JPH1138879A - 金属光沢を有するシート並びに印刷物及び該製造方法 - Google Patents

金属光沢を有するシート並びに印刷物及び該製造方法

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JPH1138879A
JPH1138879A JP19809097A JP19809097A JPH1138879A JP H1138879 A JPH1138879 A JP H1138879A JP 19809097 A JP19809097 A JP 19809097A JP 19809097 A JP19809097 A JP 19809097A JP H1138879 A JPH1138879 A JP H1138879A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム箔を使用せずに同等の金属光沢
を有する印刷物を得ることができ、しかも金属探知機に
反応せず、更に焼却した場合に残留物として残らず、ま
た少ロットで多様な印刷が可能となり、経済性をも有す
る印刷物及びその製造方法を提供することにある。 【解決手段】 シート状物12の任意表面に、金属粉末
を主とする金属粉末固着層14を設けて金属光沢を有す
るシート10を得た。また、この金属光沢を有するシー
ト10の金属粉末固着層14の上に、所定の樹脂層16
を被覆させることにより、シルバー、ゴールド、パール
などの金属光沢が付与された印刷物18を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属光沢を有する
シート又は印刷物とその製造方法に関する。より詳しく
は特に、紙やシールの表面にゴールド色やパール色など
の金属光沢を有する色彩や模様を施した印刷物とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、印刷技術やその他の製造技術が発達
するのにともない、需要者の美感に訴えたり、商品に高
級感を出すため、印刷物の地色をたとえば金色や銀色な
どとしたり、あるいは金属光沢のある色彩とすることが
求められている。そして、金色などに輝く美麗な包装容
器、包装用ラベル、ステッカーをはじめとする各種の印
刷物が製造され、提供されている。
【0003】このような金属色あるいは金属光沢を有す
る色彩を印刷するには、一般に2通りの手法が採られて
いる。その一つは、アルミニウム粉末を所定の溶剤など
の中に混ぜ合わせて、たとえば金色のインク、銀色のイ
ンクとし、それを通常の手法によって紙などに印刷する
方法である。他の一つは、紙の表面にアルミニウム箔な
どを貼付けた後、その上に透光性を有する所定のインク
などで印刷を行うことによって、金属光沢を得る方法で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そのうち、アルミニウ
ム粉末を所定の溶剤などの中に混ぜ合わせて、たとえば
金色のインクなどとしたものは、印刷方法などが常法通
りで非常に容易である。しかしながら、この金色のイン
クで印刷した印刷物を子細に見ると、アルミニウム粉末
によるものと思われるギラツキ感があり、高級感が劣る
ものであった。また、溶剤などの吸収性が高い紙に印刷
したり、あるいはバインダーの種類や配合割合が適切で
ないと、たとえば金色をしたアルミニウム粉末が浮き上
がり、手で印刷表面を擦ると、金粉状のものが手に着く
という問題があった。
【0005】他方、アルミニウム箔を用いる方法は上述
の問題はないが、アルミニウム箔を非常に薄く製造する
とともに、紙などの上に皺が付いたり破れたりしないよ
うに接着しなければならず、コストが高く且つ不良率の
高いものであった。また、紙のほぼ全面にアルミニウム
箔を接着しなければならず、用途が限られるという問題
もあった。
【0006】更に、この印刷物の用途である包装材やシ
ールなどは例えば食品類の包装に使用されるが、一般
に、食品業界において、食品衛生管理の観点より、食品
に異物が混入していないかチェックするため、包装後の
食品を金属探知機にかけ、金属の混入が検査されてい
る。ところが、包装又は製造元を示すシール等に、アル
ミニウム箔を用いていると、金属探知機がそのアルミニ
ウム箔を検出してしまい、本来の目的を果たせないとい
う問題があった。
【0007】また、アルミニウム箔が紙に貼り付けられ
た印刷物を焼却廃棄したとき、そのアルミニウム箔は燃
焼せずに固形残留物として残ってしまい、しかも束にし
て焼却しょうとすると、紙まで燃焼せずに焼け残るとい
う問題があった。これは、産業廃棄物の処理上、大きな
問題となっていた。
【0008】そこで、本発明者らは上記問題を解決する
ために鋭意研究を重ねた結果、アルミニウム箔を使用せ
ずに同等の金属光沢を有する印刷物を得ることができ、
しかも金属探知機に反応せず、更に焼却した場合に残留
物として残らず、また少ロットで多様な印刷が可能とな
り、経済性をも有する印刷物及びその製造方法を想到し
たのである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる金属光沢
を有するシートの要旨とするところは、シート状物の任
意表面に、金属粉末を主とする金属粉末固着層を設けた
ことにある。
【0010】また、かかる金属光沢を有するシートにお
いて、前記金属粉末が、アルミニウム粉末であることに
ある。
【0011】更に、本発明にかかる金属光沢を有する印
刷物の要旨とするところは、前記シートの金属粉末固着
層の上に、所定の樹脂層を被覆させることにより、シル
バー、ゴールド、パールなどの金属光沢が付与されてい
ることにある。
【0012】更に、本発明にかかる金属光沢を有する印
刷物の製造方法の要旨とするところは、シート状物の任
意表面に、金属粉末とバインダー及び揮発性溶剤から成
る混合液を付着させた後、該揮発性溶剤を乾燥させて金
属粉末固着層を形成することにある。
【0013】また、本発明にかかる金属光沢を有する印
刷物の製造方法の他の要旨とするところは、シート状物
の任意表面に、金属粉末とバインダー及び揮発性溶剤か
ら成る混合液を付着させた後、該揮発性溶剤を乾燥させ
て金属粉末固着層を形成し、次いで、得られた金属粉末
固着層の適宜表面に、1種又は2種以上の所定の樹脂層
を被覆することにより、金属光沢を有する色彩又は模様
を付与することにある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る金属光沢を有
するシート並びに印刷物及びその製造方法の実施の形態
を図面を参照しつつ説明する。
【0015】まず図1に示すように、本発明にかかる金
属光沢を有するシート10は、シート状物12の表面の
全面又は任意の箇所に、金属粉末を主とする金属粉末固
着層14が形成されている。ここで、シート状物12と
しては、和紙あるいは洋紙、厚紙、樹脂コーティングし
たものなど、各種の紙や、その他、樹脂シート、織布、
不織布などを用いることができ、限定されないが、特に
紙が好ましい。また、金属粉末を主とする金属粉末固着
層14は、金属粉末を溶剤及び接着剤に混合分散させた
ものを、シート状物12の表面に、印刷などの手法によ
り塗布・付着させ、溶剤を乾燥させ、金属粉末を接着剤
で固定した層である。
【0016】使用される金属粉末は、金属光沢を発生さ
せる金属の粉末であれば、あらゆる金属が適用される
が、種々の色彩に発色又は着色させるのに都合の良い銀
色系であり、しかも入手が簡単であり、安価である等の
面から、アルミニウムの粉末が好ましい。また、この金
属粉末の粒子径は、約500μm以上であれば、固定さ
れた金属粉末固着層14の表面に凹凸感が生じて好まし
くなく、約1μm以下であっても良いが、粉末の製造コ
ストが高く付き、印刷物の品質上、無駄である。このた
め、金属粉末の粒子径は好ましくは約1μm〜約500
μm、より好ましくは約10μm〜約100μmが選定
される。なお、金属粉末の形状はほぼ球状であっても良
いが、偏平な平面的形状であるのが好ましい。
【0017】また、接着剤は、金属粉末同士及び金属粉
末とシート状物12を固着するためのバインダーとして
添加される。接着剤は発色・着色に影響を与えない無色
透明であり、溶剤に溶解し、耐水性、耐油性に優れたも
のであれば、基本的にはどのようなものでも良いが、具
体的にはたとえば硝化綿系メジューム等が挙げられ、1
種、又は2種以上を混合させて用いられる。また、金属
粉末と接着剤との混合割合は、乾燥させたとき、金属粉
末約95〜60重量%に対して接着剤約5〜40重量%
が好ましい。接着剤の割合が少ないと、金属粉末が剥離
する恐れがあり、逆に接着剤の割合が多いと、シート状
物12に印刷・塗布された金属粉末に濃淡が生ずる恐れ
がある。
【0018】さらに、溶剤は、発色に影響を与えない無
色透明の液体であり、加熱により迅速に蒸発させるため
揮発性を有し、金属粉末及び接着剤に不活性な溶媒であ
り、かつ接着剤を固化させない溶剤であれば、基本的に
はどのようなものでも良い。溶剤の沸点は接着剤よりも
低い等、接着剤との関連で選択されるが、より具体的に
はトルエン、キシレン、n−ヘキサン、酢酸エチル、ア
セトン、MEK、MIBK等が挙げられる。これらの中
で、沸点が比較的低く、短時間で乾燥させることがで
き、さらに、紙面(12)に浸透して紙面を変形させる
等の問題が少ない等の観点より、トルエンが好ましい。
溶剤は金属粉末及び接着剤から成る金属ペーストを印刷
・塗布するのに適切な粘性に調整するために用いられ、
その添加割合は適宜選定される。溶剤の量が多過ぎる
と、紙などのシート状物12の上に印刷・塗布できる金
属ペーストの濃度が薄くなり、均一に付着できない恐れ
があるとともに、乾燥時間が長くなる。また、溶剤の量
が少なすぎると、粘度が高くなり、印刷・塗布すること
ができない。
【0019】以上の構成に係る金属ペーストが紙などの
シート状物12の上に、たとえばグラビア印刷法やスク
リーン印刷法などによって印刷されたり、あるいはいわ
ゆる印刷以外の手法によって塗布される。印刷以外の塗
布方法は、アルミニウム粉末の混合溶液を液状又は霧状
に吹き付けたり、又は金属粉末の混合溶液を含浸させた
ローラーや刷毛などによる塗布方法など、種々適用し得
る。一方、グラビア印刷機などの印刷機によれば、金属
粉末固着層を複雑な模様に印刷することができて好まし
い。その後、溶剤が乾燥させられて、金属粉末と接着剤
から成る金属粉末固着層14が形成される。
【0020】金属ペーストが印刷・塗布される厚さは特
に限定されるものではないが、たとえば5μm〜200
μm、特に30μm〜70μm程度が好ましい。適切な
金属ペーストの厚さを得るために、複数回、印刷と乾燥
を重ねることも可能である。印刷・塗布される金属ペー
ストの厚みが薄過ぎると、金属粉末の粒径などの影響を
受け易く、ムラが生ずる恐れがあり、品質が安定しな
い。また、金属ペーストの乾燥によって薄くなった金属
粉末固着層14を通して、地のシート状物12が表面に
でて、金属光沢が薄れてしまうことになる。他方、印刷
・塗布される金属ペーストの厚みが厚過ぎると、金属粉
末固着層14の厚みが厚く、形成されたシート10の柔
軟性、可撓性が損なわれ、また、ひび割れが生ずる恐れ
があり好ましくない。更に、金属ペーストはシート状物
12の表面全体に印刷・塗布されるだけでなく、一部分
たとえば所定の模様を成すように、1種又は2種以上の
金属ペーストが印刷・塗布されても良い。
【0021】このようにして得られたシート10は、素
材である金属粉末の金属光沢を有して、一見してその金
属箔を接着したかの如く印象を与えるものとなる。特
に、金属粉末がアルミニウム粉末である場合には、銀色
の光沢を有しており、アルミニウム箔を貼って、その上
に表面処理を施したものと同様の外観が得られる。この
シート10は次に示すような処理が施されて、たとえば
金色などを発する印刷物として用いることができるとと
もに、その他、印画紙の素材として、あるいはレーザー
加工を施してホログラムを浮き出させるための素材など
として用いることも可能であり、特に限定されない。こ
のシートは金属探知機に検出されないだけでなく、焼却
したとき、金属粉末固着層14が固体で焼け残ることは
ない。
【0022】次に、上述のシート10は図2に示すよう
に、金属粉末固着層14の上に樹脂層16が印刷・塗布
されて印刷物18が製造される。この樹脂層16は、金
属粉末固着層14の金属光沢を、ゴールド色、パール色
等に発色させる目的と、金属粉末固着層14を保護する
目的で被膜される。樹脂層16の主成分として用いられ
る樹脂は、無色透明の樹脂であれば、熱硬化性、熱可塑
性であるとを問わないが、溶剤に溶解し、溶剤の蒸発と
共に硬化する特性を有するものが好ましく用いられる。
具体的には、塩素化ポリオレフィン樹脂、たとえば、塩
化ポリビニル、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。
なお、このような目的を持つ樹脂をOPニスという。
【0023】上記樹脂層16を形成する樹脂(OPニ
ス)は溶剤に溶解され、粘度が調整されて用いられる。
溶剤は発色に影響を与えない無色透明のものが用いら
れ、加熱により迅速に蒸発させるため揮発性を有すると
ともに、金属粉末及び接着剤に不活性な溶媒であり、か
つ接着剤を固化させない溶剤であれば、基本的にはどの
ようなものでもよい。溶剤の沸点は上記樹脂(OPニ
ス)の溶融温度よりも低い等、上記樹脂との関連で選択
されるが、より具体的には、トルエン、キシレン、n−
ヘキサン、酢酸エチル、アセトン、MEK、MIBK等
を挙げることができるが、沸点が比較的低く、短時間で
乾燥させることができる点、さらに、紙面に浸透して紙
面を変形させる等の問題が少ない等の観点より、トルエ
ンが好ましい。樹脂と溶剤の混合割合は、乾燥時間を短
くするとともに、樹脂を適切な濃度で均一に塗布するた
めに、樹脂7〜8割(重量)に対して溶剤3〜2割(重
量)が好ましい。
【0024】このOPニスに種々の材料を添加して樹脂
層16を形成することにより、金属粉末固着層14の金
属光沢を種々の色彩に変化させることができる。たとえ
ば、金属粉末としてアルミニウム粉末を用いてアルミニ
ウム粉末固着層14を形成し、乾燥させる。そのアルミ
ニウム粉末固着層14の上に各種の材料を添加したOP
ニスを塗布することによって、シルバー色、ゴールド
色、パール色等に変化させることができる。
【0025】たとえば、OPニスとして無色透明の樹脂
を用い、たとえば塩素化ポリプロピレンとトルエンの混
合液を用いて塗布すると、印刷物はシルバー色の金属光
沢を帯びる。また、OPニスとして、たとえば塩素化ポ
リプロピレンとトルエンの混合液に黄色の顔料を混合し
て塗布することにより、ゴールド色の金属光沢とするこ
とができる。さらに、OPニスとして、たとえば塩素化
ポリプロピレンとトルエンの混合液に雲母粉末、たとえ
ばイリオジン103ルチルステアリングシルバー(商品
名)を混合して塗布することにより、パール色の金属光
沢とすることができる。
【0026】その他、OPニスの成分に適切な顔料等を
添加してアルミニウム粉末固着層14の上に印刷・塗布
することによって、赤銅色や、青系、緑系等の金属光沢
を帯びた種々の色彩の印刷物を容易に得ることができ
る。また、アルミニウム粉末固着層14に代えて、ニッ
ケル粉末固着層、クロム粉末固着層、銅粉末固着層など
を形成することにより、それぞれの金属粉末固着層14
の金属光沢とOPニスの色彩との関係で種々の金属光沢
を発色させることができる。
【0027】次に、本発明にかかる金属光沢を有する印
刷物の製造工程の実施の形態の1例を図3により説明す
る。
【0028】上質紙20をロールから送り出して、グラ
ビア印刷用の版胴22と圧胴24との間に通過させ、上
質紙20の表面にアルミニウム粉末混合液を塗布する。
版胴22の一部はアルミニウム粉末と樹脂(バインダ
ー)とトルエンの混合液26を満たした液槽28に潜ら
せられ、版胴22の周りに余分に付いた混合液26はド
クター(バーコータ)30により掻き落とされ、所定の
厚さで印刷される。
【0029】混合液26が印刷された上質紙20は乾燥
装置32に通され、溶剤が蒸発させられる。この加熱手
段は、熱風、温風、送風、あるいは赤外線、遠赤外線な
どによる加熱など、蒸発可能な温度を保持することがで
きれば、どのような手段でも良い。乾燥温度は溶剤の発
火点以下の温度で、可能な範囲で高く設定される。また
乾燥時間は次の工程を行うのに支障の生じない程度に乾
燥させることができる時間が設定され、具体的には数秒
程度で乾燥するように設定される。
【0030】次に、溶剤が蒸発させられてアルミニウム
粉末固着層34が形成された上質紙20を、グラビア印
刷装置から成るOPニス塗布装置36に送り、OPニス
を塗布する。再度、乾燥装置32に送り、OPニスの溶
剤を乾燥蒸発させて、本発明にかかる金属光沢を有する
印刷物を得る。
【0031】ここで、アルミニウム粉末固着層34は紙
20の全面に又は部分的に形成されてもよい。本発明は
たとえばグラビア印刷法などの各種の印刷法を適用する
ことができ、部分的に複雑な模様のアルミニウム粉末固
着層を形成することができるので、アルミニウム粉末固
着層により文字、図形、形状、模様等を形成することが
できる。さらに、このアルミニウム粉末固着層の上に塗
布・印刷したOPニスやその後の各種色彩による印刷に
より、部分的に金属光沢を有する構成の複雑な模様等も
容易に形成することができ、比較的ロットの少ない多様
な印刷にも対応することができる。
【0032】また、一部又は全面にアルミニウム粉末固
着層を形成した後、OPニスを部分的に塗布したり、あ
るいは異なる種類のOPニスをそれぞれ複数回に分け
て、部分的に塗布することにより、シルバー色、ゴール
ド色、パール色等の色調の変化により、複雑な文字、形
状、模様等を形成することも可能である。さらに、本発
明にかかる金属光沢を有するシートは、写真の印画紙と
して使用し、その上に、写真のネガを焼き付けると、金
属光沢により高級感を付加することができる。これら得
られた印刷物などの表面を子細にチェックしても、いわ
ゆるギラツキ(チラツキ)感が全くなく、アルミニウム
箔を用いた印刷物と見分けることができないものが得ら
れる。
【0033】更に、この得られた印刷物などは、金属探
知機に検出されることはないため、食品の包装用材料な
どに何らの制約を受けることなく、使用することができ
る。また、この印刷物を焼却したとき、焼却残留物とし
て金属状の物が残ることはなく、産業廃棄物の処理の観
点からは好ましいものとなる。
【0034】以上、本発明に係る金属光沢を有するシー
ト並びに印刷物及びその製造方法について、実施形態の
一例を説明したが、本発明はこれらの実施の形態のみに
限定されるものではない。たとえば、製造された印刷物
等にエンボス加工を施すなどの手法は適宜採り得るもの
である。また、粘着剤の付与されたシール材に印刷した
り、あるいは印刷後に粘着剤を付与して、シールを製造
することも可能であり、何ら印刷法等に制約を受けるも
のではない。その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範
囲内で当業者の知識の基づき、種々なる改良、変更、修
正を加えた態様で実施しうるものである。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る金属光沢を有するシート
は、紙などのシート状物の表面全体又は一部に金属粉末
固着層が形成されていて、その箇所において、その金属
粉末特有の金属光沢を有するシートとなる。このシート
はそのまま印刷物などとして使用することも可能である
が、更に印刷用や印画紙用、あるいはレーザー加工を施
すホログラム用などの素材とすることができる。
【0036】また、本発明に係る金属光沢を有する印刷
物は、上記シートの上にOPニスを被覆して樹脂層を形
成することにより、各種の金属光沢を有する印刷物を得
ることができる。特に、シートに形成された金属粉末固
着層がアルミニウム粉末固着層であるとき、所定のOP
ニスを塗布・印刷することにより、たとえばゴールド
色、シルバー色、パール色などの各種の金属光沢を有す
る印刷物を得ることができる。この金属光沢を発する印
刷物を子細にチェックしても、アルミニウム粉末による
微小な光(チラツキ感)はなく、アルミニウム箔を用い
て印刷した物と比較しても、見分けが付かない印刷物が
得られた。また、これらシート又は印刷物は、金属探知
機によって検出されることはなく、ゴミとして焼却した
場合においても、残留物が発生せずにすべて燃焼され
る。したがって、食品等の包装材としての使用が可能で
あり、廃棄処理が簡便である、金属光沢を有する印刷物
を提供することができる。
【0037】更に、本発明に係るシート又は印刷物の製
造方法は、汎用の印刷機をそのまま使用することがで
き、金属光沢を有する多様複雑な模様を小ロットで容易
に印刷することができる。したがって、複雑な工程を経
ることなく、安価に印刷物に高級感を付与することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属光沢を有するシートの断面説
明図である。
【図2】本発明に係る金属光沢を有する印刷物の断面説
明図である。
【図3】本発明に係る金属光沢を有する印刷物を製造す
る工程の概略図である。
【符号の説明】
10;シート 12;シート状物 14;金属粉末固着層 16;樹脂層 18;印刷物 20;紙 32;乾燥装置 36;OPニス塗布装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状物の任意表面に、金属粉末を主
    とする金属粉末固着層を設けたことを特徴とする金属光
    沢を有するシート。
  2. 【請求項2】 前記金属粉末が、アルミニウム粉末であ
    ることを特徴とする請求項1に記載する金属光沢を有す
    るシート。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2に記載する金
    属光沢を有するシートの金属粉末固着層の上に、所定の
    樹脂層を被覆させることにより、シルバー、ゴールド、
    パールなどの金属光沢が付与されていることを特徴とす
    る金属光沢を有する印刷物。
  4. 【請求項4】 シート状物の任意表面に、金属粉末とバ
    インダー及び揮発性溶剤から成る混合液を付着させた
    後、該揮発性溶剤を乾燥させて金属粉末固着層を形成す
    ることを特徴とする金属光沢を有するシートの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 シート状物の任意表面に、金属粉末とバ
    インダー及び揮発性溶剤から成る混合液を付着させた
    後、該揮発性溶剤を乾燥させて金属粉末固着層を形成
    し、次いで、得られた金属粉末固着層の適宜表面に、1
    種又は2種以上の所定の樹脂層を被覆することにより、
    金属光沢を有する色彩又は模様を付与することを特徴と
    する金属光沢を有する印刷物の製造方法。
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