JPH0713672Y2 - 洗面化粧台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野及び考案の概要］ 本考案は洗面化粧台に関するものであり、これの設置部
を必要に応じて衣類乾燥室に利用できるようにすること
により、屋内空間の有効利用が図れるようにしたもので
ある。

［従来技術及び課題］ 夏の暑い日に干す洗濯物は、強い日差しと高い気温に因
って短時間で速やかに乾燥し、洗濯作業が手ぎわ良く行
える。

ところが、冬期や梅雨時期に屋外に干す洗濯物は乾燥し
にくく、この乾き難い洗濯物を例えば浴室内に吊り下げ
てこれを乾燥させることがあり、かかる場合には、浴室
内に干した洗濯物が入浴時に邪魔になって未乾燥の洗濯
物を浴室から別な場所に移動させなければならない等の
不都合が生じる。

そこで、かかる不都合を解決する為に、屋内に特別な乾
燥室を形成して該乾燥室内に洗濯物を吊り下げて乾燥さ
せることも考えられるが、この場合には、屋内の限られ
た空間の一部を乾燥室として割り当てる必要があり、屋
内空間の一部が上記乾燥室に専有されてしまう。

このことから、上記特別な乾燥室を形成する場合には、
乾燥室を使用しない時にも屋内の空間が乾燥室で制限さ
れた状態になって該屋内空間の十分な有効利用が図れな
いと言う問題があった。

本考案は、かかる点に鑑みて成されたもので、必要時に
のみ乾燥室が形成できるようにし、これにより、屋内空
間の有効利用が図れるようにすることをその課題とす
る。

［手段］ 上記課題を解決する為の本考案の技術的手段は、『下部
に洗面台を設けた背面板（１）の上端部から天井板
（２）が前記洗面台の上方に突出し、前記天井板（２）
の大きさを前記洗面台を囲む範囲よりも大きく設定する
と共に、前記天井板の周縁部には設置床面に達する開閉
可能なカーテンを設け、前記カーテンによって囲まれた
空間内を乾燥させる乾燥器を設けた』ことである。

［作用］ 上記技術的手段は次のように作用する。

カーテンを開いた状態では洗面化粧台がそのまま、通常
の場合と同様に利用できる。

洗濯物を乾かすときには、カーテンを引いて天井板
（２）の周縁全域からカーテンが吊り下げられた状態と
する。天井板（２）は、洗面化粧台の背面板（１）の上
端から前方に突出し、前記天井板（２）の大きさを前記
洗面台を囲む範囲よりも大きく設定してあるから、洗面
台がカーテンによって包囲された状態でこの空間内が乾
燥器を具備する衣類乾燥室となる。

そして、濡れた洗濯物を上記乾燥室に吊り下げると共に
乾燥器を駆動させると、カーテンによる包囲空間内に吊
り下げられた洗濯物は、上記乾燥器で速やかに乾かされ
ることとなる。

次に、洗濯物の乾燥が終って乾燥室を使用しないときに
は、乾燥器を停止させると共にカーテンを開けた状態に
し、これにより、洗面化粧台が使用できる状態になる。

このように、本考案によれば、必要時にのみ洗面化粧台
設置部を乾燥室とすることができる。

［効果］ 本考案は次の特有の効果を有する。

洗面化粧台の占有空間が乾燥器を具備する乾燥室とな
るから、乾燥室スペースを洗面化粧台とは別に用意する
必要がなく、屋内空間を有効に利用できる。

カーテンで包囲形成された乾燥室内を乾燥器で強制的
に乾燥させるから、カーテンの周縁部から洗濯物の湿気
が屋内に漏出して該屋内の湿度を高める不都合がない。

カーテンは、背面板（１）の上端から前方に突出した
天井板の周縁から吊り下げられ、乾燥室として利用しな
い時には、カーテンが開放されるから、これらカーテン
やその支持部等が、洗面化粧台としての使用時に邪魔に
ならない。

［実施例］ 次に、上記した本考案の実施例を図面に従って詳述す
る。

第１図に示すように、本考案実施例の洗面化粧台は化粧
台（30）の後端から背面板（１）が上方に延びる構成
で、これに乾燥室（Ａ）を前記洗面化粧台と一体に構成
して全体として独立したユニット式に形成されており、
前記背面板（１）の上部からは、下面に送風口（22），
（22）を具備する天井板（２）が突出していると共に、
該天井板（２）の下面周縁部にカーテンレール（６）が
配設されている。そして、該カーテンレール（６）には
防水性のカーテン（８），（８）が装着されている。

又、上記背面板（１）の下部には洗面台（30）が形成さ
れており、該洗面台（30）は洗面槽（３）とこれを載置
し且つ第２図に示す給湯器（37）を格納する為の収納台
（４）とから形成され、該収納台（４）の下端部には足
踏み式水栓（74）が配設されている。更に、上記洗面台
（30）の上方には化粧鏡（15）が配設されていると共
に、該化粧鏡（15）の側部には乾燥器（62）が設けら
れ、更に、洗面台（30）の上面の奥側には蛇口（31），
給水コック（32）及び給湯コック（33）が配設されてい
る。

第２図に示すように、洗面台（30）の蛇口（31）には、
給水配管（35）と収納台（４）内に格納された給湯器
（37）から引出した給湯配管（38）が接続され、これら
給水配管（35）と給湯配管（38）には、第３図に示すよ
うに給水コック（32）と給湯コック（33）が各別に挿入
されている。又、上記給水コック（32）と給湯コック
（33）の下流側の流路は合流させられて該合流部とその
下流側の蛇口（31）の間には足踏み式水栓（74）が挿入
されている。

次に、化粧鏡（15）の側部に配設された乾燥器（62）に
ついて記載する。

第３図に示すように、乾燥室（Ａ）を含む循環回路（11
3）を形成すると共に、該循環回路（113）内に送風ファ
ン（Ｆ）と冷却除湿室（111）と昇温室（112）を設け、
更に、冷却除湿室（111）と昇温室（112）を繋ぐ回路に
は圧縮器（110）を挿入する。又、上記冷却除湿室（11
1）には冷却用の吸熱フィン（120）を設けると共に昇温
室（112）には昇温用の放熱フィン（121）を配設する。
そして、この実施例では、これら冷却除湿室（111）や
昇温室（112）等によって乾燥器（62）が構成されてい
る。又、冷却除湿室（111）には排水路（114）が連設さ
れている。

そして、上記循環回路（113）は、第１図に示すよう
に、洗面槽（３）の上部に位置する吸気口（63）から高
湿度の空気を吸引するようになっており、該吸引空気
は、送風ファン（Ｆ）→冷却除湿室（111）→昇温室（1
12）と進んで上記乾燥器（62）の上方の送風口（64）や
天井板（２）の送風口（22）から吹出すようになってい
る。又、天井板（２）の下面には、洗濯物用ハンガーを
吊り下げる為の掛桟（26），（26）が配設されている。

このものでは、乾燥室（Ａ）を形成するときには、カー
テン（８），（８）を閉じてその内部を乾燥室（Ａ）と
すると共に天井板（２）の下面に配設された掛桟（2
6），（26）に洗濯物を掛け、更に、化粧鏡（15）の近
傍に配設された乾燥ボタン（65）を押す。すると、送風
ファン（Ｆ）と圧縮器（110）が駆動し、乾燥室（Ａ）
内の湿った空気が送風ファン（Ｆ）で吸引されて冷却除
湿室（111）内に流れて該冷却除湿室（111）で露点以下
に冷却されて該吸引空気の水分が除去され、該除去され
た水分は排水路（114）から排水される。そして、冷却
除湿室（111）で冷却除湿された低温空気は、昇温室（1
12）で常温に戻され、爾後、天井板（２）の送風口（2
2），（22）や化粧鏡（15）の側部に位置する送風口（6
4）から乾燥室（Ａ）内に吹出し、天井板（２）の掛桟
（26）に吊下げた洗濯物を乾燥させる。

次に、洗濯物の乾燥作業が終わると、カーテン（８），
（８）を開けることによって乾燥室（Ａ）が存在しない
状態にする。

尚、この実施例では、カーテン（８），（８）を開けた
状態では洗面化粧台として使用できるようになってお
り、該洗面化粧台として使用するときは、給水コック
（32）及び給湯コック（33）の開度を調節して更に足踏
み式水栓（74）を踏み込むと、上記給水コック（32）と
給湯コック（33）の開度比率によって給水配管（35）か
らの冷水と給湯配管（38）からの温水の混合割合いが決
まり、これによって定まる温度の湯が蛇口（31）から流
出する。

又、上記実施例では天井板（２）の送風口（22）や化粧
鏡（15）側部の送風口（64）から常温の乾燥空気が送り
出されるようにしたが、第３図の想像線で示すように、
送風口（22）の近傍に発熱ヒータ（Ｈ）を配設して乾燥
室（Ａ）内に比較的温度の高い乾燥空気を供給するよう
にすれば、該乾燥室（Ａ）内に於ける洗濯物の乾燥効率
が一層高いものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の全体斜視図，第２図はその断面
図，第３図は水回路及び乾燥用空気回路の説明図であ
り、図中、 （８）……カーテン （62）……乾燥器

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下部に洗面台を設けた背面板（１）の上端
   部から天井板（２）が前記洗面台の上方に突出し、前記
   天井板（２）の大きさを前記洗面台を囲む範囲よりも大
   きく設定すると共に、前記天井板の周縁部には設置床面
   に達する開閉可能なカーテンを設け、前記カーテンによ
   って囲まれた空間内を乾燥させる乾燥器を設けた洗面化
   粧台。
2. 【請求項２】天井板（２）の下面に、乾燥器からの乾燥
   空気吐出用の送風口（22），（22）を具備させた洗面化
   粧台。