JPH07333709A

JPH07333709A - カメラの情報設定・表示装置

Info

Publication number: JPH07333709A
Application number: JP15148994A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Haga; 正明羽賀; Katsushiro Machida; 勝城町田; Hideaki Tsuji; 秀明辻
Original assignee: Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Current assignee: Pentax Corp
Priority date: 1994-06-09
Filing date: 1994-06-09
Publication date: 1995-12-22
Also published as: US5749005A

Abstract

(57)【要約】【目的】回転ダイヤルを操作する前に、回転ダイヤル
をどの方向に回動させれば現在設定されている情報がど
のような値に変化するかを表示として確認することがで
きるカメラの情報設定・表示装置の提供を目的とする。【構成】リング状の回転ダイヤル３２がカメラボディ
１２に対して回動調整可能に設けられると共に、回転ダ
イヤルの内側に、回転ダイヤル３２の内周に沿って並列
する３つの表示域２８ａ，２８ｂ，２８ｃを有する第１
表示パネル２８Ａが設けられている。中央の表示域２８
ａには現在の設定値が表示され、上側の表示域２８ｂに
は回転ダイヤルを反時計回りに回動させた際に設定され
る数値が表示され、下側の表示域２８ｃには回転ダイヤ
ルを時計回りに回動させた際に設定される数値が表示さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えばシャッター速
度や絞り値等のカメラの制御に必要な情報を設定すると
共に、設定される情報を表示する表示部材を備えたカメ
ラの情報設定・表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、例えば一眼レフカメラの分野
においては、回転ダイヤル等の操作部材の操作によりシ
ャッター速度や絞り値等の情報を設定すると共に、設定
された情報を液晶パネル等の表示部材に表示して確認で
きるようにした情報設定・表示装置が用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の情報設定・表示装置は、現在設定されている値
を表示する表示域を有するのみであるため、回転ダイヤ
ルの操作により設定値がどのような値に変更されるのか
を操作前に予測することができず、操作者は、回転ダイ
ヤルを任意の方向に回転させて変更された表示を確認し
た上、この変更が意図した方向ではない場合には、回転
ダイヤルを一旦戻してから逆方向に操作し直す必要があ
り、操作性が悪いという問題を有していた。

【０００４】

【発明の目的】この発明は、上述した従来技術の課題に
鑑みてなされたものであり、回転ダイヤルを操作する前
に、回転ダイヤルをどの方向に回動させれば現在設定さ
れている情報がどのような値に変化するかを表示として
確認することができるカメラの情報設定・表示装置の提
供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明にかかるカメラ
の情報設定・表示装置は、上記の目的を達成させるた
め、カメラボディに回動調整可能に設けられたリング状
の回転ダイヤルと、回転ダイヤルの内側に回転ダイヤル
の内周に沿って並列する少なくとも２つの表示域を備え
る表示部材と、回転ダイヤルの回動操作により変更可能
な情報を、複数の値が所定の順序で配列されたテーブル
として保持する記憶手段と、回転ダイヤルの回動操作に
より情報を設定する設定手段と、一方の表示域に現在設
定されている情報の値を表示すると共に、他の表示域
に、回転ダイヤルを他の表示域から一方の表示域側に回
動操作した際に設定されるべき情報の値を表示する表示
制御手段とを備えることを特徴とする。

【０００６】

【実施例】以下、この発明にかかるカメラの情報設定・
表示装置を一眼レフレックスカメラに適用した実施例を
図面に基づいて説明する。

【０００７】図１は、実施例にかかる一眼レフレックス
カメラ１０の外観を示す。実施例にかかる一眼レフレッ
クスカメラ１０は、カメラボディ１２と、カメラボディ
１２に着脱可能に取り付けられた撮影レンズ１４とから
構成される。

【０００８】カメラボディ１２の上面の一方側には、メ
インスライドスイッチ１６、モードボタン２４が設けら
れると共に、他方側のグリップ部１２ａにはレリーズボ
タン２２が設けられている。

【０００９】レリーズボタン２２の後方には、リング状
の回転ダイヤル３２がカメラボディ１２に固定された固
定部材３３の外周に、カメラボディ１２に対して回動調
整可能に設けられている。そして、表示部材である第
１、第２表示パネル２８Ａ，２８Ｂが回転ダイヤル３２
の内側の固定部材３３に、そして第３表示パネル２８Ｃ
が回転ダイヤル３２の外側に隣接して設けられている。
回転ダイヤル３２の中心部には、切換えボタン３４が設
けられており、さらに、回転ダイヤル３２より後方のカ
メラボディ背面には、露出補正ボタン２６が設けられて
いる。

【００１０】第１表示パネル２８Ａは、図２に示される
ように、回転ダイヤル３２の内周に沿って放射状に並列
する３つの数値表示域２８ａ，２８ｂ，２８ｃから構成
されるダイヤル表示域を有し、このダイヤル表示域には
回転ダイヤル３２の操作により変更される数値情報があ
たかも回転ダイヤルの目盛りのように表示されする。

【００１１】ダイヤル表示域内の中央の数値表示域２８
ａは現在の設定値を表示する第１現在値表示域、上側の
数値表示域２８ｂは回転ダイヤルを図中反時計回りに１
ステップ回動させた際に設定される数値が表示される第
１候補値表示域、下側の数値表示域２８ｃは回転ダイヤ
ルを図中時計回りに１ステップ回動させた際に設定され
る数値が表示される第２候補値表示域である。

【００１２】固定部材３３には、第１表示パネル２８Ａ
の第１現在値表示域２８ａを指し示す指標３３ａ，３３
ｂが第１表示パネル２８Ａ内に侵入するよう形成されて
いる。

【００１３】第２表示パネル２８Ｂには、絞り優先マー
ク「Ａｖ」とシャッター優先マーク「Ｔｖ」とが選択的
に表示される露出モードマーク表示域２８ｄと、露出補
正マーク「±」が表示される露出補正マーク表示域２８
ｅとが設けられている。

【００１４】さらに、第３表示パネル２８Ｃには、回転
ダイヤルによる設定変更の対象となっていない数値情報
の現在値が単独で表示される第２現在値表示域２８ｆ
と、「Ｐ」「Ａ」「Ｍ」の文字が選択的に表示される撮
影モード表示域２８ｇとが設けられている。

【００１５】なお、図１、図２では、説明のため全セグ
メントを点灯させた状態で各表示パネルを示している
が、実使用時には、後述するようにこれらのセグメント
の一部が選択的に点灯されて必要な情報が表示される。

【００１６】図３は、回転ダイヤル３２近傍の断面図で
ある。カメラボディ１２の上面を覆う上飾り部材３６に
は、下側に一段落とし込まれた凹部４８が形成されてお
り、この凹部４８の中心に、上方に突出する軸部３６ａ
が上飾り部材３６と一体に形成されている。回転ダイヤ
ル３２は、この軸部３６ａに対して回転自在に挿通され
ており、ボルト５４を介して回転ダイヤルを上側から覆
うように固定された固定部材３３により位置決めされて
いる。

【００１７】回転ダイヤル３２の図中上側となる面に
は、リング状のクリック板５０が固定されている。クリ
ック板５０の外周の上面には、１２個のクリック溝が３
０°おきに形成されており、固定部材３３の図中左側に
は、クリックボール５８をクリック溝に対向可能な状態
で保持するクリックボール受け穴５６が形成されてい
る。クリックボール５８は、スプリング６０によりクリ
ック板側に付勢されている。このクリック機構により、
回転ダイヤル３２は、３０°回転させる毎に係止され、
操作者は３０°毎の停止位置をクリック感により認識す
ることができる。

【００１８】また、固定部材３３内の図中右側には、第
１表示パネル２８Ａが透明部材４０Ａにカバーされて設
けられており、上面の中心部には切換えボタン３４が装
着されている。

【００１９】切換えボタン３４は、上面に露出する円板
状のボタン本体３４ａと、このボタン本体３４ａの下面
に形成された係合片３２ｂとから一体に形成されてい
る。また、固定部材３３とボタン本体３４ａとの間に
は、切換えボタン３４を回転ダイヤル３２から抜け出る
方向に付勢するスプリング６４が設けられると共に、係
合片３４ｂが固定部材に係合して切換えボタン３４の回
転ダイヤル３２からの抜け落ちを防止している。

【００２０】切換えボタン３４は、回転ダイヤル３２の
中心部に出没自在に配置されており、押し込んだ際に切
換えボタン３４の下側に設けられた切換えスイッチ８２
をONするよう構成されている。

【００２１】第３表示パネル２８Ｃは、内側の基板４４
上に固定用ステイ４６を介して固定され、透明部材４０
Ｂがはめ込まれた表示用開口を介して外部から視認する
ことができる。なお、固定部材３３内のスイッチ、表示
パネルは、フレキシブル基板３９によりカメラボディ１
２内の基板４４と電気的に接続されている。

【００２２】回転ダイヤル３２の下側の面にはコード板
５２が固定され、基板４４にはこのコード板５２に接触
する２つのブラシ７２，７８が設けられている。これら
のコード板５２とブラシ７２，７８とは、回転ダイヤル
３２の回転方向を検知する回転方向スイッチを構成して
いる。

【００２３】コード板５２は、図４に示されるように、
絶縁体により形成された円板５２ａに外周、内周の２列
の導通パターン７０，７６を規則的に全周に亙って形成
することにより構成されている。それぞれの列の導通パ
ターンは、中心角１５°の扇形であり、１５°の間隔を
おいて１２片設けられている。内側のパターンと外側の
パターンとは７．５°の位相差を持ち、重複部分で互い
に電気的に接続されている。

【００２４】第１、第２ブラシ７２，７８は、それぞれ
同一の半径ライン上で外周、内周の導通パターン７０，
７６に接触している。各導通パターンは、全てグランド
に接続されており、各ブラシとグランドとの導通関係の
変化のタイミングをみることにより、回転ダイヤルがい
ずれの方向に回転されているのかを検出することができ
る。

【００２５】なお、この実施例では、回転ダイヤル３２
の回転位置の相対変化を情報として利用しているが、コ
ード板５２のパターンを絶対コードとし、ブラシの数を
増やすことにより回転位置の絶対座標を情報として利用
するよう構成することもできる。

【００２６】次に、図５に基づいて実施例の情報設定・
表示装置の制御回路の構成について説明する。なお、図
５は、実際のカメラの制御回路の中から、表示関係の制
御に必要な部分のみを抽出して概念的に示したものであ
る。

【００２７】制御回路２０には、各種のスイッチからの
情報、測光ユニットからの測光情報、あるいは図示せぬ
フィルム感度検出回路からのフィルム感度情報が入力さ
れ、これらの情報に基づいて撮影レンズ１４内の絞りユ
ニット、シャッターユニット、表示パネル２８等の制御
対象を制御する。

【００２８】スイッチとしては、カメラボディ１２に設
けられたメインスライドスイッチ１６をON側にスライド
させることによりONするメインスイッチ８４、モードボ
タン２４を押し込むことによりONするモードスイッチ９
０、回転ダイヤル３２のコード板５２とこのコード板に
接触するブラシ７２，７８とから構成される回転方向ス
イッチ、切換えボタン３４を押し込むことによりONする
切換えスイッチ８２、露出補正ボタン２６を押し込むこ
とによりONする露出補正スイッチ９２、レリーズボタン
２２を一段押し込むことによりONする測光スイッチ８
６、レリーズボタン２２を二段押し込むことによりONす
るレリーズスイッチ８８が制御回路２０に接続されてい
る。

【００２９】また、制御回路２０には、記憶手段として
のメモリ３０が接続されている。メモリ３０には、制御
回路が露出演算等に使用する各種の定数が記憶されてい
る他、表示パネル２８の各表示域に表示されるデータが
それぞれポインタと関連づけてテーブルとして記憶され
ている。制御回路は、露出補正値、シャッター速度、絞
り値の設定をポインタで管理しており、実際の表示に際
してはポインタを引数としてメモリ３０内のテーブルら
表示データを読み込んで表示させる。

【００３０】テーブルには、露出補正関係の表示に利用
されるＸｖ表示テーブル、シャッター速度設定関係の表
示に利用されるＴｖ表示テーブル、絞り設定関係の表示
に利用されるＡｖ表示テーブルがあり、これらの表示テ
ーブルの内容は以下の表１、表２、表３に示されるとお
りである。

【００３１】

【表１】

【００３２】

【表２】

【００３３】

【表３】次に、図６〜図１０に示されるフローチャート
に従って、上述した実施例の情報設定・表示装置の作用
を説明する。

【００３４】図６は、設定・表示処理のメインフローチ
ャートである。この処理では、ステップ(図中は「Ｓ」
で示す)１〜１３で第３表示パネル２８Ｃにデータが表
示され、ステップ１４〜３６で第１、第２表示パネル２
８Ａ，２８Ｂにデータが表示される。

【００３５】各スイッチのデータがステップ１で入力さ
れ、ステップＳ２における分岐で撮影モードに応じて第
３表示パネル２８Ｃの撮影モード表示域２８ｇに「Ａ」
「Ｐ」「Ｍ」のいずれかが表示される(ステップＳ３〜
５)。

【００３６】オート(Ａ)モードでＴｖ優先の場合には、
Ａｖポインタに演算で求めたＡｖ値に該当する数値が設
定され、メモリ内のＡｖ表示テーブルからＡｖポインタ
に基づいて対応する表示データが読み込まれ、これが第
３表示パネル２８Ｃの第２現在値表示域２８ｆに表示さ
れる(ステップ６〜８)。

【００３７】オートモードでＡｖ優先の場合、あるいは
プログラム(Ｐ)モードの場合には、Ｔｖポインタに演算
で求められたＴｖ値に該当する数値が設定され、メモリ
内のＴｖ表示テーブルからＴｖポインタに基づいて対応
する表示データが読み込まれ、これが第２現在値表示域
２８ｆに表示される(ステップ９，１０)。

【００３８】Ｔｖ優先とＡｖ優先とは、ＡｖＴｖフラグ
の状態により判断される。ＡｖＴｖフラグは、オート、
またはマニュアルモードで切換えボタン３４をON/OFFす
ることにより０と１とに交互に切り換えられる。

【００３９】マニュアル(Ｍ)モードの場合には、Ａｖ優
先ではＴｖポインタにマニュアル設定されたＴｖ値に該
当する数値が設定され、Ｔｖ優先ではＡｖポインタにマ
ニュアル設定されたＡｖ値に該当する数値が設定される
(ステップ１１〜１３)。表示についてはオートモードに
おけるのと同様に、設定された各ポインタに基づいてメ
モリ内の表示テーブルから読み出された表示データが第
２現在値表示域２８ｆに表示される(ステップ８，１
０)。

【００４０】続いてステップ１４で露出補正スイッチ９
２のON/OFFが判断され、ONの場合には第２表示パネル２
８Ｂの露出補正マーク表示域２８ｅに「±」のマークが
表示され(ステップ１５)、露出モード表示域２８ｄの標
示がクリアされる(ステップ１６)。そして、ステップ１
６ａでＸｖポインタに現在設定されているＸｖ値に相当
する数値が設定される。そして、このＸｖポインタに基
づいてＸｖ表示テーブルから対応する表示データが読み
込まれ、このデータが第１表示パネル２８Ａの第１現在
値表示域２８ａに表示される(ステップ１７)。

【００４１】次に、Ｘｖポインタに０．５をプラスした
値に基づいてＸｖ表示テーブルから対応する表示データ
が読み込まれ、この表示データが第１候補値表示域２８
ｂに表示される(ステップ１８)。

【００４２】さらに、Ｘｖポインタから０．５をマイナ
スした値に基づいてＸｖ表示テーブルから対応する表示
データが読み込まれ、この表示データが第２候補値表示
域２８ｃに表示される(ステップ１９)。

【００４３】ステップ１４において露出補正スイッチ９
２がOFFと判断された場合には、ステップ２０で撮影モ
ードが判断される。プログラムモードの場合には、ま
ず、Ａｖポインタに演算で求められたＡｖ値に該当する
データが設定され(ステップ２１)、第１、第２候補値表
示域２８ｂ，２８ｃがブランクとなり、第２表示パネル
２８Ｂの露出モード表示域２８ｄのマークが消灯され
(ステップ２２)、第１現在値表示域２８ａに設定された
Ａｖポインタに基づいてＡｖ表示テーブルから読み込ま
れた表示データが表示される(ステップ２３)。

【００４４】最後に露出補正値が０でない場合には、露
出補正マーク表示域２８ｅの「±」マークが点灯され、
０である場合にはこのマークが消灯される(ステップ２
４〜２６)。

【００４５】オート、マニュアルモードでＡｖ優先の場
合には、Ａｖポインタにマニュアル設定されたＡｖ値に
該当するデータが設定され(ステップ２８)、このＡｖポ
インタに０．５をプラスした値に基づいてＡｖ表示テー
ブルから対応する表示データが読み込まれ、この表示デ
ータが第１候補値表示域２８ｂに表示される(ステップ
２９)。

【００４６】続いて、Ａｖポインタから０．５をマイナ
スした値に基づいてＡｖ表示テーブルから対応する表示
データが読み込まれ、この表示データが第２候補値表示
域２８ｃに表示される(ステップ３０)。

【００４７】そして、露出モード表示域２８ｄの「Ａ
ｖ」マークが点灯されて「Ｔｖ」マークが消灯され(ス
テップ３１)、設定されたＡｖポインタに基づいて第１
現在値表示域２８ａに現在値が表示される(ステップ２
３)。

【００４８】オート、マニュアルモードでＴｖ優先の場
合には、Ｔｖポインタにマニュアル設定されたＴｖ値に
該当するデータが設定され(ステップ３２)、このＴｖポ
インタに基づいてＴｖ表示テーブルから読み込まれた表
示データが第１現在値表示域２８ａに表示される(ステ
ップ３３)。

【００４９】続いて、Ｔｖポインタに０．５をプラスし
た値に基づいてＴｖ表示テーブルから対応する表示デー
タが読み込まれ、この表示データが第１候補値表示域２
８ｂに表示される(ステップ３４)。

【００５０】さらに、Ｔｖポインタから０．５をマイナ
スした値に基づいてＴｖ表示テーブルから対応する表示
データが読み込まれ、この表示データが第２候補値表示
域２８ｃに表示される(ステップ３５)。

【００５１】そして、露出モード表示域２８ｄの「Ｔ
ｖ」マークが点灯されて「Ａｖ」マークが消灯され(ス
テップ３６)、ステップ２４〜２６で露出補正マークが
点灯、あるいは消灯される。

【００５２】次に、図７に基づいて回転ダイヤル３２が
操作された場合のダイヤル割り込み処理について説明す
る。この処理は、回転ダイヤル３２が回動された際の回
転方向スイッチの信号の立ち上がりでかかる割り込みに
より実行される。

【００５３】割り込みが発生すると、各スイッチの状態
が入力され、ＵＰ，ＤＯＷＮフラグがクリアされる(ス
テップ４１，４２)。続いて、回転方向スイッチの状態
から回転ダイヤルがいずれの方向に操作されたのかが判
断され、ＵＰ(時計回り)方向に操作された場合にはＵＰ
フラグが１にセットされ、ＤＯＷＮ(反時計回り)方向に
操作された場合にはＤＯＷＮフラグが１にセットされる
(ステップ４３〜４５)。

【００５４】ステップ４６，４７では、それぞれモード
スイッチ９０と露出補正スイッチ９２との状態が判断さ
れ、モードスイッチ９０がONされている場合にはステッ
プ４８のモード設定処理が実行され、モードスイッチ９
０がOFFで露出補正スイッチ９２がONされている場合に
はステップ４９で後述する露出補正アップダウン処理が
実行される。モード設定処理は、モードスイッチをON状
態に保ちながら回転ダイヤル３２を操作することによ
り、プログラムモード、オートモード、マニュアルモー
ドの３つの撮影モードを切り替える処理である。

【００５５】モードスイッチ９０、露出補正スイッチ９
２が共にOFFであって撮影モードがオート、あるいはマ
ニュアルモードの場合、露出モードがシャッター優先で
ある際には後述する設定Ｔｖアップダウン処理が実行さ
れ、絞り優先である際には後述する設定絞り値アップダ
ウン処理が実行された後、割り込みフラグがクリアされ
て割り込み前の処理に戻る(ステップ５０〜５４)。

【００５６】撮影モードがプログラムモードである場合
には、Ａｖ，Ｔｖはカメラ側で自動的に設定されて手動
設定する必要がないため、ＴｖやＡｖのアップダウン処
理は行われずに割り込みフラグをクリアするのみで割り
込み前の処理に戻る。

【００５７】図８〜１０は、上記のダイヤル割り込み処
理内で実行される各アップダウン処理を示す。

【００５８】図８の露出補正アップダウン処理は、ＵＰ
フラグが１にセットされている場合であって現在の設定
Ｘｖの値が上限値である＋０．３以上でなければ設定Ｘ
ｖに０．５がプラスされ(ステップ６０〜６２)、ＤＯＷ
Ｎフラグが１にセットされている場合であって現在の設
定値が下限値である−０．３以下でなければ設定Ｘｖか
ら０．５がマイナスされ(ステップ６４，６５)、設定Ｘ
ｖの値が再設定される。

【００５９】現在の設定Ｘｖの値が上限値、下限値に達
している場合には、それぞれＵＰフラグ、ＤＯＷＮフラ
グが１にセットされている場合にも設定Ｘｖの値は変更
されずにダイヤル割り込み処理に戻る。

【００６０】図９の設定Ｔｖアップダウン処理も図８と
同様に、設定Ｔｖが上限値である１１．０、下限値であ
る−５．０に達しない範囲で、設定Ｔｖの値が０．５づ
つアップダウンされる(ステップ７０〜７５)。

【００６１】図１０の設定Ａｖアップダウン処理も図８
と同様に、設定Ａｖが上限値である１３．０、下限値で
ある０．０に達しない範囲で、設定Ａｖの値が０．５づ
つアップダウンされる(ステップ８０〜８５)。

【００６２】次に、上記の制御による表示パネル２８上
の表示の具体例を数例説明する。図１１は、プログラム
モードで露出補正スイッチ９２がOFFの場合の表示例で
ある。ここでは、撮影モード表示域２８ｇにはプログラ
ムモードを意味する「Ｐ」が表示され、第２現在値表示
域２８ｆには１／５００秒のシャッター速度を意味する
「５００」、第１現在値表示域２８ａには絞り値として
「Ｆ６．７」が表示されている。

【００６３】プログラムモードの場合、シャッター速
度、絞り値は予め定められたプログラム線図により露出
値Ｅｖに基づいて演算により決定され、回転ダイヤル３
２による変更は受け付けられない。したがって、候補値
の表示は無意味であり、２つの候補値表示域２８ｂ，２
８ｃと矢印表示域２８ｄ，２８ｅは、ブランクとされ
る。

【００６４】図１２は、図１１の状態から露出補正スイ
ッチ９２がONされた場合の表示例である。撮影モード表
示域２８ｇ、第２現在値表示域２８ｆの表示は変化せ
ず、ダイヤル表示域２８ａ〜２８ｃと露出補正マーク表
示域２８ｅの表示が変化する。ここでは、現在のＸｖポ
インタの値が０．０の場合を示しており、第１現在値表
示域２８ａには表１に示される表示テーブルからポイン
タ０．０に対応する表示データ「０．０」が読み込まれ
て表示される。

【００６５】また、第１候補値表示域２８ｂには、現在
のＸｖポインタ０．０に０．５をプラスしたポインタ
０．５に対応して表示データ「０．５」が読み込まれて
表示される。一方、第２候補値表示域２８ｃには、現在
のポインタを０．５マイナスしたポインタ−０．５に対
応して表示データ「−０．５」の情報が読み込まれて表
示される。さらに、露出補正マーク表示域２８ｅには、
「±」のマークが表示される。

【００６６】図１２に示した状態で回転ダイヤル３２を
反時計回りに１ステップ回転させると、現在のＸｖポイ
ンタが０．５となり、第１現在値表示域、第１、第２候
補値表示域には、それぞれ「０．５」、「１．０」、
「０．０」の数値が表示される。

【００６７】図１３は、オートモードでシャッター優先
の場合の表示例である。モード表示域２８ｇにはオート
モードを意味する「Ａ」が表示され、露出モード表示域
２８ｄにはシャッター優先を意味する「Ｔｖ」のマーク
が点灯する。ここで、現在のＴｖポインタを１０．０と
すると、第１現在値表示域２８ａには１／１０００秒の
シャッター速度を意味する「１０００」が表示され、第
１候補値表示域２８ｂにはＴｖポインタ１０．５に対応
する「１５００」、第２候補値表示域２８ｃにはＴｖポ
インタ９．５に対応する「７５０」が表示される。

【００６８】一方、第２現在値表示域２８ｆには、設定
されたシャッター速度に基づいて演算された絞り値とし
て「Ｆ４．５」が表示されている。

【００６９】図１３に示した状態で回転ダイヤル３２を
反時計回りに１ステップ回転させると、現在のＴｖポイ
ンタが１０．５となり、第１現在値表示域には「１５０
０」、第１候補値表示域には「２０００」、第２候補値
表示域には「１０００」が表示される。

【００７０】図１４は、表示パネル２８の変形例を示
す。図１４の例では、第３表示パネル２８Ｃ、第１表示
パネル２８Ａ、第２表示パネル２８Ｂが手前側から順に
一直線上に配列するよう構成されている。

【００７１】ダイヤル表示域を構成する各表示域２８ａ
〜２８ｃは横並びとされ、それぞれのセグメントは平行
になるよう設定されている。

【００７２】なお、上記の実施例では、この発明の情報
設定・表示装置を一眼レフレックスカメラに適用した例
についてのみ説明したが、例えば、レンズシャッタを有
するコンパクトカメラや、ビデオカメラ等にも適用する
ことができる。

【００７３】また、上記の実施例では、ダイヤル表示域
に３つの数値表示域を設けているが、数値表示域は少な
くとも２つの設けられていれば足り、現在値と回転ダイ
ヤルの操作により設定される候補値を１つだけ表示する
構成であってもよい。また、反対に４つ以上の表示域を
並列して設け、現在値の他に回転ダイヤルの１ステップ
の回転により設定される値、２ステップの回転により設
定される値等を表示するようにしてもよい。

【００７４】さらに、ダイヤル表示域に表示される情報
は、実施例に示した数値情報のみでなく、文字列、記号
等の数値以外の情報が配列したテーブルを利用すること
もできる。

【００７５】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、カメラに現在設定されている情報の他に、回転ダイ
ヤルの操作により変更される情報が回転ダイヤルの操作
方向との関係で表示されるため、回転ダイヤルをどの方
向に操作すれば設定値がどのように変化するかを予め知
ることができ、シャッター速度や絞り値等の設定の操作
性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明にかかる情報設定・表示装置の実施
例が適用された一眼レフレックスカメラの外観を示す平
面図である。

【図２】図１の回転ダイヤル、表示パネルの拡大図で
ある。

【図３】図１のカメラの回転ダイヤル近傍の断面図で
ある。

【図４】回転ダイヤルに固定されたコード板の平面図
である

【図５】カメラの制御回路のブロック図である。

【図６】制御回路の設定・表示処理を示すフローチャ
ートである。

【図７】制御回路のダイヤル割り込み処理を示すフロ
ーチャートである。

【図８】ダイヤル割り込み処理における露出補正Ｕ／
Ｄ処理を示すフローチャートである。

【図９】ダイヤル割り込み処理における設定ＴｖＵ／
Ｄ処理を示すフローチャートである。

【図１０】ダイヤル割り込み処理における設定ＡｖＵ
／Ｄ処理を示すフローチャートである。

【図１１】プログラムモードにおける表示の一例を示
す説明図である。

【図１２】プログラムモードにおける露出補正時の表
示の一例を示す説明図である。

【図１３】オートモードのシャッター優先の場合の表
示の一例を示す説明図である。

【図１４】表示パネルの変形例を示す説明図である。

【符号の説明】

１０一眼レフレックスカメラ１２カメラボディ１４撮影レンズ１６メインスイッチ２４モードボタン２６露出補正ボタン２８Ａ第１表示パネル２８ａ第１現在値表示域２８ｂ第１候補値表示域２８ｃ第２候補値表示域２８Ｂ第２表示パネル２８ｄ露出モード表示域２８ｅ露出補正表示域２８Ｃ第３表示パネル２８ｆ第２現在値表示域２８ｇ撮影モード表示域３２回転ダイヤル３４切換えボタン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カメラボディに回動調整可能に設けられた
リング状の回転ダイヤルと、前記回転ダイヤルの内側に前記回転ダイヤルの内周に沿
って並列する少なくとも２つの表示域を備える表示部材
と、前記回転ダイヤルの回動操作により変更可能な情報を、
複数の値が所定の順序で配列されたテーブルとして保持
する記憶手段と、前記回転ダイヤルの回動操作により前記情報を設定する
設定手段と、前記一方の表示域に現在設定されている情報の値を表示
すると共に、他の表示域に前記回転ダイヤルを該他の表
示域から前記一方の表示域側に回動操作した際に設定さ
れるべき情報の値を表示する表示制御手段とを備えるこ
とを特徴とするカメラの情報設定・表示装置。
【請求項２】前記表示部材は、前記回転方向に沿って並
列した３つの表示域を備え、前記表示制御手段は、中央
の表示域域に現在設定されている情報の値を表示し、他
の２つの表示域に、前記回転ダイヤルを回動させた際に
設定されるべき情報の値を前記記憶手段から読み出して
それぞれ表示することを特徴とする請求項１に記載のカ
メラの情報設定・表示装置。
【請求項３】前記表示制御手段は、前記表示部材の一方
の表示域に前記記憶手段におけるテーブルの端部の値が
表示されており、前記回転ダイヤルを前記他の表示域か
ら前記一方の表示域側に回動させた際に設定されるべき
値が存在しない場合に、該他方の表示域にブランクを表
示することを特徴とする請求項１に記載のカメラの情報
設定・表示装置。
【請求項４】前記記憶手段は、シャッター速度、絞り
値、露出補正値の少なくとも１つを情報として記憶して
いることを特徴とする請求項１に記載のカメラの情報設
定・表示装置。
【請求項５】前記記憶手段は、シャッター速度、絞り
値、露出補正値の少なくとも２つを情報として記憶して
おり、前記設定手段および前記表示制御手段は、前記回
転ダイヤルとは別個に前記カメラボディに設けられた選
択スイッチにより選択された１つの情報の値を設定、表
示することを特徴とする請求項４に記載のカメラの情報
設定・表示装置。
【請求項６】前記表示制御手段は、カメラがプログラム
モードに設定されている場合であって、前記表示部材に
表示する情報としてシャッター速度、絞り値のいずれか
が選択されている際には、前記他方の表示域にブランク
を表示することを特徴とする請求項５に記載のカメラの
情報設定・表示装置。
【請求項７】前記回転ダイヤルは、回転位置の絶対座標
を情報として前記設定手段及び前記表示制御手段に出力
することを特徴とする請求項１に記載のカメラの情報設
定・表示装置。
【請求項８】前記回転ダイヤルは、回転位置の相対変化
を情報として前記設定手段及び前記表示制御手段に出力
することを特徴とする請求項１に記載のカメラの情報設
定・表示装置。
【請求項９】前記表示部材には、前記回転ダイヤルの回
転方向に沿って設けられた前記表示域の他に、情報を表
示する少なくとも１つの表示域が設けられていることを
特徴とする請求項１に記載のカメラの情報設定・表示装
置。
【請求項１０】カメラボディに回動調整可能に設けられ
たリング状の回転ダイヤルと、前記回転ダイヤルの内側に設けられ、前記回転ダイヤル
の内周に沿って並列する少なくとも２つの表示域を備え
る表示部材と、前記回転ダイヤルの回動操作により変更可能な情報を、
複数の値が所定の順序で配列されたテーブルとして保持
する記憶手段と、前記回転ダイヤルの回動操作により前記情報を設定する
設定手段と、前記表示域の一方に現在設定されている情報の値を表示
すると共に、他の表示域に前記テーブルにおける現在値
に隣接する値を表示し、一方の表示域に表示された値を
前記回転ダイヤルの回動操作の方向に沿って他の表示域
に移行させて表示する表示制御手段とを備えることを特
徴とするカメラの情報設定・表示装置。
【請求項１１】前記表示部材は、前記回転方向に沿って
並列した３つの表示域を備え、前記表示制御手段は、前
記３つの表示域に前記テーブル内の連続する３つの値を
それぞれ表示させることを特徴とする請求項１０に記載
のカメラの情報設定・表示装置。
【請求項１２】カメラボディに回動調整可能に設けられ
たリング状の回転ダイヤルと、前記回転ダイヤルの内側に設けられ、前記回転ダイヤル
の内周に沿う位置に並列した現在値表示域、及び少なく
とも１つの候補値表示域を備える表示部材と、前記回転ダイヤルの回動操作により変更可能な情報を、
複数の値が所定の順序で配列されたテーブルとして保持
する記憶手段と、前記回転ダイヤルの回動操作により前記情報を設定する
設定手段と、前記現在値表示域に現在設定されている情報の値を表示
すると共に、前記候補表示域に前記回転ダイヤルを前記
候補表示域から前記現在値表示域側に回転させた際に設
定されるべき情報の値を前記記憶手段から読み出して表
示する表示制御手段とを備えることを特徴とするカメラ
の情報設定・表示装置。
【請求項１３】前記表示部材は、前記現在値表示域の両
側にそれぞれ候補値表示域を備えることを特徴とする請
求項１２に記載のカメラの情報設定・表示装置。