JPH073365A - 水素吸蔵合金および水素吸蔵合金電極 - Google Patents
水素吸蔵合金および水素吸蔵合金電極Info
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- JPH073365A JPH073365A JP6020995A JP2099594A JPH073365A JP H073365 A JPH073365 A JP H073365A JP 6020995 A JP6020995 A JP 6020995A JP 2099594 A JP2099594 A JP 2099594A JP H073365 A JPH073365 A JP H073365A
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Abstract
電特性に優れたZr−Ti系水素吸蔵合金を提供する。 【構成】 一般式Zr1.2-aTiaMnvAlwNixMyC
rz(ただし、MはSi、Zn、Sn、Fe、Mo、C
uおよびCoよりなる群から選択される少なくとも1種
の元素、0.1≦a<1.2、0.4≦v≦1.2、0
<w≦0.3、0.8≦x≦1.6、0≦y≦0.2、
0≦z≦0.3であり、かつ1.7≦(v+w+x+y
+z)≦2.7)で示され、合金相の主成分がC14
(MgZn2)型またはC15(MgCu2)型ラーバス
相である水素吸蔵合金。
Description
蔵・放出を可逆的に行える水素吸蔵合金および同合金を
用いた電極に関する。
池として鉛電池とアルカリ電池がある。このうちアルカ
リ蓄電池は高信頼性が期待でき、小形軽量化も可能など
の理由から、小型電池は各種ポ−タブル機器用に、また
大型電池は産業用にそれぞれ使われてきた。このアルカ
リ蓄電池において、正極としては一部空気極や酸化銀極
なども取り上げられているが、ほとんどの場合ニッケル
電極である。ポケット式から焼結式に代わって特性が向
上し、さらに密閉化が可能になるとともに用途も広がっ
た。
亜鉛電極、鉄電極、水素電極などが対象となっている
が、現在のところカドミウム電極が主体である。ところ
が、一層の高エネルギ−密度を達成するために金属水素
化物、つまり水素吸蔵合金電極を使ったニッケル−水素
蓄電池が注目され、製法などに多くの提案がされてい
る。水素を可逆的に吸収・放出しうる水素吸蔵合金を使
用する水素吸蔵合金電極は、理論容量密度がカドミウム
電極より大きく、亜鉛電極のような変形やデンドライト
の形成などもないことから、長寿命・無公害であり、し
かも高エネルギー密度を有するアルカリ蓄電池用負極と
して期待されている。
合金として、一般的にはTi−Ni系およびLa(また
はMm)−Ni系の多元系合金がよく知られている。T
i−Ni系の多元系合金は、ABタイプとして分類でき
る。このTi−Ni系の多元系合金は、充放電サイクル
の初期には比較的大きな放電容量を示すが、充放電を繰
り返すと、その容量を長く維持することが困難であると
いう問題がある。また、AB5タイプのLa(またはM
m)−Ni系の多元系合金は、近年電極材料として多く
の開発が進められており、これまでは比較的有力な合金
材料とされていた。しかし、この合金系も比較的放電容
量が小さい、電池電極としての寿命性能が不十分であ
り、材料コストが高いなどの問題を有している。したが
って、さらに高容量化が可能で、長寿命である新規水素
吸蔵合金材料が望まれていた。
(Laves)相合金(A:Zr、Tiなどの水素との
親和性の大きい元素、B:Ni、Mn、Crなどの遷移
金属元素)は、水素吸蔵能が比較的高く、高容量かつ長
寿命の電極として有望である。すでにこの合金系につい
ては、例えばZrαVβNiγMδ系合金(特開昭64
−60961号公報)やAxByNiz系合金(特開平
1−102855号公報)などが提案されている。
r−Ti系水素吸蔵合金は、Vを含むものが多い。しか
し、この種の合金は、高率放電に優れた特性の電極を得
るのは困難で、かつ、材料価格も比較的高いものであっ
た。本発明は、水素吸蔵合金における上記問題点に鑑
み、特に、コストが安く、放電容量や寿命などの性能に
優れた水素吸蔵合金電極、およびそのような電極を与え
る水素吸蔵合金を提供することを目的とする。
1.2-aTiaMnvAlwNixMyCrz(ただし、MはS
i、Zn、Sn、Fe、Mo、CuおよびCoよりなる
群から選択される少なくとも1種の元素、0.1≦a<
1.2、0.4≦v≦1.2、0<w≦0.3、0.8
≦x≦1.6、0≦y≦0.2、0≦z≦0.3であ
り、かつ1.7≦(v+w+x+y+z)≦2.7)で
示され、合金相の主成分がC14(CuZn2)型また
はC15(MgCu2)型ラーバス相であることを特徴
とする水素吸蔵合金を提供する。
は、一般式Zr1.2-aTiaMnvAlwNi x(ただし、
0.1≦a<1.2、0.4≦v≦1.2、0<w≦
0.3、0.8≦x≦1.6であり、かつ1.7≦(v
+w+x)≦2.7)で示される。また、z=0である
水素吸蔵合金は、一般式Zr1.2-aTiaMnvAlwNi
xMy(ただし、MはSi、Zn、Sn、Fe、Mo、C
uおよびCoよりなる群から選択される少なくとも1種
の元素、0.1≦a<1.2、0.4≦v≦1.2、0
<w≦0.3、0.8≦x≦1.6、0<y≦0.2で
あり、かつ1.7≦(v+w+x+y)≦2.7)で示
される。
般式Zr1.2-aTiaMnvAlwNixCrz(ただし、
0.1≦a<1.2、0.4≦v≦1.2、0<w≦
0.3、0.8≦x≦1.6、0<z≦0.3であり、
かつ1.7≦(v+w+x+z)≦2.7)で示され
る。本発明は、また上記の合金を900〜1200℃の
真空中もしくは不活性ガス雰囲気中で均質化熱処理を施
した水素吸蔵合金を提供する。本発明は、上記の水素吸
蔵合金またはその水素化物を用いた水素吸蔵合金電極に
関する。
い組成の最適化を図った水素吸蔵合金である。Vに代わ
りAlを用いることにより合金のコストを下げることが
可能となり、かつ、合金組成にVを含まず、Ti、Al
を用いることにより、従来の合金に比べ高率放電特性に
優れた水素吸蔵合金電極を得ることができる。
Fe、Mo、Cuの金属種のうち少なくとも1種を添加
することにより、高率放電特性を低下させず、電池のサ
イクル寿命特性を向上させることができる。Crの添加
は、水素吸蔵合金電極の高率放電特性を低下させるが、
水素吸蔵合金の耐アルカリ性を飛躍的に向上させ、電池
のサイクル寿命特性、高温保存特性等を向上させる。
説明する。以下の実施例で使用した合金試料は次のよう
にして準備した。まず、市販のZr、Ti、Mn、A
l、Ni、Si、Zn、Sn、Fe、Mo、Cu、C
o、Vの各金属を原料として、アルゴン雰囲気中におい
て、アーク溶解炉で加熱溶解することにより合金を作製
し、次いで、その合金を真空中において、1000℃で
6時間熱処理した。
を作製した。この合金試料の一部はX線回折などの合金
分析および水素ガス雰囲気における水素吸収−放出量測
定(通常のP(水素圧力)−C(組成)−T(温度)測
定)に使用し、残りは電極特性評価に用いた。試料N
o.1とNo.7の合金は比較例であり、試料No.2
〜6の合金は本発明の水素吸蔵合金の実施例である。ま
ず、各水素吸蔵合金の真空中における熱処理後の試料に
ついてX線回折測定を行った。その結果、各合金試料と
もC14型とC15型相のピ−クが認められた。また、
各試料の20℃におけるP−C−T測定結果より算出し
た水素吸蔵量を表1に示した。水素吸蔵量は、合金の電
気化学的な充放電反応による放電容量と比較するため、
電気量(Ah/g)に換算して示した。
て、電気化学的な充放電反応によるアルカリ蓄電池用負
極としての電極特性を評価するために単電池試験を行っ
た。試料No.1〜7の合金を400メッシュ以下の粒
径になるように粉砕し、これらの各合金粉末1gと導電
剤のカーボニルニッケル粉末3gおよび結着剤のポリエ
チレン微粉末0.12gを十分混合攪拌し、プレス加工
により直径24.5mm、厚さ2.5mmの円板状に成
形した。これを真空中、130℃で1時間加熱し、結着
剤を溶融させて水素吸蔵合金電極とした。
ドを取り付けて負極とした。また、正極として過剰の容
量を有する焼結式ニッケル電極を、セパレータとしてス
ルフォン化処理したポリプロピレン不織布を用い、比重
1.30の水酸化カリウム水溶液を電解液として単電池
を構成した。これらの単電池を25℃において、一定電
流で充電と放電を20サイクル繰り返し、各サイクルで
の放電容量を測定した。なお、充電は、水素吸蔵合金1
gあたり100mAの電流で5時間であり、放電は同様
に1gあたり50mAの電流で電池電圧0.8Vまでと
した。表1にこの単電池試験より得た放電容量を示し
た。なお、表1に示す放電容量は、各サイクルにおける
放電容量のうち最も大きな値である。
蔵合金として使用されているMmNi3.55Co0.75Al
0.3Mn0.4は、同様の試験で約280mAh/gを示し
たことから、本発明の合金は放電容量が従来合金に比べ
大きいことが明らかである。以下、合金組成の適量範囲
の規定として放電容量が300mAh/g以上の値を示
すことを条件とした。Mn量vおよびNi量xの適量を
調べるために、Zr0.8Ti0.4MnvAl0.2 Ni 2.0-v
合金のv値と水素ガス吸蔵量および電極放電容量の関係
を調べた。その結果を図1に示した。Mn量vが0.3
と小さい組成の合金は、水素ガス吸蔵量が少ないために
電極放電容量も少ない。また、Mn量vが1.3と多い
組成の合金は、水素ガス吸蔵量は多いが、Ni量が少な
くなるために電気化学的な活性が低下して電極放電容量
は少なくなった。これらの検討結果より、Mn量vは
0.4〜1.2、特に、0.5〜1.0が適量であり、
また、Ni量xは0.8〜1.6、特に、1.0〜1.
5が適量であることがわかった。
0.8Ti0.4Mn0.8AlwNi1.2合金、Zr0.8Ti0.4
Mn0.9AlwNi1.2合金、Zr0.8Ti0.4Mn0.8Al
wNi1 .3合金、Zr0.8Ti0.4Mn0.9AlwNi1.3合
金、Zr0.8Ti0.4Mn1.0AlwNi1.3合金のw値と
電極放電容量の関係を調べた。その結果を図2に示し
た。Al量wが0.2の組成で最も大きな電極放電容量
を示した。Al量wが0.3を越える組成では、電極放
電容量が300mAh/g以下の低い値であることがわ
かった。これらの結果より、Al量wは0.3以下が適
量であることがわかった。
調べるために、Zr0.8Ti0.4MnvAl0.2Ni1.5合
金とZr0.2Ti1.0MnvAl0.1Ni1.0合金のv値と
電極放電容量の関係を調べた。その結果を図3に示し
た。Zr0.8Ti0.4MnvAl0.2Ni1.5合金は、Mn
量vが0.4未満と1.0を越える組成で電極放電容量
が300mAh/g以下であった。また、Zr0.2Ti
1.0MnvAl0.1Ni1.0合金は、Mn量vが0.6未満
の合金で300mAh/g以下であった。これらの結果
よりMn、Al、Ni量の総和v+w+xはZrとTi
量の和1.2に対して1.7〜2.7が適量であること
がわかった。次に、Zr0.8Ti0.4Mn0.8Al0.2Ni
1.2合金とZrMn0.7V0.3Ni1.2合金の低温高率放電
特性を調べた。400メッシュ以下の各合金粉末にポリ
エチレン微粉末を3重量%添加し、平均孔径150ミク
ロン、多孔度95%、厚さ1.0mmの発泡状ニッケル
シートに充填した。このシートを5トン/cm2でプレ
スした後、真空乾燥機中において130℃で熱処理して
合金を2g含む電極を作成した。
て10サイクル充放電を行って電極を活性化させた。次
に、20℃において40mAの電流で合金の放電容量の
150%相当の電気量を充電し、80mAの電流で0.
8Vまで放電した。このとき、Zr0.8Ti0.4Mn0.8
Al0.2Ni1.2合金は約320mAh/g、ZrMn0
.7V0.3Ni1.2合金は約350mAh/gの放電容量を
示した。さらに、これらの電極に20℃において40m
Aの電流で150%相当の電気量充電した後、0℃の雰
囲気下に移し、放電電流400mAで0.8Vまで放電
した。このとき、Zr0.8Ti0.4Mn0.8Al0.2Ni
1.2合金は約260mAh/gの放電容量を示し、Zr
Mn0.7V0.3Ni1.2合金は約220mAh/gの放電
容量を示した。この結果より、本発明の合金が低温高率
放電に優れていることがわかった。
Mn0.7Al0.2Ni1.2M0.1(MはSi、Zn、Sn、
Fe、Mo、CuまたはCo)合金を作製した。この合
金試料の一部はX線回折などの合金分析および水素ガス
雰囲気におけるP−C−T測定に使用し、残りは電極特
性評価に用いた。各合金試料はC14型とC15型相の
ピ−クが認められた。また、各試料の20℃におけるP
−C−T測定結果より算出した水素吸蔵量を表2に示し
た。水素吸蔵量は合金の電気化学的な充放電反応による
放電容量と比較するため、電気量(Ah/g)に換算し
て示した。
方法で電気化学的な充放電反応によるアルカリ蓄電池用
負極としての電極特性を評価するために単電池試験を行
った。その結果を表2に示した。いずれの合金試料も3
50mAh/g以上の大きな電極放電容量を示した。
を図4に示した。この結果よりMo、Coの添加は電極
放電容量を向上させることがわかった。これはMoの添
加により合金の水素ガス吸蔵・放出の平衡圧が低下し、
水素ガス吸蔵量が増加したためであり、またCoの添加
により合金の電気化学的な活性が向上したためであると
考えられる。しかし、これらの金属元素でもy=0.2
以上の添加は電極放電容量の低下をもたらし、各金属元
素量yを0.3とした合金はすべて300mAh/g以
下の電極放電容量であった。以上の結果より各金属元素
の添加量yは0.2以下が適量であることがわかった。
0.4Mn0.8Al0.2Ni1.2合金の上記単極試験の充放電
サイクル時の放電容量の変化を示した。図5の横軸に充
放電サイクル数を、縦軸に合金1gあたりの放電容量を
示したものであり、図中の番号は表2の試料No.と一
致している。図5に示した結果より、Si、Znまたは
Coを添加した合金試料No.8、9、14は、Zr
0.8Ti0.4Mn0.8Al0 .2Ni1.2合金に比べ電極放電
容量の立ち上がりが早くなった。このことから、これら
の合金の電気化学的な活性が向上したことがわかった。
密閉形ニッケル−水素蓄電池を構成し、その特性を比較
した。蓄電池は以下の方法で作製した。各合金の400
メッシュ以下の粉末とカルボキシメチルセルローズの希
水溶液とを混合攪拌してそれぞれペースト状にし、電極
支持体である平均孔径150ミクロン、多孔度95%、
厚さ1.0mmの発泡状ニッケルシートに充填した。こ
れを120℃で乾燥してローラープレスで加圧し、さら
にその表面にフッ素樹脂粉末をコーティングして水素吸
蔵合金電極とした。これらの電極を幅3.3cm、長さ
21cm、厚さ0.40mmに調整し、リード板を所定
の2カ所に取り付けた。そして、容量3.0Ahの正極
およびセパレータと組み合わせ、渦巻き状に捲回してS
Cサイズの電槽に収納した。このときの正極は公知の発
泡式ニッケル電極で、幅3.3cm、長さ18cmであ
る。この正極にリード板を2カ所に取り付けた。また、
セパレータは親水性を付与したポリプロピレン不織布を
使用した。電解液としては、比重1.20の水酸化カリ
ウム水溶液に水酸化リチウムを30g/l溶解したもの
を用いた。前記の電槽に電解液を注入した後、電槽の開
口部を封口して密閉型電池とした。
おいて、充電は0.5C(2時間率)で120%まで、
放電は0.2C(5時間率)で終止電圧0.8Vとして
充放電を20サイクル行い、その後65℃の雰囲気中に
放置した。図6は、保存による各電池の電圧変化を示
す。図中の番号は表2の試料No.と一致している。S
i、Zn、Sn、FeまたはCuを含まない合金試料N
o.3、12、14を用いた電池は、保存期間が20日
程度から電池電圧の低下が大きくなるのに対し、これら
金属元素を含む組成の合金を用いた電池は、30日程度
まで電池電圧の大きな低下が認められなかった。この結
果から、これら金属元素は水素吸蔵合金電極の耐アルカ
リ性を向上させることがわかった。
を作製した。この合金試料の一部はX線回折などの合金
分析および水素ガス雰囲気におけるP−C−T測定に使
用し、残りは電極特性評価に用いた。試料No.18〜
20の合金試料は比較例である。各合金試料はC14型
とC15型相のピークが認められた。また、各試料の2
0℃におけるP−C−T測定結果より算出した水素吸蔵
量を表3に示した。水素吸蔵量は合金の電気化学的な充
放電反応による放電容量と比較するため、電気量(Ah
/g)に換算して示した。これら合金試料について実施
例1と同様の方法で電気化学的な充放電反応によるアル
カリ蓄電池用負極としての電極特性を評価するために単
電池試験を行った。
15〜18の本発明の合金は、300mAh/g以上の
電極放電容量を示したに対し、Cr量が0.3を越える
比較例の合金は、電極放電容量は300mAh/g以下
であった。Crの添加量が増加することにより電極放電
容量が低下することがわかった。
の充放電サイクル時の放電容量の変化を示している。図
7の横軸に充放電サイクル数を、縦軸に合金1gあたり
の放電容量を示したものであり、図中の番号は表3の試
料No.と一致している。図7に示した結果から、Cr
を添加した合金の放電容量の立ち上がりはCrの添加量
が増加することにより遅くなることがわかった。このた
めCr量zが0.3を越える合金は、充放電サイクルを
多数回繰り返しても放電容量が大きくならなかった。
−水素蓄電池を構成し、その特性を比較した。蓄電池は
実施例2と同様の方法で作製した。作製した各電池を、
20℃において、充電は0.5C(2時間率)で120
%、放電は0.2C(5時間率)で終止電圧0.8Vと
して充放電を20サイクル行い、その後65℃の雰囲気
中に放置した。図8は、保存による各電池の電圧変化を
示す。図中の番号は表3の試料No.と一致している。
Crを含まない合金は、保存期間が20日程度から電池
電圧の低下が大きくなるのに対し、Crを含む合金はC
rの添加量の増加にともない電池電圧が低下し始める保
存期間が延びていることがわかった。以上の結果から、
Crの添加により電極放電容量、電極の電気化学的活性
は低下するが、合金の耐アルカリ性が大きく向上し、密
閉型ニッケル−水素蓄電池の高温保存特性が大きく向上
することがわかった。
を作製した。この合金試料の一部はX線回折などの合金
分析および水素ガス雰囲気におけるP−C−T測定に使
用し、残りは電極特性評価に用いた。各合金試料はC1
4型とC15型相のピ−クが認められた。また、各試料
の20℃におけるP−C−T測定結果より算出した水素
吸蔵量を表4に示した。水素吸蔵量は合金の電気化学的
な充放電反応による放電容量と比較するため、電気量
(Ah/g)に換算して示した。これら合金試料につい
て実施例1と同様の方法で電気化学的な充放電反応によ
るアルカリ蓄電池用負極としての電極特性を評価するた
めに単電池試験を行った。その結果を表4に示した。い
ずれの合金も約350mAh/g程度の大きい電極放電
容量を示した。特に、Mo、Coを添加した合金は、電
極放電容量が大きくなった。
料No.15の上記単極試験の充放電サイクル時の放電
容量の変化を示している。図7の横軸に充放電サイクル
数を、縦軸に合金1gあたりの放電容量を示したもので
あり、図中の番号は表4の試料No.と一致している。
図9に示した結果から、Si、ZnまたはCoを添加し
た合金試料No.21、22、27は、合金試料No.
15の合金に比べ電極放電容量の立ち上がりが早くなっ
た。このことよりこれらの合金の電気化学的な活性が向
上したことがわかった。
−水素蓄電池を構成し、その特性を比較した。蓄電池は
実施例2と同様の方法で作製した。作製した各電池を、
20℃において、充電は0.5C(2時間率)で120
%、放電は0.2C(5時間率)で終止電圧0.8Vと
して充放電を20サイクル行い、その後65℃の雰囲気
中に放置した。図10に保存による各電池の電圧変化を
示す。図中の番号は表4の試料No.と一致している。
比較のために合金試料No.15の結果も示した。S
i、Zn、Sn、FeまたはCuを含む合金試料No.
21、22、23、24、26は、合金試料No.15
に比べて電池電圧の低下が大きくなる保存期間が5日間
程度延びていることがわかった。以上の結果から、S
i、Zn、Coは、合金の電気化学的活性を向上させ、
Sn、Fe、Cuは電気化学的活性を大きく損なうこと
なく、合金の耐アルカリ性を向上させることができる。
また、Mo、Coは合金の電極放電容量を向上させるこ
とができる。上記実施例においては、これら元素を1種
のみ添加した合金について説明したが、2種またはそれ
以上組み合わせて添加しても差支えない。
アルカリ性、低温高率放電特性に優れた電極を与える。
また、原材料コストが安く、低価格の水素吸蔵合金電極
を得ることができる。
Al0.2Ni2.0-v合金のMn量vと水素ガス吸蔵量およ
び同合金を用いた電極の放電容量の関係を示す。
合金を用いた電極の放電容量の関係を示す。
合金を用いた電極の放電容量の関係を示す。
0.2Ni1.2M0.1合金のMの添加量yと同合金を用いた
電極の放電容量の関係を示す。
を用いた電極の充放電サイクル特性を示す。
からなる電極を用いた密閉型ニッケル−水素蓄電池の高
温保存特性を示す。
を用いた電極の充放電サイクル特性を示す。
からなる電極を用いた密閉型ニッケル−水素蓄電池の高
温保存特性を示す。
を用いた電極の充放電サイクル特性を示す。
金からなる電極を用いた密閉型ニッケル−水素蓄電池の
高温保存特性を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式Zr1.2-aTiaMnvAlwNix
MyCrz(ただし、MはSi、Zn、Sn、Fe、M
o、CuおよびCoよりなる群から選択される少なくと
も1種の元素、0.1≦a<1.2、0.4≦v≦1.
2、0<w≦0.3、0.8≦x≦1.6、0≦y≦
0.2、0≦z≦0.3であり、かつ1.7≦(v+w
+x+y+z)≦2.7)で示され、合金相の主成分が
C14(MgZn2)型またはC15(MgCu2)型ラ
ーバス相であることを特徴とする水素吸蔵合金。 - 【請求項2】 y=z=0である請求項1記載の水素吸
蔵合金。 - 【請求項3】 z=0である請求項1記載の水素吸蔵合
金。 - 【請求項4】 y=0である請求項1記載の水素吸蔵合
金。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の合金を
900〜1200℃の真空中もしくは不活性ガス雰囲気
中で均質化熱処理を施した水素吸蔵合金。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の合金ま
たはその水素化物からなる水素吸蔵合金電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6020995A JPH073365A (ja) | 1993-04-20 | 1994-02-18 | 水素吸蔵合金および水素吸蔵合金電極 |
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
JP5-92865 | 1993-04-20 | ||
JP9286593 | 1993-04-20 | ||
JP6020995A JPH073365A (ja) | 1993-04-20 | 1994-02-18 | 水素吸蔵合金および水素吸蔵合金電極 |
Publications (1)
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JPH073365A true JPH073365A (ja) | 1995-01-06 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6020995A Pending JPH073365A (ja) | 1993-04-20 | 1994-02-18 | 水素吸蔵合金および水素吸蔵合金電極 |
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Country | Link |
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JP (1) | JPH073365A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7289233B2 (en) | 2003-03-14 | 2007-10-30 | Omron Corporation | Optical film measuring device |
CN103789573A (zh) * | 2014-01-22 | 2014-05-14 | 西北工业大学 | 一种Zr基Laves相储氢合金及其制备方法 |
CN105112724A (zh) * | 2015-08-31 | 2015-12-02 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 一种拉维斯相贮氢合金及其制备方法 |
JP2015537119A (ja) * | 2012-11-16 | 2015-12-24 | ビーエーエスエフ バッテリー マテリアルズ−オヴォニック | 水素吸蔵合金及び負極とこれらを用いたNi金属水素化物電池 |
-
1994
- 1994-02-18 JP JP6020995A patent/JPH073365A/ja active Pending
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