JPH0680792A - Ptpまたはブリスターパック包装用シートまたはフィルム、包装体、およびその形成方法 - Google Patents

Ptpまたはブリスターパック包装用シートまたはフィルム、包装体、およびその形成方法

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JPH0680792A
JPH0680792A JP5079599A JP7959993A JPH0680792A JP H0680792 A JPH0680792 A JP H0680792A JP 5079599 A JP5079599 A JP 5079599A JP 7959993 A JP7959993 A JP 7959993A JP H0680792 A JPH0680792 A JP H0680792A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防湿性および透明性に優れ、しかも真空また
は圧空成形性に優れたPTPまたはブリスターパック包
装用シートまたはフィルムを得る。 【構成】 下式で表わされる環状オレフィンとエチレン
との共重合体であって、135℃のデカリン中で測定し
た極限粘度が0.01〜10dl/g、軟化温度が50
〜200℃である非晶質ポリオレフィンからなるPTP
またはブリスターパック包装用シートまたはフィルム。 【化1】 (nは0または1、mは0または正の整数、qは0また
は1、R1〜R18、RaおよびRbはH、ハロゲンおよび
炭化水素基から選ばれる基。R15〜R18は互いに結合し
て単環、多環を形成してもよく、環は二重結合を有して
いてもよい。R15とR16とで、またはR17とR18とでア
ルキリデン基を形成してもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬剤包装のPTP包装
や他のブリスターパック包装用の成形材料として用いる
ためのシートまたはフィムル、それらを用いたPTPま
たはブリスターパック包装体、および包装体の形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】日用品、雑貨、錠剤薬品などの包装には
ブリスターパック包装が広く使用されている。このブリ
スターパック包装は、包装しようとする被包装物の形状
にほぼ合せた輪郭のブリスター(ふくらみ)を形成する
ように、熱可塑性樹脂シートまたはフィルムを真空また
は圧空成形し、このブリスターに被包装物を収容した
後、シール材(台紙)を被せ、シートまたはフィルムの
フランジ部(平な部分)とシール材とをヒートシールま
たは接着する包装であって、ブリスターを通して中の被
包装物を確認できるようにしたものである。特に、錠剤
やカプセルのような小形の被包装物の場合は、アルミニ
ウム箔のような破れやすいシール材を使用することによ
り、ブリスターを押して容易に解包できるようにしたP
TP包装(press through pack)が
広く使用されている。
【0003】このようなPTPまたはブリスターパック
包装に使用するシートまたはフィルムの材料(素材)に
は、透明性、防湿性、および真空または圧空成形性が要
求され、特に錠剤などの薬剤を包装する場合にはさらに
高い防湿性が要求される。
【0004】従来、このようなPTPまたはブリスター
パック包装用シートまたはフィルムの材料としては、ポ
リ塩化ビニルやポリプロピレンなどが使用されている。
しかしこれらの防湿性は不十分であり、ポリ塩化ビニリ
デンの塗布や多層化により防湿性の向上を図っている。
ポリ塩化ビニルは環境汚染の問題もあり、これに代わる
素材が求められており、一部ポリプロピレンに代わりつ
つあるが、ポリプロピレンは透明性が悪く、また真空ま
たは圧空成形性が悪く生産性が低いなどの問題点があ
る。
【0005】一方特開昭61−292601号には、後
述の一般式〔1〕のnが0の場合の環状オレフィンと、
エチレンとの共重合体からなる環状オレフィン系ランダ
ム共重合体が光学材料として記載されている。しかし、
この共重合体は一般的には極めて脆く、シートまたはフ
ィルムに成形するのが困難であり、また真空成形性も悪
いため、PTPまたはブリスターパック包装用シートま
たはフィルムとして用いることは示唆されていない。
【0006】また特開平2−196832号には、13
5℃のデカリン中で測定した極限粘度が0.01〜10
dl/g、軟化温度が70℃以上である、後述の一般式
〔1〕のnが0の場合の環状オレフィンと、エチレンと
の共重合体からなる環状オレフィン系ランダム共重合体
を2軸延伸したシートまたはフィルムが記載されてい
る。しかし、このような2軸延伸したシートまたはフィ
ルムは、表面温度が軟化温度以上になると収縮するの
で、軟化温度以上の温度で成形を行う真空または圧空成
形による成形は難しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、防湿性および透明性に優れ、し
かも真空または圧空成形性に優れたPTPまたはブリス
ターパック包装用シートまたはフィルムを提供すること
である。本発明の他の目的は、上記シートまたはフィル
ムからなり、防湿性および透明性に優れたPTPまたは
ブリスターパック包装体、ならびに包装体の形成方法を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は次のPTPまた
はブリスターパック包装用シートまたはフィルム、それ
らを用いたPTPまたはブリスターパック包装体、およ
びその形成方法である。 (1)(a)135℃のデカリン中で測定した極限粘度
〔η〕が0.01〜10dl/g、軟化温度(TMA)
が50〜200℃である、下記一般式〔1〕で表わされ
る環状オレフィンとエチレンとの共重合体からなる環状
オレフィン系ランダム共重合体、(b)135℃のデカ
リン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01〜10dl
/g、軟化温度(TMA)が50〜200℃である、下
記一般式〔1〕で表わされる環状オレフィンの開環
(共)重合体もしくはその水素添加、あるいは(c)前
記環状オレフィン系ランダム共重合体(a)または環状
オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素添加物
(b)のグラフト変性物の非晶質ポリオレフィン樹脂か
らなることを特徴とするPTPまたはブリスターパック
包装用シートまたはフィルム。
【化3】 (式〔1〕において、nは0または1、mは0または正
の整数、qは0または1、R1〜R18ならびにRaおよび
bはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および
炭化水素基からなる群から選ばれる原子または基を示
す。またR15〜R18は互いに結合して単環または多環を
形成していてもよく、またR15とR16とで、またはR17
とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。R15
〜R18により形成される前記単環または多環は二重結合
を有していてもよい。ここでqが0の場合には、それぞ
れの結合手が結合して5員環を形成する。) (2)上記(1)記載のシートまたはフィルムにブリス
ターを形成した成形体と、シール材とからなることを特
徴とするPTPまたはブリスターパック包装体。 (3)成形体が被包装物を収容するブリスターと、この
ブリスターの周辺部に形成されたフランジ部とを有し、
フランジ部がシール材に固着されてシールされているこ
とを特徴とする上記(2)記載のPTPまたはブリスタ
ーパック包装体。 (4)シール材がアルミニウム箔あるいは上記(1)記
載のシートまたはフィルムからなることを特徴とする上
記(2)または(3)記載のPTPまたはブリスターパ
ック包装体。 (5)シール材が、アルミニウム箔または台紙に、
(c)135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕
が0.01〜10dl/g、軟化温度(TMA)が50
〜200℃である、前記一般式〔1〕で表わされる環状
オレフィンとエチレンとの共重合体からなる環状オレフ
ィン系ランダム共重合体(a)、または135℃のデカ
リン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01〜10dl
/g、軟化温度(TMA)が50〜200℃である、前
記一般式〔1〕で表わされる環状オレフィンの開環
(共)重合体もしくはその水素添加物(b)のグラフト
変性物を積層したものである上記(2)または(3)記
載のPTPまたはブリスターパック包装体。 (6)上記(1)記載のシートまたはフィルムからな
り、被包装物を収容するブリスター、およびこのブリス
ターの周辺部に形成されたフランジ部を有する成形体の
ブリスターに、被包装物を収容し、成形体のフランジ部
とシール材とをヒートシールまたは接着剤により固着す
ることを特徴とする包装体の形成方法。
【0009】本発明においてシートまたはフィルムの材
料となる非晶質ポリオレフィン樹脂としては、前記環状
オレフィン系ランダム共重合体(a)、環状オレフィン
の開環(共)重合体もしくはその水素添加物(以下、環
状オレフィン系開環(共)重合体という)(b)、およ
びこれら(a)または(b)のグラフト変性物(c)が
ある。これらについて、以下詳細に説明する。
【0010】上記(a)〜(c)の非晶質ポリオレフィ
ン樹脂の一構成成分である環状オレフィンは、前記一般
式〔1〕で表わされる不飽和単量体からなる群から選ば
れる少なくとも一種の環状オレフィンである。ここでま
ず、前記一般式〔1〕で表される環状オレフィンについ
て説明する。前記式〔1〕において、R1〜R18ならび
にRa、Rbはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子
および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基
を示す。
【0011】ここで、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。また炭化水
素基としては、それぞれ独立に、通常、炭素原子数1〜
20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化ア
ルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基また
は芳香族炭化水素基などがあげられる。より具体的に
は、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基など
があげられ、ハロゲン化アルキルとしては、上記のよう
なアルキル基を形成している水素原子の少なくとも一部
がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で
置換された基があげられる。
【0012】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基などがあげられ、芳香族炭化水素基としては、フェ
ニル基、ナフチル基などがあげられる。さらに前記式
〔1〕において、R15とR16とが、R17とR18とが、R
15とR17とが、R16とR18とが、R15とR18とが、ある
いはR16とR17とがそれぞれ結合して(互いに共同し
て)、単環または多環を形成していてもよく、しかもこ
のようにして形成された単環または多環が二重結合を有
していてもよい。ここで形成される単環または多環とし
ては、具体的に以下のようなものがあげられる。
【0013】
【化4】
【0014】なお上記例示において、1または2の番号
を付した炭素原子は、式〔1〕においてそれぞれR
15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子
を表す。また、R15とR16とで、またR17とR18とでア
ルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキ
リデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン
基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例とし
ては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピ
リデン基などがあげられる。
【0015】前記一般式〔1〕の好ましい環状オレフィ
ンとして、下記一般式〔1−1〕で表わされる環状オレ
フィンがあげられる。
【化5】 (式〔1−1〕において、n、m、R1〜R18は式
〔1〕と同じものを示す。)
【0016】さらに前記式〔1〕で表される環状オレフ
ィンとして、下記一般式〔2〕で表される化合物を例示
できる。
【化6】 (式〔2〕において、hは0または正の整数であり、j
およびkは0、1または2である。m、R7〜R15およ
びR17〜R18は式〔1〕と同じものを表す。R19〜R27
はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる原子また
は基を表す。)
【0017】ここでハロゲン原子は、前記式〔1〕にお
けるハロゲン原子と同じである。また式〔2〕のR19
27の炭化水素基としては、それぞれ独立に、通常、炭
素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20の
ハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロア
ルキル基または芳香族炭化水素基などがあげられる。よ
り具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデ
シル基などがあげられ、ハロゲン化アルキルとしては、
上記のようなアルキル基を形成している水素原子の少な
くとも一部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨ
ウ素原子で置換された基があげられる。
【0018】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基などがあげられ、芳香族炭化水素基としては、アリ
ール基、アラルキル基などがあげられ、具体的には、フ
ェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニ
ルエチル基などがあげられる。
【0019】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基などがあげられる。ここで、R17
およびR18が結合している炭素原子と、R21が結合して
いる炭素原子またはR19が結合している炭素原子とは直
接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結
合していてもよい。すなわち、上記二個の炭素原子がア
ルキレン基を介して結合している場合には、R17および
21で表される基が、または、R18およびR19で表され
る基が互いに共同して、メチレン基(−CH2−)、エ
チレン基(−CH2CH2−)またはプロピレン基(−C
2CH2CH2−)の内のいずれかのアルキレン基を形
成している。
【0020】さらに、j=k=0のとき、R23とR20
たはR23とR27とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多
環の芳香族環の例としては、j=k=0のときR23とR
20がさらに芳香族環を形成している以下に記載する基な
どをあげることができる。
【0021】
【化7】
【0022】上記例示において、hは式〔2〕における
hと同じものを表す。上記のような式〔1〕、〔1−
1〕または〔2〕で表される環状オレフィンとしては、
具体的には、ビシクロ〔2. 2. 1〕ヘプト-2-エン誘導
体、テトラシクロ〔4. 4. 0. 12,5. 17,10〕-3-ドデセ
ン誘導体、ヘキサシクロ〔6. 6. 1. 13,6. 110,13. 0
2,7. 09,14〕-4-ヘプタデセン誘導体、オクタシクロ
〔8. 8. 0. 12,9. 14,7. 111,18. 113,16. 03,8. 0
12,17〕-5-ドコセン誘導体、ペンタシクロ〔6. 6. 1. 1
3,6. 02,7. 09,14〕-4-ヘキサデセン誘導体、ヘプタシ
クロ-5-エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5-ヘンエイコ
セン誘導体、トリシクロ〔4. 3. 0. 12,5〕-3-デセン誘
導体、トリシクロ〔4. 4. 0. 12,5〕-3-ウンデセン誘導
体、ペンタシクロ〔6. 5. 1. 13,6. 02,7. 09,13〕-4-
ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘
導体、ペンタシクロ〔7. 4. 0. 12,5. 19,12. 08,13〕-
3-ペンタデセン誘導体、ヘプタシクロ〔8. 7. 0. 13,6.
110,17. 112,15. 02,7. 011,16〕-4-エイコセン誘導
体、ノナシクロ〔10. 9. 1. 14,7. 113,20. 115,18. 0
3,8. 02,10. 012,21. 014,1 9〕-5-ペンタコセン誘導
体、ペンタシクロ〔8. 4. 0. 12,5. 19,12. 08,13〕-3-
ヘキサデセン誘導体、ヘプタシクロ〔8. 8. 0. 14,7. 1
11,18. 113,16. 03,8. 012,17〕-5-ヘンエイコセン誘導
体、ノナシクロ〔10. 10. 1. 15,8. 114,21. 116,19. 0
2,11. 04,9. 013,22. 015, 20〕-5-ヘキサコセン誘導
体、1, 4-メタノ-1, 4, 4a, 9a-テトラヒドロフルオレ
ン誘導体、1, 4-メタノ-1, 4, 4a, 5, 10, 10a-ヘキサ
ヒドロアントラセン誘導体、およびシクロペンタジエン
−アセナフチレン付加物などがあげられる。
【0023】以下に前記のような式〔1〕、〔1−1〕
または〔2〕で表される環状オレフィンのより具体的な
例を示す。
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0030】
【化14】
【0031】
【化15】
【0032】
【化16】
【0033】
【化17】
【0034】
【化18】
【0035】
【化19】
【0036】
【化20】
【0037】
【化21】
【0038】
【化22】
【0039】
【化23】
【0040】
【化24】
【0041】
【化25】
【0042】
【化26】
【0043】
【化27】
【0044】
【化28】
【0045】前記のような一般式〔1〕、〔1−1〕ま
たは〔2〕で表わされる環状オレフィンは、シクロペン
タジエンと対応する構造を有するオレフィン類とを、デ
ィールス・アルダー反応させることによって製造するこ
とができる。
【0046】(a)環状オレフィン系ランダム共重合体 環状オレフィン系ランダム共重合体(a)は、前記環状
オレフィン成分およびエチレン成分を必須成分とするも
のであるが、これらの必須の二成分の他に本発明の目的
を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不
飽和単量体成分を含有していてもよい。任意に共重合さ
れていてもよい不飽和単量体としては、例えば炭素数3
〜20のα−オレフィン、炭素と炭素の二重結合を1分
子内に2個以上含む炭化水素系単量体、前記一般式
〔1〕で表わされる環状オレフィン以外の環状オレフィ
ンなどをあげることができる。
【0047】前記炭素数3〜20のα−オレフィンとし
ては、具体的にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1
−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
センなどをあげることができる。
【0048】前記炭素と炭素の二重結合を1分子内に2
個以上含む炭化水素系単量体としては、具体的には1,
4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル
−1,5−ヘキサジエン、4−メチル−1,5−ヘキサ
ジエン、5−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチ
ル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オク
タジエン等の鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、
ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、
2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5
−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−
ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネ
ン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノル
ボルネン、4,9,5,8−ジメタノ−3a,4,4
a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベ
ンゾインデン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプ
ロピリデン−5−ノルボルネン;2−エチリデン−3−
イソプロピリデン−5−ノルボルネン;2−プロペニル
−2,2−ノルボルナジエンなどを例示することができ
る。これらのうちでは、1,4−ヘキサジエン、1,6
−オクタジエン、および環状非共役ジエン、とりわけジ
シクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2
−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,6−オク
タジエンが好ましい。
【0049】前記一般式〔1〕で表わされる環状オレフ
ィン以外の環状オレフィンとしては、具体的にはシクロ
ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジ
メチルシクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、2
−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、2,
3,3a,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H
−インデン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,
7−メタノ−1H−インデンなどをあげることができ
る。
【0050】このような任意に共重合されてもよい不飽
和単量体は単独で、または組合せて使用することがで
き、通常環状オレフィン系ランダム共重合体(a)を1
00%とすれば50モル%未満の量で用いられる。環状
オレフィン系ランダム共重合体(a)において、エチレ
ン成分に由来する構造単位は40〜85モル%、好まし
くは50〜75モル%の範囲、環状オレフィン成分に由
来する構造単位は15〜60モル%、好ましくは20〜
50モル%の範囲が適当であり、エチレン成分に由来す
る構造単位および環状オレフィン成分に由来する構造単
位はランダムに配列した実質上線状の環状オレフィン系
ランダム共重合体を形成している。上記環状オレフィン
系ランダム共重合体(a)が実質上線状であり、ゲル状
架橋構造を有していないことは、この共重合体が135
℃のデカリン中に完全に溶解することよって確認でき
る。
【0051】環状オレフィン系ランダム共重合体(a)
の135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕は
0.01〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl
/g、サーマル・メカニカル・アナライザーで測定した
軟化温度(TMA)は50〜200℃、好ましくは60
〜200℃、さらに好ましくは70〜150℃の範囲で
ある。なお軟化温度は、シート上に石英製針を載せ、荷
重49gをかけ、5℃/分で昇温させ、針が0.635
mm進入した温度である。
【0052】さらに環状オレフィン系ランダム共重合体
(a)としては、ヨウ素価(g−ヨウ素/100g共重
合体)が30以下、好ましくは25以下、ガラス転移温
度(Tg)が通常30〜180℃、好ましくは40〜1
80℃、X線回折法によって測定した結晶化度が0〜1
0%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%の
範囲のものが望ましい。
【0053】本発明で用いられる(a)環状オレフィン
系ランダム共重合体において、前記式〔1〕、〔1−
1〕または〔2〕で表される環状オレフィンから誘導さ
れる構成単位の少なくとも一部は、それぞれ下記構造式
〔1−a〕、〔1−1−a〕または〔2−a〕で示され
る。
【0054】
【化29】 (式〔1−a〕、〔1−1−a〕において、n、m、
q、R1〜R18ならびにRa、Rbは式〔1〕と同じもの
を表す。式〔2−a〕において、m、h、j、k、R7
〜R15およびR17〜R27は式〔2〕と同じもの表す。)
【0055】本発明では、上記環状オレフィン系ランダ
ム共重合体(a)を単独で使用することもできるし、こ
の共重合体(a)に、135℃のデカリン中で測定した
極限粘度〔η〕が0.01〜5dl/g、好ましくは
0.02〜3dl/gで、かつ軟化温度が50℃未満、
好ましくは−10〜+50℃未満、さらに好ましくは+
10〜+50℃未満の範囲にある環状オレフィン系ラン
ダム共重合体(d)を混合した非晶質ポリオレフィン樹
脂組成物(以下、樹脂組成物Aという場合がある)を使
用することができる。
【0056】環状オレフィン系ランダム共重合体(d)
としては、上記物性値に加え、さらにガラス転移温度
(Tg)が通常−30〜+60℃、好ましくは−20〜
+50℃、X線回折法によって測定した結晶化度が0〜
10%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%
の範囲にあるものを使用するのが望ましい。
【0057】環状オレフィン系ランダム共重合体(d)
としては、前記極限粘度、軟化温度等の物性値が前記環
状オレフィン系ランダム共重合体(a)と異なる以外は
環状オレフィン系ランダム共重合体(a)と同様のもの
が使用できる。例えば、エチレンおよび前記一般式
〔1〕で表わされる環状オレフィン以外の単量体が共重
合されているもの、または変性物などが使用できる。
【0058】樹脂組成物Aにおける環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体(a)と環状オレフィン系ランダム共重
合体(d)との混合割合は、前記(a)100重量部に
対して前記(d)0.1〜10重量部、好ましくは0.
3〜7重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部、最も
好ましくは1.2重量部が望ましい。
【0059】未変性の環状オレフィン系ランダム共重合
体(a)は、エチレン成分、前記一般式〔1〕で表わさ
れる環状オレフィン成分および必要により共重合される
他のモノマー成分を、周知のチーグラー系触媒の存在下
に重合することにより製造することができる。
【0060】上記チーグラー系触媒としては、例えば
(I)少なくともマグネシウム、チタンおよびハロゲン
を含有する複合体と有機アルミニウム化合物とからなる
触媒、(II)バナジウム化合物と有機アルミニウム化合
物とからなる触媒などをあげることができる。これらの
中では後者(II)の触媒が好ましく、特に可溶性バナジ
ウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒が
好ましい。
【0061】次に可溶性バナジウム化合物と有機アルミ
ニウム化合物とからなる触媒を用いた環状オレフィン系
ランダム共重合体(a)の具体的な製造方法について説
明する。環状オレフィン系ランダム共重合体(a)を製
造する方法において、触媒構成成分として使用される可
溶性バナジウム化合物は、共重合反応系の炭化水素媒体
に可溶性のバナジウム化合物であり、具体的には一般式 VO(OR)abまたはV(OR)cd (ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン、0≦a≦
3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d
≦4、3≦c+d≦4である。)で表わされるバナジウ
ム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物を代表例
としてあげることができる。より具体的にはVOC
3、VO(OC25)Cl2、VO(OC25 2
l、VO(O−iso−C37)Cl2、VO(O−n
−C49)Cl2、VO(OC253、VOBr2、V
Cl4、VOCl2、VO(O−n−C493、VCl3
・20C817OHなどを例示することができる。
【0062】有機アルミニウム化合物としては、少なく
とも分子内に1個のAl−炭素結合を有する化合物が利
用でき、例えば、 (i)一般式R1 mAl(OR2npq (ここで、R1およびR2は炭素数通常1〜15個、好ま
しくは1〜4個を含む炭化水素基を示し、互いに同一で
も異なっていてもよい。Xはハロゲンを示す。mは0≦
m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q
<3の数であって、しかもm+n+p+q=3であ
る。)で表わされる有機アルミニウム化合物、または (ii)一般式M1Al(R14 (ここで、M1はLi、NaまたはKであり、R1は前記
(i)と同じである。)で表わされる第I族金属とアル
ミニウムとの錯アルキル化物などをあげることができ
る。
【0063】前記(i)に属する有機アルミニウム化合
物としては、 一般式 R1 mAl(OR23-m (ここで、R1およびR2は前記(i)と同じ。mは好ま
しくは1.5≦m≦3である。) 一般式 R1 mAlX3-m (ここで、R1は前記(i)と同じ。Xはハロゲン、m
は好ましくは0<m<3である。) 一般式 R1 mAlH3-m (ここで、R1は前記(i)と同じ。mは好ましくは2
≦m<3である。) 一般式 R1 mAl(OR2nq (ここで、R1およびR2は前記(i)と同じ。Xはハロ
ゲン、0<m≦3、0≦n<3、0≦q<3で、m+n
+q=3である。)で表わされるものなどを例示でき
る。
【0064】前記(i)に属する有機アルミニウム化合
物において、より具体的にはトリエチルアルミニウム、
トリブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウ
ム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウ
ムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジ
アルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウ
ムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキ
シド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシドのほ
かに、(R10.5Al(OR20.5等で表わされる平均
組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアル
ミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド等
のジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウ
ムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルア
ルミニウムセスキハライド、エチルアルミニウムジクロ
リド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミ
ニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライド
などの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウ
ム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニ
ウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、エ
チルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジ
ヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部
分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアル
ミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキ
シクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミド等の
部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキル
アルミニウムなどを例示できる。
【0065】また前記(i)に類似する化合物として、
酸素原子や窒素原子を介して2以上のアルミニウムが結
合した有機アルミニウム化合物を使用することもでき
る。このような化合物として、例えば(C252Al
OAl(C252、(C49 2AlOAl(C49
2、(C252AlN(C65)Al(C252など
を例示できる。前記(ii)に属する化合物としては、L
iAl(C254、LiAl(C7 154などを例示
できる。これらの中では、とくにアルキルアルミニウム
ハライド、アルキルアルミニウムジハライドまたはこれ
らの混合物を用いるのが好ましい。
【0066】共重合反応は通常炭化水素媒体中で行われ
る。炭化水素媒体としては、例えばヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;前記重合
性不飽和単量体などを例示することができ、これらの2
種以上の混合媒体であってもよい。
【0067】共重合反応は連続法で実施するのが好まし
い。その際の共重合反応系に供給される可溶性バナジウ
ム化合物の濃度は共重合反応系内の可溶性バナジウム化
合物の濃度の10倍以下、好ましくは7〜1倍、さらに
好ましくは5〜1倍、もっとも好ましくは3〜1倍の範
囲である。また共重合反応系内のバナジウム原子に対す
るアルミニウム原子の比(Al/V)は2以上、好まし
くは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲である。
可溶性バナジウム化合物および有機アルミニウム化合物
は、それぞれ通常前記炭化水素媒体で希釈して供給され
る。ここで可溶性バナジウム化合物は前記濃度範囲に希
釈することが望ましいが、有機アルミニウム化合物は共
重合反応系内における濃度の例えば50倍以下の任意の
濃度に調製して共重合反応系に供給する方法が採用され
る。共重合反応系内の可溶性バナジウム化合物の濃度は
バナジウム原子として通常0.01〜5グラム原子/l
iter、好ましくは0.05〜3グラム原子/lit
erの範囲である。
【0068】共重合反応において、前記可溶性バナジウ
ム化合物および有機アルミニウム化合物の各触媒成分の
他に必要に応じて電子供与体の共存下に共重合反応を行
うこともできる。電子供与体としては、アルコール、フ
ェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸
または無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水
物、アルコキシシラン等の含酸素電子供与体;アンモニ
ア、アミン、ニトリル、イソシアネート等の含窒素電子
供与体などを用いることができる。
【0069】共重合反応は−50〜100℃、好ましく
は−30〜80℃、さらに好ましくは−20〜60℃の
温度で実施される。共重合反応は通常連続法で実施され
るが、その場合、重合原料のエチレン、環状オレフィ
ン、必要に応じて共重合される共重合可能成分、触媒成
分の可溶性バナジウム化合物、有機アルミニウム化合物
および炭化水素媒体が共重合反応系に連続的に供給さ
れ、共重合反応混合物が共重合反応系から連続的に抜出
される。共重合反応の際の平均滞留時間は重合原料の種
類、触媒成分の濃度および反応温度によっても異なる
が、通常5分〜5時間、好ましくは10分〜3時間の範
囲である。共重合反応の際の圧力は通常0を越えて50
kg/cm2以下、好ましくは0を越えて20kg/c
2以下に維持され、場合によっては窒素、アルゴンな
どの不活性ガスを存在させてもよい。また共重合体の分
子量を調整するため、適宜、水素などの分子量調節剤を
存在させることもできる。
【0070】共重合反応に供給されるエチレン/環状オ
レフィンのモル比は通常99/1〜1/99、好ましく
は98/2〜2/98の範囲である。共重合反応によっ
て得られる生成共重合体溶液は環状オレフィン系ランダ
ム共重合体の炭化水素媒体溶液である。この生成共重合
体溶液中に含まれる環状オレフィン系ランダム共重合体
の濃度は通常2〜20重量%、好ましくは2〜10重量
%の範囲である。この生成共重合体溶液をアセトン、メ
チルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類また
はメタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール
類などと、通常0〜100℃、好ましくは10〜70
℃、特に好ましくはケトン類またはアルコール類の沸点
近傍の温度で攪拌下に接触させて、環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体(a)を析出させる。析出した共重合体
を濾過、遠心分離などの分離手段によって分離すること
により、環状オレフィン系ランダム共重合体(a)が得
られる。
【0071】環状オレフィン系ランダム共重合体(d)
も環状オレフィン系ランダム共重合体(a)と同様にし
て製造することができる。環状オレフィン系ランダム共
重合体(a)の具体的な製造方法は、特開昭60−16
8708号公報、特開昭60−95905号公報、特開
昭60−95906号公報、特開昭61−120816
号公報、特開昭61−115912号公報、特開昭61
−115916号公報、特開昭61−271308号公
報、特開昭61−272216号公報、特開昭62−2
52406号公報、特開昭62−252407号公報な
どに開示されている。
【0072】(b)環状オレフィン系開環(共)重合体 本発明では、上記環状オレフィン系ランダム共重合体
(a)の代わりに環状オレフィンの開環重合体または開
環共重合体、あるいはそれらの水素添加物を用いてもよ
い。環状オレフィン系開環(共)重合体(b)を構成す
る環状オレフィンは、前記一般式〔1〕で表わされる不
飽和単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種の環
状オレフィンである。このような環状オレフィン系開環
(共)重合体(b)は、例えば特開昭60−26024
号公報に開示されている。
【0073】本発明で用いられる(b)の環状オレフィ
ン系開環(共)重合体は、前記式〔1〕、〔1−1〕ま
たは〔2〕で表される環状オレフィンから誘導される構
成単位からなり、この構成単位の少なくとも一部は、下
記式〔1−b〕、〔1−1−b〕または〔2−b〕で表
される。
【0074】
【化30】 (式〔1−b〕、〔1−1−b〕において、n、m、
q、R1〜R18ならびにRa、Rbは式〔1〕と同じもの
を表す。式〔2−b〕において、m、h、j、k、R7
〜R15およびR17〜R27は式〔2〕と同じもの表す。)
【0075】本発明で用いられる(b)の開環重合体ま
たは共重合体の水素化物は、上記開環重合体または共重
合体を、従来公知の水素添加触媒の存在下に水素化して
得られる。
【0076】この(b)の開環重合体または共重合体の
水素化物において、式〔1〕、〔1−1〕または〔2〕
で表される環状オレフィンから誘導される構成単位のう
ち、少なくとも一部は下記式〔1−c〕、〔1−1−
c〕または〔2−c〕で表される。
【0077】
【化31】 (式〔1−c〕、〔1−1−c〕において、n、m、
q、R1〜R18ならびにRa、Rbは式〔1〕と同じもの
を表す。式〔2−c〕において、m、h、j、k、R7
〜R15およびR17〜R27は式〔2〕と同じもの表す。)
【0078】環状オレフィン系開環(共)重合体(b)
は、前記環状オレフィンを必須成分とするものである
が、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他
の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよ
い。任意に共重合されていてもよい不飽和単量体として
は、例えば下記一般式〔3〕で表わされる環状オレフィ
ンなどをあげることができる。
【化32】 (式中、R28、R29は水素原子、炭化水素基またはハロ
ゲン原子であって、それぞれ同一でも異なっていてもよ
い。tは2以上の整数であって、R28、R29が複数回繰
り返される場合には、これらはそれぞれ同一でも異なっ
ていてもよい。)
【0079】前記一般式〔3〕で示されるモノマー成分
としては、例えばシクロブテン、シクロペンテン、シク
ロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロ
ノネン、シクロデセン、メチルシクロペンテン、メチル
シクロヘキセン、メチルシクロヘプテン、メチルシクロ
オクテン、メチルシクロノネン、メチルシクロデセン、
エチルシクロペンテン、エチルシクロブテン、エチルシ
クロオクテン、ジメチルシクロペンテン、ジメチルシク
ロヘキセン、ジメチルシクロヘプテン、ジメチルシクロ
オクテン、トリメチルシクロデセン、2−(2−メチル
ブチル)−1−シクロヘキセンなどがあげられる。
【0080】前記一般式〔3〕以外に任意に共重合され
てもよい不飽和単量体としては、具体的には2,3,3
a,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−イン
デン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メ
タノ−1H−インデン等の環状オレフィンをあげること
ができる。このような任意に共重合されてもよい不飽和
単量体は単独で、または組合せて使用することができ、
通常環状オレフィン系開環(共)重合体(b)を100
%とすれば50モル%未満の量で用いられる。
【0081】環状オレフィン系開環(共)重合体(b)
の135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕は
0.01〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl
/g、軟化温度(TMA)は50〜200℃、好ましく
は60〜200℃の範囲である。
【0082】さらに、環状オレフィン系開環(共)重合
体(b)としては、ヨウ素価が0〜200、好ましくは
0〜60、X線回折法によって測定した結晶化度が0〜
10%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%
のものが好ましい。
【0083】本発明では、上記環状オレフィン系開環
(共)重合体(b)を単独で使用することもできるし、
この(共)重合体(b)に前記環状オレフィン系ランダ
ム共重合体(d)を混合した非晶質ポリオレフィン樹脂
組成物(以下、樹脂組成物Bという場合がある)を使用
することができる。両者の混合割合は樹脂組成物Aの場
合と同様である。
【0084】前記一般式〔1〕で表わされる環状オレフ
ィン成分の開環(共)重合体を製造するには、前記一般
式〔1〕から選ばれるモノマー成分を原料とし、通常の
環状オレフィンの開環(共)重合法により開環(共)重
合させることができる。この場合、重合触媒としては、
例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウ
ム、イリジウム、白金、モリブデン、タングステン等の
ハロゲン化物、硝酸塩もしくはアセチルアセトン化合物
と有機スズ化合物、アルコール等の還元剤からなる系、
またはチタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステ
ン、モリブデン等のハロゲン化物もしくはアセチルアセ
トン化合物と有機アルミニウム等とからなる系などを用
いることができる。生成する開環(共)重合体の分子量
は、開環(共)重合時にオレフィンなどを添加して調節
することができる。
【0085】上記により得られる開環(共)重合体を水
素添加する場合、通常の水素添加方法を用いることがで
きる。水素添加触媒としては、オレフィン化合物の水素
添加に際して使用されているものが一般に使用可能であ
る。具体的には不均一触媒としてはニッケル、パラジウ
ム、白金等、またはこれらの金属をカーボン、シリカ、
ケイソウ土、アルミナ、酸化チタン等の担体に担持させ
た固体触媒などがあり、例えばニッケル/シリカ、ニッ
ケル/ケイソウ土、パラジウム/カーボン、パラジウム
/シリカ、パラジウム/ケイソウ土、パラジウム/アル
ミナなどがあげられる。また均一触媒としては、周期律
表第VIII族の金属を基体とするものがあり、例えばナフ
テン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、オクテン酸
コバルト/n−ブチルリチウム、ニッケルアセチルアセ
トネート/トリエチルアルミニウムなどのNi、Co化
合物と周期律表第I〜III族金属の有機金属化合物から
なるもの、あるいはRh化合物などがあげられる。
【0086】前記開環(共)重合体の水素添加は、触媒
の種類に応じて均一系または不均一系において、1〜1
50気圧の水素圧下に,0〜180℃、好ましくは20
〜100℃の温度範囲で行われる。水素添加率は、水素
圧、反応温度、反応時間、触媒濃度などにより調節でき
るが、水素添加物が優れた耐熱劣化性および耐光劣化性
を示すためには、重合体中の主鎖二重結合の50%以
上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以
上が水素添加されていることが好ましい。
【0087】(c)グラフト変性物 本発明では環状オレフィン系ランダム共重合体(a)の
代わりに、この共重合体(a)または環状オレフィン系
開環(共)重合体(b)のグラフト変性物を用いてもよ
い。グラフト変性物(c)としては、不飽和カルボン
酸、不飽和カルボン酸無水物、またはそれらの誘導体な
どの変性剤によるグラフト変性物があげられる。
【0088】変性に用いられる不飽和カルボン酸として
は、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル
酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン
酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル
酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−
エン−2,5−ジカルボン酸(ナジック酸、商標)およ
びメチル−エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−5−エン−2,5−ジカルボン酸(メチルナジック
酸、商標)などをあげることができる。また不飽和カル
ボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水シトラコ
ン酸、無水ナジック酸および無水メチルナジック酸など
をあげることができる。さらに不飽和カルボン酸誘導体
としては、上記不飽和カルボン酸の酸ハライド化合物
(例えば、塩化マレイル)、イミド化合物(例えば、マ
レイミド)、エステル化合物(例えば、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸ジメチルおよびグリシジルマレエー
ト)などなどをあげることができる。これらの中では、
無水マレイン酸または無水ナジック酸が好ましい。変性
剤は単独で、または組合わせて使用することができる。
【0089】グラフト変性物(c)中に含まれる不飽和
カルボン酸などの変性剤の含有量は、0.01〜10重
量%、好ましくは0.03〜5重量%が望ましい。本発
明においては、変性物と未変性物との混合物を使用する
こともでき、この場合変性剤の含有量が10重量%を超
える高変性率の変性物と未変性物との混合物で、混合物
全体として変成物の含有量が前記範囲のものも使用する
ことができる。
【0090】このようなグラフト変性物(c)の135
℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕および軟化温
度は前記未変性物と同じ範囲にあるものを使用し、また
ヨウ素価、ガラス転移温度および結晶化度も前記未変性
物と同じ範囲にあるものを使用するのが好ましい。
【0091】環状オレフィン系ランダム共重合体(a)
または環状オレフィン系開環(共)重合体(b)の未変
性物を変性剤により変性するには、例えば未変性物を溶
融させて不飽和カルボン酸などの変性剤を添加して反応
させる方法、未変性物を溶媒に懸濁または溶解させ、こ
の懸濁液または溶液に変性剤を添加する方法、両者を溶
媒に溶解させた後反応させる方法、パウダー等の固体状
態で両者を反応させる方法など、種々の方法を用いて行
うことができる。
【0092】このような変性反応により、環状オレフィ
ン系ランダム共重合体(a)または環状オレフィン系開
環(共)重合体(b)に変性剤がグラフト重合して変性
物が得られる。環状オレフィン系ランダム共重合体
(a)または環状オレフィン系開環(共)重合体(b)
にグラフトされる変性剤のグラフト位置に特に制限はな
く、(a)または(b)の(共)重合体を構成する任意
の炭素原子に結合していればよい。
【0093】上記のいずれの方法においても、変性剤
(グラフトモノマー)を効率よく反応(グラフト重合)
させるためには、ラジカル開始剤の存在下にグラフト反
応を行うのが好ましい。ラジカル開始剤としては、有機
ペルオキシド、有機ペルエステル、アゾ化合物などを使
用することができる。
【0094】ラジカル開始剤は、未変性物100重量部
に対して、通常0.001〜1重量部の範囲内で使用す
るのが好ましい。ラジカル開始剤を使用したグラフト反
応、あるいはラジカル開始剤を使用せずに行うグラフト
反応の反応温度は、通常60〜350℃の範囲内に設定
されるのが好ましい。
【0095】本発明では、前記(a)〜(c)の非晶質
ポリオレフィン樹脂(以下、これらを必須成分という)
は2種以上組合せて使用してもよく、また前記(d)の
環状オレフィン系ランダム共重合体の他に、本発明の目
的を損わない範囲で、その他の成分として衝撃強度を向
上させるためのゴム成分を配合したり、他の樹脂成分、
耐熱安定剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、ス
リップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、核剤、滑
剤、特定波長の光だけを吸収する染料、顔料、天然油、
合成油、ワックスまたは可透光性の充填剤などを配合す
ることができる。
【0096】例えば、任意成分として配合される安定剤
として具体的には、テトラキス〔メチレン−3(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、
2,2′−オキサミドビス〔エチル−3(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕等のフェノール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン
酸カルシウム等の脂肪酸カルシウムなどの脂肪酸金属
塩;多価アルコールの脂肪酸エステルなどをあげること
ができる。
【0097】これらは単独で配合してもよく、例えばテ
トラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンとス
テアリン酸亜鉛およびグリセリンモノステアレートとの
組合せなどを例示することができる。本発明では特に、
フェノール系酸化防止剤と多価アルコールの脂肪酸エス
テルとを組合せて用いることが好ましく、このような多
価アルコールの脂肪酸エステルとしては3価以上の多価
アルコールのアルコール性水酸基の一部がエステル化さ
れた多価アルコール脂肪酸エステルがあげられる。
【0098】このような多価アルコールの脂肪酸エステ
ルとしては、具体的にはグリセリンモノステアレート、
グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステー
ト、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジステア
レート、グリセリンジラウレート等のグリセリン脂肪酸
エステル;ペンタエリスリトールモノステアレート(p
entaerythritol mono stear
ate)、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペン
タエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトー
ルトリステアレート等のペンタエリスリトールの脂肪酸
エステルなどがあげられる。これらは単独で用いてもよ
く、相互間で組合せて用いてもよい。
【0099】フェノール系酸化防止剤は、必須成分の合
計100重量部に対して10重量部未満、好ましくは5
重量部未満、さらに好ましくは2重量部未満の割合で用
いるのが望ましい。また多価アルコールの脂肪酸エステ
ルは、必須成分の合計100重量部に対して10重量部
未満、好ましくは5重量部未満の割合で用いるのが望ま
しい。
【0100】本発明においては、PTPまたはブリスタ
ーパック包装用のシートまたはフィルムの素材として、
前記非晶質ポリオレフィン樹脂または樹脂組成物を使用
するが、透明性や真空または圧空成形性の面から、前記
(a)の環状オレフィン系ランダム共重合体およびその
変性物(c)が好ましく、真空または圧空成形性および
ヒートシール性の面から、前記変性物(c)が特に好ま
しい。
【0101】本発明のシートまたはフィルムは、前記非
晶質ポリオレフィン樹脂、またはこれと必要に応じて配
合される他の成分との組成物からシートまたはフィルム
を形成したものである。シートまたはフィルムの厚さは
特に制限されないが、150μm以上、特に250μm
以上のものが好ましく、この程度の厚さを有していれ
ば、特に防湿性が要求される薬剤のPTPまたはブリス
ターパック包装体においても充分な防湿性が得られる。
【0102】シートまたはフィルムを成形するには、T
ダイ法、インフレーション法などの一般的なシートまた
はフィルム成形法を採用することができる。成形された
シートまたはフィルムは延伸することなく、そのままP
TPまたはブリスターパック包装用のシートまたはフィ
ルムとして使用される。このようなシートまたはフィル
ムを1軸または2軸延伸するとシートまたはフィルムの
真空成形性が低下し、このため成形スピードの低下、不
良率の上昇など、生産性が低下するので、本発明では延
伸しないで用いる。延伸したシートまたはフィルムは真
空成形の際に軟化温度以上に表面温度を上昇させるた
め、シートまたはフィルムが収縮し、基本的に圧空成形
できるものではない。また機能を向上させるため、塩化
ビニリデンなどのコートまたは他の樹脂フィルムと積層
して積層フィルムとして使用することもできる。
【0103】本発明のシートまたはフィルムは防湿性お
よび透明性に優れ、さらに真空または圧空成形性にも優
れていることから、PTPまたはブリスターパック包装
用の素材として充分な性能を発揮する。このようなシー
トまたはフィルムは、真空成形、圧空成形などにより、
被包装物に合わせた形状のブリスターを形成し、PTP
包装またはブリスターパック包装に使用する。ブリスタ
ー形成のための真空成形、圧空成形の条件は従来のシー
トまたはフィルムと同様でよく、シート表面温度30〜
300℃、好ましくは50〜150℃、成形圧力0.2
〜20kgG/cm2、好ましくは0.2〜10kgG
/cm2の条件で成形できる。
【0104】前記(a)と(b)の非晶質ポリオレフィ
ン樹脂およびその変性物(c)はいずれも真空または圧
空成形性に優れているため、ブリスターを形成したと
き、ブリスターとフランジ部のエッジがきれいに仕上が
る。これらの中でも前記変性物(c)は真空または圧空
成形性が特に優れており、エッジがシャープに仕上がる
ため、1枚のシートまたはフィルムに形成するブリスタ
ー間のピッチ(間隔)を小さくすることができ、このた
め1枚のシートまたはフィルムに形成するブリスターの
数を多くすることができる。
【0105】本発明のPTPまたはブリスターパック包
装体は、上記シートまたはフィルムを真空または圧空成
形などの方法によりブリスターを形成した成形体と、シ
ール材とからなるものである。上記シートまたはフィル
ムの成形体は被包装物の形状にほぼ合せた輪郭をなし、
被包装物を収容するブリスター、およびこのブリスター
の周辺部に形成されたフランジ部を有し、このフランジ
部にシール材がヒートシールまたは接着剤などにより固
着されたものである。このような包装体で包装するに
は、被包装物を成形体のブリスターとシール材との間に
封入し、フランジ部とシール材とをヒートシールまたは
接着剤などの固着手段により固着して包装する。
【0106】シール材としては、一般のブリスターパッ
ク包装の場合は通常台紙が用いられるが、他のものでも
よい。PTP包装の場合は通常アルミニウム箔が使用さ
れるが、防湿性やヒートシール性の向上を図るため、本
発明で使用している非晶質ポリオレフィン樹脂をアルミ
ニウム箔に薄くコートしたものでもよい。またアルミニ
ウム箔の代わりに本発明の非晶質ポリオレフィンシート
またはフィルムをシール材として使用することもでき
る。
【0107】本発明で使用する樹脂のうち、前記(a)
と(b)の非晶質ポリオレフィン樹脂はヒートシール性
が十分ではないので、ヒートシールによる接着が困難な
場合がある。一方前記(c)のグラフト変性物はヒート
シール性が改善されているのでヒートシールによる接着
が容易である。従って、成形体またはシール材の少なく
とも一方の素材としてグラフト変性物(c)を用いる場
合は、ヒートシールによる包装が容易となる。
【0108】成形体およびシール材のいずれの素材にも
グラフト変性物(c)を使用しない場合、例えば成形体
として前記(a)または(b)の非晶質ポリオレフィン
樹脂からなるものを用い、シール材として台紙またはア
ルミニウム箔を用いる場合、両者は接着剤で接着して包
装することができる。このような場合であっても、台紙
またはアルミニウム箔に前記(c)のグラフト変性物そ
の他のヒートシール性樹脂層を積層することにより、ヒ
ートシールによる接着が容易となる。
【0109】次に本発明の包装体および包装方法を図面
を用いて説明する。図1は本発明の包装体により被包装
物を包装した状態を示す断面図である。図1において、
1は包装体で、成形体2およびシール材3からなり、被
包装物4を収容している。
【0110】成形体2は環状オレフィン系ランダム共重
合体(a)から成形されたものであり、被包装物4を収
容できる形状および大きさの複数のブリスター5が形成
され、このブリスター5の周辺部にフランジ部6が形成
されている。シール材3はアルミニウム箔7にグラフト
変性物(c)からなるヒートシール性樹脂層8が予め積
層されたものであり、ヒートシール性樹脂層8の面を成
形体2側にして用いられる。このような包装体1では、
被包装物4はブリスター5に収容され、フランジ部6と
これに対向するヒートシール性樹脂層8とがヒートシー
ルにより固着されて包装されている。
【0111】このような包装体1を形成するには、被包
装物4を成形体2のブリスター5に収容し、シール材3
を重ねて、フランジ部5とこれに対向するヒートシール
性樹脂層8とをヒートシールにより固着する。なお成形
体2をグラフト変性物(c)で形成した場合は、ヒート
シール性樹脂層8を省略することができる。またシート
材3としてヒートシール性のないシール材を用いた場合
には、ヒートシール性樹脂層8を省略し、ブリスター5
のフランジ部5とシール材3とを接着剤により固着す
る。
【0112】本発明のフィルムまたはシートは防湿性お
よび透明性が良いことからPTPおよびブリスターパッ
ク包装用の包装材料として使用することにより、商品価
値を上げることができる。被包装物としては、薬剤、食
品、日用品、雑貨など、任意のものがあげられる。特に
錠剤、カプセル剤等の薬剤、米菓、スナック、クッキー
等の食品、タバコ、ティーバックなどの吸湿性の被包装
物の包装に使用すると、防湿性と透明性が保証される。
【0113】
【発明の効果】以上のように、本発明のPTPまたはブ
リスターパック包装用シートまたはフィルムによれば、
素材として特定の非晶質ポリオレフィン樹脂を使用する
ようにしたので、防湿性および透明性に優れ、しかも真
空または圧空成形性にも優れたPTPまたはブリスター
パック包装用材料として極めて良好なシートまたはフィ
ルムが得られる。
【0114】また本発明のPTPまたはブリスターパッ
ク包装体によれば、上記シートまたはフィルムにより包
装するため、防湿性および透明性に優れたPTPまたは
ブリスターパック包装体が得られる。
【0115】さらに本発明のPTPまたはブリスターパ
ック包装体の形成方法によれば、上記シートまたはフィ
ルムを用いて簡単に被包装物を包装し、防湿性および透
明性に優れた包装体を形成することができる。
【0116】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 実施例1 エチレンと8−エチルテトラシクロ〔4.4.0.1
2,5.17,10〕−3−ドデセン(前記一般式〔1〕にお
いて、n=0、m=1、q=0、R7〜R14およびR16
〜R18が水素原子、R15エチル基である環状オレフィ
ン、以下ETCD−3と略記する)との共重合体で、
〔η〕が0.68dl/g、軟化温度(TMA)が88
℃、Tgが70℃のものを原料に、30mmφ押出機を使
用してTダイ成形法でシート厚さ0.25mmのシート
を作成した。得られたシートの防湿性、透明性などの物
性を測定した。結果を表1に示す。
【0117】実施例2 エチレンとETCD−3との共重合体で、〔η〕が0.
77dl/g、軟化温度(TMA)が60℃、Tgが4
5℃のものを原料に、30mmφ押出機を使用してTダ
イ成形法でシート厚さ0.25mmのシートを作製し
た。得られたシートの防湿性、透明性などの物性を実施
例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
【0118】比較例1 〔η〕が3.0dl/gのポリプロピレンを原料に、実
施例1と同じ装置でシート厚さ0.25mmのシートを
作製し、防湿性、透明性などの物性を実施例1と同様に
して測定し、実施例のものと比較した。結果を表1に示
す。
【0119】実施例3 実施例1で用いたエチレンとETCD−3との共重合体
のペレット100重量部に対し、無水マレイン酸のアセ
トン溶液を無水マレイン酸換算で1重量部、過酸化物
(パーヘキシン25B;日本油脂(株)製、商標)0.
2重量部を均一に添加した。次いで、このペレットを用
い、二軸押出機でシリンダー温度230℃の条件下、無
水マレイン酸のグラフト変性を行った。
【0120】無水マレイン酸変性前のエチレン・ETC
D−3共重合体95重量部と、上記で得られた無水マレ
イン酸変性エチレン・ETCD−3共重合体ペレット
(無水マレイン酸のグラフト量0.7wt%)5重量部
とを混合し、実施例1と同様に0.25mmのシートを
作成した。得られたシートの物性を実施例1と同様にし
て測定した。またこのシートとアルミニウム箔とのヒー
トシール性を調べた。ヒートシール性は下記の条件での
ヒートシール強度により評価した。結果を表1に示す。
【0121】(ヒートシール強度測定条件) アルミニウム箔:厚さ100μm(表面無処理) ヒートシール条件:熱板温度240℃、接着時間0.5
秒 接着強度測定条件:ヒートシールしたエチレン・ETC
D−3シートとアルミニウム箔を20mm幅の短冊状に
切断し、端部より引張り速度50mm/minでT字剥
離し、剥離強度を求めた。
【0122】
【表1】
【0123】表1の結果から、実施例のものはいずれ
も、比較例のものに比べて真空成形性、防湿性および透
明性が優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装体により被包装物を包装した状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 包装体 2 成形体 3 シール材 4 被包装物 5 ブリスター 6 フランジ部 7 アルミニウム箔 8 ヒートシール性樹脂層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】また特開平2−196832号には、13
5℃のデカリン中で測定した極限粘度が0.01〜10
dl/g、軟化温度(TMA)が70℃以上である、後
述の一般式〔1〕のnが0の場合の環状オレフィンと、
エチレンとの共重合体からなる環状オレフィン系ランダ
ム共重合体を2軸延伸したシートまたはフィルムが記載
されている。しかし、このような2軸延伸したシートま
たはフィルムは、表面温度が軟化温度(TMA)以上に
なると収縮するので、軟化温度(TMA)以上の温度で
成形を行う真空または圧空成形による成形は難しい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基などがあげられる。ここで、R17
およびR18が結合している炭素原子と、R21が結合して
いる炭素原子またはR19が結合している炭素原子とは直
接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結
合していてもよい。すなわち、上記二個の炭素原子がア
ルキレン基を介して結合している場合には、R17および
21で表される基が、または、R18およびR19で表され
る基が互いに共同して、メチレン基(−CH2−)、エ
チレン基(−CH2CH2−)またはトリメチレン基(−
CH2CH2CH2−)の内のいずれかのアルキレン基を
形成している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】環状オレフィン系ランダム共重合体(a)
の135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕は
0.01〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl
/g、サーマル・メカニカル・アナライザーで測定した
軟化温度(TMA)は50〜200℃、好ましくは60
〜200℃、さらに好ましくは70〜150℃の範囲で
ある。なお軟化温度(TMA)は、シート上に直径1.
0mmの石英製針を載せ、荷重49gをかけ、5℃/分
で昇温させ、針が0.635mm進入した温度である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】本発明では、上記環状オレフィン系ランダ
ム共重合体(a)を単独で使用することもできるし、こ
の共重合体(a)に、135℃のデカリン中で測定した
極限粘度〔η〕が0.01〜5dl/g、好ましくは
0.02〜3dl/gで、かつ軟化温度(TMA)が5
0℃未満、好ましくは−10〜+50℃未満、さらに好
ましくは+10〜+50℃未満の範囲にある環状オレフ
ィン系ランダム共重合体(d)を混合した非晶質ポリオ
レフィン樹脂組成物(以下、樹脂組成物Aという場合が
ある)を使用することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】環状オレフィン系ランダム共重合体(d)
としては、前記極限粘度、軟化温度(TMA)等の物性
値が前記環状オレフィン系ランダム共重合体(a)と異
なる以外は環状オレフィン系ランダム共重合体(a)と
同様のものが使用できる。例えば、エチレンおよび前記
一般式〔1〕で表わされる環状オレフィン以外の単量体
が共重合されているもの、または変性物などが使用でき
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】次に可溶性バナジウム化合物と有機アルミ
ニウム化合物とからなる触媒を用いた環状オレフィン系
ランダム共重合体(a)の具体的な製造方法について説
明する。環状オレフィン系ランダム共重合体(a)を製
造する方法において、触媒構成成分として使用される可
溶性バナジウム化合物は、共重合反応系の炭化水素媒体
に可溶性のバナジウム化合物であり、具体的には一般式 VO(OR)abまたはV(OR)cd (ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン、0≦a≦
3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d
≦4、3≦c+d≦4である。)で表わされるバナジウ
ム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物を代表例
としてあげることができる。より具体的にはVOC
3、VO(OC25)Cl2、VO(OC25 2
l、VO(O−iso−C37)Cl2、VO(O−n
−C49)Cl2、VO(OC253、VOBr2、V
Cl4、VOCl2、VO(O−n−C49 3どを例
示することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】前記(i)に属する有機アルミニウム化合
物において、より具体的にはトリエチルアルミニウム、
トリブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウ
ム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウ
ムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジ
アルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウ
ムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキ
シド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシドのほ
かに、(R10.5Al(OR20.5等で表わされる平均
組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアル
ミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド等
のジアルキルアルミニウムハライドや、エチルアルミニ
ウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルア
ルミニウムセスキハライドや、エチルアルミニウムジク
ロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアル
ミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライ
ドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウ
ム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニ
ウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、エ
チルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジ
ヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部
分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアル
ミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキ
シクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミド等の
部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキル
アルミニウムなどを例示できる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】共重合反応は−50〜100℃、好ましく
は−30〜80℃、さらに好ましくは−20〜60℃の
温度で実施される。共重合反応は通常連続法で実施され
るが、その場合、重合原料のエチレン、環状オレフィ
ン、必要に応じて共重合される共重合可能成分、触媒成
分の可溶性バナジウム化合物、有機アルミニウム化合物
および炭化水素媒体が共重合反応系に連続的に供給さ
れ、共重合反応混合物が共重合反応系から連続的に抜出
される。共重合反応の際の平均滞留時間は重合原料の種
類、触媒成分の濃度および反応温度によっても異なる
が、通常5分〜5時間、好ましくは10分〜3時間の範
囲である。共重合反応の際の圧力は通常0を越えて50
kg/cm 2以下、好ましくは0を越えて20kg/
cm 2以下に維持され、場合によっては窒素、アルゴ
ンなどの不活性ガスを存在させてもよい。また共重合体
の分子量を調整するため、適宜、水素などの分子量調節
剤を存在させることもできる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正内容】
【0090】このようなグラフト変性物(c)の135
℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕および軟化温
(TMA)は前記未変性物と同じ範囲にあるものを使
用し、またヨウ素価、ガラス転移温度および結晶化度も
前記未変性物と同じ範囲にあるものを使用するのが好ま
しい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正内容】
【0102】シートまたはフィルムを成形するには、T
ダイ法、インフレーション法などの一般的なシートまた
はフィルム成形法を採用することができる。成形された
シートまたはフィルムは延伸することなく、そのままP
TPまたはブリスターパック包装用のシートまたはフィ
ルムとして使用される。このようなシートまたはフィル
ムを1軸または2軸延伸するとシートまたはフィルムの
真空成形性が低下し、このため成形スピードの低下、不
良率の上昇など、生産性が低下するので、本発明では延
伸しないで用いる。延伸したシートまたはフィルムは真
空成形の際に軟化温度(TMA)以上に表面温度を上昇
させるため、シートまたはフィルムが収縮し、基本的に
圧空成形できるものではない。また機能を向上させるた
め、塩化ビニリデンなどのコートまたは他の樹脂フィル
ムと積層して積層フィルムとして使用することもでき
る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正内容】
【0103】本発明のシートまたはフィルムは防湿性お
よび透明性に優れ、さらに真空または圧空成形性にも優
れていることから、PTPまたはブリスターパック包装
用の素材として充分な性能を発揮する。このようなシー
トまたはフィルムは、真空成形、圧空成形などにより、
被包装物に合わせた形状のブリスターを形成し、PTP
包装またはブリスターパック包装に使用する。ブリスタ
ー形成のための真空成形、圧空成形の条件は従来のシー
トまたはフィルムと同様でよく、シート表面温度30〜
300℃、好ましくは50〜150℃、成形圧力0.2
〜20kg/cm2、好ましくは0.2〜10kg/
cm2の条件で成形できる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正内容】
【0111】このような包装体1を形成するには、被包
装物4を成形体2のブリスター5に収容し、シール材3
を重ねて、フランジ部とこれに対向するヒートシール
性樹脂層8とをヒートシールにより固着する。なお成形
体2をグラフト変性物(c)で形成した場合は、ヒート
シール性樹脂層8を省略することができる。またシート
材3としてヒートシール性のないシール材を用いた場合
には、ヒートシール性樹脂層8を省略し、ブリスター5
のフランジ部5とシール材3とを接着剤により固着す
る。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正内容】
【0116】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 実施例1 エチレンと8−エチルテトラシクロ〔4.4.0.1
2,5.17,10〕−3−ドデセン(前記一般式〔1〕にお
いて、n=0、m=1、q=0、R7〜R14およびR16
〜R18が水素原子、R 15エチル基である環状オレフィ
ン、以下ETCD−3と略記する)との共重合体で、
〔η〕が0.68dl/g、軟化温度(TMA)が88
℃、Tgが70℃のものを原料に、30mmφ押出機を使
用してTダイ成形法でシート厚さ0.25mmのシート
を作成した。得られたシートの防湿性、透明性などの物
性を測定した。結果を表1に示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)135℃のデカリン中で測定した
    極限粘度〔η〕が0.01〜10dl/g、軟化温度
    (TMA)が50〜200℃である、下記一般式〔1〕
    で表わされる環状オレフィンとエチレンとの共重合体か
    らなる環状オレフィン系ランダム共重合体、 (b)135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕
    が0.01〜10dl/g、軟化温度(TMA)が50
    〜200℃である、下記一般式〔1〕で表わされる環状
    オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素添加、
    あるいは (c)前記環状オレフィン系ランダム共重合体(a)ま
    たは環状オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水
    素添加物(b)のグラフト変性物の非晶質ポリオレフィ
    ン樹脂からなることを特徴とするPTPまたはブリスタ
    ーパック包装用シートまたはフィルム。 【化1】 (式〔1〕において、nは0または1、mは0または正
    の整数、qは0または1、R1〜R18ならびにRaおよび
    bはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および
    炭化水素基からなる群から選ばれる原子または基を示
    す。またR15〜R18は互いに結合して単環または多環を
    形成していてもよく、またR15とR16とで、またはR17
    とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。R15
    〜R18により形成される前記単環または多環は二重結合
    を有していてもよい。ここでqが0の場合には、それぞ
    れの結合手が結合して5員環を形成する。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシートまたはフィルムに
    ブリスターを形成した成形体と、シール材とからなるこ
    とを特徴とするPTPまたはブリスターパック包装体。
  3. 【請求項3】 成形体が被包装物を収容するブリスター
    と、このブリスターの周辺部に形成されたフランジ部と
    を有し、フランジ部がシール材に固着されてシールされ
    ていることを特徴とする請求項2記載のPTPまたはブ
    リスターパック包装体。
  4. 【請求項4】 シール材がアルミニウム箔あるいは請求
    項1記載のシートまたはフィルムからなることを特徴と
    する請求項2または3記載のPTPまたはブリスターパ
    ック包装体。
  5. 【請求項5】 シール材が、アルミニウム箔または台紙
    に、 (c)135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕
    が0.01〜10dl/g、軟化温度(TMA)が50
    〜200℃である、下記一般式〔1〕で表わされる環状
    オレフィンとエチレンとの共重合体からなる環状オレフ
    ィン系ランダム共重合体(a)、または135℃のデカ
    リン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01〜10dl
    /g、軟化温度(TMA)が50〜200℃である、下
    記一般式〔1〕で表わされる環状オレフィンの開環
    (共)重合体もしくはその水素添加物(b)のグラフト
    変性物を積層したものである請求項2または3記載のP
    TPまたはブリスターパック包装体。 【化2】 (式〔1〕において、nは0または1、mは0または正
    の整数、qは0または1、R1〜R18ならびにRaおよび
    bはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および
    炭化水素基からなる群から選ばれる原子または基を示
    す。またR15〜R18は互いに結合して単環または多環を
    形成していてもよく、またR15とR16とで、またはR17
    とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。R15
    〜R18により形成される前記単環または多環は二重結合
    を有していてもよい。ここでqが0の場合には、それぞ
    れの結合手が結合して5員環を形成する。)
  6. 【請求項6】 請求項1記載のシートまたはフィルムか
    らなり、被包装物を収容するブリスター、およびこのブ
    リスターの周辺部に形成されたフランジ部を有する成形
    体のブリスターに、被包装物を収容し、成形体のフラン
    ジ部とシール材とをヒートシールまたは接着剤により固
    着することを特徴とする包装体の形成方法。
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