JPH11217776A - 転写捺染物及び熱転写シート - Google Patents

転写捺染物及び熱転写シート

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JPH11217776A
JPH11217776A JP10017302A JP1730298A JPH11217776A JP H11217776 A JPH11217776 A JP H11217776A JP 10017302 A JP10017302 A JP 10017302A JP 1730298 A JP1730298 A JP 1730298A JP H11217776 A JPH11217776 A JP H11217776A
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JP10017302A
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Yasuji Masaki
安二 正木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】精細な図柄を有し、堅牢度が高く、風合、伸縮
性が良好であり、且つ安価、簡便に得ることができる転
写捺染物及びそれを与える熱転写シートを提供する。 【解決手段】被転写体、該被転写体表面上の接着剤層、
該接着剤層上の画像層、及び該画像層上の弾性組成物層
を含む転写捺染物、前記転写捺染物を製造するための熱
転写シートであって、支持体、該支持体表面上の軽剥離
層、該軽剥離層上の弾性組成物層、該弾性組成物層上の
画像層、及び該画像層上の接着剤層を含む熱転写シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体に図柄等を熱
転写して捺染するための熱転写シート及び図柄等が転写
により捺染された織物、編物、不織布等の被転写物に関
する。
【0002】
【従来の技術】編織物等への捺染は、大部分がスクリー
ン捺染法又はローラ捺染法によって行われている。これ
らの捺染法では、いずれも印刷における版に相当する捺
染型又は捺染ロールが必要であるが、その製作には、長
い工程と熟練を要するため、コストや製作時間の増加を
招く。特に多品種少量生産を行う場合や、精細な図柄や
製版において色分解を必要とする多色の図柄を忠実に再
現しようとする場合には安価な捺染物を簡便に得ること
は非常に困難である。また、スクリーン捺染法又はロー
ラ捺染法においては、編織物へ印捺後、乾燥、蒸熱、ソ
ーピング、水洗、乾燥等の後処理が必要であり、操作が
煩雑である。顔料を用いて捺染した場合は後処理の工程
は比較的簡便であるが、ベーキング又はキュアリングと
呼ばれる熱処理が必須であり、なお操作が煩雑である。
【0003】スクリーン捺染法又はローラ捺染法以外の
捺染法として、予め紙等へ画像を印刷して転写シートを
つくり、転写シート上の画像を熱によって編織物へ転写
する転写捺染法がある。転写捺染法には熱昇華性染料を
用いた昇華転写捺染法、ワックスや樹脂等の熱軟化性固
着剤と顔料とからなるインキを用いた溶融転写捺染法、
ポリ塩化ビニル等の粉末、及び可塑剤及び顔料からなる
プラスチゾルインキを用いたラバープリント転写捺染法
がある。これらの転写捺染法においては転写シートをつ
くるための版が必要であり、得られる捺染物のコストの
増加を招く。また、昇華転写捺染法では被転写物の材質
がほとんどポリエステルに限られ、溶融転写捺染法では
捺染物の風合や伸縮性が不十分であり、ラバープリント
転写捺染法による捺染物は通気性や感触が良くない。
【0004】転写捺染法において、コストの増加を招く
図柄用の版を用いないで転写シートをつくる方法とし
て、電子写真方式のコピー機を利用する方法が知られて
いる。具体的には、軽剥離層を備えた紙等の支持体表面
上に熱溶融性接着剤を含む熱可塑性ウレタン樹脂を塗工
し、その上にカラーコピー機等を用いて静電トナー等か
らなる画像層を設け、画像の輪郭に沿ってシートをトリ
ミングし、これを編織物等の被転写体に当てがい、前記
熱可塑性ウレタン樹脂が溶融する温度に加温しながら転
写することにより、被転写体上に画像層が形成された転
写捺染物を得ることができる。このような方法を用いる
と、版を要しないため、低コストで精細な図柄を有する
捺染物を得ることができる。しかし、このような方法で
は転写の容易性が低く、トリミングの工程が煩雑である
という問題点がある。また、他の方法として、軽剥離層
を備えた紙等の支持体表面上にまずカラーコピー機等を
用いて静電トナー等からなる画像層を設け、その上にス
クリーン印刷等の方法で接着剤層を印刷し、これを編織
物等の被転写体に当てがい、前記接着剤層が溶融する温
度に加温して静電トナーと接着剤が混和した状態としな
がら転写することにより、被転写体上に画像層が形成さ
れた転写捺染物を得ることができる。このような方法で
は、画像層を設けるための精細な版を必要としないた
め、低コストで精細な図柄を有する捺染物を得ることが
できる。しかし、このような方法では、得られる捺染物
が、捺染された部分において静電トナー又は静電トナー
と接着剤が露出した構造となり、風合、伸縮性、堅牢度
等の点で満足できないものとなる。
【0005】また、版、型等を使わずに捺染を行う他の
方法として、ノズルからインクを噴出させ編織物上に所
望の画像を形成するインクジェット法があるが、予め編
織物への前処理を必要とするため普及していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、精細
な図柄を有し、堅牢度が高く、風合、伸縮性が良好であ
り、且つ安価、簡便に得ることができる転写捺染物を提
供することにある。
【0007】本発明の別の目的は、精細な図柄を有し、
堅牢度が高く、風合、伸縮性が良好である転写捺染物を
安価、簡便に与えることができる熱転写シートを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、被転写
体、該被転写体表面上の接着剤層、該接着剤層上の画像
層、及び該画像層上の弾性組成物層を含む転写捺染物が
提供される。
【0009】また、本発明によれば、該接着剤層と該画
像層との間に、隠蔽層をさらに有する前記転写捺染物が
提供される。
【0010】さらに本発明によれば、前記転写捺染物を
製造するための熱転写シートであって、支持体、該支持
体表面上の軽剥離層、該軽剥離層上の弾性組成物層、該
弾性組成物層上の画像層、及び該画像層上の接着剤層を
含む熱転写シートが提供される。
【0011】さらに本発明によれば、前記軽剥離層と前
記弾性組成物層との間に、接着性付与層をさらに有する
前記熱転写シートが提供される。
【0012】さらに本発明によれば、前記画像層と前記
接着剤層との間に、隠蔽層をさらに有する前記熱転写シ
ートが提供される。
【0013】さらに本発明によれば、前記接着剤層及び
/又は隠蔽層を、前記画像層に対応した輪郭を有するべ
た柄として前記画像層上に有する前記熱転写シートが提
供される。
【0014】さらに本発明によれば、前記熱転写シート
を被転写体に転写してなる転写捺染物が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の転写捺染物は、被転写
体、該被転写体表面上の接着剤層、該接着剤層上の画像
層、及び該画像層上の弾性組成物層を含む。以下、本発
明の転写捺染物の実施態様の一つを示す図1を参照しな
がら説明する。
【0016】前記被転写体10は、捺染されることがで
きる表面を有するものであれば特に限定されないが、織
物、編物、不織布等を用いることができる。
【0017】前記接着剤層7は、前記被転写体10上に
前記画像層5等の他の層を接着することができる物質の
層であれば特に限定されないが、常温では粘着性がな
く、150℃程度以上に加熱することにより軟化、溶融
して被転写体に対する接着力を発現する熱溶融性の物質
の層であることが好ましい。前記熱溶融性の物質として
は、ポリウレタンエマルションを主成分とし、必要に応
じてアクリル系エマルション、酢酸ビニル系エマルショ
ン、粉末ポリウレタン、粉末ナイロン、粉末ポリエステ
ル等を配合したペーストを固化させたもの等を挙げるこ
とができる。
【0018】前記画像層5は、前記接着剤層7等の他の
層を介して前記被転写体上に設けることができ、所望の
図柄を表すことができる層であれば特に限定されない
が、電子写真で用いられる静電トナーからなる層が、簡
便に所望の図柄を表すことができるために好ましい。前
記静電トナーとしては、バインダーとしての合成樹脂、
顔料、及び必要に応じてその他の電荷制御剤等の助剤を
含む通常のトナーを使用することができる。前記合成樹
脂としてはガラス転移点が約50℃〜70℃であるポリ
エステル系樹脂、スチレン・アクリル樹脂等を挙げるこ
とができる。前記顔料としては黒色はカーボンブラック
等、黄色はジスアゾイエロー等、マゼンタはアゾレー
キ、不溶性アゾ顔料、キナクリドンマゼンタ等、シアン
はフタロシアニンブルー等を挙げることができる。
【0019】前記弾性組成物層4は、前記画像層5を被
覆する層である。前記弾性組成物層4としては、良好な
弾性と伸縮性を有し、特に200%以上の伸び率を有
し、洗濯、摩擦、光等に対する堅牢度が高く、画像層の
色彩を損ねないないよう透明度が高く黄変等の着色を起
こさないものであることが好ましい。また、前記接着剤
層7を溶融させる温度である約150〜170℃の温度
範囲において溶融しないものであることが、良好な転写
が行なえるため好ましい。
【0020】このような層としては、ポリウレタン樹脂
を50重量%以上含む弾性組成物からなる層が好まし
い。具体的には、使用し易い水系のポリウレタンエマル
ションを主成分としたもの、または溶剤型の熱可塑性ウ
レタン樹脂等を含むもの等の材料を固化させた層が挙げ
られる。特に、無黄変型のポリウレタンエマルションを
含む材料を固化させて得たものを好ましく挙げることが
できる。
【0021】前記無黄変型ポリウレタンエマルションを
含む材料としては、材料全量中40重量%以上の無黄変
型ポリウレタンエマルションを含む一液型水系エマルシ
ョンが好ましい。前記無黄変型ポリウレタンエマルショ
ンとしては、具体的には例えばヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレ
ンジイソシアネート、水添4,4−ジフェニルメタンジ
イソシアネート等の脂肪族若しくは脂環式イソシアネー
トプレポリマーをウレタンプレポリマーとして含むポリ
ウレタンエマルション、又はポリエーテル系、ポリカー
ボネート系若しくはポリエステル系ポリウレタンエマル
ション、例えば「パーマリン」、「ユーコート」(商品
名、いずれも三洋化成工業(株)社製)等のポリウレタ
ンエマルションを挙げることができる。
【0022】また、前記弾性組成物層4は、必要に応じ
て、粘着性を防止するための助剤を含むことができる。
このような助剤を添加することにより、得られる転写捺
染物が製品として得られた後保存されている時等におい
て、積層物同士が付着したり、積層物と他の製品等とが
付着したりすることを防止することができる。前記助剤
としては、各種のワックス等を好ましく挙げることがで
きる。このような助剤は、前記弾性組成物層4を形成す
るにあたり、弾性組成物の材料に適宜混合することによ
り前記弾性組成物層4中に含有させることができる。
【0023】本発明の転写捺染物は、必要に応じて、前
記弾性組成物層4の上に、接着性付与層3を有すること
ができる。前記接着性付与層3は、前記弾性組成物層
4、前記画像層5及び前記接着剤層7等を含む積層物を
円滑に転写することができるようにする層である。前記
接着性付与層3としては、アクリル酸エステル共重合体
エマルション、メタクリル酸エステル共重合体エマルシ
ョン、ポリウレタンエマルション、合成ゴムラテック
ス、スチレン・マレイン酸樹脂及びこれらの混合物等を
含む材料を固化させてなる層を挙げることができる。ま
た、前記弾性組成物層4として、積層物を円滑に転写す
るような機能を併せ持つ物を用いることもできる。
【0024】本発明の転写捺染物は、必要に応じて、前
記画像層5と前記接着剤層7との間に、隠蔽層6を有す
ることができる。前記隠蔽層6は、前記転写捺染物表面
から観察したときに、前記被転写体の色が前記画像層5
等の他の各層を透過して透けて見える状態になることを
防ぐ層である。図2を参照して説明すると、前記隠蔽層
6を、前記画像層5と前記接着剤層7との間に設けるこ
とにより、転写捺染物表面側(図2の上側)から観察し
た場合、被転写体11の色彩が画像層5の裏側から透け
て見えることを防ぐことができる。このような隠蔽層と
しては、隠蔽力の優れたチタン白を主成分とする顔料
と、ポリウレタンエマルションを主成分としたバインダ
ーからなる水性スクリーンインキを乾燥させてなる層を
挙げることができる。このような隠蔽層を設けることに
より、被転写体が濃色を有する場合であっても、その上
に透明度の高い図柄を鮮明に表すことができる。尚、前
記接着剤層7として、隠蔽の機能を併せ持つものを用い
ることもできる。
【0025】本発明の転写捺染物は、前記接着剤層7、
必要に応じて設ける隠蔽層6、画像層5、弾性組成物層
4、及び必要に応じて設ける接着性付与層3を含む積層
物を、前記被転写体の表面に、前記接着剤層7が前記被
転写体に面するように転写することにより製造すること
ができる。前記積層物としては、後述する本発明の熱転
写シートを好ましく挙げることができる。
【0026】本発明の熱転写シートは、前記転写捺染物
を製造するためのものであって、支持体、該支持体表面
上の軽剥離層、該軽剥離層上の弾性組成物層、該弾性組
成物層上の画像層、及び該画像層上の接着剤層を含む。
以下、本発明の熱転写シートの実施態様の一つを示す図
3を参照して説明する。
【0027】前記支持体1とは、前記軽剥離層2、弾性
組成物層4、画像層5及び接着剤層7等を支持するもの
であり、熱転写時の温度(通常約150〜170℃)に
耐えうる平滑な紙又はフィルムを用いることができる。
前記紙としては、非塗工印刷用紙、筆記用紙、上質紙等
の一般紙を用いることができる。また、前記フィルムと
しては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル
フィルムや三酢酸セルロース(セルローストリアセテー
ト)フィルム等を用いることができるが、ポリエステル
フィルムが機械的強度及び熱安定性が高いため特に好ま
しい。
【0028】前記軽剥離層2とは、前記弾性組成物層
4、画像層5、及び接着剤層7等の転写されるべき層を
前記支持体1に保持することができ、且つ熱転写時に前
記支持体1と転写されるべき層とが円滑に剥離されるよ
うにする層であり、エマルション型又は溶剤型のシリコ
ーン系軽剥離剤の層であることが好ましい。
【0029】前記弾性組成物層4、画像層5、及び接着
剤層7としては、前記転写捺染物を構成する層として挙
げたものと同様のものを用いることができる。
【0030】本発明の熱転写シートは、前記接着剤層7
を、前記画像層5に対応した輪郭を有するべた柄として
前記画像層5上に有することが特に好ましい。即ち、図
5A及び5Bに示す実施態様を参照して説明すると、図
5Aに示すような図柄の画像層5aを有する熱転写シー
トの場合、その上に、図5Bに示すように、画像層5a
の輪郭14aに対応した輪郭14bを有するべた柄の接
着剤層7bを有することが特に好ましい。このように、
画像層に対応した輪郭を有するべた柄として接着剤層を
有することにより、画像層に対応する輪郭内の層のみを
転写することができ、トリミングの工程が不要となるた
め、特に好ましい。
【0031】なお、画像層に対応した輪郭を有すると
は、画像層の輪郭の形状と完全に同一の形状の輪郭を有
する場合のみならず、画像層の輪郭の形状より小さい又
は大きい形状で画像層の輪郭に対応する輪郭を有する場
合をも含む。例えば図5Aの画像層5aの輪郭14aに
対応する輪郭は、14aと同一の形状の輪郭14bであ
っても、それより小さい輪郭14c(破線)であって
も、それより大きい輪郭14d(一点鎖線)であっても
よい。特に、前記接着剤層7の形状は、前記画像層5の
輪郭と同一の形状かそれより大きい形状であることが、
画像層の輪郭をもれなく引き抜くことができるため好ま
しい。画像層5の輪郭とそれに対応した接着剤層7の輪
郭との距離は0〜0.5mmの範囲内であることが好ま
しい。
【0032】本発明の熱転写シートは、必要に応じて、
前記軽剥離層2と前記弾性組成物層4との間に、接着性
付与層3をさらに有することができる。前記接着性付与
層3は、前記弾性組成物層4、画像層5、及び接着剤層
7等の転写されるべき層を、前記軽剥離層2を介して前
記支持体1に保持することができ、且つ熱転写時に前記
支持体1と転写されるべき層とが円滑に剥離されるよう
にする層であり、具体的には、前記転写捺染物を構成す
る接着性付与層として挙げたものと同様のものを用いる
ことができる。また、前記弾性組成物層4として、転写
されるべき層を円滑に転写するような機能を併せ持つ物
を用いることもできる。
【0033】本発明の熱転写シートは、必要に応じて、
例えば図4に示すように、前記画像層5と前記接着剤層
7との間に、隠蔽層6をさらに有することができる。前
記隠蔽層6としては、前記転写捺染物を構成する隠蔽層
として挙げたものと同様のものを用いることができる。
前記隠蔽層6を、前記画像層5と前記接着剤層7との間
に設けることにより、本発明の熱転写シートを用いて転
写捺染物を作製した際に、転写捺染物表面側から観察し
た場合、被転写体の色彩が画像層5の裏側から透けて見
えることを防ぐことができる。このような隠蔽層として
は、前記転写捺染物を構成する隠蔽層として挙げたもの
と同様のものを用いることができる。このような隠蔽層
を設けることにより、被転写体が濃色を有する場合であ
っても、その上に透明度の高い図柄を鮮明に表すことが
できる。尚、前記接着剤層7として、隠蔽の機能を併せ
持つものを用いることもできる。
【0034】本発明の熱転写シートは、前記隠蔽層6
を、前記接着剤層7と同様に、前記画像層5に対応した
輪郭を有するべた柄として前記画像層5上に有すること
が、転写された際図柄の美観を損ねずに被転写体の色彩
を隠蔽することができるため特に好ましい。特に、前記
隠蔽層6の形状は、前記画像層5の輪郭と同一の形状か
それより小さい形状であることが、画像層5から隠蔽層
6がはみ出るのを防止することができるため好ましい。
画像層5の輪郭とそれに対応した隠蔽層6の輪郭との距
離は0〜0.5mmの範囲内であることが好ましい。
【0035】本発明の熱転写シートは、前記支持体1上
に、前記軽剥離層2、必要に応じて設ける接着性付与層
3、弾性組成物層4、画像層5、必要に応じて設ける隠
蔽層6、及び接着剤層7を、この順に順次形成すること
により製造することができる。
【0036】前記支持体1上への前記軽剥離層2の形成
は、前記軽剥離剤を水又は溶剤で希釈して塗料とし、こ
れを支持体に均一に塗工し、加熱処理することにより行
うことができる。
【0037】形成した前記軽剥離層2上への前記接着性
付与層3の形成は、前記接着性付与層の材料を、ロール
コート法等により塗工した後乾燥させることにより行う
ことができる。
【0038】形成した前記軽剥離層2又は前記接着性付
与層3上への前記弾性組成物層4の形成は、前記ポリウ
レタン樹脂等を含むもの等の前記弾性組成物層の材料
を、スクリーン印刷により塗工した後乾燥させることに
より行うことができる。なお、弾性組成物層4を前記軽
剥離層2上へ直接設けようとした場合、材料の乗りが悪
く、材料をはじいて均質な層の形成が困難である場合が
多いが、このような場合には、前記接着性付与層3を前
記軽剥離層2と前記弾性組成物層4との間に設けること
によって、均質な層を容易に得ることができるため特に
好ましい。
【0039】形成した前記弾性組成物層4上への前記画
像層5の形成は、通常のカラーコピー機等を用いた電子
写真方式により所望の図柄を前記弾性組成物層上にコピ
ーし、前記静電トナーからなる画像層を形成することに
より行うことができる。
【0040】形成した前記画像層5上への前記隠蔽層6
の形成は、前記隠蔽層6の材料のスクリーンインキ等
を、前記画像層上に、スクリーン印刷により印刷し、乾
燥させることにより行うことができる。この際、前記隠
蔽層を、画像層に対応した輪郭を有するべた柄として設
けることが特に好ましい。
【0041】形成した前記画像層5又は前記隠蔽層6上
への前記接着剤層7の形成は、前記接着剤層の材料のペ
ースト等を、スクリーン印刷により印刷し、熱処理する
ことにより行うことができる。この際、前記隠蔽層と同
様に、画像層に対応した輪郭を有するべた柄として接着
剤層を設けることが特に好ましい。
【0042】本発明の転写捺染物は、前記熱転写シート
を被転写体に転写して得ることができる。
【0043】前記転写は、被転写体に、前記接着剤層側
が面するように前記熱転写シートをあてがい、熱転写機
等を用いて典型的には約150〜170℃で5〜15秒
間加熱しながら加圧した後、前記支持体を剥離すること
により行うことができる。図1及び図2に図示する通
り、剥離する際、前記接着性付与層3及び弾性組成物層
4等が、接着剤層7の輪郭に対応する部分において引き
抜かれ、それにより、トリミングの工程を行わなくて
も、精細な輪郭の転写を行うことができる。
【0044】
【発明の効果】本発明の転写捺染物は、特定の層を特定
の積層順序で有するため、精細な図柄を有し、堅牢度が
高く、風合、伸縮性が良好で、且つ安価、簡便に製造す
ることができる。
【0045】また、本発明の熱転写シートは、特定の層
を特定の積層順序で有するため、精細な図柄を有し、堅
牢度が高く、風合、伸縮性が良好な転写捺染物を安価、
簡便に与えることができる。
【0046】
【実施例】以下実施例によりさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】
【実施例1】(熱転写シートの作製)剥離紙用のシリコ
ーンエマルション型離型剤KM768(商品名、信越化
学工業製)を水で希釈し、触媒としてPM6A及び6B
(商品名、信越化学工業製)を加えて、軽剥離層用塗工
液を調製した。この塗工液を支持体1としての上質紙
(坪料70g/m2)の表面にロールコート法により均
一に塗工し、予備乾燥後150℃で加熱処理して軽剥離
層2を支持体1の表面に形成させた。
【0048】アクリルエマルション製品ジョンクリル6
32(商品名、ジョンソンポリマー製)60重量部と、
アクリル変性スチレンマレイン酸樹脂水溶液ジョンクリ
ル501(商品名、ジョンソンポリマー製)40重量部
を混合し、接着性付与層用塗工液を調製した。この塗工
液を形成された軽剥離層2上にロールコート法により全
面塗工し、80℃で加熱乾燥して接着性付与層3を軽剥
離層2の上に形成させた。
【0049】無黄変型ポリウレタンエマルション(商品
名「UF 701」、大日本インキ製)71重量部、エ
チレン酢酸ビニル共重合体エマルション(商品名「パン
フレックス」、クラレ社製)18重量部、ワックスエマ
ルション(商品名「パーマリンPN」、三洋化成工業)
9重量部、及び水分散性シリコーン消泡剤(商品名「信
越シリコーンKS68」、信越化学製)2重量部を混合
し、弾性組成物層用材料を調製した。この材料を、形成
された接着性付与層3上にスクリーン印刷し、70℃で
乾燥し、弾性組成物層4を接着性付与層3の上に形成さ
せた。
【0050】所望の図柄が左右反転した状態で描かれた
転写捺染用のカラー原稿を用意し、この原稿の図柄を、
静電写真方式フルカラーコピー機プリテール600(商
品名、リコー製)を用いてカラーコピーすることによ
り、形成した弾性組成物層4上に、静電トナーの画像層
5を形成させた。
【0051】次に、チタン白の水性分散体(商品名「ラ
バーホワイト UW」、林化学製)65重量部、無黄変
型ポリウレタンエマルション(商品名「UF 70
1」、大日本インキ製)30重量部及び粉末ポリウレタ
ン(商品名「U−100」、日本ポリウレタン製)5重
量部を混合し、隠蔽層用スクリーンインキを調製した。
このスクリーンインキを、前記反転した状態の図柄の輪
郭と同一の形状のべた柄のスクリーン型を用い、画像層
5の形状に正確に型合わせして画像層5の上にスクリー
ン印刷し、乾燥して隠蔽層6を形成した。
【0052】さらに、無黄変型ポリウレタンエマルショ
ン(商品名「アイゼラックスS−4040N」、保土ケ
谷化学製)10重量部、アクリルエマルション(商品名
「600 バインダー」、タナカケミカル製)60重量
部、及び粉末ポリウレタン(商品名「U−100」、日
本ポリウレタン製)30重量部を混合して接着剤層用ペ
ーストを調製し、これを前記反転した状態の図柄の輪郭
と同一の形状のべた柄のスクリーン型を用い、画像層5
及び隠蔽層6の形状に正確に型合わせして隠蔽層6の上
にスクリーン印刷し、50〜60℃で60分間予備乾燥
し、さらに120〜130℃で2分間熱処理して隠蔽層
6上に接着剤層7を形成させ、熱転写シートを得た。
【0053】
【実施例2】(転写捺染物の作製)平圧式熱転写機のオ
クサンプレス機AF−43T(商品名、奧野電器産業
製)の転写盤に、被転写体として藍色に染色された綿織
物を広げて乗せ、その上に、実施例1で得られた熱転写
シートを、接着剤層7が被転写体に接するように位置ぎ
めして置き、160〜170℃で15秒間、加熱、加圧
した。密着した被転写体と熱転写シートを転写機から取
り出し、約15秒間常温で冷却してから両者を剥離する
ことにより、被転写体上に接着剤層7、隠蔽層6、画像
層5、弾性組成物層4及び接着性付与層3がこの順で積
層された転写捺染物を得た。
【0054】得られた転写捺染物は、藍色の被転写体の
色に全く影響されることなく原稿の色に忠実で、かつ原
稿の図柄の正像が精細に再現されていて、風合及び伸縮
性も良好であった。
【0055】得られた転写捺染物の堅牢度を測定したと
ころ、以下の結果が得られた。
【0056】 洗濯堅牢度(JIS L 0844,A-2号):4−5級 耐光堅牢度(JIS L 0842,カーボンアーク燈光):4級 摩擦堅牢度(JIS L 0849, II型):4−5級(乾燥)、
4−5級(湿潤)
【0057】
【実施例3】隠蔽層を設けずに画像層5の上に直接接着
剤層7を設けた点、弾性組成物用材料として無黄変型ポ
リウレタンエマルション(商品名「パーマリン UA−
200」、三洋化成工業製)72重量部、エチレン酢酸
ビニル共重合体エマルション(商品名「パンフレック
ス」、クラレ製)18重量部、ワックスエマルション
(商品名「パーマリン EH−361」、三洋化成工業
製)8重量部及びシリコーン系消泡剤(商品名「BYK
−023」、ビック・ケミー製)の混合物を用いた点、
及び接着剤層用ペーストとして、アクリルエマルション
(商品名「ジョンクリル 7100」、ジョンソンポリ
マー製)60重量部、無黄変型ポリウレタンエマルショ
ン(商品名「パーマリン UA−150」、三洋化成工
業製)10重量部及び粉末ポリウレタン(商品名「J
100A」、日本ポリウレタン製)30重量部の混合物
を用いた点以外は、実施例1と同様に操作し、熱転写シ
ートを得た。
【0058】
【実施例4】実施例3で得られた熱転写シート及び被転
写体として白地のTシャツを用いた他は、実施例2と同
様に操作して、転写捺染されたTシャツを得た。得られ
たTシャツの画像は、原稿の色に忠実で、原稿の図柄は
精細に再現されていて、風合及び伸縮性が良好であっ
た。また、得られた転写捺染物の堅牢度を測定したとこ
ろ、以下の結果が得られた。
【0059】 洗濯堅牢度(JIS L 0844,A-2号):4−5級 耐光堅牢度(JIS L 0842,カーボンアーク燈光):4級 摩擦堅牢度(JIS L 0849, II型):4−5級(乾燥)、
4−5級(湿潤)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写捺染物の実施態様及び本発明の熱
転写シートの転写の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の転写捺染物の別の実施態様及び本発明
の熱転写シートの転写の他の例を示す斜視図である。
【図3】本発明の熱転写シートの実施態様を示す斜視図
である。
【図4】本発明の熱転写シートの別の実施態様を示す斜
視図である。
【図5】本発明の熱転写シートの隠蔽層又は接着剤層の
形成状態の例を示す平面図である。
【符号の説明】
1:支持体 2:軽剥離層 3:接着性付与層 4:弾性組成物層 5,5a:画像層 6:隠蔽層 7,7a:接着剤層 8:隠蔽層を含まない熱転写シート 9:隠蔽層を含む熱転写シート 10:淡色の被転写体 11:濃色の被転写体 12:隠蔽層を含まない転写捺染物 13:隠蔽層を含む転写捺染物 14a,14b,14c,14d:輪郭

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被転写体(10,11)、該被転写体表面上の
    接着剤層(7)、該接着剤層上の画像層(5)、及び該画像層
    上の弾性組成物層(4)を含む転写捺染物。
  2. 【請求項2】 該接着剤層(7)と該画像層(5)との間に、
    隠蔽層(6)をさらに有する請求項1記載の転写捺染物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の転写捺染物を製造
    するための熱転写シートであって、支持体(1)、該支持
    体表面上の軽剥離層(2)、該軽剥離層上の弾性組成物層
    (4)、該弾性組成物層上の画像層(5)、及び該画像層上の
    接着剤層(7)を含む熱転写シート。
  4. 【請求項4】 前記軽剥離層(2)と前記弾性組成物層(4)
    との間に、接着性付与層(3)をさらに有する請求項3記
    載の熱転写シート。
  5. 【請求項5】 該画像層(5)と該接着剤層(7)との間に、
    隠蔽層(6)をさらに有する請求項3又は4記載の熱転写
    シート。
  6. 【請求項6】 前記接着剤層(7)及び/又は隠蔽層(6)
    を、前記画像層(5)に対応した輪郭を有するべた柄とし
    て前記画像層(5)上に有する請求項3〜5記載の熱転写
    シート。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれか1項記載の熱転
    写シートを被転写体に転写してなる転写捺染物。
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