JPH07330965A - 高防湿ポリマーアロイ - Google Patents

高防湿ポリマーアロイ

Info

Publication number
JPH07330965A
JPH07330965A JP6125565A JP12556594A JPH07330965A JP H07330965 A JPH07330965 A JP H07330965A JP 6125565 A JP6125565 A JP 6125565A JP 12556594 A JP12556594 A JP 12556594A JP H07330965 A JPH07330965 A JP H07330965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dodecene
molecular weight
polymer alloy
amorphous polyolefin
derivative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6125565A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3354283B2 (ja
Inventor
Sadafumi Furukawa
禎史 古川
Takeshi Takeuchi
健 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=14913345&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH07330965(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP12556594A priority Critical patent/JP3354283B2/ja
Publication of JPH07330965A publication Critical patent/JPH07330965A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3354283B2 publication Critical patent/JP3354283B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Ceased legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 非晶性ポリオレフィンと分子量が10000
以下の低分子量化合物よりなることを特徴とする新規な
高防湿ポリマーアロイであり、非晶性ポリオレフィンと
低分子量化合物との配合比率が、99重量%:1重量%
〜70重量%:30重量%であり、非晶性ポリオレフィ
ンと低分子量化合物との常温での屈折率差が、0.03
以下である新規な高防湿ポリマーアロイである。 【効果】 通常の熱可塑性成形材料に用いられている加
工方法、例えば射出成形、押出成形等により、容易に成
形品やフィルム、シートに加工され、物性バランス、外
観、透明性、成形性、特に防湿性に優れた製品を与え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形等により成形
品等として、又押出成形等により透明性を必要とする薬
品包装(PTP包装)用シートあるいは、フィルム等と
して利用できる新規な高防湿ポリマーアロイに関するも
のである。更に詳しくは、相溶性に優れる特定の非晶性
ポリオレフィンと、特定の低分子量化合物とを組合わせ
ることにより得られる、物性バランス、外観、透明性、
成形性、特に防湿性に優れた新規な高防湿ポリマーアロ
イに関するものである。
【0002】
【従来の技術】非晶性ポリオレフィンは、機械的強度、
成形性、透明性、寸法安定性、防湿性に優れた特性を持
っているが、食品包装・医薬品包装等で非常に高防湿を
必要とする分野では、その防湿性が必ずしも十分ではな
く、防湿性を改良するために厚みを厚くするとか、アル
ミ箔を含む様な構成にするとか、あるいはポリ塩化ビニ
リデン樹脂(PVDC)をコーティングした様な構成に
する方法がとられてきている。しかし、これらの方法で
は、かなりの工数増加・コストアップにつながるので、
非晶性ポリオレフィンの特性をすべて損なわず、更なる
高防湿化することが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非晶性ポリ
オレフィンに、低分子量化合物を配合することにより、
非晶性ポリオレフィンの分子の空隙を出来る限り埋め
て、分子の空隙を減少させる、あるいは非晶性ポリオレ
フィンに相溶して分子運動を抑制し、水分子の透過を防
止することにより、物性バランス、外観、透明性、成形
性、防湿性に優れるとともに、成型品・フィルム・シー
ト等の成形加工性に優れた新規な高防湿ポリマーアロイ
を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】一般に、二種以上の樹脂
を組み合わせた場合に、透明性良好なものを得るために
は、各々の樹脂の屈折率が近いものを選ぶこと、相溶性
の良好な樹脂の組み合わせを選び、分散粒子径をできる
だけ微細に分散させることが必要である。しかし、樹脂
の組み合わせで互いに相溶し合う場合はまれであり、ほ
とんどの場合得られたブレンド物はいずれのポリマーよ
りも特性が劣るケースが大多数である。また防湿性にお
いては、非晶性ポリオレフィンが、ポリマーの中では非
常に優れており、他のポリマーとの組み合わせ等により
これ以上防湿性を向上させることは非常に困難なことで
あった。そこで様々な検討を行った結果、特定の非晶性
ポリオレフィンと、常温での屈折率が非常に近く、相溶
性の良好な、特定の低分子量化合物とを組み合わせるこ
とにより、非晶性ポリオレフィンの分子の空隙を、出来
る限り埋めるとともに、非晶性ポリオレフィンに相溶し
て分子運動を抑制し、水分子の透過を防止することによ
り、非晶性ポリオレフィンの特徴、中でも特に優れた透
明性・成形性を損なわず、防湿性の更なる向上が可能と
なった物性バランス、外観、透明性、成形性、防湿性に
優れた新規な高防湿ポリマーアロイが得られることを見
いだし本発明を完成するに至った。即ち本発明は、非晶
性ポリオレフィンと分子量が10000以下の低分子量
化合物よりなることを特徴とする新規な高防湿ポリマー
アロイであり、非晶性ポリオレフィンと低分子量化合物
との配合比率が、99重量%:1重量%〜70重量%:
30重量%であり、非晶性ポリオレフィンと低分子量化
合物との常温での屈折率差が、0.03以下である新規
な高防湿ポリマーアロイである。
【0005】本発明に、用いられる非晶性ポリオレフィ
ンとは、環状オレフィン構造を有する重合体であり、そ
の構造及び性質より非晶性ポリオレフィンと言える。非
晶性ポリオレフィンの例としては、下記の一般式で表さ
れる非晶性重合体が挙げられる。 (ただし、式中nは1以上の正の整数、mは1以上の正
の整数、R1 は水素原子、ハロゲン原子、CH3CH
2基、又はC642基を表し、R2は水素原子、炭化水
素基、アルコキシ基、ハロゲン化炭化水素基又はハロゲ
ン原子を示す。また、Xはシクロペンタジエンないしそ
の誘導体とノルボルナジエンないしその誘導体との付加
反応物もしくはその水素添加物の残基、又はジシクロペ
ンタジエンないしその誘導体とエチレンとの付加反応物
の残基を表す。)
【0006】シクロペンタジエンないしその誘導体とノ
ルボルナジエンないしその誘導体との付加反応物の水素
添加物、又はジシクロペンタジエンないしその誘導体と
エチレンとの付加反応物の一般式は下記に示すものであ
る。
【化1】 (ただし、式中nは1以上の正の整数であり、R1 〜R
12はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、及び炭
化水素基より選ばれる原子もしくは基を示し、R9 〜R
12は、互いに結合して単環又は多環を形成していてもよ
い。)
【0007】上記、シクロペンタジエンないしその誘導
体とノルボルナジエンないしその誘導体との付加反応物
の水素添加物、又はジシクロペンタジエンないしその誘
導体とエチレンとの付加反応物としては、例えば、テト
ラシクロ−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ−3
−ドデセン、8−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、
8−プロピルテトラシクロ−3−ドデセン、8−ブチル
テトラシクロ−3−ドデセン、8−イソブチルテトラシ
クロ−3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ−3−
ドデセン、8−ステアリルテトラシクロ−3−ドデセ
ン、5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、
2,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、8,
9−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチル
−9−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、11,12
−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、2,7,9−
トリメチルテトラシクロ−3−ドデセン、9−エチル−
2,7−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、9−イ
ソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセ
ン、9,11,12−トリメチルテトラシクロ−3−ド
デセン、9−エチル−11,12−ジメチルテトラシク
ロ−3−ドデセン、9−イソブチル−11,12−ジメ
チルテトラシクロ−3−ドデセン、5,8,9,10−
テトラメチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチリ
デンテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチリデン−9
−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチリデン
−9−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチリ
デン−9−イソプロピルテトラシクロ−3−ドデセン、
8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ−3−ドデセ
ン、8−n−プロピリデンテトラシクロ−3−ドデセ
ン、8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ−
3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−エチルテト
ラシクロ−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−
イソプロピルテトラシクロ−3−ドデセン、8−n−プ
ロピリデン−9−ブチルテトラシクロ−3−ドデセン、
8−イソプロピリデンテトラシクロ−3−ドデセン、8
−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ−3−ド
デセン、8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシク
ロ−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−イソプ
ロピルテトラシクロ−3−ドデセン、8−イソプロピリ
デン−9−ブチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−ク
ロロテトラシクロ−3−ドデセン、8−ブロモテトラシ
クロ−3−ドデセン、8−フルオロテトラシクロ−3−
ドデセン、8,9−ジクロロテトラシクロ−3−ドデセ
ン、ヘキサシクロ−4−ヘプタデセン、12−メチルヘ
キサシクロ−4−ヘプタデセン、12−エチルヘキサシ
クロ−4−ヘプタデセン、12−イソブチルヘキサシク
ロ−4−ヘプタデセン、1,6,10−トリメチル−1
2−イソブチルヘキサシクロ−4−ヘプタデセン、オク
タシクロ−5−ドコセン、15−メチルオクタシクロ−
5−ドコセン、15−エチルオクタシクロ−5−ドコセ
ン、ペンタシクロ−4−ヘキサデセン、1,3−ジメチ
ルペンタシクロ−4−ヘキサデセン、1,6−ジメチル
ペンタシクロ−4−ヘキサデセン、15,16−ジメチ
ルペンタシクロ−4−ヘキサデセン、ヘプタシクロ−5
−エイコセン、ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン、ペ
ンタシクロ−4−ペンタデセン、1,3−ジメチルペン
タシクロ−4−ペンタデセン、1,6−ジメチルペンタ
シクロ−4−ペンタデセン、14,15−ジメチルペン
タシクロ−4−ペンタデセン、ペンタシクロ−4,10
−ペンタデカジエン等が挙げられる。
【0008】また、スチレン誘導体としては、例えばス
チレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、α−メチルスチレン、o−クロルス
チレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、o
−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルス
チレン、p−メトキシスチレン、p−クロロエチルスチ
レン、p−メチル−α−メチルスチレンなどが用いられ
る。なお、これらは2種類以上の混合物としても使用で
きる。
【0009】また、非晶性ポリオレフィンの他の例とし
ては、下記の一般式の様なものも挙げられる。
【化2】 (ただし、式中nは0又は1以上の正の整数、mは1以
上の正の整数であり、R 〜R4 は、水素原子、又は
炭化水素基である。)
【0010】上記、テトラシクロ−3−ドデセンないし
その誘導体の例としては、テトラシクロ−3−ドデセ
ン、5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、
2,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、1
1,12−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、2,
7,9−トリメチルテトラシクロ−3−ドデセン、9−
エチル−2,7−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセ
ン、9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ−
3−ドデセン、9,11,12−トリメチルテトラシク
ロ−3−ドデセン、9−エチル−11,12−ジメチル
テトラシクロ−3−ドデセン、9−イソブチル−11,
12−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、5,8,
9,10−テトラメチルテトラシクロ−3−ドデセン、
8−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチルテ
トラシクロ−3−ドデセン、8−プロピルテトラシクロ
−3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ−3−ドデ
セン、8−ステアリルテトラシクロ−3−ドデセン、
8,9−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−メ
チル−9−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−シ
クロヘキシルテトラシクロ−3−ドデセン、8−イソブ
チルテトラシクロ−3−ドデセン、8−ブチルテトラシ
クロ−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ−3
−ドデセン、8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ
−3−ドデセン、8−エチリデン−9−エチルテトラシ
クロ−3−ドデセン、8−エチリデン−9−イソプロピ
ルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチリデン−9−
ブチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−n−プロピリ
デンテトラシクロ−3−ドデセン、8−n−プロピリデ
ン−9−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−n−
プロピリデン−9−エチルテトラシクロ−3−ドデセ
ン、8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシ
クロ−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−ブチ
ルテトラシクロ−3−ドデセン、8−イソプロピリデン
テトラシクロ−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−
9−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−イソプロ
ピリデン−9−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8
−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ−
3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−ブチルテト
ラシクロ−3−ドデセン等が挙げられる。また、ビシク
ロヘプト−2−エンないしその誘導体の例としては、ビ
シクロヘプト−2−エン、6−メチルビシクロヘプト−
2−エン、5,6−ジメチルビシクロヘプト−2−エ
ン、1−メチルビシクロヘプト−2−エン、6−エチル
ビシクロヘプト−2−エン、6−n−ブチルビシクロヘ
プト−2−エン、6−イソブチルビシクロヘプト−2−
エン、7−メチルビシクロヘプト−2−エン等が挙げら
れる。
【0011】非晶性ポリオレフィンは、70〜170℃
の範囲の熱変形温度を有しており、使用される用途によ
り最適なものを選ぶことが可能であり、PTP包装用シ
ート等の真空成形性を要求される用途では、熱変性温度
が100℃以下のものを用いることが好ましい。次に、
本発明で用いられる低分子量化合物とは、分子量が10
000以下のものであり、高分子化学ではオリゴマー領
域にあるものであり、高分子と液体の中間に存在するも
のである。また、透明性を良好にするために常温での非
晶性ポリオレフィンとの屈折率差は、0.03以下であ
る必要がある。更に好ましくは、屈折率差が0.01以
下のものであり、より好ましくは屈折率差のないもので
ある。低分子量化合物の具体例としては、ポリオレフィ
ン系オリゴマー、ポリスチレン系オリゴマー、ロジン系
樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂等が挙げられる。な
お、これらは2種類以上の混合物としても使用できる。
中でも、好ましく用いられるものは、非晶性ポリオレフ
ィンと相溶性の良好なもので、例えば、分子量が100
00以下のポリオレフィン系オリゴマー、ポリスチレン
系オリゴマーである。更に好ましくは、分子量が500
0以下のものである。その具体的な例としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−スチレン共重合体
等のエチレン共重合体、ポリスチレン等が好ましく用い
られる。また、テルペン系樹脂では、水酸基、アルデヒ
ド基、カルボキシル基、ハロゲン基、スルフォン基等の
極性基を含まないテルペン系樹脂が好ましく、中でも水
素を付加させることにより、その80%以上を水添した
ものが好ましく、分子量は、1000以下のものが好ま
しい。また、石油樹脂では、C5 の鎖状オレフィン類混
合物をカチオン重合したC5 系石油樹脂、ジシクロペン
タジエン留分を熱重合したジシクロペンタジエン系樹
脂、C9 芳香族オレフィン類混合物をカチオン重合した
9 系石油樹脂、C59共重合樹脂、水素化石油樹脂、
ピュアーモノマータイプ等が挙げられ、中でも色調・臭
気・安定性が優れた水素化系石油樹脂、芳香族系のピュ
アーモノマータイプ等が好ましい。また、軟化点につい
ては、50〜140℃のものが好ましく、更に好ましく
は、70〜130℃のものであり、分子量は、3000
以下のものが好ましく、更に好ましくは、1000以下
のものである。
【0012】本発明による高防湿ポリマーアロイにおい
て、非晶性ポリオレフィンと、低分子量化合物との配合
比率は、99重量%:1重量%〜70重量%:30重量
%である。非晶性ポリオレフィンの含量が70重量%よ
り少ない場合は、成形加工性、剛性が十分でなく、99
重量%より多い場合は、防湿性において好ましい性質が
得られない。また、更に防湿性をかなり重視する場合に
おいては、非晶性ポリオレフィンと低分子量化合物との
配合比率が、95重量%:5重量%〜70重量%:30
重量%が好ましい。更に、必要に応じて基本的性質を損
なわない範囲で添加剤、例えば染顔料、安定剤、可塑
剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、充
填剤、柔軟性を付与するエラストマー等も添加すること
ができる。本発明による高防湿ポリマーアロイは、通常
の熱可塑性樹脂組成物に用いられている加工方法、例え
ば、射出成形等によりICトレー成形品等として、又押
出成形等により、容易に透明性を必要とするフィルム、
シート等に利用できる。
【0013】
【実施例】以下実施例により、本発明を説明するが、こ
れは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるもの
ではない。実施例及び比較例において配合した各成分を
以下に示す。 《非晶性ポリオレフィン》 ・APO(nD=1.5353) APL−6509T[三井石油化学工業(株)製] ・APO(nD=1.5302) ZEONEX 280[日本ゼオン(株)製] 《低分子量化合物》 ・LM(低分子量ポリオレフィン;分子量 約400
0,nD=1.5130,軟化点 136℃) ハイワックス 400P[三井石油化学工業(株)製] ・LM(水素化テルペン;分子量 約700,nD=
1.5371,軟化点125℃) クリアロン P125[ヤスハラケミカル(株)製] ・LM(芳香族系石油樹脂;分子量 約800,nD
=1.5350,軟化点 80℃) FTR−8080[三井石油化学工業(株)製] ・LM(水素化石油樹脂;分子量 約700,nD=
1.5320,軟化点100℃) アルコン P100[荒川化学工業(株)製]
【0014】(実施例1〜11、及び比較例1〜2)す
べての成分を十分ドライブレンドし、二軸混練機により
溶融混練したものをペレット化して高防湿ポリマーアロ
イを得た。物性及び特性測定には、射出成形品及び押出
しシートを使用した。引張試験はASTM−D638、
曲げ試験はASTM−D790によって測定した結果で
ある。また、成形品のソリについては、縦150mm、
横300mm、厚み1mmの平板をハイトマスターで測
定評価し、○はソリのないもの、×はソリのあるものと
した。また、シートの特性測定には0.3mmのT−ダ
イシートを使用し、光線透過率、及びHAZEはAST
M−D1003により、透湿度はJIS−Z0208に
基づいて条件A、即ち温度25℃、相対湿度90%での
測定値であり、外観は目視により判定し、○は良好、×
は不良とした。た。また、屈折率(nD)については、
デジタル屈折率計RX−2000[(株)アタゴ製]に
より、シート状態での23℃の屈折率の測定を行った。
配合組成及び各特性値の結果を、表1、表2に示す。
【0015】 表 1 実 施 例 1 2 3 4 5 6 〔配合(重量部)〕 APO 90.0 98.5 95.0 90.0 71.0 90.0 LM 10.0 LM 1.5 5.0 10.0 29.0 LM 10.0 屈折率の差(×10-4) 223 18 18 18 18 3 〔射出成形物の物性値〕 引張強度(N/mm2) 44 45 46 47 45 46 引張伸び(%) 120 25 50 80 50 100 曲げ弾性率(N/mm2) 2200 2300 2400 2500 2300 2400 成形品のソリ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〔シート特性〕 光線透過率(%) 90 91 91 91 90 91 HAZE (%) 3 3 3 2 3 2 透湿度(g/m2・24hr/0.3mm) 0.21 0.23 0.21 0.20 0.21 0.22 外観 ○ ○ ○ ○ ○ ○
【0016】 表 2 実 施 例 比 較 例 7 8 9 10 11 1 2 〔配合(重量部)〕 APO 90.0 100 APO 90.0 90.0 90.0 90.0 100 LM 10.0 LM 10.0 LM 10.0 LM 10.0 10.0 屈折率の差(×10-4) 33 172 69 48 18 − − 〔射出成形物の物性値〕 引張強度(N/mm2) 46 62 65 63 65 45 63 引張伸び(%) 70 80 30 60 40 20 8 曲げ弾性率(N/mm2) 2500 2250 2500 2400 2500 2300 2350 成型品のソリ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〔シート特性〕 光線透過率(%) 91 91 91 91 91 91 91 HAZE (%) 3 4 3 3 3 3 4 透湿度 (g/m2・24hr/0.3mm) 0.21 0.22 0.21 0.23 0.21 0.24 0.25 外観 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
【0017】
【発明の効果】本発明により得られる高防湿ポリマーア
ロイは、通常の熱可塑性成形材料に用いられている加工
方法、例えば射出成形、押出成形等により、容易に成形
品やフィルム、シートに加工され、物性バランス、外
観、透明性、成形性、特に防湿性に優れた製品を与え
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 93/00 101/00 LSZ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶性ポリオレフィンと分子量が100
    00以下の低分子量化合物よりなることを特徴とする新
    規な高防湿ポリマーアロイ。
  2. 【請求項2】 非晶性ポリオレフィンと低分子量化合物
    との配合比率が、99重量%:1重量%〜70重量%:
    30重量%であることを特徴とする請求項1記載の新規
    な高防湿ポリマーアロイ。
  3. 【請求項3】 非晶性ポリオレフィンと低分子量化合物
    との常温での屈折率差が、0.03以下であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の新規な高防湿ポリマーア
    ロイ。
  4. 【請求項4】 非晶性ポリオレフィンが、シクロペンタ
    ジエンないしその誘導体とノルボルナジエンないしその
    誘導体との付加反応物と、エチレン、ブタジエン、又は
    スチレン誘導体から選ばれた1種以上の不飽和単量体と
    の共重合体又は、その水素添加物であることを特徴とす
    る請求項1、2又は3記載の新規な高防湿ポリマーアロ
    イ。
  5. 【請求項5】 非晶性ポリオレフィンが、ジシクロペン
    タジエンないしその誘導体とエチレンとの付加反応物
    と、エチレン、ブタジエン、又はスチレン誘導体から選
    ばれた1種以上の不飽和単量体との共重合体であること
    を特徴とする請求項1、2又は3記載の新規な高防湿ポ
    リマーアロイ。
  6. 【請求項6】 非晶性ポリオレフィンが、テトラシクロ
    −3−ドデセンないしその誘導体とビシクロヘプト−2
    −エンないしその誘導体からなる開環重合体の水素添加
    物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の新
    規な高防湿ポリマーアロイ。
  7. 【請求項7】 低分子量化合物が、ポリオレフィン系オ
    リゴマー、ポリスチレン系オリゴマーより選ばれた少な
    くとも1種以上を含むことを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5又は6記載の新規な高防湿ポリマーアロイ。
  8. 【請求項8】 低分子量化合物が、極性基を含まない石
    油樹脂より選ばれた少なくとも1種以上を含むことを特
    徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の新規な
    高防湿ポリマーアロイ。
  9. 【請求項9】 低分子量化合物が、極性基を含まないテ
    ルペン樹脂より選ばれた少なくとも1種以上を含むこと
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の新
    規な高防湿ポリマーアロイ。
JP12556594A 1994-06-07 1994-06-07 高防湿ポリマーアロイ Ceased JP3354283B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12556594A JP3354283B2 (ja) 1994-06-07 1994-06-07 高防湿ポリマーアロイ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12556594A JP3354283B2 (ja) 1994-06-07 1994-06-07 高防湿ポリマーアロイ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07330965A true JPH07330965A (ja) 1995-12-19
JP3354283B2 JP3354283B2 (ja) 2002-12-09

Family

ID=14913345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12556594A Ceased JP3354283B2 (ja) 1994-06-07 1994-06-07 高防湿ポリマーアロイ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3354283B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61235445A (ja) * 1985-04-11 1986-10-20 Toray Ind Inc 透気防湿フイルム
JPH0372558A (ja) * 1989-05-08 1991-03-27 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物
JPH0551468A (ja) * 1991-08-21 1993-03-02 Idemitsu Kosan Co Ltd ラツプフイルム
JPH05262899A (ja) * 1992-03-23 1993-10-12 Idemitsu Kosan Co Ltd 延伸フィルム
JPH0680792A (ja) * 1992-05-14 1994-03-22 Mitsui Petrochem Ind Ltd Ptpまたはブリスターパック包装用シートまたはフィルム、包装体、およびその形成方法
JPH06145462A (ja) * 1992-11-13 1994-05-24 Sumitomo Bakelite Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物
JPH06316652A (ja) * 1993-03-12 1994-11-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61235445A (ja) * 1985-04-11 1986-10-20 Toray Ind Inc 透気防湿フイルム
JPH0372558A (ja) * 1989-05-08 1991-03-27 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物
JPH0551468A (ja) * 1991-08-21 1993-03-02 Idemitsu Kosan Co Ltd ラツプフイルム
JPH05262899A (ja) * 1992-03-23 1993-10-12 Idemitsu Kosan Co Ltd 延伸フィルム
JPH0680792A (ja) * 1992-05-14 1994-03-22 Mitsui Petrochem Ind Ltd Ptpまたはブリスターパック包装用シートまたはフィルム、包装体、およびその形成方法
JPH06145462A (ja) * 1992-11-13 1994-05-24 Sumitomo Bakelite Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物
JPH06316652A (ja) * 1993-03-12 1994-11-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3354283B2 (ja) 2002-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0273228A2 (en) Polypropylene composition
JP3377851B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH07258504A (ja) 透明高防湿薬品包装用ポリマーアロイシート
JP3354283B2 (ja) 高防湿ポリマーアロイ
JP3598428B2 (ja) 樹脂組成物およびその成形物
JPH08113676A (ja) 高防湿ポリマーアロイ
JP3474364B2 (ja) 閉蓋具の成形材料
JPH07216149A (ja) 新規相溶化剤及び熱可塑性樹脂組成物
JPH06340781A (ja) ポリオレフィン系ポリマーアロイ
JPH07330964A (ja) 透明ポリマーアロイ
JP3474386B2 (ja) 樹脂組成物およびその成形品
JP3071664B2 (ja) 高防湿多層ポリマーアロイシート
JPH07276586A (ja) 透明高防湿薬品包装用多層ポリマーアロイシート
JPH07109396A (ja) 導電性非晶性ポリオレフィン樹脂組成物
JP3514392B2 (ja) 新規相溶化剤及び熱可塑性樹脂組成物
JP3354250B2 (ja) 高防湿薬品包装用ポリマーアロイシート
JP3135413B2 (ja) 高防湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シート
JP3135414B2 (ja) 高防湿薬品包装用ポリマーアロイ多層シート
JPH05163394A (ja) 透明性と柔軟性に優れたポリプロピレン樹脂組成物
JPH0898871A (ja) 薬品包装用多層ポリマーアロイシート
JPH0797452A (ja) 相溶化剤及び高防湿薬品包装用ポリマーアロイシート
JPH08300579A (ja) 高防湿多層ポリマーアロイシート
JPH0711003A (ja) 相溶化剤及びポリオレフィン系ポリマーアロイ
JPH06316660A (ja) 成形材料用熱可塑性樹脂組成物
JPH0344090B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
RVOP Cancellation by post-grant opposition