JPH0735021Y2 - シャワールーム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、防水カーテンで包囲形成されるシャワールー
ムに関するものである。

［従来技術及び課題］ 最近、浴室以外にシャワールームを備えた住宅が知られ
るようになり、浴室が使用中であっても手軽にシャワー
浴びができるようになった住宅が出現して来た。

屋内にシャワールームを構築する場合、例えば実公昭60
-1981号考案のように、屋内の限られた空間の一部をシ
ャワールーム用に割り当てる必要があり、屋内空間の一
部が上記シャワールームで専有されてしまう。このこと
から、シャワールームを使用しないときに屋内の空間が
シャワールームで制限された状態になって該屋内空間の
十分な有効利用が図れないと言う問題がある。

この問題を解決する為、防水カーテンで包囲される空間
をシャワールームとして利用し、シャワー使用時にのみ
シャワールームを形成し得るようにすることが考えられ
る。

即ち、排水皿と該排水皿の上方空間をその外部と遮断す
るように包囲する防水カーテンとを設け、更に、該防水
カーテンで包囲される空間内にシャワー装置を配設する
のである。

上記のものにおいて、シャワーを使用するときは、防水
カーテンを引いてシャワールームを形成し、該シャワー
ルーム内に配設したシャワー装置を利用してシャワー浴
びをする。そして、シャワー浴びが終ると、防水カーテ
ンをカーテンレールの端部に引き寄せてシャワールーム
を完全開放状態にし、シャワー使用時にのみシャワール
ームが形成されるようにして屋内空間の有効利用を図る
ようにしている。

ところが、上記防水カーテンを利用してシャワールーム
を形成する場合、防水カーテンとこれを支持するカーテ
ンレールの間や防水カーテンの下辺部等に外気が侵入す
る間隙が生じ易く、冬の寒い時期等では、上記間隙から
シャワールーム内に冷気が吹き込んで該シャワールーム
内に居る者に不快感を与える。特に、シャワールーム内
でシャワー浴びを中断しているときや、冷えているシャ
ワールームに入室した当初には、シャワー浴びをしよう
とする者に与える不快感は著しい。

本考案は上記の点に鑑みて成されたもので、防水カーテ
ンの周囲に生じる間隙部からシャワールームに流れ込む
冷気等によってシャワー浴びをしようとする者に不快感
を与えないようにすると共に、シャワー装置以外の他の
装置を用いることなく、前記不快感を解消出来るように
することをその課題とする。

［手段］ 上記課題を解決する為の請求項１の本考案の技術的手段
は、『排水皿と、該排水皿の上方のカーテンレールに垂
下装着された防水カーテンと、該防水カーテンで包囲さ
れる空間内に配設され且ハンドシャワーを具備するシャ
ワー装置を装備させたシャワールームにおいて、前記排
水皿の上方域内で且前記カーテンレールに沿ってその内
側にはシャワー装置に接続した天井シャワー用のパイプ
を設け、このパイプには下方に向かって開口する多数の
噴出口（77）（77）を長手方向に連続させ、前記シャワ
ー装置からのシャワー用温水供給回路を開閉する為の弁
装置を設けた』ことである。

［作用］ 上記技術的手段は次のように作用する。

シャワーや洗髪をするときは、既述したように防水カー
テンを引いてシャワールームを形成する。

シャワールームに入ってハンドシャワーを使用してシャ
ワー浴びを行うが、このときに弁装置を操作して防水カ
ーテンの上端の内側の天井シャワー用のパイプから温水
を噴出させると、温水のシャワーカーテンが形成され
る。これによりシャワールーム内が保温される。

［効果］ 本考案は次の特有の効果を有する。

シャワールーム内を天井シャワー用のパイプからの吐出
温水によって保温されるから、冬の寒い時期等にシャワ
ールーム内でシャワー浴びをする場合においてこれを中
断した場合に、寒さに因る不快感が解消できる。

前記保温の為に、シャワー装置の給湯器以外の熱源装置
を用いるものではないから、全体の構成が簡素化でき
る。

［実施例］ 次に、上記した本考案の実施例を図面に従って説明す
る。

第１図に示すように、本考案の実施例のシャワールーム
は、独立したユニット式に形成されており、起立壁を構
成する背面板（１）の上部からは天井板（２）が突出し
ていると共に、上記背面板（１）の下部には洗面槽
（３）を載置し且つ給湯器（37）等を収納する収納台
（４）が形成されており、該収納台（４）の下端部には
排水皿（５）を引出し自在に保持する開口部（41）が形
成されている。そして、背面板（１）の上部から突出す
る天井板（２）の下面周縁部にはカーテンレール（６）
が配設されていると共に、該カーテンレール（６）には
防水カーテン（８）（８）が装着されてその下端は排水
皿（５）の周縁起立壁（51）の内側に位置するようにな
っている。

又、背面板（１）の上部の前面部には化粧鏡（15）が添
設されていると共に、該化粧鏡（15）の側部にはハンド
シャワー（７）がハンガー（71）に着脱自在に装着され
ている。更に、化粧鏡（15）を挟んでハンドシャワー
（７）の反対側に位置する部分には暖房器（62）が設け
られ、その近傍には暖房ボタン（66）が配設されてい
る。又、洗面槽（３）の基端部上面には蛇口（31），給
水コック（32），給湯コック（33）及びシャワーコック
（38）等が配設されていると共に、収納台（４）の下部
には、足踏み式給湯栓（74）が設けられている。

第２図に示すように、上記洗面槽（３）は、収納台
（４）の上部に軸（36）で揺動起立し得るように軸支さ
れており、該洗面槽（３）の蛇口（31）には収納台
（４）内に収納配設された給湯器（37）から可撓性の給
湯配管（30）と給水配管（35）が接続され、これら給湯
配管（30）と給水配管（35）には、第３図に示すように
給水コック（32）と給湯コック（33）が各別に接続され
ている。

又、同図に示すように、上記給水コック（32）と給湯コ
ック（33）の下流側の流路は合流させられて該合流部と
蛇口（31）を繋ぐ流路には、流路を切り替える為の栓体
を回動するようにした三方弁式のシャワーコック（38）
と、その上流側の足踏み式給湯栓（74）が挿入されてい
ると共に、前者のシャワーコック（38）から分岐させた
回路には同様に三方弁式の天井シャワーコック（39）が
挿入されている。

さらに、該天井シャワーコック（39）の部分からはハン
ドシャワー（７）と天井シャワー（77）に繋がる流路が
分岐している。尚、第１図及び第２図に示すように、天
井シャワー（77）は天井板（２）の周縁部に沿って添設
され且つ下方に向く多数の噴出孔（79）（79）を穿設し
たパイプで構成されている。

又、化粧鏡（15）の側部に位置する暖房器（62）は、第
３図に示すように、電熱ヒータ（69）と該ヒータ（69）
の発生熱をシャワールーム内に送り出すファン（68）と
から構成されている。

そして、上記暖房器（62）で生成された温風は、天井板
（２）の第１温風吹出し口（22）（22）と、第１図に示
す第２温風吹出し口（23）から噴出するように構成され
ている。又、シャワールーム（Ａ）内の湿った空気は、
化粧鏡（15）の側方下部に位置する吸気口（24）から吸
引されて屋外に放出されるようになっている。

更に、第２図に示すように、排水皿（５）や洗面槽
（３）には蛇腹状の可撓管から成る排水路（56）が接続
されている。

次に、上記実施例のシャワールームの使用の実際につい
て説明する。

この実施例のものでは、第２図の想像線で示すように、
軸（36）を中心に洗面槽（３）を揺動起立させた状態に
すると共に、収納台（４）の下端の開口部（41）から排
水皿（５）を引出し、更に防水カーテン（８）（８）を
引いてシャワールーム（Ａ）を形成する。

次に、冬の寒い時期等においては、化粧鏡（15）の側方
に位置する暖房ボタン（66）を押して電熱ヒータ（69）
を発熱させると共に、送風ファン（68）を駆動させる。
すると、暖房器（62）で生成された温風が天井板（２）
や化粧鏡（15）の側部に位置する第１第２温風吹出し口
（22）（23）から吹き出してシャワールーム（Ａ）内を
暖める。

これにより、事前にシャワールーム内を暖房でき、後に
シャワールーム内に入室した場合でもシャワー浴びをす
る者に寒さによる不快な感じを与える不都合がない。

次いで、三方弁式のシャワーコック（38）を天井シャワ
ーコック（39）側に切替えると共に、三方弁式の天井シ
ャワーコック（39）を天井シャワー（77）側に切替えた
後に、給湯コック（33）を開き、この状態で、足踏み式
給湯栓（74）を開放状態にすると、給湯用熱交換器（4
3）で加熱生成された温水がシャワーコック（38）→天
井シャワーコック（39）→天井シャワー（77）と流れて
噴出孔（79）の部分から噴出する。

又、ハンドシャワー（７）を使用するときは、天井シャ
ワーコック（39）を天井シャワー（77）からハンドシャ
ワー（７）側に切替えれば良い。

上記使用状態においては、該シャワー使用時に排水皿
（５）に流下した温水は、該排水皿（５）の後部に配管
された排水路（56）を介して外部に排水される。

次に、シャワーの使用が終ると、防水カーテン（８）
（８）を開けると共に、防水皿（５）を収納台（４）内
に差し込み、更に起立状態に収納された洗面槽（３）を
水平にして各部を初期状態にする。

他方、洗髪のみを行うときは、排水皿（５）を収納台
（４）側に押し込んだ状態で防水カーテン（８）（８）
を引いてシャワールーム（Ａ）を形成し、該シャワール
ーム（８）内で、ハンドシャワー（７）と洗面槽（３）
を利用した洗髪を行う。この場合においても、冬の寒い
時期ではシャワールーム（Ａ）内を暖房器（62）によっ
て暖房した状態で洗髪を行える。

次に、この実施例のシャワールームは洗濯物を乾燥する
乾燥室としても使用できるようになっており、該乾燥室
として利用する場合には、上記シャワールームを組立て
る要領で防水カーテン（８）（８）を引いて該防水カー
テン（８）（８）で包囲される部屋を作り、天井板
（２）に並設された複数の物干し桟（26）（26）に衣類
を掛ける。そして、この状態で、化粧鏡（15）の近傍に
配設された暖房ボタン（66）を押して天井板（２）や化
粧鏡（15）の側部を位置する第1,第２温風吹出し口（2
2）（23）から温風を吹出させて上記衣類を乾燥させ
る。そして、上記のように温風を出して衣類乾燥を行っ
てもシャワールームは区画されているので暖気がシャワ
ールームから外部に多量に漏れることがなくなり、特
に、梅雨時等の洗濯物を乾燥する場合に好ましいものと
なる。

最後に、シャワールーム及び乾燥室のいずれにも使用し
ないときは、洗面槽（３）を水平にセットすると共に排
水皿（５）を収納台（４）側に押し込んでおいて洗面台
として使用し得るようにしておく。

尚、上記実施例においては排水皿（５）としては収納台
（４）内から引出す形式のものを採用したが、第５図に
示すように、起立壁の下端部近傍に軸支して起倒自在に
したものでも良く、又、第６図に示すように全体として
蛇腹上に形成して折畳み式にしてもよい。

更には、第４図に示すように、床（100）に排水皿を構
成する凹部（101）を形成し、該凹部（101）に排水路
（102）を連結しても良い。そして、該凹部（101）の開
口部（106）を被蓋する蓋（103）を設けると共に、該蓋
（103）の一端を軸（104）で揺動自在に軸支し、シャワ
ーを使用するときには、蓋（103）を開けて凹部（101）
を露出させ、この状態でシャワーを使用する。

次に、除湿乾燥機能を具備させた実施例について説明す
る。

この実施例は、第７図に示すように、防水カーテン
（８）で囲まれるシャワールーム（Ａ）内に、既述の実
施例と同様に天井シャワー（77）やハンドシャワー
（７）、更には、揺動起立させて収納状態にさせること
ができる洗面槽（３）や排水皿（５）が設けられてい
る。そして、ハンドシャワー（７）や天井シャワー（7
7）への水回路等は請求項１に対応する既述実施例と同
様に構成されている。

第７図に示す実施例のものでは、シャワールーム（Ａ）
を含む循環回路（113）を形成すると共に、該循環回路
（113）内に送風ファン（Ｆ）と冷却除湿室（111）と温
度復元室（112）が設けられており、冷却除湿室（111）
と温度復元室（112）を繋ぐ冷媒回路（115）には圧縮器
（110）が設けられている。そして、冷却除湿室（111）
には冷却用の吸熱フィン（120）が設けられていると共
に温度復元室（112）には昇温用の放熱フィン（122）が
設けられており、これら冷却除湿室（111）や温度復元
室（112）等によって乾燥室（121）が形成されている。
又、冷却除湿室（111）には排水路（114）が連設されて
いる。

このものでは、図示しない乾燥ボタンを投入すると、送
風ファン（Ｆ）と圧縮器（110）が駆動し、シャワール
ーム（Ａ）内の湿った空気が送風ファン（Ｆ）で吸引さ
れて冷却除湿室（111）内に供給されて該冷却除湿室（1
11）で露点以下に冷却されて該吸引空気の水分を除去
し、該除去された水分は排水路（114）から排水され
る。そして、冷却除湿室（111）で冷却除湿された低温
空気は、温度復元室（112）で常温に戻されて再びシャ
ワールーム（Ａ）内に供給される。

これにより、天井シャワー（77）やハンドシャワー
（７）の使用で生じたシャワールーム（Ａ）内の蒸気中
の水分は乾燥器（121）で除去され、これにより、防水
カーテン（８）の周囲の間隙から蒸気が室内に漏れる不
都合が少なくなる。

また、第７図の実施例の循環回路（113）に暖房用のヒ
ータを組込んでこれを必要に応じて発熱させれば、冬期
等の寒い時期におけるシャワールーム（Ａ）内の暖房
と、該シャワールーム（Ａ）内の乾燥効果の向上が図れ
る利点がある。

尚、排水皿（５）の変形例については既述の実施例と同
様に各種のものが採用できる。

又、上記実施例では、シャワールーム（Ａ）内で生じる
蒸気の水分を積極的に除去する乾燥器（121）を設けた
が、シャワールーム（Ａ）内と屋外を繋ぐ通気路を形成
してシャワールーム（Ａ）内を換気するようにしてもよ
い。この場合には、この換気装置が乾燥器を構成するこ
ととなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の斜視図，第２図はその縦断面
図，第３図は本考案の実施例の水回路図，第４図〜第６
図は排水皿（５）の部分の変形例を示す要部説明図，第
７図は他の実施例の要部説明図であり、図中、 （５）……排水皿 （６）……カーテンレール （８）……防水カーテン （56）……排水路

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】排水皿と、該排水皿の上方のカーテンレー
   ルに垂下装着された防水カーテンと、該防水カーテンで
   包囲される空間内に配設され且ハンドシャワーを具備す
   るシャワー装置を装備させたシャワールームにおいて、
   前記排水皿の上方域内で且前記カーテンレールに沿って
   その内側にはシャワー装置に接続した天井シャワー用の
   パイプを設け、このパイプには下方に向かって開口する
   多数の噴出口（77）（77）を長手方向に連続させ、前記
   シャワー装置からのシャワー用温水供給回路を開閉する
   為の弁装置を設けたシャワールーム。
2. 【請求項２】弁装置を、ハンドシャワーへのシャワー用
   温水供給回路と天井シャワー用のパイプへのシャワー用
   温水供給回路とを各別に開閉可能な弁装置とした請求項
   １に記載のシャワールーム。