JP3805821B2 - 基材表面への柄転写方法及び、その転写方法において使用する柄転写用シート - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、織物や編物等の基材表面に耐洗濯性に優れた柄を転写するための方法、及びこの転写方法において使用する柄転写用シートに関するものであり、特に、クレヨンやアクリル絵の具などで描かれた図柄を基材表面に転写可能な方法及び転写用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、絵柄などを表した印刷層を転写によって形成することが数多く行われてきており、アイロンなどによって基材表面に所望の絵柄を転写可能な転写シートも知られている。しかしながら、誰もが簡単に、クレヨンやフェルトペンや絵の具などで描いた図柄を、織物や編物などの基材表面に転写することのできる方法や、濃色の織物や編物などの基材表面に色鮮やかな図柄を転写することのできる転写用シートについてはほとんど知られておらず、このような絵付け材料が転写された織編物製品で耐洗濯性のあるものも知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題点を解決し、誰もが簡単にアイロンなどを用いて、クレヨンやフェルトペンや絵の具などで描いた図柄を、織物や編物などの基材表面に転写可能な転写方法及び転写用シートを提供することを課題とする。
本発明者は、種々検討を行った結果、離型性を有するシート基材の表面に、特定粒子径を有するセラミック微粉末を特定量で含んだ熱接着性樹脂層を設けてなる転写用シートを2枚使用し、クレヨンなどで描かれた絵柄や着色生地などのシート状物を該樹脂層間に挟み込み、加熱加圧して一体化させた後、これを各種基材表面上に転写することにより、充分な層間強度及び耐洗濯性を有する柄が、反転することなく製品表面上に形成できることを見い出して本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の基材表面への柄転写方法は、離型性シートの表面に、セラミック微粉末を含む熱接着性樹脂層がコーティングされてなる柄転写用シートを2枚準備し、一方の柄転写用シートの熱接着性樹脂層の表面上に絵柄層を形成した後、他方の柄転写用シートを、熱接着性樹脂層が対向するようにして積層し、加熱加圧して2枚のシートを接着一体化させた後、絵柄層を形成した側の柄転写用シートの離型性シートを剥離し、剥離により表出した熱接着性樹脂層を基材表面上に積層し、加熱加圧後、残りの離型性シートを剥離することを特徴とする。
【0005】
又、本発明の基材表面への柄転写方法は、離型性シートの表面に、セラミック微粉末を含む熱接着性樹脂層がコーティングされてなる柄転写用シートを2枚準備し、一方の柄転写用シートの熱接着性樹脂層の表面上にシート状物を載置した後、他方の柄転写用シートを、熱接着性樹脂層が対向するようにして積層し、加熱加圧して2枚のシートを接着一体化させた後、シート状物を載置した側の柄転写用シートの離型性シートを剥離し、剥離により表出した熱接着性樹脂層を基材表面上に積層し、加熱加圧後、残りの離型性シートを剥離することを特徴とするものでもある。
【0006】
更に、本発明は、上記柄転写方法において使用される柄転写用シートでもあり、この柄転写シートは、離型性シートの表面に熱接着性樹脂層がコーティングされており、前記熱接着性樹脂層が、粒度0.1〜13μmのセラミック微粉末を、該熱接着性樹脂固形分100重量部に対して1〜20重量部の割合で含む。この際、前記熱接着性樹脂層がベンジルアルコールを含んでいることが好ましく、このベンジルアルコールは接着性を促進するための成分であって、加熱による熱接着性樹脂層同士の接着性向上及び、熱転写時における熱接着性樹脂の基材表面への接着性向上に役立つ。
【0007】
又、本発明は、上記の柄転写シートにおいて、前記離型性シートと前記熱接着性樹脂層との間に、該熱接着性樹脂層を構成している熱接着性樹脂からなる中間層が設けられていることを特徴とするものでもある。この際、前記熱接着性樹脂層が、顔料及び金属微粉末の少なくとも1種を含んでも良く、このような構成を有する本発明の転写シートは、着色された生地などの着色基材表面への転写に適している。
尚、前記離型性シートが透明性を有するもの(透明又は半透明のもの)である場合には、離型性シートの下に見本デザインを置き、離型性シートを通して見本デザインの絵柄を見ながらクレヨンなどで絵柄を写し取ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を説明する。図1は、本発明の柄転写用シートの構成を示す図であり、図2は、図1の柄転写用シートにおける熱接着性樹脂層2の上に絵柄層3を設け、この上に、もう一枚の図1の柄転写用シートを積層する際の状態を示す図であり、図3は、図2の2枚の転写シートを加熱接着し、絵柄層3側の離型性シート1を剥離する際の状態を示す図であり、図4は、図3の積層シートの熱接着性樹脂層2を、基材4の表面上に積層して加熱接着し、残りの離型性シート1’を剥離する際の状態を示す図である。
【0009】
図1に示されるように、本発明の柄転写用シートでは、離型性を有する離型性シート1の表面に熱接着性樹脂層2がコーティングされたものであって、この熱接着性樹脂層2には、粒度が0.1〜13μmであるセラミック微粉末が含まれており、熱接着性樹脂層2における熱接着性樹脂固形分100重量部に対し、上記のセラミック微粉末は1〜20重量部の割合で含まれている。
本発明の転写シートにおける離型性シート1としては、シート基材の少なくとも片面に、離型性を有する層(離型層)が設けられたものであれば良く、シート基材の材質は特に限定されず、紙やプラスチックフィルムをベースとする市販の離型紙がいずれも使用できる。
【0010】
一方、本発明の転写シートにおける熱接着性樹脂層2は、2枚の転写シートにおける樹脂層2を互いに重ね合わせて加熱加圧した際に接着一体化できる性質を有しており、このような樹脂層2は、例えば接着加工用(ホットメルト性)ウレタン樹脂溶液や、この樹脂溶液とアクリル酸エステル溶液との混合溶液中に、有機溶剤及びセラミック微粉末を添加し、攪拌して得た塗工液を離型性シート1上にコーティングした後、乾燥を行うことによって形成することができる。
そして、本発明では、この熱接着性樹脂層2に含まれるセラミック微粉末の粒度に関して、クレヨンなどの絵付け材料の筆記適性や、シート状物を挟み込んだ際の樹脂層2間の接着性や、転写後の表面光沢性(テリ防止)などの点から0.1〜13μmの粒度範囲が好ましく、特に好ましい粒度は3〜7μmであり、粒度の異なる2種類以上のセラミック微粉末を併用しても良い。
このセラミック微粉末の配合量については、樹脂固形分100重量部に対して1〜20重量部が好ましく、特に3〜10重量部が好ましい。本発明では、セラミック微粉末として、市販の微粉末シリカや炭酸カルシウム微粉末等が種々使用することができるが、樹脂の物性に対して影響を及ぼさない不活性のものが好ましく、タック防止の点から微粉末シリカが最も好ましい。
尚、本発明では、上記の熱接着性樹脂層2を構成する樹脂として、樹脂分散液をコーティングした後、乾燥して形成された層が、加熱加圧した際に熱接着性(ホットラミネート性)を示すものが種々使用でき、例えばクロロプレンゴム系樹脂や発泡ウレタンなどの合成樹脂を使用することもできる。
【0011】
本発明における柄転写用シートの熱接着性樹脂層2の膜厚としては20〜80μmが好ましく、特に30〜60μm程度が好ましく、20μmよりも薄い膜厚の場合には筆記具に対する被膜強度、接着性、耐洗濯性が良くなく、樹脂層2が損傷をすることがあり、逆に80μmよりも分厚い場合には転写後の風合感の良い製品が得られない。このような膜厚の熱接着性樹脂層2を形成する際には各種の塗工機が使用でき、例えばロールコーター、ナイフコーター、グラビアコーターなどがいずれも使用できるが、セラミック微粉末が均一に分散された層が得られる点において、シルクスクリーン印刷機が最も適しており、この際にはスクリーン版としては100〜130メッシュのものが適している。尚、塗工時には樹脂層中に気泡が入らないようにするために、予め塗工液中にシリコン消泡剤を添加しておくことが好ましい。
本発明の転写シートにおける熱接着性樹脂層2中には、樹脂の軟化及び基材表面内部への樹脂の浸透を促進させる成分として、比較的沸点の高いベンジルアルコールが残留しており、他の有機溶剤としてトルエンが併用されても良い。
【0012】
次に、図2〜図4に、図1に示される構成の本発明の柄転写用シートを用いて、基材表面上に絵柄を転写する際の本発明の転写方法について説明する。
図1の転写シートの熱接着性樹脂層2の表面に、クレヨンやアクリル絵の具を用いて絵柄層3を形成し(図2参照)、この転写シート上に、もう1枚の図1の転写シートを熱接着性樹脂層2、2’が対向するようにして積層し、120〜180℃の温度のアイロンを用いて加熱加圧し、2枚のシートを接着一体化させる。そして、放冷後、絵柄層3を形成した側の離型性シート1を剥離する(図3参照)。従って、離型性シート1を剥離した際には、描いた絵柄が反転した状態で観察される。その後、剥離により表出した熱接着性樹脂層2を基材4の表面上に積層し、先と同様にしてアイロンで加熱加圧し、残りの離型性シート1’を剥離する(図4参照)。よって、離型性シート1’を剥離した際には、絵柄が反転せず、描いた時と同じ(正転)状態で基材4の表面上に絵柄層3が観察される。
【0013】
又、本発明は、前記の柄転写用シートにおける絵柄層の基材表面への接着力が改善されたものでもあり、このような転写シートの構成及び転写方法を図5〜図8に示す。図5(a)は、離型性シート1aと、熱接着性樹脂層2aとの間に中間層5が設けられた本発明の柄転写用シートの構成を示す図であり、(b)は、(a)の転写シートと共に使用される、図1と同じ構成の柄転写用シートであり、図6は、図5(a)の本発明の柄転写用シートにおける熱接着性樹脂層2aの上に絵柄層3を設け、このシート上に図5(b)の本発明の柄転写用シートを積層する際の状態を示す図であり、図7は、図6の2枚の柄転写用シートを加熱接着し、離型性シート1aを剥離する際の状態を示す図であり、図8は、図7の積層シートの中間層5を、基材4の表面上に積層して加熱接着し、残りの離型性シート1bを剥離する際の状態を示す図である。
【0014】
図5(a)の転写シートでは、転写基材となる離型性シート1aの表面に、中間層5及び熱接着性樹脂層2aが順次積層されており、この熱接着性樹脂層2aには、前述の熱接着性樹脂層2と同様にセラミック微粉末が含まれているが、中間層5には、セラミック微粉末は含まれていない。即ち、この中間層5は、熱接着性樹脂層2aを構成している熱接着性樹脂からなり、基材表面への接着性を高める役割を果たす接着層として機能する。尚、図5(b)の転写シートは、図1の転写シートと同じものである。
【0015】
そして、図5(a)の転写シートと(b)の転写シートを用いて、基材表面上に絵柄層を転写する際には、まず、図5(a)の転写シートの熱接着性樹脂層2aの表面に、クレヨンやアクリル絵の具を用いて絵柄層3を形成し(図6参照)、この転写シート上に図5(b)の転写シートを、熱接着性樹脂層2a、2bが対向するようにして積層し、アイロンを用いて加熱加圧し、2枚のシートを接着一体化させる。そして、放冷後、離型性シート1aを剥離し(図7参照)、剥離により表出した中間層(接着層)5を基材4の表面上に積層し、先と同様にしてアイロンで加熱加圧して放冷後、離型性シート1bを剥離する(図8参照)。図8には、中間層5が転写時の熱によって可塑化し、基材4の表面内に含浸している状態が示されている。
本発明では、このように、図5(a)の転写シートと(b)の転写シートを用いた場合にも、離型性シート1aを剥離した際に反転した絵柄層3が、離型性シート1bを剥離した際に再度反転し、絵柄層3は、描いた時と同じ(正転)状態で基材4の表面上に転写されることになる。
【0016】
尚、本発明の転写方法において使用される図5(a)、(b)の転写シートでは、熱接着性樹脂層2aと2bとが全く同じ組成からなるものである必要はなく、積層して加熱加圧した際に接着一体化可能なものであれば良い。特に、図5(b)の転写シートでは、転写後の絵柄層部分の表面強度を高めるために、熱接着性樹脂層2bとして、ウレタン樹脂にアクリル酸エステル系樹脂が混入されている層を設けることが好ましく、必要に応じてイソシアネート系架橋剤を少量添加しても良い。
【0017】
又、本発明では、図5(a)の転写シートにおける熱接着性樹脂層2aが、顔料及び金属微粉末の少なくとも1種を含んでも良く、このような熱接着性樹脂層2aは、転写後にはクレヨン等で描かれた絵柄の下地層となり、着色された生地などの着色基材表面に対しても色鮮やかな絵柄の表現を可能とする。特に、この熱接着性樹脂層2aが金属微粉末を含む層である場合には、クレヨン等で描かれた絵柄が、下地の金色や銀色等の金属色と一体化して観察される意匠性に富んだ製品が製造できる。このような顔料としては、二酸化チタンのような白色顔料の他、各種有色顔料が使用でき、金属微粉末としては、平均粒度が0.2〜50μmの各種金粉、銀粉、例えば洋金粉、耐食性洋金粉、エルジー、アルミフレーク、ケミカルホイル、SCパウダー、アルミニウム粉、パール粉、エージパウダー、代用消、絵画用金銀泥類、優輝金粉、優輝泥、導電性銀材料、金銀ペーストなどが使用でき、2種以上をブレンドしても良い。
【0018】
上記熱接着性樹脂層2aに、顔料や金属微粉末、例えば二酸化チタン粉末や金粉やアルミニウム粉を添加する場合には、樹脂固形分100重量部に対して10〜80重量部が混入され、薄色地の基材表面の場合には20〜40重量部混入すれば良いが、濃色地の基材表面上へプリントする場合には40〜70重量部を混入することが好ましく、それぞれ白色、金色、銀色の樹脂層を有する転写シートが形成できる。金粉やアルミニウム粉を添加する場合、粒度の大きさの異なるものや色目の異なるものを混合すると、反射率の異なったシートが形成でき、熱接着性樹脂層2aの膜厚としては30〜80μmが好ましく、40〜70μmが特に好ましい。
【0019】
尚、本発明では、絵柄を描く際に、離型シートを通して原画が見えるように、離型性シートとして各種プラスチックフィルムを使用することができ、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの表面にシリコンやテフロン加工を行って離型層を形成し、その上に熱接着性樹脂層又は中間層/熱接着性樹脂層を形成することにより、本発明の柄転写用シートが製造できる。
この際に使用可能なプラスチックフィルムは、転写時のアイロンの温度である180℃にて変形しない耐熱フィルムであれば良く、PET以外には、例えばPPS(ポリフェニレンスルフィド)、PEK(ポリエーテルケトン)、PES(ポリエーテルスルホン)などが挙げられる。
【0020】
本発明の柄転写用シートの熱接着性樹脂層の表面上には、各種の絵付け材料を用いて絵柄が描くことができ、絵付け材料として、例えば、クレヨン、クレパス、アクリル絵の具、ポスターカラー、水性絵の具、油性フェルトペン、ラッカースプレー、デッサン用コンテ、ガッシュ、チョーク、カラーインク、発泡インク、墨などが挙げられる。
【0021】
又、本発明の転写シートでは、2枚のシート間に各種のシート状物を挟み込むこともでき、このようなシート状物としては、例えば、着色生地、耐熱フィルム、紙、アルミニウム箔、押花などが挙げられる。
これらのシート状物を挟み込む場合において、着色生地、耐熱フィルム、アルミニウム箔などは、転写シートの熱接着性樹脂層に対して接着するのでそのまま使用しても良いが、予めそれらの素材に前記熱接着性樹脂を薄く塗り、乾燥させたものを使用することで接着力を強化させることができる。又、紙などの素材を挟み込む場合には、素材を防水加工、アクリル樹脂などで薄くコートしてから同様の処理を行えば良く、このような処理により洗濯時の浸水を防止することができる。尚、草花や落ち葉などを挟み込む場合には、水分を充分に蒸発除去させた後、シート状に形成した後、熱接着性樹脂の塗布及び乾燥を行えば良く、樹脂層が厚め(例えば60μm)の転写シートを用いることで接着可能である。
【0022】
本発明の柄転写用シートを用いて絵柄が転写できる基材は特に限定されるものではなく、不織布などであっても織物であっても編物であっても良く、天然繊維でも化学繊維でも良く、濃色に着色されたものであっても着色されていないものでも良い。具体的な被転写基材としては、Tシャツ、トレーナー、ポロシャツ、スウェットなどのニットや、ジーンズ製品、ダンガリー、ハンカチ、スカーフ、エプロンなどの各種布帛が挙げられる。又、軽衣料だけでなく、室内装飾やインテリアなどへの展開も図ることができる。
【0023】
【実施例】
実施例1:図1の本発明の柄転写用シートの製造例および、この柄転写用シートを用いた本発明の柄転写方法(白色地に転写する場合)
まず、ウレタン樹脂溶液(クリスボン4407、固形分濃度約34〜36%、大日本インキ化学工業社製)50重量部、トルエン20重量部、ベンジルアルコール20重量部、シリカ微粉末(粒度:3〜6μm)0.8重量部、シリコン消泡剤0.5重量部を均一になるまで攪拌して、塗工液を調製した。
上記塗工液を、市販の離型紙(坪量65g/m2 )上に、100メッシュのスクリーン版を用いて、シルクスクリーン印刷により塗工し、100℃で20分間乾燥を行い、図1に示される構成の本発明の柄転写用シートを製造した。このようにして形成された樹脂層の厚みは約40μmであった。
【0024】
そして、この転写シートを2枚準備し、一方の転写シートの樹脂面にはクレヨンを用いて絵柄を描き、図2に示されるようにして、もう一方の転写シートを重ね合わせ、180℃の家庭用アイロンを用いて加熱加圧し、2枚の転写シートを一体化した。放冷後、図3のようにして離型紙を剥離し、この積層シートを更に綿布に重ね合わせ、同様の温度でアイロンによる熱転写を行った。
このようにして得られた転写製品は、反転することなく転写された絵柄層を有しており、風合いも良く、絵柄層の接着強度が充分であった。尚、この転写製品の耐洗濯性をJIS L 0844 A−1法による洗濯試験により評価したところ5級であることが確認され、洗濯試験後においても絵柄層の剥離は観察されなかった。
【0025】
実施例2:図5(a)の本発明の柄転写用シートの製造例及び、この柄転写用シートと図1の転写シートとを用いた本発明の柄転写方法(濃色地に転写する場合)
上記実施例1と同じウレタン樹脂溶液50重量部、トルエン20重量部、ベンジルアルコール20重量部、シリコン消泡剤0.5重量部を均一になるまで攪拌して、塗工液を調製し、上記実施例1と同様にして離型紙上に塗布し、中間層を形成した。そして、上記実施例1記載の組成の塗工液中に二酸化チタン微粉末8重量部を添加、分散して得た塗工液を調製し、上記中間層上に、上記実施例1と同様にして塗工を行い、図5(a)に示される構成を有する本発明の柄転写用シートを製造した。
【0026】
一方、上記実施例1に記載される図1の構成の本発明の柄転写用シートを準備し、図5(a)の構成の転写シート上に、アクリル絵の具を用いて絵柄を描き、上記実施例1と同様にして、アイロンを用いて図6〜図8に示される工程で、濃色地(綿布)に転写を行った。
このようにして得られた転写製品も、前記実施例1の製品と同様に、絵柄層の接着強度が充分なものであり、風合いも良く、しかも、二酸化チタン微粉末による優れた隠蔽性により、濃色地に鮮やかな色が表現された製品が得られた。尚、この転写製品の耐洗濯性をJIS L 0844 A−1法による洗濯試験により評価したところ5級であることが確認され、洗濯試験後においても絵柄層の剥離は観察されなかった。
【0027】
実施例3:図5(a)及び(b)の本発明の柄転写用シートの製造例及び、この柄転写用シート間に、絵柄層としてシート状物を挟み込む場合の本発明の柄転写方法
上記実施例1と同じウレタン樹脂溶液50重量部、トルエン20重量部、ベンジルアルコール20重量部、シリコン消泡剤0.5重量部を均一になるまで攪拌して、塗工液を調製し、上記実施例1と同様にして離型紙上に塗布し、中間層を形成した。そして、上記実施例1記載の塗工液中に金粉8重量部を添加、分散して得た塗工液を調製し、上記中間層上に、上記実施例1と同様にして塗工を行い、図5(a)に示される構成を有する本発明の柄転写用シートを製造した。
一方、上記実施例1の塗工液中に、アクリル酸エステル系樹脂溶液(商品名:カバーコートレジンLO−316、固形分濃度40〜42%、互応化学工業社製)5重量部を添加、混合して塗工液を調製し、上記実施例1と同様にして離型紙上に塗布し、図5(b)に示される構成を有する本発明の柄転写用シートを製造した。
【0028】
このようにして製造した図5(a)の構成の柄転写用シートと、図5(b)の構成の柄転写用シートを準備し、上記2枚のシート間にシート状物として着色生地を挟み、上記実施例1と同様にして、アイロンを用いて図6〜図8に示される工程で、黒色に着色されたTシャツに転写を行った。
このようにして得られた転写製品も、前記実施例1の製品と同様に、着色生地の接着強度が充分なものであり、風合いも良く、しかも、金粉による優れた隠蔽性が発揮されると共に、鮮やかな金色が観察される意匠性に優れた製品であった。尚、この転写製品の耐洗濯性をJIS L 0844 A−1法による洗濯試験により評価したところ5級であることが確認され、洗濯試験後においても絵柄層の剥離は観察されなかった。又、アクリル酸エステル系樹脂の添加によって、転写部分の表面硬度を改善することができた。
【0029】
【発明の効果】
本発明の柄転写用シート上には、クレヨンやフェルトペンなどで自由に絵柄を描くことができ、しかも、アイロンなどによって誰でも簡単に図柄を基材表面上に転写することが可能であり、本発明の転写方法では、互いに接着一体化可能な2枚の柄転写用シートを使用することによって、描いた絵柄が反転することなく正転プリントを行うことができる。又、本発明の転写シートを用いた場合には、絵柄層が充分な接着強度で基材の表面に転写でき、繰り返して洗濯を実施しても絵柄層が剥がれることはなく、JIS L 0844 A−1法による洗濯試験(40℃×30分間)において5級の物性を有する製品が得られる。
更に、本発明の柄転写用シートを用いた柄転写方法では、着色生地や紙などが樹脂層に挟まれた状態で基材表面に転写可能なので、この方法を使用することにより、意匠性に優れた各種転写製品を製造することができ、このようにしてシート状物が樹脂層に挟まれた構造の製品も優れた耐洗濯性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の柄転写用シートの構成を示す図である。
【図2】図1の柄転写用シートにおける熱接着性樹脂層2の上に絵柄層3を設け、この上に、もう一枚の図1の柄転写用シートを積層する際の状態を示す図である。
【図3】図2の2枚の転写シートを加熱接着し、絵柄層3側の離型性シート1を剥離する際の状態を示す図である。
【図4】図3の積層シートの熱接着性樹脂層2を、基材4の表面上に積層して加熱接着し、残りの離型性シート1’を剥離する際の状態を示す図である。
【図5】(a)は、離型性シート1aと熱接着性樹脂層2aとの間に中間層5が設けられた本発明の柄転写用シートの構成を示す図であり、(b)は、(a)の柄転写用シートと共に使用される、図1と同じ柄転写用シートである。
【図6】図5(a)の本発明の柄転写用シートにおける熱接着性樹脂層2aの上に絵柄層3を設け、このシート上に図5(b)の本発明の柄転写用シートを積層する際の状態を示す図である。
【図7】図6の2枚の柄転写用シートを加熱接着し、離型性シート1aを剥離する際の状態を示す図である。
【図8】
図7の積層シートの中間層5を、基材4の表面上に積層して加熱接着し、残り
の離型性シート1bを剥離する際の状態を示す図である。
【符号の説明】
1、1’、1a、1b 離型性シート
2、2’、2a、2b 熱接着性樹脂層
3 絵柄層(シート状物)
4 基材
5 中間層(接着層)
【発明の属する技術分野】
本発明は、織物や編物等の基材表面に耐洗濯性に優れた柄を転写するための方法、及びこの転写方法において使用する柄転写用シートに関するものであり、特に、クレヨンやアクリル絵の具などで描かれた図柄を基材表面に転写可能な方法及び転写用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、絵柄などを表した印刷層を転写によって形成することが数多く行われてきており、アイロンなどによって基材表面に所望の絵柄を転写可能な転写シートも知られている。しかしながら、誰もが簡単に、クレヨンやフェルトペンや絵の具などで描いた図柄を、織物や編物などの基材表面に転写することのできる方法や、濃色の織物や編物などの基材表面に色鮮やかな図柄を転写することのできる転写用シートについてはほとんど知られておらず、このような絵付け材料が転写された織編物製品で耐洗濯性のあるものも知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題点を解決し、誰もが簡単にアイロンなどを用いて、クレヨンやフェルトペンや絵の具などで描いた図柄を、織物や編物などの基材表面に転写可能な転写方法及び転写用シートを提供することを課題とする。
本発明者は、種々検討を行った結果、離型性を有するシート基材の表面に、特定粒子径を有するセラミック微粉末を特定量で含んだ熱接着性樹脂層を設けてなる転写用シートを2枚使用し、クレヨンなどで描かれた絵柄や着色生地などのシート状物を該樹脂層間に挟み込み、加熱加圧して一体化させた後、これを各種基材表面上に転写することにより、充分な層間強度及び耐洗濯性を有する柄が、反転することなく製品表面上に形成できることを見い出して本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の基材表面への柄転写方法は、離型性シートの表面に、セラミック微粉末を含む熱接着性樹脂層がコーティングされてなる柄転写用シートを2枚準備し、一方の柄転写用シートの熱接着性樹脂層の表面上に絵柄層を形成した後、他方の柄転写用シートを、熱接着性樹脂層が対向するようにして積層し、加熱加圧して2枚のシートを接着一体化させた後、絵柄層を形成した側の柄転写用シートの離型性シートを剥離し、剥離により表出した熱接着性樹脂層を基材表面上に積層し、加熱加圧後、残りの離型性シートを剥離することを特徴とする。
【0005】
又、本発明の基材表面への柄転写方法は、離型性シートの表面に、セラミック微粉末を含む熱接着性樹脂層がコーティングされてなる柄転写用シートを2枚準備し、一方の柄転写用シートの熱接着性樹脂層の表面上にシート状物を載置した後、他方の柄転写用シートを、熱接着性樹脂層が対向するようにして積層し、加熱加圧して2枚のシートを接着一体化させた後、シート状物を載置した側の柄転写用シートの離型性シートを剥離し、剥離により表出した熱接着性樹脂層を基材表面上に積層し、加熱加圧後、残りの離型性シートを剥離することを特徴とするものでもある。
【0006】
更に、本発明は、上記柄転写方法において使用される柄転写用シートでもあり、この柄転写シートは、離型性シートの表面に熱接着性樹脂層がコーティングされており、前記熱接着性樹脂層が、粒度0.1〜13μmのセラミック微粉末を、該熱接着性樹脂固形分100重量部に対して1〜20重量部の割合で含む。この際、前記熱接着性樹脂層がベンジルアルコールを含んでいることが好ましく、このベンジルアルコールは接着性を促進するための成分であって、加熱による熱接着性樹脂層同士の接着性向上及び、熱転写時における熱接着性樹脂の基材表面への接着性向上に役立つ。
【0007】
又、本発明は、上記の柄転写シートにおいて、前記離型性シートと前記熱接着性樹脂層との間に、該熱接着性樹脂層を構成している熱接着性樹脂からなる中間層が設けられていることを特徴とするものでもある。この際、前記熱接着性樹脂層が、顔料及び金属微粉末の少なくとも1種を含んでも良く、このような構成を有する本発明の転写シートは、着色された生地などの着色基材表面への転写に適している。
尚、前記離型性シートが透明性を有するもの(透明又は半透明のもの)である場合には、離型性シートの下に見本デザインを置き、離型性シートを通して見本デザインの絵柄を見ながらクレヨンなどで絵柄を写し取ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を説明する。図1は、本発明の柄転写用シートの構成を示す図であり、図2は、図1の柄転写用シートにおける熱接着性樹脂層2の上に絵柄層3を設け、この上に、もう一枚の図1の柄転写用シートを積層する際の状態を示す図であり、図3は、図2の2枚の転写シートを加熱接着し、絵柄層3側の離型性シート1を剥離する際の状態を示す図であり、図4は、図3の積層シートの熱接着性樹脂層2を、基材4の表面上に積層して加熱接着し、残りの離型性シート1’を剥離する際の状態を示す図である。
【0009】
図1に示されるように、本発明の柄転写用シートでは、離型性を有する離型性シート1の表面に熱接着性樹脂層2がコーティングされたものであって、この熱接着性樹脂層2には、粒度が0.1〜13μmであるセラミック微粉末が含まれており、熱接着性樹脂層2における熱接着性樹脂固形分100重量部に対し、上記のセラミック微粉末は1〜20重量部の割合で含まれている。
本発明の転写シートにおける離型性シート1としては、シート基材の少なくとも片面に、離型性を有する層(離型層)が設けられたものであれば良く、シート基材の材質は特に限定されず、紙やプラスチックフィルムをベースとする市販の離型紙がいずれも使用できる。
【0010】
一方、本発明の転写シートにおける熱接着性樹脂層2は、2枚の転写シートにおける樹脂層2を互いに重ね合わせて加熱加圧した際に接着一体化できる性質を有しており、このような樹脂層2は、例えば接着加工用(ホットメルト性)ウレタン樹脂溶液や、この樹脂溶液とアクリル酸エステル溶液との混合溶液中に、有機溶剤及びセラミック微粉末を添加し、攪拌して得た塗工液を離型性シート1上にコーティングした後、乾燥を行うことによって形成することができる。
そして、本発明では、この熱接着性樹脂層2に含まれるセラミック微粉末の粒度に関して、クレヨンなどの絵付け材料の筆記適性や、シート状物を挟み込んだ際の樹脂層2間の接着性や、転写後の表面光沢性(テリ防止)などの点から0.1〜13μmの粒度範囲が好ましく、特に好ましい粒度は3〜7μmであり、粒度の異なる2種類以上のセラミック微粉末を併用しても良い。
このセラミック微粉末の配合量については、樹脂固形分100重量部に対して1〜20重量部が好ましく、特に3〜10重量部が好ましい。本発明では、セラミック微粉末として、市販の微粉末シリカや炭酸カルシウム微粉末等が種々使用することができるが、樹脂の物性に対して影響を及ぼさない不活性のものが好ましく、タック防止の点から微粉末シリカが最も好ましい。
尚、本発明では、上記の熱接着性樹脂層2を構成する樹脂として、樹脂分散液をコーティングした後、乾燥して形成された層が、加熱加圧した際に熱接着性(ホットラミネート性)を示すものが種々使用でき、例えばクロロプレンゴム系樹脂や発泡ウレタンなどの合成樹脂を使用することもできる。
【0011】
本発明における柄転写用シートの熱接着性樹脂層2の膜厚としては20〜80μmが好ましく、特に30〜60μm程度が好ましく、20μmよりも薄い膜厚の場合には筆記具に対する被膜強度、接着性、耐洗濯性が良くなく、樹脂層2が損傷をすることがあり、逆に80μmよりも分厚い場合には転写後の風合感の良い製品が得られない。このような膜厚の熱接着性樹脂層2を形成する際には各種の塗工機が使用でき、例えばロールコーター、ナイフコーター、グラビアコーターなどがいずれも使用できるが、セラミック微粉末が均一に分散された層が得られる点において、シルクスクリーン印刷機が最も適しており、この際にはスクリーン版としては100〜130メッシュのものが適している。尚、塗工時には樹脂層中に気泡が入らないようにするために、予め塗工液中にシリコン消泡剤を添加しておくことが好ましい。
本発明の転写シートにおける熱接着性樹脂層2中には、樹脂の軟化及び基材表面内部への樹脂の浸透を促進させる成分として、比較的沸点の高いベンジルアルコールが残留しており、他の有機溶剤としてトルエンが併用されても良い。
【0012】
次に、図2〜図4に、図1に示される構成の本発明の柄転写用シートを用いて、基材表面上に絵柄を転写する際の本発明の転写方法について説明する。
図1の転写シートの熱接着性樹脂層2の表面に、クレヨンやアクリル絵の具を用いて絵柄層3を形成し(図2参照)、この転写シート上に、もう1枚の図1の転写シートを熱接着性樹脂層2、2’が対向するようにして積層し、120〜180℃の温度のアイロンを用いて加熱加圧し、2枚のシートを接着一体化させる。そして、放冷後、絵柄層3を形成した側の離型性シート1を剥離する(図3参照)。従って、離型性シート1を剥離した際には、描いた絵柄が反転した状態で観察される。その後、剥離により表出した熱接着性樹脂層2を基材4の表面上に積層し、先と同様にしてアイロンで加熱加圧し、残りの離型性シート1’を剥離する(図4参照)。よって、離型性シート1’を剥離した際には、絵柄が反転せず、描いた時と同じ(正転)状態で基材4の表面上に絵柄層3が観察される。
【0013】
又、本発明は、前記の柄転写用シートにおける絵柄層の基材表面への接着力が改善されたものでもあり、このような転写シートの構成及び転写方法を図5〜図8に示す。図5(a)は、離型性シート1aと、熱接着性樹脂層2aとの間に中間層5が設けられた本発明の柄転写用シートの構成を示す図であり、(b)は、(a)の転写シートと共に使用される、図1と同じ構成の柄転写用シートであり、図6は、図5(a)の本発明の柄転写用シートにおける熱接着性樹脂層2aの上に絵柄層3を設け、このシート上に図5(b)の本発明の柄転写用シートを積層する際の状態を示す図であり、図7は、図6の2枚の柄転写用シートを加熱接着し、離型性シート1aを剥離する際の状態を示す図であり、図8は、図7の積層シートの中間層5を、基材4の表面上に積層して加熱接着し、残りの離型性シート1bを剥離する際の状態を示す図である。
【0014】
図5(a)の転写シートでは、転写基材となる離型性シート1aの表面に、中間層5及び熱接着性樹脂層2aが順次積層されており、この熱接着性樹脂層2aには、前述の熱接着性樹脂層2と同様にセラミック微粉末が含まれているが、中間層5には、セラミック微粉末は含まれていない。即ち、この中間層5は、熱接着性樹脂層2aを構成している熱接着性樹脂からなり、基材表面への接着性を高める役割を果たす接着層として機能する。尚、図5(b)の転写シートは、図1の転写シートと同じものである。
【0015】
そして、図5(a)の転写シートと(b)の転写シートを用いて、基材表面上に絵柄層を転写する際には、まず、図5(a)の転写シートの熱接着性樹脂層2aの表面に、クレヨンやアクリル絵の具を用いて絵柄層3を形成し(図6参照)、この転写シート上に図5(b)の転写シートを、熱接着性樹脂層2a、2bが対向するようにして積層し、アイロンを用いて加熱加圧し、2枚のシートを接着一体化させる。そして、放冷後、離型性シート1aを剥離し(図7参照)、剥離により表出した中間層(接着層)5を基材4の表面上に積層し、先と同様にしてアイロンで加熱加圧して放冷後、離型性シート1bを剥離する(図8参照)。図8には、中間層5が転写時の熱によって可塑化し、基材4の表面内に含浸している状態が示されている。
本発明では、このように、図5(a)の転写シートと(b)の転写シートを用いた場合にも、離型性シート1aを剥離した際に反転した絵柄層3が、離型性シート1bを剥離した際に再度反転し、絵柄層3は、描いた時と同じ(正転)状態で基材4の表面上に転写されることになる。
【0016】
尚、本発明の転写方法において使用される図5(a)、(b)の転写シートでは、熱接着性樹脂層2aと2bとが全く同じ組成からなるものである必要はなく、積層して加熱加圧した際に接着一体化可能なものであれば良い。特に、図5(b)の転写シートでは、転写後の絵柄層部分の表面強度を高めるために、熱接着性樹脂層2bとして、ウレタン樹脂にアクリル酸エステル系樹脂が混入されている層を設けることが好ましく、必要に応じてイソシアネート系架橋剤を少量添加しても良い。
【0017】
又、本発明では、図5(a)の転写シートにおける熱接着性樹脂層2aが、顔料及び金属微粉末の少なくとも1種を含んでも良く、このような熱接着性樹脂層2aは、転写後にはクレヨン等で描かれた絵柄の下地層となり、着色された生地などの着色基材表面に対しても色鮮やかな絵柄の表現を可能とする。特に、この熱接着性樹脂層2aが金属微粉末を含む層である場合には、クレヨン等で描かれた絵柄が、下地の金色や銀色等の金属色と一体化して観察される意匠性に富んだ製品が製造できる。このような顔料としては、二酸化チタンのような白色顔料の他、各種有色顔料が使用でき、金属微粉末としては、平均粒度が0.2〜50μmの各種金粉、銀粉、例えば洋金粉、耐食性洋金粉、エルジー、アルミフレーク、ケミカルホイル、SCパウダー、アルミニウム粉、パール粉、エージパウダー、代用消、絵画用金銀泥類、優輝金粉、優輝泥、導電性銀材料、金銀ペーストなどが使用でき、2種以上をブレンドしても良い。
【0018】
上記熱接着性樹脂層2aに、顔料や金属微粉末、例えば二酸化チタン粉末や金粉やアルミニウム粉を添加する場合には、樹脂固形分100重量部に対して10〜80重量部が混入され、薄色地の基材表面の場合には20〜40重量部混入すれば良いが、濃色地の基材表面上へプリントする場合には40〜70重量部を混入することが好ましく、それぞれ白色、金色、銀色の樹脂層を有する転写シートが形成できる。金粉やアルミニウム粉を添加する場合、粒度の大きさの異なるものや色目の異なるものを混合すると、反射率の異なったシートが形成でき、熱接着性樹脂層2aの膜厚としては30〜80μmが好ましく、40〜70μmが特に好ましい。
【0019】
尚、本発明では、絵柄を描く際に、離型シートを通して原画が見えるように、離型性シートとして各種プラスチックフィルムを使用することができ、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの表面にシリコンやテフロン加工を行って離型層を形成し、その上に熱接着性樹脂層又は中間層/熱接着性樹脂層を形成することにより、本発明の柄転写用シートが製造できる。
この際に使用可能なプラスチックフィルムは、転写時のアイロンの温度である180℃にて変形しない耐熱フィルムであれば良く、PET以外には、例えばPPS(ポリフェニレンスルフィド)、PEK(ポリエーテルケトン)、PES(ポリエーテルスルホン)などが挙げられる。
【0020】
本発明の柄転写用シートの熱接着性樹脂層の表面上には、各種の絵付け材料を用いて絵柄が描くことができ、絵付け材料として、例えば、クレヨン、クレパス、アクリル絵の具、ポスターカラー、水性絵の具、油性フェルトペン、ラッカースプレー、デッサン用コンテ、ガッシュ、チョーク、カラーインク、発泡インク、墨などが挙げられる。
【0021】
又、本発明の転写シートでは、2枚のシート間に各種のシート状物を挟み込むこともでき、このようなシート状物としては、例えば、着色生地、耐熱フィルム、紙、アルミニウム箔、押花などが挙げられる。
これらのシート状物を挟み込む場合において、着色生地、耐熱フィルム、アルミニウム箔などは、転写シートの熱接着性樹脂層に対して接着するのでそのまま使用しても良いが、予めそれらの素材に前記熱接着性樹脂を薄く塗り、乾燥させたものを使用することで接着力を強化させることができる。又、紙などの素材を挟み込む場合には、素材を防水加工、アクリル樹脂などで薄くコートしてから同様の処理を行えば良く、このような処理により洗濯時の浸水を防止することができる。尚、草花や落ち葉などを挟み込む場合には、水分を充分に蒸発除去させた後、シート状に形成した後、熱接着性樹脂の塗布及び乾燥を行えば良く、樹脂層が厚め(例えば60μm)の転写シートを用いることで接着可能である。
【0022】
本発明の柄転写用シートを用いて絵柄が転写できる基材は特に限定されるものではなく、不織布などであっても織物であっても編物であっても良く、天然繊維でも化学繊維でも良く、濃色に着色されたものであっても着色されていないものでも良い。具体的な被転写基材としては、Tシャツ、トレーナー、ポロシャツ、スウェットなどのニットや、ジーンズ製品、ダンガリー、ハンカチ、スカーフ、エプロンなどの各種布帛が挙げられる。又、軽衣料だけでなく、室内装飾やインテリアなどへの展開も図ることができる。
【0023】
【実施例】
実施例1:図1の本発明の柄転写用シートの製造例および、この柄転写用シートを用いた本発明の柄転写方法(白色地に転写する場合)
まず、ウレタン樹脂溶液(クリスボン4407、固形分濃度約34〜36%、大日本インキ化学工業社製)50重量部、トルエン20重量部、ベンジルアルコール20重量部、シリカ微粉末(粒度:3〜6μm)0.8重量部、シリコン消泡剤0.5重量部を均一になるまで攪拌して、塗工液を調製した。
上記塗工液を、市販の離型紙(坪量65g/m2 )上に、100メッシュのスクリーン版を用いて、シルクスクリーン印刷により塗工し、100℃で20分間乾燥を行い、図1に示される構成の本発明の柄転写用シートを製造した。このようにして形成された樹脂層の厚みは約40μmであった。
【0024】
そして、この転写シートを2枚準備し、一方の転写シートの樹脂面にはクレヨンを用いて絵柄を描き、図2に示されるようにして、もう一方の転写シートを重ね合わせ、180℃の家庭用アイロンを用いて加熱加圧し、2枚の転写シートを一体化した。放冷後、図3のようにして離型紙を剥離し、この積層シートを更に綿布に重ね合わせ、同様の温度でアイロンによる熱転写を行った。
このようにして得られた転写製品は、反転することなく転写された絵柄層を有しており、風合いも良く、絵柄層の接着強度が充分であった。尚、この転写製品の耐洗濯性をJIS L 0844 A−1法による洗濯試験により評価したところ5級であることが確認され、洗濯試験後においても絵柄層の剥離は観察されなかった。
【0025】
実施例2:図5(a)の本発明の柄転写用シートの製造例及び、この柄転写用シートと図1の転写シートとを用いた本発明の柄転写方法(濃色地に転写する場合)
上記実施例1と同じウレタン樹脂溶液50重量部、トルエン20重量部、ベンジルアルコール20重量部、シリコン消泡剤0.5重量部を均一になるまで攪拌して、塗工液を調製し、上記実施例1と同様にして離型紙上に塗布し、中間層を形成した。そして、上記実施例1記載の組成の塗工液中に二酸化チタン微粉末8重量部を添加、分散して得た塗工液を調製し、上記中間層上に、上記実施例1と同様にして塗工を行い、図5(a)に示される構成を有する本発明の柄転写用シートを製造した。
【0026】
一方、上記実施例1に記載される図1の構成の本発明の柄転写用シートを準備し、図5(a)の構成の転写シート上に、アクリル絵の具を用いて絵柄を描き、上記実施例1と同様にして、アイロンを用いて図6〜図8に示される工程で、濃色地(綿布)に転写を行った。
このようにして得られた転写製品も、前記実施例1の製品と同様に、絵柄層の接着強度が充分なものであり、風合いも良く、しかも、二酸化チタン微粉末による優れた隠蔽性により、濃色地に鮮やかな色が表現された製品が得られた。尚、この転写製品の耐洗濯性をJIS L 0844 A−1法による洗濯試験により評価したところ5級であることが確認され、洗濯試験後においても絵柄層の剥離は観察されなかった。
【0027】
実施例3:図5(a)及び(b)の本発明の柄転写用シートの製造例及び、この柄転写用シート間に、絵柄層としてシート状物を挟み込む場合の本発明の柄転写方法
上記実施例1と同じウレタン樹脂溶液50重量部、トルエン20重量部、ベンジルアルコール20重量部、シリコン消泡剤0.5重量部を均一になるまで攪拌して、塗工液を調製し、上記実施例1と同様にして離型紙上に塗布し、中間層を形成した。そして、上記実施例1記載の塗工液中に金粉8重量部を添加、分散して得た塗工液を調製し、上記中間層上に、上記実施例1と同様にして塗工を行い、図5(a)に示される構成を有する本発明の柄転写用シートを製造した。
一方、上記実施例1の塗工液中に、アクリル酸エステル系樹脂溶液(商品名:カバーコートレジンLO−316、固形分濃度40〜42%、互応化学工業社製)5重量部を添加、混合して塗工液を調製し、上記実施例1と同様にして離型紙上に塗布し、図5(b)に示される構成を有する本発明の柄転写用シートを製造した。
【0028】
このようにして製造した図5(a)の構成の柄転写用シートと、図5(b)の構成の柄転写用シートを準備し、上記2枚のシート間にシート状物として着色生地を挟み、上記実施例1と同様にして、アイロンを用いて図6〜図8に示される工程で、黒色に着色されたTシャツに転写を行った。
このようにして得られた転写製品も、前記実施例1の製品と同様に、着色生地の接着強度が充分なものであり、風合いも良く、しかも、金粉による優れた隠蔽性が発揮されると共に、鮮やかな金色が観察される意匠性に優れた製品であった。尚、この転写製品の耐洗濯性をJIS L 0844 A−1法による洗濯試験により評価したところ5級であることが確認され、洗濯試験後においても絵柄層の剥離は観察されなかった。又、アクリル酸エステル系樹脂の添加によって、転写部分の表面硬度を改善することができた。
【0029】
【発明の効果】
本発明の柄転写用シート上には、クレヨンやフェルトペンなどで自由に絵柄を描くことができ、しかも、アイロンなどによって誰でも簡単に図柄を基材表面上に転写することが可能であり、本発明の転写方法では、互いに接着一体化可能な2枚の柄転写用シートを使用することによって、描いた絵柄が反転することなく正転プリントを行うことができる。又、本発明の転写シートを用いた場合には、絵柄層が充分な接着強度で基材の表面に転写でき、繰り返して洗濯を実施しても絵柄層が剥がれることはなく、JIS L 0844 A−1法による洗濯試験(40℃×30分間)において5級の物性を有する製品が得られる。
更に、本発明の柄転写用シートを用いた柄転写方法では、着色生地や紙などが樹脂層に挟まれた状態で基材表面に転写可能なので、この方法を使用することにより、意匠性に優れた各種転写製品を製造することができ、このようにしてシート状物が樹脂層に挟まれた構造の製品も優れた耐洗濯性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の柄転写用シートの構成を示す図である。
【図2】図1の柄転写用シートにおける熱接着性樹脂層2の上に絵柄層3を設け、この上に、もう一枚の図1の柄転写用シートを積層する際の状態を示す図である。
【図3】図2の2枚の転写シートを加熱接着し、絵柄層3側の離型性シート1を剥離する際の状態を示す図である。
【図4】図3の積層シートの熱接着性樹脂層2を、基材4の表面上に積層して加熱接着し、残りの離型性シート1’を剥離する際の状態を示す図である。
【図5】(a)は、離型性シート1aと熱接着性樹脂層2aとの間に中間層5が設けられた本発明の柄転写用シートの構成を示す図であり、(b)は、(a)の柄転写用シートと共に使用される、図1と同じ柄転写用シートである。
【図6】図5(a)の本発明の柄転写用シートにおける熱接着性樹脂層2aの上に絵柄層3を設け、このシート上に図5(b)の本発明の柄転写用シートを積層する際の状態を示す図である。
【図7】図6の2枚の柄転写用シートを加熱接着し、離型性シート1aを剥離する際の状態を示す図である。
【図8】
図7の積層シートの中間層5を、基材4の表面上に積層して加熱接着し、残り
の離型性シート1bを剥離する際の状態を示す図である。
【符号の説明】
1、1’、1a、1b 離型性シート
2、2’、2a、2b 熱接着性樹脂層
3 絵柄層(シート状物)
4 基材
5 中間層(接着層)
Claims (7)
- 基材表面へ柄を転写するための方法であって、離型性シートの表面に、セラミック微粉末を含む熱接着性樹脂層がコーティングされてなる柄転写用シートを2枚準備し、一方の柄転写用シートの熱接着性樹脂層の表面上に絵柄層を形成した後、他方の柄転写用シートを、熱接着性樹脂層が対向するようにして積層し、加熱加圧して2枚のシートを接着一体化させた後、絵柄層を形成した側の柄転写用シートの離型性シートを剥離し、剥離により表出した熱接着性樹脂層を基材表面上に積層し、加熱加圧後、残りの離型性シートを剥離することを特徴とする基材表面への柄転写方法。
- 基材表面へ柄を転写するための方法であって、離型性シートの表面に、セラミック微粉末を含む熱接着性樹脂層がコーティングされてなる柄転写用シートを2枚準備し、一方の柄転写用シートの熱接着性樹脂層の表面上にシート状物を載置した後、他方の柄転写用シートを、熱接着性樹脂層が対向するようにして積層し、加熱加圧して2枚のシートを接着一体化させた後、シート状物を載置した側の柄転写用シートの離型性シートを剥離し、剥離により表出した熱接着性樹脂層を基材表面上に積層し、加熱加圧後、残りの離型性シートを剥離することを特徴とする基材表面への柄転写方法。
- 離型性シートの表面に熱接着性樹脂層がコーティングされており、前記熱接着性樹脂層が、粒度0.1〜13μmのセラミック微粉末を、該熱接着性樹脂固形分100重量部に対して1〜20重量部の割合で含むことを特徴とする柄転写用シート。
- 前記熱接着性樹脂層がベンジルアルコールを含むことを特徴とする請求項3記載の柄転写用シート。
- 前記離型性シートと前記熱接着性樹脂層との間に、該熱接着性樹脂層を構成している熱接着性樹脂からなる中間層が設けられていることを特徴とする請求項3又は4記載の柄転写用シート。
- 前記熱接着性樹脂層が、顔料及び金属微粉末の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3記載の柄転写用シート。
- 前記離型性シートが透明性を有するものであることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の柄転写用シート。
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