられる。ウェブ・ビューワ54はLMS
が提供するクライアント・アプリケーションであり、2
つの機能を持つ。(1)LMSで登録されたドキュメン
ト間のアソシエーションをスコープを変えて(アプリケ
ーションのウェブ全体、数個のドキュメントへの“ズー
ムイン”等)見えるようにするツールと、(2)ウェブ
・データベースを管理、開発するためのツールである。
データベース53は通常、ハードディスク・ドライブ2
6(図2)に格納され、ウェブ・ビューワ54は、ディ
スプレイ・デバイス14(図1)に出力画面を作る。但
し、ウェブ・ビューワは、下位のオペレーティング・シ
ステム、デバイス、またはLMSによって提供される一
般的なプレゼンテーション空間(或いはデバイス)では
ないことに注意されたい。また、LMSを使用するため
にウェブ・ビューワを使用する必要はない。ウェブ・ビ
ューワは汎用ユーティリティ・アプリケーションであっ
て、本発明の適用あるいは理解に必要なものではないの
で、ここでは詳述しない。
【0053】この発明が適用されるGUI環境はウィン
ドウイング環境である。基本メッセージのセットアップ
は、OS/2 PM、MicrosoftWindows、X-Windows 等、ほと
んどのウィンドウ・システムに共通である。基本的に
は、システム内のどのウィンドウにもウィンドウ・プロ
シジャと呼ばれるものが関連づけられる。オペレーティ
ング・システムがメッセージをウィンドウに送ると、そ
のメッセージは、そのウィンドウに関連づけられたウィ
ンドウ・プロシジャに向けられる。ウィンドウ・プロシ
ジャは、そのウィンドウを保有し、あるタイプのメッセ
ージの処理方法を知っているアプリケーションによって
提供されるコードにすぎない。オペレーティング・シス
テムからウィンドウに送られる普通のメッセージはユー
ザ入力メッセージである。メッセージは、ボタンの押
下、ウィンドウの起動等である。メッセージを受け取る
ウィンドウのウィンドウ・プロシジャはメッセージに従
う場合と従わない場合とがある。ウィンドウ・プロシジ
ャがメッセージに従わない場合、デフォルト・プロシジ
ャが呼び出されることがある。
【0054】この発明では、LMSはウィンドウ・ファ
シリティも利用する。流れ図のなかで、矢印がオペレー
ティング・システム(ユーザ・アクション)とLMS
(通知)の両方からウィンドウ・プロシジャへ行くとこ
ろがある。つまりLMSも通知メッセージをアプリケー
ションのウィンドウ・プロシジャに送信する。
【0055】図6は、この発明に従ったクライアント・
アプリケーションのウィンドウ・プロシジャのロジック
を示す。これはLMSによって活動化される代表的なア
プリケーション(他の場合はクライアント・アプリケー
ションという)のウィンドウ・プロシジャである。ユー
ザは、操作ブロック61で何らかの入力(マウス・ボタ
ンを押す、メニューを選択する、キーを押す等)を行
い、オペレーティング・システムはそのメッセージをク
ライアント・アプリケーションのウィンドウ・プロシジ
ャに送る。クライアント・アプリケーションのウィンド
ウ・プロシジャは、メッセージを受け取ると、判断ブロ
ック62でメッセージを調べ、メッセージがコマンド・
メッセージ(メニュー・コマンド・メッセージ等)かど
うかを判断する。その通りなら、アプリケーションはさ
らに判断ブロック63で、そのメッセージが自ら定義し
たメニュー・コマンドの1つかどうかを調べる。すなわ
ちLMSとは無関係にそのアプリケーションに関連する
メニュー・コマンドかどうかである。これらのコマンド
には、新しいファイルのオープン、カット、ペースト、
その他、アプリケーション特有のコマンドが含まれる。
そのアプリケーション自体が定義したメニュー・オプシ
ョンの1つである場合、アプリケーションは先へ進み、
判断ブロック64で、あたかもLMSが存在しなかった
かのようにコマンドを処理する。一方、コマンドがアプ
リケーションによって定義されたメニュー項目ではな
く、メニュー・コマンドである場合は、アプリケーショ
ンは機能ブロック65でデフォルトのLMS処理プロシ
ジャを呼び出す。このサービスは1回のファンクション
・コールに過ぎず、LMSのデフォルト処理プロシジャ
である。アプリケーションがメニュー・コマンドを認識
しない場合、そのアプリケーションはLMSサービスを
呼び出す。
【0056】判断ブロック62に戻るが、コマンドがメ
ニュー・コマンドでなければ、判断ブロック66、67
で、アプリケーション特 有の他のタイプのメッセージ
かどうかが調べられる。例えばマウス・メッセージが入
ってきたかどうかを知ろうとするアプリケーションがあ
る。そして判断ブロック66で判定されるように、マウ
ス・メッセージであれば、アプリケーションは、それが
マウス・メッセージを処理するタイプのアプリケーショ
ンなら機能ブロック68でそれを処理する。このような
メッセージを処理するアプリケーションがあり、その必
要のないアプリケーションもある。そして通常はアプリ
ケーションがメッセージを処理するかどうかにかかわら
ず、そのアプリケーションは、LMSがメッセージを調
べて対応できるように、機能ブロック69でデフォルト
LMSプロシジャを呼び出す必要がある。例えばLMS
はコンテクスト・メニューをもってくるかもしれない。
【0057】コマンドがマウス・メッセージでない場
合、アプリケーションは、判断ブロック67で、メッセ
ージが他のアプリケーション特有のメッセージがどうか
を判定し、その通りなら、機能ブロック71でそのメッ
セージを処理するための機能を呼び出す。他の場合、ア
プリケーションが処理方法を知らないメッセージの場合
と同じように、アプリケーションは機能ブロック72で
LMSのデフォルト処理プロシジャを呼び出す。
【0058】LMSは、ユーザ入力によって生成される
メッセージのほか、機能ブロック73に示すように、メ
ッセージ自体を受理することを想定してLMS自体のメ
ッセージをクライアント・アプリケーションに送ること
がある。あるウィンドウ内のLMSは、システム内の別
のウィンドウにメッセージを送って、そのウィンドウに
LMSを認識するかどうかをたずねるが、後者のウィン
ドウ内のアプリケーションはそのメッセージを認識しな
い場合がある。そのメッセージは、マウス・メッセー
ジ、メニュー・コマンド・メッセージ、或いはアプリケ
ーション特有のメッセージというカテゴリに入らず、し
たがってアプリケーションはそのメッセージを処理せ
ず、LMSの処理プロシジャを呼び出す。LMS処理プ
ロシジャはそのメッセージを認識していて先へ進み、T
RUE(「私はLMSを認識するアプリケーション」)
を返す。
【0059】基本ハードウェアとシステム構成について
述べたが、ここでLMSの動作例について説明する。図
7は、「ビットマップ・ディスプレイア」プログラムに
よって作成されたコンピュータのディスプレラ譁ハを示
す。このプログラムはプレゼンタ(アプリケーション)
であり、GLOBE.BMPドキュメント(ビットマッ
プ・グラフィクス)を表現する。GLOBE.BMPド
キュメントは、関連した情報の存在を示すリンク・マー
カ(テキストは“More info→”) を含む。マウスでク
リックすると、リンク・マーカに関連づけられたリンク
がナビゲートされ、WORLD.TXTドキュメントを
表現するプレゼンタ「ファイル・ブラウザ」がユーザに
表示される(図8参照)。WORLD.TXTドキュメ
ントにもリンク・マーカ(テキストは“See apicture
→”) が含まれる。このリンク・マーカをたどると、
GLOBE.BMPドキュメントに行きつく。
【0060】先にも触れたが、LMSは、メニューの作
成を担当することによって一貫したEUIを提供する役
割も担う。メニューはコンテクスト・メニュー(ポップ
アップ・メニューともいう)とプルダウン・メニューの
2種類ある。前者は、コンテクストまたはディスプレイ
のフィールド内のカーソル位置に応じて表示されるメニ
ューである。図9、図10は2種類のコンテクスト・メ
ニューの例を示す。図9でユーザは、マウス・ボタンで
アフリカ大陸の最北端付近にあるクライアント・アプリ
ケーションのクライアントまたはワークスペース・エリ
アをクリックしている。ユーザはこのコンテクスト・メ
ニューから、その位置でマーカを作成する等、オプショ
ンをいくつか選択することができる。図10では、ユー
ザはリンク・マーカをクリックしている。表示されたコ
ンテクスト・メニューは上記と似ているが、オプション
が異なる(コンテクストが異なるため)。ユーザはここ
で例えばマーカの移動や削除が行える。
【0061】クライアント・アプリケーションは、コン
テクスト・メニューの作成をLMSに対して明示的に指
示する必要はなく、場合によっては(マウスが図10の
ようにリンク・マーカの上にあるとき等)、メッセージ
もLMSに送る必要がない。そこでコンテクスト・メニ
ューはほとんどLMSの“自由な”フィーチャになり、
プルダウン・メニューと同一の機能へのアクセスを提供
する。
【0062】クライアント・アプリケーションの初期化
時、クライアント・アプリケーションはLMSを呼び出
して、ハイパーメディアのプルダウン・メニューの作成
を要求する。LMSはそこで、メニューを、クライアン
ト・アプリケーションのコードで定義しなくてよいよう
に、動的に作成する。この後のメニューの処理(チェッ
クの印をメニュー項目の横につける、メニュー項目を使
用禁止にする、メニュー項目を選択する等)はすべて、
クライアント・アプリケーションは関係しないオペレー
ティング・システム・メッセージをLMSが受け取った
ときにLMSによって行われる。
【0063】クライアント・アプリケーションによって
処理されないオペレーティング・システム・メッセージ
はすべて、クライアント・アプリケーションによって、
LMSが提供するサービスを使ってLMSに向けられ
る。これにはメニュー・メッセージが含まれる。LMS
は、メニュー・メッセージを基に必要な処置を決定し実
行する。例えばハイパーメディア・メニューが表示され
ようとする、というメッセージであれば、LMSは、リ
ンクとリンク・マーカの現在状態を基に、必要に応じて
メニューの外観を調整(不適当なメニューオプションを
すべて使用禁止にする等)してからそれを表示する。或
いはメッセージが、“マーカ作成”が選択されたという
ものなら、クライアント・アプリケーション側では何の
作業も行われず、LMSがエンドユーザのためにリンク
・マーカを作成する。LMSを使用するアプリケーショ
ンはすべて、同じハイパーメディア・メニューを持ち、
これらのメニューは同じように動く。これによって一貫
したEUIが保証される。
【0064】例を図11ないし図15に示した。図11
は、マウスでアクションバーまたはコマンド・バーのL
INKがクリックされたときのプルダウン・メニューを
示す。
【0065】プルダウン・メニューは階層に分けること
ができる。例えば図12は、マウスで図11の第1プル
ダウン・メニューのMANAGE MARKERSがク
リックされたときの第2プルダウン・メニューを示す。
図13は、マウスが図12の第2プルダウン・メニュー
のCREATE MARKERでクリックされたときの
第3プルダウン・メニューを示す。さらに図14は、マ
ウスで図11のプルダウン・ウィンドウのMANAGE
LINKSでクリックされたときの第2プルダウン・
ウィンドウを示す。そして図15は、マウスで図14の
第2プルダウン・ウィンドウのCREATE LINK
がクリックされたときの第3プルダウン・ウィンドウを
示す。
【0066】図16は、プルダウン・メニュー処理のロ
ジックを示す流れ図である。LMSは、このメニュー内
の異なるメニュー項目をすべて取得するために、クライ
アント・アプリケーションのために実際にそのメニュー
を作成する。これはまた、将来リリースされるLMSに
機能が追加される場合は、LMSがそのメニューを作る
ので、クライアント・アプリケーションは、追加された
LMS機能を継承するために新しいバージョンをリリー
スする必要はないということでもある。LMSがメニュ
ーを作成する方法は次のようになる。アプリケーション
は、初めて起動されたとき、LMS APIのファンク
ション・コールを通してLMSを呼び出し、LMSにそ
の最上位レベルのメニュー(普通はアクション・バー)
へのハンドルを引き渡す(機能ブロック75)。LMS
はそこで、その動的リンク・ライブラリの1部としての
リソースとしてセーブされていたそのプルダウン・メニ
ュー定義をロードする(機能ブロック76)。LMS
は、リソースをロードすると、それをクライアントのウ
ィンドウのメニュー・ハンドルに挿入または接続する
(機能ブロック77)。ここから、エンドユーザは、そ
のメニュー・オプションを選択したときに、そのメニュ
ー内のLMSのメニュー項目をすべて見ることになる。
このプロシジャは初期化時に実行される。
【0067】図16の流れ図の他の部分は、プルダウン
・メニューが実際にどう処理されるかを示す。LMSで
は2種類のメニューがあることに注意されたい。プルダ
ウン・メニューは、ユーザがアクション・バーからリン
クを選択したときに表示されるメニューで、コンテクス
ト・メニューは、マウスでクライアント・ウィンドウが
クリックされたことに応答して表示される。コンテクス
ト・メニューにも同じようなオプションが付加される
が、ユーザがクリックしたオブジェクトとの結びつきが
強い。そのため、これら2種類のメニューの処理で起こ
ることは異なっている。
【0068】ユーザ・アクションが入ると(機能ブロッ
ク78)、これはアプリケーションのウィンドウ・プロ
シジャ(機能ブロック79で表わされる)へ行く。この
ときアプリケーションのウィンドウ・プロシジャは、こ
のアクションは自分が知っている(アプリケーション・
コードで定義されている)メニュー・コマンドではない
と判定することができるので、メッセージをLMSの処
理プロシジャに引き渡す(図6参照)。LMSは判断ブ
ロック81で、そのメッセージに対してメニューを表示
する必要があるかどうかを判定する。必要があれば、L
MSは、適用できるメニュー項目を使えるようにした
り、適用できないものを使えないようにしたり、或いは
項目にチェックを入れたりすることができる(機能ブロ
ック82)。他の場合、判断ブロック83で、メッセー
ジがメニュー項目のメッセージかどうかが判定される。
そうでない場合、機能ブロック84で“非メニュー項目
メッセージ・プロセサ”が呼び出される。このプロシジ
ャについては図18により後述する。メッセージがメニ
ュー項目であれば、LMSは先へ進み適切なアクション
を実行しようとする。例えばマーカとリンクのセーブ、
パスワード等、LMSが処理するメッセージがある。判
断ブロック85、86、87で判定されるように、メッ
セージがLMSによって処理されるものである場合、L
MSは、次に行われるアクションをクライアント・アプ
リケーションに通知し(機能ブロック88)、アプリケ
ーションがLMSのコマンド処理に反対しないなら(判
断ブロック89)、LMSはその機能を実行し(機能ブ
ロック90)、アプリケーションに通知し(機能ブロッ
ク91)、“TRUE”メッセージを返す(機能ブロッ
ク92)。このように、メッセージがLMSによって処
理されるコマンドの1つであれば、LMSがそのコマン
ドを実行する(詳細は後述)。そしてLMSは、コマン
ドを実行した後にアプリケーションに通知を出し、通常
は、アプリケーションが何らかの後処理ができるよう
に、このとき対応したばかりのオブジェクトへのハンド
ルもアプリケーションに与える。
【0069】メッセージが、判断ブロック93で判定さ
れるように、マーカ操作であれば、マーカが選択された
状態かどうかが判定される(判断ブロック94)。マー
カが選択された状態になければ、ユーザがそのコマンド
のプルダウン・メニューでそれを変更することはできな
い(コンテクスト・メニューには当てはまらない)。通
常、選択された状態にないオブジェクトにしか作用しな
い項目はグレーにされる。例えば、選択されたマーカが
ない場合、「マーカ移動」はグレーになり、ユーザはこ
れを選択することができない。選択されたマーカがない
場合、「マーカ変更」は行えず、ユーザはそのコマンド
を選択できない。これはコンテクスト・メニューでは異
なる。コンテクスト・メニューでは、適用されない項目
は省略される。いずれの場合でもLMSは、何らかの作
業を行えるかどうかを2重にチェックするためにコード
を提供する。したがって、メニュー項目がマーカに作用
する場合、最初、少なくともマーカが1つ選択されてい
て選択された状態かどうかが判定され、そのとおりなら
先へ進み、適切なマーカ・コマンドすなわち「マーカ変
更」、「リンク作成」、「リンク確立」、「マーカ表
示」、「マーカ消去」等、判断ブロック95、96、9
7、98、99、及び100で判定された処理が行われ
る。「リンク作成」と「リンク確立」がマーカ操作とみ
なされるのは、それらがマーカを起点とするリンクを作
成し、マーカまでのリンクを確立するからである。これ
らのコマンドが終了すると、LMSがコマンドを実行し
たことがアプリケーションに通知され、TRUEが返
る。
【0070】次に、図17は、コンテクスト・メニュー
処理プロシジャ101のロジックを示す流れ図である。
初めに判断ブロック102、103で、LMSが表示す
ることになっているコンテクスト・メニューはどのタイ
プかが判定される。判断ブロック102では、ドキュメ
ントのコンテクスト・メニューを表示するかどうかが、
判断ブロック103では、マーカのコンテクスト・メニ
ューを表示するかどうかが判定される。LMSがドキュ
メントのコンテクスト・メニューを表示することになっ
ている場合、そのメニューのリソース定義が機能ブロッ
ク104にロードされる。LMSがマーカのコンテクス
ト・メニューを表示することになっている場合は、マウ
ス・メッセージのリソースが機能ブロック105にロー
ドされる。ドキュメント・コンテクスト・メニューでも
マーカ・コンテクスト・メニューでもない場合、エラー
・メッセージが返される(機能ブロック106)。
【0071】LMSがメニューをロードすると隠しウィ
ンドウが作成される(機能ブロック107)。これは実
際にはロードされたばかりのメニューを保有するもので
ある。次に、ロードされたメニューが新しいウィンドウ
に追加され(機能ブロック108)、そのウィンドウが
メニューを表示するように指示される(機能ブロック1
09)。メニュー内の項目は、オブジェクトの状態に応
じて除外されることに注意されたい。これは、プルダウ
ン・メニューで項目が使えるようになったり使えないよ
うになったりするのと同様である。このときLMSはユ
ーザの選択を待つ(機能ブロック110)。判断ブロッ
ク111では、ユーザが実際にメニューをキャンセルし
たか、またはメニューから項目を選択したかどうかが判
定される。メニュー項目が実際に選択されるとコマンド
IDが返される(機能ブロック112)。他の場合はF
ALSEが返される(機能ブロック113)。
【0072】ここまで、メニューが選択されているため
にLMSがユーザ・コマンドを受け取るケースについて
説明した。他の非メニュー・コマンド処理はどのように
なるだろうか。一般にほとんどのウィンドウ・システム
で利用できるフィーチャはメッセージのそれである。メ
ッセージは、オペレーティング・システムから、別のア
プリケーションから、アプリケーション自体から、或い
はアプリケーションを代表するサービスからアプリケー
ションへ送ることができる。このようなメッセージは、
要求、要求に対する応答、実行されたアクション等の、
アプリケーションへの通知である。
【0073】同様に、LMSはこのメカニズムを利用し
て、LMSが実行しようとするアクションをクライアン
ト・アプリケーションが任意に認識、修飾、制限、変
更、或いは防止することを許す。またLMSは、何らか
のアクションが行われた後にメッセージを通してクライ
アント・アプリケーションへの通知を行う。“事前”メ
ッセージも“事後”メッセージも、メッセージによって
表わされるアクションをエンドユーザがEIUを使って
開始したか、または別のクライアント・アプリケーショ
ンが開始したか、或いはクライアント・アプリケーショ
ン自体が開始したかどうかとは無関係に送られる。一般
に、クライアント・アプリケーションはこれらのメッセ
ージを任意に無視し(デフォルト処理に任せる)、それ
らのデフォルト(LMS)処理を得る。ただし他のこと
を実行する機会も得られる。
【0074】例えばLMSが、プルダウン・メニューま
たはコンテクスト・メニューの表示を求められた場合、
LMSは、メニューに関してアクションが取られる前
に、クライアント・アプリケーションにメッセージを送
ってそれと同じことを通知する。クライアント・アプリ
ケーションは、メニューが実際に表示される前に、LM
Sメニューから何かの項目を使えないようにする、或い
は削除することもできる。同様に、LMSメニュー項目
が要求された場合(リンク・マーカを作成するため
等)、またはエンドユーザがリンク・マーカを“クリッ
ク”することによってリンク・マーカの“もう一端”の
いずれかにまでナビゲートすることをLMSに要求した
場合、それと同じことを知らせたクライアント・アプリ
ケーションにメッセージが送られる。
【0075】LMSは、クライアント・アプリケーショ
ンが任意にLSMハイパーメディア・システムの挙動と
データを制御するための充実したAPIを提供する。実
際、機能の点では、LMS APIはLMS EUIの
優れたスーパセットであり、クライアント・アプリケー
ションに強力な機能を提供する。ただし通常は、クライ
アント・アプリケーションがハイパーメディアの参加者
として重要な役割を担うには、LMS APIを最小限
利用するだけでよい。
【0076】図18は、非メニュー項目メッセージ処理
プロシジャのロジックを示す流れ図である。ここでもユ
ーザが何らかの入力を行い(機能ブロック115)、オ
ペレーティング・システムがクライアント・アプリケー
ションのウィンドウ・プロシジャにメッセージを与える
(機能ブロック116)。ウィンドウ・プロシジャは、
上述のように、そのメッセージをLMSに渡す(機能ブ
ロック117)。
【0077】この処理プロシジャでは、メッセージがメ
ニュー項目であるかどうかの判定をLMSが省略してい
るとみなされる。メニュー・メッセージ以外のメッセー
ジには、マウス・メッセージ、LMS自体からLMSへ
送られた他のウィンドウからのメッセージ(別のアプリ
ケーションに、それがLMSを認識するアプリケーショ
ンかどうかをたずねるメッセージを含む)等がある。非
メニュー項目メッセージ・プロセサは最初、マウス・ボ
タン3が押されたかどうかを判定する(判断ブロック1
18)。その通りならコンテクスト・メニュー処理が戻
り(機能ブロック119)、ユーザがコマンドを入力し
たか、または「取消」を選択したかどうかが判定される
(判断ブロック121)。コマンドが選択されていれ
ば、LMSが基本プルダウン・メニュー処理を行う(機
能ブロック122、図16、図17)。LMSは、基本
的には、上述のようにコマンドを実行してクライアント
・アプリケーションに通知を出す。流れ図の記法では、
プロセスは、“プルダウン・メニュー処理実行”が現わ
れるたびに、プルダウン・メニュー処理について図16
に示した流れ図の先頭には行かず、図16の機能ブロッ
ク88に入る。
【0078】判断ブロック118に戻るが、マウス・ボ
タン3が押されなかった場合は、メッセージがSHIF
Tキーとマウス・ボタン1かどうかが判定される(判断
ブロック123)。これはリンクとマーカを作成する操
作である。そのとおりであればLMSがその処理を実行
する(機能ブロック124)。その操作でなければコン
テクスト・メニューかどうかが判定される(判断ブロッ
ク125)。コンテクスト・メニューなら、どのような
コマンドかが判定される(判断ブロック126)。つま
りLMSがコマンドとして定義したコマンドかどうかで
ある。そのとおりならアプリケーションにメッセージが
渡される(機能ブロック127)。このメッセージは、
アプリケーションが処理しようとしないので、またLM
Sに戻される。そこでLMSは自身のLMSコマンド処
理を行う。メッセージがコンテクスト・メニューでない
場合、LMSは、そのメッセージを理解できななければ
棄却する。
【0079】判断ブロック125に戻るが、コンテクス
ト・メニューでない場合は、メッセージがLMSメッセ
ージかどうか、すなわちLMSが自身と通信するのに使
うLMS特有のメッセージかどうかが判定される(判断
ブロック129)。LMSを使用する異なるプロセスを
代表して動くLMSは、これらのメッセージを、クライ
アント・アプリケーションの介入なしに行き来させて通
信し合うこともできる。LMSメッセージであれば、こ
のタイプのメッセージの一例として考えられるのは、ア
プリケーションがLMSを認識するかどうかについての
問い合わせである(判断ブロック131)。でなけれ
ば、そのもう1つのウィンドウは、メッセージを受けた
ときに、呼び出すべきLMS処理プロシジャを持たな
い。したがって、そのウィンドウはただFALSEを返
し、メッセージを理解できないことを示す。このメッセ
ージが、LMSを認識するアプリケーションへ届いた場
合、そのアプリケーションはTRUEを返す(機能ブロ
ック132)。メッセージは上述のようにLMS処理プ
ロシジャに返される。もし判断ブロック129で、メッ
セージがLMSメッセージでなかった場合は、そのメッ
セージは破棄される(機能ブロック133)。
【0080】エンドユーザはマウスを使って画面上のオ
ブジェクトを操作する。LMSは、マウスとLMSオブ
ジェクト(ドキュメント、リンク・マーカ等)のインタ
ラクションを管理する。LMSがマウス・アクションを
管理する方法はいくつかある。
【0081】クライアント・アプリケーションは通常マ
ウス・メッセージをLMSに渡す。LMSは、マウス・
メッセージを受け取ると、ハイパーメディア特有のアク
ションが必要かどうかを判定する。LMSは、このメカ
ニズムにより、クライアント・アプリケーションの“ク
ライアント・ウィンドウ”(アプリケーションの基本ワ
ークスペース)の上にあるときにマウスを制御すること
ができる。クライアント・アプリケーションは、最初に
ドキュメントを表示したとき、それをLMSに通知し、
ドキュメント名と、ドキュメントが表示されているウィ
ンドウのハンドルを知らせる。LMSはそこで、LMS
データベースから、ドキュメントに関連するすべてのL
MSオブジェクトを得る。これでLMSは、クライアン
ト・アプリケーションのクライアント・エリアで発生す
るマウス・メッセージを処理するのに充分な情報を得た
ことになる。これによりLMSは、クライアント・アプ
リケーションのクライアント・ウィンドウ上にコンテク
スト・メニューを表示することができる。(図9参
照)。マウス・メッセージがLMSに渡されたとき、L
MSは、ドキュメント内のハイパーメディア・オブジェ
クト(リンク、リンク・マーカ等)の状態を判定し、そ
こでコンテクスト・メニューにどのタイプの項目を入れ
るかを決定することができる(“マーカ・セーブ”、
“マーカ消去”等)。このファシリティはまた“高速”
リンクの作成操作にも用いられる。高速リンクでは、ユ
ーザは、マウスを使って2箇所(同じドキュメント内ま
たは別々のドキュメントやプレゼンタ内)をクリックす
るだけで、2つのリンク・マーカ(1箇所に1個)及び
その間のリンクを自動的に作成することができる。普通
これは、エンドユーザが2つのリンク・マーカを個別に
作成して、それからリンクを形成することによって行わ
れる。上記の機能はすべて、クライアント・アプリケー
ションの援助あるいは知識を利用せずに行われ、LMS
サービスを利用するすべてのクライアント・アプリケー
ションに共通である。
【0082】LMSリンク・マーカは、メッセージをオ
ペレーティング・システムから直接受け取り、オペレー
ティング・システムが“LinkMarker”として
認識するウィンドウのクラスはLMSによって“保有”
される(このタイプのウィンドウがメッセージを受け取
ったときにオペレーティング・システムがLMSコード
を直接起動する)ので、リンク・マーカ・ウィンドウ上
のマウス管理を行うのに、クライアント・アプリケーシ
ョンがメッセージをLMSに“渡す”必要はない。
【0083】リンク・マーカが、マウスがその上にある
とのメッセージを(オペレーティング・システムから)
受け取ると、LMSはマウス・ポインタの外観を変え、
リンク・マーカの存在をエンドユーザに知らせる(これ
は特にマーカが“見えない”場合つまりユーザがそれを
操作できるけれども見えない場合に便利である)。また
これによってLMSは、マウスでマーカを“つかみ”、
リンク・マーカの位置やサイズを変えたりすること、リ
ンク・マーカのコンテクスト・メニューを表示すること
(図9参照)、リンク・マーカ関連のリンクを表示する
こと等、リンク・マーカ上の他の多くのマウス・アクテ
ィビティを処理することができる。
【0084】LMSはこのほか、LMSサービスを利用
しないウィンドウ上にマウスがあるときにマウスを管理
することもできる。これは例えば、エンドユーザが、リ
ンクを確立するための高速パス法である“高速”リンク
を使ってリンク・マーカとリンクを作成するときに生じ
る。その場合ユーザは、クライアント・アプリケーショ
ンのドキュメントのある部分にマウス・ポインタがある
ときにマウス・ボタンとキーボードのキーを押し、マウ
スを別のところ(同じドキュメント内または別のドキュ
メント/プレゼンタ内)へ“ドラッグ”し、マウス・ボ
タンを離す(この操作の間、マウスが、リンク終了点と
して有効でないエリアにある場合、マウス・ポインタの
外観が変わることによってそのことがエンドユーザに知
らされる)。このプロシジャでは、2点間にリンク・マ
ーカとリンクを1回のステップで形成することができ
る。この処理の間クライアント・アプリケーションに必
要なのは、上述のようにメッセージをLMSに渡すこと
だけである。
【0085】LMSはこの機能を、マウスを排他的に使
用する(マウスがどのウィンドウの上にあるかにかかわ
らずマウス・メッセージをすべて受け取る)ためにオペ
レーティング・システムのサービスを利用することによ
って実現する。マウス・ボタンが離される(操作を終了
するため)とき、LMSは、マウスがどのウィンドウ
(存在する場合)の上にあるかを判定するためにシステ
ムに問い合わせをする。次に、それがLMSサービスを
利用するアプリケーションかどうかを判定するために、
ウィンドウにメッセージが送られる。メッセージを受け
取るウィンドウがLMSサービスを利用する場合、その
ウィンドウがメッセージを処理する必要はない(また処
理しない)が、このアプリケーションがLMSサービス
を利用すると応答するLMSにそのメッセージを引き渡
す。このプロセスのターゲット・ウィンドウが、LMS
サービスを利用するアプリケーションであれば、そのア
プリケーションのマウス・ポインタの位置にリンク・マ
ーカが自動的に作成され、操作の起点とのリンクが形成
される。メッセージへの応答が、このアプリケーション
がLMSサービスを利用しないというものであれば、そ
のアプリケーションへのリンクは確立されるが、マーカ
は置かれない(LMSはこのようなアプリケーションを
“unaware”と呼ぶ)。
【0086】エンドユーザは、クライアント・アプリケ
ーションのウィンドウ内にリンク・マーカを作成し、削
除、サイズ変更、テキスト変更、及び表示スタイルの変
更が行える。マーカの作成と削除を除き(これには上述
のようにメッセージの引き渡しが必要)、これらの操作
はすべてクライアント・アプリケーションの手を借りず
に行える。LMSはリンク・マーカを“保有する”ので
(先にも触れたが後で図20により詳述する)、リンク
・マーカ・ウィンドウの描画と位置づけを制御する。リ
ンク・マーカは、その下のクライアント・アプリケーシ
ョンのデータを反転するように作成することもできる。
データは強調して表示される。クライアント・アプリケ
ーションが、反転したエリアを得るために処理を行う必
要はない。
【0087】図19は、LMSのマーカ作成プロシジャ
のロジックを示す流れ図である。プロセスは機能ブロッ
ク135のコマンドの作成からスタートする。つまり、
ユーザが、マーカではなくアプリケーションのクライア
ント・ウィンドウ内のクライアントのワークスペースを
クリックしたときに表示されたリンクのプルダウン・メ
ニューまたはコンテクスト・メニューから、マーカ作成
コマンドが何らかの方法で受け取られているということ
である。クライアントのワークスペースがクリックされ
た場合、そのアクションは、ドキュメントのクリックと
みなされることがあるので、コンテクスト・メニューは
ドキュメント・コンテクスト・メニューと呼ばれる。い
ずれにしろ図19の流れ図では、作成コマンドがこれら
のソースの1つから来ているとみなされる。
【0088】最初の操作としてLMSがマウスをとらえ
る(機能ブロック136)。これはウィンドウ用語で、
マウス・ポインタの制御が得られたことを意味する。マ
ウス・ポインタの形が変えられ(機能ブロック13
7)、LMSがマーカ作成プロセスにかかっていること
が示される。形状は三角形で、ユーザは画面上でこれを
動かして、マーカをセットするところを指示する。
【0089】次にプロセスはオペレーティング・システ
ムのメッセージを待つ(機能ブロック138)。これ
は、アプリケーションが動作を続けられるように新しい
メッセージ処理ループを挿入することによって行われる
が、LMSはアプリケーションに引き渡す前に全メッセ
ージをフィルタする。機能ブロック138は、メッセー
ジ取得ループと呼ばれる小さいループで、メッセージを
探し続ける。通常これを行うのはアプリケーション自体
であるが、LMSはここでかなり厳密な制御を行う。メ
ッセージが入るたびに、LMSはそれを調べ、マウスの
捕捉を中止させるメッセージかどうかを判定する(判断
ブロック139)。そうでなければメッセージはクライ
アント・アプリケーションに送られる(機能ブロック1
41)。他の場合マウスの捕捉が終了する(機能ブロッ
ク142)。次に判断ブロック143で、ユーザがマー
カ作成プロセスをキャンセルしてしまったか、それとも
操作を続けたいのかが判定される。ユーザがキャンセル
していたら、プロセスはキャンセルされる(機能ブロッ
ク144)。ユーザが操作を続けたいなら、新しい“マ
ーカ”が作成される(機能ブロック145)。(このマ
ーカは、オブジェクト指向プログラミング言語で用いら
れる意味では「オブジェクト」である。)次に実際のマ
ーカ・オブジェクトが、データベースから新しいIDを
得(機能ブロック146)、マーカ・ウィンドウが作成
される(機能ブロック147)。このマーカ・ウィンド
ウはマーカを見える形にしたもので、ウィンドウ・シス
テムでウィンドウが作成されるたびに、上述のようにウ
ィンドウ・プロシジャが割り当てられてそのウィンドウ
に関連づけられる。マーカ・ウィンドウ機能のウィンド
ウ・プロシジャはLMSの動的リンク・ライブラリに存
在する。そのため、マーカがクリックされるか、または
マーカに対して入力があると、リンク・マネジャ・コー
ドが実行されるので、クライアント・アプリケーション
の手を借りる必要がなくなる。マーカ・ウィンドウは、
作成された後、機能ブロック148で表示される。
【0090】図20はマーカ・ウィンドウ・プロシジャ
のロジックを示す。この発明では、リンク・マーカは、
アプリケーション・ウィンドウ内のウィンドウと考えれ
ばわかりやすく、実際にその通りである。マーカ・ウィ
ンドウ・プロシジャは、クライアント・アプリケーショ
ンのウィンドウ・プロシジャその他のウィンドウ・プロ
シジャに似ており、マーカ・ウィンドウ・プロシジャの
コードはLMSに存在する。メッセージは、機能ブロッ
ク151でユーザによって入力され、機能ブロック15
2のオペレーティング・システムを通り、153のマー
カ・ウィンドウ・プロシジャに入る。マーカ・ウィンド
ウがメッセージを受け取ると、マーカ・ウィンドウ・プ
ロシジャは、その実行がユーザによって指示されている
かどうかをチェックする。例えば、判断ブロック154
で、ボタン3が押されている状態かどうかが判定され
る。マウス・ボタン3が押されていれば、マーカがマー
カ・コンテクスト・メニューを表示する(機能ブロック
155)。これが、LMSの実施例ではユーザがウィン
ドウ上でボタンを押すことによってコンテクスト・メニ
ューを引き出す方法だからである。コンテクスト・メニ
ューからコマンドが実際に選択されたかどうかはコンテ
クスト・メニュー・プロセサが応答する(判断ブロック
156)。コマンドが選択されていれば、LMSが基本
的にはプルダウン・メニュー処理に入る − 機能ブロッ
ク157、図16(起点は機能ブロック88)、図1
7。つまりLMSは、LMSがコマンドを実行するのを
クライアント・アプリケーションが妨げようとする場合
を考慮して、実際にコマンドを実行する前に通知メッセ
ージをクライアント・アプリケーションに与える。LM
Sはまた、コマンドを実行した後にもメッセージをクラ
イアント・アプリケーションに送る。LMSが内部でコ
マンドを実行しようとするときは、LMSは常に最初は
特別なLMSメッセージでクライアント・アプリケーシ
ョンに通知を出す。LMSがコマンドを実行した後は、
LMSは必ず、LMSがコマンドを実行したというメッ
セージをクライアント・アプリケーションに知らせる。
【0091】ユーザ入力がごく普通のマウス・クリック
だったらどうだろうか?(判断ブロック158)その場
合、メッセージがマウス・ボタン1のダブル・クリック
かどうかが判定される(判断ブロック159)。その通
りであればリンクがたどられる(機能ブロック16
1)。C++の“マーカ・オブジェクト”は、それに関
連づけられたリンク及びリンクの終わりについての情報
をすべて把握しており、この情報はすべてデータベース
に格納されるので、LMSはリンクをたどることができ
る。一方メッセージがマウス・ボタン2のダブル・クリ
ックであれば(判断ブロック162)、LMSはダイア
ログ・ボックスを表示し(機能ブロック163)、マー
カから派生するすべてのリンクをユーザに示す。
【0092】マウス・クリックがこうしたマウス・クリ
ック・メッセージのいずれでもなければ、LMSは、マ
ウス・ボタンと同時にコントロール・キーが押されたか
どうかをチェックする(判断ブロック164、16
5)。その場合LMSは何らかの直接操作を行う。直接
操作とは、ユーザがコントロール・キーを押し、マウス
を使ってマーカを移動させるか(機能ブロック166)
またはマーカのサイズを変更する(機能ブロック16
7)ことである。
【0093】判断ブロック158に戻るが、メッセージ
がマウス・クリックでなければ、描画メッセージかどう
かが判定される(判断ブロック168)。それならば再
描画するためにマーカがそのウィンドウを閉じる(機能
ブロック169)。
【0094】図21は、ウィンドウ描画処理のロジック
を示す流れ図である。オペレーティング・システムは、
先に説明した他の処理の場合と同じようにLMSにメッ
セージを送る(機能ブロック171)。このときのメッ
セージは直接マーカ・ウィンドウ・プロシジャ(17
2)に入る。マーカが、最初にクライアント・アプリケ
ーションを通過する必要なくメッセージを受け取るから
である。マーカ・ウィンドウは、メッセージが描画メッ
セージかどうかを判定する(判断ブロック173)。描
画メッセージなら、つまりウィンドウを再描画する必要
があるとオペレーティング・システムが言っているな
ら、マーカは、データベースを調べることによって、マ
ーカ・スタイルがどのようなものかを判定する(判断ブ
ロック174)。トランスペアレントでない(それを通
して見ることができない)スタイルは2つある。1つは
モノクロかつ2次元で、もう1つはプッシュ・ボタンと
いい、3次元表示であり、押されたときにその状態が見
える。他のスタイルはどれもトランスペアレントで、図
22に示すように、反転または強調されたビデオ・フレ
ームの形で表わされる。
【0095】透視できるタイプのマーカでなければ(す
なわちプッシュ・ボタンかモノクロ)、マーカが描かれ
る(機能ブロック175)。トランスペアレントなスタ
イルのマーカであれば、マーカは隠される(機能ブロッ
ク176)。言い替えるとマーカ・ウィンドウ全体が画
面から消去される。マーカ・ウィンドウが画面から消去
されると、下の親ウィンドウにそれ自体の再描画が指示
される(機能ブロック177)。これによりすべてが、
つまり親ウィンドウの全データが最新のカレントにな
る。この後すぐマーカが表示される(機能ブロック17
8)が、親ウィンドウは、境界の描画または反転表示が
求められるまでは再描画されない。
【0096】Microsoft WindowsとOS/2 PMでは、トラン
スペアレンシのためにパレット上に予約されるビットは
ないので、ウィンドウは、ユーザが透視でき、いつでも
正しく更新されるようにはならない。WindowsとOS/2 の
プレゼンテーション・マネジャのウィンドウは半透明で
ある。通常、アプリケーションによってウィンドウが作
成されたときは、ウィンドウは画面の上にくる。すなわ
ちオペレーティング・システムが、それ自体を描画する
ように指示し、そのとおり実行される。もちろん、ウィ
ンドウの上で描画するときに何が起こるかといえば、あ
るウィンドウをとらえて、別のウィンドウの最上部に置
いたときのように、オペレーティング・システムが実際
にウィンドウを描くのではなく、白い背景、テキスト等
でウィンドウを埋めるだけである。これは例えば図23
からわかる。図23は色々なタイプのウィンドウ、スク
ロール・バー、アイコン、プッシュ・ボタン等を示す。
オペレーティング・システムは、画面のあるエリアを予
約することによってウィンドウを作り、マウス・クリッ
クが行われたとき、そのウィンドウ・プロシジャ・メッ
セージを送るが、ユーザはまだそのウィンドウを通して
下のウィンドウを見ることはできない。したがって、ト
ランスペアレント・ウィンドウを実現した場合に表面が
どのように見えるかは、実際には自分を描いていないウ
ィンドウのようなものにすぎない。
【0097】しかし残念ながら現実はそれほど簡単では
ない。オペレーティング・システムが、作成された新し
いウィンドウに自分を描くことを指示するときは、可能
性としてはまず、そのウィンドウが、トランスペアレン
トになるために自分を描くことはないと考えられる。但
しそのウィンドウは本当にトランスペアレントになるわ
けではない。画面のそのエリア上のビットが描かれない
だけである。そのため、別のウィンドウが“トランスペ
アレント”ウィンドウの上に置かれ、それから消去され
ると、“トランスペアレント”ウィンドウがその上にあ
ったウィンドウは、“トランスペアレント”ウィンドウ
が存在するエリアを除いて自分を再描画する。ウィンド
ウが他のウィンドウの上に描画されることはないからで
ある。また“トランスペアレント”ウィンドウは自分を
描こうとはしない。画面上にあったビットは、“トラン
スペアレント”ウィンドウとその上のウィンドウの上に
あった第3のウィンドウからのビットである。そのため
画面は正しく表示されない。
【0098】この問題を解決する方法は、図21に示し
たウィンドウ描画処理プロシジャにある。具体的には、
第3のウィンドウがトランスペアレント・ウィンドウの
上に置かれ、消去された場合、オペレーティング・シス
テムは、トランスペアレント・ウィンドウに描画メッセ
ージを送る。ウィンドウが実行するのは、全く描画しな
いことではなく、画面のこの部分のビットが第3のウィ
ンドウのものであることを認識することである。第3の
ウィンドウは消去されている(描画メッセージの受理に
よって示される)ので、トランスペアレント・ウィンド
ウはその下のものが見えるようにしなければならない。
これを行うために、トランスペアレント・ウィンドウは
自分を隠す(図21の機能ブロック176)。オペレー
ティング・システムにはこれを行う機能がある。親ウィ
ンドウは次に、描画メッセージをオペレーティング・シ
ステムから取得する。このメッセージでトランスペアレ
ント・ウィンドウが親ウィンドウに直ちに動作するよう
に指示する。このとき親ウィンドウは自分を描く(機能
ブロック177)。ウィンドウは、見える別のウィンド
ウの上に描画されることはないが、ウィンドウが他の画
面エリアで見えない(つまり隠れている)場合はそこで
描画される。したがってこのプロシジャは、ウィンドウ
を隠し、親ウィンドウにトランスペアレント・ウィンド
ウがあったエリアで自分を描くことを指示することであ
る。こうして画面はすべてリフレッシュされ、最新のカ
レント状態になる。
【0099】ここでトランスペアレント・ウィンドウを
もう1度表示させなければならない。トランスペアレン
ト・ウィンドウが再表示されると、オペレーティング・
システムはこれを認識し、ウィンドウに自分を描くこと
を指示するが、トランスペアレント・ウィンドウは、エ
ンドユーザがこれを通して下のデータを見ることができ
るように自分を描こうとはしない! これはOS/2の
PMでは即座に行われ、トランスペアレント・ウィンド
ウが効果的に作成される。ここでもトランスペアレント
・ウィンドウは、必要なら何らかの描画を行える。例え
ば図22に示すように、トランスペアレント・ウィンド
ウが占める画面の四角形のエリアにあるビットを反転さ
せて反転表示にするか、ウィンドウの境界にワイア・フ
レームを描く等である。図22の場合、画面14(図
1)上に反転表示で強調されたテキストを示す画面表示
であるが、これは実際には強調されたテキストではな
く、トランスペアレント・ウィンドウである。
【0100】エンドユーザとアプリケーションのインタ
ラクションにはメニューのほかにダイアログ・ボックス
の使用がある。ダイアログ・ボックスはタスクに必要な
情報をエンドユーザから集める。LMSは、クライアン
ト・アプリケーションがハイパーメディアをフルにサポ
ートするのに必要なダイアログ・ボックスをすべて提供
し管理する。図24、図25、図26は、LMSによっ
て提供されるダイアログ・ボックスの例を示す。図24
はリンク・マーカのスタイルの指定をエンドユーザに求
めるダイアログ・ボックスの例である。図25は管理の
ために(リンク・マーカのアブストラクトを表示する、
リンクをたどる等)リンクの選択をエンドユーザに求め
るダイアログ・ボックスの例である。図26は、ハイパ
ーメディア・データベースをサーチするためにキーワー
ドの入力をユーザに求めるダイアログ・ボックスの例で
ある。
【0101】クライアント・アプリケーションは、ダイ
アログ・ボックスを表示または管理するためにLMSサ
ービスを呼び出す必要はない。このサポートはLMSが
自動的に提供する。これによりLMSサービスを利用す
るアプリケーションはすべて、クライアント・アプリケ
ーションが変わっても一貫したハイパーメディア・ダイ
アログ・ボックスを提供することができる。
【0102】LMSは全ダイアログ・ボックスの定義
(外観/動作)を格納する。エンドユーザがハイパーメ
ディア・サービス(通常はメニューの使用)を要求した
とき、LMSは要求の実行を開始する。その間、ダイア
ログ・ボックスの表示が必要(他の情報が必要等)と判
断された場合は、LMSがそれらを表示する。ハイパー
メディア・ダイアログ・ボックスはいずれもLMSオブ
ジェクト(リンク、リンク・マーカ等)に関連している
ので、LMSは、クライアント・アプリケーションの協
力がなくてもエンドユーザの要求をオブジェクトに適用
することができる。
【0103】図27は、ダイアログ・ボックス管理のロ
ジックの流れ図である。LMSコマンド・プロセサ18
1が実行する各コマンド(マーカ作成、リンク形成、事
項変更等)について、ダイアログ・ボックスが必要かど
うかが判定される(判断ブロック182)、答えが肯定
ならLMSはダイアログ・ボックスを表示する(機能ブ
ロック183)。このようなダイアログ・ボックスはメ
ニューと同じようにLMSリソースとともに格納され
る。クライアント・アプリケーションと一緒に格納され
ることはない。ユーザ・インタフェースはそっくりLM
Sとともに格納される。つまりモジュール形式であり、
LMSの新バージョンが導入された場合は、新しいユー
ザ・インタフェースが、クライアント・アプリケーショ
ンの1部としてエンドユーザに提示される。クライアン
ト・アプリケーション・コードを書き換える必要がな
い。
【0104】いずれにしてもダイアログ・ボックスは、
LMSがどのオブジェクトを操作の対象にしているか
(マーカかドキュメントかリンクか等)に応じて表示さ
れる。ダイアログ・ボックスが、それとユーザとのイン
タラクションに基づいてオブジェクトを変更する(判断
ブロック184)。そしてLMSが何らかの変更を加え
ようとしていることをアプリケーションに伝えるメッセ
ージがアプリケーションに送られ(機能ブロック18
5)、ここでアプリケーションは継続できるかどうかを
応答する(メッセージ・ブロック186)。アプリケー
ションが継続できると応答すれば、LMSはコマンドを
処理し(機能ブロック187)、上述のようにアプリケ
ーションに通知を出す(機能ブロック188)。
【0105】判断ブロック184に戻るが、ダイアログ
・ボックスがオブジェクトを変更するのでなければ、L
MSは、アプリケーションが変更を加えるべきかどうか
をアプリケーションに聞くことはしない。その代わりL
MSはコマンドを処理する(機能ブロック189)。
【0106】最後に、ダイアログ・ボックスが判断ブロ
ック182で判定されたように用いられない場合、さら
に判断ブロック191で直接操作が必要かどうかが判定
される。直接操作はここでも、メニュー項目を選択する
ことではなくマウスでマーカをつかむことである。つま
りメニューが関係することはなく、キーボードとマウス
を使って、ものを選択し、それに対してことを行い、リ
ンクを作る等である。直接操作が必要な場合、LMSは
メッセージをアプリケーションに送る(機能ブロック1
92)。例えば直接操作がマーカを移動させることであ
れば(ところでマーカとは、ユーザがプルダウン・メニ
ューから選択できる項目である)、LMSは、あたかも
ユーザがその機能をプルダウン・メニューから選択した
かのように、マーカを移動させようとするというメッセ
ージをアプリケーションに送る。これによりクライアン
ト・アプリケーションは、ユーザがこのようなアクティ
ビティを実行するために使う方法を意識する必要がな
い。前述のとおり、LMSは、アプリケーションが先に
進むかどうかの応答を待つ。アプリケーションが先に進
めると応答すれば、他の場合と同様、コマンドを処理し
てからアプリケーションに通知を出す(機能ブロック1
88)。
【0107】LMSが提供するEUIの他のエリアの場
合と同じく、クライアント・アプリケーションがハイパ
ーメディアをサポートする必要がなくても、クライアン
ト・アプリケーションは、LMSが提供したダイアログ
・ボックスの変更、エンハンス、表示の防止等を行え
る。またクライアント・アプリケーションが、LMSの
ダイアログ・ボックスを、LMSがそれを必要とみなし
たときだけではなくその選択時にも表示するためのサー
ビスが提供される。
【0108】ドキュメント間リンクのサポートに必要な
情報はすべて、ウェブという別のデータベース(図5参
照)内にLMSによって維持される。クライアント・ア
プリケーションのデータを入れるファイルは、そのアプ
リケーションがLMSサービスを利用するために変更す
る必要はない。その代わり、すべてのハイパーメディア
・オブジェクトの、理論上はパラレルな“ビュー”また
は“オーバレイ”がウェブ・データベースに格納され
る。クライアント・アプリケーションは、このデータベ
ースのフォーマットも、データベースへのアクセスも考
慮する必要がない。これらはすべてLMSによって処理
される。このデータベースは、シングルユーザのワーク
ステーション環境、或いはマルチ・ワークステーション
/ユーザ/プロセス(ネットワーク等)環境でも使え、
更新を含めてデータベース・アクセスを共有することが
できる。LMSのハイパーメディア・オブジェクトはし
たがって、クライアント・アプリケーションが終了した
後でも(データベース内に)存続し、クライアント・ア
プリケーションがそのドキュメントを表現するのに再び
用いられるときにも使えるようになる。以下、クライア
ント・アプリケーションの負担を大幅に軽減するこの設
計について述べる。
【0109】ハイパーメディア・オブジェクトはドキュ
メント、プレゼンタ、リンク・マーカ、及びリンクであ
る。LMSは新しいハイパーメディア・オブジェクト及
び変更されたハイパーメディア・オブジェクトをすべて
データベースにセーブし、削除が要求されたハイパーメ
ディア・オブジェクトをすべてデータベースから除外す
る。これはそれを要求されたとき(エンドユーザまたは
クライアント・アプリケーションによって)、また、ク
ライアント・アプリケーションが終了したとき(エンド
ユーザまたはクライアント・アプリケーションによって
終了しないように要求されていない場合)に行われる。
【0110】ハイパーメディア・オブジェクトがすでに
データベースにあった場合クライアント・アプリケーシ
ョンが自分とそのドキュメントをLMSに示すと、LM
Sは関連するハイパーメディア・オブジェクト・データ
をデータベースから自動的にロードし、その時点でクラ
イアント・アプリケーションによって表示されているド
キュメントの部分に適したリンク・マーカを表示する。
【0111】ハイパーメディア・オブジェクトがデータ
ベースにない場合クライアント・アプリケーションが最
初にLMSに認識されたとき(クライアント・アプリケ
ーションがLMS APIを介してLMSに“チェック
イン”したとき)、クライアント・アプリケーションに
ついてのLMSデータ(その名前等)を持つプレゼンタ
・オブジェクトがLMSによって自動的に作成される。
これはドキュメント・オブジェクトでも同じである。L
MSは、エンドユーザによって(LMS EUIを使
用)またはクライアント・アプリケーションによって
(LMSAPIを使用)要求されたときはリンク・マー
カとリンク・オブジェクトを作成する。後者(LMS
API)の例として、ヒューリスティックなクライアン
ト・アプリケーション或いは他のAI(人工知能)クラ
イアント・アプリケーション、或いは、既に存在する
(おそらくは大量の)機械可読情報に関してドキュメン
ト、リンク・マーカ、及びリンク・オブジェクトを動的
に(エンドユーザの手を借りずに)作成するように書か
れたプログラム等があげられる。機械可読情報のフォー
マット、内容、及びセマンティック・アソシエーション
は、利用度の高い(おそらくは非線形の)ハイパーメデ
ィア・アソシエーションのウェブ・データベース(機器
の保守情報、百科事典、医療情報、人材情報、系統的学
習やアリストテレス的な発見を可能にする教育コース、
販売/カタログ情報、辞書等)が得られるようにプログ
ラムによって認識または発見される。
【0112】図28、図29は、LMSデータベースの
保守に関する流れ図である。図29に示したプロシジャ
は図28のプロシジャから呼び出される。データベース
保守プロシジャは、ハイパーメディア・システムのユー
ザがドキュメント、リンク・マーカ、リンク等を作成、
変更、或いは削除したときに起動される。図28、図2
9で、データベース・オブジェクトとの関係からロック
とアンロックに言及するのは、それらを他に利用できる
範囲を説明するためである。ロックは、排他的使用権を
得ることを、アンロックは排他的使用権を解除して他が
使用できるようにすることをいう。したがって、あるプ
ロセスがLMSのドキュメント・データベース・オブジ
ェクトをロックした場合、他のプロセスは、オブジェク
トがアンロックされるまでは、データベース内のそのオ
ブジェクトへアクセスすることができない。プロセスが
LMSデータベース(全体)をロックした場合、他のプ
ロセスは、データベースがアンロックされるまではデー
タベース内のどのオブジェクトもアクセスすることがで
きない。
【0113】まず図28について述べる。LMSデータ
ベース更新プロシジャでは最初、判断ブロック201
で、更新対象のドキュメントがデータベースに存在する
かどうかが判定される。存在する場合、ドキュメントは
データベース内でロックされる(機能ブロック20
2)。他の場合ドキュメントは機能ブロック203でロ
ックされるが、いずれの場合でも、さらに、ドキュメン
トが削除されるかどうかが判定される(判断ブロック2
04)。削除される場合、プロセスは最初のループに入
り、ドキュメントに属するリンク・マーカが識別されて
削除される。このループの先頭は判断ブロック205
で、ここで、これがこのドキュメントに属する最初のリ
ンク・マーカかどうか、または別のリンク・マーカがあ
るかどうかが判定される。肯定なら、リンク・マーカに
削除のためのフラグが立てられ(機能ブロック20
6)、プロシジャ207においてリンク・マーカとその
リンクがデータベースから除外される。これはリンク・
マーカとリンクのデータベースの更新プロシジャ(LM
LDBU)を呼び出すことによって行われる(図29に
より後述)。このプロシジャからのリターン後、プロセ
スは判断ブロック205にループバックする。
【0114】判断ブロック205での判定が、リンク・
マーカがないか、または全リンク・マーカにフラグが立
てられていることを示す場合、ドキュメントはデータベ
ースから削除される(機能ブロック208)。次に判断
ブロック209で、ドキュメントがデータベースに存在
していたかどうかが判定される。そうならプロシジャが
終了する前にドキュメントのロックがデータベース内で
破壊され(機能ブロック210)、他の場合はプロシジ
ャが終了する前に最初にデータベースがアンロックされ
る(機能ブロック211)。
【0115】判断ブロック204に戻るが、ドキュメン
トが削除されないとすると、第2のループが取られ、ド
キュメントに属するリンク・マーカが識別され、更新が
行われる。このループの先頭は判断ブロック212で、
ここで、これがこのドキュメントに属する最初のリンク
・マーカか、または他にリンク・マーカがあるかどうか
が判定される。肯定ならさらに、判断ブロック213に
おいてリンク・マーカが新しいものか、変更されている
か、或いは削除されているかが判定される。肯定であれ
ば、プロシジャ214が呼び出され、リンク・マーカと
そのリンクがデータベース内で更新される。プロシジャ
214はプロシジャ207と同じであり、これも図29
により後述する。プロシジャ214から戻った後、また
はリンク・マーカが新しくないか、変更されているか、
または削除されている(判断ブロック213)場合、プ
ロセスは判断ブロック212にループバックする。
【0116】すべてのリンク・マーカが識別、更新され
ると、ループが終了して判断ブロック215が取られ、
ここでドキュメントが新規かまたは変更されているかど
うかが判定される。肯定なら、ドキュメント・オブジェ
クト・データがデータベースに書き込まれる(機能ブロ
ック216)。いずれにしてもドキュメントがデータベ
ースに存在していたかどうかが判定される(判断ブロッ
ク217)。存在していた場合、プロシジャが終了する
前にドキュメントがデータベース内でアンロックされる
(機能ブロック218)。他の場合プロシジャが終了す
る前にデータベースがアンロックされる(機能ブロック
211)。
【0117】次に図29について述べる。リンク・マー
カとリンクのデータベースの更新プロシジャが図28の
プロシジャ207または214で呼び出されたとき、最
初に判断ブロック221で、リンク・マーカがデータベ
ースに存在するかどうかが判定される。そうならリンク
・マーカがデータベースでロックされる(機能ブロック
222)。他の場合データベースがロックされる(機能
ブロック223)。いずれの場合でもリンク・マーカが
削除されるかどうかが判定される(判断ブロック22
4)。削除される場合はプロシジャは最初のループに入
り、リンク・マーカにつながるリンクが識別され、これ
らのリンクが削除される。このループの先頭は判断ブロ
ック225で、ここで、これがリンク・マーカにつなが
る最初のリンクかまたは別にリンクがあるかどうかが判
定される。肯定なら、リンクのもう一端のリンク・マー
カがデータベースでロックされる(機能ブロック22
6)、次にもう一端のリンク・マーカがデータベースか
ら読み出され、リンクがデータベースから切断され、も
う一端のリンク・マーカが再びデータベースに書き込ま
れる(機能ブロック227)。リンクのもう一端のリン
ク・マーカがデータベース内でアンロックされ(機能ブ
ロック228)、そこでプロセスが判断ブロック225
にループバックする前にリンクがデータベースから削除
される(機能ブロック229)。
【0118】全リンクが識別されると、ループが終了し
て機能ブロック230が取られ、ここでリンク・マーカ
がデータベースから削除される。次に、リンク・マーカ
が前にデータベースに存在していたかどうかが判定され
る(判断ブロック231)。その通りならプロセス終了
前にリンク・マーカのロックが破壊され(機能ブロック
232)、他の場合にはプロセス終了前に最初にデータ
ベースがアンロックされる(機能ブロック233)。
【0119】判断ブロック224に戻るが、リンク・マ
ーカが削除されない場合は、プロセスは第2のループに
入り、リンク・マーカにつながるリンクが識別され、更
新が行われる。このループの先頭は判断ブロック234
である。ここで、これがリンク・マーカにつながる最初
のリンクかまたは他にリンクがあるかどうかが判定され
る。肯定ならリンクが新しいか、変更されているか、ま
たは削除されているかが判定される(判断ブロック23
5)。肯定ならリンクが削除されるかどうかが判定され
る(判断ブロック236)。削除される場合はリンクの
もう一端のリンク・マーカがデータベース内でロックさ
れる(機能ブロック237)。次にもう一端のリンク・
マーカがデータベースから読み出され、リンクがデータ
ベースから切断され、もう一端のリンク・マーカが再び
データベースに書き込まれる(機能ブロック238)。
リンクのもう一端のリンク・マーカがデータベース内で
アンロックされ(機能ブロック239)、プロシジャが
判断ブロック234にループバックする前にリンクがデ
ータベースから削除される(機能ブロック240)。リ
ンクが削除されず、新規かまたは変更されている場合
は、プロシジャが判断ブロック234にループバックす
る前にリンク・オブジェクト・データがデータベースに
書き込まれる(機能ブロック241)。
【0120】全リンクが識別、更新されると、ループは
終了し、判断ブロック242でリンク・マーカが新規か
または変更されているかどうかが判定される。肯定なら
リンク・マーカのオブジェクト・データがデータベース
に書き込まれる(機能ブロック243)。いずれの場合
でもさらに、リンク・マーカがデータベースに存在して
いたかどうかが判定される(判断ブロック244)。そ
の通りならリンク・マーカがデータベース内でアンロッ
クされる(機能ブロック245)。他の場合プロシジャ
が終了する前にデータベースがアンロックされる(機能
ブロック233)。
【0121】LMSは、クライアント・アプリケーショ
ンの負担を軽減するメカニズムを提供するが、クライア
ント・アプリケーションを制約するのは望ましくない。
負担が軽減されるときはしばしば、アプリケーションが
実際にその機能に制約を受けることがある。LMSがコ
マンドを処理する前に必ず通知メッセージを送る理由は
そこにある。
【0122】クライアント・アプリケーションには、あ
る特定のLMSオブジェクト(特にマーカやリンク等)
とのそれ自身のリンクについての情報を格納する方法が
与えられる。例えばテキスト・エディタ・アプリケーシ
ョンがリンク・マーカ・サービスで自分を使えるように
して、そのファイル内のどの行番号にマーカが関連づけ
られているかを知りたい場合、LMSはクライアント・
アプリケーションのデータを知らず、したがってLMS
は行が何かを認識しない。この問題を解決するために、
ユーザ・データと呼ばれるLMSオブジェクト(マーカ
とリンク)の各々にエリアが設けられ、このエリアのデ
ータにアクセスするためのAPIが提供される。基本的
にはこれはLMSがそこに格納されているデータを認識
しないエリアである。これはアプリケーションがデータ
を格納できるエリアである。LMSは、そのデータが全
くのバイナリ・データなので調べず、アプリケーション
は何でもそこに格納することができる。例えばマーカが
5行目に属することを知っている場合、アプリケーショ
ンは何らかの構造体をユーザ・データにセットするか、
または任意に整数1個をセットし、このマーカが5行目
に当たることを伝えることができる。そこでLMSはと
もかくデータを、マーカ・オブジェクトとともにウェブ
・データベースに格納する。エディタが次にドキュメン
トを表示し、マーカとリンクをすべてロードすることを
LMSに指示すると、LMSが各マーカをたどり、LM
Sによって提供された機能を使ってマーカを列挙する。
そのとき各マーカについて、マーカに関連するユーザ・
データを識別する。この例の場合、ユーザ・データはア
プリケーションが格納したものと同じである。LMSが
ともかくアプリケーションが格納したデータを提供す
る。LMSはそのデータにどんな意味があるかを知らな
いが、アプリケーションは、そのマーカが5行目に当た
ることを意味するものと認識する。この時点でアプリケ
ーションは、APIを通してマーカを再配置する等、ア
プリケーションが望む操作を行える。
【0123】これはリンクについても同じである。リン
クのユーザ・データは、マーカのユーザ・データと全く
同じように動く。リンク・ユーザ・データの使用例とし
ては、リンクが確立されるたびに、アプリケーション
が、リンクの作成時にその状態がどうだったかについて
の情報を維持しようとする場合(アプリケーションがタ
イトル・バーを持つことができるかどうか等)があげら
れる。アプリケーションが実行したいことは、そのリン
ク・ユーザ・データ(すなわちリンクが完成したときに
タイトル・バーを持たないということ)を格納すること
かもしれない。別の場合、もしタイトル・バーを持って
いるとしたら、アプリケーションがそのリンクを格納す
ることになる。そのリンクがたどられ、アプリケーショ
ンが起動されてそのドキュメントがロードされるとき、
アプリケーションは、このリンク内のユーザ・データを
チェックする。ユーザ・データは、このリンクが作成さ
れたときにアプリケーションはタイトル・バーを持って
いなかったことをアプリケーションに教える。それでア
プリケーションはそのタイトル・バーを隠すが、他のリ
ンクが検出されると、アプリケーションには、それがタ
イトル・バーを持っていたことがユーザ・データによっ
て教えられるので、タイトル・バーが表示される。
【0124】LMSはユーザ・データを理解しない。こ
れは、アプリケーションが各リンク、各マーカとともに
維持しておける小さいノートのようなものである。また
LMSは、リンクとマーカの両方を伴うユーザ・キーと
いうものを持つ。これはアプリケーションにとっては、
マーカまたはリンクを素早くソートしてファイルにしま
うための手段である。これはキーであるから、アプリケ
ーションがいつでも特定のマーカ項目を1つアクセスし
たいが、多くのマーカ(たとえば数千)がドキュメント
に関連する場合、アプリケーションは、特別に長い値を
マーカに割り当てることができる。ほとんどのLMS機
能が、ユーザ・キーをパラメータとするので、ユーザが
最初のマーカを検索したい場合は、LMSは単に、マー
カ全部から見つけられる最初のマーカを返す。しかしユ
ーザが、ユーザ・キーが10である最初のマーカの検索
を求める場合、LMSがすべてのマーカをサーチし、ど
のマーカにユーザ・キー10があるかを判定する。
【0125】LMSは、エンドユーザによる(LMS
EUIを使用)ハイパーメディア・オブジェクトの削除
及びクライアント・アプリケーションによる(LMS
APIを使用)その削除を可能にする。リンクがリンク
・マーカから削除されると、LMSはそのもう一端を、
それが結びつけられたリンク・マーカから自動的に削除
する。リンク・マーカがドキュメントから削除される
と、LMSはドキュメントに結びつけられたすべてのリ
ンクを自動的に削除する。ドキュメントが削除される
と、LMSはドキュメントのすべてのリンク・マーカを
削除する。
【0126】ドキュメント、リンク・マーカ、及びリン
クの属性は、エンドユーザが(LMS EUIを使っ
て)、或いはクライアント・アプリケーションが(LM
S APIを使って)変更することができる。例えばリ
ンク・マーカのスタイル、サイズ、位置等をこれらのフ
ァシリティを使って変更することができる。
【0127】リンク・マーカ、リンク、ドキュメント、
及びプレゼンタについての情報はすべて、LMSによっ
て管理されるデータベースに維持されるので、LMS
は、エンドユーザがリンクをたどろうとしたとき、どの
プレゼンタでどのドキュメントをもってくるかを判定す
ることができる。リンク・マーカは、クライアント・ア
プリケーションの介入なく自身のメッセージを取得して
処理するので(上記の「マウス処理」参照)、LMSは
リンクがどこへ行くか(プレゼンタPがドキュメントD
を必要ならリンク・マーカMに対して位置づける等)を
データベースに問い合わせることによって判定できる。
LMSはアプリケーションを投入(起動)できるので、
エンドユーザはLMSによってリンクをたどることがで
き、クライアント・アプリケーションの手を借りる必要
がない。
【0128】LMSは、ハイパーメディアをサポートす
る(よってクライアント・アプリケーションのコード化
作業と開発時間を少なくする)のに必要な作業のほとん
どを引き受けるために何でもこなすとしても、クライア
ント・アプリケーションが、ハイパーメディア・システ
ムの挙動やデータの変更に関して制御を行えないように
するのは望ましくない。LMSはこの制御機能を、メッ
セージとアプリケーション・プログラミング・インタフ
ェース(API)を通して提供する。
【0129】上述のように、リンク・マーカのLMS的
なプッシュ・ボタンは2つのスタイルに分けられる。1
つは外観は“3次元”で、“押された”ときにその動き
が表示され、もう1つは“モノクロ”と呼ばれ、外観は
2次元である。いずれについても任意に、リンク・マー
カのリンクがナビゲートされる場合に取得される情報を
簡単に記したテキストを入れることができる。したがっ
てリンク・マーカのテキストは、リンク・マーカのリン
クのもう一端にある情報を短くまとめたものと考えるこ
とができる。
【0130】リンク・マーカに入ったテキストのほか
に、LMSは、リンク・マーカによって保有されるリン
ク・マーカ・アブストラクト・オブジェクトを実現す
る。これはリンク・アブストラクト・データで、保有す
るリンク・マーカの位置で検出できる情報についてのア
ブストラクト・テキスト情報と定義される。LMSが、
対象となるリンク・マーカ候補のリストをユーザに提示
するとき(リンクが2つ以上伸びているリンク・マーカ
をユーザが“クリック”した結果、またはリンク・マー
カ・アブストラクトをサーチした結果)、対象となるリ
ンク・マーカ候補の各々が、(1)対象のアブストラク
ト・テキスト − 存在しない場合は、(2)対象の親
ドキュメント名 − 存在しない場合は、(3)対象の
プレゼンタ名、によってリストアップされる。したがっ
て、少なくともリンク・マーカについて短くまとめられ
たデータがあれば、ナビゲーションの対象となる候補を
表示するときに目安となるものをエンドユーザに提供す
ることができ、これはサーチにも役立つ。リンク・マー
カのアブストラクト・オブジェクトは、存在する場合
は、ショートとロングの2つまでのアブストラクト・テ
キストから成り、両方でもいずれか一方でも置ける。
【0131】リンク・マーカ・アブストラクトのショー
ト・テキスト・データは、1行に表示するのに適した簡
単な説明文とするものである。リンク・マーカ・アブス
トラクトのロング・テキスト・データは、それを保有す
るリンク・マーカの位置で検出できる情報について多く
の情報を提供することが求められる場合に使用するもの
である。このテキストはキャラクタ数で数万個にもな
り、ある言語のキャラクタ・セットではもっと多くな
る。ロング・アブストラクト・テキストは、エンドユー
ザが要求したときにのみ表示されるが、アブストラクト
・サーチのときには必ず調べられる。サーチを想定し
て、他ではなくテキストにキーワードを指定するのが望
ましい場合は、おそらくは最初に説明文を読もうとする
ようなエンドユーザの便宜を考えて、ロング・アブスト
ラクトの終わりにキーワードを置くのがよいだろう。
【0132】LMSは、ハイパーメディア・メニュー、
ダイアログ・ボックス、マウス処理、及びリンク・マー
カ表示管理について、すべてのクライアント・アプリケ
ーションで一貫したエンドユーザ・インタフェースを提
供する。これらのファシリティは、このようなものの外
観を与えるためのものであると同時に、これらのファシ
リティにより、エンドユーザの要求をセマンティックに
満たすコードが実行される。LMS、アプリケーショ
ン、及びEUIの機能的な関係を要約すると図30のよ
うになる。ユーザは、ブロック284に示すように、コ
マンド(つまりメッセージ)をいろいろな方法で入力す
ることができる。マウス、キーボード、LMSメニュー
等がそれである。メッセージは最初にアプリケーション
・ウィンドウ285を通してアプリケーション・プログ
ラムに入力することができる。メッセージはアプリケー
ション286のメッセージ処理コードに引き渡され、ア
プリケーションがメッセージを処理しないことを決めれ
ば、メッセージはLMS287のメッセージ処理コード
に送られる。一例としてメニュー(プルダウン・メニュ
ーとコンテクスト・メニュー)の作成がある。一方メッ
セージがLMSメッセージの場合は、LMS287に直
接渡される。この例としてはリンク・マーカが選択され
た場合があげられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パーソナル・コンピュータの図である。
【図2】図1のパーソナル・コンピュータの機能ブロッ
ク図である。
【図3】図1、図2に示したパーソナル・コンピュータ
に実現されたリンク・マネジャ・サービスの機能ブロッ
ク図である。
【図4A】マーカからオブジェクトへの(1方向)リン
クを示すブロック図である。
【図4B】マーカからマーカへの(両方向)リンクを示
すブロック図である。
【図5】オープン・システムにおけるリンク・マネジャ
・サービス相互の機能的関係を示すブロック図である。
【図6】クライアント・アプリケーションのウィンドウ
・プロシジャのロジックを示す流れ図である。
【図7】ナビゲーションの前のドキュメントとマーカを
示す画面である。
【図8】ナビゲーションの後の新しいドキュメントとマ
ーカを示す画面である。
【図9】ドキュメント上でマウスがクリックされたとき
のコンテクスト・メニューを示す画面である。
【図10】リンク・マーカ上でマウスがクリックされた
ときのコンテクスト・メニューを示す画面である。
【図11】マウスでコマンド・バーのLINKがクリッ
クされたときのプルダウン・メニューを示す画面であ
る。
【図12】マウスで図11の第1プルダウン・メニュー
のMANAGE MARKERSがクリックされたとき
の第1プルダウン・メニューを示す画面である。
【図13】マウスで図12の第2プルダウン・メニュー
のCREATE MARKERがクリックされたときの
第3プルダウン・メニューを示す画面である。
【図14】マウスで図11のプルダウン・メニューのM
ANAGE LINKSがクリックされたときの第2プ
ルダウン・メニューを示す画面である。
【図15】マウスで図14の第2プルダウン・メニュー
のCREATE LINKがクリックされたときの第3
プルダウン・メニューを示す画面である。
【図16】LMSによって実行されるプルダウン・メニ
ュー処理のロジックを示す流れ図である。
【図17】LMSによって実行されるコンテクスト・メ
ニュー処理のロジックを示す流れ図である。
【図18】LMSによって実行される非メニュー・コマ
ンド・メッセージ処理のロジックを示す流れ図である。
【図19】LMSによって実行されるマーカ作成プロシ
ジャのロジックを示す流れ図である。
【図20】LMSによって実行されるマーカ・ウィンド
ウ・プロシジャのロジックを示す流れ図である。
【図21】トランスペアレントなウィンドウまたは見え
ないウィンドウをサポートするウィンドウ描画プロシジ
ャのロジックを示す流れ図である。
【図22】見えないマーカ(ウィンドウ)の位置を反転
表示によって示す画面表示である。
【図23】通常はウィンドウが画面に描かれるときに取
られるプロシジャを説明する重なり合った複数のウィン
ドウの画面である。
【図24】リンク・マーカのスタイルを選択するLMS
ダイアログ・ボックスの一例を示す画面である。
【図25】リンクを管理するLMSダイアログ・ボック
スの一例を示す画面である。
【図26】LMSハイパーメディア・データベースのサ
ーチを開始するLMSダイアログ・ボックスの一例を示
す画面である。
【図27】LMSによって実行されるダイアログ・ボッ
クス管理プロシジャのロジックを示す流れ図である。
【図28】LMSデータベース更新プロシジャのロジッ
クを示す流れ図である。
【図29A】図28に示したプロシジャによって呼び出
されるリンク・マーカとリンク・データベースの更新プ
ロシジャのロジックを示す流れ図である。
【図29B】図28に示したプロシジャによって呼び出
されるリンク・マーカとリンク・データベースの更新プ
ロシジャのロジックを示す流れ図である。
【図30】LMS、アプリケーション、及びEUIの機
能的関係を示すブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・アンソニー・スティーブンス アメリカ合衆国メリーランド州、ボイド、 トップリッジ・ドライブ 20501番地 (56)参考文献 特開 昭62−156721(JP,A) 特開 平2−263227(JP,A) 特開 平2−4027(JP,A) 特開 昭64−14678(JP,A) 国際公開90−10913(WO,A)

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】個々のアプリケーションのデータをディス
    プレイ・デバイスの画面で、各アプリケーションに対応
    する別々のアプリケーション・ウィンドウに表示するこ
    とができ、各アプリケーション・ウィンドウが、該デー
    タが表示されるアプリケーションの基本ワークスペース
    を含む、オープン・ハイパーメディア・システムにおい
    て、該ハイパーメディア・システムによって実行される
    グラフィカル・ユーザ・インターフェース方法であっ
    て、アプリケーションの初期化時に上記ハイパーメディ
    ア・システムとアプリケーションが相互に認識できるよ
    うにするステップと、上記ディスプレイ・デバイス上で
    ユーザ制御ポインタの現在位置をモニタするステップ
    と、ユーザの最初の入力と上記ポインタの上記現在位置
    に応答して、アプリケーション・ウィンドウ内の上記ユ
    ーザ制御ポインタの現在位置に適した選択可能なサービ
    スのメニューを表示するステップとを含むことにより、
    該ハイパーメディア・システムから得られるハイパーメ
    ディア・サービスを利用するアプリケーションに、同一
    形式の一貫したグラフィカル・ユーザ・インタフェース
    を提供し、かつ選択可能なハイパーメディア・サービス
    のメニューを上記アプリケーションから独立してユーザ
    に提示するグラフィカル・ユーザ・インタフェース方
    法。
  2. 【請求項2】選択された上記サービスの実行要求を受理
    したことを示すメッセージを上記アプリケーションに送
    るステップを含む、請求項1のグラフィカル・ユーザ・
    インタフェース方法。
  3. 【請求項3】上記アプリケーションが上記選択されたサ
    ービスの処理を上記ハイパーメディア・システムに要求
    した場合に該アプリケーションからメッセージを受け取
    るステップを含む、請求項2のグラフィカル・ユーザ・
    インタフェース方法。
  4. 【請求項4】上記ユーザ制御ポインタが、上記ディスプ
    レイ・デバイスの画面上のカーソルであって、上記ウィ
    ンドウがアクション・バーを含み、上記メニュー表示ス
    テップが、上記ユーザ入力の時点で該ポインタが該アク
    ション・バー内のコマンド上に位置するときに該コマン
    ドに対応する選択可能なサービスを提供するポップダウ
    ン・メニューを表示するステップより成る、請求項1の
    グラフィカル・ユーザ・インタフェース方法。
  5. 【請求項5】上記ユーザ制御ポインタが、上記ディスプ
    レイ・デバイスの画面上のカーソルであって、上記メニ
    ュー表示ステップが、上記ユーザ入力の時点で上記アプ
    リケーションの基本ワークスペース内の該カーソルの位
    置に従って選択可能なサービスを提供するコンテクスト
    ・メニューを表示するステップより成る、請求項1の方
    法。
  6. 【請求項6】上記ユーザ制御ポインタが、上記ディスプ
    レイ・デバイスの画面上のカーソルであって、上記ウィ
    ンドウがアクション・バーを含み、上記メニュー表示ス
    テップが、上記ユーザ入力の時点で上記カーソルが上記
    アクション・バー内のコマンド上に位置するときに該コ
    マンドに対応する選択可能なサービスを提供するポップ
    ダウン・メニューを表示するステップと、上記ユーザ入
    力の時点で上記アプリケーションの基本ワークスペース
    内の上記カーソルの位置に従って選択可能なサービスを
    提供するコンテクスト・メニューを表示するステップと
    より成り、上記ポップダウン・メニューと上記コンテク
    スト・メニューが、上記アプリケーションから独立した
    同一形式の一貫したフォーマットを備える、請求項1の
    グラフィカル・ユーザ・インタフェース方法。
  7. 【請求項7】選択されたサービスを処理するために別の
    情報が必要なときに、サービスのユーザによってメニュ
    ーから選択されたものに応答してユーザ入力を受け取る
    ために上記画面にダイアログ・ボックスを表示するステ
    ップを含む、請求項1のグラフィカル・ユーザ・インタ
    フェース方法。
  8. 【請求項8】上記ダイアログ・ボックスが、上記画面に
    表示されたオブジェクトを変更するオプションをユーザ
    に与え、オブジェクトを変更するためのユーザ入力を受
    け取るステップと、上記ハイパーメディア・システム
    が、上記オブジェクトを変更するための上記ユーザ入力
    を処理するというメッセージをアプリケーションに引き
    渡すステップと、上記アプリケーションが上記メッセー
    ジを受け取った場合に上記ユーザ入力を処理するステッ
    プとを含む、請求項7のグラフィカル・ユーザ・インタ
    フェース方法。
  9. 【請求項9】上記ユーザ入力が処理されたときに上記ア
    プリケーションに通知を出すステップを含む、請求項8
    のグラフィカル・ユーザ・インタフェース方法。
  10. 【請求項10】個々のアプリケーションのデータをディ
    スプレイ・デバイスの画面で、別々のアプリケーション
    ・ウィンドウに表示することができ、該ウィンドウの各
    々が、上記データが表示されるアプリケーションの基本
    ワークスペースを含み、オープン・ハイパーメディア・
    システムから得られるハイパーメディア・サービスを利
    用するアプリケーションに、同一形式の一貫したグラフ
    ィカル・ユーザ・インタフェースを提供するハイパーメ
    ディア・システムにおいて、該ハイパーメディア・シス
    テムによって実行される方法であって、上記画面上のア
    プリケーション・ウィンドウ内に、他のリンク・マーカ
    やオブジェクトにリンクされた第1リンク・マーカを表
    示するステップと、上記リンク・マーカのデータベース
    を維持するステップと、上記第1リンク・マーカのユー
    ザによる起動に応答して、上記データベースをサーチ
    し、該第1リンク・マーカにリンクされたリンク・マー
    カまたはオブジェクトを上記画面に表示するステップと
    を含む、ハイパーメディア・システム実行方法。
  11. 【請求項11】上記第1リンク・マーカが、複数のリン
    ク・マーカまたはオブジェクトにリンクされ、該リンク
    の表現を上記画面に表示して、ナビゲート対象のリンク
    を選択することを上記ユーザに促すステップを含む、請
    求項10のハイパーメディア・システム実行方法。
  12. 【請求項12】上記第1リンク・マーカにリンクされた
    リンク・マーカまたはオブジェクトを上記画面に表示す
    るために、ユーザが選択したリンクをナビゲートするス
    テップを含む、請求項11のハイパーメディア・システ
    ム実行方法。
  13. 【請求項13】上記第1リンク・マーカにリンクされた
    第2リンク・マーカまたはオブジェクトが、第2アプリ
    ケーションのデータ内にあり、該第2アプリケーション
    のアプリケーション・ウィンドウ内の、該第2リンク・
    マーカまたは該オブジェクトを含む上記データを上記画
    面に表示するステップを含む、請求項10のハイパーメ
    ディア・システム実行方法。
  14. 【請求項14】上記第2アプリケーションが実行されて
    いない場合に、上記第2アプリケーションを投入するス
    テップと、上記第2アプリケーションのために上記画面
    にアプリケーション・ウィンドウを開くステップとを含
    む、請求項13のハイパーメディア・システム実行方
    法。
  15. 【請求項15】上記リンク・マーカが、上記ハイパーメ
    ディア・システムのアプリケーションのデータを含むウ
    ィンドウである、請求項10のハイパーメディア・シス
    テム実行方法。
  16. 【請求項16】上記リンク・マーカを半透明または透明
    にすることのできる、請求項15のハイパーメディア・
    システム実行方法。
  17. 【請求項17】デフォルト形状を持つユーザ制御ポイン
    タが上記ディスプレイ・デバイスの画面に表示され、上
    記ディスプレイ・デバイス上の上記カーソルの現在位置
    をモニタするステップと、上記ディスプレイ・デバイス
    上のリンク・マーカの上で上記カーソルが移動されたと
    きに該カーソルの上記デフォルト形状を第2形状に変更
    するステップとを含む、請求項15のハイパーメディア
    ・システム実行方法。
  18. 【請求項18】リンク・マーカが透明属性を持つことが
    でき、上記カーソルのデフォルト形状の上記第2形状へ
    の変更が、該カーソルの位置にリンク・マーカが存在す
    ることを示す、請求項17のハイパーメディア・システ
    ム実行方法。
  19. 【請求項19】リンク・マーカを作成、編集、または削
    除するオプションがユーザに与えられる、請求項10の
    ハイパーメディア・システム実行方法。
  20. 【請求項20】リンク・マーカとリンク・マーカのリン
    クが両方向であり、リンク・マーカとオブジェクトのリ
    ンクが1方向であって、リンク・マーカが作成されたと
    きにリンク・マーカからリンク・マーカまたはオブジェ
    クトへのリンクを確立するステップと、リンク・マーカ
    が編集されたときにリンクを含むリンク・マーカの属性
    を変更するステップと、リンク・マーカが削除されたと
    きにリンク・マーカへのリンクをすべて削除するステッ
    プとを含む、請求項19のハイパーメディア・システム
    実行方法。
  21. 【請求項21】アプリケーションからのデータを別々の
    ウィンドウに表示することができ、ウィンドウが重なり
    合い、通常は下のウィンドウの各部を覆い隠すように該
    ウィンドウを画面上で個別に移動させることのできるウ
    ィンドウイング・コンピュータ・ディスプレイにおい
    て、ウェブのためのエリアを上記画面上に割り当てるス
    テップと、上記ウィンドウの透明属性をチェックするス
    テップと、上記透明属性が検出されない場合には上記画
    面上に上記ウィンドウを描くステップと、上記透明属性
    が検出された場合には上記ウィンドウを隠し、該ウィン
    ドウが第2ウィンドウの上にくる場合には該第2ウィン
    ドウを再描画するステップとを含む、上記画面上の透明
    なウィンドウをサポートするウィンドウ管理方法。
  22. 【請求項22】上記透明なウィンドウの境界を、該透明
    なウィンドウの下のウィンドウ内のデータを隠すことな
    く、強調によって表示するステップを含む、請求項21
    のウィンドウ管理方法。
  23. 【請求項23】上記画面上でユーザの制御によってカー
    ソルを移動させることができ、上記透明なウィンドウの
    位置を示すために、該透明ウィンドウの上記エリア内の
    該カーソルの形状を変更するステップを含む、請求項2
    1のウィンドウ管理方法。
  24. 【請求項24】上記透明ウィンドウが上記第2ウィンド
    ウに重なり、透明でない第3ウィンドウが該透明ウィン
    ドウに少なくとも部分的に重なり、上記第3ウィンドウ
    を、上記透明ウィンドウに重ならないように移動させる
    ステップと、上記第3ウィンドウが上記第2ウィンドウ
    に重なっていた、上記透明ウィンドウのエリアを含むエ
    リア内で上記第2ウィンドウを再描画するステップとを
    含む、請求項21のウィンドウ管理方法。
  25. 【請求項25】個々のアプリケーションのデータをディ
    スプレイ・デバイスの画面で、各アプリケーションのた
    めの別々のアプリケーション・ウィンドウに表示するこ
    とができ、該アプリケーション・ウィンドウが各々、該
    データが表示されるアプリケーションの基本ワークスペ
    ースを含むハイパーメディア・システムであって、アプ
    リケーション初期化時に上記ハイパーメディア・システ
    ムとアプリケーションが相互に認識できるようにする手
    段と、上記ディスプレイ・デバイス上でユーザ制御ポイ
    ンタの現在位置をモニタする手段と、アプリケーション
    ・ウィンドウ内の上記ユーザ制御ポインタの現在位置に
    適した選択可能なサービスのメニューを表示するため
    に、ユーザの第1入力及び上記ポインタの上記現在位置
    に応答する手段とを含むことにより、オープン・ハイパ
    ーメディア・システムから得られるハイパーメディア・
    サービスを利用するアプリケーションに同一形式の一貫
    したグラフィカル・ユーザ・インタフェースを提供し、
    かつ選択可能なハイパーメディア・サービスのメニュー
    を、該アプリケーションから独立してユーザに提示する
    ハイパーメディア・システム。
  26. 【請求項26】上記選択されたサービスの実行要求が受
    理されたことを示すメッセージを上記アプリケーション
    に送る手段を含む、請求項25のハイパーメディア・シ
    ステム。
  27. 【請求項27】上記選択されたサービスの処理を上記ア
    プリケーションが上記ハイパーメディア・システムに要
    求した場合に該アプリケーションからメッセージを受け
    取る手段を含む、請求項26のハイパーメディア・シス
    テム。
  28. 【請求項28】上記ユーザ制御ポインタが上記ディスプ
    レイ・デバイスの画面上のカーソルであって、上記ウィ
    ンドウがアクション・バーを含み、上記メニュー表示手
    段が、上記ユーザ入力の時点で該カーソルが該アクショ
    ン・バー内のコマンド上に位置するときに該コマンドに
    対応する選択可能なサービスを提供するポップダウン・
    メニューを表示する手段を含む、請求項25のハイパー
    メディア・システム。
  29. 【請求項29】上記ユーザ制御ポインタが上記ディスプ
    レイ・デバイス上のカーソルであって、上記メニュー表
    示手段が、上記ユーザ入力の時点の上記アプリケーショ
    ンの基本ワークスペース内の上記カーソルの位置に従っ
    て選択可能なサービスを提供するコンテクスト・メニュ
    ーを表示する手段を含み、該ポップダウン・メニューと
    該コンテクスト・メニューが、上記アプリケーションか
    ら独立して同一形式の一貫したフォーマットを備える、
    請求項25のハイパーメディア・システム。
  30. 【請求項30】上記ユーザ制御ポインタが上記ディスプ
    レイ・デバイス上のカーソルであって、上記ウィンドウ
    がアクション・バーを含み、上記メニュー表示手段が、
    上記ユーザ入力の時点で上記ポインタが上記アクション
    ・バー内のコマンド上に位置するときに、該コマンドに
    対応する選択可能なサービスを提供するポップダウン・
    メニューを表示する手段と、上記ユーザ入力時点の上記
    アプリケーションの基本ワークスペース内の上記カーソ
    ルの位置に従って選択可能なサービスを提供するコンテ
    クスト・メニューを表示する手段とを含む、請求項25
    のハイパーメディア・システム。
  31. 【請求項31】選択されたサービスを処理するのに別の
    情報が必要なときにユーザがメニューからサービスを選
    択したことに応答してユーザ入力を受け取るために上記
    画面にダイアログ・ボックスを表示する手段を含む、請
    求項25のハイパーメディア・システム。
  32. 【請求項32】上記ダイアログ・ボックスが、上記画面
    に表示されたオブジェクトを変更するオプションをユー
    ザに与え、オブジェクトを変更するためのユーザ入力を
    受け取る手段と、上記ハイパーメディア・システムが上
    記オブジェクトを変更するためのユーザ入力を処理する
    とのメッセージを上記アプリケーションに引き渡す手段
    と、上記アプリケーションが上記メッセージを受け取っ
    た場合に上記ユーザ入力を処理する手段とを含む、請求
    項31のハイパーメディア・システム。
  33. 【請求項33】上記ユーザ入力が処理されたときに上記
    アプリケーションに通知を出す手段を含む、請求項32
    のハイパーメディア・システム。
  34. 【請求項34】個々のアプリケーションのデータをディ
    スプレイ・デバイスの画面上で、別々のアプリケーショ
    ン・ウィンドウに表示することができ、該ウィンドウが
    各々、上記データが表示されるアプリケーションの基本
    ワークスペースを含み、オープン・ハイパーメディア・
    システムから得られるハイパーメディア・サービスを利
    用するアプリケーションに同一形式の一貫したグラフィ
    カル・ユーザ・インタフェースを提供し、リンク・マー
    カまたはオブジェクトにリンクされたアプリケーション
    ・ウィンドウ内の第1リンク・マーカを上記画面に表示
    する手段と、上記リンク・マーカのデータベースを維持
    する手段と、上記データベースをサーチするユーザによ
    る上記第1リンク・マーカの起動に応答し、該第1リン
    ク・マーカにリンクされたリンク・マーカまたはオブジ
    ェクトを上記画面に表示する手段とを含む、ハイパーメ
    ディア・システム。
  35. 【請求項35】上記第1リンク・マーカが複数のリンク
    ・マーカまたはオブジェクトにリンクされ、上記リンク
    の表現を上記画面に表示し、ナビゲート対象のリンクの
    選択をユーザに促す手段を含む、請求項34のハイパー
    メディア・システム。
  36. 【請求項36】上記第1リンク・マーカにリンクされた
    リンク・マーカまたはオブジェクトを上記画面に表示す
    るために、ユーザが選択したリンクをナビゲートする手
    段を含む、請求項35のハイパーメディア・システム。
  37. 【請求項37】上記第1リンク・マーカにリンクされた
    第2リンク・マーカまたはオブジェクトが第2アプリケ
    ーションのデータ内にあり、該第2アプリケーションの
    アプリケーション・ウィンドウ内の該第2リンク・マー
    カまたは該オブジェクトを含む該データを上記画面に表
    示する手段を含む、請求項34のハイパーメディア・シ
    ステム。
  38. 【請求項38】上記第2アプリケーションが実行されて
    いない場合に、上記第2アプリケーションを投入する手
    段と、上記第2アプリケーションのアプリケーション・
    ウィンドウを上記画面に開く手段とを含む、請求項37
    のハイパーメディア・システム。
  39. 【請求項39】上記リンク・マーカが、上記ハイパーメ
    ディア・システムのアプリケーションのデータを含むウ
    ィンドウである、請求項34のハイパーメディア・シス
    テム。
  40. 【請求項40】上記リンク・マーカを半透明または透明
    にすることのできる、請求項39のハイパーメディア・
    システム。
  41. 【請求項41】デフォルト形状を持つユーザ制御カーソ
    ルが上記ディスプレイ・デバイスの画面に表示され、上
    記ディスプレイ・デバイス上の上記カーソルの現在位置
    をモニタする手段と、上記ディスプレイ・デバイス上の
    リンク・マーカの上で上記カーソルが移動されたとき
    に、該カーソルの上記デフォルト形状を、リンク・マー
    カを示す第2形状に変更する手段を含む、請求項40の
    ハイパーメディア・システム。
  42. 【請求項42】リンク・マーカが透明属性を持つことが
    でき、上記カーソルのデフォルト形状の上記第2形状へ
    の変更が、該カーソルの位置にリンク・マーカがあるこ
    とを示す、請求項41のハイパーメディア・システム。
  43. 【請求項43】リンク・マーカを作成、編集、または削
    除するオプションを上記ハイパーメディア・システムが
    ユーザに提供する、請求項34のハイパーメディア・シ
    ステム。
  44. 【請求項44】リンク・マーカとリンク・マーカのリン
    クが両方向で、リンク・マーカとオブジェクトのリンク
    が1方向であって、リンク・マーカが作成されたときに
    リンク・マーカからリンク・マーカまたはオブジェクト
    へのリンクを確立する手段と、リンク・マーカが編集さ
    れたときにリンクを含むリンク・マーカの属性を変更す
    る手段と、リンク・マーカが削除されたときにリンク・
    マーカへのリンクをすべて削除する手段とを含む、請求
    項43のハイパーメディア・システム。
  45. 【請求項45】アプリケーションからのデータを別々の
    ウィンドウに表示することができ、ウィンドウが重なり
    合い、通常は下のウィンドウの各部を覆い隠すように、
    該ウィンドウをコンピュータ・ディスプレイ・システム
    の画面上で個別に移動させることができ、該画面上の透
    明なウィンドウをサポートし、ウィンドウ・データベー
    スのためのエリアを上記画面上に割り当てる手段と、上
    記ウィンドウの透明属性をチェックする手段と、上記透
    明属性が検出されなかった場合には上記画面上の上記ウ
    ィンドウを描画する手段とを含み、上記透明属性が検出
    された場合には上記チェック手段が上記ウィンドウを隠
    し、該ウィンドウが第2ウィンドウに重なる場合には、
    上記描画手段が該第2ウィンドウを再描画する、ウィン
    ドウイング・コンピュータ・ディスプレイ・システム。
  46. 【請求項46】上記透明ウィンドウの下のウィンドウ内
    のデータを隠すことなく、該透明ウィンドウの境界を強
    調によって表示する手段を含む、請求項45のウィンド
    ウイング・コンピュータ・ディスプレイ・システム。
  47. 【請求項47】カーソルをユーザの制御によって上記画
    面上で移動させることができ、上記透明ウィンドウの位
    置を示すために、該透明ウィンドウの上記エリア内の該
    カーソルの形状を変更する手段を含む、請求項45のウ
    ィンドウイング・コンピュータ・ディスプレイ・システ
    ム。
  48. 【請求項48】上記透明ウィンドウが上記第2ウィンド
    ウに重なり、透明でない第3ウィンドウが該透明ウィン
    ドウに少なくとも部分的に重なり、該透明ウィンドウに
    重ならないように該第3ウィンドウを移動させる手段を
    含み、上記描画手段が後に、該透明ウィンドウのエリア
    を含む該第2ウィンドウに該第3ウィンドウが重なって
    いたエリア内の該第2ウィンドウを再描画する、請求項
    45のウィンドーイング・コンピュータ・ディスプレイ
    ・システム。
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