JPH0716578Y2 - 段ボール開箱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は段ボール開箱装置、特に段ボール箱をほゞ中
央で開箱するための装置に関するものである。

従来の技術 近年、段ボール箱は輸送や梱包および取扱い等が便宜な
ために大いに利用され、種々の商品の輸送に使われてい
る。商品が詰められたこの様な段ボール箱は商品を取出
すために段ボール箱を手作業で開いて中の商品を必要な
量または全部取出さなければならない。従って、商品を
段ボール箱から取出すためには、商品を傷付けることな
く段ボール箱をカッターの様な適宜な刃物を用いて切り
開らいたり、或は段ボール箱の接合部を手で剥がしたり
している。

考案が解決しようとする問題点 併し乍ら、この様にカッターを用いて段ボール箱を切断
するのは熟練を要すると共に特に時間がかゝり、また商
品を傷付ける恐れがあり、手作業で行うために厄介で面
倒である等の多くの問題点が見られる。

従って、この考案の目的は、この様な従来における問題
点を解決するために、段ボール箱のほゞ中央で中の商品
を傷付けることなく段ボール箱を２つに切断することが
出来る一対の切断装置を備えた段ボール開箱装置を提供
することにある。

問題点を解決するための手段 このために、この考案に依れば、段ボール開箱装置は、
搬送コンベヤの長手方向中心に沿って互いに内向きに対
向し且つ上下方向に進出自在に設けられた一対の反転装
置、搬送コンベヤの横方向に移動可能に間隔を置いて対
向して且つガイド装置に沿って昇降自在に設けられた刃
物を夫々有する一対の切断装置から成り、反転装置によ
り挟持した段ボール箱のほゞ中央にて切断装置の刃物に
よって上下方向に段ボール箱を切断するようにしたこと
を特徴としている。

作用 従って、この考案は上述の手段によって、開箱すべき段
ボール箱を一対の反転装置によって挟持して、段ボール
箱のほゞ中央に沿って昇降自在な刃物によって段ボール
箱の周囲を切断することが出来、切断の際に何等段ボー
ル箱の中の商品を傷付ける様なことがない。

この考案の他の目的や特長および利点は以下の添付図面
に沿っての詳細な説明によって明らかになろう。

実施例 図面の第１図乃至第３図にはこの考案の段ボール開箱装
置の第１の実施例が示されており、段ボール開箱装置１
は搬送コンベヤ２の長手方向中心に沿って互いに内向き
に対向し且つ上下方向に進出自在に設けられた一対の反
転装置４、搬送コンベヤ２の横方向に移動可能に間隔を
置いて対向して設けられたガイド装置すなわちガイドレ
ール45に沿って昇降自在に設けられた刃物42を夫々有す
る一対の切断装置６から主に構成され、反転装置４によ
り挟持した段ボール箱Ａのほゞ中央にて切断装置６の刃
物42によって上下方向に段ボール箱Ａを切断できるよう
になっている。

図示される様に、この考案の段ボール開箱装置１におい
ては、一対の相対した反転装置４が段ボール箱Ａを搬送
方向に対して固定挟持すると共に、この挟持した段ボー
ル箱Ａの向きを所要の角度反転することが出来るように
なっている。すなわち、この考案の段ボール開箱装置１
の一対の反転装置４は、搬送コンベヤの長手方向中心に
沿って間隔を置いて且つ搬送コンベヤ２の搬送面の上下
に進退自在に設けられた吸着装置11と、この吸着装置11
を回動するロータリアクチュエータ17が設けられた枢動
部材16を枢動すると共に昇降する作動装置12と、吸着装
置11および作動装置12を昇降自在に支持する移動可能な
走行台14と、走行台14を互いに近ずく方向および遠ざか
る方向に移動する移動装置15とを有している。吸着装置
11は回動自在な腕部材18に設けられた少なくとも１つ、
図示実施例では腕部材18の両端に２つ設けられている吸
着部材すなわちバキュームパッド19から成り、この吸着
装置11の腕部材18を回動するためのロータリアクチュエ
ータ17が作動装置12の枢動部材16の一端に設けられてい
る。枢動部材16の他端は例えばＬ字形の支持ブラケット
21の一端にヒンジ22によって丁番連結されており、この
枢動部材16の中程に作動装置12の枢動用のエアシリンダ
23のピストンロッド24が枢着され、この枢動用のエアシ
リンダ23が支持ブラケット21のフォーク部材25に枢支さ
れている。従って、枢動部材16は作動装置12の枢動用の
エアシリンダ23の作動によってヒンジ22回りに枢動され
て、吸着装置11を搬送コンベヤ２の搬送面の上に起立さ
せて進出させることが出来る。また、枢動部材16が垂直
に起立された時の位置を決めて維持するためにストッパ
26が設けられている。更に、作動装置12の昇降用のエア
シリンダ28が走行台14上に取付けられていて、この作動
装置12の昇降用のエアシリンダ28のピストンロッド29の
上端に支持ブラケット21が取付支持されており、この作
動装置12の昇降用のエアシリンダ28の作動によって支持
ブラケット21を昇降出来るようになっている。

走行台14は一方の側が移動装置15のガイドレール33に沿
って滑動できるようにスライダ31が設けられ、他方の側
には移動装置15の送りねじ軸34にねじ着係合するねじ受
部材32が設けられている。移動装置15のこの送りねじ軸
34に切られる送りねじは一方の反転装置４の走行台14に
対しては左ねじ34aが切られ、他方の反転装置４の走行
台14に対しては右ねじ34bが切られていて、移動装置15
のこの送りねじ軸34の一端に設けられた電動機35の作動
により送りねじ軸34を回転することによって反転装置４
が互いに近ずく方向または遠ざかる方向に移動出来るよ
うにしている。

更に、この考案の段ボール開箱装置１の切断装置６は、
図示される様に、搬送コンベヤ２の横方向に刃物42を互
いに近ずく方向および遠ざかる方向に移動する刃物拡張
縮小装置41と、この刃物拡張縮小装置41に沿って上下動
可能に設けられた一対の切断用の刃物42とから構成され
ている。この切断装置６の刃物拡張縮小装置41は、刃物
42を支持する刃物台43をガイドレール45に沿って上下動
自在に支持する一対の横方向に対向して設けられた縦長
の刃物台支持部材44と、これら刃物台支持部材44の上端
および下端に夫々設けられたねじ受け部材46とねじ着係
合する送りねじ軸47とから成り、上下の送りねじ軸47に
は右ねじおよび左ねじが夫々切られていて、一方の送り
ねじ軸47、例えば上の送りねじ軸47の一端に連結された
電動機48の回転によって刃物台支持部材44を互いに近ず
く方向および遠ざかる方向に動かして切断用の刃物42の
間隔を調節することが出来るようになっている。また、
上下の送りねじ軸47を同期して回転するために両軸の一
端にスプロケット50が設けられ、チエン49が掛けられて
いる。更に、段ボール箱Ａの中の商品を傷めることのな
いように切断用の刃物42によって切断される段ボール箱
Ａの切断周辺部分を吸着して外方に引張るように各刃物
台支持部材44のガイドレール45の内側に吸着部材すなわ
ちバキュームパッド52が設けられる。

切断用の刃物42は円盤形の回転刃物や他の型の刃物が使
用でき、例えばロータリアクチュエータや電動機によっ
て回転される回転刃物が好適で、刃物台支持部材44のガ
イドレール45に沿って上下方向に移動する刃物台43に適
宜な支持腕を介して回転可能に支持されている。切断用
の刃物42を支持する刃物台43を上下方向に昇降するため
に、刃物台支持部材44の上部に昇降用のエアシリンダ55
が設けられ、ピストンロッドが刃物台43に連結されてい
る。従って、このエアシリンダ55の作動に依って刃物台
43がガイドレール45に沿って上下方向に昇降される。

段ボール箱Ａを段ボール開箱装置１に対して送り込むた
めの搬送コンベヤ２は、適宜なフレームに支持された多
数のローラから成るローラコンベヤが好適である。ま
た、段ボール箱Ａを段ボール箱開箱装置１に対して正確
に位置決めするために、段ボール箱Ａが所定の位置にま
で搬送されて来た時に適宜な検知器によって搬送コンベ
ヤを停止するか、搬送コンベヤに設けた位置決め装置や
ストッパによって段ボール箱Ａが停止されるように成っ
ている。

この様に構成されたこの考案の段ボール開箱装置１にお
いては、切断すべき段ボール箱Ａが搬送コンベヤ２に依
って送られて来ると、段ボール箱Ａは、検知器（図示し
ない）によって搬送コンベヤ２を停止するか、またはス
トッパ（図示しない）によって段ボール箱Ａ自体が停止
される。次いで、反転装置４の作動装置12の枢動用のエ
アシリンダ23を作動して枢動部材16を起立枢動させると
同時に、作動装置12の昇降用のエアシリンダ28を作動し
て支持ブラケット21を上昇させて反転装置４の吸着装置
11を搬送コンベヤ２の上に進出させ、吸着装置11の腕部
材18が十分回転できる程度の高さにて停止させると共
に、反転装置４のロータリアクチュエータ17を作動して
腕部材18を回動させて、腕部材18がほゞ水平になった時
に停止して腕部材18が段ボール箱Ａの側面の高さのほゞ
中央に位置するようにする（第２図参照）。これと同時
に、移動装置15の電動機35を作動して送りねじ軸34を回
転して走行台14を互いに近ずく方向に動かして反転装置
４の吸着部材であるバキュームパッド19が両側から段ボ
ール箱Ａに接近した位置で停止させる。

こうして段ボール箱Ａを搬送方向に両側から反転装置４
の吸着装置11によって挟持できる位置に準備されたなら
ば、再び移動装置15の電動機35を作動して両側から段ボ
ール箱Ａ反転装置４の吸着装置11によって段ボール箱Ａ
を挟持するように走行台14を移動して、吸着装置11のバ
キュームパッド19を段ボール箱Ａに押し付けて吸着装置
11のバキュームパッド19に真空を働かせることによって
段ボール箱Ａを所定位置に固定する。

次に、切断装置６の刃物拡張縮小装置41を電動機48を作
動して送りねじ軸47を回転して、段ボール箱Ａを両側か
ら挟むように切断装置６の刃物台支持部材44を互いに接
近する方向に段ボール箱Ａに向かって移動させる。こう
して、切断装置６の刃物台支持部材44のバキュームパッ
ド52が段ボール箱Ａを両側から挟んだならば、電動機48
を停止させ、バキュームパッド52に真空を作用させ、電
動機48を少し逆回転させて段ボール箱Ａの切断周辺部分
を吸着して外方に引張ることによって段ボール箱Ａの中
身の製品に損傷を与えずに切断出来るようにする。

この様にして、切断の準備が整ったならば、切断装置６
の刃物昇降用エアシリンダ55を作動させて、ガイドレー
ル45に沿って切断装置６の刃物台43を下降させることに
よって段ボール箱の両側面の中央部を刃物42により切断
することが出来る（第４図）。

こうして、段ボール箱Ａの両側面を先ず切断したなら
ば、バキュームパッド52の真空を解除すると共に、切断
装置６の刃物拡張縮小装置41を拡張方向に移動する。次
いで、反転装置４のバキュームパッド19に真空を作用さ
せたまゝ反転装置４によって段ボール箱Ａを搬送方向に
挟持した状態で、作動装置12の昇降用エアシリンダ28を
作動して、段ボール箱Ａを上昇させ乍らロータリアクチ
ュエータ17を作動して段ボール箱Ａを約90°回動させ
て、段ボール箱Ａの未だ切断されていない面が両側に来
るように位置させた後、再び搬送コンベヤ２上に降下さ
せる。この状態で、再び刃物拡張縮小装置41の電動機48
を作動して切断装置４の刃物台支持部材43によって段ボ
ール箱Ａを両側から挟持する状態にし、バキュームパッ
ド52の真空を働かせて段ボール箱Ａの切断周辺部分を外
方に引張って切断装置６の刃物42によって先に切断した
と同じ様に段ボール箱Ａに未だ切断されていなかった両
側面を切断する（第１図）。

こうして、段ボール箱Ａは丁度半分の大きさに中身を何
等損傷することなく切断されることになる。次いで、切
断装置６の刃物拡張縮小装置41を段ボール箱Ａから解放
し、今度は下流側の一方の作動装置12の枢動用のエアシ
リンダ23を作動することによって段ボール箱Ａの切断さ
れた半分を搬送コンベヤ２の搬送方向に約90°反転させ
る。同様に、他方の作動装置12の枢動用のエアシリンダ
23を作動させて残りの段ボール箱Ａの半分を搬送方向と
逆方向に約90°反転させる。切断された段ボール箱Ａの
半分の反転が夫々完了したならば、先ず一方の反転装置
４のバキュームパッド19の真空を解除し、作動装置12の
昇降用エアシリンダ28の作動によって搬送コンベヤ２の
搬送面よりも下方に反転装置４を下降させ、段ボール箱
Ａの半分を中身の入ったまゝ切断切り口を上方に向けた
状態で搬送コンベヤ２によりアンケーサ部へと搬出され
る。同様に、他方の反転装置側の段ボール箱Ａも一定時
間経過後にアンケーサ部へと搬出される。この様にし
て、この考案の段ボール開箱装置によって上述の動作が
繰り返し行われ、段ボール箱Ａの開箱が連続して好適に
行うことが出来る。

考案の効果 この様に、この考案の段ボール開箱装置に依れば、搬送
コンベヤの長手方向中心に沿って互いに内向きに対向し
且つ上下方向に進出自在に設けられた一対の反転装置に
よって開箱すべき段ボール箱を挟持固定し、搬送コンベ
ヤの横方向に移動可能に間隔を置いて対向して設けられ
た上下方向に延びるガイド装置のガイドレールに沿って
昇降自在に設けられた刃物を夫々有する一対の切断装置
によって、先に反転装置により挟持固定した段ボール箱
のほゞ中央で切断装置の刃物によって上下方向に段ボー
ル箱を切断して、段ボール箱の周囲を切断することが出
来る。従って、各種段ボール箱の大きさに拘わらず常に
段ボール箱の中央にて切断できるので、特別な調節を行
ったり或はまた特別な調節装置を何等設ける必要がな
く、段ボール箱の切断周辺部分を吸着装置にて外方に引
張って切断することが出来るので段ボール箱の中身を全
く損傷することなく切断でき、２つに切断した段ボール
箱を切断切り口が上方を向くように作動装置のエアシリ
ンダによって反転出来るので、次のアンケーサ部分での
操作に適合できるように対応でき、段ボール箱を自動的
に連続して二分割に切断することが可能となって能率を
高めることが出来る等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の段ボール開箱装置の概略斜視図、第
２図は反転装置部分の斜視図、第３図は第２図の反転装
置の側面図、第４図はこの考案の段ボール開箱装置によ
って切断する状態を示す平断面部分図である。図中、1:
段ボール開箱装置、2:搬送コンベヤ、4:反転装置、6:切
断装置、11:吸着装置、12:作動装置、14:走行台、15:移
動装置、16:枢動部材、17:ロータリアクチュエータ、1
8:腕部材、19、52:バキュームパッド、21:支持ブラケッ
ト、22:ヒンジ、23、28、55:エアシリンダ、24:ピスト
ンロッド、26:ストッパ、31:スライダ、32、46:ねじ受
部材、33、45:ガイドレール、34、47:送りねじ軸、35、
48:電動機、41:刃物拡張縮小装置、42:刃物、43:刃物
台、44:刃物台支持部材、49:チエン、50:スプロケッ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送コンベヤの長手方向中心に沿って互い
   に内向きに対向し且つ上下方向に進出自在に設けられた
   一対の反転装置、搬送コンベヤの横方向に移動可能に間
   隔を置いて対向して且つガイド装置に沿って昇降自在に
   設けられた刃物を夫々有する一対の切断装置から成り、
   反転装置により挟持した段ボール箱のほゞ中央にて切断
   装置の刃物によって上下方向に段ボール箱を切断するよ
   うにしたことを特徴とする段ボール開箱装置。