JP2019146678A - 不織布袋 - Google Patents

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Fukuichi Miwa
福一 三輪
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Abstract

【課題】印刷部分の周囲に隠蔽層の周縁部が露出することなく、濃色生地でも印刷部分が生地の影響を受けず発色する転写シートが貼られた濃色の不織布袋を提供すること。【解決手段】好ましくは濃色の不織布袋において、袋本体の表面に設けられた感熱接着剤層と該感熱接着剤層の上に設けられた隠蔽層と隠蔽層の上に設けられた特定の絵柄、意匠を有する印刷部分を備えてなる不織布袋。【選択図】図1

Description

本発明は、不織布袋に関する。詳しくは、印刷部分の周囲に隠蔽層の縁が露出するという不具合を生じることなく、濃色生地でも印刷部分が生地の影響を受けず発色する転写シートが貼られた好ましくは濃色の不織布からなる不織布袋に関する。
さらに本発明は、斯様な不織布袋の連続印刷方法に関する。
従来から、染色された不織布の上にスクリーン印刷法等を用いてプリント模様を付与することは行われており、たとえば、ショッパー、ギフト巾着、展示会のバッグ、学校及び企業のオリジナルバッグ等、幅広い用途に使われている不織布袋において特に見られる。その中でも特に、ショッパー等に使われる不織布袋の生地は、色彩的に見栄えのする原色を用いて染色されていることが多い。この場合、生地の上に直接マークや模様などのプリント色を印刷すると、生地の色彩の影響を消去していないため、上記プリント色が不明瞭になってしまうという問題がある。とくに濃色生地に、中間色から淡色のプリント模様を印刷する場合はその影響が大きかった。
そこで従来法においては、生地色を隠蔽するため、白色顔料を混合したインクを用いてそれをプリント模様部分の不織布上に何回も重ね塗りしてインク層を厚くするか、もしくは不織布生地を白色のインクでベタ(均一厚さ)に下塗り・乾燥した後、色(カラー)インクで上塗りする方法が採用されていた。
しかしながら、前記従来の方法はいずれもインクの層を厚くして隠蔽性を高めているので、出来上がったプリント製品は下記のような問題があった。(1)生地の風合いが硬くなる。(2)プリント部分が脆く、固着性に欠ける。(3)プリント−乾燥−プリントを繰り返すので、生地が熱収縮してプリントの柄ずれが起こる。(4)生地の熱収縮とインクの熱収縮差が大きいものは、プリント面がカールする等の問題がある。
そこでこの問題点を考慮したものとして、不織布の上に生地色を遮蔽するための隠蔽層とその上の印刷部分を少なくとも備えたプリント不織布が提案されている(特許文献1)。
特開平9−39365号公報
この特許文献1のプリント不織布は、隠蔽材料を含む下塗り用インクをスクリーン印刷を用いて不連続状態にプリントし、前記下塗りインクを半乾きの状態に乾燥し、次いで着色剤を含む上塗り用色彩インクをスクリーン印刷を用いてプリントすることにより製造される。しかし、実際は、前記隠蔽材料を含む下塗り用インクからなる隠蔽層、及び着色剤を含む上塗り用色彩インクからなる印刷部分の輪郭を完全に一致させることは極めて困難であり、印刷部分の周囲に隠蔽層の縁が不規則にはみ出してしまい、外観見栄えが悪くなる虞があった。さらに、製造工程において、隠蔽層を塗った後、一度半乾きの状態に乾燥しなければならず、製造に手間と時間がかかり、製造コストが高くなってしまうという虞があった。
本発明は、斯かる事情を考慮してなされたものであって、その目的とするところは
印刷部分の周囲に隠蔽層の縁が露出するという不具合を生じることなく、濃色生地であっても印刷部分が生地の影響を受けず発色させることができ、しかも製造費用が廉価な不織布袋、例えば濃色の不織布袋を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、本発明の不織布袋を安価に製造するために、数多くの不織布袋の個々の表面に印刷部分を連続して設ける印刷方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、支持体の表面に印刷部分、隠蔽層及び感熱接着剤層をこの順に設けることで形成した積層体構造を持つ転写シートを、例えば濃色の不織布からなる袋本体の表面に該感熱接着剤層が該表面に接するように載せ置き、熱を加えることにより、該感熱接着剤層が融解し、転写シートを該袋本体の表面に貼着し、そして該転写シートから支持体を剥離することで、例えば濃色の不織布袋の表面に該感熱接着剤層および該隠蔽層を設け更にその上に特定の絵柄、意匠を有する印刷部分を備えている積層体を形成させる、つまり隠蔽層により印刷部分を濃色の不織布に接しない積層構成とすることで、印刷部分に淡色を用いてもきれいに発色し、かつ感熱接着剤層により隠蔽層を濃色の不織布に接しない積層構成とすることで、印刷部分の周囲に隠蔽層の縁が露出するという不具合を生じないようにできることを見出した。
さらに、支持体の連続フィルムを走行させるとともに、ロール・ツー・ロール方式により、該フィルムの表面に印刷部分、隠蔽層及び感熱接着剤層からなる積層構成部分を有する熱転写可能な連続シートを製造し、予め準備しておき、そして
自動製袋機を用いて不織布からなる袋を形作る過程の前、途中または後において、前記転写シートを袋材料である不織布の表面に連続して熱ロール圧着し、次いで前記支持体の連続フィルムを剥離することで、熱転写により印刷された不織布袋を製造することにより、数多くの不織布袋の個々の表面に印刷部分を連続して設けることができる印刷方法を見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の態様からなる。
(1)好ましくは濃色の不織布からなる不織布袋において、
袋本体の表面に設けられた感熱接着剤層と
該感熱接着剤層の上に設けられた隠蔽層と
該隠蔽層の上に設けられた特定の絵柄、意匠を有する印刷部分を備えてなる不織布袋。
(2) 前記感熱接着剤層は、ホットメルト接着剤層からなる前記(1)に記載の不織布袋。
(3) 前記隠蔽層は、白色系インク層からなり、不織布袋の色調と同様またはこれに近い色調を有する層である前記(1)又は前記(2)に記載の不織布袋
(4)数多くの不織布袋の個々の表面に印刷部分を連続して設ける印刷方法であって、
支持体の連続フィルムを走行させるとともに、ロール・ツー・ロール方式により、該フィルム表面に印刷部分を所定の間隔ごと連続して形成し、続いて該印刷部分の上に隠蔽層を形成し、さらに該隠蔽層の上に感熱接着剤層を形成して、印刷部分、隠蔽層及び感熱接着剤層からなる積層構成部分を有する熱転写可能な連続シートを製造する転写シートの準備工程と、
自動製袋機を用いて不織布からなる袋を形作る過程の前、途中または後において、前記転写シートを袋材料である不織布の表面に連続して熱ロール圧着し、次いで前記支持体の連続フィルムを剥離することにより、熱転写により印刷された不織布袋を製造する転写印刷工程とを備えてなる、不織布袋の連続印刷方法。
(5)前記支持体の連続フィルムはPETフィルムからなる、前記(4)に記載の不織布袋の連続印刷方法。
(6)前記印刷部分は、グラビア印刷又はフレキソ印刷により連続フィルムの表面に所定の間隔ごとに連続して形成される、前記(4)または前記(5)に記載の不織布袋の連続印刷方法。
(7)前記隠蔽層は、白色系インク層からなり、不織布袋の色調と同様またはこれに近い色調を有する層である、前記(4)乃至前記(6)のうちいずれか一つに記載の不織布袋の連続印刷方法。
(8)前記感熱接着剤層は、ホットメルト接着剤層からなる、前記(4)乃至前記(7)のうちいずれか一つに記載の不織布袋の連続印刷方法。
本発明の不織布袋は、該不織布袋の表面に感熱接着剤層としてホットメルト接着剤層を設けて該ホットメルト接着剤層の上に隠蔽層と印刷部分をこの順序で積層しており、印刷部分及び隠蔽層が不織布に接しない積層構成であるので色彩等がぼやけてしまうことがなく、印刷部分の周囲に隠蔽層の周縁部が露出することなく、下地に濃色の不織布を使用してもきれいに発色した濃色の不織布袋が提供される。
さらに本発明では、支持体層の表面に印刷部分、隠蔽層及び感熱接着剤層をこの順番で積層して設けた転写シートを、不織布袋の表面に該感熱接着剤層が接するように貼着しているので、隠蔽層、印刷部分をそれぞれ一回ごとに塗布して乾かす必要がなく、製造コストを低減できる。
さらに、本発明では支持体の連続フィルムを走行させるとともに、ロール・ツー・ロール方式により、数多くの不織布袋の個々の表面に印刷部分を連続して設ける印刷方法を採用することで、不織布袋の製品を作り、印刷面を所定の大きさにカットし、しかるべき位置にセットしアイロン等の熱板で加熱転写する必要がなく、次の利点が得られる。すなわち第一として印刷スピードが速い、第二としてインク層が薄いため色落ちが防げ、インク代も安くなる、第三として、カラー写真など精密な印刷ができる、第四としてロール・ツー・ロールの印刷物なので自動製袋機械で製品が効率良く生産出来る、第五として転写紙の再使用が可能である。
図1(a)は、実施例1の不織布袋の斜視図である。図1(b)は、図1(a)の意匠から一部抜粋した部分のA−A’端面図である。 図2は、不織布袋の袋本体の表面に印刷する工程を示した図である。(a)は、支持体3の表面に印刷部分4、隠蔽層5及び感熱接着剤層6をこの順に形成し、積層体構造の転写シートが準備された工程を表し、(b)は、該転写シートを不織布からなる袋本体2の表面に該感熱接着剤層6が該表面に接するように載せ置かれた工程を表し、(c)は、熱を加えることにより、該感熱接着剤層が融解し、転写シートを該袋本体の表面に貼着された工程を表し、(d)は、該転写シートから支持体が剥離された工程を表す。 図3は、実施例1及び比較例1の意匠を比較した図であり、(a)は実施例1を表し、(b)は比較例1を表す。
更に詳細に本発明を説明する。
本発明の不織布袋は、例えば略線対称形状の、ポリプロピレン不織布シートを、その対称線に沿って二つ折りに畳み、その折り目部位を含むシート部分で袋底を形成するとともに、該二つ折りにされた互いに対向する不織布シートの左右両側について側縁部同士を結合し、袋の開口部を形成し袋状とした袋本体と、袋本体表面に設けられた感熱接着剤層と該感熱接着剤層の上に設けられた隠蔽層と該隠蔽層の上に設けられた特定の絵柄、意匠を有する印刷部分を有する。
本発明の不織布袋に用いられる不織布シートは、強度、成形性、ヒートシール等による結合性(溶着性)がよい不織布であればよく、従来知られている不織布を使用することができる。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、又はポリ
エチレンテレフタラート等のポリエステルの不織布、特にポリプロピレンを使用するのが好ましい。
本発明の濃色の不織布における濃色とは、L***表色系(JIS Z8781−4)における明度L*が30以下で、彩度C*=(a+b1/2で算出される値)が60以下の色をいうものとする。
袋本体は、たとえば、略線対称形状の、ポリプロピレン不織布シートを、その対称線に沿って二つ折りに畳み、その折り目部位を含むシート部分で袋底を形成するとともに、該二つ折りにされた互いに対向する不織布シートの左右両側について側縁部同士を結合することにより、袋状としたものである。
本発明の感熱接着剤層は、ホットメルト接着剤層からなる。ホットメルト接着剤は次の利点が得られるため本発明の不織布袋のホットメルト接着剤層で使用するのが好ましい、すなわち第一として乾燥による収縮がなく、間隙充填性や寸法安定性に優れている、第二として圧着後、数秒〜数十秒で接着を完了出来、接着作業の高速化が図れる、第三として紙類だけではなく、不織布やプラスチックや金属等に対しても良好な接着性を発揮する。
さらに該ホットメルト接着剤層に使用されるホットメルト接着剤としては、ポリウレタン系接着剤が挙げられる。発明に使用するポリウレタン系接着剤は、その軟化点が、80℃乃至130℃でかつ、その粘度が1000mPa・S(130℃)乃至22000mPa・S(130℃)に調整した接着剤であることが好ましく、不織布に塗布し、そして熱を加えた際に不織布の内部に亘って浸透し、浸透固化域を形成することで十分な強度で転写シートが貼着する。また、ポリウレタン系接着剤は次の利点が得られるために本発明の不織布袋のホットメルト接着剤層で使用することが好ましい、すなわち第一として接着強度が強いのでEVA系に比べて塗布量が1/2〜1/3と少なくてすみ、薄く塗布することができる、第二として熱に強く(低温・高温とも)紫外線や湿度にも耐性がある、第三としてインキ溶剤に強い、第四としてリサイクル性が良い。
本発明の感熱接着剤層、すなわちホットメルト接着剤層に使用されるホットメルト接着剤は、その浸透固化域が、転写シートの貼着部から露出するように形成される場合、外観見栄えを悪くしないために、無色透明ないし不織布と同系色であることが好ましい。不織布の色にホットメルト接着剤の色を合わせる手間を考慮すると無色透明であることがより好ましい。
本発明の隠蔽層は、白色系インク層からなり、不織布袋の色調と同様またはこれに近い色調を有する層である。前記白色インク層は白色インキからなり、該白色インキは、主成分として酸化チタンを主成分として含む白色顔料とバインダ樹脂とを含む。使用される白色顔料としては、酸化チタンを主成分とするのが好ましく、副成分として、酸化亜鉛等を含んでもよい。尚、酸化チタンは、ルチル型酸化チタンとアナターゼ型酸化チタンがあるが、いずれのものでもよい。酸化チタンは、白色度、隠蔽力(顔料または塗料が黒白の下地を完全に隠蔽しうる能力をいう)、着色力において優れた性質を示し、さらに耐薬品性、光や熱に対する安定性が優れているため本発明の不織布袋の隠蔽層での使用が好ましい。
隠蔽層に使用されるバインダ樹脂としては、いずれの樹脂を用いてもよく、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂又はこれらの一部架橋樹脂が挙げられる。
本発明の転写シートに使用される支持体としては、印刷部分の保護並びに印刷部分から所定の力で剥離可能なものであれば特に限定されず、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、又はポリエチレンテレフタレー
ト(PET)等からなる離型フィルム、離型紙等が使用され、なかでもPETフィルムは強度、耐熱性及び寸法安定性を持っている点から好ましい。
本発明の転写シートに使用される印刷部分としては、その軟化点が、90℃乃至150℃のポリウレタン樹脂を主成分としてなり、かつ、該印刷部分の軟化温度は、上記ホットメルト接着剤層(感熱接着剤層)の流動開始温度よりも高い構成であれば、いずれのものでもよい。
本発明の転写シートに使用される印刷部分への印刷方法としては、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等があるが、いずれの方法でもよいが、
グラビア印刷又はフレキソ印刷が印刷方法として使用することが好ましい。
グラビア印刷の利点としては、第一としてインキの種類が非常に多くあり、フィルムへの適性や耐熱、耐摩擦、耐薬剤性に優れたインキ等、用途に合わせたインキの選択が可能である、第二として印刷スピードが速い、第三としてインク層が薄いため色落ちが防げ、インク代も安くなる、第四として、カラー写真など精密な印刷ができる、第五としてロール・ツー・ロールの印刷物なので自動製袋機械で製品が効率良く生産出来る、第六として大量に印刷することに適している点が挙げられる。
一方で、フレキソ印刷の利点としては、第一として、水性インキやUVインキの使用が可能である、第二に、インキの塗布量が少量なため残留溶剤が少なく、またコストも安い、第三として、基材のサイズ、材質の自由度が高い、第四として製袋や製函のラインにもつなげられるため、一貫生産ラインにできる、第五として大量に印刷することに適している、第六として感熱接着剤を大量に塗布することに適している点が挙げられる。
本発明の転写シートを該袋本体の表面に貼着するために熱を加える方法としては、好ましくは、インパルス式ヒートシールを採用する。ヒートシールの方法としては、インパルス式、熱風式、熱板式、コテ式等が知られているが、インパルス式ヒートシールは、機構が簡単で、制御が容易であり、加工時のみ短時間加熱するだけで不織布に結合できるので、低コストで行えて好ましい。
以下に、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は本発明の実施例1の不織布袋を表す図である。しかし、本発明の不織布袋は以下に限定されるものではない。
[実施例1]:
実施例1の不織布袋は、ポリプロピレン不織布からなる袋本体2、印刷部分4、隠蔽層5及び感熱接着剤層6を備えてなる(図1参照)。
まず支持体である厚さ12μmの一方のPETフィルムの平滑面にグラビア印刷機又はフレキソ印刷機で印刷部分(塗布厚み3μm(乾燥時))を100cm間隔でプリントした。この印刷部分の表面に白色インキ95質量部、バインダ樹脂5質量部からなる白色系インクを塗布厚み1.5μm(乾燥時)となるように塗布して隠蔽層を設けた。さらに、隠蔽層の表面にポリウレタン系ホットメルト接着剤を塗布量3g/m(乾燥時)となるように塗布して感熱接着剤層を設け、本発明の熱転写可能な連続シートを得た(図2(a)参照)。
次に幅80cmにスリットした黒色のポリプロピレン不織布からなる不織布シートの巻きを用意し、上記の連続シートをポリプロピレン不織布に熱ロール圧着した後、該連続シートを剥離した(図2(b)乃至(d)参照)。
こうして得られた不織布シートを自動製袋機にセットし、袋側縁部をヒートシールにて溶断することで周囲76cm、高さ45cmの開口部を有する袋状物を得たのち、
開口周縁部のシートを内側に3.5cm折り曲げて、開口周縁部からインパルス式ヒートシール(基本条件:ヒーター(一対の円柱状:各円柱の直径0.9mm)、加熱(シール
)時間4秒、電圧220V、瞬間電流45A)により結合して二層重ね構造を形成し、袋本体2を得た。
把手は、幅5cm、長さ45cmの黒色の不織布シートを長辺同士が重なるように二つ折りに畳み、長手方向の両縁部を縫着し、幅2.5cm、長さ45cmの帯を製造した後、インパルス式ヒートシール(基本条件:ヒーター(一対の円柱状:各円柱の直径0.9mm)、加熱(シール)時間4秒、電圧220V、瞬間電流45A)により袋本体2と結合した。
こうして本発明の不織布袋を得た。
[比較例1]:
外観見栄えの比較のために、比較例1を用意した。比較例1は、実施例1の袋本体2に印刷部分4と、隠蔽層5を備えてなる。比較例1は隠蔽層5にバインダ樹脂としてポリウレタン系樹脂を用いた。
まず支持体である厚さ12μmの一方のPETフィルムの平滑面にグラビア印刷機又はフレキソ印刷機で印刷部分(塗布厚み3μm(乾燥時))を100cm間隔でプリントした。この印刷部分の表面に白色インキ95質量部、バインダ樹脂5質量部からなる白色系インクを塗布厚み1.5μm(乾燥時)となるように塗布して隠蔽層を設け、熱転写可能な連続シートを得た。
次に幅80cmにスリットした黒色のポリプロピレン不織布からなる不織布シートの巻きを用意し、上記の連続シートをポリプロピレン不織布に熱ロール圧着した後、該連続シートを剥離した。
こうして得られた不織布シートを自動製袋機にセットし、袋側縁部をヒートシールにて溶断することで周囲76cm、高さ45cmの開口部を有する袋状物を得たのち、
開口周縁部のシートを内側に3.5cm折り曲げて、開口周縁部からインパルス式ヒートシール(基本条件:ヒーター(一対の円柱状:各円柱の直径0.9mm)、加熱(シール)時間4秒、電圧220V、瞬間電流45A)により結合して二層重ね構造を形成し、袋本体2を得た。
把手は、幅5cm、長さ45cmの黒色の不織布シートを長辺同士が重なるように二つ折りに畳み、長手方向の両縁部を縫着し、幅2.5cm、長さ45cmの帯を製造した後、インパルス式ヒートシール(基本条件:ヒーター(一対の円柱状:各円柱の直径0.9mm)、加熱(シール)時間4秒、電圧220V、瞬間電流45A)により袋本体2と結合した。
こうして比較例1の不織布袋を得た。
(印刷物評価)
図3に示すように実施例1及び比較例1の不織布袋上に印刷された絵柄、意匠に関して、目視にて確認した。図3(a)に示す実施例1の不織布袋上に印刷部分に印刷された絵柄、意匠は、隠蔽層があることで、黒色の不織布袋上にあっても印刷部分に印刷された絵柄、意匠が鮮明に発色して見えることに加えて、感熱接着剤層があることで隠蔽層が不織布袋に接しない積層構成であるので、絵柄、意匠が印刷された印刷部分の周囲に隠蔽層の白色のはみ出しが見られることがなかった。さらに、生地の風合いを良好に保て、プリント部分の貼着性も良好で、生地の熱収縮によるプリントの柄ずれも起こらず、プリント面がカールすることもなかった。感熱接着剤層が融解し、不織布に浸透したことで絵柄、意匠の周りから浸み出し、わずかに絵柄、意匠から縁ができていたが、ホットメルト接着剤が無色透明であるために外観見栄えにほとんど影響を与えなかった。
一方で図3(b)に示す比較例1においても、隠蔽層があることで、黒色の不織布上にあっても印刷部分に印刷された絵柄、意匠は鮮明に発色していたが、不織布と隠蔽層が接する積層構成であるので、隠蔽層が不織布に浸透したことで絵柄、意匠の周りから浸み出し、絵柄、意匠の周りに2mmほどの白いはみだしが出来てしまい、外観見栄えは大きく劣るものとなった。
1 不織布袋
2 袋本体
3 支持体
4 印刷部分
5 隠蔽層
6 感熱接着剤層

Claims (8)

  1. 不織布からなる不織布袋において、
    袋本体の表面に設けられた感熱接着剤層と
    該感熱接着剤層の上に設けられた隠蔽層と
    該隠蔽層の上に設けられた特定の絵柄、意匠を有する印刷部分を備えてなる不織布袋。
  2. 前記感熱接着剤層は、ホットメルト接着剤層からなる請求項1に記載の不織布袋。
  3. 前記隠蔽層は、白色系インク層からなり、不織布袋の色調と同様またはこれに近い色調を有する層である請求項1又は請求項2に記載の不織布袋。
  4. 数多くの不織布袋の個々の表面に印刷部分を連続して設ける印刷方法であって、
    支持体の連続フィルムを走行させるとともに、ロール・ツー・ロール方式により、該フィルム表面に印刷部分を所定の間隔ごと連続して形成し、続いて該印刷部分の上に隠蔽層を形成し、さらに該隠蔽層の上に感熱接着剤層を形成して、印刷部分、隠蔽層及び感熱接着剤層からなる積層構成部分を有する熱転写可能な連続シートを製造する転写シートの準備工程と、
    自動製袋機を用いて不織布からなる袋を形作る過程の前、途中または後において、前記転写シートを袋材料である不織布の表面に連続して熱ロール圧着し、次いで前記支持体の連続フィルムを剥離することにより、熱転写により印刷された不織布袋を製造する転写印刷工程とを備えてなる、不織布袋の連続印刷方法。
  5. 前記支持体の連続フィルムはPETフィルムからなる、請求項4に記載の不織布袋の連続印刷方法。
  6. 前記印刷部分は、グラビア印刷又はフレキソ印刷により連続フィルムの表面に所定の間隔ごとに連続して形成される、請求項4または請求項5に記載の不織布袋の連続印刷方法。
  7. 前記隠蔽層は、白色系インク層からなり、不織布袋の色調と同様またはこれに近い色調を有する層である、請求項4乃至請求項6のうちいずれか一項に記載の不織布袋の連続印刷方法。
  8. 前記感熱接着剤層は、ホットメルト接着剤層からなる、請求項4乃至請求項7のうちいずれか一項に記載の不織布袋の連続印刷方法。
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