JPH07333882A - 画像転写紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】複写装置を用いて転写用の画像を形成すること
の可能な、簡易且つ低コストの画像転写紙を提供する。 【構成】本発明は、下記の画像転写紙及び画像転写方法
を提供するものである。 １．紙類からなる基体シート上に、剥離処理を施した後
ホットメルト接着剤層を形成してなる画像転写紙。 ２．紙類からなる基体シートの一方の面に剥離処理を施
した後ホットメルト接着剤層を形成し、他方の面に帯電
防止処理を施してなる画像転写紙。 ３．上記項１又は２に記載の画像転写紙のホットメルト
接着剤層上に、複写装置を用いて転写用画像を鏡像状態
で担持させ、該ホットメルト接着剤層と被転写体とを当
接させ、加熱加圧処理を施こした後、被転写体から基体
シートを剥離することを特徴とする画像転写方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カラーコピー機、ワー
プロの出力プリンター等により形成した画像を、被転写
体上に転写する為に用いる画像転写紙、及び該画像転写
紙を用いる画像転写方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】物品上に画像を形成する方法のひとつと
して、転写シートを用いる方法がある。この方法は、剥
離性を有する基体シート上に予め図柄模様を印刷形成し
ておき、これと物品とを当接させ、加熱や加圧、あるい
は第３の媒体の介在により、その図柄模様をシート側か
ら物品上へと転移させることにより物品上に画像を形成
する方法である。かかる転写シートは、通常、数層以上
からなる多層構造からなり、各層を各々別個に印刷して
図柄を形成させたものであるが、印刷工程の煩雑さに伴
う製造コストの上昇や各印刷工程に用いる製版に要する
コストが非常に高くつくこと等から、これらを改善する
努力が続けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況下において、製造コストの削減を徹底的に追及してな
されたものであり、その目的とするところは、一般に普
及してきたカラーコピー機等の複写装置を用いて転写用
の画像を容易に形成できる、簡易且つ低コストの転写紙
を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した如
き従来技術の有する課題を解消すべく鋭意研究を重ねた
結果、基体シートとして紙類を用い、これを剥離処理し
た後、その上にホットメルト接着剤層を形成した構成の
複層構造のシートによれば、複写装置を用いてホットメ
ルト接着剤層に画像を複写することによって、非常に簡
単に低コストの画像転写紙を得ることができ、更に、こ
の様な転写紙のホットメルト接着剤層を形成した面の反
対側の面に帯電防止処理を施した場合には、転写紙同士
の面接着や転写紙のカール現象を防止して、非常に有用
性の高い画像転写紙となることを見出し、ここに本発明
を完成するに至った。

【０００５】即ち本発明は、下記の画像転写紙及び画像
転写方法を提供するものである。

【０００６】１．紙類からなる基体シート上に、剥離処
理を施した後ホットメルト接着剤層を形成してなる画像
転写紙。

【０００７】２．紙類からなる基体シートの一方の面に
剥離処理を施した後ホットメルト接着剤層を形成し、他
方の面に帯電防止処理を施してなる画像転写紙。

【０００８】３．上記項１又は２に記載の画像転写紙の
ホットメルト接着剤層上に、複写装置を用いて転写用画
像を鏡像状態で担持させ、該ホットメルト接着剤層と被
転写体とを当接させ、加熱加圧処理を施こした後、被転
写体から基体シートを剥離することを特徴とする画像転
写方法。

【０００９】本発明の転写紙によれば、通常の各種の複
写装置を用いて、転写すべき画像を転写紙上に簡単に形
成でき、従来の転写シートの製造に不可欠であった煩雑
な印刷工程を要さず、また同時に製版に必要なコストも
不要となるため、製造コストを大きく低減できる。しか
も、基体シートとして安価な紙類を使用するため、原料
コストも低減でき、これらが相俟って、極めて低コスト
の転写紙が得られる。そして、かかる転写紙に帯電防止
処理を施した場合には、複写装置を用いて画像を形成す
る際に、紙詰まりや給紙不能の原因となっていた、静電
気の発生に基づく転写紙同士の面接着を防止することが
でき、複写装置による連続的な画像の形成を全く不都合
なく実行することが可能となり、同時に帯電防止処理を
施すことにより、貯蔵中の転写紙に発生するカール現象
（基体シートを構成する紙類とその上に形成されるホッ
トメルト層との間に生じる吸湿度合いの差に起因して、
どちらか一方の側へ弓状に反り返る現象）も防止でき、
転写紙の基体シートとして紙類を用いることの制約を完
全になくすことができる。

【００１０】本発明の転写紙では、基体シートとして用
いる紙類としては、特に限定はなく通常の印刷工程に用
いられる紙類をいずれも用いることができる。この様な
紙類の具体例としては、純白紙、中質紙、上質紙、グラ
シン紙、パーチメント紙、トレーシング紙、コート紙等
を挙げることができる。これらの紙類は、その厚さにつ
いても特に限定はされないが、通常４０〜１５０μｍ程
度とすればよい。

【００１１】本発明では、基体シートとして用いる紙類
の転写画像を形成すべき側の面に、剥離処理を施すこと
が必要である。剥離処理としては、公知の各種の処理方
法を適用でき、例えば、各種ワックス類、ロジン類、セ
ルロース誘導体、ポリオレフィン類、ビニル系樹脂類、
シリコーン類、テフロン類等を含む公知の離型剤を用い
て常法に従って処理を行えばよい。

【００１２】また、紙類に熱硬化性樹脂による硬化被膜
を形成することによって、剥離処理を施すこともでき、
この場合には紙類に形成される熱硬化性樹脂による硬化
被膜が剥離層としての働きをする。使用する熱硬化性樹
脂がホットメルト接着剤層と強い密着性を有する場合に
は、転写時に、熱硬化性樹脂の硬化被膜が後述のホット
メルト接着剤層と共に被転写体側に移行し、転写後にお
ける転写画像を保護する保護層としても作用する。硬化
被膜を形成するために用いる熱硬化性樹脂の具体例とし
ては、アルキッドメラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂
等の変性メラミン樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シ
リコーン変性エポキシ樹脂等の変性エポキシ樹脂、イソ
シアネート架橋ウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂
等のウレタン系もしくは尿素系樹脂、その他、ジアリル
フタレート樹脂、変性（メタ）アクリル樹脂、ビニルエ
ステル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリアミド樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げる
ことができる。熱硬化性樹脂による硬化被膜は、熱硬化
性樹脂を主成分とする水性または油性の溶液または分散
液を基体シート上に塗工し、熱処理して硬化皮膜とする
ことによって形成できる。硬化被膜の厚さは、通常、
０．５μｍ〜２０μｍ程度とすればよい。尚、硬化被膜
を形成する際に用いる溶液又は分散液中には、本発明の
目的を逸脱しない範囲内で、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、各種フィラー類、粘度調節剤、界面活性剤、香料、
防虫剤、抗菌消臭剤、忌避剤、螢光増白剤、可塑剤、架
橋剤、難燃剤等、公知の薬剤を添加しても差し支えな
く、これらを添加すると、熱硬化性樹脂の硬化被膜がホ
ットメルト接着剤層上に移行して保護層として働く際
に、該硬化被膜に各種の機能を付加できる。

【００１３】基体シートとして用いる紙類に施す剥離処
理としては、上記した公知の離型剤を用いた塗工処理
と、熱硬化性樹脂による硬化被膜の形成とを併用するこ
ともできる。

【００１４】本発明の画像転写紙は、上記した剥離処理
を施した後、この上にホットメルト接着剤層を形成した
ものである。該ホットメルト接着剤層は、複写装置等を
用いて転写用の画像を転写紙に複写する場合に画像を構
成するトナー類を担持するものであり、また、転写と同
時にこれらのトナー類を被転写体上へ強固に接着させる
作用もする。

【００１５】ホットメルト接着剤としては、使用される
トナー類の種類に応じて、公知のものから適宜選択して
使用すればよいが、画像を構成するトナー類を担持する
働きをすることから、トナー類とある程度の相溶性を有
していることが好ましく、且つ転写後においては透明性
の高い皮膜を形成することが必要とされる。通常、ウレ
タン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ナイロン樹脂、
エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂等を各単独であるいは
２種以上のものを組み合わせたものをベースポリマーと
する公知の配合のホットメルト接着剤を用いることによ
って、本発明の目的に合致したホットメルト接着剤層を
形成することができる。特に、これらの内で、ウレタン
系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂等は、市販の各種トナ
ー類との相溶特性が良好で、且つ透明性にも優れたもの
であり、これをベースポリマーとするホットメルト接着
剤を用いることによって、良好なホットメルト接着剤層
を形成できる。

【００１６】尚、ホットメルト接着剤層の形成方法とし
ては、公知のいかなる方法を採用しても差し支えなく、
特に限定されるものではないが、表面平滑性を考慮すれ
ば、散布法を採用するよりも、Ｔダイ法、各種のコーテ
ィング方法、キャスティング法等を採用することが好ま
しく、これらの方法により複写特性に優れた平滑な表面
を有するホットメルト接着剤層が形成される。ホットメ
ルト接着剤層の厚さは、特に限定されるものではない
が、通常２０μｍ〜１２０μｍ程度とすればよい。

【００１７】尚、本発明の転写紙は、連続帯状の基体シ
ートを用いて、上記した剥離処理を施し、この上にホッ
トメルト接着剤層を形成した後、使用に際してそれを枚
葉の状態にカットして用いることができ、また、予め枚
葉にカットされた基体シート上に剥離処理を施し、ホッ
トメルト接着剤層を形成することによって得ることもで
きる。

【００１８】本発明の転写紙では、基体シートのホット
メルト接着剤層を形成する面の反対の面に、帯電防止処
理を施すことが好ましい。この様な帯電防止処理を施す
ことによって、静電気の発生により転写紙同士が面接着
することを防止することができ、また、転写紙のカール
現象が発生することも防止できる。帯電防止処理は、任
意の時期に行なうことができ、処理工程に応じて、剥離
処理の前やホットメルト接着剤層を形成した後等の適当
な時期に行えばよい。帯電防止処理の方法は、特に、限
定的ではなく、公知の帯電防止剤を用いて常法に従って
行えばよい。例えば、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、アルキ
ルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アル
キルサルフェート、アルキルホスフェート等のアニオン
性界面活性剤、第４級アンモニウムクロライド、第４級
アンモニウムサルフェート、第４級アンモニウムナイト
レート等のカチオン性界面活性剤、アルキルベタイン、
アルキルイミダゾリン、アルキルアラニン等の両性界面
活性剤、ポリビニルベンジル型カチオン樹脂、ポリアク
リル酸型カチオン樹脂等の導電性樹脂等の公知の帯電防
止剤を含む塗工剤を用いて塗工処理を施せばよく、通
常、上記した帯電防止剤の１種又は２種以上を有効成分
として含む水性又は油性の溶液又は分散液を基体シート
上に各種のコーティング方法により塗工すればよい。

【００１９】次に、本発明の画像転写紙を用いて被転写
体上に画像を形成する方法について、転写用画像を転写
紙に担持させる方法として、カラーコピー機と通常呼ば
れている電子写真方式（静電複写方式と呼称される場合
もある）の複写装置を用いて画像を転写紙に複写する方
法を採用した場合を例に挙げて説明する。

【００２０】まず、画像転写紙のホットメルト接着剤層
上にトナーが担持されるような方向で給紙される様に、
カラーコピー機に該転写紙をセットし、続いて、絵はが
きや写真等を用いて所望の画像をその転写紙上に鏡像の
フルカラー状態で複写する。そして斯くして得られた転
写紙のホットメルト接着剤層（複写面）を被転写体と当
接させ、ホットプレス、アイロン、シリンダープレスな
どを用いて、加熱加圧を施し、その後被転写体から基体
シートを剥離することにより、被転写体上に、上記で用
いた絵はがきや写真等の画像がフルカラー状態で形成さ
れる。

【００２１】尚、被転写体が白色や淡色である場合に
は、上記の方法により十分な鮮明さを有するフルカラー
画像を形成できるが、被転写体が濃色の有色材料である
場合には、被転写体上の転写画像を形成する位置に、下
地を隠蔽する白色又は淡色の隠蔽層を設けた後、その部
分に上記と同様の方法により画像を形成することによっ
て、鮮明なフルカラー画像を形成できる。この際、下地
隠蔽層を設ける方法としては、酸化チタン，亜鉛華、硅
酸アルミ、炭酸カルシウム等の如き白色の隠蔽性物質を
含んだ印刷インキ、捺染ペースト、塗料等を用いて塗工
手段により形成する方法や同様の白色の隠蔽性物質を含
んでなる白色の転写シートを製造し、該転写シートをフ
ルカラー画像の外郭と同一又はそれよりも一回り大きな
形状にカットした後、これを用いて転写により隠蔽層を
形成する方法等を採用できる。しかしながら、効率よく
下地を隠蔽でき、かつ表面平滑性が良好となる点におい
て転写シートを用いる方法が好ましい。

【００２２】尚、この際、下地隠蔽用の転写シート中
に、活性炭等の吸着性物質を含む吸着層を共存積層させ
ておけば、被転写体が昇華性の色素分で着色されている
場合に、良好な下地隠蔽性を発揮できる。

【００２３】本発明の画像転写紙が適用される被転写体
としては、特に限定はなく、転写時の加熱加圧条件に耐
え得るものであればいずれも使用できるが、代表例とし
て、木綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維、レーヨン、キュ
プラ、ポリノジック、アセテート等の再生又は半合成繊
維、ポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系、ポリ
オレフィン系、ポリビニル系等の合成繊維、ガラス繊
維、カーボンファイバー、金属繊維等の無機繊維等のあ
らゆる繊維により構成される織物、編物、混紡布、混織
編物、不織布及びそれらの各縫製品等を挙げることがで
き、その他合成樹脂フィルム等もその対象とされる。

【００２４】尚、上記説明において、本発明の画像転写
紙に転写用画像を担持させる手段として、電子写真方式
の複写装置を例に挙げたが、転写紙に画像を担持させる
方法としては、複写装置を用いる方法に限定されること
はなく、例えばワープロの出力プリンターやパソコンの
プリンター等も使用でき、更に、白黒の複写装置を使用
できることはいうまでもない。

【００２５】

【発明の効果】本発明の画像転写紙は、通常の各種の複
写装置を用いて、簡単に転写すべき画像を形成できるも
のであり、従来の転写シートの製造に不可欠であった煩
雑な印刷工程を要さず、また同時に製版に必要なコスト
も不要となり、更に、基体シートとして、安価な紙類を
使用するため、原料コストを大きく低減することができ
る。

【００２６】特に、転写紙に帯電防止処理を施した場合
には、転写紙同士の面接着や転写紙のカール現象を防止
でき、複写装置による連続的な画像の形成を全く不都合
を伴うことなく実行することができ、紙類を基体シート
とすることの制約を完全になくすことが可能となる。

【００２７】

【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例において「部」とあるのは、「重量部」を意
味する。

【００２８】実施例１ 基体シートとして、厚さ１００μｍのグラシン紙（６０
ｇ／ｍ² ）を用い、その一方の面について、シリコーン
離型剤を用いて、グラビアコーティングにより離型処理
を行なった。次いで、この面上に、飽和ポリエステル樹
脂（商標：ハーデックＡＨＭ３４０、旭化成工業社製）
１００部を厚さ４０μｍとなるようにＴダイ方式にて溶
融コーティングし、ホットメルト接着剤層を形成するこ
とによって、画像転写紙を得た。

【００２９】斯して得られた転写紙をＡ−４サイズにカ
ットし、これを電子写真方式のカラーコピー機（キャノ
ン カラーレーザーコピア５５０）に通し、野生動物の
グラビア写真を反転コピーすることによって、該転写紙
のホットメルト接着剤層に上記グラビア写真による画像
を鏡像状態で担持させた。

【００３０】続いて、白色綿ニット製のＴシャツの胸部
に、上記転写紙の画像を担持した面を当接させ、熱プレ
ス機を用いて、１６０℃、２５０ｇ／ｃｍ² 、１０秒の
転写条件で加熱加圧処理を施こし、冷却の後、Ｔシャツ
から基体シートを剥離すると、Ｔシャツの胸部に原稿の
グラビア写真に忠実で鮮明なカラー写真調の画像が転写
形成された。

【００３１】実施例２ 基体シートとして厚さ８０μｍのパーチメント紙（７０
ｇ／ｍ² ）を用い、その一方の面上に、非イオン−アニ
オン系界面活性剤（商標：プライサーフＡ２１２Ｃ、第
一工業製薬社製）の２％トルエン溶液を用いて、グラビ
アコーティングにより塗工処理を行ない、帯電防止層を
形成した。

【００３２】一方、上記基体シートの帯電防止処理を施
されていない側の面に、ワックス分散剤を用いて、グラ
ビアコーティングにより離型処理を行ない、続いてポリ
ウレタン樹脂（商標：コーファインＰ−６０３、旭硝子
社製）１００部を厚さ７５μｍとなるようにＴダイ方式
で溶融コーティングして、ホットメルト接着剤層を形成
することにより、画像転写紙を得た。

【００３３】斯くして得られた転写紙をＡ−３サイズに
カットし、これを電子写真方式のカラーコピー機（富士
ゼロックスＡｃｏｌｏｒ６３５）に通し、人物のカラー
グラビア写真を反転コピーすることによって、該転写紙
のホットメルト接着剤層に上記グラビア写真によるフル
カラー画像を鏡像状態で担持させた。

【００３４】続いて、コンピュータカッティングマシン
を用いて、この転写紙上のコピーされたグラビア写真の
人物の形状に沿って、ハーフカット状態（基体シートを
残したまま、画像を担持したホットメルト接着剤層のみ
をカットした状態）にカッティング処理を行なった後、
当該人物像以外の部分に存するホットメルト接着剤層を
剥離除去した。

【００３５】一方、酸化チタン等を含有することにより
下地隠蔽性を有する白色の転写シート（商品名：エラス
トフィルム；松井色素化学工業所社製）を別に用意し、
上記で用いたものと同じコンピュータカッティングマシ
ンを用いて、該グラビア写真の人物の形状よりも１ｍｍ
大きくした外郭を有するような形状に沿ってハーフカッ
ト状態でカッティング処理を行なった後、上記同様、不
要部に存するインキ層を剥離除去した。

【００３６】得られた白色の転写シートを、黒色綿ニッ
ト上に１６０℃、２５０ｇ／ｃｍ²、１０秒の転写条件
で加熱加圧処理し、冷却の後、黒色綿ニットから基体シ
ートを剥離することにより、該黒色綿ニット上に人物の
外郭状に下地を隠蔽する部位を設けた。

【００３７】続いて、その隠蔽部位上に、人物のフルカ
ラー画像を鏡像状態で担持した上記転写紙を当接させ、
１６０℃、２５０ｇ／ｃｍ² 、１０秒の転写条件で加熱
加圧処理を施こし、冷却の後、基体シートを剥離するこ
とにより、下地隠蔽性に優れた人物のフルカラー画像を
該黒色綿ニット上に形成した。

【００３８】尚、上記にてＡ−３サイズにカットした本
発明の画像転写紙は、１ヶ月経過後においても、カール
現象を示さず、何の支障もなくカラーコピー機に給紙で
きる性能を有していた。

【００３９】

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙類からなる基体シート上に、剥離処理
   を施した後ホットメルト接着剤層を形成してなる画像転
   写紙。
2. 【請求項２】 紙類からなる基体シートの一方の面に剥
   離処理を施した後ホットメルト接着剤層を形成し、他方
   の面に帯電防止処理を施してなる画像転写紙。
3. 【請求項３】 請求項１又は２に記載の画像転写紙のホ
   ットメルト接着剤層上に、複写装置を用いて転写用画像
   を鏡像状態で担持させ、該ホットメルト接着剤層と被転
   写体とを当接させ、加熱加圧処理を施こした後、被転写
   体から基体シートを剥離することを特徴とする画像転写
   方法。