JPH0734813Y2 - カ−トン上部蓋取装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、シールテープで梱包した多数個のダンボール
箱等カートンの上部を開けるためのカートン上部蓋取装
置に関するものである。

〔従来の技術とその問題点〕

従来、この種の装置はなく、人がカッタナイフを使って
シールテープを切り一個一個のカートンの蓋開けを行っ
ているが、危険であるばかりでなく、前屈みの力仕事で
あるため、取り扱い個数が多い場合、開梱・蓋開け作業
で腰を痛め易いという欠点があった。

また、ある種のカートンでは、開梱用のテープを周囲に
組込んでおき、そのテープ端を掴んでぐるりと引きまわ
すことによってカートン上部を開けているが、案外やり
にくく、カートンが大きい場合には前記方法より労力的
に大変であるという欠点があった。

〔考案の目的〕

本考案は前記従来の問題点を解決するためになされたも
ので、開梱・外蓋の切取り作業を機械的に自動的に行え
るようにすることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のカートン上部蓋取装置は、互いに直角で、か
つ、ともに水平な２つの中心線を有する直方体又は立方
体のカートンを一つの中心線方向に搬送する搬送コンベ
ヤを設け、該搬送コンベヤ上に載置されたカートン上部
の一つの中心線方向端部の幅方向に夫々切込みを入れる
横方向切断装置と、カートン上部の他の中心線方向ほぼ
中央部又は側端部の幅方向に切込みを入れる縦方向切断
装置と、これらの切断装置による切開きによって形成さ
れた両開き又は片開きの蓋を上方に起こして該蓋の下縁
部を切断する蓋切取り装置とを順次組合わせたことを特
徴とするものである。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面にて説明する。

第１図に示す如く、取り扱い対象のカートン１は、互い
に直角で、かつ、ともに水平な中心線M,Nを有する上方
に開口した直方体又は立方体の箱体２の一つの中心線Ｍ
方向端の上部に夫々両開きの外蓋３を付設し、かつ、他
の中心線Ｎ方向端に夫々内蓋（図示せず）を付設し、外
蓋3,3の切れ目を跨いで中心線Ｎ方向に貼着した中央部
シールテープ4aと、箱体２と外蓋３の切れ目を跨いで中
心線Ｍ方向に貼着した端部シールテープ4bとによって梱
包した一般的なものである。

第２図はこの梱包されたカートン１をシールテープ4a,4
bの縦切りによって開梱させ、次いで外蓋3,3を開けて切
取る本考案装置の全体を示し、第３図〜第９図は本考案
装置を構成する各装置を示しており、図中５は搬送コン
ベヤで、カートン１を中心線Ｎ方向に搬送する。

６はストッパで、搬送コンベヤ５のローラ間に配置され
ており、カートン１の前面に当接するようにシリンダ７
によりローラ上面（カートン搬送面）から上方に突出し
又は引込む。

８は中央寄せ装置で、ストッパ６の手前の搬送コンベヤ
５の上方に配置されており、搬送コンベヤ５上のカート
ン１をストッパ６に向かい前進させながら両側から押し
て搬送コンベヤ５の中央に寄せる。この中央寄せ装置８
は、カートン搬送方向にカートン１を前進させる回転駆
動可能な複数の縦ローラ９を列状に有する対向配置され
た一対の寄せフレーム10と、該寄せフレーム10を搬送コ
ンベヤ５のローラ間でカートン搬送方向と直角方向に移
動可能に支持するガイドレール11と、前記寄せフレーム
10を搬送コンベヤ５の中央を挟んで接近又は離間させる
チェーン駆動式フレーム移動装置とから構成されてい
る。前記フレーム移動装置は、搬送コンベヤ５の下部に
カートン搬送方向と直角方向に一対のスプロケット12を
介してチェーン13を張架し、これを減速機付モータ14に
よって正逆回転するように構成すると共に、該チェーン
13の行き側（又は帰り側）に連結金具15Aを介して一方
に寄せフレーム10Aを連結し、かつ、帰り側（又は行き
側）に連結金具15Bを介して他方の寄せフレーム10Bを連
結している。

16は昇降フレームで、搬送コンベヤ５の上方に配置した
固定フレーム17にガイド機構18を介して昇降可能に取付
けられ、かつ、昇降シリンダ19を介して支持されて、ス
トッパ６で停止したカートン１の上方に配置されてい
る。

この昇降フレーム16には、カートン１の上面に当接する
上下動可能な検出ロッド20と該検出ロッド20の一定量上
動で動作されるリミットスイッチ21とが設けられてい
る。このため、昇降フレーム16は、ストッパ６で停止し
たカートン１に対して昇降シリンダ19により下降しカー
トン上面に当接した検出ロッド20を介してリミットスイ
ッチ21が動作したところで下降を停止する。

また、昇降フレーム16には、反ストッパ６側に垂下した
カッター取付フレーム22をカートン搬送方向の移動可能
に支持するガイドレール23と、前記カッター取付フレー
ム22を移動させるチェーン駆動式フレーム移動装置とが
設けられている。前記フレーム移動装置は、昇降フレー
ム16のカートン搬送方向に一対のスプロケット24を介し
てチェーン25を張架し、これを減速機付モータ26によっ
て正逆回転するように構成すると共に、該チェーン25に
カッター取付フレーム22を連結している。前記カッター
取付フレーム22の下部には、ストッパ６側に突出してカ
ートン１の後面に当接する前後動可能なローラ付検出ロ
ッド27と該検出ロッド27の一定量後動で動作されるリミ
ットスイッチ28とが設けられている。このため、カッタ
ー取付フレーム22は、前記昇降フレーム16によってカー
トン１の後面に面した位置まで下降した後、モータ26に
よるチェーンドライブによってカートン１に向かって前
進しカートン後面に当接した検出ロッド27を介してリミ
ットスイッチ28が動作したところで前進を停止する。

29は固定側横方向切断装置で、前記昇降フレーム16のス
トッパ６側下部に設けられており、ストッパ６で停止し
たカートン１に対する昇降フレーム16の下降及び上下動
シリンダ30の伸長によってカートン前端の上側角部に貼
着した端部シールテープ4bに対向配置され、その幅方向
ほぼ中央部に切込みを入れる。31は可動側横方向切断装
置で、前記カッター取付フレーム22の上部のストッパ６
側に設けられており、ストッパ６により停止したカート
ン１に対する昇降フレーム16の下降とカッター取付フレ
ーム22の前進とによってカートン後端の上側角部に貼着
した端部シールテープ4bに対向配置され、その幅方向ほ
ぼ中央部に切込みを入れる。これらの切断装置29,31
は、後述する蓋切取り装置の切断機構と同一の構成とな
っており、回転カッター収納フレーム31内のカートン搬
送方向と直角方向に一対のスプロケットを介してチェー
ンを張架しこれを減速機付モータによって一方向に回転
するように構成すると共に、該チェーンに間隔をおきカ
ッター32を設けている。

33は、縦方向切断装置で、前記昇降フレーム16のストッ
パ６側下部にカッター34を固設しており、カートン１の
前進時邪魔となるストッパ６を上下動シリンダ７によっ
てカートン下面より引込め、かつ、固定側横方向切断装
置29を上下動シリンダ30によってカートン上面より引込
めた後、搬送コンベヤ５と中央寄せ装置８の縦ローラ９
とによってカートン１を前進させる過程でカートン上面
のＮ方向に貼着した中央部シールテープ4aの幅方向ほぼ
中央部にカッター34によって切込みを入れる。

35はストッパで、搬送コンベヤ５のローラ間に配置され
ており、カートン１の前面に当接するようにシリンダ36
によりカートン搬送面から上方に突出し又は引込む。

37は蓋切取り装置で、蓋開け装置と蓋切断装置とから構
成され、前記ストッパ35の手前の搬送コンベヤ５の上方
に配置されている。

蓋開け装置は、搬送コンベヤ５の中央を挟んでカートン
搬送方向と直角方向に対向配置された一対のパッド昇降
フレーム38にパッド支持フレーム39を昇降可能に装着
し、該パッド支持フレーム39の搬送コンベヤ側に、バキ
ュームパッド40を先端に装着した取付レバー41を起伏可
能に取付けている。

パッド昇降フレーム38は、固定フレーム42に設けたチェ
ーン駆動式フレーム移動装置によってガイドレール43に
沿いカートン搬送方向と直角方向に移動されて互いに接
近し又は離間するように垂設されている。前記フレーム
移動装置は、固定フレーム42に一対のスプロケット44を
介してチェーン45を張架し、これを減速機付モータ46に
より正逆回転するように構成すると共に、該チェーン45
の行き側（又は帰り側）に一方のパッド昇降フレーム38
を連結し、かつ、帰り側（又は行き側）に他方のパッド
昇降フレーム38を連結している。

パッド昇降フレーム38の下部にはカートン１の側面に当
接する前後動可能なローラ付検出ロッド47と、該検出ロ
ッド47の一定量の後動で動作されるリミットスイッチ48
とが設けられている。このため、パッド昇降フレーム38
は、ストッパ35で停止したカートン１に対してチェーン
駆動式フレーム移動装置44〜46により前進しカートン側
面に当接した検ロッド47を介してリミットスイッチ48が
動作したところで前進を停止する。

パッド支持フレーム39と固定フレーム42間には昇降装置
49が設けられており、この昇降装置49によってパッド支
持フレーム39は昇降する。

このパッド支持フレーム39と取付レバー41間には起伏装
置50が設けられており、この起伏装置50によって取付レ
バー41は第６図に示すパッド水平支持位置から該取付レ
バー41の枢着点を中心として起伏する。

この取付レバー41の先端部にはカートン１の上面に当接
する上下動可能な検出ロッド51と、該検出ロッド51の一
定量の上動で動作されるリミットスイッチ52とが設けら
れている。バキュームパッド40は検出ロッド51の先端に
装着されており、該バキュームパッド40と取付レバー41
間には押付ばね53が介装されている。このため、パッド
支持フレーム39は、パッド昇降フレーム38の前進停止後
下降を開始し、バキュームパッド40がカートン上面に当
接して検出ロッド51を介してリミットスイッチ52が動作
したところで下降を停止する。バキュームパッド40は、
このパッド支持フレーム39に反力をとって押付ばね53の
力でカートン１の外蓋3,3に上面に押付けられると共
に、該バキュームパッド40にフレキシブルホースを介し
て接続した真空ポンプによってパッド内のエヤを吸引さ
れ、その結果カートン１の外蓋3,3を真空吸引力で保持
する。これに必要な時間にタイムアップ後、起伏装置50
によってバキュームパッド40が起され、カートン１の外
蓋3,3が開かれる。

蓋切断装置は、前記パッド支持フレーム39に設けられて
おり、バキュームパッド40がカートン１上面に押付けら
れるまで該パッド支持フレーム39が下降した位置におい
てカートン１の側端の上側角部に対向配置される。この
蓋切断装置に切断機構は、回転カッター収納フレーム54
内のカートン搬送方向に一対のスプロケット55を介して
チェーン56を張架しこれを減速機付モータによって一方
向に回転するように構成すると共に、該チェーン56に間
隔をおきカッター57を設けており、バキュームパッド40
によって上方に起されたカートン１の外蓋3,3の下縁部
を切断する。その結果、下縁部１は上面が開いた状態と
なる。しかる後、ストッパ35がカートン下面より引込め
られて搬送コンベヤ５によって処理済カートン１′が搬
出される。

尚、本実施例では、カートン１を中心線Ｎ方向に搬入す
る場合の装置構成について説明したが、カートン１を中
心線Ｍ方向に搬入してもよい。この場合、縦方向切断装
置と横方向切断装置と蓋切取り装置の夫々の向きを90°
変え、かつ前二者の切断機構を反対にすればよい。

また、シールテープ4a,4bの幅方向ほぼ中央に切込みを
入れて蓋開けができるようにした例について説明した
が、シールテープのない箇所に切込みを入れて蓋開けを
行う場合にも応用可能であることは勿論である。

〔考案の効果〕

以上の通り、本考案は、搬送コンベヤ上にカートンを載
せて搬入するだけで開梱・外蓋の切取り作業を機械式に
自動的に行うことができるから、作業の能率向上と省力
化が図れ、作業者を苦痛労働から開放できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はカートンの梱包状況を示す斜視図、第２図は本
考案の一実施例を示す概略的側面図、第３図は第２図の
部分拡大図、第４図は第１図のIV〜線に沿う拡大断面
図、第５図は第４図のＶ矢視の正面図、第６図は第２図
のVI〜線に沿う拡大断面図、第７図は第６図のVII〜線
断面図、第８図は第６図のVIII〜線断面図、第９図は蓋
切取り装置による外蓋の切取り状況を示す断面図であ
る。 ５……搬送コンベヤ、6,35……ストッパ、８……中央寄
せ装置、29,31……横方向切断装置、33……縦方向切断
装置、37……蓋切取り装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】互いに直角で、かつ、ともに水平な２つの
   中心線を有する直方体又は立方体のカートンを一つの中
   心線方向に搬送する搬送コンベヤを設け、該搬送コンベ
   ヤ上に載置されたカートン上部の一つの中心線方向端部
   の幅方向に夫々切込みを入れる横方向切断装置と、カー
   トン上部の他の中心線方向ほぼ中央部又は側端部の幅方
   向に切込みを入れる縦方向切断装置と、これらの切断装
   置による切開きによって形成された両開き又は片開きの
   蓋を上方に起こして該蓋の下縁部を切断する蓋切取り装
   置とを順次組合わせたことを特徴とするカートン上部蓋
   取装置。